JP5282294B2 - 樹脂製把手付容器 - Google Patents
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Description
把手の取付部より上方に位置する把手の部位に係合孔を設け、この係合孔に係合する凸部
を容器本体の凹部壁面に形成した樹脂製把手付容器に関する。
類、調味料などの液状内容物を多く収容するものに、広く使用されている。その理由は、
液状内容物が多いから重くなり、把手が無いと樹脂製把手付容器を持つのが難しいからで
ある。従来、容器本体は、ポリエステル樹脂を射出成形して得たプリフォームを二軸延伸
ブロー成形して作られ、把手は、成形性、落下強度及びコスト面からポリプロピレン樹脂
にて成形して作られている。したがって、この樹脂製把手付容器は、異種の材料により作
られていることになり、最近のゴミの分別回収に際し、容器本体と把手とを分離しなけれ
ばならず煩わしい。このため、容器本体及び把手が同一材質、すなわち、ポリエステル樹
脂にて作製された樹脂製把手付容器として、本出願人による下記のものが知られている。
把手取付突起部52を設けた容器本体53と、この容器本体53の把手取付突起部52に
取り付けるリング形状の取付部54を有すると共に、この取付部54と凹部51を形成し
ている壁面55との間に空隙部56を有して把手取付突起部52に取り付けた把手57と
、からなるものである。そして、把手57上部に突起58を設け、この突起58を容器本
体53の凹部51の壁面55にくい込み係止させて、把手57が自己のリング形状の取付
部54により、容器本体53に対して回ってずれるのを防止する。
の把手57の把持部59に凸リブ60を設けて把手57aを形成し、把持部59を薄手に
して把手57aに手指を挿入し易くして、把持部59に手指を掛け易くしたものである。
5との間に空隙部56を有することで、樹脂製把手付容器の落下時、特にポリエステル樹
脂の場合に、容器本体53及び把手57双方に与える衝撃を低減して、容器本体53並び
に把手57に損傷を与えることがほとんど無いものの、回りずれ防止のための把手57の
突起58により、容器本体53の二軸延伸ブロー成形時に、突起58部分におけるポリエ
ステル樹脂の成形用金型表面に対する滑動性が悪くなる傾向にあり、そのため、ポリエステル樹脂が突起58に引っかかることなどによりポリエステル樹脂の突起58背面への回り込みにバラツキが生じ、場合によってはこの部分に微細なクラックが入る虞があり、さらに、今後の成形時間の短縮や軽量化を図る上で障害となる虞がある。
で、樹脂製把手付容器の落下時に容器本体53並びに把手57aに損傷を与えることがほ
とんど無く、その上、凸リブ60により把手57aに手指を挿入し易くし、把持部59に
手指を掛け易くしているが、特許文献1と同様に、回りずれ防止の把手57aの突起58
により、その部分のポリエステル樹脂の滑動が悪くなり、成形時間の短縮や軽量化を図る上で障害となる虞がある。
であり、落下衝撃にも強く、しかも成形し易くて成形時間の短縮や軽量化も図ることが可
能にするとともに、把手の回りずれ防止を確実に出来る樹脂製把手付容器を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、容器本体を形成するための樹脂製プリフォームと把手とを二軸延伸ブローにより一体成形される樹脂製把手付容器であって、
胴部に形成された凹部に把手取付突起部を設けた容器本体と、前記容器本体の把手取付突起部に取り付ける取付部を有した把手とからなり、前記把手の取付部上部に面カット部を設けるとともに、前記取付部より上方に位置する前記把手の部位に上部係合孔を設け、前記二軸延伸ブロー成形時に、該上部係合孔に前記容器本体の膨出部が入り込み係合するようにされたことを特徴とする樹脂製把手付容器が提供される。
隙部を設けた樹脂製把手付容器が提供される。
、且つ少なくとも4mm以上の幅を有する樹脂製把手付容器が提供される。
れるに従い狭まる傾斜である樹脂製把手付容器が提供される。
斜であることにより、下部係合孔部分の樹脂の流れがよりスムーズになり、下部係合孔に食い込み、凹部壁面に下部膨出部を形成して、把手が自己の取付部により、容器本体に対して回ずれするのを防止する。したがって、上記効果に加えて、より成形し易くて、成形時間の更なる短縮化を図れる効果がある。
手付容器の把手の断面図、図3は同樹脂製把手付容器の把手の斜視図である。図面におい
て、樹脂製把手付容器1は、胴部2にある凹部3に把手取付突起部4を設けた容器本体5
と、この容器本体5の把手取付突起部4に取り付ける取付部6を有した把手7と、からな
り、取付部6より上方に位置し容器本体中心軸方向に向かう把手7の部位に上部係合孔8を設けると共に、この上部係合孔8に係合する上部膨出部9を凹部3の壁面3aに形成して、把手7の動きを止めてなるものである。
且つ手指にてつかむことが出来る把持部20と、で構成されている。取付部6は、リング
状に形成され、この取付部6のリング内に、前記容器本体5の把手取付突起部4を、嵌め
ることが出来るようになっている。また、把手7の取付部6上部に面カット部6aを設け
てある。
る部位には、上部係合孔8が開けられ、この上部係合孔8に、容器本体5の凹部3にある
上部膨出部9を嵌めることが出来るようになっている。また、把持部20の下部には、すなわち、取付部6より下方に位置する部位には、下部係合孔8aが開けられ、この下部係合孔8aに、容器本体5の凹部3にある下部膨出部9aを、嵌めることが出来るようになっている。そして、把持部20の中間部には、凸リブ21が設けられ、把持部20を薄手にすることを可能にして、把手7に手指を挿入し易くし、把持部20に手指を掛け易くしている。
まず、把手7を先に金型Aにセットし、容器本体5となる樹脂製プリフォーム、例えば
、ポリエステル樹脂製プリフォームを二軸延伸ブロー成形すると、肩部11、胴部2、底
部12が形成され、胴部2には凹部3が形成されて、凹部3の把手取付突起部4も形成さ
れ、さらに、上記の二軸延伸ブロー成形に伴いポリエステル樹脂が成形用金型の表面を滑動し、把手取付突起部4が把手7のリング状の取付部6に挿入されて行く。その際、図4に示す金型Aの突出部Bにより、把手7の取付部6と凹部3を形成している壁面3aとの間に、空隙部22が形成される。その一方で、把手7のリング状の取付部6に挿入された把手取付突起部4の先端が広がりフランジ状になって、容器本体5と把手7とが一体になる。
されているから、容器本体8に液状内容物が収容されている状態でも、落下時、この空隙
部22によりその衝撃が緩和され、把手7並びに容器本体8が損傷することが大幅に軽減
される。
部係合孔8aにも、上記の二軸延伸ブロー成形に伴い、ポリエステル樹脂がスムーズに流
れる。特に、把手7のリング状の取付部6上部には、面カット部6aが設けられているか
ら、上部係合孔8にはポリエステル樹脂がなお一層スムーズに滑動し、上部膨出部9が上部係合孔8内にスムーズに食い込むことになる。また、下部膨出部9aも下部係合孔8a内に食い込むことになって、把手7が自己のリング状の取付部6に沿って、容器本体5に対して回ることを止めることになる。この実施例1では、把手7の把持部20の上部及び下部とで、把手7が自己のリング状の取付部6により、容器本体5に対して回りずれするのを防止しているのである。
、四角、それ以上の多角形でも良いが、その断面積は、いずれも少なくとも45mm2以
上であるのが望ましく、さらに、これら双方の係合孔8及び8aの幅長さは、少なくとも
4mm以上あるのが望ましい。これらの数値に満たない場合は、容器本体5の二軸延伸ブ
ロー成形時に、ポリエステル樹脂の滑動が悪くなる傾向となり、双方の係合孔8及び8a
にポリエステル樹脂が食い込み難くなって、凹部3の壁面3aに上部及び下部膨出部9及び9aが形成しづらくなり、その結果、把手7が自己のリング状の取付部6により、容器本体5に対して回ずれするのを防止しづらくなる。
ここで、本明細書において、係合孔の断面積とは、把手7の上部係合孔8及び下部係合孔8aのいずれも、把手7の凹部3側に開口している部分の面積を意味する。
壁面3aから離れるに従い狭まる傾斜であるのが望ましい。その理由は、容器本体5の二
軸延伸ブロー成形時に、上部係合孔8及び下部係合孔8aでのポリエステル樹脂の滑動が
良くなる傾向となり、双方の係合孔8及び8aに、ポリエステル樹脂がスムーズに食い込
み、凹部3の壁面3aに上部及び下部膨出部9及び9aが形成し易くなり、その結果、把手7が自己のリング状の取付部6により、容器本体5に対して回ずれするのを、確実に防止することになるからである。
〈実施例1〉
把手の基本形状は、図2、3の通りとするが上部係合孔のみとし、孔形状は角形6mm
×8mm、断面積48mm2とする。容器本体のプリフォームは口部外径38.0mm、口部内径27.6mm、容量は1800ccとする。なお、把手及び容器本体の材質はポリエチレンテレフタレートである。
別途成形した把手を金型にセットし、さらに延伸適正温度に加熱したプリフォームを金
型にセットして、2軸延伸ブロー成形した。得られた樹脂製把手付容器を、以下の1ないしIIIの評価項目について、目視観察しその結果を4段階評価とした。
I. 成形時の穴あき、樹脂の肉厚分布の偏りや微細クラックの発生有無の目視観察
II. 容器本体の樹脂が上部係合孔に沿って成形されているかの目視観察
III.回り止め効果の目視観察
以上の項目について、◎:良好、○:使用可、△:若干問題あり、×:使用不可の4段
階評価とした。
孔形状を角形5mm×6mm、断面積30mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例3〉
孔形状を角形6mm×6mm、断面積36mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例4〉
孔形状を角形6mm×10mm、断面積60mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例5〉
孔形状を丸形直径3mm、断面積7.06mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例6〉
孔形状を丸形直径4mm、断面積12.56mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例7〉
孔形状を丸形直径5mm、断面積19.60mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例8〉
孔形状を丸形直径6mm、断面積28.26mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例9〉
孔形状を丸形直径7mm、断面積38.47mm2とすること以外、実施例1と同様。
〈実施例10〉
孔形状を丸形直径8mm、断面積50.24mm2とすること以外、実施例1と同様。
把手の基本形状は図7の通りとし、突起の位置は実施例1の上部係合孔の位置相当とす
る。突起形状は幅10mm×長さ3mm×高さ7mmとすること以外、実施例1と同様にする。なお評価項目IIについては、容器本体の樹脂が突起に沿って成形されているかの目視確認を行った。
結果を表1に示す。
2、50 胴部
3、51 凹部
3a、55 壁面
4、52 把手取付突起部
5 容器本体
6、54 取付部
6a 面カット部
7、57 把手
8 上部係合孔
8a 下部係合孔
9 上部膨出部
9a 下部膨出部
10 口部
11 肩部
12 底部
13 蓋
20、59 把持部
21、60 凸リブ
22、56 空隙部
53 容器本体
58 突起
A 金型
B 突出部
Claims (7)
- 容器本体を形成するための樹脂製プリフォームと把手とを二軸延伸ブローにより一体成形される樹脂製把手付容器であって、
胴部に形成された凹部に把手取付突起部を設けた容器本体と、前記容器本体の把手取付突起部に取り付ける取付部を有した把手とからなり、前記把手の取付部上部に面カット部を設けるとともに、前記取付部より上方に位置する前記把手の部位に上部係合孔を設け、前記二軸延伸ブロー成形時に、該上部係合孔に前記容器本体の膨出部が入り込み係合するようにされたことを特徴とする樹脂製把手付容器。 - 前記容器本体の前記凹部の壁面と前記把手の取付部との間に空隙部を設けた請求項1記載の樹脂製把手付容器。
- 請求項1または2記載の樹脂製把手付容器の前記取付部より下方に位置する前記把手の部位に下部係合孔を設けると共に、該下部係合孔に容器本体の膨出部が入り込み係合してなることを特徴とする樹脂製把手付容器。
- 前記上部係合孔の断面積は、少なくとも45mm2以上であり、且つ前記上部係合孔は
少なくとも4mm以上の幅を有する請求項1または2記載の樹脂製把手付容器。 - 前記上部係合孔の断面形状は、前記容器本体の凹部壁面から離れるに従い狭まる傾斜で
ある請求項1,2及び4のいずれか1項に記載の樹脂製把手付容器。 - 前記下部係合孔の断面形状は、前記容器本体の凹部壁面から離れるに従い狭まる傾斜で
ある請求項3に記載の樹脂製把手付容器。 - 前記容器本体および前記把手は、ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル樹脂よりなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂製把手付容器。
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