JP5285165B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
しかしながら、NMIはマスク不可能な割込みであるため、電源断が検出された時点でどのような処理が実行されていたとしても強制的にNMIが発生してしまう。このため、遊技制御処理やサブルーチン等の複雑な処理が実行されている最中にNMIが発生した場合には、CPUのレジスタやプログラムカウンタ等の処理中の内容を他のメモリにバックアップ(退避、保存)し、また、電源復帰時にはバックアップしたデータを元に戻して中断された処理を再開するといった制御を行う必要があった。このため、バックアップのためにメモリを大量に消費するとともに、電源断発生時の処理や電源復帰時の処理を行うプログラムが複雑になるという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電源断検出処理及び電源復帰時の処理が複雑になることを防止できる遊技機を提供することを目的とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記実行制御手段は、前記所定の遊技制御処理を繰り返し実行するルーチンにおいて、前記割込みルーチンが所定回数実行される毎に実行される処理であるメインルーチン内遊技制御処理を行い、前記メインルーチン内遊技制御処理が終了する毎に、前記割込みルーチンの実行を禁止した後、前記電源断検出処理を実行することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記割込みルーチンは、所定の周期で発生するタイマ割込により起動され、前記実行制御手段は、前記割込みルーチンにおいて、電源の供給が途絶えた場合に発生する電源断検出信号を検出する処理を実行することを特徴とする。
この発明によれば、遊技機は、所定の周期で起動される割込みルーチンにおいて、ポーリングにより電源断検出信号の検出を行うことができるため、規則正しく電源断検出信号の検出を正確に行うことができる。
図1に示すように、パチンコ機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3が設けられている。打球供給皿3の下部には、遊技球を発射するハンドル5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための特別図柄表示装置9が設けられている。特別図柄表示装置9には、例えば、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。特別図柄表示装置9の上部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個のランプを有する始動記憶表示器18が設けられている。この例では、始動記憶表示器18は、始動入賞がある毎に4個を上限として点灯しているランプを1つずつ増やす。そして、特別図柄表示装置9の可変表示が開始される毎に点灯しているランプを1つ減らす。
発射装置から打ち出された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が普通図柄作動ゲート11を通ると、普通図柄表示装置10の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、遊技球が始動入賞口14に入ると、図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄表示装置9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
停止時の特別図柄表示装置9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。さらに、高確率状態では、普通図柄表示装置10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。
電源部40は、図示せぬ外部電源から24ボルトの交流電源の供給を受け、当該交流電源をパチンコ機1で使用する複数の定電圧の直流電源や粗整流の直流電源に変換する。そして、電源部40は、変換後の各種直流電源を主制御部31、払出制御部37、演出制御部32、及び、図柄制御部80に供給する。
また、電源部40には、電源回路やコンデンサ等のバックアップ電源41が搭載されている。電源部40は、外部電源からの電源の供給を監視し、電源の供給が途絶えた場合に、電源断検出信号を主制御部31及び払出制御部37に送信するとともに、バックアップ電源41を供給する。また、RAMクリアSW(ラムクリアスイッチ)42からの操作信号を受けて、ラムクリア信号を主制御部31及び払出制御部37に送信する。
特別図柄始動SW(スイッチ)17は、遊技球が始動入賞口14に入賞するのを検出した場合に、検出信号を主制御部31に送信する。普通図柄始動SW(スイッチ)15は、遊技球が普通図柄作動ゲート11を通過するのを検出した場合に、検出信号を主制御部31に送信する。カウントSW(スイッチ)23は、遊技球が大入賞口20に入賞するのを検出した場合に、検出信号を主制御部31に送信する。一般SW(スイッチ)16は、遊技球が一般入賞口19,24に入賞するのを検出した場合に、検出信号を主制御部31に送信する。
払出計数SW(スイッチ)47は、賞球が払出装置97により払い出されるのを検出した場合に、検出信号を払出制御部37に送信する。払出通路玉切SW(スイッチ)187は、球貯留タンクから払出装置97間における払出通路内の遊技球の有無を検出し、遊技球がないことを検出した場合に検出信号を払出制御部37に送信する。皿満タンSW(スイッチ)48は、打球供給皿3に貯留されている遊技球が満タンになったことを検出した場合に、検出信号を払出制御部37に送信する。
主制御部31は、パチンコ機1の裏側に設けられた図示せぬ主制御基板で構成される。主制御基板にはマイクロコンピュータが搭載されている。主制御部31は、各スイッチ17,15,23,16から入力される信号を解析し、解析結果に基づいて、制御コマンドを大入賞口開閉装置201、特別図柄始動口開閉装置141、及び、演出制御部32に送信する。また、主制御部31は、各種遊技状態を示す信号をホールコンピュータとの接続端子34に送信する。
図4には、CPU56の構成を示す。CPU56は、汎用レジスタ、フラグレジスタ、インデックスレジスタ、スタックポインタ、割込みレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタ、命令レジスタ、命令レコーダ、演算装置、制御装置等を備えている。各レジスタは、演算結果、次に読み込む命令のアドレス、実行状態等を保持する。
遊技関連制御用変数使用領域55aには、パチンコ機1に電源断が発生したか否かを示す電源断発生情報が記憶される「電源断発生情報フラグ」領域と、電源復帰後のRAM55に異常がないかを確認するためのチェックサムが記憶される「チェックサムバッファ」領域と、各種スイッチから入力された信号の状態が記憶される「入力状態フラグn(n=1、2、・・・)」領域と、割込みルーチンを実行した回数が記憶される「割込み回数カウンタ」領域と、割込みルーチンで検出される電源断検出信号が連続してオンであった(つまり、電源断の状態が検出された)回数(電源断検出回数)が記憶される「電源断信号オンカウンタ」と、確率変動時間短縮機能を実現するために用いられる「回数切りカウンタ」と、が設けられている。
CPU56がROM54に記憶されている遊技制御用プログラムに従って処理を実行することにより、主制御部31は実行制御手段及び電源断検出手段として機能する。
実行制御手段は、電源投入時に起動されるメインルーチンと、当該メインルーチンの実行中に所定の周期(本実施の形態では2ms)で発生するタイマ割込みにより起動される割込みルーチンと、の実行を制御する手段である。
また、パチンコ機1は、サブ基板として、演出制御部32、表示灯制御部35、音声制御部70、図柄制御部80、払出制御部37、及び、発射制御部91を備えている。
払出制御部37は、パチンコ機1の裏側に設けられた図示せぬ払出制御基板で構成され、賞球の払出を制御する。払出制御部37は、主制御部31と同様、CPU、ROM、RAM、及び、I/Oポートを備えており、払出制御部37のCPUがROMに記憶されている払出制御用プログラムに従って処理を実行することにより、払出制御部37は実行制御手段及び電源断検出手段として機能する。
払出制御部37で実行される割込みルーチンにおいては、主制御部31からの払出制御コマンドを検出する処理と、電源部40からの電源断検出信号に基づいて電源断検出回数を計数する処理とが行われる。払出制御部37のタイマ割込みは、主制御部31と同様に2ms毎に発生する。
払出制御部37の電源断検出手段は、電源断検出処理を実行する手段である。ここで、払出制御部37の電源断検出手段が、実際の電源断発生時点から電源断が発生したと判断し電源断時処理を行うまでの時間は、主制御部31の電源断検出手段よりも長くなるように設計されている。本実施の形態においては、払出制御部37の電源断検出手段は、電源断信号オンカウンタが“4”(電源断検出回数が4回)であった場合に電源断が発生したと判断する。
[メインルーチン]
図6は、主制御部31のCPU56が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。まず、パチンコ機1に対して電源が投入されると、CPU56は、ROM54に記憶された遊技制御プログラムに従い、RAM55をワークエリアとして用いてメインルーチンを実行する。メインルーチンにおいて、CPU56は、まず、必要な初期設定処理を行う。
具体的には、CPU56は、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS101)。次に、割込みモードを“2”に設定する(ステップS102)。本実施の形態で用いられるCPU56には、マスク可能な割込み(INT)のモードとして、カウンタタイマを使用する割込みモード“2”が用意されている。なお、マスク可能な割込みが発生すると、CPU56は、他の割込みを禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をRAM55のスタック領域55bにセーブする。
次に、内蔵デバイスレジスタの設定を行う(ステップS104)。具体的には、内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行う。そして、電源投入時のウエイト処理を行う(ステップS105)。
次に、I/Oポート57からラムクリア信号の読み込みを行い、パチンコ機1に設けられているラムクリアスイッチ42が押されているか否かの判定を行う(ステップS106)。ラムクリア信号がオンである場合にはラムクリアスイッチが押されている(オンである)と判断し(ステップS106:Y)、RAM55の初期化処理を行う(ステップS111〜)。
ステップS111以降のRAM55の初期化処理では、CPU56は、まず、RAM55をクリアする処理を行う(ステップS111)。また、RAM55の遊技関連制御用変数使用領域55aに初期値を設定する初期値設定処理も行う(ステップS112)。
次いで、CPU56は、割込み禁止状態に設定した後に(ステップS115)、電源断検出処理(ステップS116)、及び、初期値更新乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値更新乱数更新処理(ステップS117)を実行する。ここで、初期値更新乱数とは、所定周期毎に変更する大当り判定用乱数カウンタの初期値を決定するための乱数である。
なお、ステップS115における割込み禁止状態の設定は、CPU56が割込み禁止命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを禁止に設定したり、マスクレジスタをセットすることによって実現され、ステップS118における割込み許可状態の設定は、割込み許可命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを許可に設定したり、マスクレジスタをリセットすることによって実現される。
ステップS120において、CPU56は、RAM55に記憶されている割込み回数カウンタの値をチェックし、値が2以上である場合には(ステップS120:N)、割込み回数カウンタをクリアし(ステップS121)、ステップS122からステップS128において以下のメインルーチン内遊技制御処理を実行する。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、主制御部31のCPU56が実行する割込みルーチンについて説明する。
本実施の形態では、CPU56の内蔵CTCが2ms毎に繰り返しタイマ割込みを発生するように設定される。そして、タイマ割込みが発生すると、CPU56は割込みルーチンを起動し実行する。この割込みルーチンでは、CPU56はステップS201においてレジスタの退避処理を実行した後、ステップS202からステップS205において以下の割込みルーチン内遊技制御処理を行う。
次に、図8を参照して、割込みルーチンにおける電源断検出信号チェック処理(図7のステップS206)について詳細に説明する。
まず、カウンタ値として“0”をセットする(ステップS301)。
次に、電源部40から出力される電源断検出信号をI/Oポート57からポーリングにより入力し、当該電源断検出信号がオン(high)かオフ(low)かを判定する(ステップS302)。電源断検出信号がオフであると判定された場合には(ステップS302:N)、電源断の状態が検出されなかったことになるため、電源断検出信号オンカウンタの値を“0”にリセットする(ステップS305)。
一方、電源断検出信号がオンであると判定された場合には(ステップS302:Y)、電源断の状態が検出されたことになるため、カウンタ値として、電源断検出信号オンカウンタのアドレスで示される領域のカウンタ値をRAM55からロードし(ステップS303)、そのカウンタ値に“1”を加算する(ステップS304)。そして、そのカウンタ値をRAM55の電源段検出信号オンカウンタにセーブする(ステップS305)。
次に、図9を参照して、メインルーチンにおける電源断検出処理(図6のステップS116)について説明する。
まず、CPU56は、電源断発生の判定処理を行うために、割込みルーチンにおいてセットされた電源断検出信号オンカウンタをRAM55からロードする(ステップS401)。電源断検出信号オンカウンタの値が2よりも小さい場合には(ステップS402:Y)、電源断が発生していないと判断し、処理を終了する。一方、電源断検出信号オンカウンタの値が2以上の場合には(ステップS402:N)、電源断が発生したと判断し、電源断検出信号オンカウンタをクリアした後(ステップS403)、以下の電源断時処理を実行する。
そして、RAM55に記憶されたデータ内容を保護するために、RAM55へのアクセスを禁止し(ステップS407)、電源断をウエイトする(ステップS408)。
このように、メモリの消費量を抑え処理が複雑となるのを防ぐとともに、電源断検出処理を正確に行うことができる。
また、電源断が発生したか否かの判定については、割込みルーチン内の電源断検出信号チェック処理で電源断検出信号が連続してオンであった回数(電源断検出回数)を計数し、メインルーチン内の電源断検出処理でその電源断検出回数が所定回数以上ならば電源断と判断し、電源断時処理を行う様にした。このように、定期的なタイマ割込みにより起動される割込みルーチンで電源断検出信号を複数回チェックすることにより、ノイズ等による誤作動や瞬断対策を行うことができる。
また、処理時間が変動する、或いは、処理時間が比較的長いメインルーチン内遊技制御処理を割込みルーチンで実行しないようにしたことにより、2msの周期で検出する必要のある信号(電源断検出信号、スイッチからの信号)を割込みルーチンで正確に検出することが可能となった。なお、メインルーチン内遊技制御処理の実行周期は4msに限定されることはなく、割込み回数が2回以上の周期であればよい。例えば、6ms(割込み回数3回)の周期であってもよい。
また、上述した実施形態では、電源断発生時にRAM55に記憶されているデータをバックアップ電源41によって保持しておくようにしたが、データのバックアップ方法はこれに限定されることはなく、例えば、バックアップ電源41の供給が不要なEEPROMやフラッシュメモリのような不揮発性メモリにRAM55のデータを退避してもよい。
25遊技盤表示灯、26アウト口、27スピーカ、28本体表示灯
15普通図柄始動スイッチ、16一般スイッチ、17特別図柄始動スイッチ、23カウントスイッチ、42ラムクリアスイッチ、47払出計数スイッチ、187払出通路玉切スイッチ、48皿満タンスイッチ
31主制御部、37払出制御部、32演出制御部、35表示灯制御部、70音声制御部、91発射制御部、92発射装置、97払出装置、34ホールコンピュータとの接続端子、40電源部、41バックアップ電源
56CPU、54ROM、55RAM、55a遊技関連制御用変数使用領域、55bスタック領域、57I/Oポート
Claims (3)
- 電源の供給を受けて動作する遊技機において、
所定の遊技制御処理を繰り返し実行するルーチンと、該所定の遊技制御処理を繰り返し実行するルーチンの実行中に起動される割込みルーチンと、の実行を制御する実行制御手段と、
電源の供給が途絶えても記憶内容を保持する記憶手段と、を備え、
前記実行制御手段は、前記所定の遊技制御処理を繰り返し実行するルーチンにおいて、前記割込みルーチンの実行を禁止した状態で、電源断が発生したか否かを判定する処理である判定処理と、該判定処理で電源断が発生したと判定された場合に、電源断が発生するまでに行われていた処理に係るデータを前記記憶手段に保持させるために、前記記憶手段へのアクセスを禁止する電源断時処理と、を含む電源断検出処理を実行することを特徴とする遊技機。 - 前記実行制御手段は、前記所定の遊技制御処理を繰り返し実行するルーチンにおいて、前記割込みルーチンが所定回数実行される毎に実行される処理であるメインルーチン内遊技制御処理を行い、前記メインルーチン内遊技制御処理が終了する毎に、前記割込みルーチンの実行を禁止した後、前記電源断検出処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記割込みルーチンは、所定の周期で発生するタイマ割込により起動され、
前記実行制御手段は、前記割込みルーチンにおいて、電源の供給が途絶えた場合に発生する電源断検出信号を検出する処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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