JP5291108B2 - 多出力周波数シンセサイザにおける周波数制御のための装置と方法 - Google Patents

多出力周波数シンセサイザにおける周波数制御のための装置と方法 Download PDF

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Description

本発明は一般には通信の分野に関するものであり、特に、セルラ電話機または他の通信機器における高精度な周波数源を生成および制御する技術に関する。
現代の通信機器は、有線または無線を介して通信するどちらの場合でも通常は、比較的安定した基準周波数で動作する少なくとも1つのクロックを必要とする。集積度が増すと、セルラ電話機等の機器は現在では共通して、無線ローカルエリアネットワーク(W−LAN)トランシーバ、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))無線機、全地球測位システム(GPS)受信機、USB(ユニバーサルシリアルバス)インタフェース等の付加的な通信機能を含むようになっている。さらに、セルラの標準規格はより複雑になってきており、それぞれ異なる動作周波数を使用できる複数の通信チャネルを同時に使用する傾向に向かっている。
各通信ブロックは、ベースバンド回路またはデジタル信号プロセッサにクロックを供給するため、または無線回路の中の局部発振器として使用するために、1つ以上のクロック周波数を必要とする。各ブロックに要求される正確な動作周波数は異なる場合があり、精度に対する要求条件も機能によって異なる。例えば、セルラ電話機は、電話機からの送信を受信する基地局における基準に関して、通常、約0.1ppmの精度の局部発振器を有さなければならない。基地局に相対的な電話機の移動によって生ずるドップラーシフトは最大で0.5ppmの明白な周波数シフトの原因となるので、この精度は通常は、公知の自動周波数制御(AFC)技術を使用することにより達成することができる。一方で、GPS受信機は、0.5ppm程度の周波数精度、あるいは、2〜3ppmの周波数精度でさえも極めてよく動作するが、最良の動作性能を得るためには、測定時間間隔の間は、その周波数基準は2ppb以内の安定性が要求されるであろう。これとは対照的に、ブルートゥース無線機では、基準周波数の精度は20ppm程度が要求されるだけである。
経費を最小にするために、複数のデバイスが基準クロックを共有することができる。例えば、ヴォール(Voor)他に特許された特許文献1は、セルラトランシーバとGPS受信機とを組み合わせた通信機器を記載している。ここでは、共有した基準クロックが使用されて、通信トランシーバのための局部発振器信号とGPS受信機のための高周波クロック信号を合成(シンセサイズ)している。特許文献3と特許文献4とは通信トランシーバとGPS受信機との間で基準クロックを共用する別の解決策を示している。しかしながら、基準クロックを共有することはいくつかの問題を引き起こす可能性がある。
米国特許第6,867,734号明細書 米国特許第6,856,791号明細書 国際公開第03/098258号パンフレット 欧州特許出願公開第1206039号明細書
第1に、例えば、セルラトランシーバの局部発振器(LO)が受信した基地局信号の周波数を追尾するためにAFCを使用して基準クロック周波数を調整する場合には、基準クロック周波数の変動が、その基準を共有する他の回路の中で反映される。例えば、トンネルの中をドライブするときに生ずる可能性があるような、受信信号の一時的な損失は、損失を受けた信号に対するAFCループの応答によって、基準クロック周波数に予期せぬ変動が引き起こされる場合がある。これらの変動はその基準を共有している他の回路における動作性能を劣化させる可能性がある。ドップラー誤差を追尾することにより基準周波数に生ずる変動もまた、基準クロックを共有している他の回路に伝搬して、これもまた、動作性能の劣化を起こす可能性がある。さらに、基準クロック周波数に対するAFC補正はそれが相対的には小さいとしても、ある決定的な間だけはクロックの安定度が要求されるようなアプリケーションでは動作性能が阻害される可能性がある。
上記した点を考慮に入れて、ここでは、単一の基準クロック信号から、通信機器における別々のアプリケーションに対して2つ以上のクロック信号を生成するための方法と装置を開示する。
ここで提示される教えとは、1つの共通の基準周波数信号に位相同期した2つ以上の信号をシンセサイズするための方法と回路を提供することである。いくつかの実施例においては、その方法は、第1と第2の位相同期ループ回路を使用して、基準クロック信号に位相同期した第1と第2の出力信号を生成する工程を備える。第1の出力信号において検出した周波数誤差に応じて、第1の位相同期ループ回路における周波数分周比を調整することにより、第1の出力信号を補正する。第2の出力信号は、その検出した周波数誤差から算出された調整パラメータを使用して、第2の位相同期ループ回路における周波数分周比を調整することにより、第1の出力信号への補正とは別個に補正される。
別の代表的な方法では、第1と第2の出力信号は、第1と第2の位相同期ループ回路を使用して、上述したように生成される。第1の出力信号において検出した周波数誤差に応じて、第1の位相同期ループ回路における周波数分周比を調整し、制御信号を生成して基準クロック信号の周波数を調整することにより、第1の出力信号が補正される。第2の出力信号は共通の基準クロック信号から導出されるので、基準クロック周波数に対する調整はまた、第2の出力信号の周波数を調整することにもなるであろう。いくつかの実施例においては、第2の位相同期ループ回路における周波数分周比を調整することにより、第2の出力信号に対する付加的な調整を施すことができる。
本発明の1つ以上の実施例に従う周波数シンセサイザ回路では、共通の基準クロック信号に位相同期された第1と第2の出力信号をそれぞれ生成するよう構成された第1と第2の位相同期ループ回路を備える。その周波数シンセサイザ回路は、第1の出力信号において検出された周波数誤差に応じて、第1の位相同期ループ回路における第1の周波数分周比を調整することにより、第1の出力信号を補正するよう構成された周波数補正回路をさらに備える。周波数補正回路はさらに、その検出された周波数誤差に基づいて調整パラメータを算出し、この調整パラメータを使用して、第2の位相同期ループ回路における第2の周波数分周比を調整することにより第2の出力信号を補正するよう構成される。
いくつかの実施例では、周波数補正回路は、オフセットに基づいて調整パラメータを算出し、第1と第2の出力信号の周波数を異なる割合に補正するよう構成される。1つ以上の実施例においては、周波数補正回路は、第1と第2の周波数分周比のいずれかあるいは全てに、または基準クロックに適用される調整をスケジュールし、アプリケーションに依存した1つ以上の時間間隔の間に生ずる、第1または第2の出力信号、またはそれら双方における周波数不連続を回避するよう構成される。
代表的な通信機器もまた開示される。この通信機器は、通信トランシーバ回路、第2の受信機回路、共通の基準クロック信号に位相同期した第1と第2の出力信号それぞれを生成するよう構成された第1と第2の位相同期ループ回路、および周波数補正回路を備える。第1の出力信号は通信トランシーバ回路によって使用され、第2の出力信号は第2の受信機回路によって使用される。周波数補正回路は、通信トランシーバ回路によって検出された第1の出力信号における周波数誤差に応じて、第1の位相同期ループ回路における第1の周波数分周比を調整し、制御信号を生成して基準クロック信号の周波数を調整することにより第1の出力信号を補正するよう構成される。いくつかの実施例においては、その周波数補正回路はさらに、検出された周波数誤差と基準クロック周波数に対する調整とに基づいて調整パラメータを算出し、この調整パラメータを使用して、第2の位相同期ループ回路における第2の周波数分周比を調整することにより第2の出力信号を補正するよう構成されると良い。
いくつかの実施例においては、第2の受信機は、GPS受信機回路等の測位衛星受信機回路を備えることができ、周波数補正回路は、調整をスケジュールして衛星測位受信機回路によって行われる1つ以上の衛星信号測定の間に生ずる周波数不連続を回避するよう構成される。
無論のことながら、本発明は上記の特徴および利点に限られるものではない。当業者であれば、以下に示す詳細な説明を読み、添付図面を見ることにより、さらなる特徴と利点とを認識するであろう。
セルラ基地局と通信し、測位衛星の信号を受信する通信機器の1実施例のブロック図である。 位相同期ループ回路のブロック図である。 本発明の1つ以上の実施例に従った周波数シンセサイザ回路の機能ブロック図である。 共通の基準クロック信号に位相同期した複数の出力信号を生成し、検出した周波数誤差に応じてこれらの信号を補正する代表的な方法を示すフローチャートである。 本発明のいくつかの実施例に従った、検出した周波数誤差の第1と第2の部分との決定を例示するフローチャートである。 第1の出力信号における検出した周波数誤差と第2の出力信号における予測される誤差とに基づく第2の出力信号の補正を例示するフローチャートである。
次に、代表的なセルラ電話機を説明して、本発明の種々の側面を例示する。しかしながら、当業者であれば、記載の技術が、自動周波数制御(AFC)のいずれかの形を使用する通信モード、さらにはAFCを使用するかまたは使用しない1つ以上の他の無線または通信モード等をサポートする何らかの機器にも適用できることを理解するであろう。例えば、ここに記述する方法と回路は、これらの機器のいずれかが他の通信ブロックと統合されて、テレビジョン受信機、放送無線受信機、コードレス電話機等に使用することができる。従って、本発明は決して、セルラ電話機に対するアプリケーションに限定されるものではない。
図1はセルラ電話機100を示す。セルラ電話機100は、セルラトランシーバ110とGPS受信機120とを含む。セルラトランシーバ110はセルラアンテナ117を介してセルラ基地局115と通信を行う。GPS受信機120は、アンテナ127を介して、1つ以上の測位衛星125からの測位信号を受信する。セルラ電話機100はまた、ブルートゥース無線機130を含み、ブルートゥース無線機130はブルートゥースアンテナ132を介してブルートゥース機能を具備した他の機器と通信を行うことができる。
セルラ電話機100はまた、周波数シンセサイザ回路140を含む。周波数シンセサイザ回路140は、基準クロック150からの基準クロック信号によって駆動され、セルラトランシーバ110とGPS受信機120のそれぞれに対して1つ以上のクロック信号を供給する。供給されるこれらのクロック信号のそれぞれは、アップコンバータ回路またはダウンコンバータ回路の中で直接に使用するための局部発振器(LO)信号であっても良いし、または、LOとデジタルクロック信号との内の少なくともいずれかが導出される中間信号であってよい。図示した実施例では、ブルートゥース無線機130は、基準クロック150から直接供給される基準クロック信号を使用する。他の実施例においては、ブルートゥース無線機130には周波数シンセサイザ回路140によって生成される別のクロック信号が供給されてもよいであろう。制御プロセッサ160は、周波数シンセサイザ回路140とともに、GPS受信機120、セルラトランシーバ110、および、ブルートゥース無線機130を制御する。
図2は位相同期ループ(PLL)回路200を示す。PLL回路200は、周波数シンセサイザ回路140の中で使用され、基準クロック信号に位相同期した出力信号を生成することができる。PLL回路200は、発振器210、デルタシグマ(ΔΣ)周波数分周器220、位相検出器230、チャージポンプ240、ループフィルタ250、および、基準分周器260を備える。PLLの動作はこの技術分野では公知であり、従って、ここでは簡単に議論するだけとする。一般的に表現すれば、発振器210によって生成される周波数foutにおける出力信号はΔΣ分周器220にフィードバックされ、ΔΣ分周器220は周波数がfout/Nの信号を出力する。以下でより詳細に検討するように、ΔΣ分周器220は高分解能で整数でない周波数分周比で動作することができる。ΔΣ分周器220の出力は位相検出器230に供給されて、そこでΔΣ分周器220の出力は基準信号と比較される。図2における基準信号は、周波数分周比Rを有する基準分周器260を使用して基準クロック信号(周波数はfREF)を分周することにより得られる。(当業者が認識するように、基準周波数を分周するのはオプションである。また、基準周波数を分周しないなら、この解析の目的に対してはR=1である。)位相検出器230は、分周出力信号と分周基準信号との相対位相を比較し、チャージポンプ240を使用して、ループフィルタ250と発振器210とを駆動する信号を生成する。ループフィルタは、位相検出器230とチャージポンプ240とによって生成される補正信号を効率よく積分して制御信号を生成する。この制御信号は、位相検出器230において比較された信号が一定(通常はゼロ)の位相差を有するように、発振器210の出力周波数(および位相)を制御する。従って、位相検出器230の入力における信号は、同一の周波数になるように駆動され、発振器210からの出力信号の周波数はfout=(N/R)fREFで安定化する。
PLL回路200は、分数分周方式周波数シンセサイザ(フラクショナルN周波数シンセサイザ)の1つの例である。一般に、分数分周方式シンセサイザは、フィードバック分周比Nの高速な変化がPLL回路200のローパス閉ループ応答によって平均化されるという事実を利用している。例えば、基準信号の10周期の間に、もし分周比が、7周期にわたって整数N1であり、残りの3周期にわたって整数N2であったとすれば、平均分周比は(7N1+3N2)/10となる。当業者であれば、実効的な分周比が整数に限定されないことを認識するであろう。例えば、N2=N1+1であれば、先の例に対しては、実効的な分周比は(N1+0.3)になる。分数分周方式シンセサイザは、より小さな同調ステップサイズを得るために(または、等価的に、より高い周波数の基準周波数が使用できるように)数10年にわたり使用されてきたが、歴史的には、出力信号の中の抑圧しがたいスプリアストーンが解決できないでいた。しかしながら、より最近になって、図2に示すΔΣ分周器の使用を含めて、瞬時のフィードバック分周比に対する変化の時系列を扱う全デジタル化した方法が開発されて、スプリアス応答の影響を最小にして、かつ殆ど任意の小さなステップサイズで分周比を変化させることができる柔軟性を得ることができるようになった。
適切に設計した分数分周方式シンセサイザでは同調ステップを非常に小さくできるので、周波数分周比Nを調整することにより、出力周波数の小さな調整または補正を施すことができる。その結果、従来は基準クロックの周波数を調整することにより実行されていた自動周波数制御(AFC)を、ΔΣ分周器220における周波数分周比を調整することにより実行することができる。参照により本願に組み入れられるクレンメル(Klemmer)に特許され2005年2月15日に発行された特許文献2には、シンセサイズされた周波数における誤差を直接低減できる分数分周方式PLL回路を使用した移動端末のためのAFC回路について記載している。シンセサイズされた出力周波数における周波数誤差は基地局から受信した信号を解析することにより検出され、制御信号が生成されて分数分周方式周波数分周比を調整し、その誤差を補償する。特許文献2に記載されている実施例では、その周波数誤差は、受信したI/Qコンステレーションにおけるシンボルの回転の平均速度を観測することにより検出される。外部の送信機から受信した信号に対する、周波数源の相対的な誤差の検出と測定に関しては、種々の技術が当業者にはよく知られている。
周波数分周器220に適用される周波数補正は、基準クロック信号には影響を与えないので、これらの調整は同様に、基準クロック信号の周波数を共有する他の回路にも影響を与えないであろう。図3は、2つのPLL回路200を備える周波数シンセサイザ回路300を示す。2つのPLL回路は図3ではPLL200′およびPLL200″で区別されており、それぞれは基準クロック150からの基準クロック信号によって駆動される。周波数シンセサイザ回路300は、周波数補正回路310をさらに備え、周波数補正回路310はこれら出力信号の内の1つの出力信号における少なくとも検出された周波数誤差に応じて、PLL200′における周波数分周器220′を調整することにより、第1の出力信号350の周波数を補正するよう構成される。周波数補正回路310はさらに、制御信号360を生成し基準クロック150の周波数を調整するよう構成される。さらに、図3に示す代表的な実施例では、周波数補正回路はまた、PLL200″における周波数分周器220″に調整を施すよう構成される。
周波数分周器220′を調整することにより行う出力信号350に対する周波数補正は、出力信号370(PLL200″からの)に影響を与えないが、基準クロック150への調整は出力信号370に直接影響する。従って、第1の信号(出力信号350)の周波数に対する補正は、分周器220′の周波数分周比に対する調整と基準クロック150に対する調整との間に配分することができる。この配分は、第2の出力(出力信号370)の周波数に対して所望の補正に基づいて行うことができる。例えば、出力信号350において+5ppmの周波数誤差が検出された場合を考える。(正の誤差は、出力信号350の周波数は所望の周波数よりも高いことを意味すると任意に定義することができる。)周波数補正回路310は、周波数補正回路310が行うべき補正の内の3ppmを、PLL200′の中の周波数分周器220′の調整に配分するよう構成することができる。従って、分周器220′の周波数分周比を設定する制御信号は、出力信号350の周波数が所望の周波数に対して相対的に3ppm(または0.0003%)だけ低くされるよう調整される。従って、周波数補正回路310は、制御信号360を生成して基準クロック150を調整し、誤差の残りの部分を取り除くことができる。なお、いくつかの実施例では、周波数補正回路310は、所望の調整に基づいて、制御信号360を算出して基準クロック150を調整しても良い。他の実施例では、検出した誤差に基づいて、従来の閉ループ技術を使用してアナログ制御信号360を生成し基準クロックを調整することにより、分周器220′の調整によってでは補正されない何らかの周波数誤差も取り除くようにすることができる。
これまでの例は数値の詳細を加えることによって、さらに明確にすることができる。基準クロック周波数fREFを26.00MHz、所望の出力周波数を869.01MHzであると仮定する。さらに、基準分周器260は使用せず、あるいはR=1であると仮定する。従って、分周比Nの公称値は約33.423462と設定されなければならない。(無論のことながら、実際は、分周比は2進数表現で定義することができる。さらに、実際の機器では、分解能はこの例において暗示されるものよりも低くてよい。)さらに、生成された出力信号350を受信信号と比較して4.0kHzの周波数誤差が検出されたと仮定する。換言すれば、所望の周波数は869.010MHzのところを、実際の出力周波数は869.014MHzと求められたと仮定する。相対値で表現すれば、この誤差は約4.6ppmの量である。この周波数誤差は、ドップラーシフトによって生ずる誤差とともに、基準クロック150における温度に関連するドリフトによって生ずる誤差を含むかもしれない。この誤差は、分周器220′の周波数分周比Nの値を調整して33.423308とすることによって、殆ど完璧に補正することができる。換言すれば、Nの値を僅かに下方に0.000154だけ調整することにより、0.1ppmより十分に低い誤差とすることができる。
先に注記したように、分周器220′単独にAFCを適用することにより、分周器220′と同様に基準クロック150から導出される出力信号370の周波数には影響を与えない。しかしながら、もし検出された周波数誤差の一部分が基準クロック150を調整することにより補正されるとすれば、出力信号370も同じ割合で調整される。例えば、上記の例では、出力信号350は、約+4.6ppmの初期周波数誤差を有するよう決定された。この誤差の内、約+0.3ppmがドップラーシフトによって生じ、残りの+4.3ppmは基準クロック150における誤差に帰することができるとわかる、または推定することができる。出力信号350は、上述したように、分周器220′の周波数分周比への調整と基準クロック150への調整との間で調整を配分することにより補正することができる。この場合は、基準クロック150によって生ずる誤差の部分が適切に推定されたと仮定すれば、出力信号370は基準クロック150に対する調整の結果として補正されるであろう。
周波数分周器220′と基準クロック150に対して独立な調整を施すよう周波数補正回路310を構成することによって、2つの自由度を得ることができることを、当業者は直ちに認識するであろう。従って、出力信号350と出力信号370は、独立に調整または補正を行うことができる。これらの調整は、分周器220′、制御信号360を生成するための制御回路、および周波数計画の詳細設計によって課せられる範囲と分解能の限界の中では完全に任意である。従って、調整は、所望のオフセットに基づいて、周波数分周器220′と基準クロック150に対して配分し、第1と第2の出力信号周波数を異なる割合で補正することができる。
またさらに、周波数補正回路310をPLL200″の中の周波数分周器220″に対しても調整を施すよう構成することにより、第3の自由度を得ることができる。これは、例えば、基準クロック150が、さらに別の回路、例えば、追加された通信トランシーバ等により使用される場合に有効であるだろう。基準クロック150に対する調整が行われなければ、出力信号370に対する所望の補正は、出力信号350に施す補正の全部または一部に対して整合がとれるよう、直接算出して分周器220″に適用することができる。一方、基準クロック150に対する調整が行われる場合には、その調整の大きさは、出力信号370に対する所望の調整または補正を達成するために要求される分周器220″に対して予測する調整に対応していなければならない。例えば、以前の例では、出力信号350において+4.6ppmの誤差が検出されて、周波数分周器220′を調整することにより+0.3ppmの誤差が補正され、基準クロック150を調整することにより残りの+4.3ppmの誤差が補正された(上記の例におけるように、+4.6ppmの誤差が正の誤差に対応するならば、基準クロックの周波数を下方に調整してその誤差を相殺する)。出力信号370の周波数もまた、基準クロック150に対する調整によって影響を受けるので、出力信号370の周波数は対応する割合だけ下げられる。例えば、周波数誤差の独立な要因を補償するために、出力信号370に対して異なる調整が望まれる場合には、周波数分周器220″に対して付加的な調整を施すことができる。この独立な要因は、出力信号370を受信信号と比較する等によって測定または検出することができる。または、例えば、出力信号350において検出された誤差、または基準クロック150の動作特性に関わる知見に基づいて予測することができる。または、衛星125からの衛星測位信号等の受信信号において予測されるドップラーシフトに基づいて予測することができる。従って、基準クロック150の補正によって生ずる出力信号370に対する調整を、分周器220″に対してオフセットまたはさらなる調整を加えて同じ方向に周波数シフトを生じさせることにより、増加させることができる。あるいは、反対方向に周波数をシフトさせるような調整を付加することにより、または、分周器220″の周波数分周比に対して十分に大きな調整を加えて完全に反対方向にすることにより、総合的な調整を低減することができる。
従って、当業者であれば、上述した回路とその変形によって可能となる制御の柔軟性と範囲とを理解するであろう。いくつかのアプリケーションでは、ただ2つの制御点が要求されるだけであるが、3つの制御点が要求される場合もある。従って、いくつかの実施例では、周波数補正回路310は周波数分周器220′とともに基準クロック150を調整するよう構成することができ、または他の実施例では、周波数分周器220′と周波数分周器220″とだけを調整するよう構成することができる。3つの制御点を必要とするアプリケーションに対しては、周波数補正回路310は、図3に示すように、周波数分周器220′と周波数分周器220″とともに、基準クロック150も調整するよう構成することができる。当業者であれば、さらなる調整を行うよう構成された追加的なPLL回路200を含むさらなる変形もまた可能であることを認識するであろう。
当業者はまた、上述した周波数シンセサイザ回路300のいくつかの機能要素は、1つ以上のマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサの上で実施することができ、また、それらの間に適切なアプリケーションプログラムインタフェースを使用して、それらを協働的にまたは個別的な形で実行することができることを認識するであろう。1つ以上のこれらの要素は、制御プロセッサ160、または、例えば、セルラトランシーバ110またはGPS受信機120が共有するプロセッサ上で実行することができる。あるいは、これらの要素は、個別のハードウェア機器を使用して実現することができる。基準分周器260やΔΣ分周器220等のいくつかの機能ブロックは、個別の集積回路を使用して実現することができる。または、デジタルのまたは混成信号のアプリケーション専用集積回路(ASIC)の部分として集積化することができる。位相検出器230、チャージポンプ240、およびループフィルタ250も同様に、1つ以上の個別の集積回路を備えるか、または1つのASICに集積することができる。いくつかの実施例においては、ループフィルタ250は従来のアナログ素子を使用することができるが、他の実施例においては、位相同期ループ200には全デジタル化した設計を導入することができる。同様に、VCO210は個別アナログ回路を備えても良いが、または、デジタルまたは混成信号ASICで実現することができる。基準クロック150は通常、水晶を基本とした発振器を有し、当該技術で既知の種々の方法で補償または安定化することができる。しかし他の基準クロック信号源も使用することができる。これらの設計の選定には、経費、動作性能、および保守に関するトレードオフが本質的に必要であることを当業者であれば認識するであろう。
図4は、1つの基準クロック信号に位相同期した2つ以上の出力信号をシンセサイズするための代表的な方法を示すフローチャートである。この方法は、例えば、図3に示す周波数シンセサイザ回路300またはその変形の内の1つを使用して実行することができる。図4に示した方法は、図3に示した構成要素に関連して以下で説明するが、当業者は、代替の回路構成および機能的に等価な構成要素も適切な環境下では使用することができることを認識するであろう。
ブロック410では、第1のPLL回路200′を用いて、第1の出力信号350が生成され、基準クロック信号に位相同期される。ブロック420では、第2のPLL回路200″を用いて、第2の出力信号370が生成され、同じ基準クロック信号に位相同期される。代表的なPLL回路200の動作は上述したので、ここでは繰り返さない。
ブロック430では、第1の出力信号350において周波数誤差が検出される。以前に検討したように、この周波数誤差は、出力信号350の周波数を遠隔の送信機から受信する信号を比較することにより検出することができる。無線通信システムにおいては、例えば、基地局からの送信は通常、極度に安定な基準から生成される。移動局からの送信は、一般に、精度が0.1ppm程度以内の基準周波数に基づいていなければならない。このことは通常、1つ以上の公知の自動周波数制御(AFC)技術を使用して達成される。この技術の1つは、上述したように、受信信号から導出するI/Qコンステレーションの回転の平均速度を測定することに関わる。受信信号は通常、送信信号の生成のために使用した基準周波数と同一のまたは関連する基準周波数を使用してダウンコンバートされているので、I/Qコンステレーションの回転の測定から検出される誤差は、送信局部発振器信号における周波数誤差を補正するために使用することができる。
ブロック440では、周波数補正回路310は基準クロック150の周波数を調整することにより、検出された周波数誤差の少なくとも第1の部分を補正する。上述したように、周波数補正回路310は、同調ワード等のデジタル制御信号を算出生成し、基準クロック150の周波数を調整することができる。あるいは、検出した誤差は、それがデジタル形式であれば、アナログ制御インタフェースを介して、基準クロック150の調整に使用するアナログ信号に変換することができる。これは、例えば、バラクタをベースとした電圧制御水晶発振器(VCXO)を制御するためには必要であるだろう。基準クロック150を調整するために生成された制御信号360は、温度補償等の基準クロック150に施される他の調整と組み合わせることができる。または別個に適用することもできる。
上述のように、基準クロック150を調整することにより補正される検出された周波数誤差部分は、任意に選定することができる。あるいは、基準クロック150の補正は、検出した周波数誤差の第2の部分の補正を分周器220′の周波数分周比を使用して行った後の、残りの周波数誤差の補正を行う処理を含むと良い。周波数補正回路310はまた、クロックに基づいた誤差要因に帰することができる誤差の予測値または測定値に基づいて、周波数誤差補正の一部分を基準クロックの調整に配分するよう構成することができる。例えば、周波数補正回路310は、温度データが供給されて、温度によって生ずる周波数誤差成分を予測するよう構成することができる。この予測した誤差成分は、基準クロック周波数に適用される補正に配分することができる。
いくつかの実施例では、周波数補正回路310は、複数の誤差測定値を所定の時間間隔にわたって平均化し、周波数誤差の平均値を求めるよう構成することができる。これは、検出された誤差が何秒かまたは何分かにわたって変動する場合に特に有効である。これらの変動は、恐らくは、相対速度の変化によって生ずるドップラーシフトにおける変動に起因するものであろう。周波数補正回路310は、この平均誤差を基準クロック150に配分し、それに対応して基準クロック周波数を調整するよう構成することができる。
ブロック450では、第1の出力信号350において検出された周波数誤差の第2の部分は、周波数分周器220′における周波数分周比を調整することにより補正される。検出された周波数誤差の第2の部分は、第1の部分に関連する周波数誤差の残りの部分を含むことができる。あるいは、周波数補正回路310は、特定なアプリケーションと状況によっては、過小補正または過大補正するよう構成することができる。さらに、周波数誤差の第2の部分に対する調整が実際には最初に適用されても良い。例えば、周波数補正回路310は、周波数分周器220′を介して行われる所望の調整の値を算出して、この調整を施し、その後に、閉ループAFC回路をイネーブルにして、基準クロック周波数を調整することにより残りの周波数誤差を除去することができる。
図4に示された方法では、最後にブロック460において、周波数補正回路310は、第2のPLL回路200″の分周器220″における周波数分周比を調整することにより、第2の出力信号370の補正を行う。先に注記したように、第2の出力信号370への補正は、第2の出力信号における誤差の測定値または予測値に基づいてなされても良い。そして、通常は、基準クロック150に対して行う何らかのの調整も考慮に入れるであろう。
図4に示された方法は、3つの調整(分周器220′、分周器220″、及び、基準クロック150に対して)を行って2つの出力信号350、370の補正を行う。他の実施例においては、出力信号350、370は、これら3つの制御点の内の2つだけを使用して制御しても良い。例えば、調整は分周器220′と基準クロック150との間で配分して、出力信号350、370に対して独立した制御を施すことができる。同様に、分周器220′と分周器220″とを独立に調整することもできる。
ここに記述した方法によって提供される柔軟性は、受信機機能またはトランシーバ機能の動作が基準周波数の変化に敏感である場合に特に有用であろう。例えば、GPS受信機は通常、相関演算を実行することにより、受信した拡散スペクトラム信号の検出を行う。所望の感度を達成するために、この相関を取る演算は数100msにわたって行われる。この演算中に基準信号周波数の変化があれば、相関演算が妨害され、その結果、測定を価値のないものにしてしまう可能性がある。従って、本発明のある実施例では、周波数補正回路310は、分周器220′と分周器220″のいずれかまたは全て、または基準クロック150に対して施す調整をスケジュールするよう構成し、そのアプリケーションに依存した決定的な時間間隔の間における出力信号の周波数不連続(例えば、周波数の突然の変化)を回避することができる。このスケジューリングは、調整を据え置くべきであることを指示する信号等の、そのアプリケーション回路からの信号を受信することにより実行することができる。ある実施例においては、周波数補正回路310は、アプリケーションに依存する特定の時間間隔を規定する情報が提供されて、この情報から調整を行うためのスケジュールを展開することができる。
いくつかの場合には、この調整のスケジュールが、ある特定の補正の行い方に対して一時的に影響を与えるだけであるという場合もある。例えば、周波数誤差がセルラトランシーバ110に使用される出力信号において検出された場合を考えてみる。もし、調整スケジュールが第2の出力信号に影響する調整を禁止しているとすれば、セルラ信号は、対応する周波数分周器220を調整することにより直ちに補正することができる。この調整は第2の出力信号には何の影響も与えないであろう。その後、第2の出力信号に影響する調整の禁止が解けてから、補正の全てまたは一部分を基準クロック150の調整に配分することにより、第1の出力信号に対する補正を再配分することができる。
ある実施例においては、基準クロック150に対する比較的大きな調整は望ましくない場合がある。このような実施例においては、周波数補正回路310は、第1の出力信号350に対して所望の補正を周波数分周器220′と基準クロック150との間で継続的に配分することにより、基準クロックに対する調整を徐々に導入するよう構成することができる。この継続的な調整は、所定の時間間隔にわたって基準クロック150と周波数分周器220′とに適用し、検出された周波数誤差の補正全体のより多くの部分を徐々に基準クロック周波数の調整にシフトさせて行くことができる。いくつかの実施例では、これらの調整を計算し、継続的な調整での各調整において、基準クロック周波数の調整に、補正全体の内の寄与部分を増加させながらシフトするようにできる。他の実施例においては、この時間間隔は前もって決定される必要はない。むしろ、連続的な調整は固定のステップサイズ、または最大のステップサイズを使用して行い、誤差補正の所望する部分が基準クロック周波数の調整にシフトするまで連続的に行うことができる。
図5は、周波数分周器220′と基準クロック150との間に調整を配分する代表的な方法を示すフローチャートである。ある実施例においては、この配分は、図4に示す方法と組み合わせることができる。この場合には、これらのステップは、ブロック430とブロック440との間に挿入することができる。いずれの場合においても、検出した周波数誤差に基づいて、周波数誤差の第1の部分はブロック432で求められる。ここで、第1の部分は長期間誤差の要因に対応する。これらの誤差要因は、例えば、基準クロック150の同調における固定的な誤差、基準クロック150に及ぼす温度効果によるゆっくりと変動する誤差、または、ほとんど放電してしまった電池から供給される低下電圧によって誘起される誤差を含むかもしれない。ブロック434において、検出された周波数誤差の第2の部分が求められる。第2の部分は、短期間誤差の要因に対応する。短期間誤差は、例えば、ドップラーシフトから生ずることがある。検出した周波数誤差のこれら第1の部分と第2の部分が求められたなら、周波数補正回路310がそれらを使用して、図4に示すように、例えば、分周器220′と基準クロック150との間での調整を配分することができる。
図6は、第1の出力信号350において検出された周波数誤差と第2の出力信号370において予測または検出された誤差とに基づいた、第2の出力信号370の補正をより詳細に示したものである。第1の出力信号350において検出された周波数誤差の全部または一部分が、例えば、基準周波数誤差によって生ずることが知られているとすれば、第2の出力信号370に対して対応する誤差は予測することができる。しかしながら、他の要因もまた予測される誤差に寄与する可能性がある。いずれの場合においても、ブロック455では、周波数補正回路310は、第1の出力信号350において検出された周波数誤差と第2の出力信号370において検出または予測された誤差とに基づいて、調整パラメータを算出する。予測される誤差は、例えば、GPS受信機で受信される測位信号において予期されるドップラーシフトを含んでも良い。調整パラメータは、第1の出力信号350において検出される誤差を考慮に入れて算出される。この算出は直接に行われるか、または、周波数分周器220′と基準クロック150との内の少なくともいずれかに対してなされる調整を介して第1の出力信号350に対して行った補正という形で行うかである。例えば、周波数補正回路310は、いくつかの実施例においては、分周器220′における周波数分周比だけを調整することにより、第1の出力信号350を補正するかもしれない。この場合は、周波数補正回路310は、検出した誤差に直接基づいて、第2の出力信号370の補正に使用するための調整パラメータを算出するかもしれない。別の実施例においては、基準クロック150を調整することにより、第1の出力信号350において検出された周波数誤差の少なくとも一部を補正することができる。この場合は、誤差の配分と検出した誤差とを使用して、第2の出力信号370に対する所望の調整を算出することができる。
当業者であれば、これまでの検討から、ここで説明した方法と回路の、図1に示した多機能通信機器等の通信機器に対する適用性を理解するであろう。通信機器100は、セルラトランシーバ回路110として図1に示す通信トランシーバ回路と、GPS受信機120として図1に示す第2の受信機回路を備える。周波数シンセサイザ回路140は、図3に示す周波数シンセサイザ回路300と対応しており、それぞれ、第1と第2の出力信号350、370を生成するよう構成された第1と第2の位相同期ループ回路200′、200″を備えることができる。第1と第2の出力信号350、370は基準クロック150からの共通の基準クロック信号に位相同期している。第1の出力信号は通信トランシーバ回路110によって使用され、第2の出力信号は第2の受信機回路120によって使用される。
周波数シンセサイザ回路140は周波数補正回路310をさらに備えることができる。周波数補正回路310は、通信トランシーバ回路110によって検出された第1の出力信号における周波数誤差に応じて、第1の位相同期ループ回路200′における第1の周波数分周比を調整し、制御信号を生成して基準クロック信号の周波数を調整することにより、第1の出力信号を補正するよう構成される。いくつかの実施例においては、周波数補正回路310はさらに、検出した周波数誤差と基準クロック周波数への調整に基づいて調整パラメータを算出し、その調整パラメータを使用して第2の位相同期ループ回路200″における第2の周波数分周比を調整することにより、第2の出力信号を補正するよう構成することができる。いくつかの実施例においては、周波数補正回路310は、位相同期ループ回路200′と200″のいずれかまたは全て、または基準クロック150に対する調整をスケジュールし、衛星測位受信機回路によりなされる1つ以上の衛星信号測定の間に生ずる周波数不連続を回避するよう構成することができる。
当業者であれば、前述の説明と添付図面は、1つの共通の基準信号に位相同期した複数の信号をシンセサイズするためにここで教示する方法と装置の非限定的な例を示していることを認識するであろう。従って、本発明は以下に続く請求の範囲とそれらの法的均等物によってのみ限定される。

Claims (12)

  1. 基準クロック信号に対して位相同期した第1の出力信号を生成するよう構成された第1の位相同期ループ回路(200′)と、
    前記基準クロック信号に対して位相同期した第2の出力信号を生成するよう構成された第2の位相同期ループ回路(200″)と、
    前記第1の出力信号において検出された周波数誤差に応じて、前記第1の位相同期ループ回路における第1の周波数分周比を調整し、前記基準クロック信号の周波数を調整するための制御信号(360)を生成することにより、前記第1の出力信号を補正するよう構成された周波数補正回路(310)とを有し、
    前記周波数補正回路(310)は、前記検出された周波数誤差に関し、1つ以上の相対的に長期的な要因について補正を行うために前記制御信号を生成し、前記検出された周波数誤差に関し、1つ以上の相対的に短期的な要因についての補正を行なうために前記第1の周波数分周比の調整を決定するように構成されており、
    前記周波数補正回路(310)はさらに、前記基準クロック信号の周波数と前記第1の周波数分周比に対して継続的な調整を適用し、前記検出された周波数誤差の全体的な補正の大部分を前記基準クロック信号の周波数の調整へと時間とともにシフトするよう構成されていることを特徴とする周波数シンセサイザ回路(300)。
  2. 前記周波数補正回路(310)は、遠い場所にある送信機に相対した前記周波数シンセサイザ回路(300)の動きの結果として得られるドップラーシフトに基づいた前記第1の周波数分周比の調整を決定するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ回路(300)。
  3. 前記周波数補正回路(310)は、前記基準クロック信号における基準周波数誤差に基づいて前記制御信号(360)を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ回路(300)。
  4. 前記周波数補正回路(310)は、平均した間隔にわたる前記検出された周波数誤差の平均に基づいて前記制御信号(360)を生成し、前記周波数誤差平均と前記検出された周波数誤差との差に基づいて前記第1の周波数分周比の調整を決定するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ回路(300)。
  5. 前記周波数補正回路(310)はさらに、前記検出された周波数誤差に基づく調整パラメータ算出し、前記調整パラメータを用いて、前記第2の位相同期ループ回路(200″)における第2の周波数分周比を調整することにより前記第2の出力信号を補正するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ回路(300)。
  6. 前記周波数補正回路(310)は、前記基準クロック信号の周波数の調整と前記第1の周波数分周比の調整とをスケジュールし、1つ以上のアプリケーション依存の時間間隔の期間における前記第1或は第2の出力信号、或は、その両方における周波数不連続を回避するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ回路(300)。
  7. 基準クロック信号から2つ以上の出力信号を合成する方法であって、
    第1の位相同期ループ回路を用いて基準クロック信号に対して位相同期した第1の出力信号を生成する(410)工程と、
    第2の位相同期ループ回路を用いて前記基準クロック信号に対して位相同期した第2の出力信号を生成する(420)工程と、
    前記第1の出力信号において検出された周波数誤差に応じて、前記第1の位相同期ループ回路において第1の周波数分周比を調整し(450)、制御信号を生成して(440)前記基準クロック信号の周波数を調整することにより、前記第1の出力信号を補正する工程とを有し、
    前記第1の周波数分周比は、前記検出された周波数誤差に関し、1つ以上の相対的に短期的な要因について補正を行うために調整され、前記制御信号は、前記検出された周波数誤差に関し、1つ以上の相対的に長期的な要因についての補正を行なうために生成され
    前記基準クロック信号の周波数と前記第1の周波数分周比とを継続的に調整し、前記検出された周波数誤差の全体的な補正の大部分を前記基準クロック信号の周波数の調整へと時間とともにシフトすることを特徴とする方法。
  8. 前記第1の位相同期ループ回路において第1の周波数分周比を調整する(450)ことには、遠い所にある送信機に相対した動きの結果得られるドップラーシフトに基づいて前記第1の周波数分周比を調整することを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 前記制御信号を生成する(440)ことには、前記基準クロック信号における周波数誤差に基づいて前記制御信号を生成することを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 前記制御信号を生成する(440)ことには、平均した間隔にわたって得られた前記検出された周波数誤差の平均に基づいて前記制御信号を生成することを含み、
    前記第1の位相同期ループ回路において第1の周波数分周比を調整することには、前記周波数誤差平均と前記検出された周波数誤差との差に基づいて前記第1の周波数分周比の調整を決定することを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 前記第1の出力信号において前記検出された周波数誤差に基づく調整パラメータ算出する(445)工程と、
    前記調整パラメータを用いて、前記第2の位相同期ループ回路における第2の周波数分周比を調整することにより前記第2の出力信号を補正する(460)工程とをさらに有することを特徴とする請求項に記載の方法。
  12. 前記基準クロック信号の周波数の調整と前記第1の周波数分周比の調整とをスケジュールし、1つ以上のアプリケーション依存の時間間隔の期間における前記第1或は第2の出力信号、或は、その両方における周波数不連続を回避する工程をさらに有することを特徴とする請求項に記載の方法。
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