JP2010222183A - ガラス材の表面加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工時間を短縮して生産性の向上を図ると共に仕上がり面をより平滑にすることができるガラス材の表面加工方法を提供する。
【解決手段】ガラス材の表面加工方法は、研削加工によりシリカガラス成形体2を成形する際に、ガラス成形体2の表面に対して予め定められた鋭角な傾斜角度θ及びライン状の幅を有するレーザ21の照射によりシリカガラス成形体2の表面を溶融する表面加工工程を含んでいる。したがって、レーザの短時間の照射に伴う表面の溶融により、ガラス成形体の表面を平滑にすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス材の表面加工方法は、研削加工によりシリカガラス成形体2を成形する際に、ガラス成形体2の表面に対して予め定められた鋭角な傾斜角度θ及びライン状の幅を有するレーザ21の照射によりシリカガラス成形体2の表面を溶融する表面加工工程を含んでいる。したがって、レーザの短時間の照射に伴う表面の溶融により、ガラス成形体の表面を平滑にすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、研削加工によりガラス成形体を成形する際に行われるガラス材の表面加工方法に関する。
従来のガラス材の表面加工方法の一例として、ガラス材の表面を仕上げる場合、研削加工により仕上げ代を残し、最終的に研磨加工を行って表面を仕上げる工程を行っているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、研削加工及び研磨加工においても要求面精度により粗加工から仕上げ加工まで徐々に仕上げていくようにしている。
特許文献1では、研削加工及び研磨加工においても要求面精度により粗加工から仕上げ加工まで徐々に仕上げていくようにしている。
ところが、上記特許文献1に開示された従来のガラス材の表面加工方法では、最終的に鏡面に加工する際に、多くの仕上げ工程と時間を費やすことになる。特に、最終段階での研磨仕上げには、多くの時間を要していた。
本発明の目的は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、加工時間を短縮して生産性の向上を図ると共に仕上がり面をより平滑にすることができるガラス材の表面加工方法を提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明に係るガラス材の表面加工方法は、研削加工によりガラス成形体を成形する際に行われるガラス材の表面加工方法であって、
前記ガラス成形体の表面に対して予め定められた鋭角な傾斜角度及びライン状の幅を有するレーザの照射により、前記ガラス成形体の表面を溶融する表面加工工程を含むことを特徴としている。
前記ガラス成形体の表面に対して予め定められた鋭角な傾斜角度及びライン状の幅を有するレーザの照射により、前記ガラス成形体の表面を溶融する表面加工工程を含むことを特徴としている。
このように構成されたガラス材の表面加工方法によれば、レーザの短時間の照射に伴う表面の溶融によりガラス成形体の表面を平滑にすることができる。そして、その表面は溶融時の表面を維持することになって完全な鏡面となる。これにより、従来行っていた研磨仕上げを不要にすることができるので、失敗損や加工時間の大幅な減少を図ることができる。
また、レーザの照射前のガラス材表面の粗さが均一であれば、レーザ照射で表面を溶融することで、より均一な平滑面を形成することができる。特に、ガラス成形体に生じている凹凸状の表面における凸部にレーザ光を鋭角に傾けて照射することにより、溶融したガラス材を凹部に流し込み、均一な平滑面を確実に得ることができる。
また、レーザ光がライン状の幅を有することで、加工時間の短縮と均一性の向上を図ることができる。
また、レーザの照射前のガラス材表面の粗さが均一であれば、レーザ照射で表面を溶融することで、より均一な平滑面を形成することができる。特に、ガラス成形体に生じている凹凸状の表面における凸部にレーザ光を鋭角に傾けて照射することにより、溶融したガラス材を凹部に流し込み、均一な平滑面を確実に得ることができる。
また、レーザ光がライン状の幅を有することで、加工時間の短縮と均一性の向上を図ることができる。
本発明に係るガラス材の表面加工方法によれば、研削加工によりガラス成形体を成形する際に行われるガラス材の表面加工方法において、レーザの照射によりガラス成形体の表面を溶融する表面加工工程を含むことで、加工時間を短縮して生産性の向上を図ると共に仕上がり面をより平滑にすることができる。また、簡単な作業工程で研磨加工を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1および図2に示すように、表面加工工程には、レーザ照射装置21が用いられる。レーザ照射装置21はシリカガラス成形体2の表面に対して予め定められた鋭角な角度θで傾斜した状態で移動する。
レーザ照射装置21は、シリカガラス成形体2の表層を溶融させる程度のエネルギーを有してガラス成形体2の表面上を図2中に示すようにAB方向に往復移動しながら往路および復路毎にC方向に単位移動しながら照射する。
レーザ照射装置21は、例えば1フェムト秒(10−15秒)のガラスを透過しない短パルスのレーザ光αをシリカガラス成形体2にライン状に照射する。エネルギーの調整は照射強度と照射時間(走査速度或いはパルス間隔等)で調整する。
レーザ照射装置21は、例えば1フェムト秒(10−15秒)のガラスを透過しない短パルスのレーザ光αをシリカガラス成形体2にライン状に照射する。エネルギーの調整は照射強度と照射時間(走査速度或いはパルス間隔等)で調整する。
レーザ照射装置21のレーザ光αは、処理面積が広い場合、時間短縮と均一性のために、ライン状の幅を持った照射が望ましい。更に望ましくは、被照射体全体を一度で照射できる幅を持ったレーザ光が良い。全体を一度に照射することにより、図2に示したような移動により全体走査する場合に生じる境目の微妙な歪みを防ぐことが可能である。
レーザの種類は、照射するシリカガラス成形体2の物性や照射強度等により、固体、液体、ガス、半導体等が選定される。また、溶融時の熱による周囲ガスとの反応を抑えるために、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気で照射するのが望ましい。
レーザの種類は、照射するシリカガラス成形体2の物性や照射強度等により、固体、液体、ガス、半導体等が選定される。また、溶融時の熱による周囲ガスとの反応を抑えるために、不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気で照射するのが望ましい。
シリカガラス成形体2は、研削工程で、ある程度の仕上げを施されてから表面加工工程に搬送される。そのため、表面である第1面3は、例えばRa30以下、Ry50以下の表面粗さを有している。ある程度の表面粗さを有している方が、レーザが乱反射するため、効率良くレーザ照射することができる。
このとき、レーザ照射装置21からのレーザ光αは、シリカガラス成形体2の表面に対して予め定められた鋭角な角度θで傾斜した状態で照射される。この角度θは、20°〜60°の範囲とし、被加工物の状態によって角度を調整する。このように鋭角に傾斜した状態で照射することにより、研削により生じた凹凸状の表面における凸部5にレーザ光αを集中的に照射し、溶融したガラス材を凹部6に流し込むことにより均一な平滑面7を溶融成形することができる。
次に、図3を参照してガラス材の表面加工方法のフローについて説明する。
図3に示すように、この表面加工プロセスフロー50を実行することで、上述したシリカガラス成形体2から高品質な光学レンズを得ることができる。
先ず、ガラス体(インゴット)を溶融してから、所定の形状に型成形や切削加工等によりガラス成形体2が成形される(ステップ101〜102)。
次に、予め定められた温度および時間によるアニールが行われてから、ディスク形状に切削されたシリカガラス成形体2の表面である第1面3の研削を行い、洗浄を行う(ステップ103〜104)。このとき、洗浄工程では、研削液及び研削屑の残留が無いように行う。好ましくは、脱脂後純水による超音波洗浄を行ってから乾燥させる(ステップ105)。
次に、レンズ形状に研削されたシリカガラス成形体2の表面である第1面3を不図示のヒータ等で事前予熱し、レーザ照射装置21により第1面3にレーザ光αを照射してから、第1面3をヒータ等で事後予熱して平滑面7を溶融成形する(ステップ106〜108)。なお、予熱はレーザ光αにより熱歪みを局所的に受けるのに対して効果的であるが、逆にガラス自体が変質する可能性もあるので、必ずしも行う必要はない。
レーザ光αの照射により、従来行っていた研磨仕上げを不要にすることができるので、失敗損や加工時間の大幅な減少を図ることができる。また、レーザ光αにより表面が溶融されたシリカガラス成形体2は、シリカガラスの表面粗さが均一であれば体積的に平均化された平滑面を形成することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係るガラス材の表面加工方法は、ガラス成形体の表面に対して予め定められた鋭角な傾斜角度及びライン状の幅を有するレーザ光αの短時間の照射に伴う表面の溶融により、シリカガラス成形体2の表面を平滑にすることができる。そして、その表面は溶融時の表面を維持することにより完全な鏡面となる。これにより、研磨仕上げを不要にすることができ、失敗損や加工時間の大幅な減少を図ることができる。
また、レーザの照射前のシリカガラス成形体2表面の粗さが均一であればある程、レーザの照射で表面を溶融することにより、体積的に平均化された平滑面を形成することができる。特に、ガラス成形体2に生じている凹凸状の表面における凸部にレーザ光αを集中的に照射し、凸部及び近傍の溶融したガラス材を凹部に流し込むことにより均一な平滑面を確実に得ることができる。
また、板材以外のガラス材に対して、及びファイバ母材の火炎研磨の代替としても応用可能である。
また、レーザの照射前のシリカガラス成形体2表面の粗さが均一であればある程、レーザの照射で表面を溶融することにより、体積的に平均化された平滑面を形成することができる。特に、ガラス成形体2に生じている凹凸状の表面における凸部にレーザ光αを集中的に照射し、凸部及び近傍の溶融したガラス材を凹部に流し込むことにより均一な平滑面を確実に得ることができる。
また、板材以外のガラス材に対して、及びファイバ母材の火炎研磨の代替としても応用可能である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上記実施形態では、ガラス材の表面加工について説明したが、金属板の表面加工に用いることもできる。
1 シリカガラス母材(ガラス母材)
2 シリカガラス成形体(ガラス成形体)
10 加熱成形装置
21 レーザ照射装置(レーザ)
2 シリカガラス成形体(ガラス成形体)
10 加熱成形装置
21 レーザ照射装置(レーザ)
Claims (1)
- 研削加工によりガラス成形体を成形する際に行われるガラス材の表面加工方法であって、
前記ガラス成形体の表面に対して予め定められた鋭角な傾斜角度及びライン状の幅を有するレーザの照射により、前記ガラス成形体の表面を溶融する表面加工工程を含むことを特徴とするガラス材の表面加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009071297A JP2010222183A (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | ガラス材の表面加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009071297A JP2010222183A (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | ガラス材の表面加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010222183A true JP2010222183A (ja) | 2010-10-07 |
Family
ID=43039789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009071297A Pending JP2010222183A (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | ガラス材の表面加工方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101834146B1 (ko) * | 2016-10-21 | 2018-03-02 | 유형근 | 글라스 밀링 방법 |
JP2018104268A (ja) * | 2016-11-10 | 2018-07-05 | グッドリッチ コーポレイション | レーザを用いるガラス部材の表面仕上げ |
WO2018143581A1 (ko) * | 2017-02-02 | 2018-08-09 | 에이펫(주) | 면취 장치 및 면취 방법 |
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2009
- 2009-03-24 JP JP2009071297A patent/JP2010222183A/ja active Pending
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