JP5281223B2 - 質量分析において反応/衝突セルへのイオン源ガスの進入を防止するための装置及び方法 - Google Patents

質量分析において反応/衝突セルへのイオン源ガスの進入を防止するための装置及び方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、質量分析により注目するイオンを検出するための装置及びその方法に関し、注目するイオンまたは不要な妨害イオンはイオン源から検出器への輸送中の衝突または反応により修飾されている。さらに詳しくは、本発明は、m/zシフトをおこさせるため、同重体の検体イオンと妨害イオンとを互いに分離するため、及び検体イオンに対するより高い分解能を得るために、検体イオンまたは妨害種を修飾するイオン−分子反応の使用に関する。
発明の背景
高周波誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)においては、試料が高周波誘導結合により励起状態すなわち高エネルギー状態に維持されたプラズマに送り込まれる。一般に、プラズマガスはアルゴンである。プラズマは一般に、通常は金属であり、通常はイオン化されている検体及び、それらの全てが普通には中性であろうが、ある程度(約0.1%)はイオン化され得る、アルゴン、酸素、水素、さらには水蒸気のようなその他の様々な成分を含む。一般に用いられる湿性プラズマにおいては、H,O及びこれらの様々な多原子結合体のような反応性中性粒子成分含有率が高く、17%にもなる。これらのイオン及び中性粒子を含むプラズマが、ほぼ4Torr(約5.3×10Pa)に維持されるチャンバに通される。このチャンバから、プラズマはスキマーを通過してほぼ10−3Torr(約0.13Pa)の低圧に維持されるチャンバに入る。このチャンバから、イオンが反応/衝突セルに進入するようにされている。反応/衝突セルは通常、多重極子ロッドセットを有し、様々な圧力に維持することができる。例えば、反応が必要ではないときには反応/衝突セルを10−5Torr(約1.3×10−3Pa)に維持することができ、一方、反応または衝突誘起解離(CAD)が必要であるときには、反応/衝突ガスにより5×10−3Torr(約0.67Pa)から10−2Torr(約1.3Pa)の圧力が与えられる。イオン−分子反応またはCADを促進することが望ましい場合には、より高い圧力が反応セルに維持される。そのような場合、簡単な解析によれば、反応セル内のより高い圧力のため中性粒子の反応セルへの進入が防止され、計測器全体にわたる電位勾配により駆動されるイオンだけが圧力差に打ち勝って反応セル内に進むことが示されるであろう。しかし、この解析では、超音速膨張ジェットをつくる、大気圧から4Torrの領域へのプラズマの膨張により生じる相当な速度が見落とされている。したがって、スキマーを通過して10-3Torrの領域に入った後の、超音速膨張ジェット内の個々のイオン及び中性粒子は、高い側の反応/衝突セル内圧力と低い側の10-3Torr領域圧力との間の圧力差に打ち勝つに十分な運動エネルギーを有し、反応/衝突セルに進入することができる。さらに明確には、以下に詳述するように、本発明の発明者等は中性粒子の反応/衝突セルへの進入が可能であることを今では認識している。
イオン−分子反応セルは、ICP−MSで広く用いられている。イオン−分子反応セルをうまくはたらかせることができるか否かは、反応ガスの純度がどれだけ高いかにかかっている。高周波誘導結合プラズマは、プラズマを構成しているガスの99.9%がイオン化されていないから、中性粒子源である。通常では、0.1〜0.4scc/秒(scc:標準状態における気体のcmを単位とする体積)に相当する、約4×1018〜2×1019分子/秒の中性プラズマ粒子流が、質量分析計に進入する。これらの中性ガス粒子が反応セル内への流れに流入すれば、反応はもはや制御されない。反応セルに意識的に導入される高純度ガスの代わりに、この場合には、反応ガスの流入プラズマガスとの混合気が反応セルに導入されるガスであり、これらのプラズマガスには17%までの、H,O及びこれらの様々な多原子結合体である、反応性中性粒子が含まれる。昇圧セル内の圧力は(一般的流量の0.03〜0.3scc/秒では)セルが配置されている真空区画室の背圧より高くなり得るという事実にもかかわらず、上述したように、プラズマガスはプラズマ−真空界面で超音速膨張を受け、膨張後に粒子は一般に約2300m/秒の終端速度で進むから、プラズマからのガスはやはりセルに進入することができる。そのような高速ガス粒子の衝突圧はセル内の反応ガスの圧力より十分に高くなり得るから、プラズマからの中性ガス粒子は反応セル内に流入するであろう。
イオン源の圧力が衝突/反応セルの圧力より十分に高い、その他のどのような質量分析器においても、同様の過程がおこっている。今では様々な計測器が、衝突冷却、衝突集束または衝突誘起解離のための衝突装置を備えている。例えば、電子スプレーイオン化質量分析では、イオン源は通常大気圧で動作し、イオン化された粒子及び中性粒子が超音速膨張によってイオン源からより低圧の衝突セル内に運ばれる。上述したように、膨張するイオン源ガスの衝突圧は衝突セル圧力より高くなり得るから、イオン源からの中性ガス粒子が衝突セルに流入し、衝突ガスの組成を変えることになろう。この結果、組成が変化した衝突ガスとの、予測されず、制御されない、解離性及び反応性衝突が、質量分析により検出されるべきイオンに望ましくない修飾を生じさせ得る。
昇圧型質量分析及びイオン通過装置における様々なイオン−分子反応が、反応セルの使用による同重妨害種からの検体イオンの化学的分離のためにICP質量分析で成功裏に用いられている。ダグラス(Douglas)が、反応ガスによる酸化の特異性を利用した希土類元素及び希土類元素酸化物間の弁別に関して最初に報告した[D.J.ダグラス,Canad. J. Spectrosc.,1989年,第34巻,p.38]。TbがCeOよりも容易にOで酸化されることが示された。検体イオン(159Tb)がより大きなm/zにシフトされた結果、TbOとして測定することができた。妨害イオン(142Ce17)は同程度にはシフトされず、よって試料にCeが存在するなかでTbOとして測定されるTb信号の信号対雑音比の向上を達成するという、分析上の利点になり得る結果が得られた。その後間もなく、ローワン(Rowan)及びホウク(Houk)が、注目する検体イオンのCHのような反応ガスに対する低反応性による、注目する検体イオンのm/zからの妨害アルギド(argide)イオンの除去に関して報告した[J.T.ローワン;R.S.ホウク,Applied Spectrosc.,1989年,第46巻,p.976]。
検体一妨害種間化学的分離の特異性は、一般に及び上述の場合のいずれにおいても、反応ガスの特性に依存する。妨害種が検体イオンのm/zから離れたm/zにシフトされなければならない場合は、反応ガスの反応性が検体イオンに対しては低く、妨害種に対しては高いことが望ましい。他方で、検体イオンが多原子イオンへの転化により検体イオンのm/zからシフトされなければならない場合は、好ましくは、反応ガスの検体イオンに対する反応性が高くあるべきであり、同時に妨害種に対しては低くあるべきである。検体イオンが検体イオンのm/zからシフトされなければならない場合、好ましくは、検体イオン電流すなわち信号が多くの生成物イオン電流に分散せず、検出能力が低下しないように、検体イオンを転化する反応経路は1つまたは少数に限られるべきである。この場合、少なくとも検体生成物イオンのm/zと同じm/zにある妨害生成物イオンを生成し得るいかなる反応経路に対しても、妨害種に対する反応性は低くあるべきである。すなわち、いかなる妨害生成物も検体生成物イオンと同重にならないことが望ましい。
発明者等は、ICP−MSにおける反応性同重妨害種の除去の最高有効度が、昇圧型装置内での平均イオン−分子衝突回数が十分に大きいときに限り、達成され得ることを最近示した。NHとの反応による有効度が10のAr信号抑制が>20の平均衝突回数により実証された。上記の高効率の妨害種反応除去は、セル内に多数の新しい種を生成する順次化学反応過程の促進により達成されることが示された。
本発明の発明者等は、上記の順次化学反応過程を制御し得ること及び望ましくない妨害種の排除に用い得ることも認識した。これは、譲受人によりダイナミック反応セルと称される、技法により実施される。簡単に言えば、この技法には、反応セルの四重極子ロッドセットに、帯域通過を提供し、よってセットの通過帯域の外側のイオンを排除するための、電圧を与えることが必要である。この技法は、本発明の譲受人への、国際公開第98/56030号パンフレットでより詳細に説明されている。
反応セルに供給される反応ガスの純度が昇圧型反応器内の化学反応過程の有効な制御にとって決定的であることが、当業者には理解されるであろう。研究室級高純度(99.999%)ガスが好ましい。しかし、上に示したように、本発明の発明者等は反応ガスのあり得る最大の汚染源が質量分析システム自体にあることを認識した。プラズマ−真空界面は必然的に、イオン源から大量の中性ガス分子及び原子(Ar,O,O,H,H,HO)ガスを真空チャンバに進入させる。ICPにおけるプラズマ維持ガスのイオン化の度合は低く(0.04〜0.1%)、よってプラズマ種の大多数は中性であることは、周知の事実である。そのようなある程度イオン化したプラズマーガス混合気は、スキマー界面の背後に形成される超音速膨張の終端速度に相当する、高速でチャンバに進入する。この速度が、ある程度イオン化したガスの真空システム内における伝搬の少なくとも初期段階の間の、中性成分及びイオン化成分のいずれの軌跡も決定する。したがって、イオン化成分及び中性成分は結合している(それらの軌跡が同じ要因によりともに定められる)と言うことができる。高速中性ガス粒子は、反応チャンバが高速中性ガス粒子の軌跡に一致して配置されていれば、反応チャンバに進入することができる。
出願人及び譲受人の知る範囲では、反応セルを備えるICP−MSの他の多くの使用者の目的は、検体に影響を与えることなく、反応セルに不要な妨害種を除去させることである。通常、検体は金属であり、この金属は直接、すなわち金属の何らかの化合物への前反応無しに、検出されるべきであると考えられている。したがって、金属と反応する反応ガス中の汚染種の問題が、通常の検体は大多数の汚染種と容易に反応し得るから;例えば、多くの金属は水と相当に反応して酸化物を形成し、よって金属の検出能力が低下するから、関心事となっている。
他方で、本発明の譲受人は、検出への酸化物の使用の促進を最近始めた。この目的のため、NOまたはその他の適当な反応ガスが反応セルに与えられて、検体金属イオンの酸化物への転化を促進する。上述したように、例えばTbについては、上記の技法により改善された結果を得ることができ、同重妨害種による問題を排除できる。しかし、この技法にともなう潜在的難点は、酸化物がプラズマガス流から導入される汚染種とより容易に反応しうることである。例えば、水蒸気は酸化物を水酸化物に転化させ得る。
例えばRbとSrにはm/zが同じく87の同位体がある。RbとSrの比は地質年代学において岩石試料の年代測定に広く用いられている。ICP−MSでRbとSrを弁別するため、SrをNOとの反応で酸化して、m/z=103の87SrOを得る。NOはRbに対して非反応性であり、よって87Rbは容易には酸化されず、m/z=87のままである。Srには他に、m/z=86及び88の同位体もある。SrOは水と反応してm/z=103の86SrOHを形成する。上述した過程により水が少しでも反応ガスに流入すれば、87SrOとしての87Srの検出が86SrOHからの妨害により危うくなる。
したがって、本発明の目的は、イオン−分子反応器内の所望の化学反応過程の予測可能性及び特異性がプラズマまたはプラズマ−真空界面から発生するガス粒子またはその他の中性粒子による反応ガスの制御されない希釈によって弱められないことを保証するであろう、ICP質量分析における制御されたイオン−分子反応のための装置及び方法を提供することにある。ほとんどイオン−分子反応器及びICPプラズマとの使用について説明されるが、本発明は、この特定の構成に限定されず、中性粒子が昇圧型CADまたは反応チャンバに進入し、望ましくない中性粒子とのイオンの反応または衝突を促進できる、いかなる装置にも使用できる。
市場にはプラズマから伝搬する中性粒子の直進方向に反応/衝突セルを有するICP−MS装置がある(マイクロマスプラットフォーム(Micromass Platform)及びVGエクセル(VG ExCell))。HeまたはHe−H混合気で昇圧されたVGエクセル衝突セルでの酸化反応の促進が、J.ゴドフレイ(Godfrey),I.B.ブレナー(Brenner),P.シグスワース(Sigsworth)及びJ.ベイシー(Bathey)による、衝突ガスがHe及びH種以外の、おそらくプラズマガスから流入したと思われる、ガス種も含有していることを示す、発表において示された[論文番号F7,2000年冬季プラズマ分光化学講演会,フロリダ州フォートローダーデール(Fort Lauderdale),2000年1月10〜15日]。
特許にも市販装置にも、イオン光学系及び/または検出器に向かう直進経路からプラズマ粒子及び光子を除去することにより通常のICP−MSの安定性を向上させ、バックグラウンドカウント率を下げる、様々な既知の提案がある。これらには:光子ストップ及びシャドウストップ(米国特許第4,746,794号)、(エイジレント・テクノロジーズ社(Agilent Technologies Inc.)技報第5968−8813E号(1999年12月)に示されるような、エイジレントHP7500シリーズICP−MSの)オメガレンズまたは(第26回分析化学学会及び分析学会連合年次講演会,バンクーバー(Vancouver),1999年10月25日における発表番号55,「四重極子ICP−MSへの衝突セル技術の導入」において、VGエレメンタル(VG Elemental)のジョナサン・ベイティー(Jonathan Batey)により説明されたような、VGエクセルの)シケーンレンズ、(2000年冬季プラズマ分光化学講演会,フロリダ州フォートローダーデール,2000年1月10〜15日における発表番号FP34,「プラズマイオン源を備えるイオントラップ型質量分析計の開発」において、(株)日立のタカヤス・ナベシマ等により説明されたような、日立ICP−ITMSの)90°扇形イオン偏向器、及び(A.モンテイサー(Montaser)編集,「高周波誘導結合プラズマ質量分析法」,ワイリー(Wiley)−VCH,1998年,p.428に示されるような、セイコー・インスツルメンツ(Seiko Instruments)SPQ9000の)オフアクシス転送光学系がある。これらは全て、安定性及びバックグラウンドの改善のために、検出器及び/またはイオン光学素子への光子及び中性プラズマ粒子の到達を阻止するために用いられている。
最も重要なことには、これらの既知の提案のいずれもが、プラズマ中性粒子の反応/衝突セルへの進入を防止するためには用いられていない。1つの例外は、本発明の譲受人によるICP−MSダイナミック反応セル(DRC)である。この計測器は、(MDSに譲渡された米国特許第4,746,794号の明細書に開示されるように)中性プラズマ粒子によるイオン光学素子の汚染を阻止するため、及び光子ストップとしても役立たせるために、“シャドウストップ”を用いている。しかし、このシャドウストップの中性プラズマガスへの効果は認識されていなかった。上述した理由のため、シャドウストップは、光子の検出器への到達の防止、及び完全には分解されていない試料から発生する大きな金属粒子による下流のイオン光学部品の汚染の防止に必要なだけであると以前は考えられていた。市販のICP−MSにおいては、中性ガス粒子のイオン光学系への侵入があってもそれほどの困難は生じない。さらに、プラズマガスを含む、中性ガス粒子は、これらの粒子は荷電しておらず、これらの粒子をさらに質量分析計内に追い込むポテンシャルはないはずであるから、重大な問題になり得るとは認識されていなかった。この分析的検討は、重大であると今では認識されている超音速膨張ジェットの効果を見落としている。すなわち、上記ストップが、プラズマガスのセルへの流入を阻止する目的にも役立つことが今では認識されている。
上記の効果はこれまでは認識されていなかった。実際、譲受入により製造された計測器が他の製造業者による計測器ほどには酸化物の不要な形成を促進しないことが最近になって明らかになった。しかし、この理由はわかっていなかった。上記の“シャドウストップ”がプラズマガスの衝突セルへの進入を防止すると、今では考えられている。対照的に、他の製造業者による計測器ではそれらの計測器の“阻止”装置は反応セルの(前方とは逆側の)背後に配置され、よって、それらの計測器については反応セルが高速プラズマ中性粒子の直進経路上にあるから、プラズマガスによる反応ガスの汚染が酸化物の反応を促進すると考えられる。
発明の概要
本発明の第1の態様にしたがえば:
試料イオンを生成するためのイオン源;
イオンインターフェース;
反応/衝突セル区画であって、イオンインターフェースはイオンにイオン源と反応衝突セル区画との間のインターフェースを提供するものである反応/衝突セル区画;及び
イオンだけが反応/衝突セル区画に進むように、イオンと中性粒子との間の実質的な分離を提供するための、イオンインターフェースと反応/衝突セル区画との間に設けられたイオン−中性粒子分離装置;
を備える質量分析計が提供される。
本発明の別の態様にしたがえば、イオンが生成され、質量分析にかけられる、質量分析計システムの動作方法が提供され、本方法は:
(i) イオン源に試料を供給し、試料イオン及び不要な中性粒子を含むイオン流を生成するステップ;
(ii) イオン流から中性粒子を分離するステップ;
(iii) 分析のためにイオン流を反応/衝突セル区画に送り込むステップ;
を含む。
好ましい実施形態の説明
本発明のより良い理解のため及び本発明がどのように実施され得るかをより明確に示すため、例として、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面を、ここで参照する。
全体として参照数字10で示される質量分析計を示す図1を初めに参照する。質量分析計10は、既知の適当ないずれかの試料導入システムとすることができる、試料導入システム12を備える。試料導入システム12はイオン源14に接続される。適当な既知のいずれかの、試料導入システム12及びイオン源14を用いることができる。例えば、これらの2つの要素12,14は、溶液に溶解された試料検体からイオンを生成するための、電子スプレイ源を備えることができる。霧化器/スプレイチャンバ/ICPは、試料導入システム12及びイオン源14の構成の別の例である。しかし、適当ないかなる試料導入システム及びイオン源も用いることができる。
図1では本質的に、イオン源14がイオン光学系区画室18より高圧であると想定されている。イオン源14からのイオンは差動排気インターフェース16に送られる。通常、大気圧イオン源に対し、インターフェース16は約4Torrで動作する中間圧チャンバとなろう。
排気インターフェース16から、イオンはイオン光学系区画室18として定められる区画室に送り込まれる。イオン光学系区画室18は低圧、一般には10-3Torrに維持されるであろう。イオン光学系区画室18を差動排気インターフェース16から隔てる壁体20は、スキマーコーン等を備えることができる。上述したように、イオン源14と差動排気インターフェース16との間の圧力差により、イオン光学系区画室18に進入する、参照数字22で示される、高速の超音速ジェットが生じる。この超音速ジェットは上で概説した組成、すなわち、一般には試料粒子、ほとんどが中性のアルゴン原子及びかなりの量の、例えば、ほとんどが中性の酸素、水素及びこれらの様々な多原子結合体を有するであろう。
ここで、本発明にしたがえば、超音速ジェット22はイオン−中性粒子分離装置24に直接送り込まれる。分離装置24が、イオン流26及び中性ガス流28に、超音速ジェットを偏向すなわち分離する。図1では、中性ガス流28が偏向され、イオン流26が直進通過するとして示されているが、これらの流れは逆に、イオン流26が偏向され、中性ガス流28がイオン光学系区画室18を通って直進するようにすることもできるであろう;このような様々な構成は以下で詳述される。
反応セルすなわち衝突装置30が設けられる。上で詳述したように、反応セルは一般に、反応ガスが存在するときは10-3Torr〜10−2Torrの範囲、反応がおこらない場合には10−5Torrの低圧の、異なる圧力範囲で動作する。イオン光学系区画室18とのインターフェースを形成する一端とイオン光学系区画室18の外側の他端とを有することが示される。いくつかの用途に対しては、イオン流が衝突装置30を通過する前及び後のいずれにおいてもイオン光学系区画室18の圧力を受けるように、反応すなわち衝突セル装置30の全体をイオン光学系区画室18内に配置することができよう。
衝突装置30から流出する、参照数字32で示される、イオン流は、次いで、参照数字34で示される質量分析計に送られる。
図1は本発明の基本要素を示す。当該技術にしたがえば、数多くの様々な変形が可能であることが認められるであろう。すなわち、いくつかの用途については、衝突装置30における衝突の後にさらに衝突ステップを実施することが望ましい場合がある;これは何らかの質量フィルタリングステップの後に実施することができよう。いずれにせよ、米国特許第4,746,794号明細書、同第5,381,008号明細書及び同第5,565,679号明細書に開示され、国際公開第98/56030号パンフレットにも開示される質量分析器の構成の全てについて本発明を使用できると考えられる。上記3つの特許明細書及び出願公開パンフレットの内容は本明細書に参照として含まれる。
図2〜9はイオン−中性子分離装置24の様々な異形を示す。これらの図においては質量分析計の他の要素も示され、簡単のために、これらの図における同様の要素には図1と同じ参照数字が付されている。これらの要素を繰り返して説明することはない。
初めに、図2〜9については、試料導入システム12,イオン源14及び差動排気インターフェース16が単一の要素として簡略に示され、‘イオン源’と表示されて参照数字40で識別されていることに注意されたい。このイオン源40は超音速ガス流内のイオン及び中性粒子流を生成するに必要なコンポーネントを全て備えていることは理解されるであろう。図2〜9では、衝突/反応セル30もイオン光学系区画室18内に示される。
まず図2を参照すれば、それぞれがそれぞれのアパーチャ42,44をもつ、一対のオフセットプレート41,43を備える構成が示される。アパーチャ44はアパーチャ42に対してオフセットされ、よってアパーチャ42を通って衝突/反応セル30に向かう直進経路はない。図に示されるように、アパーチャ44は、反応セル30について参照数字46で示される、入口アパーチャと揃えられている。
イオンは‘+’を囲む○で表され、参照数字48で示される。一方中性粒子は参照数字49で示されるただの○で表される。中性粒子49及びイオン48は、イオン源40における超音速膨張で獲得した高速度を有する。図に示されるように、中性粒子49はアパーチャ42を直進通過して、第2のプレート43に突き当たる。他方で、イオン48は静電的に偏向されて、アパーチャ44、続いてアパーチャ46を通過し、衝突セル30に入る。別の配置では、アパーチャ44が衝突/反応セル30の実際上の入口アパーチャ46となり、プレート43がセル30の入口壁となるようにして、アパーチャ44及び46を同じとすることができる。プレート41及び43は、それぞれが分離した半プレート41a,41b及び43a,43bからなり、よって、イオンを偏向するために半プレートに相異なる電位を印加できるように構成することができる(イオン48及び中性粒子49をそれぞれ‘+’を囲む○及びただの○で表す方式は残りの図3〜9の異形に対しても用いられる)。
ここで、質量分析計装置またはデバイスの全体の様々な区画には、既知の態様で、所望の圧力を維持するための適切なポンプが備えられるであろうことに注意されたい。さらに、これらのポンプは、既知の態様で、縦続接続することができる。例えば、数Torr程度の圧力を維持する荒引きポンプを、イオン光学系区画室におけるミリTorr程度ないしそれより低い圧力を維持する、より高性能のポンプをバックアップするために用いることもできる。図2において、及び図3〜9においても、そのようなポンプへの接続のための開口が、参照数字49で示される。
次に図3を参照すれば、図3は、図2と同様であるが、参照数字50,52及び54で示され、それぞれアパーチャ51,53及び55をもつ、3枚のプレートを備える構成を示す。ここではアパーチャ51及び55が衝突/反応セル30の入口アパーチャ46と揃えられているが、反応セル30に向かう直進経路はない。これは、アパーチャ53が‘シケーン’効果をつくるためにオフセットされている、中間プレート52の存在による。このことから、図3に示されているように、イオン48が反応セル30に送り込まれるためには、イオン48はまず上方に偏向され、次いで下方に偏向されなければならない。図2と同様に、プレート50,52及び54はそれぞれ、イオンを偏向させるための適切な電位の印加を可能にするために、分離された半プレート50a,50b,52a,52b,及び54a,54bから構成することができる。したがって、イオン源40からの中性ガス粒子はプレート52に突き当たり、反応セル30には進まない。反応セルアパーチャ46に関わる軸に沿う超音速流成分が乱され、よって衝突圧は超音速流からの中性粒子が反応セル30に流入するに十分なほど高くはならない。
図4を参照すれば、図4は第1のロッド62の対及び下流の第2のロッド64の対を備えるイオン−中性粒子分離装置60を示す。ロッド62はスリット63を形成し、イオン及び中性ガス粒子はスリット63を通過することができる。ロッド64は同様のスリット65を提供するが、スリット65はオフセットされており、よってイオン源40から衝突/反応セル30に入る直進経路はやはり存在しない。したがって、図示されるように、中性粒子49はロッド64の内の1本に突き当たることになり、一方イオン48はスリット65を通過して衝突/反応セル30に流入する。
次に図5を参照すれば、参照数字70で表される分離装置の第4の実施形態すなわち異形は、四重極子静電型偏向器を備える。この偏向器は4本のロッド72を有するが、これらは正確な双曲面を提供する4つの素子からなり得ることが当業者には当然であろう。ロッド72には、技術上既知のように、所望の静電場を確立するため、DC電位が与えられることになろう。
この図5の実施形態は、図2,3及び4の実施形態とは異なり、イオン源40からのイオンが、参照数字74で示されるように、この場合には元のイオン流に直交して配置されている、衝突/反応セルに向かって偏向される点で、図1に示される方式にはしたがっていない。他方で、中性ガス粒子は等しく静電場に影響されず、参照数字76で示されるように、分離装置70を直進通過し、開口49を通ってポンプに流出する。
図6は、イオンビームが偏向される、別の構成を示す。この場合は、参照数字80で示される静電型扇形偏向器が、ここでは参照数字82で示されるイオンビームを偏向して、同じく元のイオンビームに直交して配置されている衝突/反応セル30に入れる。図6の、また他の図の、90°配置が好ましいが肝要ではないことは当然であり、中性ビームの衝突圧が反応セル内部の圧力をこえることを防止するいかなる角度も偏向器の適切な構成に適する。
図7は、衝突セル30が、図示されるこの特定の例では、イオン源40の軸に対して同じく90°の角度に配置された第3の構成を示す。ここでは、磁気型扇形偏向器86が備えられる。イオンビームは参照数字87、中性粒子ビームは参照数字88で示され、これらのビーム87,88は先の実施形態についてと同様の経路にしたがう。同じく、90°配置は肝要ではなく、イオンビームと中性ガス粒子ビームすなわち中性ガス粒子流との間の十分な分離を保証する、いかなる適当な角度も用いることができる。
図8は図2及び3の変形と見なすことができる構成を示す。ここでは、イオン源40と反応セル30との間のいかなる直進経路も妨げる、単板プレートすなわち障害板90が設けられる。これにより、イオンは参照数字92で示されるように偏向される。この場合も、中性粒子94は、存在するいかなる電位勾配にも影響されず、障害板90に単に突き当たるだけである。障害板90が超音速流を乱し、よって中性粒子は実質的に反応セル30に流入せず、一方下流の静電場または電位勾配がイオンを反応セル30内への参照数字92で示される経路にしたがわせる。図8に示される実施形態は、参照数字90の障害物の様々な構成を説明している、米国特許第5,381,008号明細書または同第5,565,679号明細書にしたがうことができる。
図9は、先行の米国特許第5,381,008号明細書に示される方式と同様の方式を示す。この場合は、イオン源40とイオン光学系区画室18との間に中間チャンバ100が設けられる。これは、開口104をもつ壁体102により達成される。
上記先行米国特許明細書に示されるように、開口104がオフセットされ、よって超音速流は壁体102に突き当たり、中性粒子94及びイオンが蓄積して、参照数字108で示される、圧力上昇領域を形成する。中性ガスは再膨張し、領域108から開口104を通って区画室18に入るが、開口104にかかる、イオン源における元の圧力差より小さい圧力差により、中性粒子及びイオンは元の超音速流速度より小さい再膨張速度を獲得する。この結果、反応セル30の入口アパーチャ46における中性ガスの衝突圧は低くなり、膨張ガスからの中性ガス粒子はセル30に流入しない。同じく、静電場または電位勾配により、イオンは反応セル30内に進むことになる。
次に、イオン源110及び入口アパーチャ112及びスキマー114を示す、図10を参照する。中間圧チャンバ116が形成される。
ここでは、計測器またはシステムの第1のチャンバに、第1の四重極子ロッドセットQ1が備えられる。Q1は注目する親イオンを選択し、参照数字120で示される衝突セルに向けて通過させるための、分解質量分析計として動作する。既知の態様で、衝突セル120には第2の四重極子(または他の多重極子)ロッドセットQ2が備えられ、ガス供給源122から衝突ガスが供給される。
本発明にしたがえば、イオンを中性粒子及びガスから分離するための何らかの形態の装置が、図124で示されるように、スキマー114と四重極子ロッドセットQ1との間に設けられる。この装置124は図2〜9に示される装置のいずれか1つとすることができる。
すなわち、使用においては、親イオンがQ1で選択され、衝突ガスによるフラグメント化のためにQ2に送り込まれる。
得られるフラグメントイオンはQ2から、参照数字126で示される、通常の飛行時間(TOF)型質量分析計内に進む。TOF126は飛行チューブ128を有する。検出器130がコンピュータ132に接続される。
先行の国際公開第98/56030号パンフレットに詳述されるように、TOF型質量分析計の限界は、最も遅いイオンが飛行チューブを通過して検出器130に到達するに十分な時間が与えられなければならないから、デューティーサイクルが制限されることである。これは、高質量範囲のイオンを制限するため、高質量カットオフをもつ帯域通過をQ2に施すことにより克服できる。この結果、TOF126のデューティーサイクルを改善できるが、高質量カットオフ特性は肝要ではなく、Q2を様々なモードで動作させることができる。
本発明にしたがえば、プラズマガス等による衝突セル120の汚染を防止するために、装置124が備えられる。
図11を次に参照すれば、図11は、国際公開第98/56030号パンフレットからとられた、別の分析計構成を示す。ここでは、イオン源140は、同じく、一般には通常の高周波誘導結合プラズマ源、グロー放電イオン源またはその他のタイプの周知のイオン源であろう。イオン源140は、イオン及び中性粒子流を、サンプラープレートのオリフィス142を通して、メカニカルポンプ146により、例えば3〜4Torr(約4.0〜5.3×10Pa)の圧力まで排気された、第1の中間圧真空チャンバ144に送り込む。
イオン及び中性粒子は、続いて、スキマーコーン150のオリフィス148を通り、ターボポンプ156により例えば1ミリTorr(約0.13Pa)まで排気された、第1の、主チャンバ154の、参照数字152で示されるイオン光学系を通過する。
イオンは次いで、衝突セル160内に収められた、多重極子装置158に流入する。多重極子装置158は四重極子とすることができるが、八重極子または六重極子あるいは技術上既知のその他いずれかの多重極子であってもよい。反応性衝突ガスが供給源162から衝突セル160の内部に供給される。本実施形態において、供給ガスは、第1の導管164を通って環状開口166に、また第2の導管168を通って衝突セル160への入口の直前の位置に、送られるように示される。
RF及びDC電源が参照数字170で示される。濾波雑音場(FNF)電源172も示される。
衝突セル160からのイオンは、多重極子装置158からオリフィス174を通過して、高真空ターボポンプ178で排気された、第2の主真空チャンバ176に入る。既知の態様で、ポンプ156,178はメカニカルポンプ180によりバックアップすることができる。
第2の主真空チャンバ176において、イオンはプレフィルタ182(一般には短いRF専用四重極子ロッドセット)を通って質量分析器184内に進むことが好ましい。図示されるように、質量分析器184とロッドセット182とはコンデンサ接続とすることができる。質量分析計184は、同じく、四重極子質量分析計であることが好ましい。RF及びDC電源186が四重極子ロッドセットすなわち質量分析計184のために備えられる。
質量分析計184から、イオンはインターフェースプレート190のオリフィス188を通って検出器192内に進む。検出器192はイオン信号を記録するためのコンピュータ194に接続される。
第1の主真空チャンバ154において、シャドウストップ196がイオン光学系152の軸上に配置され、シャドウストップ196は、超音速中性ガス流を乱して、衝突セル160の入口での衝突圧の増大を防止し、よって圧力は、イオン源140で発生する中性ガス粒子を供給源162からの反応性衝突ガスで昇圧された衝突セル160に押し入れるに十分なほどまで高くはならない。
本発明にしたがう質量分析計の略図である 図1のイオン−中性粒子分離装置の第1の異形を示す 図1のイオン−中性粒子分離装置の第2の異形を示す 図1のイオン−中性粒子分離装置の第3の異形を示す 図1のイオン−中性粒子分離装置の第4の異形を示す 図1のイオン−中性粒子分離装置の第5の異形を示す 図1のイオン−中性粒子分離装置の第6の異形を示す 図1のイオン−中性粒子分離装置の第7の異形を示す 図1のイオン−中性粒子分離装置の第8の異形を示す 本発明を組み入れた例示的な質量分析計の構成を示す 本発明を組み入れた例示的な質量分析計の構成を示す
10 質量分析計
12 試料導入システム
14 イオン源
16 差動排気インターフェース
18 イオン光学系区画室
20 壁体
22 超音速ジェット
24 イオン−中性粒子分離装置
26,32 イオン流
28 中性ガス流
30 反応/衝突装置
34 質量分析計

Claims (10)

  1. 質量分析計システムにおいて:
    試料イオン及び中性粒子を含むイオン流を生成するためのイオン源;
    イオンインターフェース;
    前記イオンインターフェースから受け入れた前記試料イオンを処理するための反応/衝突セル区画であって、前記イオンインターフェースは前記イオンついて前記イオン源と該反応/衝突セル区画との間のインターフェースを提供するものである反応/衝突セル区画;及び
    記イオンインターフェースと前記反応/衝突セル区画との間に設けられた、イオン−中性粒子分離装置であって、前記反応/衝突セル区画が当該イオン−中性粒子分離装置から前記試料イオンだけを直接受けるように前記試料イオンと前記中性粒子との間の実質的分離を提供するためのもの
    を備えることを特徴とする質量分析計システム。
  2. 前記イオン−中性粒子分離装置が:アパーチャをもち、前記アパーチャが中性ガス粒子の直進通過を妨げるために互いにオフセットされている、1枚のプレートまたは複数枚のプレート;イオンの通過のためのスロットを備え、中性ガス粒子の通過を妨げるようにオフセットされた、複数対のロッド;静電型四重極子90°偏向器;静電型扇形偏向器;磁気型扇形偏向器;前記イオンインターフェースから前記反応/衝突セル区画への中性ガス粒子の直進流を妨げる障害物;及び、オフセットされたアパーチャをもち、前記イオンインターフェースと前記反応/衝突セル区画との間に中間圧チャンバを定める1枚のプレート;の内の1つを備えることを特徴とする請求項1に記載の質量分析計システム。
  3. イオン光学系区画室を備え、前記イオン−中性粒子分離装置が前記イオン光学系区画室に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の質量分析計システム。
  4. 前記反応/衝突セル区画が、衝突ガスが供給される衝突セルを備えることを特徴とする請求項3に記載の質量分析計システム。
  5. 前記衝突セルから下流に、前記衝突セルにおける衝突及び/または反応後のイオンを分析するための質量分析器を備えることを特徴とする請求項4に記載の質量分析計システム。
  6. イオンが生成されて処理される、質量分析計システムの動作方法において、前記方法が:
    (i) 試料をイオン源に供給し、試料イオン及び不要な中性粒子を含む、イオン流を生成するステップ;
    (ii) 前記イオン流から前記不要な中性粒子を、イオン−中性粒子分離装置を使って分離するステップ;
    (iii) 前記イオン−中性粒子分離装置から出力された前記試料イオンを直接反応/衝突セル区画に送り込むステップ;
    を含むことを特徴とする方法。
  7. 前記ステップ(ii)が、前記試料イオンを偏向させて、前記試料イオンの偏向を利用し、一方前記不要な中性粒子は偏向されないままにしておくステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 請求項6に記載の方法において:
    前記イオン流に複数枚のプレートの一連のアパーチャを通過させるステップであって、前記アパーチャはオフセットされているステップ;及び
    前記試料イオンを駆動して前記オフセットされたアパーチャを通過させるための静電場を与えるステップであって、前記オフセットされたアパーチャは前記不要な中性粒子が前記オフセットされたアパーチャを通過する流れを妨げるはたらきをするステップ;
    さらに含むことを特徴とする方法。
  9. 大気圧においてイオン流を生成するステップ及び前記イオン流にアパーチャを通過させて実質的に大気圧以下に維持されたイオン光学系区画室に入れ、よって膨張する超音速ジェットを生成するステップを含む、請求項6に記載の方法において、前記工程(ii)が、前記反応/衝突セル区画への中性粒子の進入を妨げるように前記超音速ジェットを遮るステップをさらにことを特徴とする方法。
  10. 前記試料イオンが、前記反応/衝突セルから出た後、引き続いて質量分析にかけられるステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
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