JP5286362B2 - アジテータミル - Google Patents

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Description

本発明は、請求項1の前提部分(プリアンブル部分、所謂おいて部分)に記載されたアジテータミルに関する。
この種類のアジテータミルは、特許文献1から公知である。このアジテータミルでは、ケージを支承する最後尾の撹拌機ディスクと、隣接する撹拌機ディスクとの間の距離は、残りの撹拌ディスクの互いとの距離よりも相当小さい。その理由は、最後尾の撹拌機ディスクを除く各撹拌機ディスク間の距離が、各々の場合に、いわゆる編組状流れ(Zopfstroemungen、braided flows)が発生し、すなわち、撹拌機ディスクに隣接して、撹拌機ディスクによって適用される接線運動量の結果として粉砕材料が補助の粉砕体と共に外向きに流れるようなものであることにある。隣接する撹拌機ディスクの間の中央領域では、粉砕材料及び補助粉砕体は、撹拌機シャフトに向かって後方に流れる。前述の編組状流れが発生できるように、隣接する撹拌機ディスクの間の距離は十分に大きくなければならない。この距離はまた、2つの線によって囲まれるいわゆる分離角度によって定義される。一方の線は、撹拌機シャフトの撹拌機ディスクの半径方向内側の端部の間に延びる。他方の線は、撹拌機シャフトの軸に対し平行に延びる。このような編組状流れの発生のために、分離角度は、30°〜60°でなければならない。まだ十分に粉砕されていない粉砕材料粒子を含む粉砕材料からの補助粉砕体の特に優れた分離を達成するために、最後尾の撹拌機ディスクと隣接する撹拌機ディスクとの間の距離は、著しく低減され、この結果、予備篩分けが分離装置の上流で行われる。これによって、補助粉砕体の及びまだ十分に粉砕されていない粉砕材料粗粒子の少なくとも実質的な部分が、最初に分離装置に入らないことが達成され、次に、この分離装置で、残りの補助粉砕体及び粉砕材料粗粒子の二次分離が行われる。このことは、これらの措置により、能動的な粉砕室のサイズ低減及び分離面積全体の拡大がもたらされるという不都合を有する。
欧州特許第0751830B1号明細書
本発明の目的は、補助粉砕体及び十分に粉砕されていないすべての粉砕材料粗粒子の優れた分離を同時に可能にしつつ、装置の全長を拡大することなくより強い粉砕及び分散プロセスが行われるように、一般型のアジテータミルを設計することである。
上記目的は、本発明に従って請求項1に記載の特徴部分の特徴によって達成される。本発明の措置によって、強い粉砕及び分散プロセスが最後尾のディスクと隣接する撹拌機ディスクとの間でも行われ、プロセスに必要な編組状流れが同様にこの領域に形成されることが達成される。このことは、最後尾の撹拌機ディスクの凹部によってもたらされる。補助粉砕体及び十分に粉砕されていないすべての粉砕材料粗粒子の分離は、先行する接線方向の加速のもとで離装置内で行われ、このプロセス中に、補助粉砕体及びまだ十分に粉砕されていないすべての粒子は、ケージ内の開口部を通して遠心分離して実質的に半径方向に排出され、これに対し、微細に粉砕されまた分散された粉砕材料は、ケージ内で再び方向付けられ、篩を通して排出される。
従属請求項は、有利な実施態様を含む。
本発明の追加の利点、特徴及び詳細は、図面を参照して実施形態の次の説明から明らかになるであろう。
アジテータミルの部分的に切り開いた概略側面図である。 アジテータミルの出口領域の第1の実施形態の図面である。 アジテータミルの出口領域の第2の実施形態の図面である。 アジテータミルの出口領域の第3の実施形態の図面である。 アジテータミルの出口領域の第4の実施形態の図面である。 アジテータミルの出口領域の第5の実施形態の図面である。 撹拌機ディスクの斜視図である。 ケージを有する最後尾の撹拌機ディスクの斜視図である。 撹拌機ディスクの追加の実施形態の図面である。 ケージを有する最後尾の撹拌機ディスクの追加の斜視図である。 図10の断面線XI−XIに沿った最後尾の撹拌機ディスクの部分断面図である。
図面に示したアジテータミルは、粉砕容器2が着脱自在に取り付けられる機械フレーム1を有する。機械フレーム1には、ベルト駆動部4を介してアジテータ6の撹拌機シャフト5を駆動する駆動モータ3が配置される。撹拌機シャフト5は、機械フレーム1内の軸受7に回転可能に支持される。粉砕容器2それ自体の中では、具体的に機械フレーム1の反対側の粉砕容器の端部で、撹拌機シャフト5は支持されず、すなわち、撹拌機シャフトは機械フレーム1に片持ちで支持される。
粉砕容器2は、撹拌機シャフト5が貫通するカバー8によって機械フレーム1に対しシールされ、この場合、シールはシャフトシール9によって行われる。カバー8の領域において、粉砕材料入口11は、粉砕容器2によって囲まれる粉砕室10内に開く。粉砕材料入口11の反対側の粉砕容器2の端部から、粉砕室を閉じる底部12から粉砕材料排出ポート13が外側に開く。
撹拌機シャフト5には、アジテータ6の部分として、撹拌機ディスク14の形態でそれぞれ形成された撹拌機器具又は撹拌機工具が固定され、この場合、撹拌機ディスクはそれらの外周領域に開口部15を有する。撹拌機シャフト5の軸16の方向に隣接する各撹拌機ディスク14の間の距離aは、各々の場合に同一である。カバー8から、カバー8のすぐ隣の隣接する撹拌機ディスク14の距離のみが距離aよりも小さい。
図2から理解できるように、底部12に隣接するアジテータ6の最後尾の撹拌機ディスク17は、締結ねじ18によって撹拌機シャフト5に締結される。アジテータ6の隣接する最後から2番目の撹拌機ディスク14からのこの撹拌機ディスク17の軸方向距離a’は、隣接する各撹拌機ディスク14の間の前述のそれぞれの軸方向距離aと同一である。すべての攪拌機ディスク14の直径b及び撹拌機ディスク17の直径b’は、同様に同一である。
最後尾の撹拌機ディスク17の外周に、最後尾の撹拌機ディスク17と一体に形成できる円筒状ケージ19が形成される。円筒状ケージは、その周囲にわたって分布された複数の開口部20を有する。最後尾の撹拌機ディスク17の撹拌機シャフト5に隣接して形成される通路22は、撹拌機ディスク17とケージ19とによって囲まれる分離室21内に開く。
底部12の分離室21に、軸16と同心に篩分け装置23が配置される。篩分け装置23は底部12に締結される。具体的には、篩分け装置23は、底部12から解放した後に引き抜くことができるよう締結される。したがって、篩分け装置は、回転できないように粉砕容器2に接続される。粉砕材料排出ポート13は、篩分け装置23の内部24から外側に開いている。篩分け装置23は、公知の方法で当該篩分け装置の円筒状周囲に狭い間隔で配置される複数の環状ディスクによって形成することができる。撹拌機ディスク17の内部、ケージ19及び篩分け装置23は、このように分離装置25を形成する。撹拌機ディスク17に隣接して、篩分け装置23は閉鎖エンドプレート26を有する。篩分け装置23の内部24は、このように篩分け装置23のみを介して分離室21に接続される。
撹拌機ディスク17に、最も近い隣接する撹拌機ディスク14に面して、開口部15と同一の断面を有するが、分離室21内に通じない、撹拌機ディスク14の開口部15とそれぞれ同一形状の凹部/溝27が形成される。すなわち、凹部27は分離室21側で閉じられる。凹部は、通路22の半径方向外側に位置する。
操作モードは次の通りである。操作中、粉砕室10は、補助粉砕体28によって相当程度に充填される。粉砕材料入口11を通して、図示しないポンプによって、流動可能な粉砕材料が粉砕室10を通して連続的にポンプ供給される。操作中、アジテータ6は、駆動モータ3によって回転駆動される。粉砕材料は、粉砕材料排出ポート13によって形成される粉砕材料出口に向かって粉砕室10を通して流れる。この流れの間、粉砕材料は、補助粉砕体28による強力な剪断応力を受け、その結果、粉砕材料粒子が粉砕され、粉砕材料はさらに均質化される。このプロセスは、編組状流れ29が、図1と図2に示したように隣接する撹拌機ディスク14、及び14と17それぞれの間に発生するように行われる。編組状流れは、粉砕材料及び補助粉砕体28が2つの隣接する撹拌機ディスク14の間の中央領域におけるよりも、それぞれの撹拌機ディスク14、及び14と17にそれぞれ隣接してより強い接線運動量を受けるものと説明することができる。この結果、撹拌機ディスク14、及び14と17にそれぞれ隣接して、補助粉砕体28及び粉砕材料は外側により多く流れ、これに対し、2つの隣接する撹拌機ディスク14、及び14と17それぞれの間の中央領域では、補助粉砕体及び粉砕材料は、撹拌機シャフト5に向かって内向きに流れて戻る。この粉砕プロセス及び均質化プロセスは、それらのそれぞれの同一の距離aとa’及びそれらのそれぞれの同一の直径bとb’及びそれらの同一の回転数のため、全ての撹拌機ディスク14、及び14と17それぞれの間で同一である。凹部30により、最後尾の撹拌機ディスク17’と、隣接する撹拌機ディスク14との間においても、記載した編組状流れ29が上述の編組状流れ29と同一であることが保証される。
粉砕室10を通して流れる時間単位当たりの粉砕材料の量に応じて、粉砕室10を通した軸流が編組状流れ29に重ね合わせられる。最後から2番目の撹拌機ディスク14と撹拌機ディスク17との間の最後の編組状流れ29から、粉砕材料及び補助粉砕体28の部分流が、撹拌機シャフト5に隣接する撹拌機ディスク17の通路22を通してケージ19内の分離室21に出る。これらの部分流の合計は、粉砕材料入口11を通して供給されかつ粉砕材料排出ポート13を通して排出される粉砕材料の体積流に実質的に一致する。部分流は、撹拌機ディスク17と非回転の端部プレート26とによって形成された間隙空間30において、軸16に対し接線方向に外側に再び方向付けられ、接線方向に加速される。撹拌機ディスク17の回転運動の結果、粉砕材料及び補助粉砕体28は、間隙空間30で再び外向きに方向付けられた特に高い加速に駆動され、このことは、補助粉砕体28及び潜在的になお残っている特に粗い粉砕材料粒子に特に当てはまる。これらの粉砕材料粒子及び補助粉砕体28は、ケージ19の開口部20を通して外側に遠心分離して排出される。補助粉砕体28及び十分に粉砕されていない粉砕材料粗粒子は、このように、編組状流れ29に戻される。ケージ19を通して遠心分離されない程度の粉砕材料は、端部プレート26の外周26bとケージ19との間の環状間隙26aで軸流方向に再び方向付けられ、篩分け装置23を通して排出される。補助粉砕体28、及び適用可能な場合、すべての大きな粉砕材料粒子の分離は、したがって、分離装置25内のみで行われる。
図3による実施形態は、間隙空間30’がケージ19により密接に接近するように、端部プレート26’が篩分け装置23を半径方向に越えてケージ19の近傍に延びるという点で、上述の実施形態とは異なる。
図4による実施形態は、間隙空間30’が前述の実施形態におけるよりも大きな軸方向幅を有するように、篩分け装置23’が上述の実施形態におけるよりも小さな軸方向延長部を有するという点で、図2の実施形態とは異なる。この結果、粉砕材料は、補助粉砕体28と共に、間隙空間30’’の遠心場で、すでにより多くの時間を費やしており、この結果、粉砕材料及び補助粉砕体28はすでに顕著な半径方向速度を有する。
図5による実施形態では、エンドプレート26は、図4による実施形態と同様に配置され、さらに中間壁31が撹拌機ディスク17’とエンドプレート26との間でアジテータ6に固定され、前記中間壁はアジテータ6と共に回転して、間隙空間30’’を境界付け、この間隙空間で、粉砕材料及び補助粉砕体28の混合物が、上述の実施形態の場合よりも大きく半径方向外向きに加速される。
図5による実施形態のこの中間壁31は、締結ねじ18によって撹拌機シャフト5に締結されるが、図6による実施形態の中間壁31’は、周囲に分布される翼のようなスペーサ32によって撹拌機ディスク17に直接固定される。中間壁31と31’の各々は、少なくともエンドプレート26を越えて半径方向に延び、この結果、c≧dであり、ここで、cは中間壁31又は31’それぞれの直径であり、dはエンドプレート26の直径である。好ましくはc>dであり、この場合、対応する中間壁27’は、ケージ19から近接距離内に延びる。中間壁31と31’それぞれは、撹拌機ディスク17、17’と共に回転するので、粉砕材料及び補助粉砕体28の加速は、この場合に特に高い。
図5と図6による実施形態では、ケージ19を通して遠心分離しない程度の粉砕材料は、環状間隙31a又は31’aそれぞれにおいて、外周31b又は31’bあるいは中間壁31又は31’とケージ19との間で、軸流方向に再び方向付けられ、篩分け装置23を通して排出される。
編組状流れ29の発生に関し、攪拌機ディスク14、17、17’の直径bと、それらの軸方向距離a、a’との間の関連する相関関係を説明するために、定義のため、いわゆる分離角度α又はβが使用されていることを指摘したい。分離角度α又はβは、2つの線33と34の間に形成される。線33は、撹拌機シャフト5の撹拌機ディスク14の内側端部35から、隣接する撹拌機ディスク14の外縁36に延びる。他方の線34は軸16に対し平行の線である。分離角度βは、最後尾の撹拌機ディスク17又は17’それぞれと、最も近い隣接する撹拌機ディスク14との間の角度である。前記編組状流れ32を発生するため、次のこと、すなわち30°<α<60°及び30°<β<60°が分離角度に適用される。言い換えれば、このことは、最後尾の撹拌機ディスク17又は17’と、最も近い隣接する撹拌機ディスク14との間の分離角度βが、同様に、距離aとa’が同一でない場合であっても前記編組状流れ29が発生するようなものであることを意味する。
水平軸16を有するアジテータミルについて、提示した実施形態の各々に説明したが、当然、本発明は垂直軸を有するアジテータミルにも適用可能である。
撹拌機ディスク14の開口部15は、円断面を有することができる(図7から理解できるように)。撹拌機ディスク17の凹部27は、したがって、図8に示したように円形に形成される。
図9によれば、撹拌機ディスク14の開口部15’は、ほぼ外向きに拡がる台形断面を有することができる。同一のことが、図10から理解できるように、対応する撹拌機ディスク17の凹部27’に当てはまる。
最後に、撹拌機ディスク17、17’の通路22は、図11のみに示されているように、能動的に搬送するように形成することができる。この場合の通路の壁部37は、軸16に対し平行に延びず、回転方向38に対しかつ流れ方向39において、すなわち、エンドプレート26又は26’に向かう方向に、あるいは中間壁31に向かう方向において角度が付けられ、軸16に平行な線に対し角度γだけ遅れて(傾斜して)いる。この結果、粉砕材料及び補助粉砕体28は、通路22に引き込まれて、通路を通して間隙空間30に特定の強度で押入される。したがって、上述の部分流の合計は、実際に、粉砕材料入口11を通して供給されかつ粉砕材料排出ポート13を通して排出される粉砕材料の合計体積流にほぼ一致し、この場合、この領域では、存在する編組状流れ29のため、補助粉砕体28の通常の濃度が粉砕材料に存在し、補助粉砕体は同様に通路22を通して移送される。上述の実施形態では、角度γ:γ=0°が適用される。能動的に搬送する通路22の実際の実施形態に関し、0°<γ<45°が適用される。

Claims (6)

  1. − 粉砕室(10)を囲み、一方の端部で粉砕材料入口(11)が開口し、他方の端部で粉砕材料排出ポート(13)が開口する粉砕容器(2)を備え、
    − 軸(16)を有し回転駆動可能な撹拌機シャフト(5)と、前記撹拌機シャフト(5)に固定され、かつ前記粉砕材料排出ポート(13)に隣接して配置された直径b’の最後尾の撹拌機ディスク(17、17’)と、前記最後尾の撹拌機ディスク(17、17’)の軸方向上流に互いに軸方向距離aを置いて前記撹拌機シャフト(5)に固定された直径bの撹拌機ディスク(14)と、を有し、前記粉砕室(10)内に配置されたアジテータ(6)を有し、
    − 前記撹拌機シャフト(5)に隣接して前記最後尾の撹拌機ディスク(17、17’)に形成された、分離装置(25)内に開く通路(22)を有する
    アジテータミルであって、
    前記アジテータ(6)にあっては、隣接する上流の撹拌機ディスク(14)同士が分離角度αを定義し、前記最後尾の撹拌機ディスク(17、17’)と前記隣接する撹拌機ディスク(14)とが分離角度βを定義し、
    各分離角度α、βが、前記撹拌機シャフト(5)上の撹拌機ディスク(14、17、17’)の半径方向内側の端部(35)と、隣接する撹拌機ディスク(14)の外縁(36)との間の線(33)と、前記軸(16)に対し平行の線(34)とによって形成され、
    30°<α<60°が適用される、アジテータミルにおいて、
    30°<β<60°が、前記最後尾の撹拌機ディスク(17、17’)と、前記隣接する撹拌機ディスク(14)との間の分離角度βに適用されることと、
    前記最後尾の撹拌機ディスク(17、17’)の前記隣接する撹拌機ディスク(14)に面する側に凹部(27)が設けられ、前記凹部(27)が、前記最後尾の撹拌機ディスク(17、17’)における前記通路(22)の半径方向外側に形成されること
    を特徴とする、アジテータミル。
  2. 前記凹部(27)が、開口部(15)と同一の断面であることを特徴とする、請求項1に記載のアジテータミル。
  3. すべての撹拌機ディスク(14、17、17’)の直径bが同一であることを特徴とする、請求項1に記載のアジテータミル。
  4. すぐ隣の隣接する撹拌機ディスク(14)からの前記最後尾の攪拌機ディスク(17、17’)の距離a’が、すべての上流側撹拌機ディスク(14)の互いからの距離aと同一であることを特徴とする、請求項1に記載のアジテータミル。
  5. すべての撹拌機ディスク(14、17)の直径b、b’が同一であることを特徴とする、請求項1に記載のアジテータミル。
  6. 回転方向(38)にて、前記通路(22)が篩分け装置(23)に向かって撹拌機シャフト(5)に傾斜するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のアジテータミル。
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