JP5292615B2 - 不織布シートならびに、これを含む含水シートおよび化粧料 - Google Patents
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Description
しかしながら、熱接着性成分を融着することで作成されたシートは、湿潤時の収縮は改善されるがシート全体が硬くなってしまい肌への沿い性は低下する。さらにシート表面は親水性繊維を主体繊維としているため繊維内に含浸した薬液を取り込んでしまい、充分に拭き取り対象物に放出することが出来なくなる。また社会ニーズの広がりによって更に種々の流動性組成物を取り込む機能を求められることになった。
更に、EVOHは特に熱水に対して不安定になるケースがあるため、通常は繊維化した後に、EVOHをアセタール化して耐熱水性を高める方法が用いられることがあるが、本発明の用途のように、皮膚への適合性が要求される用途に対しては、アセタール化等が行われていない繊維の方が望ましい。
また、鞘部が90質量%を超えると、芯部が繊維の形態を保持できなくなり、繊維そのものの強度を充分に確保することが困難となる場合がある。また、逆に鞘部が10質量%未満であると、樹脂量が少ないために繊維形態を保持できなくなり、目的とする性能を確保することができなくなる可能性があり好ましくない。
即ち溶剤紡糸セルロース系繊維を太くすると、同一目付では、該セルロース系繊維本数が少なくなると共に、表面積も少なくなる。このためできた不織布シートの親水性が低下し、逆に細くすると増加する。また、肌触りについては、同じく該セルロース系繊維を太くすることにより粗くなる。
例えば、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の混合比が40:60で、芯鞘型複合繊維の鞘部がエチレン成分50mol%、ケン化度98%のエチレン−ビニルアルコール共重合体であるとき、顔などを不織布シートで被覆して用いる化粧料の用途では溶剤紡糸セルロース系繊維に対する芯鞘型複合繊維の太さの比は0.3〜3.0の範囲である事が好ましく、0.3〜2.0の範囲である事がより好ましい。
また、短すぎると不織布シートからの繊維の抜けが発生しやすくなるだけでなく、柔軟性、伸縮性が低下するので好ましくない。
このような観点から溶剤紡糸セルロース系繊維の繊維長は30mm〜60mmであり、
好ましくは35mm〜50mmである。また芯鞘型複合繊維の繊維長は30mm〜60mmであり、好ましくは45mm〜60mmである。
また好ましい溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の繊維長の比は0.5〜2、さらに好ましくは0.8〜1.5である。
また本発明の不織布シートを化粧料組成物を含む流動性組成物と一体とすることでなる化粧料として用いる場合、前記化粧料組成物を含む流動性組成物の極性に応じて共重合組成を調節することで、該流動性組成物の含浸性を高めることができる。
すなわち親油性の前記流動性組成物を用いる場合は、溶剤紡糸セルロース系繊維の割合を低くすること、親水性の前記流動性組成物を用いる場合は、溶剤紡糸セルロース系繊維の割合を高くすることが好ましい。
JIS L 1096 8.5に準じ厚さの測定方法で測定する。厚み計は、Mitutouo
Corporation製デジマチックインジケーターを使用し、測定子1インチΦ
荷重12g/cm2で 測定した。
不織布の坪量(g/m2) 繊維比重(g/cm3) 不織布厚み(cm)から、下式で算出できる
空隙率(%)=100−((不織布坪量(g)/繊維比重(g/cm3))/(不織布体積(cm3))
×100)
本発明シートを触った時の肌触りを、5名の被験者により、以下の基準に従って官能評価した。
<評価基準>
〇 : 肌触りが良い
△ : 肌触りがやや良くない
× : 肌触りが良くない
吸液速度はJIS L 1907 7.1.1滴下法に準じて実施した。
周りを把持し、中に浮いた状態の不織布の上方1cmからビュレットで液体を一滴滴下し、表面の液滴の特別な光の反射をしなくなるまでの時間を測定した。滴下する液体により試験IとIIを実施した。
試験 I : イオン交換水
試験 II : 日清オイリオグループ株式会社製 食用調合油
JIS L 1907 7.2吸水率に準じて測定する。試験片を5cm角に切り出し
て重量を測定する(Ag)。その試験片を化粧料組成物を含む流動性組成物(株式会社エーサン製 エーサンローラローション)の中に30秒浸した。その後試験片の一辺をつまんで液から取り出し10秒後の重量(Bg)さらに1分後の重量(Cg)を測定した。
保液率(D%)は下記式にて算出される。
D(%)= (C−A)/ A × 100
保水率を測定したサンプルを、10cm角に切り出して約2.5gに裁量した濾紙(訂正濾紙No.2)間にはさみ、上から2kgの重りを置いて1分間静置する。1分後サンプルを取り出し濾紙重量の増加重量を測定する。増加重量Gg。化粧料組成物を含む流動性組成物の放出率(F%)は下記式で算出される。
F(%)= G/(C−A)×100
凹部と凸部の測定は、キーエンス社 マイクロスコープ VH−6300を使用して不織布断面を観察しとなりあう凹部と凸部の差を3箇所計測し平均することで得られる。
50%伸長時の応力は、島津製作所 オートグラフAGS−50Dを使用し、試料巾50mm 測定長100mm 測定スピード200mm/minで引張試験を行った時、伸度が50%に到達した時点の強力値で示される。
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がEVOH(エチレン含有量44モル%、鹸化度98.4
モル%)である芯鞘型複合ステープル繊維(クラレ社製、「ソフィスタ」、1.7dtex、51mm長、
芯鞘質量比=50/50、円形断面、芯部径8.9μm、)を70質量%溶剤紡糸セルロース系繊維(レンチング社製、「リヨセル」、1.7dtex、38mm長)を30質量%混綿した目付約60g/m2のカードウェブを作製した。
次いで、このカードウェブに水流を噴射し、絡合処理を施して目付60g/m2の水流絡合不織布とし、
本発明の不織布シートを得た。なお、水流絡合処理は、直径0.1mmのオリフィスがウェブの幅方向
に間隔0.6mm毎に設けられたノズルを用い、水圧6MPaを表裏2段づつで噴射し交絡させた。また得られた不織布シートの空隙率は92%であった。
このシートは充分な保水・水放出性を有すると共に良好な肌触りを有していた。
実施例1で使用した芯鞘型複合ステープル繊維を50質量%、溶剤紡糸セルロース系繊維を50質量%混綿し、目付約60g/m2のカードウェブを作製したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の不織布シ
ートを得た。また得られた不織布シートの空隙率は90%であった。
このシートは良好な保水・水放出性を有すると共に良好な肌触りを有していた。
実施例1で使用した芯鞘型複合ステープル繊維を10質量%、溶剤紡糸セルロース系繊維を90質量%混綿し、目付約60g/m2のカードウェブを作製したこと以外は、実施例1と同様にして不織布シートを得
た。また得られた不織布シートの空隙率は88%であった。
このシートは良好な保水・水放出性を有すると共に良好な肌触りを有していた。
実施例1と同様の繊維構成ウェブに水流を噴射し、絡合処理を施して目付60g/m2の水流絡合不織布とした。水流絡合処理は、直径0.08mmのオリフィスがウェブの幅方向に間隔0.6mm毎に設けられたノズルを用い、上下にメッシュ数76のポリエステルネットを挟んで、水圧6MPaを表裏2段づつで噴射し水流絡合処理した結果、実施例4のシートを得た。実施例1に比べると長時間使用した場合などに少しむれるという感想を持つ被験者があったが、肌へのフィット性は良好であり充分実用可能な肌触りであった。
実施例1で使用した芯鞘型複合ステープル繊維を100質量% 目付約60g/m2のカードウェブを
作製したこと意外は、実施例1と同様にして不織布シートを得た。また得られた不織布シートの空隙率は93%であった。
このシートは、優れた保水・水放出性を有していたが、吸水速度が遅いため使用しにくいものであった。
丸三株式会社製コットン繊維100%で 目付60g/m2のカードウェブを作製したこと以外は、実施例1と同様にして不織布シートを得た。また得られた不織布シートの空隙率は93%であった。
このシートは、50%伸長応力高く、柔軟性および肌へのフィット性に劣るものであった。
繊維長25mmである芯鞘型複合繊維を用いた事以外は実施例1と同じ組成で不織布を製造しようとしたが、カードウェブが工程通過途中で素抜けてしまい、シートになりえなかった。
繊維長80mmである芯鞘型複合繊維を用いた事以外は実施例1と同じ組成で不織布を製造した、この不織布は繊維の混綿状態が不充分あるためこのましい吸液性能が得られず、さらに交絡が不充分であるため肌触りが悪く好ましいものではなかった。
Claims (4)
- 溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の繊維長が30〜60mmで、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維とが交絡してなり、表面に水流絡合処理による凹部と凸部の高低差が0.1〜0.4mmの範囲にあると共に0.04〜0.5mmのピッチで、一定方向に連続している凹凸を有する不織布シートであって、前記芯鞘型複合繊維は鞘部と芯部とからなり、該鞘部がエチレンービニルアルコール共重合体であるとともに該芯部が疎水性樹脂からなり、芯部の径が5μm〜15μmであることを特徴とする不織布シート。
- 該芯鞘型複合繊維を30〜80質量%含む事を特徴とする請求項1記載の不織布シート。
- 請求項1または2に記載の不織布シートと水とが一体となった含水シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の不織布シートと化粧料組成物を含む流動性組成物とが一
体となった化粧料。
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