JP5286907B2 - 光路制御部材及びバックライトユニット並びにディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
この種の液晶表示装置は、表裏両面を偏光板41,42で挟んだ液晶パネル43からなる液晶表示部40が上部に位置して配設され、液晶表示部40の下面側である光入射面側には、冷陰極管等からなる複数の光源ランプ30が液晶表示部40の平面方向に沿って配設され、さらに、液晶表示部40の光入射面側に拡散フィルム50のような光学シートが設けられている。
このような液晶表示装置では、光源ランプ30から射出される光Lは拡散フィルム50で拡散され、液晶パネル43の表示エリアに集光される。
なお、光源ランプ30からの光を効率よく照明光として利用するために、光源ランプ30の背面には高反射率の光反射板32が配置されている。また、複数の光源ランプ30はランプハウス31内に収容されている。
高反射率の光反射板32は、白色顔料である酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した材料を、所定のパターン、例えばドットパターンにて印刷後、乾燥させて形成したものであり、光を射出面側へ導く役割を担った高輝度化を図るための工夫が施されている。
この光学素子は、集光機能を有する構造体、すなわち光透過性の基材と、この基材の一方の面に複数の単位レンズを一定のピッチで配列形成してなるレンズシートを備え、基材の一方の面と反対の面に、各単位レンズの集光部分にそれぞれ臨む光透過部と各単位レンズの非集光部分にそれぞれ臨む光反射部が並列して設けられている。
このような光学素子をバックライトユニットの光路制御部材として用いる場合は、拡散板を経由して入ってくる照明光源からの光に対し、光透過部に入る光をレンズシートを通して外部へ出射させ、それ以外の光を光反射部で光源側に戻す役割を果たしている。光反射部で戻された光は、光源側の光反射板32などで再度反射され、再び照明光源として光透明層を通ってレンズシートに入射され、単位レンズから外部へと出射される。
このようにして、光反射部によって課題となっていた横方向に出射される利用できなかった光を抑制し、照明光源からの光を無駄なく効率良く再利用することが可能となる。この光学素子を示す周知技術としては、特許文献1に示すものが知られている。
しかしながら、これらの難燃剤を加える場合、難燃剤自身が光学素子内を透過する光を拡散反射させて光の透過を妨げる要因となり、高い透明性を損なう可能性が考えられる。また、難燃剤を添加させることで、これまでの光学素子特性や機能を損なうことも起こり得る。さらには、添加した難燃剤が表層に染み出すこともありうることから、有害性のある難燃剤を使用することはできなくなる。
また、分子構造に難燃性となる官能基を付与して高分子材料自体の難燃性を向上させる試みも成されているが、一般的に従来の光学素子向け材料よりも高価なものになることが多く、難燃性に優れた光学素子を提供することが困難となっていた。
前記光学素子は、光透過性の基材層と、前記基材層の一方の面に形成された複数の集光用の単位レンズとを有するレンズシートを備え、
前記基材層の一方の面と反対の面の前記各単位レンズの集光部分に位置する箇所に光透過部が設けられ、前記各単位レンズの非集光部分に位置する箇所に光反射部が設けられ、
前記光反射部は難燃性材料を含んで構成され、
前記光拡散板は前記光学素子の光入射面に接着層もしくは粘着層を介して接着され、
前記接着層もしくは粘着層は水酸化アルミニウムを含んで構成されている
ことを特徴とする光路制御部材である。
請求項2の発明は、前記光反射部は、波長540nmの入射光に対する反射率が70%以上であり、かつ前記光反射部の入射面に反射率が100%の反射層を重ねた場合に波長540nmの入射光に対する反射率が90%以上であることを特徴とする請求項1記載の光路制御部材である。
請求項3の発明は、前記光反射部は、光を反射する白色顔料及び金属粒子の何れか一つ、またはこれら白色顔料及び金属粒子の組合せからなることを特徴とする請求項1または2記載の光路制御部材である。
請求項4の発明は、前記光反射部は、光を反射する金属蒸着層からなることを特徴とする請求項1または2記載の光路制御部材である。
請求項5の発明は、前記光反射部は、重量比で1〜40%の難燃性材料を含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の光路制御部材である。
請求項6の発明は、前記光学素子と反対の前記光拡散板の光入射面に光透過層を介して単位レンズ群が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の光路制御部材である。
請求項7の発明は、前記光拡散板は難燃性材料を含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光路制御部材である。
請求項8の発明は、
光源と、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の光路制御部材を少なくとも備える、
ことを特徴とするバックライトユニットである。
請求項9の発明は、
画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、請求項8記載のバックライトユニットを備える、
ことを特徴とするディスプレイ装置である。
図1は本発明の実施の形態における光学素子の概略断面図である。
この図1において、光学素子10は、入射された光を出射する際に当該光の出射方向、出射範囲、輝度分布の何れか1つを少なくとも制御するもので、シート状の光透過性の基材層3と、この基材層3の一方の面に半円柱状のシリンドリカルレンズ構造を呈する多数の単位レンズ3aを平面方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズシート4を備える。多数の単位レンズ3aは、基材層3の一方の面と反対の面から入射される光を集光して出射するものである。
なお、単位レンズ3aは半円柱状のシリンドリカルレンズ構造のものに限定されず、半球状の凸型マイクロレンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成した構造のものなどであってもよい。
基材層3の一方の面と反対の面の各単位レンズ3aの集光部分に位置する箇所にはストライプ状の開口部(特許請求の範囲に記載した)1が感材層5を介して並列に設けられ、さらに、上記反対の面の各単位レンズ3aの非集光部分に位置する箇所にはストライプ状の光反射部2が感材層5を介して並列に設けられている。
開口部1は、図示省略した光源からの光Lを透過させてレンズシート3に入射するものであり、また、光反射部2は光Lを光源側に反射させるものである。この光反射部2は難燃性材料を含んで構成されている。
なお、開口部1及び光反射部2は単位レンズ3aの構造に対応してストライブ状に形成されているが、これに限らず、要は単位レンズ3aの集光部分に光透過用の開口部が形成され、単位レンズ3aの非集光部分に光反射部が形成された構造のものであればよい。
基材層3は、単位レンズ3aを形成する際の基材を担い、製造上基材層3上に上記記載の工法で単位レンズ3aを形成する。
基材層3に用いられる材料は、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーカーボネート系樹脂などの透明性の高い樹脂を一例として挙げることができる。また、この基材層3は、単位レンズ3aと同じ材料でも良く、また、単位レンズ3aの成形加工時に両面同時に製造加工することで、単位レンズ3aと基材層3を一括して得ることも出来る。
また、光反射部2を構成するバインダー材料としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは、ポリエステルアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系のオリゴマー又はアクリレート系等からなる光硬化性樹脂などの透明樹脂が一例として挙げられる。
光反射部2の厚さは、開口部1の高さ及び光の反射を制御するためにも5ミクロン以上が望ましく、さらには10ミクロンから30ミクロンの厚さであることがより望ましい。
また、トリフェニルホスフェイトやホスファゼンに代表される有機リン系化合物、メラミンホスフェイト、メラミンシアヌレイト等に代表されるメラミン系化合物をあげることができる。その他に、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩、酸化アンチモン、等に代表される無機化合物からも選択することができる。これらに代表される難燃性材料は、単独で使用してもよく、複数を混ぜ合わせて使用しても良い。
さらには、光反射部2は高い反射特性を必要とすることから、これに含まれる難燃性材料としては、光を強く反射させる白色材料または金属材料がより望ましい。これらの光を強く反射させる難燃性材料を用いる場合、含まれる難燃性材料の比率を高めることが可能となる。
また、光反射部2に難燃性を付与するには、難燃性が付与された構造を有する高分子材料を用いることでも可能となる。用いる材料としては、ポリフォスファゼン等の主鎖構造にリン原子を含む材料等に代表される透明性の高い高分子材料が望ましい。さらには、難燃性高分子材料にこれまで述べてきた難燃性材料を添加させることで、より難燃性を向上させることも可能となる。
次に、本発明の光学素子を用いた光路制御部材の実施の形態について図2を参照して説明する。
図2は本実施の形態2における光路制御部材の概略断面図である。
光路制御部材20は、図2に示すように、上記実施の形態1に示した場合と同様な構成要素からなる光学素子10と、この光学素子10の開口部1と光反射部2の光入射面に粘着または接着層6を介して接着された光拡散板7を含んで構成される。
光拡散板7は、図示省略した光源からの光Lを拡散して光学素子10に向け出射するためのものである。
ここで、粘着または接着層6は、光反射部2と拡散板7とを貼り合せるためのものであり、感材層5と粘着または接着層6の間には開口部1が形成される。この開口部1内は、例えば、空気や窒素等の気体で充満している。
また、粘着または接着層6に用いられる材料は、光を透過させるために透明性に優れた材料が好ましく、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着材または接着材が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、拡散板7と光学素子10が剥離またはずれてしまう可能性がある。また、開口部1を確保するために、粘着または接着層6の中に透明な微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。また、粘着または接着層6は、透明な樹脂層を含む多層構造でも良く、単層で用いても良い。
さらには、難燃性が付与された拡散板7と一体化させることで、より光学素子を含む光路制御部材全体の難燃性を向上させることが可能となる。
次に、本発明の光学素子を用いた光路制御部材の他の実施の形態について図3を参照して説明する。
図3は本実施の形態3における光路制御部材の概略断面図である。
光路制御部材23は、図3に示すように、上記実施の形態1に示した場合と同様な構成要素からなる光学素子10と、この光学素子10の開口部1と光反射部2の光入射面に粘着または接着層6を介して接着された光拡散板7と、開口部1及び光反射部2と反対側である光拡散板7の光入射面7aに積層された光透過層22と、光拡散板7と反対側である光透過層22の光入射面22aに設けられた裏面用の単位レンズ群21とを含んで構成される。
上記粘着または接着層6と光拡散板7は、上記実施の形態2で記述した場合と同様な構成になっている。
次に、本発明の光路制御部材を用いたバックライトユニット並びに液晶ディスプレイ装置の実施の形態について図4を参照して説明する。
図4に示す液晶ディスプレイ装置100は、液晶表示部(特許請求の範囲に記載した画像表示素子に相当する)40と、この液晶パネル40の光入射側に臨ませて配置されたディスプレイ用のバックライトユニット101を備える。
バックライトユニット101は、上記実施の形態2に示した場合と同様な構成要素からなる光路制御部材20と、この光路制御部材20の光入射側に配置された直下型の照明用光源102を備える。
なお、バックライトユニット101は、直下型のバックライトに限らず、エッジライト型のバックライトであってもよい。
照明用光源102は、光路制御部材20の光拡散板7の下面に沿って等間隔に配列され、白色光を出射する冷陰極管などからなる複数のランプ30と、複数のランプ30からの光を効率よく照明光として利用するために、複数のランプ30の背面に配置された高反射率の光反射板32とを備える。また、複数の光源ランプ30はランプハウス31内に収容されている。
したがって、照明用光源102からの光Lは光路制御部材20を通して液晶表示部40に向け出射される。これにより、液晶パネル40から画像信号によって表示制御された表示光を視認面側Fに向けて出射することで画像を表示する。
また、ランプ501は冷陰極線管に限らず、LEDまたはELまたは半導体レーザーなどを使用でき、白色光を出射できるものであれば、どのような光源用ランプを採用してもよい。また、この実施の形態3に示す液晶ディスプレイ装置の光路制御部材として、上記実施の形態3に示す構造の光路制御部材を用いることができる。
実施例1では、上記実施の形態1に示す光学素子10の具体例および難燃性の評価方法並びに評価結果について説明し、実施例2では、上記実施の形態2に示す光路制御部材20の輝度比較結果について説明する。
先ず、基材層3となるPETフィルム上に、ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂を塗布し、半円柱状のシリンドリカルレンズ構造を呈する単位レンズ3a群を配列形成してなる形状に切削したシリンダー金型を使用して単位レンズ3a群と基材層3とからなるレンズシート4を作製した。次に、単位レンズ3a群と反対側の面にUV硬化型感材層5を貼り合わせた上に、未硬化の粘着材にウレタン樹脂と酸化チタンからなる厚みが15ミクロンの光反射部3を積層し、最後に単位レンズ3a群側からUVを照射して開口部1と光反射部2のパターンを形成して光学素子10を作製した。
次に、上記と同じ方法で光反射部2に難燃性材料として水酸化アルミニウムを添加した光学素子10を作製した。水酸化アルミニウムと酸化チタンの重量比は、1対10、1対5、1対2として燃焼試験を行った。
温度23℃、湿度55%の環境下において、厚みが0.2mmの短冊状(125mm×13mm)にした光学素子サンプルの長尺方向の一端部をクランプで挟み、サンプルの下に金網を設けて水平に固定した。次に固定した側と反対の長尺方向の他端部にバーナー炎を10秒間あてて、その燃焼性および燃焼時間を計測比較した。燃焼性の観察および計測した燃焼距離と燃焼速度は、同じ条件を3回繰り返し行った結果の平均値を用いている。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように、難燃性材料である水酸化アルミニウムを添加させることで、光学素子10の難燃性を向上させることができることを確認した。
先ず、基材層3となるPETフィルム上に、ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂を塗布し、半円柱状のシリンドリカルレンズ構造を呈する単位レンズ3a群を配列形成してなる形状に切削したシリンダー金型を使用して単位レンズ3a群と基材層3とからなるレンズシート4を作製した。次に、単位レンズ3a群と反対側の面にUV硬化型感材層5を貼り合わせた上に、未硬化の粘着材にウレタン樹脂と酸化チタンからなる厚みが15ミクロンの光反射部3を積層し、最後に単位レンズ3a群側からUVを照射して開口部1と光反射部2のパターンを形成して光学素子10を作製した。
この得られた光学素子10に接着層6を介してポリスチレン製拡散板7に貼り合わせて光路制御部材20を作製した。これは、光拡散板7上にロールコーターを用いて主成分がアクリル系樹脂の接着剤を塗布し、この上に作製した光学素子10をロールラミネーター装置で貼り合わせた後、80℃のオーブンで1時間接着剤を硬化させることで得た。
作製した光路制御部材20を液晶ディスプレイ装置に組み込み、この液晶ディスプレイ装置を点灯させてそれぞれの輝度を測定した。輝度計測は、(株)トプコンテクノハウス製のSR−3Aを用いて行った。図示した輝度は同じ条件を3回繰り返し行った結果の平均値を用いている。その結果を図5に示す。
図5から明らかなように、難燃性材料である水酸化アルミニウムを添加させても、光学素子10および光路制御部材20の輝度を低下させないことを確認した。同様の光学素子10および光路制御部材20を用いて、水平方向や垂直方向の配光特性に変化がないことも確認した。
Claims (9)
- 入射された光を出射する際に当該光の出射方向、出射範囲、輝度分布の何れか1つを少なくとも制御する光学素子と、前記光学素子の光入射面側に設けられた光拡散板とを備えることを特徴とする光路制御部材であって、
前記光学素子は、光透過性の基材層と、前記基材層の一方の面に形成された複数の集光用の単位レンズとを有するレンズシートを備え、
前記基材層の一方の面と反対の面の前記各単位レンズの集光部分に位置する箇所に光透過部が設けられ、前記各単位レンズの非集光部分に位置する箇所に光反射部が設けられ、
前記光反射部は難燃性材料を含んで構成され、
前記光拡散板は前記光学素子の光入射面に接着層もしくは粘着層を介して接着され、
前記接着層もしくは粘着層は水酸化アルミニウムを含んで構成されている
ことを特徴とする光路制御部材。 - 前記光反射部は、波長540nmの入射光に対する反射率が70%以上であり、かつ前記光反射部の入射面に反射率が100%の反射層を重ねた場合に波長540nmの入射光に対する反射率が90%以上であることを特徴とする請求項1記載の光路制御部材。
- 前記光反射部は、光を反射する白色顔料及び金属粒子の何れか一つ、またはこれら白色顔料及び金属粒子の組合せからなることを特徴とする請求項1または2記載の光路制御部材。
- 前記光反射部は、光を反射する金属蒸着層からなることを特徴とする請求項1または2記載の光路制御部材。
- 前記光反射部は、重量比で1〜40%の難燃性材料を含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の光路制御部材。
- 前記光学素子と反対の前記光拡散板の光入射面に光透過層を介して単位レンズ群が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の光路制御部材。
- 前記光拡散板は難燃性材料を含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光路制御部材。
- 光源と、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の光路制御部材を少なくとも備える、
ことを特徴とするバックライトユニット。 - 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、請求項8記載のバックライトユニットを備える、
ことを特徴とするディスプレイ装置。
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