JP5287513B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

この発明は、超音波を用いて流体の流量計測を行う超音波流量計に関する。
従来、この種の超音波流量計として、たとえば、伝搬時間差法という計測原理を用いたものが知られている。図20は、その計測原理を用いた超音波流量計の説明図である(特許文献1)。この超音波流量計は、流体が流れる管90の側壁に配置された素子91,92を備える。素子91は流体の上流側に配置されており、素子92は流体の下流側に配置されている。素子91,92は、超音波の放射軸が、流体の流れる方向と鋭角に交差するように斜めに配置されている。
超音波が素子91から素子92に伝搬する時間をtA、素子92から素子91に伝搬する時間をtB、素子91,92間の距離をL、音速をC、流体の流速をV、流体の流れる方向と超音波放射軸とが成す角度をθとすると、流速V=0のときは、tA=tB=L/Cが成立する。そして、V>0になると、tA=L/(C+Vcosθ)、tB=L/(C−Vcosθ)が成立する。つまり、V=L((1/tA)−(1/tB))/2cosθとなる。ここで、管90の断面積をSとすると、流体の容積流量Qは、Q=SVを演算して求める。
また、管の側壁で反射した超音波の強度に基づいて流体の流速を求めるものが知られている(特許文献2)。このものは、管の側壁に配置された複数の素子と、各素子と対向する側壁に配置された反射面とを備える。そして、各素子が送信した超音波は、反射面で反射され、その反射した超音波は各素子で受信される。流体の流速は、各素子で受信された超音波の強度に基づいて求める。
特開昭56−67716号公報(第1図)。 特開2007−517207号公報(図3)。
しかし、前者のものは、素子の送受信面を管の側壁に対して斜めに配置する必要があるため、素子の位置決めが難しいし、管の側壁の加工が難しい。また、後者のものは、超音波の放射軸が素子の数および配置間隔で一義的に決まるため、使用状況に応じて素子の数および配置間隔を高精度で調整しなければならない。
そこでこの発明は、上述の諸問題を解決するためになされたものであり、素子を流路の側壁に対して斜めに配置する必要がなく、かつ、使用状況に応じて素子の数および配置間隔を高精度で調整する必要もない超音波流量計を実現することを目的とする。
この発明の第1の特徴は、超音波を送受信する超音波センサを流路を挾んで配置し、各超音波センサ間で超音波の送受信を行って前記流路を流れる流体の流量を測定する超音波流量計において、超音波を送受信する複数の素子(A,B)が送受信面(2c)を流体(F)の流れる方向に沿わせて流路(3c)の側壁(3a)に配置されてなる第1の超音波センサ(4)と、超音波を送受信する複数の素子(C,D)が送受信面を流体の流れる方向に沿わせて前記第1の超音波センサと対向する側壁(3b)に配置されてなる第2の超音波センサ(5)と、前記第1および第2の超音波センサが放射軸(R1〜R4)を複数回変えて超音波を送信するように前記第1および第2の超音波センサを制御する制御回路(30)と、前記制御回路によって変えられた各放射軸のときの前記第1および第2の超音波センサの送受信内容に基づいて前記流体の流量を演算する演算回路(20)と、を備え、前記各素子は、圧電素子および音響整合層を備え、前記音響整合層に発生する圧力を検出する圧力センサを備えることにある。
この発明の第2の特徴は、前述の第1の特徴において、前記制御回路(30)は、前記流路(3c)の上流から下流に向かう第1の放射軸(R1,R4)と、下流から上流に向かう第2の放射軸(R2,R3)とを含むように前記放射軸を変えることにある。
この発明の第3の特徴は、前述の第1または第2の特徴において、前記演算回路(20)は、前記制御回路(30)によって変えられた各放射軸(R1〜R4)のときの前記第1および第2の超音波センサ(4,5)間の超音波の伝搬時間の差に基づいて前記流体(F)の流量を演算することにある。
この発明の第4の特徴は、前述の第1ないし第3の特徴のいずれか1つにおいて、前記演算回路(20)は、各放射軸(R1〜R4)のときにそれぞれ演算した流量の平均値を演算することにある。
この発明の第5の特徴は、前述の第3の特徴において、前記演算回路(20)は、各放射軸(R1〜R4)のときに演算した伝搬時間の差の平均値に基づいて流量を演算することにある。
この発明の第の特徴は、前述の第1ないし第の特徴のいずれか1つにおいて、前記制御回路(30)は、超音波を送信する超音波センサを構成する各素子の入力信号間の位相を異ならせることにより、前記放射軸を変えることにある。
この発明の第の特徴は、前述の第1ないし第の特徴のいずれか1つにおいて、相互に隣接する素子の配置間隔が、前記超音波の2分の1波長であることにある。
この発明の第の特徴は、前述の第1ないし第7の特徴のいずれか1つにおいて、前記音響整合層(2b)は、薄肉部を介して前記流体(F)と接していることにある。
この発明の第の特徴は、前述の第1ないし第の特徴のいずれか1つにおいて、前記音響整合層(2b)には、放熱部材(60)が設けられていることにある。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
超音波センサを構成する各素子が、その送受信面を流体の流れる方向に沿わせて流路の側壁に配置されており、超音波センサは放射軸を変えて超音波を送信することができる。
したがって、素子を流路の側壁に対して斜めに配置する必要がなく、かつ、使用状況に応じて素子の数および配置間隔を高精度で調整する必要もない超音波流量計を実現することができる。
管に取付けられた超音波流量計の説明図であり、(a)は管の縦断面図、(b)は(a)のH−H矢視断面図である。 図1に示す素子の縦断面図である。 超音波センサ4,5が放射軸を変えて送信波を送信する状態を示す説明図である。 超音波流量計1の電気的構成をブロックで示す説明図である。 図4に示す送信制御部の電気的構成をブロックで示す説明図である。 素子A,Bが送信する送信波の送信波形を示す説明図である。 送信波の合成指向性を説明するために、基準軸と空間の任意の位置との関係を示す図である。 図4に示す受信制御部の電気的構成をブロックで示す説明図である。 演算部20のCPU21が実行する流量測定処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の変更例を示す説明図である。 第2実施形態に係る超音波流量計1の電気的構成をブロックで示す説明図である。 超音波センサ4,5が送信する送信波の放射軸の説明図である。 第3実施形態に係る超音波流量計1の電気的構成をブロックで示す説明図である。 超音波センサ7が送信する送信波の放射角度が変化したときの説明図である。 流速Vが0の場合およびVの場合における信号強度および角度αの関係を示すグラフである。 (a)は、角度αおよび時刻の関係を示すグラフ、(b)〜(d)は、信号強度および時刻の関係を示すグラフである。 第4実施形態の超音波流量計に備えられた素子の縦断面図である。 第4実施形態の変更例の説明図である。 (a)〜(c)は、他の実施形態の説明図である。 従来の超音波流量計の説明図である。
〈第1実施形態〉
この発明の第1実施形態について説明する。
[全体の構成]
最初に、この実施形態に係る超音波流量計の全体の構成について図を参照しながら説明する。図1は、管に取付けられた超音波流量計の説明図であり、(a)は管の縦断面図、(b)は(a)のH−H矢視断面図である。図2は、図1に示す素子の縦断面図である。以下の説明では、送信する超音波を送信波と称する。図4は、超音波流量計1の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図4に示すように、超音波流量計1は、超音波を送受信する素子A,Bを有する第1の超音波センサ4と、素子C,Dを有する第2の超音波センサ5とを備える。素子A〜Dは、それぞれ超音波の送信および受信を兼用する。図1に示すように、管3は、断面が略円形に形成されており、その内部には、流体Fが流れる流路3cが形成されている。
流路3cの一方の側壁3aには、第1の超音波センサ4を構成する素子A,Bがアレイ状に配置されており、流路3cを挾んで側壁3aと対向する他方の側壁3bには、第2の超音波センサ5を構成する素子C,Dがアレイ状に配置されている。素子A,Cは流路3cを挾んで相互に対向しており、素子B,Dも流路3cを挾んで相互に対向している。
図2に示すように、素子Aは、音響整合層2bの上に圧電素子(ピエゾ素子)2aを積層して構成されている。音響整合層2bは、圧電素子2aおよび流体Fの音響インピーダンスを整合させるためのものである。この音響整合層2bを圧電素子2aに設けることにより、素子Aが送信する送信波の音圧を上げることができる。
音響整合層2bの下面、つまり超音波の送受信面2cは、流路3cに露出している。また、送受信面2cは、側壁3aの内壁の形状に合致した形状に形成されており、流路3cを流れる流体Fの順流方向D1および逆流方向D2に沿うように配置されている。送受信面2cを側壁3aの内壁の形状に合致した形状に形成することにより、音響整合層2bを音響レンズとしても作用させることができるので、送信波を効率良く受信することができる。素子A,Bは、各送受信面2cの中心間隔が、使用する超音波の波長λの2分の1(λ/2)となるように配置されており、素子C,Dも同様の間隔で配置されている。
音響整合層2bの音響インピーダンスは、流体Fの音響インピーダンスと、圧電素子2aの音響インピーダンスとの間の大きさに設定されている。たとえば、流体Fが空気である場合は、音響整合層2bの音響インピーダンスは、442〜24.2E6kg/m・sの範囲内に設定する。
音響整合層2bの材料は、流体によって腐食し難く、空気とのマッチングが良い材料の中から選択する。たとえば、中空ビーズの混ぜ物など、エポキシ樹脂をベースに音響インピーダンスを下げたもの、あるいは、PPS(ポリフェニリンサルファイド樹脂)をベースに音響インピーダンスを下げたものなどを選択することができる。このように、圧電素子2aよりもヤング率が低い材料を選定する場合には、音響整合層2bの厚さは、送信波の波長の1/4に設定すると、圧電素子2aが発生する振動を効率良く伝えることができる。
また、音響整合層2bの材料は、金属やガラスなど腐食に強い材料を用いることも考えられる。そのように圧電素子2aよりもヤング率が高い材料を選定する場合には音響整合層2bの厚さを送信波の1/2に設定すると圧電素子2aが発生する振動を効率よく伝えることが出来る。また、圧電素子2aと同等のヤング率の材料を選定する場合には、音響整合層2bと圧電素子2aの厚さの合計が共振する厚さに設定すると、振動を効率よく伝えることができる。
また、超音波流量計を内燃機関の吸気管や排気管に配置し、内燃機関への空気の流量や内燃機関からの排気流量を測定する用途など、高温に晒される環境で使用する場合は、耐熱性を有する材料で音響整合層2bを作成することが望ましい。なお、素子B〜Dも素子Aと同じ材料により同じ構造に形成されている。
[超音波流量計の特徴]
次に、超音波流量計1の特徴について図を参照して説明する。図3は、超音波センサ4,5が放射軸を変えて送信波を送信する状態を示す説明図である。図中R1〜R4は、送信波の放射軸を示す。
第1の超音波センサ4は、素子A,Bの入力信号の位相を異ならせることにより、送信波の放射軸を変えることができることを特徴とする。第2の超音波センサ5は、素子C,Dの入力信号の位相を異ならせることにより、送信波の放射軸を変えることができることを特徴とする。ここで、放射軸とは、送信波の圧力レベルの相対的に強い部分が進行する方向を示す軸のことである。
つまり、隣接する素子の入力信号の位相が同相の場合は、その隣接する素子によって作られる送信波の放射軸は両素子間の中間位置から鉛直方向に延びるが、位相を異ならせると、音圧エネルギーの強い領域の分布方向が鉛直方向から傾くため、放射軸が傾く。
今、流体Fが管3の流路3cを順流方向D1で流れているとする。第1の超音波センサ4が、流路3cの上流から下流に向かう放射軸R1にて送信波を送信すると、その送信波を第2の超音波センサ5が受信する(図3(a))。次に、第2の超音波センサ5が下流から上流に向かう放射軸R3にて送信波を送信すると、その送信波を第1の超音波センサ4が受信する(図3(b))。
次に、第1の超音波センサ4が、流路3cの下流から上流に向かう放射軸R2にて送信波を送信すると、その送信波を第2の超音波センサ5が受信する(図3(c))。次に、第2の超音波センサ5が上流から下流に向かう放射軸R4にて送信波を送信すると、その送信波を第1の超音波センサ4が受信する(図3(d))。
また、超音波流量計1は、第1および第2の超音波センサ4,5が送信波を送信した時間および受信した時間に基づいて、超音波センサ間の超音波の伝播時間を演算する。そして、上流から下流へ送信したときの伝搬時間と、下流から上流へ送信したときの伝搬時間との差に基づいて流体Fの流量を演算する。
この実施形態の超音波流量計は、放射軸R1に対応する伝搬時間と、放射軸R3に対応する伝搬時間との差に基づいて流体Fの第1の流量を演算し、放射軸R2に対応する伝搬時間と、放射軸R4に対応する伝搬時間との差に基づいて第2の流量を演算し、第1および第2の流量から平均流量を演算する。これにより、時々刻々と変化する流量の検出精度を向上させることができる。
[超音波流量計の電気的構成]
次に、超音波流量計1の電気的構成について図4を参照して説明する。図5は、図4に示す送信制御部の電気的構成をブロックで示す説明図である。図6は、素子A,Bが送信する送信波の送信波形を示す説明図である。図8は、図4に示す受信制御部の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図4に示すように、超音波流量計1は、演算部20と、送信制御部30と、受信制御部40とを備える。送信制御部30は、素子A〜Dと接続されており、素子A〜Dを駆動して超音波センサ4,5から送信波を送信させる。また、送信制御部30は、素子A〜Dを駆動して送信波を受信可能な状態にする。演算部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23とを備える。CPU21は、送信制御部30に対して、送信波を送信する素子および受信する素子の指示、送信波の放射軸の指示など、送信モードの指示を行う。
また、CPU21は、受信制御部40からの信号に基いて第1および第2の超音波センサ4,5間の超音波の伝搬時間を演算し、その演算された伝搬時間に基づいて流体Fの流量を演算する。ROM22には、CPU21が流量を演算するために必要なコンピュータプログラムが格納されている。RAM23は、ROM22から読出したコンピュータプログラムやCPU21の演算結果などを一時的に格納する。
(送信制御部)
図5に示すように、送信制御部30は、送信位相決定部31と、送信波形生成部32とを備える。送信位相決定部31は、第1および第2の超音波センサ4,5が送信する送信波の放射軸が、CPU21から指示された放射軸となるように、次段の送信波形生成部32において生成される送信波形の位相を決定する。送信波形生成部32は、素子A〜Dに接続された送信波形生成部32a〜32dを備える。送信波形生成部32a〜32dは、送信位相決定部31から指示された位相の送信波形を生成し、それを各素子A〜Dの圧電素子2aに出力する。
たとえば、送信位相決定部31から第1の超音波センサ4に対して指示された位相差がβであった場合は、送信波形生成部32a,32bは、図6に示すように、生成する送信波形の位相差がβとなるように送信波形をそれぞれ生成する。なお、この実施形態では、放射軸をR1〜R4に変えるために必要な各送信波形の位相差が予め実験などによって求められており、各放射軸に対応する送信側の超音波センサおよび受信側の超音波センサと、位相差とが送信モードとしてROM22に格納されている。たとえば、送信モード1では、超音波センサ4が送信側、超音波センサ5が受信側で、放射軸がR1に設定されている。
図7は、送信波の合成指向性を説明するために、基準軸と空間の任意の位置との関係を示す図である。アレイ状に配置された複数の素子から送信される送信波の合成指向性E(β、φ)は、次式(1)のように表される(以下、1次元の場合を示す)。
E(β、φ)=E(β、φ)*Σexp[j{(2π/λ)*(m*dx*sinβ*cosφ)+β}]、(m=0、1、・・・、M−1) ・・・(1)
式(1)におけるβ、φは、図7において任意の点における、その任意の点と原点とを結んだ直線と基準軸との角度を表す。E(β、φ)は、各素子単体の指向性、λは送信波の波長、dxは素子間隔、βは、各素子に入力する送信信号の位相、Mは素子数を示す。
ここで、1次元(x軸上)の指向性を考えるために、φ=0とし、さらに、素子数Mを2、素子間隔dxを半波長λ/2、各素子に入力する送信信号の位相差をΔβとするため、β=0、β=Δβとすると、2つの素子の合成指向性E(β、φ)は、次式(2)のように表される。
E(β、φ)=E(β、φ)*[1+exp{j(π*sinβ+Δβ)}] ・・・(2)
(受信制御部)
図8に示すように、受信制御部40は、素子A〜Dにそれぞれ接続されたアンプ41a〜41dと、閾値判定部44とを備える。受信制御部40がマイクロコンピュータを備える場合は、そのマイクロコンピュータが閾値判定部44の役割をしても良いし、演算部20がその役割をしても良い。
アンプ41a〜41dは、それぞれ素子A〜Dから出力された信号を所定の増幅率で増幅する。閾値判定部44は、アンプ41a〜41dから出力された各素子の受信信号のいずれかの振幅が閾値を超えているか否かを判定する。閾値判定部44は、受信信号を構成する各波の電圧(振幅)が閾値Vthを超えたか否かを判定する。また、閾値判定部44は、送信波を受信した素子の受信信号の振幅が閾値を超えたと判定したときに、その判定結果を示す信号を演算部20へ出力する。
たとえば、閾値判定部44は、演算部20へ出力している信号のレベル(電圧)を変化させることにより、判定結果を演算部20へ知らせる。演算部20は、閾値判定部44からの信号変化を検出したタイミングを送信波の受信時間に設定する。そして、演算部20は、送信波の送信時間および受信時間に基づいて伝搬時間を演算し、その伝搬時間に基づいて流体Fの流量を演算する。
[流量測定処理]
次に、演算部20のCPU21が実行する流量測定処理の流れについてそれを示す図9のフローチャートを参照して説明する。
CPU21は、流量を測定するタイミングになったと判定すると(ステップ(以下、Sと略す)1:Yes)、第2の超音波センサC,Dが送信波を受信可能な状態となるように送信制御部30に指示する(S2)。続いて、CPU21は、第1の超音波センサ4の素子A,Bが放射軸R1にて送信波を送信するように送信制御部30に指示する(S3)。これにより、第1の超音波センサ4は、図3(a)に示すように、送信波を放射軸R1にて送信する。
続いて、CPU21は、その指示した時間を送信波の送信時間t1としてRAM23に格納する(S4)。続いて、CPU21は、第1の超音波センサ4が送信した送信波を第2の超音波センサ5の素子C,Dが受信したと判定すると(S5:Yes)、その判定した時間を受信時間t2としてRAM23に格納する(S6)。
続いて、CPU21は、第1の超音波センサ4の素子A,Bが送信波を受信可能な状態となるように送信制御部30に指示する(S7)。続いて、CPU21は、第2の超音波センサ5の素子C,Dが放射軸R3にて送信波を送信するように送信制御部30に指示する(S8)。これにより、第2の超音波センサ5は、図3(b)に示すように、送信波を放射軸R3にて送信する。
続いて、CPU21は、その指示した時間を送信波の送信時間t3としてRAM23に格納する(S9)。続いて、CPU21は、第2の超音波センサ5が送信した送信波を第1の超音波センサ4の素子A,Bが受信したと判定すると(S10:Yes)、その判定した時間を受信時間t4としてRAM23に格納する(S11)。
続いて、CPU21は、第2の超音波センサ5の素子C,Dが送信波を受信可能な状態となるように送信制御部30に指示する(S12)。続いて、CPU21は、第1の超音波センサ4の素子A,Bが放射軸R2にて送信波を送信するように送信制御部30に指示する(S13)。これにより、第1の超音波センサ5は、図3(c)に示すように、送信波を放射軸R2にて送信する。
続いて、CPU21は、その指示した時間を送信波の送信時間t5としてRAM23に格納する(S14)。続いて、CPU21は、第1の超音波センサ4が送信した送信波を第2の超音波センサ5の素子C,Dが受信したと判定すると(S15:Yes)、その判定した時間を受信時間t6としてRAM23に格納する(S16)。
続いて、CPU21は、第1の超音波センサ4の素子A,Bが送信波を受信可能な状態となるように送信制御部30に指示する(S17)。続いて、CPU21は、第2の超音波センサ5の素子C,Dが放射軸R4にて送信波を送信するように送信制御部30に指示する(S18)。これにより、第2の超音波センサ5は、図3(d)に示すように、送信波を放射軸R4にて送信する。
続いて、CPU21は、その指示した時間を送信波の送信時間t7としてRAM23に格納する(S19)。続いて、CPU21は、第2の超音波センサ5が送信した送信波を第1の超音波センサ4の素子A,Bが受信したと判定すると(S20:Yes)、その判定した時間を受信時間t8としてRAM23に格納する(S21)。
続いて、CPU21は、放射軸R1,R3における送信波の伝搬時間差を第1の伝搬時間差として演算し、その第1の伝搬時間差に基づいて第1の流量を演算する。また、放射軸R2,R4における送信波の伝搬時間差を第2の伝搬時間差として演算し、その第2の伝搬時間差に基づいて第2の流量を演算する(S22)。
各放射軸における伝搬時間は、RAM23に格納した受信時間から送信時間を減算して求める。また、伝搬時間差は、軸が共通で放射方向が逆方向の2つの放射軸における伝搬時間から求める。各流量の演算方法は、前述の背景技術において説明した伝搬時間差法と同じである。そして、第1および第2の流量の平均値を演算する(S23)。なお、第1および第2の伝搬時間差の平均値を演算し、その平均値に基づいて流量を演算しても良い。また、S1〜S11を実行し、第1の伝搬時間差のみに基いて流量を演算しても良い。さらに、第2の伝搬時間差のみを求め、その第2の伝搬時間差に基いて流量を演算しても良い。
[第1実施形態の効果]
以上のように、第1実施形態の超音波流量計1を実施すれば、第1および第2の超音波センサ4,5を構成する各素子A〜Dが、その送受信面2cを流体Fの流れる方向に沿わせて流路3cの側壁3a,3bに配置されているため、素子を流路の側壁に対して斜めに配置する必要がない。
しかも、各超音波センサ4,5は放射軸を変えて送信波を送信することができるため、送信側と受信側とで素子の配置位置や配置間隔が多少ずれている場合であっても、送信波の送受信を行うことができるので、素子の配置位置および配置間隔を高精度で調整する必要がない。また、送信波の放射軸を変えることにより、送信波の送信範囲を広くすることができるため、送信波を送信する素子の数を少なくすることができる。
[第1実施形態の変更例]
第1および第2の超音波センサを複数組流路に配置し、センサの測線数を増やすこともできる。たとえば、図10に示すように、相対向する管3の流路3cに計4組の超音波センサを配置する。このように第1および第2の超音波センサを複数組流路に配置し、各組毎に演算した流量に基づいて流体の流量を計測すれば、計測の精度をより一層高めることができる。なお、各組毎の伝搬時間差の平均値を演算し、その平均値に基づいて流量を演算しても良い。
〈第2実施形態〉
この発明の第2実施形態について図を参照しながら説明する。図11は、この実施形態に係る超音波流量計1の電気的構成をブロックで示す説明図である。図12は、超音波センサ4,5が送信する送信波の放射軸の説明図である。
この実施形態の超音波流量計は、流路の一方の側壁に配置された超音波センサから送信波を送信し、他方の側壁にて反射した反射波を用いて流体の流量を計測することを特徴とする。超音波流量計は、超音波センサ6を備える。超音波センサ6は、超音波の送受信を行う3つの素子A〜Cを備えており、素子A〜Cは、流路3cの一方の側壁3aにアレイ状に配置されている。素子A〜Cは、相互に隣接する素子の各送受信面2cの中心間隔が、使用する超音波の波長λの2分の1(λ/2)となるように配置されている。
超音波センサ6は、第1実施形態の超音波センサ4,5と同じように、相互に隣接する素子への入力信号の位相を異ならせることにより、送信波の放射軸を変える。今、流体Fは順流方向D1で流れているとする。最初に、超音波センサ6は、図12(a)に示すように、素子A,Bを駆動して送信波を放射角度θ1の放射軸R1、つまり上流側から下流側に向けて対向する側壁3bへ送信する。
すると、その送信された送信波は、図12(b)に示すように、側壁3bにおける反射点から放射角度θ1の放射軸R4、つまり上流側から下流側に向けて反射する。このとき、素子B,Cは、送信制御部30の制御によって、反射波を受信可能な状態に切替えられている。
そして、側壁3bにて反射した反射波は、素子B,Cによって受信される。演算部20のCPU21は、超音波センサ6が素子A,Bを駆動して送信波を送信した時間を送信時間としてRAM23に記憶し、素子B,Cの受信レベルが閾値を超えたタイミングを受信時間としてRAM23に記憶する。
続いて、図12(c)に示すように、超音波センサ6は、素子B,Cを駆動して送信波を放射角度θ2の放射軸R2、つまり下流側から上流側に向けて対向する側壁3bへ送信する。すると、その送信された送信波は、図12(d)に示すように、側壁3bにおける反射点から放射角度θ2の放射軸R3、つまり下流側から上流側に向けて反射する。このとき、素子A,Bは、送信制御部30の制御によって、反射波を受信可能な状態に切替えられている。
そして、側壁3bにて反射した反射波は、素子A,Bによって受信される。演算部20のCPU21は、超音波センサ6が素子B,Cを駆動して送信波を送信した時間を送信時間としてRAM23に記憶し、素子A,Bの受信レベルが閾値を超えたタイミングを受信時間としてRAM23に記憶する。
CPU21は、送信波が放射軸R1にて送信されてから、側壁3bで反射し、放射軸R4にて受信されるまでに要した第1の伝搬時間tAと、送信波が放射軸R2にて送信されてから、側壁3bで反射し、放射軸R3にて受信されるまでに要した第2の伝搬時間tBとの差に基づいて流体Fの流量を演算する。つまり、送信波を上流側から下流側へ送信したときの伝搬時間と、下流側から上流側へ送信したときの伝搬時間との差に基づいて流量を演算する。
素子A,Bから送信波の反射点までの距離(放射軸R1の長さ)と、その反射点から素子B,Cまでの距離(放射軸R4の長さ)とをそれぞれLとし、流体Fの流速をV、音速をCとすると、上記の第1の伝搬時間tAは、次式(3)を使って求めることができる。
tA=2L/(C+2Vcosθ) ・・・(3)
また、素子B,Cから送信波の反射点までの距離(放射軸R2の長さ)と、その反射点から素子A,Bまでの距離(放射軸R3の長さ)とをそれぞれLとすると、上記の第2の伝搬時間tBは、次式(4)を使って求めることができる。
tB=2L/(C−2Vcosθ) ・・・(4)
式(3),(4)から、流速Vは次式(5)によって求めることができる。
V=L((1/tA)−(1/tB))/2cosθ ・・・(5)
以上のように、第2実施形態の超音波流量計は、流路を挾んで超音波センサを配置した第1実施形態の超音波流量計と同じ演算手法を用いて流体の流量を計測することができる。
また、流路の一方の側壁だけに超音波センサを配置すれば済むため、超音波センサの設置が容易である。さらに、流路の一方の側壁に障害物などが存在するなど、流路を挾んで超音波センサを設置することができないような状況でも超音波センサを設置して流量を計測することができる。
〈第3実施形態〉
この発明の第3実施形態について図を参照しながら説明する。図13は、この実施形態に係る超音波流量計1の電気的構成をブロックで示す説明図である。図14は、超音波センサ7が送信する送信波の放射角度θが変化したときの説明図である。図15は、流速Vが0の場合およびVの場合における信号強度および角度αの関係を示すグラフである。図16(a)は、角度αおよび時刻の関係を示すグラフ、(b)〜(d)は、信号強度および時刻の関係を示すグラフである。
図13に示すように、この実施形態の超音波流量計は、流路3cの一方の側壁3aに配置された超音波センサ7と、他方の側壁3bに配置された超音波センサ8とを備える。超音波センサ7は、超音波の送信を行う2つの素子A,Bを備えており、超音波センサ8は、超音波の受信を行う単一の素子Cを備える。素子A,Bは、各送受信面2cの中心間隔が、使用する超音波の波長λの2分の1(λ/2)となるようにアレイ状に配置されている。素子Cは、素子A,Bと対向する位置に配置されている。素子Cの送受信面2cの中心は、素子A,Bの送受信面2cの中心間の中間と一致している。
超音波センサ7は、素子A,Bへの入力信号の位相を異ならせることにより、図14に示すように、送信波の放射角度θを変化させる。つまり、超音波センサ7は、送信波によって超音波センサ8をスキャンするように送信波の放射軸Rを振る。ここでは、図14(b)に示すように、放射角度θが90°のときの放射軸Rを基準の放射軸R0とし、図14(a)に示すように、放射軸Rを基準の放射軸R0から流体Fの上流側に向けて振ったときの放射軸を放射軸R+とし、図14(c)に示すように、放射軸Rを基準の放射軸R0から流体Fの下流側に向けて振ったときの放射軸を放射軸R−とする。また、放射軸R+,R−が基準の放射軸R0と成す角度をαとし、放射軸R+,R−が基準の放射軸R0と成す角度をそれぞれα+,α−とする。
図16(a)は、超音波センサ7が素子A,Bへの入力信号の位相差を増減させたときの放射軸Rの角度αと時刻tとの関係を示すグラフである。角度αは、時刻t0のときに角度α+が最大になり、時刻t2のときに0になり、時刻t4のときに角度α−が最大になっている。そして、流体Fの流速Vが0のときに、角度αを変化させて放射軸Rを振ったときの受信側の素子Cにより受信された送信波の信号強度は、図16(b)に示すように、角度α+が最大のときに最小になり、角度α+が減少するにつれて次第に増大し、角度αが0(放射角度θが90°)になったときに最大になる。そして、角度αが0からα−に転じ、角度α−が次第に増加するにつれて次第に減少する。つまり、素子Cにより受信される送信波の信号強度は、素子A,Bへの入力信号の位相差に対応して増減し、位相差が0になったときに最大になる。たとえば、超音波センサ7が、図15(a)に示すように、送信波を角度αが−π/2からπ/2に変化するように送信した場合、角度αが0になったときに信号強度が最大になる。
次に、流体Fが流速Vで順流方向D1に流れている場合の信号強度と角度αとの関係を説明する。図14(a)に示すように、送信波を角度α+で送信した場合は、送信波は流体Fによって下流へ流される作用を受ける。したがって、送信波を放射軸R+の角度α+が減少するようにスキャンした場合、素子Cが受信する送信波の信号強度は、図16(c)に示すように、角度α+が0になるタイミングよりも所定時間(−Δs)早く最大になる。たとえば、超音波センサ7が、図15(b)に示すように、送信波を角度αが−π/2からπ/2に変化するように送信した場合、角度αが+αになったときに信号強度が最大になる。
また、逆に、流体Fが流速Vで逆方向に流れているときに、送信波を放射軸R+の角度α+が減少するようにスキャンした場合、素子Cが受信する送信波の信号強度は、図16(d)に示すように、角度α+が0になるタイミングよりも所定時間(Δs)遅れて最大になる。
次に、この実施形態の超音波流量計を用いて流体Fの流速Vを求める手法について説明する。なお、流路3cの直径をLとし、送信波の伝搬速度をCとする。
先ず、流速Vが0のときに、超音波センサ7が送信波を角度α=0(放射角度θ=90°)で送信したときの送信を開始したタイミングから、素子Cにおける送信波の信号強度が最大になるまでの伝搬時間T0を、T0=L/Cを計算して求める。
次に、流速Vが0のときに、素子A,Bにおける入力信号間の位相差を与え、放射軸Rの角度αがα+およびα−間を変化するように送信波をスキャンし、角度αと、素子Cにより受信された送信波の信号強度との関係を求める。たとえば、図15(a)のグラフに示す関係を求める。なお、角度αは、素子A,Bにおける入力信号間の位相差と対応関係にあり、その関係は、予め実験やシミュレーションによって求めておく。また、送信波のスキャンを開始したタイミングから信号強度が最大になったタイミングまでに要した時間T1を求める。
そして、流体Fが流速Vで流れているときに、図14に示したように、送信波を角度α+から角度α+が減少するようにスキャンし、信号強度が最大になったときの角度αを求める。また、送信波のスキャンを開始したタイミングから信号強度が最大になったタイミングまでに要した時間T2を求める。そして、T1−T2=Δsを計算し、流速Vが0のときとVのときにおける、信号強度が最大になる時刻の時間差Δsを求める。
また、流速V=Vのとき、送信波は流速によって流されるため、送信波の伝搬速度Cには、V/|sinα|の速度成分が加算されることになる。したがって、流速V=Vで角度αのときの送信波の伝搬時間Tαは、次式(6)によって求めることができる。
Tα=L/(C+V/|sinα|) ・・・(6)
また、上記の伝搬時間Tαは、流速V=0のときの伝搬時間T0からΔsを差し引いた時間に等しいから、次式(7)の等式が成立する。
L/(C+V/|sinα|)=(L/C)−Δs ・・・(7)
そして、上記の式(7)に流路3cの直径Lと、送信波の伝搬速度Cと、角度αと、時間差Δsとを代入して流速Vを求める。
また、流体Fの流れる方向が上記の順方向と逆方向のとき(流速V=−V)は、角度α+のときの送信波は、流速によって押し戻される作用を受けるため、信号強度が最大になるタイミングは、図16(d)に示すように、流速V=0のときと比較してΔsだけ遅れる。
したがって、この場合は、前記の式(7)の右辺は、(L/C)+Δsとなる。
以上のように、第3実施形態の超音波流量計は、送信波を受信する側の超音波センサは、素子が単一で済むため、超音波流量計の製造コストを低減することができる。
また、信号強度が最大になったときの角度αと流速Vとの関係を実験やシミュレーションなどによって予め求め、角度αおよび流速Vの関係をマップにしてROMなどの記憶部に記憶しておき、信号強度が最大になったときの角度αに対応する流速Vをマップから読出すように構成することもできる。
〈第4実施形態〉
次に、この発明の第4実施形態について説明する。図17は、この実施形態の超音波流量計に備えられた素子の縦断面図である。この実施形態の超音波流量計は、流体の圧力を検出する圧力センサを備えることを特徴とする。なお、この実施形態の超音波流量計は、圧力センサを備えることと、音響整合層2bの材質が異なること以外は、第1実施形態の超音波流量計1と同じ構成であるため、同じ構成については同じ符号を用い、説明を省略する。
音響整合層2bは、ゾルまたはゲルにより形成されており、音響整合層2bの下面には、薄膜状のダイヤフラム2dが設けられている。この実施形態では、ダイヤフラム2dは金属により形成されている。音響整合層2bには、流体Fの圧力を検出するための圧力センサ50が挿入されている。圧力センサ50は、ダイヤフラム2dを介して音響整合層2bに伝達される流体Fの圧力を検出する。この実施形態では、圧力センサ50は、半導体基板上にセンシング部を有する半導体式圧力センサである。
圧力センサ50は、演算部20と接続されており、圧力センサ50の検出信号は演算部20に入力される。演算部20のCPU21は、圧力センサ50から入力した検出信号に基づいて流体Fの圧力を演算し、その演算した圧力を容積流量に乗じて質量流量を演算する。
以上のように、第4実施形態の超音波流量計を実施すれば、流体Fの質量流量を求めることができる。また、音響整合層2bがゾルまたはゲルにより形成されているため、流体Fが高温である場合でも、その熱が音響整合層2bによって冷却されるので、圧電素子2aが熱の影響を受けて特性が変化するおそれがない。さらに、音響整合層2bがゾルまたはゲルにより形成されているため、音響整合層2bを流路3cの形状に対応した形状に容易に変形させることができる。
[第4実施形態の変更例]
図18に示すように、音響整合層2bに放熱部材60を設け、流体Fから音響整合層2bに伝達した熱の放熱効率を高めるようにすることもできる。この構成を用いれば、圧電素子2aが受ける熱の影響をより一層少なくすることができるため、圧電素子2aの特性がより一層変化し難い。
〈他の実施形態〉
図19(a)に示すように、音響整合層2bの下面2cは、必ずしも流路3cの内壁の形状に合致した形状に形成しなくても良い。また、同図(b)に示すように、圧電素子2aと比較して音響整合層2bが大きくても良いし、同図(c)に示すように、音響整合層2bの方が小さくても良い。
1・・超音波流量計、2a・・圧電素子、2b・・音響整合層、3・・管、
3a,3b・・側壁、3c・・流路、4,5・・超音波センサ、A〜D・・素子、
F・・流体、R1〜R4・・放射軸。

Claims (9)

  1. 超音波を送受信する超音波センサを流路を挾んで配置し、各超音波センサ間で超音波の送受信を行って前記流路を流れる流体の流量を測定する超音波流量計において、
    超音波を送受信する複数の素子が送受信面を流体の流れる方向に沿わせて流路の側壁に配置されてなる第1の超音波センサと、
    超音波を送受信する複数の素子が送受信面を流体の流れる方向に沿わせて前記第1の超音波センサと対向する側壁に配置されてなる第2の超音波センサと、
    前記第1および第2の超音波センサが放射軸を複数回変えて超音波を送信するように前記第1および第2の超音波センサを制御する制御回路と、
    前記制御回路によって変えられた各放射軸のときの前記第1および第2の超音波センサの送受信内容に基づいて前記流体の流量を演算する演算回路と、
    を備え
    前記各素子は、圧電素子および音響整合層を備え、
    前記音響整合層に発生する圧力を検出する圧力センサを備えることを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記制御回路は、
    前記流路の上流から下流に向かう第1の放射軸と、下流から上流に向かう第2の放射軸とを含むように前記放射軸を変えることを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記演算回路は、
    前記制御回路によって変えられた各放射軸のときの前記第1および第2の超音波センサ間の超音波の伝搬時間の差に基づいて前記流体の流量を演算することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波流量計。
  4. 前記演算回路は、
    各放射軸のときにそれぞれ演算した流量の平均値を演算することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波流量計。
  5. 前記演算回路は、
    各放射軸のときに演算した伝搬時間の差の平均値に基づいて流量を演算することを特徴とする請求項3に記載の超音波流量計。
  6. 前記制御回路は、
    超音波を送信する超音波センサを構成する各素子の入力信号間の位相を異ならせることにより、前記放射軸を変えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の超音波流量計。
  7. 相互に隣接する素子の配置間隔が、前記超音波の2分の1波長であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の超音波流量計。
  8. 前記音響整合層は、薄肉部を介して前記流体と接していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の超音波流量計。
  9. 前記音響整合層には、放熱部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波流量計。
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