JP5291690B2 - リアパーセルシェルフ - Google Patents
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Description
しかし、前記特許文献1及び特許文献2に記載の発明では、応力に対抗できる剛性を確保させる手段が何ら講じられていないため、リアパーセルシェルフに対して、アンカー部材を介して前方へ向かう引張荷重が加わると、スピーカ取付開口部が車幅方向に縮小するように(前後方向に伸長するように)リアパーセルシェルフが変形する虞があった。
また、前記問題を解決する他の手段として、リアパーセルシェルフの板厚を厚くし、リアパーセルシェルフの剛性を高める方法が考えられる。
また、リアパーセルシェルフの板厚を厚くする方法では、リアパーセルシェルフの重量が増加するため、車両重量が増加するという弊害があった。
また、パッチが、アンカー部材に近い部位に車幅方向に沿って延在する第1ビードを有することによって、リアパーセルシェルフ本体に加わる引張荷重を分散できるため、スピーカ取付開口部の周縁(特に車幅方向両側の部分)における局所的な応力集中を回避できる。
したがって、本発明によれば、スピーカ取付開口部の周縁の全周に亘って剛性が向上すると共に、スピーカ取付開口部の周縁における局所的な応力集中を回避できるため、スピーカ取付開口部が車幅方向に縮小するようにリアパーセルシェルフ本体が変形するのを防止できる。
更に、リアパーセルシェルフ本体の板厚を厚くする方法に比べて、リアパーセルシェルフ本体の重量増加を軽減できるため、車両の重量増加を軽減できる。
本発明では、スピーカ取付開口部の中心とアンカー部材の中心とは、車幅方向にオフセットされており、第1ビードの車幅方向一端部は、車幅方向他端部よりもアンカー部材の近くに配置されており、車幅方向一端部は、車幅方向他端部よりも後方に位置している。スピーカ取付開口部の中心とアンカー部材の中心とが、車幅方向にオフセットされると、第1ビードの車幅方向一端部は、車幅方向他端部よりもアンカー部材に近くなるところ、本発明によれば、車幅方向一端部は車幅方向他端部よりも後方に位置しているので、第1ビードが車幅方向と平行に設けられる場合に比べて、第1ビードの車幅方向一端部からアンカー部材の中心までの距離と、車幅方向他端部からアンカー部材の中心までの距離との差を小さくできる。したがって、第1ビード全体で引張荷重を受けることができるため、リアパーセルシェルフ本体に加わる引張荷重を効率良く分散できる。
また、湾曲形状の第2ビードにより、リアパーセルシェルフ本体に加わる多方向からの荷重を均一に分散できるため、スピーカ取付開口部の周縁に加わる多方向からの応力を均一化できる。
なお、本実施形態では、「前後」、「上下」、「左右」は、車両の「前後」、「上下」、「左右」を基準にする。また、「車幅方向」とは「左右方向」と同義である。
はじめに、図5を参照して、リアパーセルシェルフ1の周辺構成について説明する。
図1−図3に示すように、リアパーセルシェルフ1は、リアパーセルシェルフ本体2と、アンカー部材3と、パッチ4(図3参照)と、シーラー5(図3参照)と、を主に備えて構成されている。
パッチ4は、車幅方向に沿って延在する前ビード41と、スピーカ取付開口部2aを挟んで前ビード41と反対側に配置され、車幅方向に沿って延在する後ビード42と、を有している。
なお、前ビード41は、スピーカ取付開口部2aの車幅方向の幅寸法と同一の長さを有してもよいし、スピーカ取付開口部2aの車幅方向の幅寸法よりも大きい又は小さい長さを有してもよい。換言すると、前ビード41は、リアパーセルシェルフ本体2に加わる引張荷重を好適に分散できる長さを有していればよい。
本実施形態では、アンカー部材3の車幅方向の中心点を通る前後方向に沿う中心線C2は、図3に示すように、スピーカ取付開口部2aの車幅方向の中心点を通る前後方向に沿う中心線C1に対して、車幅方向内側にオフセットされている。中心線C2が中心線C1に対してオフセットされると、前ビード41の一端部41aは、他端部41bよりもアンカー部材3に近くなる。逆に言えば、中心線C2が前ビード41の一端部41aに近付いた状態となる。
そこで、一端部41aが他端部41bよりも後方に位置するように構成すると、図4に示すように、一端部41aから中心線C1までの距離L1と、他端部41bから中心線C1までの距離L2との差(L2−L1)は、前ビード41が車幅方向と平行に設けられた場合(図4の二点鎖線参照)における、一端部から中心線C1までの距離L3と、他端部から中心線C1までの距離L4との差(L4−L3)よりも小さくできる。
したがって、本実施形態によれば、前ビード41が車幅方向と平行に設けられた場合に比べて、前ビード41全体で引張荷重を受けることができるため、リアパーセルシェルフ本体2に加わる引張荷重を効率良く分散できる。
スポット溶接の溶接点P1−P4は、前ビード41の近傍で前ビード41の延在方向に沿って配列されている。また、溶接点P5−P8は、後ビード42の近傍で後ビード42の延在方向に沿って配列されている。
また、パッチ4が、当該パッチ4のうちアンカー部材3の近傍部位に車幅方向に沿って延在する前ビード41を有することによって、リアパーセルシェルフ本体2に加わる引張荷重を分散できるため、スピーカ取付開口部2aの周縁2e(特に車幅方向両側の部分)における局所的な応力集中を回避できる。
特に、本実施形態では、前ビード41が、スピーカ取付開口部2aの車幅方向の幅に対応する長さを有すると共に、パッチ4が、当該パッチ4のうちスピーカ取付開口部2aを挟んで前ビード41と反対側の部位に、車幅方向に沿って延在する後ビード42を有することによって、リアパーセルシェルフ本体2に加わる引張荷重を一層分散できるため、スピーカ取付開口部2aの周縁2eにおける局所的な応力集中を一層回避できる。
したがって、スピーカ取付開口部2aの周縁2eの剛性が向上すると共に、スピーカ取付開口部2aの周縁2eにおける局所的な応力集中を回避できるため、スピーカ取付開口部2aが車幅方向に縮小するようにリアパーセルシェルフ本体2が変形するのを防止できる。
更に、リアパーセルシェルフ本体2の板厚を厚くする方法に比べて、リアパーセルシェルフ本体2の重量増加を軽減できるため、車両の重量増加を軽減できる。
更に、後ビード42がスピーカ取付開口部2aの円弧形状に対応する湾曲形状に形成されることによって、リアパーセルシェルフ本体2に加わる多方向からの荷重を均一に分散できるため、スピーカ取付開口部2aの周縁2eに加わる多方向からの応力を均一化できる。
例えば、スピーカ取付開口部2a、アンカー部材3、パッチ4、シーラー5の形状等は適宜変更してよい。
2 リアパーセルシェルフ本体
21 水平壁部
2a スピーカ取付開口部
2e 周縁
3 アンカー部材
31 ブラケット
32 被係止部材
4 パッチ
41 前ビード(第1ビード)
41a 一端部
41b 他端部
42 後ビード(第2ビード)
5 シーラー
6 スピーカ
P1−P11 溶接点
C1 中心線
C2 中心線
CR 車室
CL 荷室
Claims (6)
- 車両の後部に設置され、車室と荷室とを仕切るリアパーセルシェルフであって、
略水平状に形成された水平壁部を有すると共に、前記水平壁部に形成されるとともに平面視略円形状に形成され、スピーカが取り付けられるスピーカ取付開口部を有するリアパーセルシェルフ本体と、
前記リアパーセルシェルフ本体に取り付けられ、前記スピーカ取付開口部の前方に配置されると共に、チャイルドシートに設けられた係止部材を係止するアンカー部材と、
前記スピーカ取付開口部の周縁の全周に沿って取り付けられた平面視環状の金属製の部材であるパッチと、を備え、
前記パッチは、当該パッチのうち前記アンカー部材に近い部位に、車幅方向に沿って延在する第1ビードを有し、
前記スピーカ取付開口部の中心と前記アンカー部材の中心とは、車幅方向にオフセットされており、
前記第1ビードの車幅方向一端部は、車幅方向他端部よりも前記アンカー部材の近くに配置されており、
前記車幅方向一端部は、前記車幅方向他端部よりも後方に位置していることを特徴とするリアパーセルシェルフ。 - 前記第1ビードは、前記スピーカ取付開口部の車幅方向の幅に対応する長さを有することを特徴とする請求項1に記載のリアパーセルシェルフ。
- 前記パッチは、スポット溶接で前記リアパーセルシェルフ本体に接合され、
前記スポット溶接の溶接点は、前記第1ビードの近傍で前記第1ビードの延在方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリアパーセルシェルフ。 - 前記パッチは、前記スピーカ取付開口部を挟んで前記第1ビードと反対側の部位に、車幅方向に沿って延在する第2ビードを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のリアパーセルシェルフ。
- 前記スポット溶接の溶接点は、前記第2ビードの近傍で前記第2ビードの延在方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項4に記載のリアパーセルシェルフ。
- 前記第1ビードは、直線状に形成され、
前記第2ビードは、前記スピーカ取付開口部に対応する湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のリアパーセルシェルフ。
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