JP5288690B2 - 研磨パッドの製造方法および研磨パッドの溝加工方法 - Google Patents

研磨パッドの製造方法および研磨パッドの溝加工方法 Download PDF

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本発明は、表面に研磨剤を保持する溝を形成する溝加工工程を有する樹脂製の研磨パッドの製造方法並びに研磨パッドの溝加工方法に関するものである。
半導体装置用のシリコンウエハ、メモリーディスク、磁気ディスク、光学レンズや反射ミラー等の光学材料、ガラス板、金属等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工処理を行う研磨パッドとしては、光硬化性樹脂を使用したもの(特許文献1)、水溶性高分子微粒子ないし高分子微小中空球体を分散させたポリウレタン樹脂からなるもの(特許文献2)、原料の機械撹拌により微小独立気泡を形成したポリウレタン樹脂からなるもの(特許文献3)等が公知である。
係る研磨パッドの研磨面には、研磨剤を保持する溝をレーザー加工法により形成することも公知である(特許文献2(第11欄)、特許文献4など)。レーザー加工法は、切削刃を使用した機械加工法と比較すると刃の磨耗による溝形状の変動がないこと、短時間で溝加工が行えること、溝のパターンの変更が容易に行えることなどの利点を有する。
特許文献2には、溝加工の1手段として機械加工と共にレーザー加工が記載されており、特許文献4には、樹脂製パッドのレーザーによる溝加工に際して加工面に窒素ガスなどの流体を供給する技術や加工ダストを吸引除去する技術などが開示されている。
WO2002/043921号公報 特許第3013105号公報 特許第3516874号公報 特開2001−71256号公報
しかし、特許文献2又は4に開示された一般的なレーザー加工を行う技術によれば、レーザー光が焦点を有するために形成した溝の断面形状はV字状となる。このような従来のレーザー加工により樹脂製の研磨パッドに形成した溝の断面形状を拡大して図6に例示した。従来技術により研磨パッド16に形成される溝28は集光レンズにより焦点を形成したレーザー光による加工であるために断面形状がV字状である。係る断面形状の溝を有する研磨パッド16は、研磨工程中に研磨面が磨耗したときに溝幅が減少するため、研磨剤の保持量が減少し、また研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率も変化するために、研磨中に研磨特性が変化して安定した研磨が行えないという問題を有する。
さらに研磨パッドの研磨面の溝開口端部には図6に示したように研磨パッドを構成する樹脂が溶融ないし気化したものが付着物30を形成することが多い。係る付着物30が発生すると研磨パッドの外観が悪くなると共に該付着物が粘着性を有するためにごみが付着してスクラッチの原因となったり、製造中に重ねたパッドが粘着して作業性が低下するという問題も生じる。特許文献4においては、係る付着物発生防止のためにパッドの加工面に保護シートを積層する技術が開示されているが、研磨パッド製造における工程が多くなる上に保護シートを必要とするためにコストが高くなって好ましいものではなく、改善が求められる。
本発明は上記公知技術の問題に鑑みて、研磨工程中に研磨面が磨耗したときに研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率の変動が小さく、安定した研磨が行なえる樹脂製の研磨パッドの製造方法並びに研磨パッドの溝加工方法を提供することにある。本発明はさらに溝開口端部に付着物が発生しない樹脂製の研磨パッドの製造方法並びに研磨パッドの溝加工方法を提供することにもある。
本発明は、表面に研磨剤を保持する溝を形成する溝加工工程を有する樹脂製研磨パッドの製造方法であって、
前記溝加工工程は、レーザー光を、集光レンズおよび内面鏡を介して照射することにより溝加工を行うものであり、
前記溝は深さが0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下、断面形状がU字状ないしコ字状であり
前記集光レンズを通過した前記レーザー光の焦点を前記内面鏡の入射口位置に設定し、前記レーザー光が前記内面鏡の導光路内において多重反射によって干渉し、溝加工位置において中央部に前記レーザー光が集束した明部を、前記明部の外周に暗部を形成するように設定し、前記明部にて溝加工することを特徴とする。
上記構成の溝加工により、研磨工程中に研磨面が磨耗したときに研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率の変動が小さく、安定した研磨が行なえる樹脂製の研磨パッドを製造することができる。
明部とは多重干渉によってレーザー光のパワーが強化された部分であり、暗部とはレーザー光が多重干渉によってパワーが存在しなくなったか、研磨パッドの表面を加工する作用を有しない程度に弱くなった部分である。
上述の研磨パッドの製造方法においては、前記内面鏡には吸引孔を有する吸引カバーが配設されており、
前記溝加工工程は、補助ガスを加工面に気流として供給しつつ前記吸引孔が前記溝加工方向の後方に位置するように行う工程であることが好ましい。
係る構成の溝加工工程を有する製造方法により、より確実に溝開口端部に付着物を発生することなく、研磨工程中に研磨面が磨耗したときに研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率の変動が小さく、安定した研磨が行なえる樹脂製の研磨パッドを製造することができる。
上述の研磨パッドの製造方法においては、前記レーザー光は赤外線レーザー又は可視光線レーザーであることが好ましい。
本発明において使用するレーザー光は公知のレーザー光が限定なく使用可能であるが、赤外線レーザー又は可視光線レーザー、具体的には炭酸ガスレーザーやYAGレーザーは、エキシマレーザーと比較して比較的安価なレーザー発生設備を使用して有毒なガスを使用することなく発生させることができ、簡便な装置で溝加工された研磨パッドを製造することができる。
別の本発明は、樹脂製のパッドの表面に、レーザー光を照射することにより溝加工を行って研磨剤を保持する溝を形成する研磨パッドの溝加工方法であって、
前記レーザー光を、集光レンズおよび内面鏡を介して照射することにより溝加工を行うものであり、
前記溝は深さが0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下、断面形状がU字状ないしコ字状であり、
前記集光レンズを通過した前記レーザー光の焦点を前記内面鏡の入射口位置に設定し、前記レーザー光が前記内面鏡の導光路内において多重反射によって干渉し、溝加工位置において中央部に前記レーザー光が集束した明部を、前記明部の外周に暗部を形成するように設定し、前記明部にて溝加工することを特徴とする。
上記構成の溝加工方法により、研磨工程中に研磨面が磨耗したときに研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率が変化せず、安定した研磨が行なえる樹脂製の研磨パッドの溝加工をすることができる。
上述の研磨パッドの溝加工方法においては、前記内面鏡には吸引孔を有する吸引カバーを配設し、
補助ガスを加工面に気流として供給しつつ前記吸引孔が前記溝加工方向の後方に位置するように溝加工を行うことが好ましい。
係る構成の溝加工方法により、より確実に溝開口端部に付着物を発生することなく、樹脂製の研磨パッドに研磨工程中に研磨面が磨耗したときに研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率の変動が小さな溝を加工することができる。
また上述の研磨パッドの溝加工方法においては、前記レーザー光は赤外線レーザー又は可視光線レーザーであることが好ましい。
本発明において使用するレーザー光は公知のレーザー光が限定なく使用可能であるが、赤外線レーザー又は可視光線レーザーは、比較的安価なレーザー発生設備を使用して有毒なガスを使用することなく、簡便な装置で溝加工された樹脂製研磨パッドの溝加工をすることができる。
本発明の研磨パッドの製造方法において研磨パッドを構成する樹脂は、研磨パッドの分野において公知の樹脂を使用することができ、熱可塑性ポリウレタン樹脂、光硬化性樹脂、反応硬化型のポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が例示される。研磨パッドは、非発泡体であってもよく、発泡体であってもよい。ポリウレタン樹脂を使用した場合には、ウエハーなどの研磨においてスラリー状の研磨剤を使用する場合に耐磨耗性に優れているという特徴を有する。
樹脂発泡体にて構成された研磨パッドは、公知の方法にて製造することができ、例えば反応硬化性ポリウレタン原料に平均粒子径が10〜50μmの中空樹脂微粒子を添加、分散する混合工程と得られた反応性組成物を硬化させる硬化工程、必要に応じて裁断する裁断工程を有する製造方法により製造されたシート状のパッドや、反応硬化性ポリウレタン原料に界面活性剤(整泡剤)を添加して機械撹拌してメレンゲ状の反応性組成物とする撹拌工程、得られたメレンゲ状の反応性組成物を硬化させる硬化工程、必要に応じて裁断する裁断工程を有する製造方法により得られたシート状の研磨パッドが例示される。研磨パッドの厚さは一般的には1〜4mmである。
図1には本発明の樹脂製の研磨パッドの溝加工方法を模式的に示した。レーザー光LBは光源たるレーザー発振器(図示せず)から集光レンズ10により内面鏡12の入射口面に焦点Pを結ぶように照射される。内面鏡の内面14にて形成される導光路内部に入ったレーザー光LBは、導光路を形成する内面14で多重反射し、加工対象に面した照射口から研磨パッド16に照射される(矢印X方向)。研磨パッドに照射されるレーザー光は、照射口と同軸心の中心部にレーザー光が集束した明部を、該明部の外周部に暗部を形成し、該明部が溝加工に寄与する。少なくとも集光レンズ10と内面鏡12を備えたレーザー光照射装置と研磨パッド16を相対移動させることによって、研磨パッド16の表面に任意のパターンの溝が形成できる。レーザー光照射装置と研磨パッド16との相対移動速度は、使用するレーザーの強度と形成する溝の深さに応じて適宜設定するものであるが、例えば出力が100Wの炭酸ガスレーザーを使用して研磨パッドの溝加工を行う場合には、相対移動速度は50〜1000mm/sの範囲に設定される。
溝パターンは用途、目的に応じて適宜設定され、適宜選択されるものであるが、格子状パターン、同心円状パターンが多く採用される。本発明によれば、レーザー光照射装置と研磨パッド16との相対移動を制御することによって、任意のパターンを形成することができる。溝の深さは研磨パッドの厚さにより設定されるが、0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下であることが好ましい。溝の幅や間隔は、研磨パッドを使用して研磨する対象に応じて適宜設定されるものであるが、溝の幅は0.3〜5mm、好ましくは0.3〜3mmであり、溝の間隔は1.0〜50mm、好ましくは1.5〜15mmである。溝が深い場合には、レーザー光が深さ方向に加工を行うので、溝の断面がU字状ないしコ字状になりやすい。
内面鏡を使用して溝加工に必要な明部と暗部を形成するには、該内面鏡の導光路内面で多重反射された位相とパワー密度の異なるレーザー光の光線追跡と、この光線追跡で得られた結果を重ね合わせの原理(光学技術ハンドブック(朝倉書店:1971)第80頁参照)に基づいて重ね合わせて、該内面鏡の照射口で生じる干渉縞のパワーが集束した明部が照射口の中心部に位置し、明部の外周に干渉縞の暗部が位置して目的とする幅の溝加工ができるように、内面鏡の入射口径D1、照射口径D2、長さLを決定する。
内面鏡12のレーザー光の通過する通路の形状は、図1に例示したような断面円形の入射口が照射口よりも大きいテーパー状であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、内面鏡12の内面14により形成された導光路内での多重反射による干渉によって溝加工に必要な明部と暗部が形成できればよく、入射口が照射口よりも小さなテーパー状、四角錐台状、円柱状、角柱状などであってもよい。
図2(a)は、加工面に補助ガスを気流として供給しながら溝加工を行う実施形態を模式図にて示した。集光レンズ10を配設した鏡筒18の端面には内面鏡12が装着されている。鏡筒18の集光レンズ10の内面鏡12側に補助ガスを送り込む供気孔20が設けられている。また内面鏡12には吸引カバー22が装着されており、吸引孔24から適宜の配管により吸引装置(図示せず)に接続し、内面鏡12の照射口周囲の補助ガスを吸引可能に構成されている。
レーザー加工により、研磨パッド表面の樹脂は分解されて揮散するが、放置すると揮散成分中の反応性成分や比較的分子量の高い成分が内面鏡12の照射口の周囲や研磨パッド16に付着し、汚染を引き起こす。特に研磨パッドに形成した溝の周縁の付着物は、通常粘着性を有するものであるために、加工後の研磨パッドを積み重ねると研磨パッド同士がくっついて作業性が低下するという問題や、固形のごみが付着した場合には、研磨時に研磨対象であるウエハー等にスクラッチを引き起すという問題の原因となるが、上記構成によって加工面に気流を供給しつつレーザー加工を行うことによって、揮散する樹脂の分解生成物が付着前に排除されるために内面鏡12の照射口の周囲や研磨パッド16の溝開口部周縁への付着物の発生が防止される。
気流を構成する補助ガスは供気孔20から供給されて気流F1を構成して鏡筒内から内面鏡12の筒内を通じて照射口から加工対象である研磨パッド16の加工面に吹き付けるように供給され、レーザー加工によってパッド構成樹脂から生じて揮散する分解生成物を含む気流F2として吸引カバー22を通じて排気される。
内面鏡12より照射されるレーザー光により、研磨パッド16に溝26が形成される。溝の加工方向(成長方向)は矢印Yにて示してあり、レーザー光照射装置と研磨パッド16を相対移動させる。この際に、吸引カバー22に設けられた吸引孔24は、溝加工方向Yの後方位置、即ち溝が形成された側に位置させることが好ましい。係る構成によれば、レーザー光の照射により発生した研磨パッド構成樹脂の分解ガスを含む高温のガスが形成された溝を通じて溝加工方向後方に気流F2のように吸引される結果、より溝を形成する壁面の平行性が高いU字状ないしコ字状の溝が形成される。吸引孔24の位置がそれ以外であった場合には、図2(b)に例示したように、高温のガスが、形成された溝の壁面に沿って上方への気流F4を形成し、その際に壁面の樹脂を加熱して溶融、分解を進める。その結果、壁面が後退して溝を形成する壁面の上部が斜めの傾斜面27となって溝壁面の平行性が低下する現象が発生し易くなる。吸引孔を溝加工方向後方に位置させると、高温のガスは広い溝を通じて上昇するので、形成された溝の壁面を強く加熱することがなく、溝壁面の平行性が向上する。
上述の研磨パッドの製造方法においては、吸引カバーに設けられた吸引孔よりの吸引速度(単位時間当たりの吸引量)をVe、補助ガス供給量(単位時間当たりの供給量)をVsとしたとき、Ve>Vsであることがより好ましい。
係る構成の製造方法によれば、より確実に溝開口端部に付着物を発生することなく、研磨工程中に研磨面が磨耗したときに研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率の変動が小さく、安定した研磨が行なえる樹脂製の研磨パッドを製造することができる。即ち、Ve>Vsとすることにより、吸引される高温のガスに、形成された溝から空気が気流F3のように供給される結果、上方に吸引されるガスの温度が低下し、溝の壁面上部の後退がより効果的に抑制される。
補助ガスとして供給する気体は特に限定されない。具体的には空気、窒素、炭酸ガス、ヘリウム等が例示される。加工面に供給される補助ガスの温度は特に限定されず、形成する溝の形状や研磨パッドを構成する樹脂材料に応じて適宜設定する。
図3は研磨パッド16構成材料としてポリウレタン樹脂発泡体を使用した場合の溝の形成状態を例示した断面図である。ポリウレタン樹脂発泡体の場合、深さが0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下の溝を形成すると、U字状ないしコ字状の溝となりやすい。レーザー光LBによる厚さ方向の溝加工が行われると、樹脂の分解、ガス化による揮散と同時にポリウレタン樹脂が溶融し、気泡に穴が開く。そうすると溶融した樹脂が流動してその穴に入り込んで埋めるという現象が発生し、係る現象によって溝の壁面がレーザー光照射部位より後退して気泡1個分程度のごく薄い非発泡の樹脂層を形成する。壁面の迅速な後退によって形成された壁面が余分な加熱を受けないために、ポリウレタン樹脂発泡体の場合にはU字状ないしコ字状の溝が形成され易いものと推定される。
図4は、本発明の内面鏡を使用したレーザー光による樹脂製の研磨パッドの溝加工におけるレーザー光の密度分布と形成される溝の関係をモデル的に例示した図である。図4(a)に示した口径がD2の内面鏡12の照射口から多重干渉によって形成されたレーザー光は、図4(b)に示したように照射口の中心をパワー強度のピークAとしたレーザー光の明部となり、その周囲Bは干渉による暗部となる。そしてこの明部に対応して研磨パッド16に溝26が形成される。
図5は本発明の溝加工工程において形成された研磨パッドの溝の断面形状を拡大して例示した。研磨パッド16に形成された溝26は略U字状であり、研磨加工において研磨パッドが磨耗しても溝の幅が従来のように小さくなって研磨加工中に研磨特性が低下するとい問題を生じないものである。溝26の開口端部の形状は仮想線aにて示したように直角になっていることが好ましいが、実際には、bのように少し丸くなる。本発明にいう断面U字状ないしコ字状は、溝を形成する壁面が幾何学的に平行であることを必要とせず、研磨工程中にパッドの研磨面が磨耗したときに研磨対象と接触する樹脂面と研磨剤との比率の変動が小さい程度に溝壁面間隔が深さ方向に変動してもよく、該変動は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であればよい。溝の底部は平坦であってもよく、湾曲した形状であってもよい。
(研磨パッドの製造例)
反応容器内に、ポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部、及びシリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH−192)3重量部を混合し、温度を80℃に調整した。撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行ってメレンゲ状とした。該メレンゲ状のプレポリマーに予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行いポリウレタン樹脂発泡体ブロックを得た。このポリウレタン樹脂発泡体ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン樹脂発泡体シートを得た。次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えて最終的な厚さが1.27mmシート状の研磨パッドとした。
(溝加工実施例)
図2に例示した吸引孔を有する吸引カバーを備えたレーザー加工装置を使用して(研磨パッドの製造例)にて製造したポリウレタン発泡体製の研磨パッドに溝加工を行った。加工条件は次のとおりであった。
(a)レーザー光:
出力100Wの炭酸ガスレーザー(波長10.6μm)
使用レーザー発振器:GEM−100L(COHERENT社製)
直径8mmにて集光レンズに供給
(b)集光レンズ:
焦点距離=63.5mm(内面鏡の入射口集光レンズ中心との距離は63.5mm)
(c)内面鏡:
長さ=7.0mm
導光路の形状:断面円形のテーパー状、入射口の口=0.40mm,照射口の口径=0.23mm
(d)供給補助ガス:
常温の窒素ガスを圧力0.2MPaにて供給した。供給速度は、1000ml/minであった。
(e)吸引速度
吸引速度は10000ml/min以上となるように設定した。
以上の条件下で研磨パッドと内面鏡の照射口との距離を0.2mmに設定し、150mm/sで移動させて加工した。吸引カバーに設けた吸引孔は溝加工方向の後方に位置するように設定した。形成された溝は幅が0.25mm、深さが0.45mmであり、断面は図5に示したような略U字状であった。
本発明の樹脂製の研磨パッドの溝加工方法を模式的に示した図 加工面に補助ガスを気流として供給しながら樹脂製の研磨パッドの溝加工を行う実施形態を模式的に示した図 研磨パッド構成材料としてポリウレタン樹脂発泡体を使用した場合の溝の形成状態を例示した断面図 本発明の内面鏡を使用したレーザー光による樹脂製の研磨パッドの溝加工におけるレーザー光のパワー分布と形成される溝の関係をモデル的に例示した図 本発明の溝加工工程において形成された研磨パッドの溝の形状を拡大して例示した断面図 従来のレーザー加工により樹脂製の研磨パッドに形成した溝の形状を拡大して例示した断面図
符号の説明
10 集光レンズ
12 内面鏡
16 研磨パッド
LB レーザー光

Claims (4)

  1. 表面に研磨剤を保持する溝を形成する溝加工工程を有するポリウレタン樹脂発泡体の研磨パッドの製造方法であって、
    前記溝加工工程は、レーザー光を、集光レンズおよび内面鏡を介して照射し、前記内面鏡には吸引孔を有する吸引カバーが配設されており、補助ガスを加工面に気流として供給しつつ前記吸引孔が前記溝加工方向の後方に位置するように溝加工を行うものであり、
    前記レーザー光は、赤外線レーザー又は可視光線レーザーであり、
    前記溝は深さが0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下、断面形状がU字状ないしコ字状であり、
    前記集光レンズを通過した前記レーザー光の焦点を前記内面鏡の入射口位置に設定し、前記レーザー光が前記内面鏡の導光路内において多重反射によって干渉し、溝加工位置において中央部に前記レーザー光が集束した明部を、前記明部の外周に暗部を形成するように設定し、前記明部にて溝加工し、
    前記吸引孔の単位時間当たりの吸引量をVe、前記補助ガスの単位時間当たりの供給量をVsとしたとき、Ve>Vsであることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  2. 表面に研磨剤を保持する溝を形成する溝加工工程を有するポリウレタン樹脂発泡体の研磨パッドの製造方法であって、
    前記溝加工工程は、レーザー光を、集光レンズおよび内面鏡を介して照射し、前記内面鏡には吸引孔を有する吸引カバーが配設されており、補助ガスを加工面に気流として供給しつつ前記吸引孔が前記溝加工方向の後方に位置するように溝加工を行うものであり、
    前記レーザー光は、炭酸ガスレーザー又はYAGレーザーであり、
    前記溝は深さが0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下、断面形状がU字状ないしコ字状であり、
    前記集光レンズを通過した前記レーザー光の焦点を前記内面鏡の入射口位置に設定し、前記レーザー光が前記内面鏡の導光路内において多重反射によって干渉し、溝加工位置において中央部に前記レーザー光が集束した明部を、前記明部の外周に暗部を形成するように設定し、前記明部にて溝加工し、
    前記吸引孔の単位時間当たりの吸引量をVe、前記補助ガスの単位時間当たりの供給量をVsとしたとき、Ve>Vsであることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  3. 樹脂製のパッドの表面に、レーザー光を照射することにより溝加工を行って研磨剤を保持する溝を形成するポリウレタン樹脂発泡体の研磨パッドの溝加工方法であって、
    前記レーザー光を、集光レンズおよび内面鏡を介して照射し、前記内面鏡には吸引孔を有する吸引カバーが配設されており、補助ガスを加工面に気流として供給しつつ前記吸引孔が前記溝加工方向の後方に位置するように溝加工を行うものであり、
    前記レーザー光は、赤外線レーザー又は可視光線レーザーであり、
    前記溝は深さが0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下、断面形状がU字状ないしコ字状であり、
    前記集光レンズを通過した前記レーザー光の焦点を前記内面鏡の入射口位置に設定し、前記レーザー光が前記内面鏡の導光路内において多重反射によって干渉し、溝加工位置において中央部に前記レーザー光が集束した明部を、前記明部の外周に暗部を形成するように設定し、前記明部にて溝加工し、
    前記吸引孔の単位時間当たりの吸引量をVe、前記補助ガスの単位時間当たりの供給量をVsとしたとき、Ve>Vsであることを特徴とする研磨パッドの溝加工方法。
  4. 樹脂製のパッドの表面に、レーザー光を照射することにより溝加工を行って研磨剤を保持する溝を形成するポリウレタン樹脂発泡体の研磨パッドの溝加工方法であって、
    前記レーザー光を、集光レンズおよび内面鏡を介して照射し、前記内面鏡には吸引孔を有する吸引カバーが配設されており、補助ガスを加工面に気流として供給しつつ前記吸引孔が前記溝加工方向の後方に位置するように溝加工を行うものであり、
    前記レーザー光は、炭酸ガスレーザー又はYAGレーザーであり、
    前記溝は深さが0.3〜3mmで、研磨パッドの厚さの70%以下、断面形状がU字状ないしコ字状であり、
    前記集光レンズを通過した前記レーザー光の焦点を前記内面鏡の入射口位置に設定し、前記レーザー光が前記内面鏡の導光路内において多重反射によって干渉し、溝加工位置において中央部に前記レーザー光が集束した明部を、前記明部の外周に暗部を形成するように設定し、前記明部にて溝加工し、
    前記吸引孔の単位時間当たりの吸引量をVe、前記補助ガスの単位時間当たりの供給量をVsとしたとき、Ve>Vsであることを特徴とする研磨パッドの溝加工方法。
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