JP5289956B2 - マルエージング鋼物品および製造方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、粉末冶金加工方法を用いる、特定の組成を有するマルエージング鋼物品の製造に関する。AS−HIP状態またはHIPされた(HIPed)状態および熱間加工された状態で本発明を実施することによって製造されるような鋼は、高温、または周期的な加熱および冷却を伴う用途に適切である。本発明の鋼物品は、製造後および溶液熱処理後、40HRC未満の硬度を有し、物品が機械加工されることを可能にする。しかし、物品の製造およびその後のマルエージング処理後、その硬度は45HRCを超える。
本発明の鋼物品の用途としては、プラスチックまたは液体金属もしくは熱い固体金属の加工が挙げられ、これらとしては、液体金属のキャスト用モールドダイ、プラスチック用モールドダイ、他の金属を鍛造するためのダイ、および押出用ダイが挙げられるが、これらに限定されない。これらの用途のための工具の周期的な加熱および冷却が、これらの用途を特徴づける。この周期的な加熱および冷却は、工具において十分な応力を生じさせて、熱亀裂(heat checking)としても知られている熱疲労亀裂(thermal fatigue cracking)を引き起こす。異なる用途が、異なる量の熱亀裂を許容することができる。高品質の外観を必要とするいくつかの製品の場合、ダイは、非常に限られた熱亀裂が起こった後、取り替えられなければならない。この高品質の外観を必要としないであろう他の製品の場合、ダイは、ひどい熱亀裂があっても、使用され得る。すべての場合において、大多数のダイは、最終的に、熱疲労亀裂によって、破損し、取り替えられる。
既存の熱間加工工具鋼は、より厳しくない見た目の要件またはより短い寿命サイクルを有する製品には十分であることができる。しかし、高い見た目の要件を有する製品の場合、製造実施の要求を満たすために、より長い有効実用寿命を有する工具が必要である。
先行技術
工具が、熱い金属の加工を伴ういくつかの用途に使用される。この金属は、ダイキャストにおけるような液体形態、または熱間押出および熱間鍛造におけるような固体形態であることができる。すべてのこれらの工具材料の有効寿命は、典型的には、熱疲労亀裂によって制限される。すなわち、プロセスが進行するにつれて、より多くの熱疲労亀裂が工具の表面上で始まり、存在する熱疲労亀裂が成長する。ダイは、熱疲労亀裂の程度が、製造されたパーツを、受け入れられない品質のものとするとき、取り替えられる。高温用途に使用される鋼の要件としては、下記が挙げられる。
材料は、先行技術のほとんどの工具が形状を維持するための典型的な最小加工硬度である45HRCを超えるように熱処理される能力を有さなければならない。
材料はまた、良好な高温強度を示さなければならない。疲労亀裂は、材料の強度に関連する。したがって、より高い強度が、耐熱疲労亀裂性を向上させることができる1つの要因である。
ダイが高温に曝されることによって、ダイ材料の軟化が起こることがある。この材料の軟化はまた、材料の強度を減少させ、その熱疲労亀裂をより生じやすくする。したがって、工具材料は、耐焼戻し性としても知られている良好な耐軟化性を示さなければならない。
上記作業に使用される工具の多くが、熱疲労亀裂の存在によって、使用から外される。熱疲労亀裂は、従来の疲労亀裂と類似性を有する。しかし、熱疲労亀裂の場合、応力は、周期的な加熱および冷却によって工具に導入される。したがって、そのような工具のための材料が、良好な耐熱疲労亀裂性を示すことが重要である。
加熱および冷却サイクルの間の工具の熱膨張は、応力を工具に導入する。したがって、材料は、使用中の現在の材料よりもできるだけ低い、または最小の低い熱膨張係数を有さなければならない。
多くの工具が、耐浸食性のためにコーティングされる。したがって、ダイ材料は、PVD(物理蒸着)または他の関連するコーティングによってコーティングされ得るものでなければならない。
いくつかの用途が、AS−HIP(as hot isostatically pressed:熱間等方加圧されたままの)状態の本発明を使用することができるが、ほとんどの用途が、顧客に適した、材料のより小さいセクションへの熱間加工を必要とする。したがって、材料は、良好な熱間加工性を有しなければならない。
いくつかの材料が、熱間加工用途のために現在使用される。Hシリーズ工具鋼は、これらの用途のために開発され、最も一般的なものが、5Cr熱間加工工具鋼である。これは、米国でH13およびH11として知られている鋼を含む。H13鋼クラスは、公称で、重量パーセントで、0.38炭素、5.25クロム、1.25モリブデン、1.0ケイ素、および1.0バナジウムである。H11鋼クラスは、H13クラスと本質的に同じであるが、重量パーセントで0.5のバナジウムを有する。より厳しい用途の場合、H11鋼またはH13鋼は、典型的には、エレクトロスラグ再溶融(ESR)方法または真空アーク再溶融(VAR)方法を用いて加工される。
これらの5Cr工具鋼のいくつかの変形も使用されている。最も注目すべきものの中に、増加した靭性のための、より低いケイ素含有量を有するH11がある。もう一つは、向上された耐焼戻し性のために加えられたモリブデンおよびより低いケイ素を有するH11である。表1は、いくつかの標準および非標準市販工具鋼の公称化学組成(chemistries)を示す。
Figure 0005289956
熱間加工用途のために過去において使用された他の材料の中に、マルエージング鋼がある。それらのほとんどが、約18%のニッケルおよびいくらかのチタンを含有し、Ni−Mo粒子およびNi−Ti粒子の析出によってそれらの硬度を得る。これらの鋼の多くが、比較的低い温度、典型的には1000°F未満、を用いてエージングされ、これは、より高い温度に曝されるとき材料の有用性を制限することがある。表2は、いくつかの市販のマルエージング鋼の公称化学組成を示す。
Figure 0005289956
良好な耐熱疲労性および強度を有する、いくつかの従来のマルエージング鋼が、過去において開発されたが、従来の方法によって製造された場合、インゴット段階から仕上げられた形態への加工の間、劣った熱間加工性を示した。この劣った熱間加工性は、欠陥のある最終製品、または、製品を商業的に実現可能にするには、インゴット段階から仕上げられた段階への不十分な歩留り(50%未満)をもたらす。
発明の概要
本発明は、上記要件を満たす高温用途のための工具として使用される新たな粉末冶金製造マルエージング鋼合金物品を提供する。この物品は、十分に高密度であり、プレアロイ(prealloyed)粉末粒子からなる。
Figure 0005289956
材料の硬化は、溶体焼鈍(solution annealing)およびエージング、すなわち、所定の温度における所定の長さの時間の間の加熱によって達成される。これは、小さい析出物粒子が形成することを可能にし、これらは、材料の低炭素マルテンサイト構造を硬化させる。
下記において、個別の合金化元素の重要性、およびそれらの相互作用を説明する。本明細書および特許請求の範囲における化学組成に関連するすべてのパーセンテージが、重量パーセントである。
合金を硬化させる主因である析出物がFeMoであるから、モリブデンは、このマルエージング鋼の強化における主要元素である。それはまた、合金の耐焼戻し性を増加させる際の主要元素である。過度の量のモリブデンが、有害なデルタフェライトの形成を可能にすることがある。
コバルトは、望ましくない相を防止するために、かつ、エージングプロセスに影響を及ぼすために、適切なバランスで必要である。コバルトは、高温におけるデルタフェライトの形成を防止する一方で、オーステナイト形成体(former)であり、オーステナイトからマルテンサイトへの変態温度に最小の影響を及ぼす。コバルトはまた、モリブデンのマルテンサイトマトリックスへの溶解度を低下させ、したがって、モリブデンを、析出に更に利用可能にする。
クロムは、耐高温酸化性のため、いくらかの量で望ましい。過度の量のクロムが、デルタフェライトの形成をもたらすことがある。
ニッケルも、耐酸化性にいくらかの利益をもたらし、機械的特性に有益である。過剰のニッケルが、典型的な使用温度におけるオーステナイトの形成を引き起こすことがある。
炭素は、この材料の強化機構において重要な元素ではない。
ケイ素は、合金の特性において重要な元素ではない。ケイ素は、溶融の間脱酸のために使用することができる。それは、強いフェライト安定剤である。
マンガンは、この合金の特性に重要ではない。それは、硫化マンガンを形成するために使用することができ、したがって、その含有量は、向上された機械加工性のための増加する量の硫黄とともに増加させなければならない。
硫黄は、機械加工性を促進するために存在することができる。
バナジウム、ニオブ、チタン、タングステン、ジルコニウム、アルミニウム、および他の強い炭化物形成体および/または窒化物形成体は、望ましくない元素であり、したがって、付随不純物レベルを超える量で存在すべきではない。
本発明の合金物品は、溶体焼鈍された状態で提供され、これは、材料を1740°Fと1925°Fとの間で加熱することによって行われる。マルエージングによる硬化は、材料を1050°Fと1360°Fとの間で加熱することによって達成される。
[実施例]
行われた実験および特定の実施例
実験を行って、本発明の合金物品の成功した性能に重要だと考えられる様々な特性を測定した。これは、熱間加工性の尺度としての急速歪み引張テスト(rapid strain tensile testing)、熱疲労亀裂、耐焼戻し性、室温および1000°Fにおける引張テスト、熱膨張係数の測定、ならびにコーティング試験を含んだ。
下記は、本発明の鋼組成およびテスト標本のH13組成である。
Figure 0005289956
急速歪み引張テスト
粉末冶金によって製造された本発明の合金物品、および同じ組成のエレクトロスラグ再溶融材料を使用して、急速歪み引張テストを行った。急速歪みテストにおいて、標本を直接抵抗加熱によって加熱した。所望のテスト温度を達成し均等化した後、荷重を加えて、550in/in/分の歪み速度を達成した。このテストは、材料の熱間加工の間存在する状態をシミュレートするのに有用である。
テスト温度は、1800°F、1900°F、2000°F、2100°F、2150°F、2200°F、および2250°Fであった。図1は、発明の合金および同じ組成のESR材料から製造された標本についての急速歪み速度引張テストの面積の低減を示す。これは、粉末冶金材料のかなりの延性の利点を明確に示す。ESR材料の延性は、熱間加工を可能にするには不十分であった。
急速歪みテストは、また、フルサイズ試験での経験と一致する。本発明の粉末冶金合金組成の2つのフルサイズコンパクト(full size compact)を、熱間等方加圧によって製造し強化した。次に、各コンパクトを、熱間圧延によって、中間サイズに加工し、次に、最終サイズに加工した。いずれのコンパクトも、いかなる熱間加工の困難性も示さず、プロセス歩留りは、他の工具鋼の標準加工歩留りの範囲内であった。対照的に、ESRまたは他の従来の方法によって製造されたフルサイズインゴットでの試験は、商業製鋼施設における加工の間、劣った熱間加工性を示し、完全に廃棄された2つのヒート(heat)を含む、標準よりずっと低いプロセス歩留りをもたらした。
耐熱疲労性
熱間加工工具鋼の別の重要な特徴は、耐熱疲労性である。熱疲労亀裂を測定するために利用可能ないくつかのテストがあるが、これらのテストのいずれも標準方法(たとえばASTM)ではない。あるテストは、加熱用誘導コイルを使用して、標本を高温に加熱し、次に、標本を冷却させることによって行われる。これは、いくつかのサイクルにわたって行われ、標本は、テストの間周期的に評価される。別の方法は、冷却水用内部冷却キャビティで標本をテストすることを伴う。この標本は、液体アルミニウム浴中に繰り返して浸漬される。再び、亀裂は、テストの間周期的に評価される。
本発明の合金のテストを、熱間等方加圧および熱間加工によって製造された1/2インチ平方×長さ6インチの固体標本を使用して行った。テスト標本は、同じ手順の間、5つまでの他の標本と同時にテストすることができる。この実験の他の標本は、ESR H13材料であり、これは、アルミニウムダイキャストダイに最も頻繁に使用される合金である。標本を、機械アームの端部に取り付けられた保持プレートにボルト締めし、テストサイクルのさまざまな段階を通して機械アームが標本を移動させた。アームは、標本を溶融アルミニウム中に約5インチの深さに7秒間浸漬した。次に、標本を溶融アルミニウムから持ち上げ、水のタンクの上の位置に移動させ、次に、水中に12秒間浸漬した。次に、標本が水から持ち上げられ、アームが溶融アルミニウムの上の位置に5秒間移動して、標本を乾燥させた。次に、このサイクルを繰り返した。
試験の間、標本を、熱疲労亀裂について、典型的には5,000サイクルごとに周期的に評価した。花崗岩表面プレート上で炭化ケイ素紙を使用して、標本の2つの互いに反対側の面をきれいにした。次に、各標本の4つのきれいにされたコーナを、立体顕微鏡下で90×の倍率で検査した。端効果(end effect)を回避するために、標本の底端から約1−3/8インチに位置決めされた、長さ1−3/8インチの領域で検査を行った。
4つのコーナの各々を、1−3/8インチの長さに沿って横切り、亀裂の数およびそれらの長さを記録した。このデータを正規化することができる多数の方法があるが、テストでの経験は、標本のランキングの偏差をほとんど示さなかった。したがって、亀裂の単なる総数をコーナの数(4)で割って、1コーナあたりの亀裂の数を得た。図2は、粉末冶金製造発明標本対ESR H13鋼標本の試験結果のグラフ図である。先に説明したように、熱疲労亀裂は、工具破損の最も頻繁な原因である。この理由のため、熱疲労テストが、発明の合金の向上された性能の最も重要な表示を提供すると考えられる。
耐焼戻し性
本発明の合金物品の耐焼戻し性を測定するための試験も行った。本発明のPM合金標本およびH13鋼標本の両方を、材料ごとに典型的な熱処理サイクルを用いて、同様の硬度レベルに熱処理した。初期硬度を測定し記録した。次に、標本を1200°Fの温度の炉内に配置した。1組の標本を、その温度における50時間の後に取り出し、硬度レベルをテストし記録した。別の組の標本を、その温度における100時間の後に取り出し、硬度レベルをテストし記録した。図3は、1200°Fにおける保持時間の関数としての硬度レベルのグラフ図である。本発明の合金がH13鋼より優れた耐焼戻し性を有することが理解できる。
引張特性
表4は、本発明のPM合金物品の引張テストの結果対ESR H13鋼の結果を示す。テストされた標本を、1.00インチのゲージ長さ(4D)で、0.250インチの直径に機械加工した。結果は、発明の合金が、室温および1000°Fの両方において、より高い歩留りおよび引張強度を有することを示す。このより高い強度は、本発明の合金物品の熱疲労亀裂をより生じ難くする。
Figure 0005289956
熱膨張係数
熱膨張は、熱疲労亀裂に対する工具の耐性、および工具の最終製品品質の両方において重要な要因である。両方の場合において、より小さい熱膨張係数が望ましい。より低い熱膨張係数の重要性は、より小さい寸法変化で、工具がより大きい寸法変化を有する材料より低い熱応力を受けることである。したがって、存在する、より低い応力は、工具をより耐熱疲労亀裂性にする。熱膨張係数は、熱膨張計分析(TDA)方法によって測定した。本発明のPM合金物品の熱膨張係数は、72°Fから1110°Fの温度範囲にわたって、6.6×10−6in./in./°Fと測定された。ESR H13ダイ鋼は、72°Fから1110°Fの温度範囲にわたって、7.3×10−6in./in./°Fの係数を有した。
フィールド(Field)コーティング試験
フィールド試験は、PM発明合金物品が、物理蒸着(PVD)プロセス、またはPVDプロセスより高い温度を用いる化学蒸着(CVD)で、容易にコーティングされることを示した。本発明の合金物品を、TiN、TiAlN、およびCrN PVDコーティングでコーティングした。コーティングを、高い堆積速度で、750〜850°Fの温度範囲で、本発明の物品およびESR H13鋼の両方について、堆積させた。多くの他のマルエージング鋼と異なり、この温度は、本発明の合金物品のエージング温度より十分に低い。
同様に、コーティングを、化学蒸着プロセスを用いて、本発明の合金物品および従来の工具鋼材料の両方の上に堆積させた。従来の工具鋼は、コーティングプロセスが典型的には、これらの合金の臨界温度より高い温度で行われるため、CVDに十分に適していない。本発明の物品によってもたらされる利点は、CVDプロセスが、必要な熱処理、すなわち、溶体焼鈍をもたらすことである。コーティング後、本発明物品は、1つのエージング処理のみを必要とする。マルエージングプロセスの性質は、工具の寸法変化が非常に小さく、コーティングの基材への良好な接着を可能にするようなものである。
延性に対する、粉末冶金によって製造された、本発明の組成範囲内の合金標本、およびESRによって製造されたものの比較を示すグラフである。 本発明による標本およびH13合金の標本の耐熱疲労性を比較するグラフである。 本発明による標本およびH13合金の標本の硬度を比較するグラフである。

Claims (12)

  1. 高温用途の工具としての使用のための、プレアロイ粉末の、十分に高密度の粉末冶金製造マルエージング鋼合金物品であって、重量パーセントで、
    最高でC0.08、最高でMn1.0、最高でSi1.0、Cr2.5〜6.0、Mo6.0〜10.0、Ni1.0〜4.0、Co9.0〜14.0、硫黄0.3まで、および残りの鉄並びに付随元素および不純物を含み
    マルエージング鋼合金物品が、45HRCを超える硬度を有する、物品。
  2. 重量パーセントで、最高でC0.05、Mn0.1から0.05、Si0.01から0.5、Cr4から5.75、Mo7から9、Ni1.5から3、Co10から13、S0.005から0.05、および残りの鉄並びに付随元素および不純物を含む、請求項1に記載の物品。
  3. 重量パーセントで、C0.01から0.04、Mn0.2から0.4、Si0.15から0.4、Cr4.7から5.3、Mo7.5から8.5、Ni1.7から2.3、Co10.75から12、S0.01から0.03、および残りの鉄並びに付随元素および不純物を含む、請求項1に記載の合金物品。
  4. 溶体焼鈍された状態にある、請求項1、2、または3に記載の物品。
  5. 前記物品がダイの形態である、請求項1、2、または3に記載の物品。
  6. 前記物品が液体金属用容器の形態である、請求項1、2、または3に記載の物品。
  7. 熱い金属の加工に使用するための物品を製造するための方法であって、
    マルエージング鋼のプレアロイ粉末を圧縮する工程と、
    その後、前記物品をマルエージング熱処理して、45HRCを超える硬度を達成する工程とを含み、
    前記プレアロイ粉末が、重量パーセントで、最高でC0.08、最高でMn1.0、最高でSi1.0、Cr2.5〜6.0、Mo6.0〜10.0、Ni1.0〜4.0、Co9.0〜14.0、硫黄0.3まで、および残りの鉄並びに付随元素および不純物を含む、方法。
  8. 前記プレアロイ粉末が、重量パーセントで、最大でC0.05、Mn0.1から0.05、Si0.01から0.5、Cr4から5.75、Mo7から9、Ni1.5から3、Co10から13、S0.005から0.05、および残りの鉄並びに付随元素および不純物を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記プレアロイ粉末が、重量パーセントで、C0.01から0.04、Mn0.2から0.4、Si0.15から0.4、Cr4.7から5.3、Mo7.5から8.5、Ni1.7から2.3、Co10.75から12、S0.01から0.03、および残りの鉄並びに付随元素および不純物を含む、請求項7に記載の方法。
  10. マルエージング熱処理が、540から700℃の範囲内の温度で行われる、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記マルエージング合金は、付随的不純物のレベルを超えるタングステンを含まない、請求項1に記載の物品。
  12. 前記マルエージング合金は、付随的不純物のレベルを超えるタングステンを含まない、請求項7に記載の方法。
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