次に、図面に示す本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1から図5に示す本発明の実施形態に係る電子部品10は、液晶表示基板(LCD基板)11と、このLCD基板11に実装されたフレキシブルプリント基板(FPC基板)12とを備えている。
上記LCD基板11は、ガラス又は樹脂製の2枚の封入板14,15間に液晶樹脂を封入してなり、液晶表示部11aを備えると共に、裏面(機器に取り付けた際に機器の内部側となる面)に第1及び第2電極部11b,11cを備えている。第1電極部11bは、一つの側縁部に沿って設けられており、複数の駆動電圧供給線17aの端部が配置されている。一方、第2電極部11cは、液晶表示部11aを挟んで第1電極部11bと対向する他の側縁部に沿って設けられており、複数の駆動電圧供給線17bの端部が配置されている。本実施形態では、第1電極部11b,11cは互いに平行である。ただし、第1電極部11bと第2電極部11cは、これらの長さ方向全体にわたって交差しない限り、平行でなくてもよい。
第1電極部11bの両端には、後述する部品実装装置30がLCD基板11の位置及び姿勢を認識するための認識マーク11d,11eが設けられている。同様に、第2電極部11cの両端にも、部品実装装置30がLCD基板11の位置及び姿勢を認識するための認識マーク11f,11gが設けられている。本実施形態では認識マーク11d〜11gは丸形であるが、認識マーク11d〜11gの形状は特に限定されず、三角形、四角形等の他の形状であってもよい。
上記FPC基板12は、可撓性を有するフィルムからなる基材に導体層を印刷したものであり、IC4、チップ部品5等によりドライバ回路が構成されている。また、FPC基板12は、LCD基板11の液晶表示部11aの裏面側(図において上面側)を覆う中間部12cを備えている。この中間部12cに上記ICチップ4が実装されている。中間部12cと液晶表示部11aの間には隙間が設けられている。さらに、FPC基板12の図において下面側には、第1及び第2装着部12b,12cが設けられている。第1装着部12bは一つの側縁部に沿って設けられ、複数の駆動電圧供給線18aの端部が配置されている。第2装着部12cは、第1装着部12bが形成された側縁部と中間部12aを挟んで対向する他の側縁部に沿って設けられ、複数の駆動電圧供給線18bの端部が配置されている。本実施形態では、第1装着部12bと第2装着部12cは互いに平行である。
第1装着部12bの両端には、後述する部品実装装置30がFPC基板12の位置及び姿勢を認識するための認識マーク12d,12eが設けられている。同様に、第2装着部12cの両端にも、部品実装装置30による位置及び姿勢の認識のため認識にマーク12f,12gが設けられている。本実施形態では認識マーク12d〜12gは短いラインであるが、認識マーク12d〜12gの形状は特に限定されず、丸形、三角形、四角形等の他の形状であってもよい。
第1及び第2装着部12b,12cが設けられている側縁部以外のもう一つの側縁部には、タブ状部12hが設けられている。このタブ状部12hに上記チップ部品5が実装されている。また、タブ状部12hの先端に沿って第3装着部12iが設けられている。この第3装着部12iには外部接続用の駆動電圧供給線18cの端部が配置されている。上記のようにFPC基板12は3個の装着部12b,12c,12iを備えており、平面視においてこれらの装着部12b,12c,12iはいわばC字状に配置されている。
上記FPC基板12の第1及び第2装着部12b,12cは、異方性導電性テープ(ACFテープ)により、LCD基板11の第1及び第2電極部11b,11cにそれぞれ装着され、LCD基板11側の各駆動電圧供給線17a,17bとFPC基板12側の対応する駆動電圧供給線18a,18bがそれぞれ電気的に接続されている。なお、上記ACFテープの代わりに、異方性導電性ペースト(ACP)等によりFPC基板12の第1及び第2装着部12b,12cをLCD基板11の第1及び第2電極部11b,11cに装着してもよい。
本実施形態の電子部品10では、上記のようにLCD基板11の異なる側縁部に設けられた第1及び第2電極部11b,11cにそれぞれ駆動電圧供給線17a,17bの端部が配置されており、LCD基板11及びFPC基板12を大型化することなく駆動電圧供給線17a,17bの本数を増加させることができる。例えば、LCD基板11の外形寸法が一辺30mm程度であり、駆動電圧供給線17a,17bのピッチが50μm程度であれば、第1電極部11bと第2電極部11cの駆動電圧供給線17a,17bの本数はそれぞれ最大で600本程度(第1電極部11bと第2電極部11cを合わせて1200本程度)となる。駆動電圧供給線17a,17bの本数がこの程度あれば、十分なカラー表示機能を実現することができる。
また、LCD基板11の第1及び第2電極部11b,11cは液晶表示部11aを挟んで対向し、FPC基板12の第1及び第2装着部12b,12cはLCD基板11の液晶表示部11aを覆う中間部12aを挟んで対向しているため、FPC基板12のLCD基板11からはみ出す部分の面積は最小限に低減される。従って、LCD基板11とFPC基板12を併せた電子部品10全体としての寸法が小型化される。また、携帯電話等の機器へ取り付ける際に、FPC基板12をLCD基板11に対して折り畳む必要がない。
図5に示すように、本実施形態では、第2装着部12cの幅B2が第1装着部12bの幅B1よりも大きいため、第1装着部12bと第2装着部12cの対向方向の中心線Aから第2装着部12cまでの長さC2が、この中心線Aから第1装着部12bまでの長さC1よりも長い。そのため、図3及び図4に示すように、FPC基板12の第1装着部11bがLCD基板11の第1電極部11bに装着されているが、FPC基板12の第2装着部11cはLCD基板11に装着されていない状態では、第2装着部11cの先端側の部分がLCD基板11の外側に位置する。FPC基板12をこのような形状としたことにより、後述する部品実装装置30によりLCD基板11に対してFPC基板12を実装する際に、FPC基板12の第2装着部12cに設けられた認識マーク12f,12gがLCD基板11により遮られることなく容易に認識される。
中間部12aには、上記第1及び第2装着部12b,12cと同方向に延びる2対の切込12m,12nが設けられている。これらの切込12m,12nを設けたことにより、後述する部品実装装置30によりLCD基板11に対してFPC基板12を実装する際に、FPC基板12を容易に変形させることができる。詳細には、図3及び図4に示すように、FPC基板12の第1装着部12bはLCD基板11の第1電極部11bに装着されているが第2装着部11cはLCD基板11に装着されていないときに、矢印Dで示すように中間部12aを撓ませることにより、第1装着部12bをLCD基板11に対して離反させ、第2電極部11cを露出させることができる。また、中間部12aを撓ませることにより、第2装着部12cを第2電極部11cに対して容易に近接させることができる。
図6及び図7は電子部品の変形例を示している。
図6の例では、図1から図5に図示したものと同様の構造を有する2枚のFPC基板12A,12BをLCD基板11に対して実装している。また、図7の例では、LCD基板11の3つの側縁部にそれぞれ電極部11h,11j,11kを設けている。これらのうち液晶表示部11aを挟んで対向する一切の電極部11h,11jには、図1から図5に図示したものと同様のFPC基板12Cを装着している。残りの電極部11kには、一つの側縁部にのみ装着部を備えるFPC基板19を実装している。図6及び図7に示す電子部品のその他の構造は図1から図5に図示したものと同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、上記電子部品10の製造に適した部品実装装置及び部品実装方法について説明する。
図8及び図9示すように、部品実装装置30は、LCD基板11の第1電極部11bにFPC基板12の第1装着部12bを装着するための第1実装機31と、LCD基板11の第2電極部11cにFPC基板12の第2装着部12bを装着するための第2実装機32とを備えている。また、部品実装装置30は、第1実装機31と第2実装機32とを連結する移載機33を備えている。さらに、部品実装装置30は、第1実装機31、第2実装機32、及び移載機33が備えるサーボモータ、エアシリンダ等の駆動要素に接続されたコントローラ34を備えている。このコントローラ34は、第1実装機31、第2実装機32、及び移載機33が備える認識カメラや各種センサからの入力並びに操作盤35から入力される指令に基づいて、上記第1実装機31、第2実装機32及び移載機33が備えるモータ、エアシリンダ、ポンプ、ヒータ等の要素を制御する。なお、第1実装機31、第2実装機32、及び移載機33がそれぞれコントローラ及び操作盤を備えていてもよい。
まず、第1実装機31について説明する。添付図面中、図10は第1実装機31の全体的な構造を示し、図12から図16は、第1実装機31の搬出部100の構造を示している。
図9及び図10に示すように、第1実装機31は、装置内にLCD基板11を搬入するための搬入部40と、この搬入部40から供給されたLCD基板11を装置内で搬送するための回転搬送部50とを備えている。この回転搬送部50の周囲には受け渡し部60、ACF貼付部(接着材供給部)70、仮圧着部80及び本圧着部90が配設されている。また、第1実装機31は、回転搬送部50から装置外にLCD基板11及びFPC基板12を搬出するための搬出部100を備えている。さらに、第1実装機31は、上記仮圧着部80にFPC基板12を供給するためのFPC基板供給部(フィルム状部品供給部)110を備えている。
上記搬入部40は、ローダ41と移載機構42とを備えている。
ローダ41は、エアシリンダS1により駆動される搬入スライダ41aと、この搬入スライダ41aによりX軸方向に直線往復移動する搬入プレート41bとを備えている。搬入プレート41bには複数の吸引孔41cが設けられている。これらの吸引孔41cは真空吸引ポンプP1に接続されており、搬入プレート41b上にLCD基板11を吸着保持できるようになっている。
移載機構42は、ガイドレール42aと、サーボモータM1により駆動されてガイドレール42a上をX軸方向に直線往復移動するスライドプレート42bを備えている。また、スライドプレート42bには上記ガイドレール42aに対して直交する方向に延びるガイドレール42cが固定されている。このガイドレール42c上にはサーボモータM2により駆動されてY軸方向に直線往復移動する搬入ヘッド42dが設けられている。この搬入ヘッド42dは、真空吸引ポンプP2の吸引力により、その下端にLCD基板11を吸着保持することができる。また、搬入ヘッド42dは、エアシリングS2により駆動されてZ軸方向に昇降する。さらに、搬入ヘッド43はモータM3によって駆動され、それ自体の鉛直方向の軸線周りに回転することができる。さらにまた、搬入ヘッド43と一体に移動する認識カメラ42eが設けられている。
上記回転搬送部50は、モータM4によりそれ自体の鉛直方向の軸線回りに90度間隔で間欠的に回転駆動される回転軸51と、回転軸51に対して平面視で90度間隔をなすように基端側が回転軸51に固定された4本のアーム52とを備えている。各アーム52の先端には、真空吸引ポンプP15の吸引力によりLCD基板11を吸着保持する保持ステージ53が設けられている。各アーム52の先端と対応する位置には、受け渡し部60、ACF貼付部70、仮圧着部80及び本圧着部90が上記保持ステージ53の回転方向に沿って順に設けられている。
保持ステージ53が受け渡し部60に位置しているときに、搬入部40の移載機構42から保持ステージ53へのLCD基板11の移載と、保持ステージ53から搬出部100の移載機構42へのLCD基板11の移載が実行される。
ACF貼付部70は、保持ステージ53に保持されたLCD基板11の第1電極部11bに異方性導電性テープ(ACFテープ)71を貼り付ける。ACF貼付部70は、ACFテープ71の供給源72、ACFテープ71をLCD基板11の第1電極部11bに押圧して加熱(例えば80℃)するための加熱加圧ツール73、及びACFテープ71を第1電極部11bと対応する長さに切断するためのカッター(図示せず)を備えている。
仮圧着部80は、FPC位置決め部81と、圧着部82とを備えている。
上記FPC位置決め部81は、サーボモータM5により駆動されてX軸方向に直線移動するベース81aと、サーボモータM6によりベース81aに対してY軸方向に直線移動するスライド部81bとを備えている。スライド部81bには仮圧着ヘッド81cが取り付けられている。この仮圧着ヘッド81cは、サーボモータM7によりZ軸方向に昇降すると共に、モータM8によりそれ自体の鉛直方向の軸線回りに回転可能である。仮圧着ヘッド81cは、FPC基板12の第1装着部12b近傍を保持するための第1ヘッド81dと、FPC基板12の第2装着部12c近傍を保持するための第2ヘッド81eとを備えている。第1ヘッド81d及び第2ヘッド81eは、それぞれ真空吸引ポンプP3の吸引力によりFPC基板12を吸着保持する。図29に示すように、第1ヘッド81dの下端の高さは、第2ヘッド81eの下端の高さよりも低い。また、スライド部81bには、LCD基板11を精認識するためLCD精認識カメラ81fと、FPC基板12を粗認識するためのFPC粗認識カメラ81gとが取り付けられている。
上記圧着部82は、サーボモータM11,M12により駆動されたガイドレール82a,82b上をX軸方向及びY軸方向に直線移動するテーブル82cを備えている。このテーブル82c上には、LCD基板11の第1電極部11bを下側から支持するバックアップステージ82dが設けられている。このバックアップステージ82dは、サーボモータにより駆動される図示しないカム機構によって、Z軸方向に昇降する。また、バックアップステージ82dは図示しないヒータにより所定の温度(例えば80℃)に加熱される。テーブル82cには、上記バックアップステージ82dと隣接して、FPC基板12を精認識するためのFPC精認識カメラ82eが設けられている。このFPC精認識カメラ82eは、図29に示すように、照明用のライト82fを備えている。
上記FPC基板供給部110は、エアシリンダS3により駆動される搬入スライダ110aと、この搬入スライダ110aによりX軸方向に直線往復移動する搬入プレート110bとからなるローダ110cを備えている。搬入プレート110bには複数の吸引孔110dが設けられている。これらの吸引孔110dは真空吸引ポンプP6に接続されており、搬入プレート110b上にFPC基板12を吸着保持できるようになっている。FPC基板12が載置される搬入プレート110bの上面は平坦ではなく、傾斜が付けられている。すなわち、FPC基板12の第1装着部12bが載置される部分110eの高さが、FPC基板12の第2装着部12cが載置される部分110fの高さよりも低く設定されている。
上記本圧着部90は、鉛直方向に進退するエアシリンダS5と、このエアシリンダS5の先端に取り付けられた加熱加圧ツール90aとを備えている。この加熱加圧ツール90aは、FPC基板12の第1装着部12bをLCD基板11の第1電極部11bに押圧する。また、加熱加圧ツール90aは図示しないヒータを備えており、所定温度(例えば200℃)に加熱される。さらに、加熱加圧ツール90aの先端とFPC基板12との間には、図示しない供給源から保護シートが供給される。
上記搬出部100は、アンローダ101、移載機構102、及びFPC剥がし機構103を備えている。
アンローダ101は、エアシリンダS6により駆動される搬出スライダ101aと、この搬出スライダ101aによりX軸方向に直線往復移動する搬出プレート101bとを備えている。搬出プレート101bには複数の吸引孔101cが設けられている。これらの吸引孔101cは真空吸引ポンプP7に接続されており、搬入プレート101b上にLCD基板11を吸着保持できるようになっている。
移載機構102は、サーボモータM13により駆動されて上記搬入部40の移載機構102と共通のガイドレール42a上をX軸方向に直線往復移動するスライドプレート102bを備えている。また、スライドプレート102bには上記ガイドレール102bに対して直交する方向に延びるガイドレール102cが固定されている。このガイドレール102c上にはサーボモータM14により駆動されてY軸方向に直線往復移動するベースプレート102dが設けられている。このベースプレート102dに設けられた搬出ヘッド102eは、真空吸引ポンプP8の吸引力により、その下端にLCD基板11を吸着保持することができる。また、搬出ヘッド102eは、エアシリングS7により駆動されてZ軸方向に昇降する。
FPC剥がし機構103は、上記移載機構102のベースプレート102dに取り付けられており、ガイドレール42a,102c上を搬出ヘッド102eと共に移動する。図12に示すように、FPC剥がし機構103は、上記移載機構102のベースプレート102dに固定されたガイドレール103a上をサーボモータM15により駆動されてY軸方向に往復移動するブラケット103bを備えている。このブラケット103bに対して、エアシリンダ104のチューブ104aの基端側が水平方向の軸線回りに回動自在に支持されている。エアシリンダ104のロッド104bは、ヒンジ105aを介してリンク機構106に連結されている。このリンク機構106は、基端側がそれぞれヒンジ105b,105cを介してブラケット103bに対して連結された2本のロッド106a,106bと、これらのロッド106a,106bの先端側にヒンジ105a,105dを介して連結された水平方向に延びるロッド106cとにより構成されている。ロッド106cの先端側には、吸着ヘッド107が固定されている。この吸着ヘッド107は真空吸引ポンプP8の吸引力によりその下端にFPC基板12を吸着保持することができる。
次に、図8及び図9を参照して移載機33について説明する。
移載機33は、ガイドレール33aと、サーボモータM16により駆動されてガイドレール33a上をX軸方向に直線往復移動するスライドプレート33bを備えている。また、このスライドプレート33bにはガイドレール33aに対して直交する方向に延びるガイドレール33cが固定されている。このガイドレール33cには、サーボモータM17により駆動されてY軸方向に直線往復移動する移載ヘッド33dが設けられている。この移載ヘッド33dには下端面にLCD基板11及びFPC基板12を吸着するための真空吸引ポンプP10が接続されている。また、移載ヘッド33dはエアシリンダS8により駆動されてZ軸方向に昇降可能であり、かつ、モータM18により駆動されてそれ自体の鉛直方向の軸線回りに回転可能である。また、移載機33は移載ヘッド33dと一体となって移動する認識カメラ33eを備えている。さらに、移載機33は、FPC剥がし機構343を備えている(図9にのみ図示する。)。このFPC剥がし機構343は、FPC基板12をLCD基板11から離反する方向に撓ませてLCD基板11を露出させるためのものである。FPC剥がし機構343の構造は、後述する第2実装機32のFPC剥がし機構143(図17参照)と同一である。
次に、第2実装機32について説明する。添付図面中、図11は第2実装機32の全体的な構造を示し、図17から図27は第2実装機32の各部の構造を示している。
図8、図9、及び図11に示すように、第2実装機32は、装置内にLCD基板11を搬入するための搬入部140と、この搬入部140から供給されたLCD基板11を装置内で搬送するための回転搬送部150とを備えている。この回転搬送部150の周囲には受け渡し部160、ACF貼付部(接着材供給部)170、仮圧着部180及び本圧着部190が配設されている。また、第2実装機32は、回転搬送部150から装置外にLCD基板11及びFPC基板12を搬出するための搬出部200を備えている。
図11及び図17に示すように、搬入部140は、ローダ141、移載機機構142、FPC剥がし機構143、及び空気噴射機構(気体噴射機構)144を備えている。
ローダ141は、エアシリンダS31により駆動される搬入スライダ141aと、この搬入スライダ141aによりX軸方向に直線往復移動する搬入プレート141bとを備えている。搬入プレート141bには複数の吸引孔141cが設けられている。これらの吸引孔141cは真空吸引ポンプP31に接続されており、搬入プレート141b上に、FPC基板12と共にLCD基板11を吸着保持できるようになっている。
移載機構142は、ガイドレール142aと、サーボモータM31により駆動されてガイドレール142a上をX軸方向に直線往復移動するスライドプレート142bを備えている。また、スライドプレート142bには上記ガイドレール142aに対して直交する方向に延びるガイドレール142cが固定されている。このガイドレール142c上にはサーボモータM32により駆動されてY軸方向に直線往復移動するベースプレート142dが設けられている。ベースプレート142dには、搬入ヘッド142eが取り付けられている。この搬入ヘッド142eは、吸着ノズル142fを下端に備え、真空吸引ポンプP32の吸引力により吸着ノズル142fにLCD基板11を吸着保持することができる。また、吸着ノズル142fは、エアシリンダS32により駆動されてZ軸方向に昇降する。さらに、吸着ノズル142fは、プーリ142g,142h及びベルト142iを介して接続されたサーボモータM33によって駆動され、それ自体の鉛直方向の軸線周りに回転する。さらにまた、ベースプレート142dにはホルダ142jを介して認識カメラ142kが固定されており、この認識カメラ142kは搬入ヘッド142eと共に移動する。
FPC剥がし機構143は、後に詳述するようにFPC基板12をLCD基板11から離反する方向に撓ませてLCD基板11を露出させる。FPC剥がし機構143は、搬入スライダ141aに対してブラケット143aにより取り付けられている。また、FPC剥がし機構143は、真空吸引ポンプP33に接続された吸着ノズル143bを備えている。この吸着ノズル143bは、ブラケット143に固定されたブロック143cに対して、ロッド143d,143eを備えるリンク機構143fを介して接続されている。このリンク機構143fは、吸着ノズル143bが図17において二点鎖線L1で示す円弧状の軌跡に沿って移動するように構成されている。詳細には、吸引孔143gが配置されている吸着ノズル143bの先端は、搬入スライダ141a上のLCD基板11及びFPC基板12に対して斜め上方に退避した第1の位置と、FPC基板12の第2装着部12cを含む部分に当接する第2の位置との間を移動する。リンク機構143fのロッド143eは、エアシリンダ143hのロッド143iに接続されている。このロッド143iが引込位置であれば吸着ノズル143bの先端は上記第1の位置にあり、ロッド143iが突出位置であれば吸着ノズル143bの先端は第2の位置にある。
空気噴射機構144は、後に詳述するようにFPC剥がし機構143の吸着ノズル143bからFPC基板12を引き離すためのものであり、上記ブロック143cに対して固定された噴射ノズル144aと、この噴射ノズル144aが噴射する空気を供給する空気供給源144bとを備えている。図17において矢印A1で示すように、噴射ノズル144aの向きは、上記第1の位置にある吸着ノズル143bの先端に対して空気が噴射されるように設定されている。
図11に示すように、上記回転搬送部150は、モータM35によりそれ自体の鉛直方向の軸線回りに90度間隔で間欠的に回転駆動される回転軸151と、回転軸151に対して平面視で90度間隔をなすように基端側が固定された4本のアーム152とを備えている。各アーム152の先端には、LCD基板11を吸着保持するための保持ステージ153と、FPC基板12の第2装着部12cを吸着保持するための保持ブロック154とが設けられている。各アーム152の先端と対応する位置には、受け渡し部160、ACF貼付部170、仮圧着部180、及び本圧着部190がアーム152の回転方向に沿って順に設けられている。
図18から図20に示すように、保持ステージ153はアーム152の先端に固定されている。保持ステージ153には吸引孔153aが設けられており、これらの吸引孔153aを介して作用する真空吸引ポンプP33の吸引力によりLCD基板11が保持ステージ153の上面に吸着保持される。
アーム152の先端には一対の取付アーム155A,155Bの基端が固定されている。これらの取付アーム155A,155Bはアーム152と同方向に延びており、保持ステージ153を挟んで対向している。また、取付アーム155A,155Bの先端は保持ステージ153よりも突出している。これらの取付アーム155A,155Bの先端にはそれぞれ支持プレート156の端部が固定されている。この支持プレート156は、後述するマグネット251A,251Bが磁力により吸着可能な金属からなる。支持プレート156と保持ステージ153との間には、隙間157が設けられている。この隙間157は、後述するACF貼付部170、仮圧着部180、及び本圧着部190のバックアップステージ278、185、195を下側から挿入するために設けられている。また、支持プレート156には上記アーム152と同方向に延びるガイド溝158aが形成されたガイドブロック158が固定されている。ガイド溝158aにはレール159が配置されており、レール159はガイド溝158aに沿って直線往復移動する。
隙間157に位置しているレール159の一端に、保持ブロック154が固定されている。図19(B)及び図20(B)に示すように、保持ブロック154の上面は、保持ステージ153の上面よりも上方に位置している。また、保持ブロック154の下側には凹部154aが形成されている。そのため、図19(A),(B)に示すように、保持ブロック154は平面視で保持ステージ153と重なる位置まで、保持ステージ153に対して接近可能である。
保持ブロック154には吸引孔154bが設けられており、これらの吸引孔154bを介して作用する真空吸引ポンプP35の吸引力により、FPC基板12の第2装着部12cを含む部分が保持ブロック154に吸着保持される。また、保持ブロック154には一対のマグネット251A,251Bが取り付けられている。
一方、支持プレート156に対して隙間157とは反対側に突出しているレール159の他端には、ストッパプレート252が固定されている。このストッパプレート252はレール159に対して直交する方向に延びており、長手方向の中央部分がレール159に対して固定されている。また、ストッパプレート252の下側には、カムフォロア253が配設されている。本実施形態では、カムフォロア253は、鉛直方向に延びるそれ自体の軸線回りに回転自在なローラからなる。さらに、ストッパプレート252の両端には一対の係止孔252a,252bが設けられている。この係止孔252a,252bにはそれぞれスプリング254A,254Bの一端が係止されている。一方、各スプリング254A,254Bの他端は、支持プレート156に設けられたピン156a,156bに固定されている。これらのスプリング254A,254Bは自然長よりも延びた状態でストッパプレート252とピン156a,156bの間に装着されている。
マグネット251A,251Bの支持プレート156に対する吸着力は、スプリング254A,254Bの弾性的な付勢力よりも大きい。そのため、図19(A),(B)に示すように、マグネット251A,251Bが支持プレート156に吸着しているときには、レール159はガイドブロック158に対して固定される。このとき、保持ブロック154は保持ステージ153に対して離隔した後退位置ある。
一方、マグネット251A,251Bの支持プレート156に対する吸着が解除されているときには、レール159はスプリング254A,254Bによって図20(A),(B)において矢印A2で示すように保持ブロック154が保持ステージ153に接近する方向に弾性的に付勢される。しかし、レール159はスプリング254A,254Bにより付勢力に抗して、図20(A),(B)において矢印A3で示すように、保持ブロック154が保持ステージ153から離れる方向に移動可能である。マグネット251A,251Bの支持プレート156に対する吸着が解除され、かつカムフォロア253が拘束されていないときには、図20(A),(B)に示すように、ストッパプレート252が支持プレート156に当接することによりレール159が固定される。この状態で保持ブロック154は保持ステージ153に最も接近した進出位置にあり、平面視で保持ブロック154の一部が保持ステージ153の一部に重なる。
図11及び図21に示すACF貼付部170は、保持ステージ153に保持されたLCD基板11の第2電極部11cにACFテープ171を貼り付ける。ACFテープ171は粘着層171aと、粘着層171aに含有された導電粒子171bとを備え、剥離テープ171c上に設けられている。ACF貼付部170は、ACFテープ171の供給源172と、この供給源172から矢印A5で示す方向に送られるACFテープ171を案内するガイドローラ177A,177Bとを備えている。ガイドローラ177A,177Bは、図示しない駆動機構により駆動されて昇降する。ガイドローラ177A,177Bが降下するとACFテープ171がLCD基板11の第2電極部11cに載置される。
また、ACF貼付部170は、ACFテープ171をLCD基板11の第2電極部11cに押圧して加熱するための加熱加圧ツール173を備えている。この加熱加圧ツール173はホルダ174に固定されている。ホルダ174はサーボモータM36に駆動されて加熱加圧ツール173と共に昇降する。また、ホルダ174には、ヒータ175と熱電対176とが内蔵されている。コントローラ34(図8参照)は熱電対176の検出温度に基づいてヒータ175を制御し、それによってホルダ174に固定された加熱加圧ツール173が所定温度(例えば80℃)に加熱される。加熱加圧ツール173と対向してLCD基板11を下側から支持するバックアップステージ278が設けられている。さらに、ACF貼付部170はテープ切断機構178を備えている。このテープ切断機構178は、上側ブロック179Aと、切断刃179aを備える下側ブロック179Bとを備えている。上側ブロック179A及び下側ブロック179Bは、図示しない駆動機構により、矢印A6,A7で示すように互い接近及び離反する。上側ブロック179Aと下側ブロック179Bが接近すると、切断刃179aと上側ブロック179Aとの間にACFテープ171が挟みこまれる。その結果、粘着層171aが切断されるが、剥離テープ171cは切断されることなく上記矢印A5方向に送られる。
ACF貼付部170には、FPC剥がし機構270が設けられている。
図22に示すように、FPC剥がし機構270は、FPC基板12を吸着保持するための吸着ノズル271を備えている。この吸着ノズル271はその下端面に複数の吸引孔271aを備えており、これらの吸引孔271aを介して作用する真空吸引ポンプP36の吸引力によりFPC基板12を吸着保持することができる。また、吸着ノズル271はブラケット272に固定されており、このブラケット272はエアシリンダ273のロッド273aの先端に固定されている。エアシリンダ273のチューブ273bはブラケット274に固定されており、このブラケット274はエアシリンダ275のロッドの先端に固定されている。エアシリンダ275のチューブはブラケット276に固定されており、このブラケット276がACF貼付部170のベースフレーム277(図11参照)に対して固定されている。上記エアシリンダ273,275のロッドが進退することにより、吸着ノズル271が昇降移動及び水平移動を行う。本実施形態では、矢印A8で示すエアシリンダ273の進退方向と、矢印A9で示すエアシリンダ275の進退方向は、左右側面から見て約30度の角度をなして交差している。
上記ブラケット274には、FPC押え機構(フィルム状部品押え機構)370が取り付けられている。このFPC押え機構370は、後に詳述するようにFPC剥がし機構270がFPC基板12を撓ませるときに、FPC基板12の第1装着部12b付近をLCD基板11に対して押し付けて固定する。FPC押え機構370は下端に一対の押えローラ371A,371Bを回転自在に支持したアーム372を備えている。アーム372の上端はブラケット373に固定されており、ブラケット373はエアシリンダ374のロッド374aの先端に固定されている。エアシリンダ374のチューブ374bはブラケット375に固定されており、このブラケット375が上記ブラケット274に対して固定されている。エアシリンダ374のロッド374aは水平方向に進退し、ロッド374aの進退により押えローラ371A,371BがX軸方向に直線移動する。また、押えローラ371A,371Bは、上記エアシリンダ275のロッドの進退によりブラケット274と共に昇降する。
図23に示すように、ACF貼付部170は保持ブロック154のカムフォロア253を駆動するアクチュエータ375を備えている。このアクチュエータ375は、エアシリンダS33により駆動されるスライダ376と、このスライダ376により矢印A9で示すようにX軸方向に直線往復移動するスライドプレート377とを備えている。このスライドプレート377上には、プッシャ378が固定されている。図19に示すように保持ブロック154が退避位置にあるときに、プッシャ378によりカムフォロア253が−X方向に押されると、マグネット251A,251Bのブロック156に対する吸着が解除される。その結果、スプリング254A,354Bの付勢力により、保持ブロック154が図19に示す退避位置から、図20に示す進出位置に移動する。
図11、図24、及び図25に示す仮圧着部180は、FPC位置決め部181と、圧着部183とを備えている。
上記FPC位置決め部181は、サーボモータM37により駆動されてX軸方向に直線移動するベース181aと、サーボモータM38によりベース181aに対してY軸方向に直線移動するスライド部181bとを備えている。スライド部181bには仮圧着ヘッド182が取り付けられている。この仮圧着ヘッド182は、ホルダ182aに取り付けられた吸着ノズル182bを備えている。吸着ノズル182bは複数の吸引孔182cを備えており、この吸引孔182cを介して作用する真空吸引ポンプP37の吸着力により、FPC基板11が吸着保持される。上記ホルダ182aにはヒータ182dと熱電対182eが内蔵されている。コントローラ34(図8参照)は熱電対182eの検出温度に基づいてヒータ182dを制御し、それによってホルダ182aに固定された吸着ノズル182bが所定温度(例えば80℃)に加熱される。吸着ノズル182bは、サーボモータM39により駆動されてZ軸方向に昇降する。また、吸着ノズル182bは、プーリ182f,182g及びベルト182hを介して接続されたサーボモータM40によって駆動され、それ自体の鉛直方向の軸線周りに回転する。また、スライド部181bには、LCD基板11を精認識するためLCD精認識カメラ181iと、FPC基板12を粗認識するためのFPC粗認識カメラ181jとが、それぞれブラケット181m,181nを介して取り付けられている。
上記圧着部183は、サーボモータM41,M42により駆動されてガイドレール183a,183b上をX軸方向及びY軸方向に直線移動するテーブル183cを備えている。
図25に示すように、テーブル183c上には、ブラケット184が固定されている。ブラケット184にはLCD基板11の第2電極部11cを下側から支持するためのバックアップステージ185が取り付けられている。詳細には、ブラケット184に固定されたガイドレール186により昇降自在に案内されるホルダ187が設けられている。このホルダ187の上端には一対の固定ブロック188A,188Bに挟み込むことによりバックアップステージ185が固定されている。一方、ホルダ187の下端には、回転自在なローラからなるカムフォロア189が取り付けられている。このカムフォロア189に対応するカム281は、テーブル183c上に固定されたエアシリンダ283により駆動され、X軸方向に往復直線移動する。また、バックアップステージ185は図示しないヒータにより所定の温度(例えば80℃)に加熱される。
上記ブラケット184の上端にはカム284が固定されている。このカム284は保持ブロック154のカムフォロア253に対応している。詳細には、テーブル183cがガイドレール183a上をX軸方向に移動することにより、カムフォロア253のカム284に対する位置が相対的に変化する。カムフォロア253が図25においてX1で示す位置にあるときには、保持ブロック154は上記図20で示す進出位置付近に位置する。一方、カムフォロア253が図25においてX2で示す位置にあるときには、保持ブロック154は上記図19で示す退避位置付近に位置する。
また、テーブル183cには、FPC基板12を精認識するためのFPC精認識カメラ285がブラケット286を介して固定されている。このFPC精認識カメラ285はリング状のライト287を備えている。
図8及び図26に示す本圧着部190は、仮圧着部180でLCD基板11の第2電極部11cに仮圧着されているFPC基板12の第2装着部12cをさらに大きな圧着力で圧着して固定する。本圧着部190は、鉛直方向に進退するエアシリンダS36を備えている。図26に示すように、このエアシリンダS35のロッドの下端にホルダ191を介して加熱加圧ツール194が固定されている。ホルダ191にはヒータ192と熱電対193が内蔵されている。コントローラ34(図8参照)は熱電対193の検出温度に基づいてヒータ192を制御し、それによってホルダ191に固定された加熱加圧ツール194が所定温度(例えば80℃)に加熱される。この加熱加圧ツール194と対向して、LCD基板11の第2電極部11cを下側から支持するバックアップステージ195が設けられている。
また、本圧着部190は、FPC基板12と加熱加圧ツール194との間に保護シート196を供給するための保護シート供給機構197を備えている。この保護シート供給機構197は、図示しない供給源から送られる保護シート196を案内するガイドローラ198A,198Bを備えている。ガイドローラ198A,198Bは、図示しない駆動機構により駆動されて昇降する。ガイドローラ198A,198Bが降下すると保護シート196がLCD基板11の第2電極部11c上に載置される。
図11及び図27に示す上記搬出部200は、アンローダ201、及び移載機構202を備えている。
アンローダ201は、エアシリンダS37により駆動される搬出スライダ201aと、この搬出スライダ201aによりX軸方向に直線往復移動する搬出プレート201bとを備えている。搬出プレート201bには複数の吸引孔201cが設けられている。これらの吸引孔201cを介して作用する真空吸引ポンプP35の吸引力により、搬入プレート101b上にLCD基板11が吸着保持される。
移載機構202は、サーボモータM43により駆動されて上記搬入部140の移載機構102と共通のガイドレール142a上をX軸方向に直線往復移動するスライドプレート202aを備えている。また、スライドプレート202aには上記ガイドレール142aに対して直交する方向に延びるガイドレール202bが固定されている。このガイドレール202b上にはサーボモータM45により駆動されてY軸方向に直線往復移動するベースプレート202cが設けられている。このベースプレート202cに設けられた搬出ヘッド202dは、一対の吸着パッド202e,202fを備え、これらの吸着パッド202e,202fを介して作用する真空吸引ポンプP41の吸引力によりFPC基板12が吸着保持される。本実施形態では、FPC基板12の対角線上の2箇所が吸着保持されるように吸着パッド202e,202fを配置している。また、搬出ヘッド202dは、エアシリングS34により駆動されてZ軸方向に昇降する。
次に、上記部品実装装置30の動作について説明する。
まず、図28を参照して部品実装装置30によるLCD基板11へのFPC基板12の実装プロセスを概略的に説明する。
第1実装機31の受け渡し部60において、移載機構42によって搬入プレート41aから回転搬送部50の1つの保持ステージ53にLCD基板11が供給される(図28のステップ1)。次に、この保持ステージ53が90度回転してACF貼付部70に移動する。このACF貼付部70において、LCD基板11の第1電極部11bにACFテープ71が貼り付けられる(ステップ2)。保持ステージ53がさらに90度回転して仮圧着部80に移動する。この仮圧着部80において、FPC供給部110から供給されたFPC基板12の第1装着部12bがLCD基板11の第1電極部11bに仮圧着される(ステップ3)。次に、保持ステージ53がさらに90度回転して本圧着部90に移動する。この本圧着部90において、FPC基板12の第1装着部12bがLCD基板11の第1電極部11bに本圧着される(ステップ4)。保持ステージ53がさらに90度回転すると、保持ステージ53が受け渡し部60に戻り、搬出部100を介して移載機33の移載ヘッド33dに移送される(ステップ5)。受け渡し部60に戻ったときには、LCD基板11の第1電極部11bに対してFPC基板12の第2電極部12bが装着されており、LCD基板11の液晶表示部11aはFPC基板12の中間部12aにより覆われている。そのため、搬出部100ではFPC剥がし機構103(図12参照)によりFPC基板12をLCD基板11から離反する方向に撓ませ、それによって露出されたLCD基板11を搬出ヘッド102eが吸着保持する。同様に、第1実装機31の搬出スライダ101上では、LCD基板11の液晶表示部11aはFPC基板12の中間部12aにより覆われている。そのため、移載機33はFPC剥がし機構343によりFPC基板12をLCD基板11から離反する方向に撓ませ、それによって露出されたLCD基板11を移載ヘッド33dが吸着保持する。
次に、移載ヘッド33dが鉛直方向に延びるそれ自体の軸線回りに回転し、それによってLCD基板11及びFPC基板12が平面視で180度回転する(ステップ6)。その後、LCD基板11及びFPC基板12は、移載機33の移載ヘッド33dから第2実装機32の搬入部140に移送される(ステップ7)。次に、受け渡し部160において、移載機構142によって搬入プレート141bから回転搬送部150の1つの保持ステージ153にLCD基板11及びFPC基板12が供給される(ステップ8)。LCD基板11の第1電極部11bにFPC基板12の第1電極部11cが装着済みであり、LCD基板11の液晶表示部11aはFPC基板12の中間部12aにより覆われているので、搬入部140ではFPC剥がし機構14(図17参照)によりFPC基板12をLCD基板11から離反する方向に撓ませ、それによって露出されたLCD基板11を搬入ヘッド142eが吸着保持する。
次に、この保持ステージ153が90度回転してACF貼付部170に移動する。このACF貼付部170において、LCD基板11の第2電極部11cにACFテープ171が貼り付けられる(ステップ8)。このACF貼付部170においても、FPC剥がし機構270によりFPC基板12をLCD基板11から離反する方向に撓ませ、それによって露出されたLCD基板11の第2電極部11cにACFテープ171が供給される。
次に、保持ステージ153がさらに90度回転して仮圧着部180に移動する。この仮圧着部180において、FPC基板12の第2装着部12cがLCD基板11の第2電極部11cに仮圧着される(ステップ10)。その後、保持ステージ153がさらに90度回転して本圧着部190に移動する。この本圧着部190において、FPC基板12の第2装着部12cがLCD基板11の第2電極部11cに本圧着される(ステップ11)。保持ステージ153がさらに90度回転すると、保持ステージ53が受け渡し部160に戻り、LCD基板11及びFPC基板12が第2実装機32から搬出される。
次に、第1実装機31、第2実装機32、及び移載機33の動作をより詳細に説明する。
まず、図11から図16、及び図29から図31を参照して第1実装機31の動作を説明する。
図示しない搬送機構によりストッカ501(図8参照)から搬出されたLCD基板11が搬入部40に供給される。詳細には、搬入プレート41b上にLCD基板11が載置され、吸引孔41cにより吸着保持される。次に、搬入スライダ41aにより駆動された搬入プレート41bが第1実装機31内に移動し、また、移載機構42の搬入ヘッド42dが搬入プレート41bの上方に移動する。認識カメラ42eによりLCD基板11が認識され、この認識に基づいて位置補正された搬入ヘッド42bがLCD基板11上に降下する。搬入ヘッド42bがLCD基板11を吸着保持し、搬入プレート41bの吸引孔41cによる吸着が解除される。
LCD基板11を吸着保持した搬入ヘッド42dがガイドレール42a上を受け渡し部60まで移動する。受け渡し部60では、ガイドレール42cに沿って搬入ヘッド42dが移動し、LCD基板11が保持ステージ53に対して位置決めされる。さらに、搬入ヘッド42dが降下してLCD基板11が保持ステージ53に載置される(図29(A))。このときLCD基板11の第1電極部11bが保持ステージ53の先端(保持ステージ53の回転軸52とは反対側の端部)から突出している。保持スステージ53によりLCD基板11が吸着保持されると、搬入ヘッド42eによる吸着が解除される。
次に、回転軸51が平面視で反時計回りに90度回転し、保持ステージ53がACF供給部70に移動する。ACF供給部70では加熱加圧ツール73によりACFテープ71がLCD基板11の第1電極部11bに貼り付けられる(図29(B))。その後、回転軸51がさらに90度回転し、保持ステージ53が仮圧着部80に移動する。仮圧着部80では、FPC位置決め部81のLCD精認識カメラ81fが、LCD基板11の認識マーク11d,11eを上方から認識する(図30(A))。また、LCD精認識カメラ81fは、LCD基板11の第1電極部11bのACFテープ71を認識する(図30(B))。コントローラ34(図8参照)は、この認識に基づいてACFテープ71が適切に貼り付けられていることを確認する。
保持ステージ53が仮圧着部80に移動するのと同期して、トレイ502(図8参照)から供給されたFPC基板12を吸着保持した搬入スライダ110aが、FPC仮圧着ヘッド81cの下方に移動する。また、FPC粗認識カメラ81gがFPC基板12の認識マーク12d,12eを上方から認識する(図30(C))。この認識に基づく位置補正の後に、FPC仮圧着ヘッド81cが降下し、FPC供給スライダ110a上のFPC基板12を吸着する。仮圧着ヘッド81cがFPC基板12の吸着を開始すると、搬入スライダ110dの吸引孔110fにより吸着が解除される。FPC基板12を吸着保持した仮圧着ヘッド81cは搬入スライダ110bから上昇する(図30(D))。搬入スライダ110bの部分110eの高さは部分110fよりも低く、仮圧着ヘッド81cの第1ヘッド81dの高さも第2ヘッド82eよりも低いため、仮圧着ヘッド81cに吸着保持されたFPC基板12は、第1電極部12bが第2電極部12cよりも下方に位置する形状に撓んでいる。
FPC基板12を吸着保持した仮圧着ヘッド81cは、圧着部82の上方に移動する。その後、圧着部82のFPC精認識カメラ82eがFPC基板12の認識マーク12d,12eを下方から認識する。この認識の際には、ライト82eによりFPC基板12の第1装着部12b付近が照明される。
上記LCD精認識カメラ81f及びFPC精認識カメラ82eの認識に基づく位置補正の後、仮圧着ヘッド81cが保持ステージ53上のLCD基板11に降下する。その結果、仮圧着ヘッド81cによりバックアップステージ82dに向けて加圧され、FPC基板12の第1装着部12bがLCD基板11の第1電極部11bに仮圧着される(図30(F))。この際、上記のようにFPC基板12は第1装着部12bが第2装着部12cよりも下方に位置する姿勢で仮圧着ヘッド81cに保持されているため、FPC基板12の第2装着部12cはLCD基板11と干渉しない。
次に、回転軸51がさらに90度回転し、保持ステージ53が本圧着部90に移動する。この本圧着部90では、加熱加圧ツール90aにより、上記仮圧着部80よりも大きい圧着力でLCD基板11の第1電極部11bに対してFPC基板12の第1装着部12aが圧着される(図31(A))。その結果、第1電極部11bに対して第1装着部12aが固定される。また、第1電極部11bの各駆動電圧供給線17aに対して第1装着部12aの対応する駆動電圧供給線18aがそれぞれ電気的に接続される。
次に、回転軸51がさらに90度回転し、保持ステージ53が受け渡し部60に戻る。この時点では、FPC基板12の第1装着部12bはLCD基板11の第1電極部11bに対して装着されているが、FPC基板12の第2装着部12cはLCD基板11に対して装着されていない。そのため、FPC基板12を強制的に撓ませない限り、FPC基板12によりLCD基板11の液晶表示部11a及び第2電極部11cが覆われる。
保持ステージ53が受け渡し部60に戻るのと同期して、図12に示すように、搬出部100の移載機構102が受け渡し部60に移動する。この時、移載機構102と共にFPC剥がし機構103も受け渡し部60へ移動する。また、FPC剥がし機構103のブラケット103bがガイドレール103a上を保持ステージ53に向けて移動し、それによってFPC剥がし機構103の吸着ヘッド107は保持ステージ53の上方に移動する。次に、図13に示すように進出位置となったエアシリンダ104のロッド104bよりリンク機構106が駆動され、FPC剥がし機構103の吸着ヘッド107が、保持ステージ53上のFPC基板12に降下する。また、吸着ヘッド107によるFPC基板12の吸着保持が開始される。その後、エアシリンダ104のロッド104bが引込位置に戻る。その結果、図14及び図31(B)に示すように、FPC基板12はLCD基板11から離反する方向に撓み、LCD基板11の液晶表示部12a及び第2電極部12cを含む部分が露出される。
次に、図15に示すように、搬出ヘッド102eが上記露出されたLCD基板11に降下し、搬出ヘッド102eによるLCD基板11の吸着保持が開始される。続いて、図16及び図31(C)に示すようにFPC剥がし機構103の吸着ヘッド107によりFPC基板12の吸着保持が解除される。その結果、図16及び図31(C)において矢印で示すように、FPC基板12は自重及びそれ自体が有する弾性によりLCD基板11を覆う形状に戻る。吸着ヘッド107から空気を噴射すれば、FPC基板12は確実かつ迅速に吸着ヘッド107から離れる。吸着ヘッド107による吸着保持解除後、保持ステージ53によるLCD基板11の吸着保持が解除される。その後、図31(D)に示すように、搬出ヘッド102eが上昇し、LCD基板11及びFPC基板12は保持ステージ53から離れる。このように第1実装機31の搬出部100では、FPC剥がし機構103がFPC基板12を撓ませてLCD基板11を露出させるため、搬出ヘッド102eは確実に保持ステージ53上の搬出ヘッド102eを吸着保持することができる。また、FPC基板12の中間部12aには第1及び第2装着部12b,12cと同方向延びる切欠12m,12n(図5参照)を設けているため、FPC剥がし機構103によりFPC基板12を撓ませる際の抵抗が小さく、比較的容易に撓む。従って、FPC基板12を撓ませることに起因する断線が防止される。
LCD基板11とFPC基板12を保持した搬出ヘッド102eは、搬出プレート101bの上方に移動する。次に、搬出ヘッド102eが降下して搬出プレート101b上にLCD基板11が載置される。搬出プレート101bの吸引孔101cによるLCD基板11の吸着が開始され、続いて搬出ヘッド102eの吸着が解除される。次に、搬出スライダ101aにより駆動された搬出プレート101bが第1実装機31内から移載機33内に移動する。
移載機33の動作について説明すると、認識カメラ33eによる認識結果に基づいて、ガイドレール33a,33cに沿って移載ヘッド33dが移動し、第1実装機31の搬出プレート101b上にあるFPC基板12及びLCD基板11に対して位置決めされる。また、FPC剥がし機構343が、FPC基板12をLCD基板11から離反する方向に撓ませ、それによってLCD基板11を露出させる。上述のようにFPC剥がし機構343の構造は、第2実装機32のFPC剥がし機構143と同一であるので、FPC基板12を露出させる際のFPC剥がし機構343の動作も後述するFPC剥がし機構143と同一である。次に、移載ヘッド33dが降下してLCD基板11を吸着保持し、続いて搬出プレート101bによる吸着が解除される。さらに、移載ヘッド33dは上昇した後、ガイドプレート33a,33c沿って第2実装機32の搬入部140へ移動する。なお、この移載機33を設けずに、手作業又は他の搬送装置でLCD基板11及びFPC基板12を第1実装機31から第2実装機32に搬送してもよい。
次に、図10、図17から図27、及び図32から図36を参照して第2実装機32の動作を説明する。
まず、移載機33の移載ヘッド33dが第2実装機の搬入部140の搬入プレート141bに降下する。搬入プレート141bの吸引孔141cがLCD基板11の吸着を開始し、続いて移載ヘッド33dの吸着が停止される。その後、移載ヘッド33dは搬入プレート141bから離れ、搬入プレート141aによりLCD基板11及びFPC基板12が保持される(図32(A))。このときFPC基板12は第1装着部12bがLCD基板11の第1電極部11bに装着されている。また、中間部12aがLCD基板11の液晶表示部11aの裏面側を覆っている。ただし、第2装着部12cはLCD基板11に装着されていない。
次に、エアシリンダS32に駆動されて搬入プレート141bが図17で示すようにFPC剥がし機構143と対応する位置まで移動する。次に、エアシリンダ143hのロッド143iが進出位置となりリンク機構143fにより駆動された吸着ノズル143bが搬入プレート141b上のFPC基板12に降下する。このとき吸着ノズル143bの下端面がFPC基板12の第2装着部12c付近に当接する。また、吸着ノズル143bの吸引孔143gによるFPC基板12の吸着が開始される。次に、エアシリンダ143hのロッド143iが引込位置に戻り、図32(B)に示すように吸着ノズル143bがFPC基板12の一部を保持したまま上昇し、LCD基板12から離れる。その結果、FPC基板12はLCD基板11から離反する方向に撓み、LCD基板11の第1電極部11c及び液晶表示部11aが露出される。
次に、移載機構142のベースプレート142dがガイドレール142a,142cに沿って移動し、搬入プレート141bの上方に到達する。図32(C)に示すように認識カメラ142kが搬入プレート141b上のLCD基板11を認識する。この認識結果に基づく位置補正後、搬入ヘッド142eがLCD基板11へ降下し、図32(D)に示すように吸着ノズル142fがLCD基板11の液晶表示部11aの当接する。また、吸着ノズル142fによりLCD基板11の吸着が開始され、FPC剥がし機構143の吸着ノズル143bによる吸着が解除される。このように搬入部140では、FPC剥がし機構143によりFPC基板12を撓ませLCD基板11を露出させるため、移載機構142の吸着ノズル142fにより確実にLCD基板11を吸着保持することができる。次に、FPC剥がし機構143のエアシリンダ143hのロッド143iが再び引込位置に戻る。その結果、図32(D)に示すように吸着ノズル143bは搬入プレート141bから上昇する。これと同時に空気噴射機構144の噴射ノズル144aからFPC基板12に向けて空気流が噴射される。この空気流によりFPC基板12は、吸着ノズル143bから確実に離れる。
次に、図32(E)に示すように搬入ヘッド142eの吸着ノズル142fが上昇し、LCD基板11がFPC基板12と共に搬入プレート141bから離れる。続いて、移載機構142のベースプレート142dがガイドレール142a,142cに沿って受け渡し部160まで移動する。続いて、図32(F)に示すように搬入ヘッド142eが降下し、保持ステージ153上にLCD基板11を載置する。また、保持ステージ153の吸引孔153aによるLCD基板11の吸着が開始され、それに続いて移載ヘッド142eの吸着ノズル142fによる吸着が解除される。さらに、移載ヘッド143eが受け渡し部160から離れる。
上記受け渡し部160でのLCD基板11及びFPC基板12の供給時には、保持ブロック154は図19に示す退避位置にあり、保持ステージ153に対して離隔されている。
次に、回転搬送部150の回転軸が平面視で時計方向に90度回転し、保持ステージ153はACF貼付部170に移動する。ACF貼付部170では、まずFPC剥がし機構270によりFPC基板12が撓まされ、LCD基板12が露出される。まず、FPC剥がし機構270のエアシリンダ275のロッドが進出位置となり、それによって図33(A)に示すようにFPC剥がし機構270の吸着ノズル271と押えローラ371A,371Bが保持ステージ153へ降下する。このとき押えローラ371A,371Bは保持ステージ153上のLCD基板11とほぼ同じ高さに位置している。次に、エアシリンダ374のロッド374bが進出位置となり、それによって図33(B)に示すように押えローラ371A,371BがLCD基板11の第1電極部11b付近まで移動する。そのめた、FPC基板12の第1装着部12b付近が押えローラ371A,371Bにより保持ステージ153に押し付けられ、押し付けられた部分がLCD基板11に固定される。
次に、FPC剥がし機構143のエアシリンダ273のロッド273aが突出位置となり、それによって図33(C)に示すように吸着ノズル271が保持ステージ153上のFPC基板12まで降下する。これに続いて、吸着ノズル271の吸着孔271aにより吸着が開始される。押えローラ371A,371BによりFPC基板12がLCD基板11に固定された状態で吸着ノズル271がFPC基板12を吸着保持するため、吸着ノズル271は確実にFPC基板12を吸着保持することができる。吸着ノズル271がFPC基板12を吸着保持した後、エアシリンダ374のアクチュエータ374bが引込位置となり、図33(D)に示すように押えローラ371A,371BがFPC基板12から離れる。これによってFPC基板12の固定が解除される。
次に、エアシリンダ274が引込位置となり、図34(A)に示すように、吸着ノズル271が上昇する。この吸着ノズル271の上昇により、FPC基板12がLCD基板11から離反する方向に撓み、LCD基板11の第2電極部11cが露出される。次に、加熱加圧ツール173がガイドレール177A,177Bと共に降下し、ACFテープ171が第2電極部11cに貼り付けられる。続いて、加熱加圧ツール173がガイドレール177A,177Bと共に上昇し、LCD基板11から離れる。次に、アクチュエータ375が作動し、プッシャ378が保持ブロック154に連結されたカムフォロア253を押す。その結果、マグネット251A,251Bの保持ブロック154に対する吸着保持が解除され、スプリング254A,254Bの付勢力により、保持ブロック154は保持ステージ153へ移動し、図20(A),(B)及び図34(C)に示す進出位置となる。この進出位置にある保持ブロック154の先端側は、保持ステージ153上にあるLCD基板11の第2電極部11cの上方に位置している。次に、吸着ノズル271によるFPC基板12の吸着保持が解除され、図34(D)に示すように、FPC基板12は自重と弾性的な復元力とにより、保持ブロック154上に落下する。続いて、保持ブロック154の吸引孔154bによるFPC基板12の吸着保持が開始される。
次に、圧着部183のテーブル183cがガイドレール183aに沿ってX軸方向に1回の往復移動を行う。このテーブル183cの往復移動により、カム284に対するカムフォロア253の相対位置は、図25においてX1で示す位置からX2で示す位置となった後、X1で示す位置に再び戻る。そのため、保持ブロック154は、図34(D)で示す保持ステージ153に対して接近した進出位置から、図35(A)で示す保持ステージ153からある程度離れ位置に移動し、さらに図35(B)に示すように進出位置に戻る。この保持ブロック154の保持ステージ153に対する相対移動により、FPC基板12は図35(A)に示すように第2装着部12cがLCD基板11の外側に位置するまでいったん延ばされた後、図35(B)に示すように第2装着部12cがLCD基板11の液晶表示部11a側に位置するまで戻される。その結果、FPC基板12の中間部12aは図において上向の凸形状に撓む。
次に、FPC位置決め部181のLCD精認識カメラ182iが、LCD基板11の認識マーク11f,11gを上方から認識する(図35(C))。また、LCD精認識カメラ182iは、LCD基板11の第2電極部11cのACFテープ171を認識する(図35(D))。コントローラ34(図8参照)は、この認識に基づいてACFテープ171が適切に貼り付けられていることを確認する。このようにFPC基板12の第2装着部12cがLCD基板11の液晶表示部11a側に位置する状態で、LCD基板11及びACFテープ171の認識が行われるため、LCD精認識カメラ182iはFPC基板12に遮られることなく認識を実行することができる。
次に、カム284の移動によって図36(A)に示すように保持ブロック154が退避位置に移動する。また、FPC粗認識カメラ182jがFPC基板12の認識マーク12f,12gを認識する。この認識中は、ライト287のFPC基板12の第2装着部12c付近が照明される。図36(A)に示すようにFPC基板12は延びた状態にあり、第2装着部12cはLCD基板11の第2電極部11cよりも外側に位置している。従って、FPC粗認識カメラ182jはLCD基板11により遮られることなく、確実にFPC基板12を認識することができる。
次に、仮圧着ヘッド182の吸着ノズル182bが保持ブロック154により吸着保持されたFPC基板12の第2装着部12cまで降下する。続いて、吸着ノズル182bの吸引孔182cによるFPC基板12の吸着保持が開始される。また、保持ブロック154によるFPC基板12の吸着保持が解除される。
次に、図36(B)に示すように吸着ノズル182が上昇し、これによってFPC基板12の第2装着部12cは保持ブロック154から離れる。その後、図36(C)に示すように圧着部183のFPC精認識カメラ285がFPC基板12の認識マーク12f,12gを下方から認識する。この認識中はライト287によりFPC基板12の第2装着部12c付近が照明される。
次に、図36(D)で示すように、保持ブロック154がさらに保持ステージ153から離れて退避位置(図19(A),(B)参照)まで移動する。また、上記LCD精認識カメラ182i及びFPC精認識カメラ285の認識に基づく位置補正の後、仮圧着ヘッド182の吸着ノズル182bが保持ステージ53上のLCD基板11に降下する。その結果、吸着ノズル182bによりバックアップステージ185に向けて加圧されたFPC基板12の第2装着部12cがLCD基板11の第2電極部11cに仮圧着される。
次に、回転軸151がさらに90度回転し、保持ステージ153が本圧着部190に移動する。この本圧着部190では、図37(A)に示すように、加熱加圧ツール194により、上記仮圧着部180よりも大きい圧着力でLCD基板11の第2電極部11cに対してFPC基板12の第2装着部12cが圧着される。その結果、第2電極部11cに対して第2装着部12cが固定される。また、第2電極部11cの各駆動電圧供給線17bに対して第2装着部12cの対応する駆動電圧供給線18bがそれぞれ電気的に接続される。
次に、回転軸151がさらに90度回転し、保持ステージ153が受け渡し部160に戻る。この時点では、FPC基板12の第1及び第2装着部12b,12cがそれぞれLCD基板11の第1及び第2電極部11b,11cに対してそれぞれ装着されている。すなわちLCD基板11に対するFPC基板12の実装が完了している。
保持ステージ153が受け渡し部160に戻るのと同期して、移載機202の搬出ヘッド202dが受け渡し部160に移動する。次に、吸着パッド202e,202fがFPC基板12に当接するまで搬出ヘッド202dが降下する。続いて、吸着パッド202e,202fによるFPC基板12の吸着が開始され、保持ステージ153による吸着保持が解除される。その後、搬出ヘッド202dが上昇し、LCD基板11及びFPC基板12は保持ステージ153から離れ、搬出プレート201bの上方に移動する。次に、搬出ヘッド202eが降下して搬出プレート201b上にLCD基板11が載置される。搬出プレート201bの吸引孔201cによるLCD基板11の吸着が開始され、搬出ヘッド202dによる吸着が解除される。最後に、搬出スライダ201aにより駆動された搬出プレート201bが第2実装機32外に移動する。搬出スライダ201b上のLCD基板11及びFPC基板12は、図示しない搬送機構によりストッカ503(図8参照)に搬出される。
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、本発明の部品実装装置及び方法は、LCD基板以外の板状部品(例えばエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)、プラズマディスプレイパネル(PDP)又は通常のプリント基板)にFPC基板以外のフィルム状部品(例えばテープキャリアパッケージ(TCP))を実装するために使用することもできる。また、第1実装機及び第2実装機の搬入スライダ等における吸引孔の形状・ピッチは図示のものに限定されず、LCD基板やFPC基板の寸法や形状に応じて適宜節的することができる。さらに、第1実装機及び第2実装機の搬入スライダ等は吸着ではなく、機械的にLCD基板やFPC基板を保持するものであってもよい。さらにまた、第1実装機及び第2実装機のACF供給部に代えて、LCD基板の電極部にACPを供給するACP供給部を設けてもよい。