JP5289119B2 - ユニットバスの洗浄装置 - Google Patents

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本発明は、ユニットバスの天井、壁、及びバスタブの側壁面を自動的に洗浄または抗菌処理する洗浄装置に関する。
ユニットバスは、マンション等の集合住宅に限らず戸建住宅においても広く採用されているが、ユニットバスの天井や壁パネルを含め全体を自動的に洗浄することまではおこなわれてなかった。
特許文献1(特開2004−321219号公報)には、ユニットバスの内部の洗浄装置として、ノズルの噴射角度を調整可能に構成したものが開示されているが、洗浄装置を手で保持し、ノズルから水または酸性電解水等を噴出するものであって人手によって洗浄しなければならなかった。
特開2004−321219号公報
一般に、バスタブは使用のたびに洗浄されるが、ユニットバスの内部の天井、壁、床、バスタブの外側壁面の清掃頻度は高くなく、清掃が不十分であり、パネルの目地やバスタブと床面の角にカビがでたり、ぬめりが生じていた。壁パネルや床面は容易に清掃することが可能であるが、天井には手が届かず、ユニットバス内は足場が不安定であることもあり、日常的には洗浄はされていなかった。
近時のユニットバスの部材に抗菌処理が施されており、使用開始当初はカビの発生が抑止されているが、時間の経過とともに抗菌作用が低下し、カビが発生しやすくなってくることが認められる。
特許文献1に開示された洗浄装置は、人間が洗浄装置を持って必要箇所に洗浄水を吹きかけなくてはならなかった。
本発明は、ユニットバスの天井、壁パネル、床面及びバスタブの外側壁を簡単にかつ、自動的に洗浄することができるとともに、除菌・抗菌作用のある洗浄水をバスユニット内部全体に散布できるようにするものである。
ユニットバスの天井から給水源に連結してあるホースが垂れ下げてあり、このホースの先端に複数の翼片を有する旋回体が設けてあり、旋回体にはホースから供給される水の噴出孔が設けてあるユニットバス洗浄装置である。
洗浄剤等を含む水が噴出孔から噴出されると、噴出の反動によってホースが不規則な運動を開始する。ホースの先端に旋回体が固定してあり、旋回体も同様に不規則に運動する。旋回体の翼片の間には空間があるため空気流が生じて翼片に作用するため、旋回体が不規則にホースを中心に揺動・旋回運動をすると共に、ホースをU字状に折り曲げるので噴出孔が天井の方向を向き、噴出水は天井に向かって噴出されて天井に衝突する。ホースは揺動・旋回とU字状の折り曲げが組み合わされた不規則運動を水が噴出孔から噴出されている間継続するため、噴出水はユニットバスの内部全体に対して噴出され、ユニットバスの内部が自動的に洗浄されることになる。
ホースに供給される洗浄水は電磁ポンプなどで2MPa以上の圧力としたものである。また、ホースは、先端からの洗浄水の吐出圧によってユニットバスの天井や壁に吐出口が向くように不規則運動を可能とするため、ある程度の柔軟性が必要であり、HS硬度50〜60のシリコーンホースが好ましい。シリコーンゴムは、幅広い温度範囲で使用でき、また、各種薬品に対して耐性があるので好ましい。
旋回体は、供給水を2MPa以上の圧力とすることによってホースが不規則運動するのを助長するためのもので、複数の翼片を有することが必要であり、単純な形状の円盤や四角形などの翼片を有しないものは、不規則運動を助長せず、旋回するだけになってしまうので好ましくない。翼片の数は、ホースの不規則運動を助長するためには少なくとも4枚が必要であり、翼片の形状は円形、楕円、長方形、ダイヤなど特に限定されず、翼片と翼片の間に空間が存在し、旋回体の動きによって空気流を生じさせることが必要であり、翼片6枚の花びら状のものがデザイン的にも機能的にも好ましい。
旋回体の重量が大きいと、不規則運動が助長されず停止してしまうので、旋回体は軽量であって空気力を受ける面積を有することが必要であり、独立気泡の発泡樹脂で製造するのが好ましい。独立気泡の発泡樹脂は、噴射された水を吸収することがなく、重量が増すことがないので好ましい。
ホースの天井からの垂れ下げる長さが短いと不規則運動が起こらず、ユニットバス内部全体に洗浄液が散布されないので、天井からのホースの垂れ下がり長さを調節できることが、最適な不規則運動を得るためには必要である。ホースの不規則運動は、洗浄水の圧力、旋回体の重量、ホースの柔軟性(硬度)及びホースの長さによって変化するので、最適な組み合わせ条件を実験等によって求める。
本発明によれば、洗浄装置を保持してユニットバス内に清掃のために入ることなくユニットバスの内部全体を自動的に洗浄することができ、また、洗浄水に銀イオンを含有させたり、電解水、オゾン水を使用することによりカビの除去をするとともにユニットバス内部を殺菌し、カビの発生を防止することができる。
本発明の洗浄装置の正面図。 本発明の洗浄装置の旋回体の平面図。 本発明の洗浄装置の旋回体の他の実施例の平面図。 本発明のホース繰り出し装置を含む実施例の斜視図。 本発明のホース繰り出し装置を含む実施例の正面図。
本発明の基本的な洗浄装置を図に示した実施例に基づいて説明する。
図1に示すように、ユニットバスの天井6からホース2が垂れ下げてある。ホース2は天井6に設けた穴から天井裏に導かれ、洗浄水を供給する給水源4に接続されており、ホース2は、図2に示す旋回体1に接続されている。旋回体1は、独立気泡の合成樹脂発泡体製であり、複数の長円形の翼片10からなり花びら状である。旋回体1の中心部には、直径3mmの噴出孔3が形成してあり、ホース2の取付具32が設けてある治具30が取り付けてある。治具30は、合成樹脂製の円板の中央に直径3mm程度の噴出孔3が形成してあり、噴出孔3にはホース取付具32が一体的に連接してある。治具30の周縁部には治具を旋回体1に取り付けるための突片31が直径の対向位置に設けてあり、突片31の先端には抜け止めが設けてある。この治具30の突片31を旋回体1に設けたスリット(図示しない)に差し込んで固定する。
ホース2は、シリコーン製ホースで内径7mmであり、ホース厚1.5mmである。ホース2は適度な柔軟性を有しているものが好ましく、HS硬度が50〜60のものであり、旋回体1に固定された治具30のホース取付具32に差込まれて旋回体1と連結されている。
ホース2は、天井裏に配備したホース巻取り装置(図示しない)に巻きつけられており、巻取り装置でホース2を巻き取ったり繰り出したりして天井からのホース2の吊り下げ長さを調整できるようにしてある。
ホース2を天井裏に配管した水道管に接続し、給水源4とし、この水道水に洗浄剤または抗菌剤が添加されるようにしてあり、供給される洗浄水を2Mpa以上の水圧するための圧送ポンプPが接続してある。ホース2を天井から80cm〜1mの長さに繰り出して吊り下げ、洗浄水を噴出孔3から噴出させると、噴出孔3から水が噴出されるときの反動でホース2が不規則運動を開始する。ホース2の先端に取り付けてある旋回体1がホースと同様に不規則運動をし、複数の翼片10の間には空間があるため空間を通る空気流が生じ、各翼片に不均一な空気力が作用し、旋回体1が不規則にホース2を中心に旋回運動をすると共に、ホース2をU字状に折り曲げるので、噴出孔3が天井6の方向を向き、噴出水は天井6に向かい、天井を洗浄することになる。ホース2は旋回運動とU字状の折り曲げ運動が組み合わされた運動を洗浄水が噴出孔3から噴出されている間継続するため、洗浄水はユニットバスの内部全体に対して散水され、ユニットバスの内部が洗浄されることになる。
給水源4からの給水管の途中に、抗菌剤供給手段5を接続し、必要に応じて抗菌剤が洗浄水に添加されるようにすれば、ユニットバス内部全体に抗菌剤が散布されることになる。
抗菌剤を供給する手段としては、特許第3714945号に開示されている金属イオン(銀、銅、または亜鉛)溶出ユニットを使用することもできる。洗浄水としては酸性イオン水、またはオゾン水を使用することによって殺菌がおこなわれ、バスユニット内を清潔に維持することができると共に、湯船にも抗菌剤が散布されるので、残り湯を消毒することができる。
また、給水源における水は、水道水のみでなくポンプを使用してバスタブの残り湯も利用することが可能である。
また、ホースを2本以上天井から垂れ下がるようにして洗浄水がユニットバス内部に均一に満遍なく散布されるようにすることもできる。
図3に示す例は、旋回体1の他の実施例であり、旋回体1に設けた噴出孔3の前面に噴出水流の噴出方向を偏寄させるための突起32を設けたものであり、噴出孔から水流が真っ直ぐに飛散せずに、偏った方向に噴出させることによって旋回体1の旋回運動及びU字折り曲げ運動が確実に起きるようにしたものである。
図4に示す例は、ホース2を天井裏に配備したホース繰り出し装置7によってホース2を自動的に天井6から降下できるようにしたものである。天井6の裏側に長さ70cm程度の台板70が設置してあり、台板70の一端部にはホース2をガイドするローラ71が固定してあり、台板70の他端には、巻取ローラ72が固定してある。台板70のローラ71側の端部が、天井6に設けたホース2を通す穴の近くになるように固定してある。
巻取ローラ72はテグス等の線条体73が巻きつけてあり、線条体73の自由端部は、ホース2に固定したストッパ21に固定してある。巻取ローラ72は、スプリングによって巻取方向に付勢してあり、ホース2を下側に引っ張って引き出すと巻取ローラから線条体73が繰り出され、ホース2は天井から降下する。ホース2の引き出しを停止すると、巻取ローラ72はその位置で停止し、ホース2が天井から引き出された状態となる。引き出し量を調整することによってホース2の天井6からの垂れ下がる長さを変更することができる。
停止した状態のホース2を軽く引くと、巻取ローラ73は巻き取りを開始するので、巻取ローラ72に線条体73が巻き取られ、ストッパ21を引くのでホース2は天井6の裏側に引き込まれる。この機構は、ロールスクリーンに一般的に採用されているものである。
1 旋回体
10 翼片
2 ホース
3 噴出孔
4 給水源
5 抗菌剤
6 天井
7 ホース繰り出し装置

Claims (6)

  1. ユニットバスの天井から給水源に連結してある柔軟性を有するホースが垂れ下げてあり、このホースの先端にホースの水流の噴出によって柔軟性を有するホースの不規則運動を助長するための複数の翼片が相互に空間をあけて形成してある旋回体がホース端部に直角に取り付けてあると共に、旋回体にはホースに連通する水の噴出孔が設けてあるユニットバス洗浄装置。
  2. 請求項1において、ホースの硬度がHS硬度で50〜60であるシリコーンゴムホースであるユニットバス洗浄装置。
  3. 請求項1または2において、ホースがユニットバスの天井裏側に設けたホース巻取り装置によってホースの長さを調整するユニットバス洗浄装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、旋回体が円盤に切り込みを設けて空間を形成した花びら状であるユニットバス洗浄装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、給水源からの水の圧力を上昇させるポンプが設けてあるユニットバス洗浄装置。
  6. 請求項1〜5のいずいれかにおいて、給水源が風呂の残り湯であり、給水管には抗菌剤供給手段が設けてあるユニットバス洗浄装置。
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