本発明は、超小型電子接触子上及び、複数の超小型電子接触子を担持する接触器上に正確な基準位置合わせ目標を設けるための方法及び装置を提供する。以下の詳細な説明において、同様の要素の番号を一つ又はそれ以上の図において示す同様の要素を説明するのに利用する。
図1を参照すると、本発明の一実施形態において、位置合わせ目標116が超小型電子ばね構造100に設けられている。ばね構造100は、従来技術において公知であるような種々の仕方で構成することができる。図1に示す実施形態において、ばね構造100は、2000年12月22日に提出された自己の同時係属中の特許出願第09/746716号に開示されているような構成であり、この特許出願は、参照することによって、その内容を全て本願に組み入れることとする。すなわち、超小型電子ばね構造100は、柱状要素又はポスト104の群、その柱状要素の群を横切って、その柱状要素の群に固定されている片持ち梁状ビーム102、片持ち梁状ビームの、柱状要素の群から遠位端部分の接触子先端114からなる。代替的な実施形態では、例えば1998年2月13日に提出された自己の同時係属中の特許出願第09/023859号に開示されているようなリソグラフィによって付着されているポスト要素が、柱状要素104の代わりに利用される。本発明で使用される好適な超小型電子ばね接触子の付加的な例示及び、そのような接触子を製造するための方法は、例えば、自己の同時係属中の、1998年2月13日に提出された特許出願第09/023859号、1999年7月30日に提出された特許出願09/364788号、2000年11月9日に提出された特許出願第09/710539号によってもたらされ、これらの特許出願の全ては、参照することによって、その内容の全てを本願に組み入れることとする。
先の特許出願のそれぞれは、基板上の犠牲層の上に、又は犠牲層の中に弾力的な材料を付着させ(電気メッキによるような)、さらに犠牲層を取り除くことによって超小型電子ばね構造を製造するための方法、並びに結果として生じるばね構造を開示している。犠牲層は、型を形成するための特別な成形加工工具を使用して成形用(プラスチック)層に型を付けることによるなどして、基板から上方又は離れて延伸する傾斜した領域又は輪郭付けられた領域を有するように形作られている。代替的には、又は付加的に、犠牲層はその下方の基板を露出する開口がもたらされるようにパターン付けられている。シード層を、犠牲層及び/又は基板の露出されている領域の上に付着し、所望のばね構造又はばね構成要素の平面形状にパターン付ける。さらに弾力的な層をシード層上にメッキする。犠牲層を除去して、構造100と同様の構造をもたらすように次に組み立てられるビーム及び/又は先端、ポスト構成要素が残される。実施形態によっては、付着ステップ/パターン付けステップが、基板に取り付けられる底部部分並びに、底部部分から延伸する輪郭付けられた及び/又は傾斜したビームを有するバネ構造をもたらすために、組立は必要とされない。しかしながら先の構造のそれぞれは、パターン付けマスキング工程/エッチング工程を利用して正確に形成され、ばね接触子構造に組み立てられる接触子先端を含む。したがって本発明は、先の構造及び方法のそれぞれとともに利用するのに容易に適合し、超小型電子接触子構造に対する接触子先端の正確な形成のための類似の条件をもたらす他の何らかの構造に容易に適合する。
図1を参照すると、超小型電子接触子構造100は、先端構造110を取り付けるための基準面として機能する上面108を有するビーム102からなる。表面108の厳密な平面性を達成するために、ビーム102は、リソグラフィ工程によって、例えば先に参照した特許出願第09/023859号に記載のような犠牲層又は基板上に弾力的な材料を例えば付着させることによって形成されることが好ましい。本発明において、「犠牲層」とは、超小型電子ばね接触子要素のような所望の構成要素又は構造を形成する間に、基板上に付着され、後に基板から取り除かれるホトレジストのような材料を意味する。「犠牲基板」とは、その形成の間に、超小型電子ばね構成要素のような所望の構成要素又は構造に取り付けられ、後にその構成要素又は構造から取り除かれる基板を意味する。構造100が接触子先端114及び/又は先端構造110を取り付けるための基準平面108をもたらす限りにおいて、構造100の残余の細部は種々の異なる仕方で構成することができる。本発明の例示的な用途を示す目的のために、構造100の他の細部を以下に開示するが、それによって本発明が制限されないことは明らかである。
構造100のビーム102は柱状要素104により基板106に固定されている。基板106は、半導体ウエハのような半導体デバイスのための接触器からなる。このような接触器は、対向する主面の端子及び、第1表面の各端子と第2表面の対応する端子とを接続する電気的な内部トレースを有するセラミック材料製の特別な形状のスラブをしばしば含む。代替的には、基板106は、例えばプローブカード又は他のプリント回路基板、あるいはシリコンチップ又はウエハのような半導体デバイス、あるいはセラミック材料、あるいは電気的コネクターのような他のいくつかの電子部品を含むことがある。柱状要素104は典型的には、例えば相互接続基板もしくは介在体基板、又は半導体ウエハもしくはダイ、又は製品又は試験相互接続ソケットのような電子部品の回路要素にさらに接続される基板106の端子(図示せず)に、あるいはセラミック又はプラスチック製半導体パッケージ、あるいはチップキャリアに取り付けられる。
接触子先端114はビーム102の表面108に取り付けられる。本発明の一実施形態では、接触子先端114は、表面108にさらに載置されているパッド(支柱)112に取り付けられている。接触子先端114及びパッド112はともに、先端構造110を含む。さらに先端構造110は位置合わせ目標116を含む。パッド112はビーム102の上面108の上方に接触子先端114を持ち上げるのに使用され、それによって接触子先端は、構造100の他の如何なる部分よりも前に、適合する電子部品の表面と接触する。代替的な実施形態では、ビーム102が柱状要素104及び基板106から離れて傾斜するような場合、パッド112が省略され、かつ接触子先端114及び位置合わせ目標116が表面108に直接取り付けられる。どちらの場合にも、接触子先端114及び位置合わせ目標116は、犠牲基板上に形成され、ビーム102にともに取り付けられ、したがって接触子先端それ自体に対して少なくともできるだけ正確に位置合わせすることに関する位置合わせをもたらすのに必要な、接触子先端に対する位置合わせ目標の正確な位置決めがもたらされる。
図2Aは構造100の側面図である。接触子先端114は、ビーム102の自由端の方に配置されている位置合わせ目標106に対して、柱状要素104の方に(すなわちビーム102の固定された基部の方に)、パッド112上で配置されていることが好ましい。この位置関係は、先端114が適合する端子に対して押し付けられた場合に、くずがビーム102の固定端部(基部)に向かって押される傾向があるために、位置合わせ目標上にくずが堆積するのを防ぐことを助長する。またビームの自由端の方に位置合わせ目標を配置することによって、ビームの自由端がその固定基部に近接した部分よりも適合する基板からより離れて押し付けられる傾向があるために、位置合わせ目標と適合する基板の間の意図しない接触を防ぐことが助長される。適合する基板との接触は、目標を傷つけ又はくずで見えなくし、したがって通常は望ましくない。しかしながらある用途に対しては、ビーム102の自由端(遠位端)の方に位置合わせ目標を配置することができる十分な空間がないことがある。他の場合には、遠位端に近接した位置が他の理由により不利であるように、ビームが異なるように構成されている。このような用途に対して、位置合わせ目標116は、図3Cの平面図に示すように、ビーム102の固定基部に近接して配置される。
図2Bは、先端構造110の側面図を示し、パッド112上の接触子先端114及び位置合わせ目標116の相対的な寸法及び位置を例示的に示す。接触子先端114は、高さ「h1」及びその頂点における平坦な表面118を有する切頭ピラミッド形状とすることができる。本発明の他の実施形態では、接触子先端を、切頭頂点を有さないピラミッド形状とすることも、又は切頭先端を有するもしくは有さないプリズム形状とすることも、又は半球体のような他の何らかの適する形状とすることもできる。ピラミッド形状及びプリズム形状は、それらが十分な裏付けのある持ち上げられた先端をもたらすことのできる先細り形状であり、かつピラミッド形状又はプリズム形状のピットをもたらすように、その結晶平面に沿って非等方的にシリコンをエッチングし、さらに電鋳鋳型としてそのシリコンのピットを使用することによって容易に形成することができるため通常利用される。しかしながら本発明は接触子先端の特定の形状に制限されない。
同様に、同じシリコンエッチング技術及びメッキ技術を利用して、接触子先端114と同じ犠牲基板上に目標116を形成することが有利であるために、位置合わせ目標116もまたプリズム形状又はピラミッド形状とすることができる。適合する構成要素と意図せずに接触することを防ぐために、目標116は、例えば「h1」の約四分の一から四分の三の間の高さであるような実質的に「h1」よりも低い高さ「h2」を有することが好ましい。「h1」と「h2」の間の相違の程度は、用途の要件及びばね接触子の幾何学的形状に非常に左右される。例えば接触子先端の「内側」、すなわち図3Cに示すようにビームの固定端に隣接して配置されている位置合わせ目標は、適合する構成要素との意図しない接触を防ぐために及び位置合わせ目標にくずが積層しないように比較的低くなければならない。それに対して、接触子先端の「外側」、すなわち図2A及び2Bに示すように接触子先端に対してビームの自由端の方に配置されている位置合わせ目標は、接触子先端に対して幾分低いだけでよい。もちろん接触子先端と位置合わせ目標の相対的な高さがどうであろうとも、位置合わせ目標が、適合する構成要素と接触することがないように位置決めされていることが一般に好ましく、これは通常位置合わせ目標が接触子先端よりも実質上低いことを意味している。
その結果、図2Bに示すように、特にピラミッド形状又はプリズム形状の造作が利用される場合には、位置合わせ目標の幅「w」は、接触子先端の幅よりも一般に狭くなる。同時に目標の幅は、目標のある接触器を位置合わせするのに使用される視覚システムにおいて、十分に見ることのできる大きさが少なくとも必要である。したがって対応する接触子先端よりも目標の高さを低く維持したまま、より容易に分析することのできる造作をもたらすように、例えばその長さである位置合わせ目標の少なくとも一つの寸法が大きいことが有利である。
図3Aに平面図で示すプリズム形状の位置合わせ目標116がそのような取り組みを例示する。目標116は、図3Bに平面図で示すピラミッド形状の位置合わせ目標120と対比することができる。目標120及び116は、同じ幅「w」及び同じ高さ「h1」を有するが、目標120は平面図において正方形であるのに対して、目標116は平面図において細長い矩形であり、パッド112の幅に対して実質上延伸している。目標120の平面領域とほぼ等しい分析することのできる最小の造作寸法を有する視覚システムにおいて、目標は単一の画素又は画素の小さな集団として見える。それ自体は、積層されたくず又は酸化物のような不整を含む周囲環境から区別することは困難である。このような不整は、位置合わせ目標を判別することを困難とするまだらな背景を生成する単一の画素又は画素の不整な集団として見える。比較すると、目標116は周囲環境に対して視覚的なコントラストにおいてより立ち上がるような画素の線として見える。図3Cに示すように、本発明の一実施形態において、位置合わせ目標116はパッド112の幅方向の長さ「l2」よりも短い長さ「l1」を有し、それによって開放された領域が位置合わせ目標116の両端部に存在する。終点又は中点のような
線の地点が選択されて、参照点として利用される。
本発明の他の実施形態において、パッドのようなスラブ形状の位置合わせ造作が、接触子先端のパッドから随意に隔置されて、接触子構造上に設けられている。例示的な円形のスラブ形状の位置合わせパッド126を図4A〜4Bに示す。本質的に、パッド126は、超小型電子接触子を形成する工程の異なるステップにおいて製造される位置合わせ目標の形態である。図4Aは、ばね接触子ビーム102の先端部分上の目標126及び隣接する先端構造110の側面図である。図4Bは、同じ構造の平面図である。位置合わせ目的で形作られて配置されているこのようなスラブ形状のパッドは、ある用途に対して特に有効であり、例えば位置合わせ目標に利用できる高さが非常に限られている場合、接触子先端114がエッチング工程/メッキ工程以外の工程において形成される場合、比較的大きな位置合わせ構造が所望されている場合に有効である。位置合わせパッド126は、接触子先端パッド112と同じ工程ステップにおいて形成されてビーム102に取り付けられることが好ましく、したがって接触子先端114に対する正確な位置合わせ精度が達成される。位置合わせパッド126は、パッド112から分離されて隔置され、先端114からのくずによる汚染が防止され、より確かな視認性を有することが好ましい。また位置合わせパッド126は、より確かな視認性のために、明瞭な形状を有することが好ましい。円形の形状は、円の中心を参照点として利用するために容易に定めることができ、比較的大きな円は容易に視認することができるので特に好ましい。しかしながら他の如何なる形状をも利用することができる。
図5A〜5Eは例示的な接触器に対する先の構造の適用を図解する。接触器130は、典型的にはセラミック材料製の概してスラブ形状の基板132を含む。本発明で使用する「接触子」とは、半導体デバイスの電気的試験の間、ウエハ形状の半導体デバイスと電気的な接続を形成するための特化した装置を含む。加えて「接触子」は、複数の接触子要素を有する他の何らかの装置を含み、例えば、限定するのではないが、何らかの形式の適合する構成要素との接触を形成するための超小型電子ばね接触子を含み、このとき接触器上の接触子が視覚システムで利用される適合する構成要素と位置合わせされる。
図5Aに示すように、典型的な接触器は複数のばね接触子136を含み、言い換えると複数の群138に配列されているばね接触子を含む。本発明の一実施形態では、複数のばね接触子136の大部分が位置合わせ目標を備えていない。選択されたいくつかのばね接触子、例えば4つのばね接触子134に位置合わせ目標が設けられている。目標を付けられた接触子134が、全ての接触子136の位置が目標を付けられた接触子の位置から正確に決められるように配置されている。多くの用途に対して、少なくとも3つ又は4つの位置合わせ目標が、接触器の位置合わせをするのに必要とされる。しかしながら代理機能性を目的として、目標を付けられた付加的な接触子134が設けられ、例えば各群138に目標を付けられた接触子を設けることができる(図示せず)。接触器130及び接触子136が一定の比率で描かれていないことは明らかである。さらに明瞭に図解するために、接触子136は、半導体ウエハ用途で典型的であるよりも接触器130に対して幾分大きく図解されている。接触器130及び接触子136、並びにこれらの構成要素を製造する方法の詳細は、従来技術において公知であり、またさもなくば組み込まれている参照文献に開示されている。
図5Bは接触器130上のばね接触子138の群を示す拡大図である。ばね接触子の典型的な交互配置136が明らかであり、ばね接触子は各ばね接触子142の接触子先端114及び個別のビーム102からなる。ポスト又は柱状要素は各ばね接触子のビーム102の背後に隠れている。また独特の形状のパッド140が明らかである。パッド140のような比較的大きなパッドは、より大きな位置合わせ目標に対する空間を付加的にもたらし、又はそれ自体位置合わせ目標として機能することがある。パッド140の独特の形状によって、目標のついた接触子134を容易に配置することができる。比較的大きな寸法であり、独特の形状であることにより、パッド140は視覚システムの低い倍率を利用して配置することができる。さらに視覚システムの倍率が、接触器134上に位置合わせ目標を配置するように拡大される。
図5Cは、目標の付けられている接触子134及び目標の付けられていない隣接する接触子142を示す。目標の付けられている接触子134及び目標の付けられていない接触子142の構成要素は、この拡大図においてより明らかとなる。各接触子142のパッド112及び接触子先端114、ビーム102が明らかである。また各接触子134の先端114及びパッド140、位置合わせ目標116が明らかである。また接触子142、134の自由端146及び固定端148をそれぞれ示す。本発明の一実施形態では、目標の付けられていない接触子142及び目標の付けられている接触子134が、同じ形式のビーム102及び接触子先端114を備えている。しかしながら代替的な実施形態では、目標の付けられている接触子134は、目標の付けられていない接触子142とは異なるビーム構成及び/又は接触子先端構成を利用することができる。例えば本発明の一実施形態では、構造134は位置合わせ目標に対する支持としてのみ機能し、接触子先端を有さない。
図5Dは、ビーム102の自由端146におけるパッド140の拡大図を示す。図2A〜2Bに関して先に記載したようなプリズム形状の位置合わせ目標116がパッド140に設けられている。代替的には、パッド140の円形部分が位置合わせ造作として使用され、目標116が省略されている。又は1より多い数の位置合わせ目標が同じパッド140上に設けられ、例えば目標116のような2つの平行な位置合わせ目標を設けることができる。図5Eに示すように、2つの交差するプリズムからなる十字形状の目標144は、十字の交差点において参照点を示すのに特に役立つ。先に述べた目標のそれぞれは、以下で記載するようにリソグラフィマスキング工程/エッチング工程を利用して形成される。
図6は、本発明の位置合わせ目標を製造する方法の例示的なステップの間、レジスト層152により覆われている犠牲基板150の斜視図を示す。典型的に、基板150はシリコン基板であり、好ましくは、ばね接触子の設けられる接触器の表面と少なくとも同じ大きさの領域にわたって延伸している平坦な表面を有する。十分に一様であり、パターン付けられたレジスト層の下方で一様にかつ予測可能にエッチングされる平坦な表面をもたらすことができるのであれば、他の基板材料を利用することができる。レジスト層152は、従来技術で公知であるように、何らかのホトレジスト材料とすることができる。層152は、パターン付けられ、接触子先端が所望される場所に正方形の開口154(多くのうちの4つを示す)と、位置合わせ目標が所望される場所に矩形の開口156(多くのうちの1つを示す)がもたらされる。正方形の穴部は下にある基板がエッチングされるとピラミッド状のピットを生じ、矩形の穴部はプリズム形状のピットを生じることが明らかである。例えば十字形状、円錐状、切頭円錐状などの他の形状を基板及び開口形状の適切な組合せによりもたらすことができる。
図7Aは、基板152のエッチングの後、正方形の開口154及び矩形の開口156を例示的に示す断面図である。本発明の一実施形態では、エッチングはピラミッド状のピットが完全にエッチングされる前の時点で、エッチングが停止される。この点で、プリズム形状のピット160は、過剰にエッチングされているが、ピット158よりも狭い。これによりピット158の深さはエッチング溶液に曝される時間によって主に制御され、一方ピット160の深さは開口156の相対的な寸法によって主に制御される。ピット160が開口156の端部にエッチングされた後、さらなるエッチング(「過剰なエッチング」)は、隣接するピット158のエッチングよりもよりゆっくりと進行されなければならない。したがって異なりしかも制御可能な深さの隣接するピットの製造が達成される。
図7Bは、以下のようなさらなる処理の後の基板の同じ部分を示す。所望のピットの深さが達成されると、エッチングは停止され、レジスト層152は従来技術で公知のように取り除かれる。典型的には、導電性シード層及び/又は解放層は、基板の表面上に適用され、後続の電気メッキ及び基板150からの先端構造の解放を容易にする。シード層及び/又は解放層164に対する好ましい材料は、従来技術において公知であり、又は組み込まれている参照文献に記載されている。第2のレジスト層は、従来技術で公知のように適用され、位置合わせ目標に対する先端構造及び支持パッドを電気メッキするためのパッド形状の開口166を曝すようにパターン付けされる。図7Bは、ピット158及び156双方の上に配置されている単一の開口を示す。しかしながら所望であれば、2つの別個の開口(それぞれのピット156、158の上に1つ配置されている)を別個に形成されているパッドに対して設けることができる。さらに例えば位置合わせ目標がパッド形状である立ち上がらない位置合わせ目標が形成される実施形態では、ピット156は省略される。
さらにパッド形状の開口166が、電気メッキによるなどして、1つ又はそれ以上の金属層168、170によって充填され、図7Cに示すように充填された開口がもたらされる。層168、170の構成は従来技術で公知である。如何なる層の数又は構成をも利用することができ、したがって本発明は制限されない。さらに最上層170の露出表面172は、化学機械研磨によるなどして平坦化され、第2のレジスト層162が取り除かれ、図7Dに示し、先に記載したような、パッド112及び接触子先端114、位置合わせ目標116からなる先端構造110が現れる。複数の類似の先端構造、例えば、目標116のような位置合わせ目標とともに何か、接触子先端又は位置合わせ目標のどちらか1つのみと他のもの、接触子先端又は位置合わせ目標を全く有さないおそらく他のものを、実質上同じ面にある露出表面を有する基板150上に存在させることができることは明らかである。さらにこのような先端構造は、例えば図5A〜5Cに示すようなばね接触子のアレイに容易に接合される。先端構造110は種々の形状とすることができ、先の段落で議論したピラミッド形状に制限されない。
図7Eは、ビーム102を先端構造110に接合するステップの間の、例示的な接触子構造134の断面を示す。ハンダペーストのような接合材料178が、従来技術で公知のように、表面172上に正確に施される。基板150は好適な保持取り付け具内に配置され、複数の接触子構造をその表面の適所に備えている基板106が、基板150に対して平行の関係で下方へ下げられ、例えば接触子構造134である各接触子構造が例えば構造110である対応する先端構造と位置合わせされるように位置合わせされる。基板は、接合材料が先端構造110及びビーム102双方と接触するまでともに移動される。さらに接合材料は、例えば熱せられることにより活性化され、この接合材料はさらに表面張力により先端構造とビームをともに、接合材料が硬化する(冷却によるなどして)相対的に一様な位置に引っ張る。接合されるべき材料の表面特性の慎重な制御、単位面積当たりに適用する接合材料の量、基板106及び150の位置合わせ、硬化条件(温度のような)は、概して接触器基板にわたる非常に多くの先端構造上の接着剤の一様な厚みを生じさせる。接着剤の厚みは、接触子先端と位置合わせ目標のz方向の位置(基板106に垂直な方向)に影響を及ぼすことが知られている。x方向及びy方向(基板106に平行な面内の位置)は、犠牲基板及びパターン付けマスキングステップによって固定されている。したがって隣接する先端構造及び位置合わせ目標の位置は、基板を横切る3つの方向において要求される正確さで定めることができる。位置合わせの正確さは、主要な位置合わせ目標に関連して、基板を横切る選択された接触子先端の測定された位置と予想された位置を比較するによって裏付けることができる。相違が特定の公差を超えるのであれば(例えば半導体デバイスの端子のピッチの二分の一)、基板は修理又は廃棄されなければならない。
位置合わせ目標は、接触子先端を担持する構造と正確に同等な接触子構造上に配置されている必要はない。また目標の位置合わせ機能は、接触子先端が取り付けられている表面と実質上同一平面の取付表面を設けるように構成されている持ち上げられたプラットホーム上にそれらを配置することによって達成することができる。持ち上げられたプラットホームは弾性体であり、又は実質上剛直であるように(すなわち実質上弾力的でない)支持される。基板106上でばね接触子184に隣接する実質上剛直な持ち上げられたプラットホーム180の平面図を図8Aに示す。図8Aに示す構成は、先端構造194に接触子「超小型チップ」182及び対応する小さな接触子構造184を使用する用途において望ましい。構造184は、位置合わせ目標188、192を支持するには小さすぎる。したがって比較的大きなビーム186を備える持ち上げられたプラットホーム180が、位置合わせ目標を取り付けるために設けられている。よって位置合わせ目標188、192は超小型チップ182と同じ犠牲基板上に形成され、基板106上の構造180、184に超小型チップとともに移される。位置合わせ目標と超小型チップとの間の位置合わせは、先に記載したのと同じ仕方で達成される。
特にプラットホームの背後に見える先端構造194及び接触子構造184の部分とともにプラットホーム180の横断面図を図8Aに示す。パッド形式の位置合わせ目標192は、隆起構造及び凹所構造のない平滑な表面を有する。窪んだ位置合わせ目標188がパッド190の上面に設けられている。ビーム186は、4つの柱部104によってその長さ方向に沿って支持され、したがってばね接触子184の片持ち梁状ビームに対して実質上剛直である。
位置合わせ目標が接触子先端に対して大きい場合には、目標192のようなパッド形式の目標、又は目標188のような窪んだ目標を使用することが好ましいかもしれない。隆起した位置合わせ目標は、接触子先端によってもたらされる間隔が小さいために、このような用途には余り適さない。さらに超小型チップのような接触子先端は、位置合わせ目標が持ち上げられていない場合、例えばパッド190の表面下方の目標188及び/又はパッド形式の目標192である場合でさえも、十分な垂直方向の隙間をもたらさない。したがって図8Bに示すように、超小型チップの基部の下方に位置合わせ目標に対するパッド及びパッド形式の目標を窪ませることがさらに望ましい。しかしながら同時に、位置合わせ目標及び/又はそれらのパッドは、目標と先端の間の正確な位置合わせを維持する目的において、超小型チップと同じ犠牲基板状に形成することが好ましい。同じ犠牲基板上に所望の構造を達成するために、先に記載したのとは異なる連続した製造ステップを利用する。
図9A〜9Fは、超小型チップに隣接して比較的大きな位置合わせ目標を形成するための例示的な連続ステップの間の、基板及びその基板上に積層された材料の断面を示す図である。犠牲基板200はシリコン又は先に記載した他のエッチング可能な材料である。第1のレジスト層202が付着され、何らかの窪んだ位置合わせ目標が形成されるべき場所の真上を除いて、基板200の大部分を曝すようにパターン付けされる。さらに基板200は、エッチングされて、レジスト202の残る領域の下に突出部をもたらす。突出部の形状は、基板200のエッチング特性、使用されるエッチング方法、レジスト領域202の形状に依存する。例えば結晶性シリコン基板上の矩形のレジスト領域をアンダーエッチングすることにより、接頭プリズム形状の突出部がもたらされる。そのような2つの突出部204の例示的な断面図を図9Aに示す。
さらに第1のレジスト層202が取り去られ、第2のレジスト層206が適用され、先端構造が形成されるべき箇所に開口208のようなパッド形状の開口が曝されるようにパターン付けされる。再度基板はエッチングされ、図9Bに示す凹所209のような複数のパッド形状の凹所がもたらされる。
さらに第2のレジスト層が取り去られ、第3のレジスト層210が適用され、接触子先端が形成されるべき箇所に開口212のような複数の小さな開口をもたらすようにパターン付けされる。再度基板200がエッチングされ、図9Cに示すピット214のような複数のピラミッド状のピットが形成される。
さらに第3のレジスト層が取り去られ、シード層/解放層(図示せず)が適用される。第4のレジスト層(図示せず)が基板200に適用され、図7Bに関連して先に記載したのと同様に、突出部204及びピット214の上にパッド形状の開口をもたらすようにパターン付けされる。さらに基板は、1つ又はそれ以上の金属層をメッキされ、開口が実質上充填され、露出したメッキ領域が、図7Cに関連して先に記載したのと同様に平坦化される。第4のレジスト層が取り除かれ、図9Dに示すように、複数の先端構造194及びパッド190内の窪んだ位置合わせ目標188が現れる。先端構造及びパッドは、図7Eに関連して先に記載したのと同様に、複数の接触子構造に接続するのに適するように平坦化された取付平面216を有する。したがって図8A〜8Bに示すのと同様の構造が製造される。
また位置合わせ目標が、例えばさらに選択エッチング又はレーザーマーキングにより、先端構造を製造した後に先端構造に付加できることは明らかである。概して接触子先端と同じリソグラフィステップにおいて位置合わせ目標を形成することが好ましいが、これは常に可能なわけではない。例えばある場合には、位置合わせ目標を設けることなく製造された接触器に、位置合わせ目標を付加することが望ましい。以下の例示は、後のステップにおいて位置合わせ目標を付加するための方法を例示する。
図10Aを参照すると、先端構造312のパッド300は、例えば上述の工程の1つにより製造することのできる接触子先端314を含む。随意的に、構造312はばね構造のビーム302に取り付けることができる。目標領域304は、位置合わせ目標が配置されるべきところに設けられている。図10Bにおいて、レーザー位置合わせシステム324は、低出力のビーム326を接触子先端314に方向付け、さらに目標位置320にまで所定の距離オフセットすることによって位置合わせすることができる。さらにレーザー324が、明確な目標316(図10C参照)を生成するのに十分な、高出力のビーム328を放出するように発射される。目標位置316(レーザービームの目標)は、例えば、示す方向でx及びyだけオフセットされ、所定の空間距離ずらされている。付加的にオフセットはz方向(図示せず)のオフセットを含む。図10Cに示すように、目標316はレーザービームの目標の中心に画定されている。目標316のような後に形成される目標を参照点として利用する接触器も位置合わせが可能である。さらなる例示的な仕方によって、目標316の直接的な付着が、気相有機金属前駆体及びイオンビーム直接書き込みを利用して達成される。接触子先端314が目標とされ、さらにイオンビームアシスト金属付着が利用され、接触子先端から離れるようにずれて画定されている目標316の造作が生成される。
本発明のある実施形態では、接触子先端の相対的な位置(単数又は複数)が、測定され、データファイル又はデータベースに記録される。このデータは、設計工程から得ることができ、又は光学的なもしくは他の測定方法により、製造後に直接測定される。このようなデータは、接触器の接触子先端と位置合わせ目標の間のオフセット量が接触器をわたる接触子から接触子まで幾分変化する複数の接触子及び位置合わせ目標を有する接触器に対して特に有用である。このような変化は、例えば位置合わせ目標がレーザーによって形成されているような場合、位置合わせ目標が接触子先端と同じリソグラフィステップにおいて形成されない場合に、より多く発生すると考えられる。このようなデータを得るために、接触器上の接触子先端のチップのような単一の点が参照点として選択されることが好ましい。時に、接触子先端の全てが参照点に対して実質上固定されているが、その上、正確な位置決めのために、接触子先端の位置を測定することが望ましいと考えることができる。1つ又はそれ以上の隣接する接触子先端に対する各位置合わせ目標の位置がさらに測定される。測定されたオフセットから、オフセット距離における何らかの変化に関わりなく、固定されている参照点に対する位置合わせ目標の座標が画定される。さらに座標のデータは、試験操作に対して接触子先端を位置合わせして配置するのに利用される試験システム内に入力され、したがって接触器と試験されるデバイス又はウエハの間の最適な位置合わせが達成される。
超小型電子接触子要素の対応するアレイを位置合わせ目標を利用して位置合わせして接触させる方法を以下に例示する。アレイは、第1のアレイ及び第2のアレイからなり、第1のアレイの対応する接触子要素と第2のアレイの対応する接触子要素の間で接触を達成することが目的である。第1のアレイの接触子要素は、第1のアレイに対して実質上固定されている複数の接触子先端及び複数の位置合わせ造作を含む。前述のように、第1のアレイの接触子要素の選択されたものはそれぞれ、さらに接触子先端から隔置されている位置合わせ造作からなる。第1のアレイはプローブカードの接触子要素からなり、第2のアレイはウエハの接触子要素からなるが、それによって本発明は制限されない。
最初のステップとして、方法は、第1のアレイの複数の接触子先端の選択されたものに関して複数の位置合わせ造作の座標を画定する。これは、直接的な測定によって、又はパターン付け-マスキング工程/エッチング工程を利用して形成される要素間の公知の関係に基づき達成される。第2のアレイは、試験システムの枠に取り付けられているウエハチャックに保持されることによるなどして、公知の位置に保たれる。また第1のアレイは、試験システムの対応する可動式の試験ヘッドに載置されている。アレイが適する試験システムに載置される場合、第2のアレイに関する第1のアレイの位置が、座標を利用して、第2のアレイに関する複数の位置合わせ造作の測定された位置を変換することによって画定される。すなわち第1のアレイの接触子先端の位置は、位置合わせ造作の位置を測定し、座標データに基づき適切な補正を適用することによって画定される。さらに第1のアレイは、第2のアレイ及び第1のアレイの対応する接触子要素の間に接触が達成されるまで、その画定された位置に基づき、第2のアレイに対して配置される。接触子先端の位置は、位置合わせ工程の間、所望される度に繰り返し画定される。この方法を利用することによって、試験工程の間、接触子先端それ自体の場所を見つけ又は測定することを何ら必要とすることなく、接触子先端を、第2のアレイの対応するパッド又は他の接触要素と正確に接触するように配置することができる。
したがって超小型電子接触子上の基準位置合わせ目標の好ましい実施形態を開示したが、システムの範囲内のある利点の達成されることが当業者には明らかである。また本発明の有効範囲内及び精神の範囲内において、種々の改変、適用、代替的な実施形態を実施できることは明らかである。例えば接触子先端を有するパッド上又はそのようなパッドに隣接した基準位置合わせ目標を図解したが、先に記載した本発明の思想は、アレイの接触子先端と同じ製造ステップにおいて接触子のアレイに取り付けられる(又は接触子のアレイ上に形成される)何らかの基準目標に等しく適用されることは明らかである。さらにまた発明の思想は、同一場所に配置されている接触子先端に対する位置合わせ又は測定において、本明細書で示すものとは異なる超小型電子接触子の他の形式に配列されている位置合わせ目標に適用することもできる。例えば位置合わせ目標は、バックリング形式のプローブのような、本来弾力性のない接触子要素又は薄膜プローブカードに配置される。同様に少なくとも1つのアレイの接触子要素上の位置合わせ目標を利用して接触子要素のアレイを位置合わせする方法は、特定の形式の接触器又は装置を利用することに制限されない。むしろ本方法は、接触子要素の先端又は点に関する位置合わせ又は測定において、位置合わせ目標又は造作を配置することができる接触子要素の何らかのアレイとともに利用される。本発明はさらに、添付の特許請求の範囲によってさらに画定される。