JP5292615B2 - 不織布シートならびに、これを含む含水シートおよび化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、排泄物、皮脂、化粧品、などの肌の清拭、拭き取りや、保湿、美容などの機能を有する化粧料組成物を含む流動性組成物の肌への吸着、吸収に有効な基材となる不織布シートに関する。また該不織布シートを含む含水シートおよび化粧料に関する。
従来から、水や水性の流動性組成物を不織布シートと一体としたウェットティッシュ、使い捨ておしぼり、肌を被覆するシート状化粧料などの含水シートにはレーヨン等の親水性繊維または親水性繊維と熱接着性複合繊維の混綿からなる繊維ウェブに高圧水流処理を施した不織布、あるいは前記不織布を機能的な改善を施した様々な不織布が提案されている。しかしながら、レーヨン等の親水性繊維は湿潤時に、繊維のコシの低下や繊維の収縮などによりシワの発生が起きて、作業性や保液性を損う形態安定性の低下につながるなどの問題がある。また繊維内に水分が取り込まれて、水分の効果を有効に利用できない、などの問題があった。上記問題を改善すべく、疎水性合成短繊維を50質量%以上含有し、構成繊維同士が部分的熱圧着部により接合された熱接着不織布の両面に、親水性短繊維を40質量%以上含有してなる繊維ウェブが積層され、絡合されてなる複合湿潤シートが提案されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、熱接着性成分を融着することで作成されたシートは、湿潤時の収縮は改善されるがシート全体が硬くなってしまい肌への沿い性は低下する。さらにシート表面は親水性繊維を主体繊維としているため繊維内に含浸した薬液を取り込んでしまい、充分に拭き取り対象物に放出することが出来なくなる。また社会ニーズの広がりによって更に種々の流動性組成物を取り込む機能を求められることになった。
特開2001−336053号
すなわち本発明が解決しようとする課題は、柔らかく肌触りがよく、種々の流動性組成物を含浸したときに良好な含浸性と保液性を持ち、更に圧力などによって該流動性組成物を効率良く放出でき、水分の含浸によるコシの低下や収縮が少ないことで不織布シートの形態安定性に優れる不織布シートを提供することにある。また、肌触りが良く、水の保液性、放出性、形態安定性に優れる含水シートを提供することにある。また、肌触りが良く、化粧料の放出性が良く、また形態安定性に優れるので皮膚に容易かつきれいに貼り付けられる化粧料を提供することにある。
我々は以上の課題を鑑みて鋭意検討し、本発明に至った。
すなわち第1の発明は、30〜60mmの繊維長を有する溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維とが交絡してなり、表面に水流絡合処理による凹凸を有する不織布シートであって、前記芯鞘型複合繊維は鞘部と芯部とからなり、該鞘部がエチレンービニルアルコール共重合体であるとともに該芯部が疎水性樹脂からなり、芯部の径が5μm〜15μmであることを特徴とする不織布シートである。
また第の発明は、第1の発明の不織布シートであって前記芯鞘型複合繊維を30〜80質量%含む事を特徴とする不織布シートである。
また第1または2の発明で提供するいずれかの不織布シートと水とが一体となった含水シートである。
また第1〜3のいずれかの発明で提供する不織布シートと化粧料組成物を含む流動性組成物とが一体となった化粧料である。

以上述べた手段によって、本発明は、排泄物、皮脂、化粧品、などの肌の清拭、拭き取りや、保湿、美容などの機能を有する化粧料組成物を含む流動性組成物の肌への吸着、吸収に有効な基材となる不織布シートを提供する。また該不織布シートを含む含水シートおよび化粧料を提供する。
第1の発明は、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の鞘部であるエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと称する場合がある)が共に親水性を有するだけでなく2つの繊維が互いに交絡することによって不織布シートを構成するので柔らかく肌触りが良い。また溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維は共に流動性組成物の含浸性が高く、すみやかに水などの流動性組成物を含浸できる。
溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の繊維長が、30〜60mmであることで、不織布の剛性と適度な柔軟性と伸縮性を確保でき、柔らかい肌触りと肌へのフィット感が実現できる。また乾式条件での繊維交絡による製造に好適なので、流動性組成物の含浸に優れるとともにクッション性にも優れた、嵩高い不織布シートが得られる。
またエチレン−ビニルアルコール共重合体が疎水性部分を有することと、不織布シートを構成するエチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量や、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の混合比率などを調節することができることとで種々の流動性組成物を含浸できる。
また溶剤紡糸セルロース系繊維は水や水溶液、極性溶媒、これらのエマルジョンなどの親水性の流動性組成物の保液性が高い。一方、エチレン−ビニルアルコール共重合体は保液性が低い。このため圧力などで容易にエチレン−ビニルアルコール共重合体付近の流動性組成物が外に染み出す。更に流動性組成物を放出したエチレン−ビニルアルコール共重合体は高い含浸性で溶剤紡糸セルロース系繊維から更に流動性組成物を奪うので、適当な速度で連続的に流動性組成物が外に染み出す。不織布シートが溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維とが互いに交絡してなることで流動性組成物の移動が速やかに行われる。これらによって含浸した流動性組成物の放出性が高くなるので有効に流動性組成物を使用できる。
また疎水性樹脂を芯部とする芯鞘型複合繊維は水分の含浸による収縮が少なく、シワになりにくいので保液性や作業性を損なうこともない。また、たとえば皮膚に密着させることが重要な化粧料の基材などの用途では肌への沿い性が高くなる。
また芯鞘型複合繊維の芯部の径が5μm〜15μmであることで使用時に芯のコシを肌に感じることが出来るので、柔らかい感触となる。
第2の発明は、不織布シートの表面が凹凸を有することで、肌と密着したときに肌との間に空気層ができるので蒸れにくい。また表面積が高まるので肌との密着性が高まる。流動性組成物を含浸させ、圧力によって放出させる、ウェットティッシュ、使い捨ておしぼり、化粧料などの用途では凹部に流動性組成物が保持されることで、肌に触れやすい凸部がさらっとしていながら良好な流動性組成物の放出が得られるので肌触りが更に良い。また凹部が流動性組成物を保液効果が高まり、よりエチレン−ビニルアルコール系共重合体の共重合比などによって全体の極性を調節することなく広範な極性の流動性組成物を保持できる。
第3の発明は、不織布シートが溶剤紡糸セルロース系繊維を70〜20質量%含み、かつ、芯鞘型複合繊維を30〜80質量%含む事で、肌触りが良く、流動性組成物を含浸して用いる用途で、含浸性、放出性、親水性の流動性組成物の保液性、含浸時の繊維の収縮やコシの低下がないことによる形態安定性などのバランスがよく、更に優れている。
第4の発明は、本発明の不織布シートと水とが一体となった含水シートであるので、肌触りが良く、水の保液性、放出性、形態安定性に優れ、ウェットティッシュ、使い捨ておしぼり、水性化粧料組成物を含浸した化粧料などの用途に好適である。
第5の発明は、本発明の不織布シートと化粧料組成物を含む流動性組成物とが一体となった化粧料であるので、肌触りが良く、化粧料の放出性が良く、また形態安定性に優れるので皮膚に容易かつきれいに貼り付けられる。
本発明の不織布シートは、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維が、互いに交絡してなるシートであって、均一に混合した上記の繊維を水流絡合法により不織布化することで、柔らかくかつ嵩高な繊維交絡体を実現したものである。
本発明において用いる芯鞘型複合繊維の鞘部としては、その分子構造内に親水性と親油性の両方の性質を有する樹脂から構成することで汗や汚れも含め脂性と水性が混在した肌への密着性や肌触りがよく、良好な相互作用を実現した化粧用不織布を得ようとするものである。そしてこの樹脂として、エチレン−ビニルアルコール共重合体である事が好ましく、この樹脂からなる繊維は親水性・非吸水性・熱伝導性に基づく生体適合性のある繊維として知られている。
本発明の芯鞘型複合繊維の鞘部に用いるEVOHは、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化して得られるものが好ましい。EVOH成分はエチレン含有量が25〜70モル%のものを用いる事が好ましい。親水性と溶融紡糸性という点からは、エチレン含有量が30〜65モル%であるものが特に好ましい。また、滞留樹脂の劣化による溶融紡糸上のトラブルを抑制しながら親水性を維持するという観点からは、エチレン含有量が35〜60モル%のものが好適であり、さらに好適には37〜55モル%のものであり、最も好適には40〜50モル%のものである。エチレン含有量が70モル%を超える場合には、得られる繊維の親水性が不足してしまうため好ましくない。また、エチレン含有量が5モル%未満の場合にも、溶融紡糸性が低下するとともに本発明のようにウェット状態で用いる場合に形態安定性が不足してしまうため好ましくない。
また、本発明におけるEVOHをエチレン−ビニルエステル共重合体のケン化によって得た場合のビニルエステル成分のケン化度は好ましくは80モル%以上であり、親水性と溶融紡糸性という観点からは、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。これは、ケン化度が80モル%未満の場合には、親水性、熱安定性、耐熱性が悪くなる場合があり好ましくないためである。
更に、EVOHは特に熱水に対して不安定になるケースがあるため、通常は繊維化した後に、EVOHをアセタール化して耐熱水性を高める方法が用いられることがあるが、本発明の用途のように、皮膚への適合性が要求される用途に対しては、アセタール化等が行われていない繊維の方が望ましい。
エチレンと共重合するビニルエステルとしては、酢酸ビニルが挙げられ、その他の脂肪酸ビニル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等)も併用することもできる。また、EVOHは、共重合成分としてビニルシラン化合物を0.0002〜0.2モル%含有することができる。ここで、ビニルシラン系化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ-メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。
EVOHは前記のとおり、肌への密着性や肌触りがよく、この樹脂を用いた繊維から構成することにより化粧料の吸液性および保持性に優れた不織布シートが提供できるのであるが、一方で、本発明の不織布をEVOH単一の繊維で構成した場合、吸水により剛性が低下し柔軟になるため、その製造、加工、包装等の工程およびその使用時において、吸水およびその時に加わる外力等の影響により圧縮され繊維間の空間が維持でき難く、結果的に優れた保液性や作業性を確保する事が困難になってしまう。そこで本発明においては、これら加工工程においても所望の嵩高さ、すなわち空隙率を維持するとともに吸水性を確保することが可能となる様、繊維外周にEVOH樹脂を配し、芯部に剛性の高い樹脂を配し、芯鞘型複合繊維とすることで外力による影響下でも空隙率を維持できるだけでなく、ウェット状態においても不織布シートにコシを維持し、肌で抑えたときの感触も維持する事が可能になる。
したがって、本発明の芯鞘型複合繊維において、鞘部であるEVOHと組み合わせる芯部としては、通常の芯鞘型複合繊維に用いられる少なくとも疎水性を有する樹脂であれば制限はないが、特にこの樹脂が疎水性である事により鞘部が吸水しても芯部は吸水せず、このために剛性の変化を生じない樹脂、即ちポリエステル系樹脂やポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等があげられる。不織布シートでの空隙率を維持することを考慮すると、より高い温度においても形態変化の生じにくいポリエステル系樹脂を使用する事が最適である。
不織布シートで高い空隙率を確保するには、不織布シートを構成する繊維の曲げ弾性が高いものが好ましい。そして特にこれらの工程の中でウェブが吸液した状態になった場合においても高い繊維弾性を確保するために、構成する繊維が高弾性樹脂からなる事が好ましい。それは、弾性率が高いほど不織布シートになった場合の空隙率を維持できるため、これにより保液性を維持でき、作業性が好適となる。EVOHより高い弾性率の樹脂で、EVOHとの紡糸性に優れた樹脂はポリプロピレン、ポリエステル系樹脂が挙げられるが、より弾性率が高く、不織布シートの収縮が抑制でき、作業性も良好となるためにポリエステル系樹脂が最適である。
ポリエステル系樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,4'−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオールまたはこれらのエステル形成性誘導体とから合成されるポリエステルや、ポリ乳酸等のポリエステルをあげることができ、なかでも構成単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位または、ブチレンテレフタレート単位であるポリエステル系樹脂が好ましい。
さらにその芯部は、不織布シートの空隙率が維持でき保液量が高く、不織布にコシがでて湿潤時の作業性が良好となることが期待できるために、その径が5μm〜15μmであることが好ましい。更に好適は8〜12μmである。芯部のポリエステルの径が5μm以下になると、繊維のコシが低下し、結果的に不織布の密度が上がり、薬液の含浸量が低下するため好ましくない。さらには、不織布のコシも低下し特に薬液含浸状態での広げ性、装着性が低下するため好ましくない。また、径が15μm以上になると繊維のコシが強くなりすぎるため、特に顔面を覆うことで用いる化粧料組成物を含む流動性組成物を含浸させて使用する化粧料では顔面への沿い性が低下する。さらに繊維の強いコシにより不織布密度が低下するため不織布内繊維感距離が遠くなりすぎ化粧料組成物を繊維間で保持出来なくなり不必要に液を放出してしまうため、好ましくない。
このような芯鞘型複合繊維の芯部および鞘部における樹脂構成比率は、鞘部とポリエステルからなる芯部の質量比が90/10〜10/90であり、なおかつ鞘部が繊維表面積のおよそ50%以上の面積を長さ方向にほぼ連続して占めることが必要である。これは、鞘部が本発明の不織布の吸水性、吸油性と吐出性そして不織布の柔軟性の全てに関与しているため常に繊維表面に存在している事が必要なのである。
また、鞘部が90質量%を超えると、芯部が繊維の形態を保持できなくなり、繊維そのものの強度を充分に確保することが困難となる場合がある。また、逆に鞘部が10質量%未満であると、樹脂量が少ないために繊維形態を保持できなくなり、目的とする性能を確保することができなくなる可能性があり好ましくない。
本発明に使用する芯鞘型複合繊維の製造については、特に制限はないが、例えば鞘部と芯部とを構成する樹脂をそれぞれ別の押出機で溶融混練し、引き続き前記両樹脂を紡糸ヘッドに導き、そして同一の紡糸ノズルから吐出させる事で得ることができる。
また、該芯鞘型複合繊維は、通常延伸して使用される。延伸方法は紡糸時にノズルから吐出された繊維をゴデットローラーで引き取る際に、熱ゴデットロール間で延伸する1ステップ法でも良いし、一度巻き取ってから水浴や熱風炉中にて低速で熱延伸する2ステップ法でも良い。
前述の芯鞘型複合繊維は肌触りと親水性に優れているが、芯鞘型複合繊維100%でなる不織布シートとした場合、水性流動性組成物を含浸したときの含浸性は優れているが、芯鞘型複合繊維自身は吸水性が低いために、吸液速度が遅く、また保液した水性流動性組成物をシート空間内に保液することが難しい。よって、芯鞘型複合繊維100%でなる不織布シートに水性流動性組成物を含浸して使用する場合、吸液に時間を要し作業性効率が低下したり、また一部の水性流動性組成物がシート内部から不必要に放出され流れ落ちて無駄になったりする。
本願発明は溶剤紡糸セルロース系繊維を併用することでこの問題を解決したが、溶剤紡糸セルロース系繊維を70〜20質量%、望ましくは60%〜20%さらに望ましくは50〜30%混綿することにより、高い吸液性と保液量を維持したまま保液性を高めることが確認された。
本発明に使用する溶剤紡糸セルロース系繊維とは、従来のビスコースレーヨンや銅アンモニアレーヨンのように、セルロースを一旦セルロース誘導体に化学的に変換させたのち再度セルロースに戻す、いわゆる再生セルロース系繊維と異なり、セルロースを化学的に変化させることなく、単に溶剤に溶解して得られる溶液からセルロースを析出させた繊維(精製セルロース系繊維)を意味する。
本発明に用いられる溶剤紡糸セルロース系繊維の好ましい例としては、セルロースをアミンオキサイドに溶解させた紡糸原液を水中に乾湿式紡糸してセルロースを析出させ得られた繊維をさらに延伸する方法で製造されたセルロース系繊維が挙げられる。このような繊維の代表例としてリヨセルが挙げられ、オーストリアのレンチング社より「テンセル」(登録商標)の商品名で販売されている。このような繊維は、汎用的に使用されている再生セルロース系繊維と異なり、丸あるいは楕円の断面形状を有しているため、対人に使用時に肌をいためる危険性が低いため非常に好ましい。更に、ビスコースレーヨン繊維はウェットの条件下で繊維強力が低下するため、この繊維を混合して得られたシートでは薬液を含浸したウェット状態下では、変形が発生し作業性が低下する。また、例えば繊維と化粧料組成物を含む流動性組成物とを一体とすることからなる化粧料として使用した場合では装着性が劣る。それに対して、本発明の不織布シートはウェット条件下でも強力低下がほとんど発生しないため、形態変化が発生せず装着性に優れるため非常に好ましい。
通常、該溶剤紡糸セルロース系繊維は、ビーター、リファイナー、高速離解機等により叩解して繊維をフィブリル化させるケースが多いが、本発明においては、繊維のフィブリル化により、細かい繊維が顔面に付着することを防ぐために実質的にフィブリル化していない溶剤紡糸セルロール系繊維を用いることが望ましい。
該芯鞘型複合繊維および溶剤紡糸セルロース系繊維の単繊維繊度は、特に限定するものではないが、特に皮膚へ接触したときの風合は柔らかい方が好まれることが多いため、1〜3dtexであることが好ましく、より好ましくは1〜2dtex、さらに好ましくは1.3〜1.7dtexである。単繊維繊度が3dtexを超えると、皮膚への肌触りが悪くなったり、化粧料組成物を含む流動性組成物の吸液性さらには保液性等が劣ったりする場合がある。また、1dtex以下になると不織布密度が高くなり繊維間空隙が減少するため、流動性組成物の含浸料が低下するため好ましくない。
更に、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の混合比や鞘部の樹脂極性によって不織布シート全体の極性を調整することができ、これによって流動性組成物の含浸量と肌触りを決定できるが、それぞれの繊維の太さを調節する事で、流動性組成物の含浸量に影響を与えることなく、肌触りを調節できる。
即ち溶剤紡糸セルロース系繊維を太くすると、同一目付では、該セルロース系繊維本数が少なくなると共に、表面積も少なくなる。このためできた不織布シートの親水性が低下し、逆に細くすると増加する。また、肌触りについては、同じく該セルロース系繊維を太くすることにより粗くなる。
例えば、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の混合比が40:60で、芯鞘型複合繊維の鞘部がエチレン成分50mol%、ケン化度98%のエチレン−ビニルアルコール共重合体であるとき、顔などを不織布シートで被覆して用いる化粧料の用途では溶剤紡糸セルロース系繊維に対する芯鞘型複合繊維の太さの比は0.3〜3.0の範囲である事が好ましく、0.3〜2.0の範囲である事がより好ましい。
溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の繊維長については30mm〜60mmの範囲である。長すぎると、繊維同士の均一な交絡が困難となり、特に溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の交絡が不充分であると不織布シートの均一性が不充分となり、肌触りが悪化するだけでなく、流動性組成物の吸液と放出の効率が低下するので好ましくない。
また、短すぎると不織布シートからの繊維の抜けが発生しやすくなるだけでなく、柔軟性、伸縮性が低下するので好ましくない。
このような観点から溶剤紡糸セルロース系繊維の繊維長は30mm〜60mmであり、
好ましくは35mm〜50mmである。また芯鞘型複合繊維の繊維長は30mm〜60mmであり、好ましくは45mm〜60mmである。
また好ましい溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の繊維長の比は0.5〜2、さらに好ましくは0.8〜1.5である。
また、これら本発明の不織布を構成する繊維は必要に応じて銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤等をエチレンとビニルエステルの共重合体反応時に、またはその後に添加することができる。特に溶融成形時の熱劣化を抑制するために、EVOHに微量の酸、金属塩を添加することが好ましい。酸としては、酢酸等の脂肪酸、金属塩としてはリン酸、酢酸等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩等が例示される。
次に、芯部がポリエステルからなる芯鞘型複合繊維と溶剤紡糸セルロース系繊維を均一に混綿した後にウェブ化し、水流絡合により交絡させて目的の不織布シートとすることができるが、ウェブ形成に関しては、スパンボンド法あるいはメルトブロー法のような直接法、ステープル繊維を用いてカード法、エアレイ法等の乾式法、あるいは湿式法を用いて形成する事が可能である。このうち、本発明の不織布シートの製造方法としては繊維の混合および薬液を含浸する空間を確保することがより容易に行える乾式法を用いることが好ましい。この場合のステープル繊維ウェブとしては、ランダムウェブ、セミランダムウェブ、パラレルウェブ、クロスラップウェブ等が好ましく用いられる。
該ウェブを形成するに当たり、上記記載の芯鞘型複合繊維と溶剤紡糸セルロース系繊維の配合割合は、芯鞘型複合繊維:溶剤紡糸セルロース系繊維=30:70〜80:20の質量比とすることが好ましい。より好ましくは、芯鞘型複合繊維:溶剤紡糸セルロース系繊維=25:75〜75:25であり、より好ましくは、50:50〜70:30である。該芯鞘型複合繊維の配合比が30未満であると特にウェット時において、セルロース系繊維の独特のきしみ感が強くなり不織布の滑らかさが低減する。また、薬液を繊維内に取り込んでしまう比率が上がり、肌への有効利用が妨げられる。一方、配合比が80を超えると含浸力特に含浸速度が低下すると共に、薬液保持力が低下し、薬液がシート内部から不必要に放出され流れ落ちて無駄になる事態となる。
次に、得られたウェブに対し水流絡合処理を施すことで構成繊維同士を交絡させると共に、表面に凹凸を形成させることができる。この凹凸は水流絡合時に所定の条件下において製造を実施することにより、不織布表面に形成されるものである。これにより不織布内の空隙だけでなく、この不織布表面凹部に液体を保持することが可能になるため、必ずしもシートを厚くすることなく表面にも多くの化粧料を保持することが可能になる。更にこの時、水流から繊維全体が吸水すると共に、水流の力により動きやすい溶剤紡糸セルロース系繊維の一部が水流方向即ち凸部高さ方向に延びる構造とすると同時に、親水性と共に親油性を示すEVOHを鞘部とする本発明の芯鞘型複合繊維は特にその芯部の疎水性および剛性のため、凸部高さ方向へは動き難いため、殆どの繊維が不織布面方向に延びる形になる。これら繊維は基本的にはお互いに混合した状態にあるため、本発明の不織布は親水性と親油性を両立することとなり、この凹凸形状内に親水性および親油性流動性組成物のどちらもが保持できるのである。また、ここに保持される流動性組成物は不織布の組織内に入り込んでおらず、このため本発明の化粧料は不織布表面に化粧料組成物が存在することで非常に肌に移行しやすく、極めて良好な肌への移行性を発現するのである。また、化粧料組成物が不織布表面の凹凸にある場合でも繊維自体が親水性と親油性の両方の性質を有しているため、化粧料組成物が流れ落ちる現象は発生しない。
上記で記載した凹凸とは、凹部と凸部の高低差が0.1〜0.4mmの範囲にあると共に0.04〜0.5mmのピッチで、一定方向に連続していることが必要である。この高低差が0.1mm以下である場合は不織布表面が平滑になりすぎ、表面凹凸を利用して流動性組成物を保持することが出来なくなるため、含浸性が低下し好ましくない。更に、面全体で肌と接触してしまうため、着用時にムレ感やベタツキ感生じ好ましくない。また高低差が0.4mm以上の場合は、水を保持する部分が大きくなるため、保水量が向上するものの、凸部先端付近に溶剤紡糸セルロース系繊維の比率が高くなりやすく、この部分での吸水挙動が溶剤紡糸セルロース系繊維の性質に依存する事となるため、保水量が向上する一方で放液性が低下する可能性が高くなる。更に表面の滑らかさが阻害され肌触りが低下し、着用感が低下するため好ましくない。また、ピッチが0.04mm以下になると凹部が狭くなりすぎて化粧料が入り込めず表面凹凸を有効に利用して流動性組成物を保持することが難しくなり好ましくない。さらにピッチが0.5mm以上になると凸部を構成する部分の繊維間距離が広がりすぎて凹部に入り込んだ薬液を保持することが難しくなり好ましくない。

上記記載の表面凹凸は、あらかじめウェブを水流絡合により繊維同士を絡合されたシートについて処理できる。あらかじめ処理される水流絡合とは、ウェブを金属多孔板あるいは織物構造の支持体上にノズル径0.08〜0.2mm、ピッチ0.4〜1mmのノズルを1〜3列に配列したノズルプレートから、水圧1〜6MPa、より好ましくは2〜4MPaの水流で1回又は複数回処理する方法が好適に挙げられる。
不織布の凹凸は、水流絡合処理の少なくとも最後の処理において、繊維の織り構造体上で水流処理により形成されるのが好ましい。織り構造の支持体として、経糸および緯糸がそれぞれ線径0.01〜1mm、より好ましくは 0.02〜0.5mmのモノフィラメントから成り、織り構造体の厚みが 0.1〜1mmであるものを使用するのが好ましい。モノフィラメントの径が1mm以上であると、経糸が緯糸の上に存在する箇所において、繊維が周囲に移動して、不織布表面に孔が開いてしまい表面の平滑性が劣るため好ましくない。さらに織り構造体上方から孔径0.05〜0.3mm、より好ましくは0.08〜0.2mmのオリフィスが0.4〜1mmの間隔で設けられたノズルから、水圧6〜15MPa、より好ましくは8〜10MPaの柱状水流を前段階である程度絡合されたウェブに噴射するとよい。
このような水流絡合処理により、流動性組成物保持に好適な表面凹凸を持つ不織布が得られる。
更に、EVOH樹脂は、その特性として、吸着した親水性成分と親油性成分のどちらも容易に放出しやすい性質を有している。この理由は、ポリマー分子内に親水性成分と親油性成分の両方を同時に有している事が原因と推定している。
またエチレン−ビニルアルコール共重合体は水酸基によって肌との親和性が高い。
また本発明の不織布シートを化粧料組成物を含む流動性組成物と一体とすることでなる化粧料として用いる場合、前記化粧料組成物を含む流動性組成物の極性に応じて共重合組成を調節することで、該流動性組成物の含浸性を高めることができる。
すなわち親油性の前記流動性組成物を用いる場合は、エチレン組成の高い共重合体を用い、親水性の前記流動性組成物を用いる場合は、エチレンの組成を低い共重合体を用いることが好ましい。同様にケン化度によっても親水性は調節できる。更に未ケン化のエステルの種類や水酸基の官能基修飾などによってケン化度だけでなく種々の流動体との親和性を調節することもできる。
また溶剤紡糸セルロース系繊維の割合を調整することでも前記含浸性を高めることができる。
すなわち親油性の前記流動性組成物を用いる場合は、溶剤紡糸セルロース系繊維の割合を低くすること、親水性の前記流動性組成物を用いる場合は、溶剤紡糸セルロース系繊維の割合を高くすることが好ましい。
実際の含浸性は流動性組成物の粘度などによっても異なるが、肌触り、保液性などとのバランスも考慮して、エチレン−ビニルアルコール共重合体の共重合組成、および/または溶剤紡糸セルロース系繊維の割合によって調節することができる。
このような性質を持つ、芯鞘型複合繊維と溶剤紡糸セルロース系繊維を均一に混綿し、単一層とした上で、所定の繊維間空隙を有するよう、空隙率が80%〜95%となる様にした水流絡合不織布とする事により、軽量で、トータルとして親水性と親油性が高次元にバランスの取れた、油性成分と水性成分の両方を同程度に吸収しやすく放出しやすいウェブとする事が可能になるのである。
本発明の不織布シートはこの柔軟性、特にウェット状態における柔軟性により複雑な形状を有する表面に沿う事が可能になるのであるが、これは不織布の少なくとも1方向におけるウェット50%伸長時の応力に相関しており、この値が500g/50mm以下であることが好ましい。より好ましくは400g/50mm以下であり、更に好ましくは300g/50mm以下である。この値が500g/50mmを超えると、顔の凹凸に基材の沿いにくくなるため、本願の目的である顔全体への化粧料を補給し難くなり好ましくない。
本発明の不織布シートに適した水流絡合不織布の目付は、30〜100g/mの範囲が肌への密着性や、吸液性の点から好ましく、特に40〜70g/mの範囲が好ましい。目付が30g/mに満たない場合は絶対繊維量が少なくなり、繊維間に吸液し保持できる流動性組成物量が極端に少なくなってしまうため好ましくない。また、100g/mを超える場合は繊維量が多くなりすぎ不織布シートの厚みが厚くなりすぎるため、沿い性が低下し好ましくない。
また、本発明の不織布シートは、目的の吸液性と共に放液性を同時に確保することが必要である。即ち本発明の不織布が親水性および親油性の両方を有する繊維を構成繊維としている事により、両方の性質を有する液体が吸収、吸着される事で保持されるのであるが、これら液体のうち、親油性成分は主にEVOH部分が保持し、親水性成分はEVOHに一部保持されると共に大半がセルロースに保持されると考えることができる。そして、これら液体は繊維表面に保持されると共に、これ以上の量となるために繊維表面に直接保持できないものについては、同種の繊維(EVOH同士あるいはセルロース同士)に囲まれて形成された繊維空隙内に充填保持されることにより不織布構成繊維の吸着量以上の液量を確保可能になるのである。そこで、便宜上ここで述べた液体が充填保持される空隙の存在を明確にするために空隙率を用いる。本発明における不織布シートは、空隙率が80%〜95%である事が好ましい。更に好ましくは85〜93%である。この空隙率が95%以上場合は繊維間距離が広がりすぎて、薬液を繊維の親水性部分により保持できなくなり好ましくない。また80%以下の場合は繊維間距離が狭すぎて薬液が不織布内に入り込めず吸液量が少なくなるため好ましくない。
更に、不織布シートと化粧料組成物を含む流動性組成物とからなる本発明の化粧料においては、不織布シートは充分な量の化粧料組成物を保持可能な高い吸液性能を有している事が必要である。本発明においては、これを吸液速度と保液率を用いて現すものとする。
まず、本発明の化粧料に好適な不織布シートは優れた吸液性能を有している事が必要であり、好ましい吸液速度は、5秒以下である。より好ましくは3秒以下、より好ましくは2秒以下、さらに好ましくは1.5秒以下である。吸液速度が5秒を超えると、化粧料組成物を含む流動性組成物が含浸しにくく特に各家庭で個人の化粧料組成物を含む流動性組成物を含浸させて使用する場合では、流動性組成物が表面を流れ落ちる可能性があり、結果化粧料組成物が基材に含浸されず無駄になり好ましくない。化粧料組成物を含む流動性組成物としては、一般に油性の流動性組成物は粘性が高く、水性の流動性組成物は粘性が低い傾向にあり、粘性が低いと吸液速度は高まる傾向にあるので、前者では好ましい吸液速度は5秒以下であるが、後者では3秒以下である。
そして本発明の化粧料に好適な不織布シートは、充分な化粧料組成物を肌により多く供給可能であることが必要である。このため、化粧料組成物を含む流動性組成物の不織布シートへの保液量の指標となる不織布坪量に対する保液量の割合である保液率がより高い事が必要であり、好ましい保液率は900%以上であり、より好ましくは1000%以上である。保液率が低いと目的量の化粧料組成物を含む流動性組成物を含浸させるために、含浸量に応じて坪量や組成を変更した様々な不織布シートを用意する必要が発生するが、本発明の不織布シートでは1種類で様々な含浸量へ対応が可能である。
更に、本発明の化粧料を顔面に貼付した際に、化粧料組成物を含む流動性組成物が不織布内で顔面に沿って流れ、ついには顎から滴下して衣料が汚れる等のトラブルが発生しない事も重要である。本発明のおいては、この性能を液ダレ率であらわし、この値が3.5%以下である事が好ましい。よりこのましくは、3%以下であり、更に好ましくは2.5%以下である。
そして、以上述べたような方法により、不織布シート中に多量に含浸され、滴下しないように保持された化粧料組成物を含む流動性組成物が効率良く肌に移行することが極めて重要である。本発明においてはこれを放出率としてあらわし、この値は95%以上が望ましい。95%未満であると有効な化粧料組成物が繊維内に取り込まれ肌へ有効に利用できなくなる。不織布シートが保液し保持した化粧料組成物を含む流動性組成物が放出される割合が95%以上であることを満たすことが重要である。
特に本発明の化粧料は、化粧料組成物を含む流動性組成物の含浸性 すなわち吸液速度と保液量、さらに液ダレ率、そして放出率において高い次元でバランスすることにより必ずしも高い目付を確保することなく、ウェット時のフィット性に優れ、さらに充分な化粧料組成物を肌に供給可能な化粧料を実現できるのである。
本発明の不織布シートは、通常、流動性組成物を含浸させて使用するが、使用時にこれらの流動性組成物を含浸させて使用してもよく、また予め流動性組成物を含浸させもよい。前者の場合には、使用者が例えば化粧料用途では自分の好みの化粧料組成物を選択して含浸させた化粧料とすることができるというメリットがある。また乾燥状態で供給できることで製品のパッケージを簡易とすることができる。
本発明の不織布シートに流動性組成物を含浸させる用途においては、流動性組成物には特に制限はない。水、水溶液、水性エマルジョンなどの水性流動性組成物、有機溶剤やこれらを媒体とする溶液、これらの混合物などが挙げられる。また良好に溶解または分散する種々の固体、液体、気体をこれらの流動性組成物に溶解および/または分散した流動性組成物も好適に用いられる。種々の有効成分を溶解および/または分散した流動性組成物によって機能性の優れた不織布シートとすることができる。このうち、水性流動性組成物や極性有機溶剤を含む流動性組成物などを含む親水性の流動性組成物が含浸性の観点から有利であり、人体への安全性等の点からも有利である。特に水性流動性組成物は保液性の観点から最も有利である。極性有機溶剤とは極性官能基を有する種々の有機溶剤が挙げられ、極性官能基としては、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、エーテル基、カルボニル基、アミノ基、ニトロ基、チオ水酸基、などが挙げられる。これら親水性の流動性組成物としては、例えば、水、低級脂肪族アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール等のC1−6アルキルアルコール等)、アルキレングリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等)等が挙げられる。また、不飽和高級脂肪酸類(例えば、オレイン酸、オレイルアルコール等)、動植物系油(例えば、ホホバ油、オリーブ油、やし油、つばき油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、トモロコシ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、ひまし油、スクワラン等)、等も好適に用いられる。
これらの液状物質は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、水やエタノール等の親水性溶媒に対して、添加剤(油分)として液状油を組み合わせて使用してもよい。これらの液状物質のうち、通常、水、低級アルコール又はこれらの混合物が使用され、好ましくは水および/又はエタノール(特に水)が使用される。例えば、水と低級アルコール(特にエタノール)とを組み合わせて使用する場合、両者の割合は、水/低級アルコール=100/0〜30/70、好ましくは100/0〜50/50、さらに好ましくは100/0〜70/30程度であり、例えば、99/1〜80/20程度であってもよい。
有効成分としては、慣用の添加剤、例えば、保湿剤、エモリエント剤、紫外線防止剤、界面活性剤、収斂剤、酵素類、清涼化剤、殺菌剤又は抗菌剤、皮膚軟化剤(例えば、サリチル酸又はその誘導体、乳酸、尿素等)、抗酸化剤(例えば、トコフェロール又はその誘導体、アントシアニン等のポリフェノール類等)、美白剤(例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、システイン、プラセンタエキス、アルブチン、コウジ酸、ルシノール、エラグ酸、カミツレ抽出物等)、制汗剤(例えば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、タンニン等の収斂剤等)、肌荒れ防止剤(例えば、グリチルリチン酸塩、ビタミン類等)、抗炎症剤(例えば、アラントイン、グアイアズレン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、イブプロフェン、インドメタシン等)、血行促進剤(例えば、シャクヤク、ローズマリー、チョウジ等)、ビタミン類(例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等)、アミノ酸(例えば、トリプトファン、システイン等)、細胞賦活剤(例えば、リボフラビン、ピリドキシン、ニコチン酸、パントテン酸、α−トコフェロール、又はこれらの誘導体、ユキノシタエキス等の植物抽出物等)、香料(例えば、合成香料、精油、精油成分等)、等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
使用する流動性組成物の含浸量としては、所定の効果を得られれば特に限定はなく、使用者の目的によって適宜選択すればよいが、例えば本発明の提供する含水シートや化粧料では基材質量に対し200〜1000質量%程度がコストおよび性能の面から好ましい。
本発明の含水シートは水の他に例えば上記の流動性組成物や有効成分の少なくとも1種類を含むことで機能を付加できる。これら流動性組成物や有効成分は水溶性である必要はないが、水との親和性の高いものは含水シートの均質性を高められるとともに、機能を付加する流動性組成物や有効成分を高い濃度で不織布シートに含浸することが容易である。また水溶液、分散液、エマルジョンの状態で水と共に不織布シートと一体化することが含水シートの均質性を高めるとともに生産効率的にも有利である。特に水溶液、水性分散液、水性エマルジョンは本発明の不織布シートの溶剤紡糸セルロース系繊維との親和性が高く不織布シートにより高い濃度で一体化できるので高い機能を得られ、含水シートの均質性、生産効率性の上でも一層有利である。
本発明の化粧料に用いる化粧料組成物を含む流動性組成物は、例えば溶液、分散液、エマルジョンなどの状態である。また例えば水や上記の流動性組成物の少なくとも1種類を含む。化粧料組成物としては、化粧料組成物自体が流動性を有する場合と、化粧料組成物が固体などの形態で流動性が実質ないものを含む、少なくとも1種の化粧料機能を有する物質を含む組成物である。化粧料組成物自体が流動性を有する場合は化粧料組成物のみを流動性組成物として不織布シートと一体化してもよいが、通常は他の液体と混合して流動性を高めることで流動性組成物を一体化する際の生産効率を高めると共に放出性も高める。化粧料組成物と混合する液体は化粧料組成物との親和性が高いことで不織布シートにより高い濃度で一体化できるので高い機能を得られ、化粧料の均質性、生産効率性の上でも一層有利である。用いる化粧料組成物の機能としては特に制限はなく、通常知られている種々の機能を有する化粧料組成物を1種または混合して用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されない。なお、本実施例中における各物性値は、以下の方法により測定した。
[厚さの試験方法]
JIS L 1096 8.5に準じ厚さの測定方法で測定する。厚み計は、Mitutouo
Corporation製デジマチックインジケーターを使用し、測定子1インチΦ
荷重12g/cmで 測定した。
[空隙率]
不織布の坪量(g/m2) 繊維比重(g/cm) 不織布厚み(cm)から、下式で算出できる
空隙率(%)=100−((不織布坪量(g)/繊維比重(g/cm))/(不織布体積(cm))
×100)
[肌触り]
本発明シートを触った時の肌触りを、5名の被験者により、以下の基準に従って官能評価した。
<評価基準>
〇 : 肌触りが良い
△ : 肌触りがやや良くない
× : 肌触りが良くない
[吸液速度]
吸液速度はJIS L 1907 7.1.1滴下法に準じて実施した。
周りを把持し、中に浮いた状態の不織布の上方1cmからビュレットで液体を一滴滴下し、表面の液滴の特別な光の反射をしなくなるまでの時間を測定した。滴下する液体により試験IとIIを実施した。
試験 I : イオン交換水
試験 II : 日清オイリオグループ株式会社製 食用調合油
[保液率の試験方法]
JIS L 1907 7.2吸水率に準じて測定する。試験片を5cm角に切り出し
て重量を測定する(Ag)。その試験片を化粧料組成物を含む流動性組成物(株式会社エーサン製 エーサンローラローション)の中に30秒浸した。その後試験片の一辺をつまんで液から取り出し10秒後の重量(Bg)さらに1分後の重量(Cg)を測定した。
保液率(D%)は下記式にて算出される。
D(%)= (C−A)/ A × 100
[放出率(F%)の試験方法]
保水率を測定したサンプルを、10cm角に切り出して約2.5gに裁量した濾紙(訂正濾紙No.2)間にはさみ、上から2kgの重りを置いて1分間静置する。1分後サンプルを取り出し濾紙重量の増加重量を測定する。増加重量Gg。化粧料組成物を含む流動性組成物の放出率(F%)は下記式で算出される。
F(%)= G/(C−A)×100
[不織布表面の凹凸測定方法]
凹部と凸部の測定は、キーエンス社 マイクロスコープ VH−6300を使用して不織布断面を観察しとなりあう凹部と凸部の差を3箇所計測し平均することで得られる。
[ウェット50%伸長時応力]
50%伸長時の応力は、島津製作所 オートグラフAGS−50Dを使用し、試料巾50mm 測定長100mm 測定スピード200mm/minで引張試験を行った時、伸度が50%に到達した時点の強力値で示される。
[実施例1]
芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がEVOH(エチレン含有量44モル%、鹸化度98.4
モル%)である芯鞘型複合ステープル繊維(クラレ社製、「ソフィスタ」、1.7dtex、51mm長、
芯鞘質量比=50/50、円形断面、芯部径8.9μm、)を70質量%溶剤紡糸セルロース系繊維(レンチング社製、「リヨセル」、1.7dtex、38mm長)を30質量%混綿した目付約60g/mのカードウェブを作製した。
次いで、このカードウェブに水流を噴射し、絡合処理を施して目付60g/mの水流絡合不織布とし、
本発明の不織布シートを得た。なお、水流絡合処理は、直径0.1mmのオリフィスがウェブの幅方向
に間隔0.6mm毎に設けられたノズルを用い、水圧6MPaを表裏2段づつで噴射し交絡させた。また得られた不織布シートの空隙率は92%であった。
このシートは充分な保水・水放出性を有すると共に良好な肌触りを有していた。
[実施例2]
実施例1で使用した芯鞘型複合ステープル繊維を50質量%、溶剤紡糸セルロース系繊維を50質量%混綿し、目付約60g/mのカードウェブを作製したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の不織布シ
ートを得た。また得られた不織布シートの空隙率は90%であった。
このシートは良好な保水・水放出性を有すると共に良好な肌触りを有していた。
[実施例3]
実施例1で使用した芯鞘型複合ステープル繊維を10質量%、溶剤紡糸セルロース系繊維を90質量%混綿し、目付約60g/mのカードウェブを作製したこと以外は、実施例1と同様にして不織布シートを得
た。また得られた不織布シートの空隙率は88%であった。
このシートは良好な保水・水放出性を有すると共に良好な肌触りを有していた。
[実施例4]
実施例1と同様の繊維構成ウェブに水流を噴射し、絡合処理を施して目付60g/mの水流絡合不織布とした。水流絡合処理は、直径0.08mmのオリフィスがウェブの幅方向に間隔0.6mm毎に設けられたノズルを用い、上下にメッシュ数76のポリエステルネットを挟んで、水圧6MPaを表裏2段づつで噴射し水流絡合処理した結果、実施例4のシートを得た。実施例1に比べると長時間使用した場合などに少しむれるという感想を持つ被験者があったが、肌へのフィット性は良好であり充分実用可能な肌触りであった。
[比較例1]
実施例1で使用した芯鞘型複合ステープル繊維を100質量% 目付約60g/mのカードウェブを
作製したこと意外は、実施例1と同様にして不織布シートを得た。また得られた不織布シートの空隙率は93%であった。
このシートは、優れた保水・水放出性を有していたが、吸水速度が遅いため使用しにくいものであった。
[比較例2]
丸三株式会社製コットン繊維100%で 目付60g/mのカードウェブを作製したこと以外は、実施例1と同様にして不織布シートを得た。また得られた不織布シートの空隙率は93%であった。
このシートは、50%伸長応力高く、柔軟性および肌へのフィット性に劣るものであった。
[比較例3]
繊維長25mmである芯鞘型複合繊維を用いた事以外は実施例1と同じ組成で不織布を製造しようとしたが、カードウェブが工程通過途中で素抜けてしまい、シートになりえなかった。
[比較例4]
繊維長80mmである芯鞘型複合繊維を用いた事以外は実施例1と同じ組成で不織布を製造した、この不織布は繊維の混綿状態が不充分あるためこのましい吸液性能が得られず、さらに交絡が不充分であるため肌触りが悪く好ましいものではなかった。
以上の実施例、比較例について表1に示す。
Figure 0005292615

Claims (4)

  1. 溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維の繊維長が30〜60mmで、溶剤紡糸セルロース系繊維と芯鞘型複合繊維とが交絡してなり、表面に水流絡合処理による凹部と凸部の高低差が0.1〜0.4mmの範囲にあると共に0.04〜0.5mmのピッチで、一定方向に連続している凹凸を有する不織布シートであって、前記芯鞘型複合繊維は鞘部と芯部とからなり、該鞘部がエチレンービニルアルコール共重合体であるとともに該芯部が疎水性樹脂からなり、芯部の径が5μm〜15μmであることを特徴とする不織布シート。
  2. 該芯鞘型複合繊維を30〜80質量%含む事を特徴とする請求項1記載の不織布シート。
  3. 請求項1または2に記載の不織布シートと水とが一体となった含水シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の不織布シートと化粧料組成物を含む流動性組成物とが一
    体となった化粧料。
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