JP5282754B2 - エアバッグドアの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用のエアバッグ装置に備えられているエアバッグドアの製造方法に関するものである。
乗員保護システムの中の1つとしてエアバッグ装置を装備した車両(自動車)が主流となりつつある。車両用のエアバッグ装置は、初期には運転席側のみに装備されていたが、現在では助手席側にも装備されることが多い。図9に従来のエアバッグ装置が装備されている車室の斜視図を示す。運転席側のステアリングホイール50には、エアバッグ装置51(特許文献1参照)が装備されており、助手席側のインストルメントパネル70には、エアバッグ装置71(特許文献2参照)が装備されている。
ステアリングホイール搭載型のエアバッグ装置51の詳細は図10に示すとおりである。図10(a)はエアバッグ装置51を上下前後方向の面で切断した断面図、図10(b)は図10(a)における要部Aの詳細図を示している。エアバッグ装置51は、エアバッグ52を収納しておく収納部53と、収納部53に形成されたエアバッグ展開用の開口部53aを塞ぐエアバッグドア54とを備えている。エアバッグドア54は、基材57と、基材57の表面57aに積層された表皮材55とからなる。基材57及び表皮材55のそれぞれには、エアバッグ52の展開により破断する線状の破断予定部58,60が設けられていると共に、基材57及び表皮材55は、各破断予定部58,60同士が略重なるように積層されている。
表皮材55は本革製であり、表皮材55の表面55aが意匠面となっている。表皮材55の破断予定部58は、表皮材55の裏面55bに凹設され表皮材55の表面55aまで貫通しないV字状のティアライン溝55cよりなる。このように、ティアライン溝55cが表皮材55の表面55aまで貫通していないことによって、表皮材55の意匠性が損なわれることなく、破断予定部58の破断を確実なものとしている。
基材57は樹脂製であり、基材57の破断予定部60も、表皮材55のティアライン溝55cと同様に、基材57の裏面57bに凹設され基材57の表面57aまで貫通しないV字状のティアライン溝57cよりなる。基材57の表面57aと表皮材55の裏面55bとが接着剤により接着されている。
エアバッグドア54の面積は小さいので、基材57の表面57aに表皮材55を積層する際の位置ズレが生じにくい。よって、基材57の外郭と、表皮材55の外郭とを合わせながら、基材57の表面57aに表皮材55を積層すれば、基材57及び表皮材55の各破断予定部58,60同士が略重なるように積層される。
図11に、インストルメントパネル搭載型のエアバッグ装置71に備わるエアバッグドア74を上下前後方向の面で切断した断面斜視図を示す。このエアバッグドア74は、前述のエアバッグドア54とは異なり、表皮材75と基材77の間に中間材76が積層されている。
表皮材75は本革製であり、表皮材75の表面75aが意匠面となっている。表皮材75の破断予定部78は、二枚の表皮材75の端部同士を糸75dで縫い合わせた縫製部75cよりなる。縫製部75cにおいて、二枚の表皮材75の端部は、表皮材75の意匠性を損なわないように、表皮材75の裏面75b側に折り込まれている。
中間材76はクッション性を有する布製である。中間材76のクッション性によって、表皮材75に触れた乗員は、表皮材75の表面75aに弾力性を感じることができ、良好な手触り感を得ることができる。中間材76の破断予定部79は、表皮材75の縫製部75cの位置で分断された分断部76cよりなる。この分断部76cの隙間に縫製部75cの端部が嵌入されている。なお、前述のエアバッグ装置51のエアバッグドア54において中間材を積層していない理由は、中間材のクッション性が、運転手がクラクションを鳴らす際の押し操作の伝達を阻害する可能性があるためである。
基材77は樹脂製であり、基材77の破断予定部80も、前述の基材57のティアライン溝57cと同様に、基材77の裏面77bに凹設され基材77の表面77aまで貫通しないV字状のティアライン溝77cよりなる。基材77の表面77aと中間材76の裏面76bとが接着剤により接着されていると共に、中間材76の表面76aと表皮材75の裏面75bとが接着剤により接着されている。
表皮材75の破断予定部78である縫製部75cは、表皮材75の表面75a側から視認できる。このため、中間材76の表面76aに表皮材75を積層するときには、表皮材75の表面75a側から中間材76と表皮材75との重なり具合を確認しつつ、中間材76の破断予定部79である分断部76cに、表皮材75の破断予定部78である縫製部75cとが略重なるように積層することができる。
特開2008−87633号公報 特開2009−248910号公報
インストルメントパネル搭載型のエアバッグ装置71においては、エアバッグドア74の表皮材75に本革を使用していることによって、意匠性及び高級感が高められている。ところが、表皮材75の破断予定部78が縫製部75cよりなることが、エアバッグドア74の意匠性及び高級感を損なう要因となっている。
エアバッグドア74の意匠性及び高級感を更に高めるためには、エアバッグ装置51のエアバッグドア54の表皮材55の破断予定部58と同様に、表皮材75の破断予定部78を、表皮材の裏面に凹設され表皮材の表面まで貫通しないV字状のティアライン溝に変更して、表皮材の表面に加工跡が存在しないようにすることが望まれる。ところが、表皮材の破断予定部をティアライン溝とした場合、以下の問題が発生する。
すなわち、表皮材の表面側から表皮材の破断予定部を視認することができないため、表皮材の表面側から中間材と表皮材との重なり具合を確認しつつ、中間材の破断予定部と表皮材の破断予定部とが略重なるように積層することはできない。
また、インストルメントパネル搭載型のエアバッグ装置においては、エアバッグドアの面積が大きく、エアバッグドアが立体的な面形状を呈しているため、エアバッグ装置51のエアバッグドア54のように、外郭合わせで、基材、中間材及び表皮材を積層した場合には、基材、中間材及び表皮材の各破断予定部同士の重なりが大きくずれる可能性がある。
また、エアバッグ装置は、人命に関わる重要な安全装置であるため、厳しい管理基準に基づいて製造されている。この管理基準の一つとして、中間材及び表皮材の各破断予定部同士が確実に略重なった状態となっていることを品質管理記録として残す場合がある。ここで、表皮材の破断予定部が表皮材の表面に加工跡が存在していないティアライン溝とされていると、表皮材の表面側からの管理では、品質管理記録を得ることができないという不都合が生じる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表皮材の表面側から表皮材の破断予定部を視認することができない場合であっても、エアバッグドアを構成する基材、中間材及び表皮材の各破断予定部同士が略重なるように積層することが可能であると共に、確実な品質管理を行うことが可能なエアバッグドアの製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(1)本発明のエアバッグドアの製造方法は、エアバッグを収納しておく収納部に形成されたエアバッグ展開用の開口部を塞ぐ基材と、該基材の表面に積層された中間材と、該中間材の表面に積層された表皮材と、該基材、該中間材及び該表皮材のそれぞれに互いに平面矢視で略同一の形状で略同一の位置に設けられた線状の各破断予定部と、該表皮材の裏面の該破断予定部に凹設され該表皮材の表面まで貫通しないティアライン溝と、を有するエアバッグドアの製造方法であって、前記表皮材の前記破断予定部と前記中間材の前記破断予定部とが互いに略重なるように、該表皮材の裏面に該中間材の表面を対面させて該表皮材と該中間材とを積層すると共に、該中間材の裏面側から該中間材の前記破断予定部に形成された破線状の第1スリットを通して該表皮材の裏面の該破断予定部に描かれた第1マーキングラインを視認しつつ、該表皮材に対して該中間材の位置を合わせる中間材位置合わせ工程と、前記中間材の前記破断予定部と前記基材の前記破断予定部とが互いに略重なるように、該中間材の裏面に該基材の表面を対面させて該中間材と該基材とを積層すると共に、該中間材に対して該基材の位置を合わせる基材位置合わせ工程と、を実施することを特徴とする。
ここで、「略重なる」とは、各破断予定部同士が、基材、中間材及び表皮材の積層方向に完全に重なっている状態と、各破断予定部同士が積層方向に重なってはいないが、エアバッグの展開に影響ない範囲(一般に、各破断予定部同士の離隔が3mm程度以内)に近接している状態とを含む。
このような構成によると、表皮材の破断予定部は、表皮材の裏面に凹設され表皮材の表面まで貫通しないティアライン溝(すなわち、有底溝条)よりなるため、表皮材の表面には、加工跡が存在していない。したがって、本発明のエアバッグドアの製造方法によって製造されたエアバッグドアは、優れた意匠性及び高級感を有している。
また、中間材の表面に表皮材を積層するときに、中間材の裏面側から第1スリットを通して表皮材の第1マーキングラインを視認しつつ、表皮材に対して中間材の位置を合わせる中間材位置合わせ工程を実施する。これにより、中間材及び表皮材の各破断予定部同士が略重なるように積層することが可能であり、エアバッグの展開動作が確実に行われる。
また、表皮材と中間材とが積層された状態において、中間材の裏面側から第1スリットを通して表皮材の第1マーキングラインが視認されている。この視認状況を記録することによって、中間材及び表皮材の各破断予定部同士が確実に略重なった状態となっていることを品質管理記録として残すことができる。
(2)前記(1)に記載のエアバッグドアの製造方法において、好ましくは、前記基材位置合わせ工程は、前記基材の裏面側から該基材の前記破断予定部に形成された破線状の第2スリットを通して前記中間材の裏面の前記破断予定部に描かれた第2マーキングラインを視認しつつ、該中間材に対して該基材の位置を合わせることを特徴とする。
このような構成によると、基材の表面に中間材を積層するときに、基材の裏面側から第2スリットを通して中間材の第2マーキングラインを視認しつつ、中間材に対して基材の位置を合わせる基材位置合わせ工程を実施する。これにより、基材及び中間材の各破断予定部同士が略重なるように積層することが可能であり、エアバッグの展開動作が確実に行われる。
また、中間材と基材とが積層された状態において、基材の裏面側から第2スリットを通して中間材の第2マーキングラインが視認されている。この視認状況を記録することによって、基材及び中間材の各破断予定部同士が確実に略重なった状態となっていることを品質管理記録として残すことができる。
(3)前記(1)又は(2)に記載のエアバッグドアの製造方法において、好ましくは、 T字状又は十字状に交差する交差部を2つ以上もつ前記破断予定部の少なくとも2つの該交差部において、前記中間材の裏面側から前記第1スリットを通して前記表皮材の前記第1マーキングラインを視認しつつ、該表皮材に対して該中間材の位置を合わせることを特徴とする。
破断予定部を形成する線がT字状又は十字状に交差する交差部を2つ以上備えている場合には、少なくとも2つの交差部において、中間材位置合わせ工程を実施することで、表皮材及び中間材の各破断予定部同士を、交差部で交差する複数方向の線に沿って平面方向で位置合わせすることができ、表皮材及び中間材の各破断予定部同士が互いに確実に略重なった状態となる。したがって、この少なくとも2つの交差部以外の破断予定部については、中間材位置合わせ工程を省略することが可能であり、エアバッグドアの製造工程の簡素化が図れる。
(4)前記(2)又は(3)に記載のエアバッグドアの製造方法において、好ましくは、T字状又は十字状に交差する交差部を2つ以上もつ前記破断予定部の少なくとも2つの該交差部において、前記基材の裏面側から前記第2スリットを通して前記中間材の前記第2マーキングラインを視認しつつ、該中間材に対して該基材の位置を合わせることを特徴とする。
このような構成によると、前記(3)で記載した効果と同様に、少なくとも2つの交差部以外の破断予定部については、基材位置合わせ工程を省略することが可能であり、エアバッグドアの製造工程の簡素化が図れる。
(5)前記(1)〜(4)に記載のエアバッグドアの製造方法において、好ましくは、前記中間材位置合わせ工程において、前記中間材の裏面側から前記第1スリットを通して前記表皮材の前記第1マーキングラインが視認されている状況を第1映像記録として撮影することを特徴とする。
このような構成によると、中間材の裏面側から第1スリットを通して表皮材の第1マーキングラインが視認されている状況を第1映像記録として撮影することにより、この第1映像記録をエアバッグドアの製造工程の品質管理記録として活用することができる。
(6)前記(2)〜(5)に記載のエアバッグドアの製造方法において、好ましくは、前記基材位置合わせ工程において、前記基材の裏面側から前記第2スリットを通して前記中間材の前記第2マーキングラインが視認されている状況を第2映像記録として撮影することを特徴とする。
このような構成によると、前記(5)で記載した効果と同様に、第2映像記録をエアバッグドアの製造工程の品質管理記録として活用することができる。
本発明のエアバッグドアの製造方法によれば、表皮材の表面側から表皮材の破断予定部を視認することができない場合であっても、エアバッグドアを構成する基材、中間材及び表皮材の各破断予定部同士が略重なるように積層することが可能であると共に、確実な品質管理を行うことが可能である。
本実施形態の製造方法によって製造されたエアバッグドアを備えるエアバッグ装置が装備されている車室の斜視図である。 本実施形態の製造方法によって製造されたエアバッグドアの説明図であって、(a)はエアバッグドアの一部を切断した斜視図、(b)はエアバッグドアの分解斜視図を示している。 図2(a)における要部Aの詳細図である。 本実施形態の製造方法によって製造されたエアバッグドアの表皮材を裏面側から見た斜視図である。 本実施形態の製造方法によって製造されたエアバッグドアの中間材を裏面側から見た斜視図である。 本実施形態における中間材位置合合わせ工程を説明する断面斜視図である。 本実施形態における基材位置合わせ工程を説明する断面斜視図である。 本実施形態における中間材位置合わせ工程において撮影された第1映像記録である。 従来のエアバッグ装置が装備されている車室の斜視図である。 図9に示した従来のステアリングホイール搭載型のエアバッグ装置の説明図であって、(a)はエアバッグ装置を上下前後方向の面で切断した断面図、(b)は(a)における要部Aの詳細図を示している。 図9に示した従来のインストルメントパネル搭載型のエアバッグ装置に備わるエアバッグドアを上下前後方向の面で切断した断面斜視図である。
以下、本発明のエアバッグドアの製造方法を、車両のインストルメントパネル搭載型のエアバッグ装置に適用した実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
(1)エアバッグドア4の構成
図1に本実施形態の製造方法によって製造されたエアバッグドアを備えるエアバッグ装置が装備されている車室の斜視図を示す。また、図2は、本実施形態の製造方法によって製造されたエアバッグドアの説明図であって、図2(a)はエアバッグドアの一部を切断した斜視図、図2(b)はエアバッグドアの分解斜視図を示している。また、図3に図2(a)における要部Aの詳細図を示す。なお、図1に示されている前後左右上下は、それぞれ車両の前後左右上下に一致している。
図1に示すように、運転席側のステアリングホイール50には、背景技術で説明したステアリングホイール搭載型のエアバッグ装置51が装備されている。助手席側のインストルメントパネルIには、本実施形態の製造方法によって製造されたエアバッグドア4を備えるインストルメントパネル搭載型のエアバッグ装置1が装備されている。インストルメントパネルIの面形状は、上方に凸となった立体的な面形状を呈している。
図2(a)に示すように、エアバッグドア4は、エアバッグ装置1に設けられた覆い部材である。エアバッグ装置1は、エアバッグ2と、エアバッグ2にエアバッグ展開用のガスを送り込むインフレータ2aと、折り畳まれた状態のエアバッグ2を収納する収納部3とを備えており、エアバッグドア4は、収納部3に形成されたエアバッグ展開用の開口部3aを塞いでいる。
エアバッグドア4は、収納部3に形成されたエアバッグ展開用の開口部3aを塞ぐ基材7と、基材7の表面7aに積層された中間材6と、中間材6の表面6aに積層された表皮材5とからなる。エアバッグドア4は、インストルメントパネルIの一部としてインストルメントパネルIと一体に形成されている。
基材7、中間材6及び表皮材5のそれぞれには、エアバッグ2の展開により破断する線状の破断予定部10,9,8が設けられている。また、基材7、中間材6及び表皮材5は、各破断予定部10,9,8同士が略重なるように積層されている。基材7の表面7aと中間材6の裏面6bとが接着剤により接着されていると共に、中間材6の表面6aと表皮材5の裏面5bとが接着剤により接着されている。
図1に示すように、表皮材5の破断予定部8の線形状は、H字状を呈している。H字状を構成する3本の線は、2つの交差部8aにおいてT字状に交差している。中間材6の破断予定部9、及び基材7の破断予定部10の線形状も、破断予定部8と略同寸法のH字状を呈している。
表皮材5は本革製であり、表皮材5の表面5aが意匠面となっている。図3に示すように、表皮材5の破断予定部8は、表皮材5の裏面5bに凹設され表皮材5の表面5aまで貫通しないV字状のティアライン溝5cよりなる。表皮材5の厚さtは約1mmである。ティアライン溝5cは、表皮材5の表面5a側に残り代t1=0.4mm±0.1mmを残して、表皮材5の裏面5bから深さt2=0.6mm±0.1mmをナイフで切り込むことによって形成されている。なお、図3においては、ティアライン溝5cのV字状の対向面同士が離れているように強調して示しているが、実際にはティアライン溝5cは単なる切り込みであるため、対向面同士は近接又は接触している。
図3に示すように、ティアライン溝5cの線形状は、波の山と谷との距離hが4mm程度の波形を呈している。ティアライン溝5cの線形状を波形とすることにより、ティアライン溝の線形状が直線である場合と比べて次に述べる利点がある。第一に、ティアライン溝が破断し易い。第二に、ティアライン溝5cの波形の山と谷との間に中間材6の破断予定部9が入るように位置合わせすれば、ティアライン溝5cが確実に破断するため、表皮材5と中間材6との位置合わせの多少のズレが許容される。第三に、ティアライン溝5cを凹設したことによる凹凸が表皮材5の表面5aに表れにくいため、表皮材5の意匠性を損ないにくい。
図3及び図4に示すように、表皮材5の裏面5bには、破断予定部8を明示する第1マーキングラインL1が描かれている。この第1マーキングラインL1は、例えば、表皮材5の裏面5bの色とは異なる色の着色部であり、ティアライン溝5cの波形の山と谷との中間位置を通過するように描かれている。
中間材6はクッション性を有する織物(ポリエステル系織物)である。中間材6の破断予定部9は、中間材6を厚み方向に貫通すると共に、破断予定部9に沿った破線状の第1スリット6cからなる。第1スリット6cのスリット幅vは0.1mm〜0.25mm程度である。
図3に示すように、第1スリット6cのスリット幅vの間に、表皮材5の第1マーキングラインL1が位置するように、中間材6の表面6aに表皮材5が積層されている。スリット幅vが0.1mmよりも小さい場合には、中間材6の裏面6b側から第1スリット6cを通して表皮材5の第1マーキングラインL1を視認することが困難となる。また、スリット幅vが0.25mmよりも大きい場合には、第1スリット6cの位置に対応した表皮材5の表面5aが凹面となりやすく、表皮材5の意匠性を損ない易い。
図3及び図5に示すように、中間材6の裏面6bには、破断予定部9を明示する第2マーキングラインL2が描かれている。この第2マーキングラインL2は、例えば、中間材6の裏面6bの色とは異なる色の着色部であり、第1スリット6cと平行で、かつ第1スリット6cのスリット幅vの中央から1〜2mm程度オフセットした位置に描かれている。
基材7は樹脂製(PC/AES樹脂:ポリカーボネートAESアロイ,ガラス繊維強化材)である。基材7の破断予定部10は、基材7を厚み方向に貫通すると共に、破断予定部10に沿った破線状の第2スリット7cからなる。第2スリット7cのスリット幅wは1mm〜2mm程度である。スリット幅wは、機械加工が可能でかつインストルメントパネルIの骨格としての剛性を損なわない幅として設定されている。
図3に示すように、第2スリット7cのスリット幅wの間に、中間材6の第2マーキングラインL2が位置するように、基材7の表面7aに中間材6が積層されている。したがって、基材7の裏面7b側から第2スリット7cを通して中間材6の第2マーキングラインL2を視認することが可能となっている。
(2)エアバッグドア4の製造方法
エアバッグドア4の製造方法のうち、基材7、中間材6及び表皮材5の積層方法について、図6及び図7を参照しつつ詳しく説明する。なお、基材7、中間材6及び表皮材5の成形は、従来の成形方法により行うことが可能であるため説明を省略する。図6に本実施形態における中間材位置合わせ工程を説明する断面斜視図、図7に本実施形態における基材位置合わせ工程を説明する断面斜視図を示す。
図6に示すように、中間材位置合わせ工程においては、まず、表皮材5を表皮材5の裏面5bを上方に向けて図示しない作業台上に配置する。そして、表皮材5の裏面5bに接着剤を塗布した後、表皮材5の上方から表皮材5の裏面5bに中間材6を積層する。このとき、作業者の目Eによって、中間材6の裏面6b側から第1スリット6cを通して表皮材5の第1マーキングラインL1を視認しつつ、表皮材5に対して中間材6の位置を合わせる。
ここで、中間材位置合わせ工程を、第1スリット6cの全延長について実施してもよいが、本実施形態においては、中間材位置合わせ工程を、中間材6の破断予定部9のH字状の線形状のうちの2つの交差部9aにおいてのみ実施する。
表皮材5に対して中間材6が所定の位置に合わさったことを証明する品質管理記録として、図8に示すように、デジタルカメラ等の撮影装置によって第1映像記録P1を撮影する。第1映像記録P1は、表皮材5と中間材6とが積層された状態において、中間材6の裏面6b側から第1スリットL1を通して表皮材5の第1マーキングラインL1が視認されている状況を撮影する。
ここで、第1映像記録P1の撮影は、第1スリット6cの全延長について実施してもよいが、表皮材5に対して中間材6が所定の位置に合わさったことを証明する品質管理記録としては、図8に示されている第1映像記録P1のように、中間材6の破断予定部9の交差部9aを含むように撮影しておけばよい。
また、第1映像記録P1に、撮影日を印刷すると共に、中間材6の裏面6bに製品の識別表示として二次元バーコードTを貼り付け又は印刷して、二次元バーコードTを第1映像記録P1に写し込んでおくことにより、第1映像記録P1を品質管理記録として活用し易くなる。
図7に示すように、基材位置合わせ工程においては、中間材位置合わせ工程と同様に、まず、積層された表皮材5と中間材6とを中間材6の裏面6bを上方に向けて図示しない作業台上に配置する。そして、中間材6の裏面6bに接着剤を塗布した後、中間材6の上方から中間材6の裏面6bに基材7を積層する。このとき、作業者の目Eによって、基材7の裏面7b側から第2スリット7cを通して中間材6の第2マーキングラインL2を視認しつつ、中間材6に対して基材7の位置を合わせる。
ここで、基材位置合わせ工程を、第2スリット7cの全延長について実施してもよいが、本実施形態においては、基材位置合わせ工程を、基材7の破断予定部10のH字状の線形状のうちの2つの交差部10aにおいてのみ実施する。
中間材6に対して基材7が所定の位置に合わさったことを証明する品質管理記録として、図8に示した第1映像記録P1と同様に図示しない第2映像記録を撮影する。第2映像記録の撮影については、第2スリットL2の全延長について実施してもよいが、中間材6に対して基材7が所定の位置に合わさったことを証明する品質管理記録としては、基材7の破断予定部10の交差部10aを含むように撮影しておけばよい。
(3)エアバッグドア4の製造方法の効果
本実施形態においては、表皮材5の破断予定部8は、表皮材5の裏面5bに凹設され表皮材5の表面5aまで貫通しないティアライン溝5cよりなるため、表皮材5の表面5aには、加工跡が存在していない。したがって、本実施形態のエアバッグドア4の製造方法によって製造されたエアバッグドア4は、優れた意匠性及び高級感を有している。
また、中間材6の表面6aに表皮材5を積層するときに、中間材6の裏面6b側から第1スリット6cを通して表皮材5の第1マーキングラインL1を視認しつつ、表皮材5に対して中間材6の位置を合わせる中間材位置合わせ工程を実施している。これにより、中間材6及び表皮材5の各破断予定部9,8同士が略重なるように積層することが可能であり、エアバッグ2の展開動作が確実に行われる。
また、表皮材5と中間材6とが積層された状態において、中間材6の裏面6b側から第1スリット6cを通して表皮材5の第1マーキングラインL1が視認されている。そして、この視認状況を第1映像記録P1として撮影することにより、この第1映像記録P1をエアバッグドア4の製造工程の品質管理記録として活用することができる。
また、第1映像記録P1に、中間材6の裏面6bに製品の識別表示として二次元バーコードTを写し込んでおくことにより、どの製品に対応した第1映像記録なのかが明確となるため、第1映像記録P1を品質管理記録として更に活用し易くすることができる。
また、中間材位置合わせ工程の実施、及び第1映像記録P1の撮影を、第1スリット6cの全延長について実施するのではなく、中間材6の破断予定部9のH字状の線形状のうちの2つの交差部9aにおいてのみ実施している。これにより、エアバッグドア4の製造工程及び品質管理の簡素化が図れる。
基材7の表面7aに中間材6を積層するときの効果についても、以上で述べた中間材6の表面6aに表皮材5を積層するときの効果と同様である。
すなわち、本実施形態においては、基材7の表面7aに中間材6を積層するときに、基材7の裏面7b側から第2スリット7cを通して中間材6の第2マーキングラインL2を視認しつつ、中間材6に対して基材7の位置を合わせる基材位置合わせ工程を実施している。これにより、基材7及び中間材6の各破断予定部10,9同士が略重なるように積層することが可能であり、エアバッグ2の展開動作が確実に行われる。
また、中間材6と基材7とが積層された状態において、基材7の裏面7b側から第2スリット7cを通して中間材6の第2マーキングラインL2が視認されている。そして、この視認状況を第2映像記録として撮影することにより、この第2映像記録をエアバッグドア4の製造工程の品質管理記録として活用することができる。
また、基材位置合わせ工程の実施、及び第2映像記録の撮影を、第2スリット7cの全延長について実施するのではなく、基材7の破断予定部10のH字状の線形状のうちの2つの交差部10aにおいてのみ実施している。これにより、エアバッグドア4の製造工程及び品質管理の簡素化が図れる。
本発明のエアバッグドアの製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、表皮材5を本皮製としたが、表皮材を合成皮革製としてもよい。また、破断予定部8,9,10の線形状をH字状としたが、破断予定部の線形状は、H字状に限らず、種々の線形状とすることができる。
1 … エアバッグ装置 2 … エアバッグ
3 … 収納部 3a … 開口部
4 … エアバッグドア 5 … 表皮材
5a … 表面(意匠面) 5b … 裏面
5c … ティアライン溝 6 … 中間材
6a … 表面 6b … 裏面
6c … 第1スリット 7 … 基材
7a … 表面 7b … 裏面
7c … 第2スリット 8 … 破断予定部
8a … 交差部 9 … 破断予定部
9a … 交差部 10 … 破断予定部
10a… 交差部 L1 … 第1マーキングライン
L2 … 第2マーキングライン P1 … 第1映像記録

Claims (6)

  1. エアバッグを収納しておく収納部に形成されたエアバッグ展開用の開口部を塞ぐ基材と、該基材の表面に積層された中間材と、該中間材の表面に積層された表皮材と、該基材、該中間材及び該表皮材のそれぞれに互いに平面矢視で略同一の形状で略同一の位置に設けられた線状の各破断予定部と、該表皮材の裏面の該破断予定部に凹設され該表皮材の表面まで貫通しないティアライン溝と、を有するエアバッグドアの製造方法であって、
    前記表皮材の前記破断予定部と前記中間材の前記破断予定部とが互いに略重なるように、該表皮材の裏面に該中間材の表面を対面させて該表皮材と該中間材とを積層すると共に、該中間材の裏面側から該中間材の前記破断予定部に形成された破線状の第1スリットを通して該表皮材の裏面の該破断予定部に描かれた第1マーキングラインを視認しつつ、該表皮材に対して該中間材の位置を合わせる中間材位置合わせ工程と、
    前記中間材の前記破断予定部と前記基材の前記破断予定部とが互いに略重なるように、該中間材の裏面に該基材の表面を対面させて該中間材と該基材とを積層すると共に、該中間材に対して該基材の位置を合わせる基材位置合わせ工程と、
    を実施することを特徴とするエアバッグドアの製造方法。
  2. 前記基材位置合わせ工程は、前記基材の裏面側から該基材の前記破断予定部に形成された破線状の第2スリットを通して前記中間材の裏面の前記破断予定部に描かれた第2マーキングラインを視認しつつ、該中間材に対して該基材の位置を合わせることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグドアの製造方法。
  3. T字状又は十字状に交差する交差部を2つ以上もつ前記破断予定部の少なくとも2つの該交差部において、前記中間材の裏面側から前記第1スリットを通して前記表皮材の前記第1マーキングラインを視認しつつ、該表皮材に対して該中間材の位置を合わせることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグドアの製造方法。
  4. T字状又は十字状に交差する交差部を2つ以上もつ前記破断予定部の少なくとも2つの該交差部において、前記基材の裏面側から前記第2スリットを通して前記中間材の前記第2マーキングラインを視認しつつ、該中間材に対して該基材の位置を合わせることを特徴とする請求項2又は3に記載のエアバッグドアの製造方法。
  5. 前記中間材位置合わせ工程において、前記中間材の裏面側から前記第1スリットを通して前記表皮材の前記第1マーキングラインが視認されている状況を第1映像記録として撮影することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載のエアバッグドアの製造方法。
  6. 前記基材位置合わせ工程において、前記基材の裏面側から前記第2スリットを通して前記中間材の前記第2マーキングラインが視認されている状況を第2映像記録として撮影することを特徴とする請求項2〜5のうちのいずれか一つに記載のエアバッグドアの製造方法。
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