JP5280577B1 - 防水被覆層形成システム及び防水被覆層形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧密成形体の防水被覆層を、圧密成形体上に重機等が立ち入る必要なく効率的に形成できる防水被覆層形成システムを提供する。
【解決手段】防水被覆層形成システムは、最終処分場1において、圧密成形体3上に防水被覆層を形成するために用いられ、圧密成形体3上にモルタル及び砕石を散布するための第1構成物品群4〜13及び第2構成物品群と、圧密成形体3上に散布され敷き均されたモルタル及び砕石を締め固めるための第3構成物品群5〜7、14と、締め固められたモルタル及び砕石上に膨張抑制用の重錘16を載置するための第4構成物品群13、16とを備える。第1〜第4構成物品群は、圧密成形体3上に立ち入ることなく上記散布、締固め、重錘の載置を行う。
【選択図】図1
【解決手段】防水被覆層形成システムは、最終処分場1において、圧密成形体3上に防水被覆層を形成するために用いられ、圧密成形体3上にモルタル及び砕石を散布するための第1構成物品群4〜13及び第2構成物品群と、圧密成形体3上に散布され敷き均されたモルタル及び砕石を締め固めるための第3構成物品群5〜7、14と、締め固められたモルタル及び砕石上に膨張抑制用の重錘16を載置するための第4構成物品群13、16とを備える。第1〜第4構成物品群は、圧密成形体3上に立ち入ることなく上記散布、締固め、重錘の載置を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、廃棄物の最終処分場において、地盤を取り除いて設定された各区画に無機廃棄物、セメント等を混練した埋立材を充填して締め固めた圧密成形体の上に無機廃棄物と雨水との接触を阻止する防水被覆層を形成するために用いられる防水被覆層形成システム及び防水被覆層形成方法に関する。
従来、廃棄物の最終処分場において区画毎に形成される上述の圧密成形体は、その上に、カバー層として、砕石、溶融スラグ等が数センチ程度の厚さで均等に敷かれ、カバー層の上が養生鉄板で覆われ、さらにその上に膨張抑制用の錘が置かれる。この後、圧密成形体は、一定の養生期間を経て固化し、地盤の一部となる。固化した圧密成形体の上にさらに圧密成形体を形成するときには、その前にカバー層が取り除かれる(特許文献1参照)。
このような圧密成形体の固化物は、区画毎に順次水平方向に、さらには垂直方向に形成されてゆく。そして、最終的には最終処分場全体が、多数の圧密成形体の固化物による地盤として再生される。かかる再生地盤においては、圧密成形体の固化物に含まれる無機廃棄物中の有害物質が雨水に溶出することが完全に防止される。
ここで、本発明者らは鋭意の試験研究の結果、最終処分場において上述のような圧密成形体の固化物を順次形成する過程においても、各圧密成形体に含まれる無機廃棄物と雨水が接触することを防止することが望ましいことを知見した。
これを達成するためには、固化が完了した圧密成形体をビニールシートなどで覆っておくことも考えられる。しかし、より効果的かつ半永久的に無機廃棄物と雨水との接触を回避できる被覆層を圧密成形体上に形成する技術の開発が望まれる。
その場合、固化前の圧密成形体上をモルタル等で覆い、圧密成形体と一体的に固化させることにより、無機廃棄物と雨水との接触を効果的に回避できる被覆層を形成することが考えられる。ただしその場合、モルタル等を固化前の圧密成形体を重機等で変形させることなく散布する必要がある。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、最終処分場において順次形成される圧密成形体上に、無機廃棄物と雨水との接触を阻止する防水被覆層を、該圧密成形体上に重機等が立ち入る必要なく効率的に形成できる防水被覆層形成システム及び防水被覆層形成方法を提供することにある。
第1発明の防水被覆層形成システムは、廃棄物の最終処分場において、地盤を取り除いて設定された多数の区画について区画毎に無機廃棄物、セメント、及び必要量の水又は重金属固定剤を混練した埋立材を充填して締め固めた圧密成形体の上に無機廃棄物と雨水との接触を阻止するモルタル及び砕石を含む防水被覆層を形成するために用いられる防水被覆層形成システムであって、前記圧密成形体上にモルタルを散布するための第1構成物品群と、前記圧密成形体上に砕石を散布するための第2構成物品群と、前記圧密成形体上に散布されてから敷き均された前記モルタル及び砕石を締め固めるための第3構成物品群と、前記圧密成形体上で締め固められたモルタル及び砕石上に、該圧密成形体が、その養生期間中に膨張するのを抑制する重錘を載置するための第4構成物品群とを備え、前記第1〜第4構成物品群により、前記被覆層を形成する圧密成形体の上に立ち入ることなく前記モルタルの散布、砕石の散布、モルタル及び砕石の締固め、並びに重錘の載置が行われることを特徴とする。
第1発明において、圧密成形体上に被覆層を形成する際には、圧密成形体上に第1構成物品群によってモルタルが散布され、第2構成物品群によって砕石が散布される。散布されたモルタル及び砕石は、敷き均された後、第3構成物品群により締め固められる。その後、第4構成物品群により、締め固められたモルタル及び砕石の上に、養生鉄板を介して重錘が載置される。モルタル及び砕石は、養生期間を経て、圧密成形体と一体となって硬化し、圧密成形体内の無機廃棄物と雨水との接触を完全に阻止する防水被覆層となる。
この間、モルタル及び砕石の散布と締固め並びに重錘の載置は、第1〜第4物品群により、圧密成形体上に立ち入ることなく行われる。したがって、固化前の圧密成形体を第1〜第4物品群により変形させることなく、かつ効率的に防水被覆層を形成することができる。
第2発明の防水被覆層形成システムは、第1発明において、前記第1構成物品群は、モルタルを供給するミキサー車と、油圧ショベルと、上方を向きかつシリンダで角度が調整し得るように前記油圧ショベルに取り付けられ、前記ミキサー車からモルタルを受け取って前記圧密成形体上に散布するためのバケットとを備えることを特徴とする。
この場合、モルタルの散布に際しては、散布するモルタルを、ミキサー車から、油圧ショベルのバケットで受け取り、油圧ショベルのアームを伸ばしてバケットを圧密成形体の上面に沿って移動させながら散布することができる。その際、油圧ショベルは、圧密成形体の外側からモルタルの散布を行うのに適した長いアームを有するので、圧密成形体上に立ち入る必要なく、散布を行うことができる。
また、モルタルの散布は、シリンダで角度が調整し得るように油圧ショベルに取り付けた上向きバケットで行われる。このため、モルタルを、少量ずつ均一に圧密成形体上に散布することができる。これにより、圧密成形体上に立ち入ることを不要としつつ、必要な散布後の敷均作業の労力およびコストを低減することができる。
第3発明に係る防水被覆層形成システムは、第2発明において、前記第1構成物品群は、前記ミキサー車にセメントをエア圧送によりホースを介して供給するセメントサイロを備え、前記ミキサー車は、セメントの供給を受けるための投入ホッパを備え、前記セメントサイロは、前記ホースの先端に、該ホースを前記投入ホッパに接続するためのフランジ部を備え、前記フランジ部は、前記投入ホッパの投入口に取り付けたとき、前記ホースの接続と同時に該投入口を閉塞する構造を有することを特徴とする。
これによれば、ミキサー車に対するセメントの供給に際し、フランジ部を投入ホッパの投入口に取り付けてホースを投入ホッパに接続すると、該投入口が閉塞されるので、圧密成形体上に立ち入ることを不要としながら、さらにセメントの粉塵を周囲に撒き散らすことなくセメントの供給を行うことができる。
第4発明に係る防水被覆層形成システムは、第2又は第3発明において、前記第1構成物品群は、前記ミキサー車に砂を供給するための吊下げホッパと、前記ミキサー車に前記吊下げホッパ内の砂を供給するために該吊下げホッパを吊り下げて移動させるクレーンとを備えることを特徴とする。
これによれば、ミキサー車に対する砂の供給は、砂が充填された吊下げホッパをクレーンで吊り下げてミキサー車の投入口に位置させ、砂を降下させることにより行うことができる。したがって、圧密成形体上に立ち入ることを不要としながら、さらに、砂をミキサー車に供給するためのホッパを高い位置に支持する固定的な構造物を不要とすることができる。
第5発明に係る防水被覆層形成システムは、第1〜第4のいずれかの発明において、前記第2構成物品群は、砕石を移送するためのホイルローダと、上方を向きかつシリンダで角度が調整し得るように油圧ショベルに取り付けられ、前記ホイルローダから砕石を受け取って前記圧密成形体上に散布するためのバケットとを備えることを特徴とする。
これによれば、砕石の散布に際しては、散布する砕石を、ホイルローダから、油圧ショベルのバケットで受け取り、油圧ショベルのアームを伸ばしてバケットを圧密成形体の上面に沿って移動させながら散布することができる。その際、油圧ショベルは、圧密成形体の外側から砕石の散布を行うのに適した長いアームを有するので、圧密成形体上に立ち入る必要なく、散布を行うことができる。
また、砕石の散布は、シリンダで角度が調整し得るように油圧ショベルに取り付けた上向きバケットで行われる。このため、砕石を、少量ずつ均一に圧密成形体上に散布することができる。これにより、圧密成形体上に立ち入ることを不要としつつ、散布後の敷均作業の労力およびコストを低減することができる。
第6発明に係る防水被覆層形成システムは、第1〜第5のいずれかの発明において、前記第3構成物品群は、油圧ショベルと、平らな底面を有し、シリンダで角度が調整し得るように前記油圧ショベルに取り付けられ、自重に従って降下させることにより前記締固めを行うために用いられるハンマとを備えることを特徴とする。
これによれば、散布されたモルタル及び砕石の締固めは、油圧ショベルに取り付けたハンマをその自重に従って降下させることにより行われる。このため、従来の油圧振動機を不要とした簡易な構成により、油圧ショベルのシリンダ等への負荷を低減して油圧ショベルの耐久性を維持しながら、締固めを確実に行うことができる。また、締固めは、油圧ショベルの長いアームを活用し、圧密成形体上に立ち入ることなく行うことができる。
第7発明に係る防水被覆層形成システムは、第1〜第6のいずれかの発明において、前記第4構成物品群は、前記重錘として、前記圧密成形体の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有する底板及び該底板の周囲に設けられた側板を有するトレー部と、該トレー部に収納される複数枚の鉄板と、該側板に設けられた吊下げ用の係合部とをそれぞれが備えた複数の重錘を備え、さらに、各重錘を、前記係合部を介して吊り下げながら前記圧密成形体の上に載置するためのクレーンを備えることを特徴とする。
これによれば、重錘の底板が、圧密成形体の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有するので、各分割領域に対応する圧密成形体上の位置に重錘を配置することにより、圧密成形体の上面全体を、重錘によって均等に覆うことができる。
これにより、圧密成形体の上面全体にわたり、均等に荷重が付与され、圧密成形体の膨張が均等に抑制される。また、重錘の載置は、クレーンの長いアームを活用し、圧密成形体上に立ち入ることなく行うことができる。
第8発明に係る防水被覆層形成方法は、廃棄物の最終処分場において、地盤を取り除いて設定された多数の区画について区画毎に無機廃棄物、セメント、及び必要な水又は重金属固定剤を混練した埋立材を充填して締め固めた圧密成形体の上に無機廃棄物と雨水との接触を阻止するためのモルタル及び砕石を含む防水被覆層を形成する防水被覆層形成方法であって、上向きのバケットがシリンダで角度が調整し得るように取り付けられた油圧ショベルにより、該油圧ショベルを、対象とする1又は複数の前記圧密成形体の区画の外側に配置した状態で、モルタルをミキサー車から受け取り、該1又は複数の圧密成形体上に散布するモルタル散布工程と、上向きのバケットがシリンダで角度が調整し得るように取り付けられた油圧ショベルにより、該油圧ショベルを前記対象とする1又は複数の圧密成形体の区画の外側に配置した状態で、砕石をホイルローダから受け取り、該1又は複数の圧密成形体上に散布する砕石散布工程と、前記モルタル散布工程及び砕石散布工程で前記1又は複数の圧密成形体上に散布され敷き均されたモルタル及び砕石を、平らな底面を有するハンマがシリンダで角度が調整し得るように取り付けられた油圧ショベルにより、該油圧ショベルを該1又は複数の圧密成形体の区画の外側に配置した状態で、該ハンマを自重に従って降下させることにより締め固める締固め工程と、前記締固め工程により締め固められた圧密成形体上のモルタル及び砕石の上に、該1又は複数の圧密成形体の区画の外側に配置したクレーンにより、該圧密成形体の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有する底板を備えた膨張抑制用の重錘を複数配置して該1又は複数の圧密成形体の上面全体を覆い、所定の養生期間を経て該1又は複数の圧密成形体とモルタル及び砕石とが一体化した固化体を形成する養生工程とを備えることを特徴とする。
第8発明によれば、第1発明の場合と同様に、既に固化が完了した隣の区画の成形体の上に油圧ショベルを配置して、圧密成形体上に立ち入ることなく、対象とする1又は複数の圧密成形体の区画についてのモルタル及び砕石の散布と締固めを行うことができる。したがって、固化前の該1又は複数の圧密成形体を油圧ショベル等の重量で変形させることなく、モルタル及び砕石の散布と締固めを行うことができる。
また、モルタル又は砕石の散布は、油圧ショベルに取り付けた上向きバケットにより、少量ずつ均一に対象区画内に散布することができる。これにより、敷均作業の労力およびコストを低減することができる。
また、散布されたモルタル及び砕石の締固めは、油圧ショベルに取り付けたハンマをその自重に従って降下させることにより行われるので、油圧ショベルのシリンダ等への負荷を低減して油圧ショベルの耐久性を維持しながら、散布されたモルタル又は砕石の締め固めを確実に行うことができる。
また、重錘の底板が、圧密成形体の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有するので、圧密成形体の上面全体を、重錘によって均等に覆うことができる。これにより、圧密成形体の上面全体にわたり、圧密成形体の膨張を均等に抑制しながら、養生期間を経て、圧密成形体と一体的に固化した優れた防水被覆層を形成することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、実施形態に係る防水被覆層形成システムの第1構成物品群によりモルタルを散布する様子を示す。防水被覆層形成システムは、図1に示すように、廃棄物の最終処分場1において、地盤を取り除いて設定された多数の区画2について区画2毎に埋立材を充填して締め固めた圧密成形体3の上に防水被覆層を形成するために用いられる。
埋立材は、無機廃棄物、セメント、及び必要量の水又は重金属固定剤を混練して得られたものである。防水被覆層は、埋立材中の無機廃棄物と雨水との接触を阻止するために設けられる。
各区画2は、例えば長さが8m、幅が6.8m、高さが1.3mの直方体の形状を有し、高さが鉛直方向に沿うように配置される。鉛直方向の区画2の区分数は、例えば15である。したがって、最終処分場1には、水平方向に碁盤の目状に区分され、かつ例えば15層に積み重ねられた多数の区画2が設定される。
防水被覆層の形成は、第1〜第4構成物品群を用いて行われる。第1物品群は、対象とする圧密成形体3上に、モルタルを散布するために用いられる。第2物品群は、その圧密成形体3上に砕石を散布するために用いられる。第3物品群は、散布されたモルタル及び砕石を締め固めるために用いられる。第4構物品群は、締め固められたモルタル及び砕石上に、養生期間中の膨張を抑制する重錘を載置するために用いられる。
第1構成物品群は、図1(a)に示すように、モルタルを供給するミキサー車4と、バケット5が取り付けられた油圧ショベル6とを備える。バケット5は、上方を向きかつシリンダ7で角度が調整し得るように油圧ショベル6に取り付けられる。油圧ショベル6は、バケット5により、ミキサー車4からモルタルを受け取って圧密成形体3上に散布するために用いられる。
また、第1構成物品群は、図1(b)に示すように、セメントをエア圧送によりホース8を介してミキサー車4に供給するセメントサイロ9を備える。ミキサー車4は、セメントの供給を受けるための投入ホッパ10を備える。セメントサイロ9は、ホース8の先端に、ホース8を投入ホッパ10に接続するためのフランジ部11を備える。フランジ部11は、投入ホッパ10の投入口に取り付けたとき、ホース8の接続と同時に該投入口を外部から閉塞する構造を有する。
さらに、第1構成物品群は、図1(c)に示すように、ミキサー車4に砂を供給するための吊下げホッパ12と、ミキサー車4に吊下げホッパ12内の砂を供給するために吊下げホッパ12を吊り下げて移動させるクレーン13とを備える。クレーン13としては、重機に取り付けて移動可能とされた移動式クレーンが用いられる。
第2構成物品群は、図2に示すように、砕石を移送するためのホイルローダ14と、図1(a)の場合と同様のバケット5が取り付けられた油圧ショベル6とを備える。油圧ショベル6は、バケット5により、ホイルローダ14から砕石を受け取って圧密成形体3上に散布するために用いられる。
第3構成物品群は、図3に示すように、油圧ショベル6と、油圧ショベル6に取り付けられたハンマ15とを備える。ハンマ15は、平らな底面を有し、シリンダ7で角度が調整し得るように油圧ショベル6に取り付けられ、自重に従って降下させることにより締固めを行うために用いられる。
第4構成物品群は、図4(a)に示すように、圧密成形体3の膨張抑制用の重錘16と、上述の図1(c)の場合と同様のクレーン13とを備える。重錘16は、図4(b)に示すように、底板17及び底板17の周囲に設けられた側板18を有するトレー部19と、トレー部19に収納される複数枚の鉄板20と、側板18に設けられた吊下げ用の係合部21とを備える。
重錘16の底板17は、載置される圧密成形体3の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有する。この分割の数は、例えば図4(c)示すように、4分割とすることができる。クレーン13は、この分割数の重錘16を、係合部21を介して吊り下げながら圧密成形体3の上に載置するために用いられる。
図5は、防水被覆層形成システムを用いて防水被覆層を形成する工程を示すフローチャートである。防水被覆層の形成を開始すると、まず、ステップS1において、対象とする圧密成形体上にモルタルを散布する(モルタル散布工程)。散布するモルタルとしては、ミキサー車4でセメント及び砂を混練することにより予め調製されたものが用いられる。
モルタルの調製に際し、ミキサー車4へのセメントの供給は、図1(b)のように、フランジ部11を介して投入ホッパ10に接続されたホース8を経て、セメントサイロ9からミキサー車4にセメントをエア圧送することにより行われる。砂の供給は、図1(c)のように、砂が充填された吊下げホッパ12を、クレーン13により吊り上げて投入ホッパ10上に位置させ、吊下げホッパ12の下部の排出口を開くことにより行われる。
モルタルの散布は、図1(a)のように、バケット5が取り付けられた油圧ショベル6により、対象とする圧密成形体3の区画2の外側に油圧ショベル6を配置した状態で、モルタルをミキサー車4から受け取り、圧密成形体3上に散布する。散布に際しては、極力均等にモルタルが散布されるように、バケット5の角度及び位置が調整される。
次に、ステップS2において、圧密成形体3上に砕石を散布する(砕石散布工程)。散布する砕石としては、バージン材が用いられる。砕石の散布は、図2に示すように、バケット5が取り付けられた油圧ショベル6により、油圧ショベル6を圧密成形体3の区画2の外側に配置した状態で、砕石をホイルローダ14から受け取り、圧密成形体3上に散布することにより行われる。散布に際しては、極力均等に砕石が散布されるように、バケット5の角度及び位置が調整される。
なお、ステップS1及びS2で圧密成形体3上に散布されたモルタル及び砕石は、作業者により敷き均される。
次に、ステップS3において、圧密成形体3上に散布され、敷き均されたモルタル及び砕石を締め固める(締固め工程)。モルタル及び砕石の締固めは、図3に示すように、ハンマ15が取り付けられた油圧ショベル6により、油圧ショベル6を圧密成形体3の区画2の外側に配置した状態で、モルタル及び砕石の層22に向けて、ハンマ15を自重に従って降下させることによって行われる。締固めに際しては、極力均等に締固めが行われるように、ハンマ15の角度及び位置が調整される。
次に、ステップS4において、締め固められたモルタル及び砕石の上に膨張抑制用の重錘を載置し、所定の養生期間放置して、圧密成形体3とモルタル及び砕石とを一体的に固化させる(養生工程)。
すなわち、図4(c)のように、圧密成形体3上の締め固められたモルタル及び砕石の上に養生鉄板23を介して複数の重錘16を配置することにより、重錘16は圧密成形体3の上面全体を覆う。重錘16の配置は、図4(a)のように、圧密成形体3の区画2の外側に配置したクレーン13で重錘16をモルタル及び砕石の層22上に移送することにより行われる。
そして、この状態で、所定期間放置することにより、圧密成形体3と締め固められたモルタル及び砕石とを養生させる。これにより、圧密成形体3とモルタル及び砕石とが一体化した固化体が形成される。固化体中のモルタル及び砕石の層22は、圧密成形体3中の無機廃棄物と雨水との接触を阻止する防水被覆層として機能する。
以上のように、本実施形態によれば、モルタル及び砕石の散布と締固め並びに重錘16の載置は、第1〜第4物品群により、圧密成形体3上に立ち入ることなく行われる。したがって、固化前の圧密成形体3を第1〜第4物品群により変形させることなく、効率的に防水被覆層を形成することができる。
また、モルタル又は砕石の散布は、シリンダ7で角度が調整し得るように油圧ショベル6に取り付けた上向きバケット5で行われるので、モルタル又は砕石を、少量ずつ均一に圧密成形体3上に散布することができる。これにより、散布後の敷均作業の労力およびコストを低減することができる。
また、ミキサー車4に対するセメントの供給に際し、セメントの供給はフランジ部11により投入ホッパ10の投入口が外部に対して閉塞された状態で行われるで、セメントの粉塵が周囲に拡散するのを防止することができる。
また、ミキサー車4に対する砂の供給は、吊下げホッパ12とクレーン13を用いて行われるので、砂をミキサー車4に供給するためのホッパを高い位置に支持する固定的な構造物を不要とすることができる。
また、散布されたモルタル及び砕石の締固めは、油圧ショベル6に取り付けたハンマ15をその自重に従って降下させることにより行われるので、油圧ショベル6の負荷を低減して油圧ショベル6の耐久性を維持しながら、締固めを確実に行うことができる。
また、重錘16の底板17が、圧密成形体3の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有するので、図4(c)のように、各分割領域に対応する圧密成形体3上の位置に重錘16を配置することにより、圧密成形体3の上面全体を、重錘16によって均等に覆うことができる。これにより、圧密成形体3の上面全体にわたり、均等に荷重を付与し、圧密成形体3の膨張を均等に抑制することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、防水被覆層の形成は、圧密成形体3毎に行う代わりに、隣接する複数の圧密成形体毎に行ってもよい。
1…最終処分場、2…区画、3…圧密成形体、4…ミキサー車、5…バケット、6…油圧ショベル、7…シリンダ、8…ホース、9…セメントサイロ、10…投入ホッパ、11…フランジ部、12…吊下げホッパ、13…クレーン、14…ホイルローダ、15…ハンマ、16…重錘、17…底板。
Claims (8)
- 廃棄物の最終処分場において、地盤を取り除いて設定された多数の区画について区画毎に無機廃棄物、セメント、及び必要量の水又は重金属固定剤を混練した埋立材を充填して締め固めた圧密成形体の上に無機廃棄物と雨水との接触を阻止するモルタル及び砕石を含む防水被覆層を形成するために用いられる防水被覆層形成システムであって、
前記圧密成形体上にモルタルを散布するための第1構成物品群と、
前記圧密成形体上に砕石を散布するための第2構成物品群と、
前記圧密成形体上に散布されてから敷き均された前記モルタル及び砕石を締め固めるための第3構成物品群と、
前記圧密成形体上で締め固められたモルタル及び砕石上に、該圧密成形体が、その養生期間中に膨張するのを抑制する重錘を載置するための第4構成物品群とを備え、
前記第1〜第4構成物品群により、前記被覆層を形成する圧密成形体の上に立ち入ることなく前記モルタルの散布、砕石の散布、モルタル及び砕石の締固め、並びに重錘の載置が行われることを特徴とする防水被覆層形成システム。 - 前記第1構成物品群は、
モルタルを供給するミキサー車と、
油圧ショベルと、
上方を向きかつシリンダで角度が調整し得るように前記油圧ショベルに取り付けられ、前記ミキサー車からモルタルを受け取って前記圧密成形体上に散布するためのバケットとを備えることを特徴とする請求項1に記載の防水被覆層形成システム。 - 前記第1構成物品群は、前記ミキサー車にセメントをエア圧送によりホースを介して供給するセメントサイロを備え、
前記ミキサー車は、セメントの供給を受けるための投入ホッパを備え、
前記セメントサイロは、前記ホースの先端に、該ホースを前記投入ホッパに接続するためのフランジ部を備え、
前記フランジ部は、前記投入ホッパの投入口に取り付けたとき、前記ホースの接続と同時に該投入口を閉塞する構造を有することを特徴とする請求項2に記載の防水被覆層形成システム。 - 前記第1構成物品群は、
前記ミキサー車に砂を供給するための吊下げホッパと、
前記ミキサー車に前記吊下げホッパ内の砂を供給するために該吊下げホッパを吊り下げて移動させるクレーンとを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の防水被覆層形成システム。 - 前記第2構成物品群は、
砕石を移送するためのホイルローダと、
上方を向きかつシリンダで角度が調整し得るように油圧ショベルに取り付けられ、前記ホイルローダから砕石を受け取って前記圧密成形体上に散布するためのバケットとを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防水被覆層形成システム。 - 前記第3構成物品群は、
油圧ショベルと、
平らな底面を有し、シリンダで角度が調整し得るように前記油圧ショベルに取り付けられ、自重に従って降下させることにより前記締固めを行うために用いられるハンマとを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の防水被覆層形成システム。 - 前記第4構成物品群は、
前記重錘として、前記圧密成形体の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有する底板及び該底板の周囲に設けられた側板を有するトレー部と、該トレー部に収納される複数枚の鉄板と、該側板に設けられた吊下げ用の係合部とをそれぞれが備えた複数の重錘を備え、
さらに、各重錘を、前記係合部を介して吊り下げながら前記圧密成形体の上に載置するためのクレーンを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の防水被覆層形成システム。 - 廃棄物の最終処分場において、地盤を取り除いて設定された多数の区画について区画毎に無機廃棄物、セメント、及び必要な水又は重金属固定剤を混練した埋立材を充填して締め固めた圧密成形体の上に無機廃棄物と雨水との接触を阻止するためのモルタル及び砕石を含む防水被覆層を形成する防水被覆層形成方法であって、
上向きのバケットがシリンダで角度が調整し得るように取り付けられた油圧ショベルにより、該油圧ショベルを、対象とする1又は複数の前記圧密成形体の区画の外側に配置した状態で、モルタルをミキサー車から受け取り、該1又は複数の圧密成形体上に散布するモルタル散布工程と、
上向きのバケットがシリンダで角度が調整し得るように取り付けられた油圧ショベルにより、該油圧ショベルを前記対象とする1又は複数の圧密成形体の区画の外側に配置した状態で、砕石をホイルローダから受け取り、該1又は複数の圧密成形体上に散布する砕石散布工程と、
前記モルタル散布工程及び砕石散布工程で前記1又は複数の圧密成形体上に散布され敷き均されたモルタル及び砕石を、平らな底面を有するハンマがシリンダで角度が調整し得るように取り付けられた油圧ショベルにより、該油圧ショベルを該1又は複数の圧密成形体の区画の外側に配置した状態で、該ハンマを自重に従って降下させることにより締め固める締固め工程と、
前記締固め工程により締め固められた圧密成形体上のモルタル及び砕石の上に、該1又は複数の圧密成形体の区画の外側に配置したクレーンにより、該圧密成形体の上面を複数に分割した各分割領域の寸法に対応する寸法を有する底板を備えた膨張抑制用の重錘を複数配置して該1又は複数の圧密成形体の上面全体を覆い、所定の養生期間を経て該1又は複数の圧密成形体とモルタル及び砕石とが一体化した固化体を形成する養生工程とを備えることを特徴とする防水被覆層形成方法。
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