JP4317260B1 - 最終処分場における無機廃棄物分離・一体化による多数の単位固化物成形処分方法並びに多数の単位固化物成形処分構造体 - Google Patents

最終処分場における無機廃棄物分離・一体化による多数の単位固化物成形処分方法並びに多数の単位固化物成形処分構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】環境汚染が発生し難く、廃棄物の処分を迅速に行えて、廃棄物の管理を行い易く、処分場跡地を早期に有効利用し易くする。
【解決手段】無機廃棄物を高密度廃棄物と低密度廃棄物とに分離し、単位処分箇所に、2区分空間11、12を有する単位固化物成形用型枠部1を形成し、高密度廃棄物・セメント混練物を型枠部1の一方の区分空間11内に投入し、高密度廃棄物多層固形部を形成して最上空間を残し、低密度廃棄物・セメント混練物を最上空間14内に投入し、高密度廃棄物多層固形部の上側を被う被覆用高密度廃棄物固形層を形成し、更に低密度廃棄物・セメント混練物を他方の区分空間12内に投入して、被覆用低密度廃棄物固形層と連なる低密度廃棄物多層固形部を形成し、完成した単位固形物を固化させて、単位固化物を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般廃棄物、産業廃棄物に属する無機廃棄物を最終処分場において成形処分する方法並びにその処分によってできる廃棄物成形処分構造体に関する。
従来、不要なものとして処分する廃棄物には、日常生活に伴って排出される一般廃棄物と事業活動に伴って発生する産業廃棄物がある。なお、一般廃棄物とは産業廃棄物以外の廃棄物をいう。このような廃棄物は種別に応じて安全なものはそのまま埋め立てられ、或いは焼却場に送られて焼却される。しかし、廃棄物には水銀、カドミウム等の重金属類が含有されていたり、ダイオキシン類が溶出したりする。
そこで、生ごみや廃プラスチック等のような廃棄物の大部分を占めている一般廃棄物のごみ焼却灰を、水とセメントと共に混合し、攪拌して流動性を持たせ、その流動物を、遮水性、気密性、耐候性、及び多少の伸縮性を有する袋内に充填し、充填後に袋を密封して流動物を袋内で養生硬化させて固化物にした後、その固化物が充填密封された袋を最終処分場に積み重ねて処分する、というごみ焼却灰処分方法が提示されている(特開2000−288507を参照のこと)。
そして、上記ごみ焼却灰処分方法によると、「セメントが不透水性であることから、ごみ焼却灰は不透水性を有する固化物となっており、さらに、遮水性を有する袋の中に密封充填されている。したがって、粉塵が飛散したり、メタンガスが発生したり異臭が漂ったりすることはなく、取り扱いも便利となる。また、袋が損傷し、内部に雨水が浸入したとしても、ごみ焼却灰は不透水性を有する固化物となっていることから、仮に、ごみ焼却灰に有害物質が含まれていたとしても、その有害物は染み出ることはない。したがって、雨水により有害物質が染み出る虞もないことから、最終処分場の底部に敷かれている従来の防水シートや、ごみから染み出る水を処理する水処理施設を省け、コストダウンを図る上でも有利となる。また、袋は、いわゆる補強土としての引っ張り、せん断抵抗材として機能するため、急勾配の盛土が可能となり、有効埋め立て容積を大きく取る上で有利となる。したがって、周辺環境の汚染に対する安全性や信頼性をより一層高めることができ、また、ごみ処分場のライフサイクルコストを考慮した上で経済的なごみ焼却灰の処分方法が得られる。」旨主張している。
又、廃棄される車や電化製品等から鉄等を回収した後のシュレッダーダストの焼却廃棄物を、火力発電所等から回収されるフライアッシュ等の産業廃棄物を主成分とするセメント質混合物と混練し、その混練物を鋼製型枠へ投入し、その型枠をビニール袋にて覆って外気を遮断し、一定期間養生して固化させた後に脱型させる、というセメント質混合物による焼却廃棄物処理方法が提示されている(特開平10−118610を参照のこと)。そして、その処理方法によると、産業廃棄物から得られたセメント質混合物を用いて、焼却廃棄物から発生するダイオキシン類をマスキングし、ダイオキシン類が自然環境内に、溶出しないようにすることができる、旨主張している。
又、都市ごみ、下水汚泥、魚貝類廃棄物等の有機質高含有廃棄物の焼却処分には、水銀、カドミウム等の重金属含有量が高い場合があるので、セメント系固化材による固化処理が多用されており、混練の際に水を加える必要があるが、焼却灰にセメント系固化材、及び水を添加して焼却灰を固化処理するにあたり、予め焼却灰のBET比表面積値を求める、という焼却灰の処理方法が提示されている(特開平9−47741を参照のこと)。そして、その処理方法によると、「焼却灰を簡単迅速に管理でき、焼却灰のセメント固化処理を効果的に行うことができる。また、BET比表面積値により、セメント系固化材による固化処理が不適、あるいは不能な焼却灰の判定が可能となり、例えば、求めたBET比表面積値により、重金属類の溶出注意灰としての危険情報として活用することもできる。更に、固化処理した硬化体は一定の強度を有し、路盤材、骨材などに有効活用することができる。」旨主張している。
特開2000−288507 特開平10−118610 特開平9−47741
しかしながら、一般廃棄物、産業廃棄物に属する有機、無機廃棄物の種類は様々であり、その有機、無機廃棄物の大きさ、性質等は廃棄物の種類によって大きく異なっている。そして、廃棄物の処分時に有機系廃棄物をそのまま埋め立てると、分解してガスが発生し易く、悪臭が発生する。そこで、ガスの発生を防止するため、廃棄物の固化処理による処分が考えられる。しかし、処分すべき廃棄物に有機廃棄物が含まれていると、有機廃棄物は密度が極めて小さく、嵩張るため、セメントと混練して、型に入れて固化させても、有機廃棄物が含まれている部分が脆く、固化物の強度を大きくすることができないという問題がある。
そこで、生ごみや廃プラスチック等のような一般廃棄物の焼却灰、即ち無機廃棄物のみを、水とセメントと共に混練して袋内に入れ、袋内で養生固化させて固化物にした後、固化物が充填密封された袋を最終処分場に積み重ねて処分する、というごみ焼却処分方法が提示され、そのごみ焼却処分方法によると、ごみ焼却灰に有害物質が含まれていたとしても、その有害物が染み出ることはなく、また、袋がいわゆる補強土としての引っ張り、せん断抵抗材として機能するため、急勾配の盛土が可能となり、有効埋め立て容積を大きく取る上で有利となるので、周辺環境の汚染に対する安全性や信頼性をより一層高めることができ、また、ごみ処分場のライフサイクルコストを考慮した上で経済的なごみ焼却灰の処分方法が得られる、旨主張しているが、そのようなごみ焼却処分方法では、積み重ねられている固化物同士の結合がなく、地盤の強度が小さくて、不安定なので、処分場跡地を有効利用し難い。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、最終処分場において、単位量の無機廃棄物を高、低密度の無機廃棄物に分離・一体化し、強度の大きな単位固化物にして順次処分することにより、その処分継続中及び処分終了後において、環境汚染が発生し難く、廃棄物の処分を迅速に行えて、廃棄物の管理を行い易く、処分場跡地を早期に有効利用し易くできる、最終処分場における無機廃棄物分離・一体化による多数の単位固化物成形処分方法並びに多数の単位固化物成形処分構造体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の最終処分場における無機廃棄物・一体化による多数の単位固化物成形処分方法では、次の(a)…(i)の工程を備える。
(a)各種の無機廃棄物を粒の大きな無機廃棄物と粒の小さな無機廃棄物とに選別して、粒の大きな無機廃棄物と粒の小さな無機廃棄物とからなる高密度廃棄物と、粒の小さな無機廃棄物からなる低密度廃棄物とに分離する工程、(b)最終処分場に受け入れた無機廃棄物を設定した単位量毎に夫々分けて処分する所定の単位処分箇所に、型枠材を用いて、周囲側壁と底壁に囲まれ、上面側を全面開口にした内部空間を設けると共に、その内部空間内に内部空間を水平方向に2分割する仕切壁を設けた2区分空間を有する単位固化物成形用型枠部を形成する工程、
(c)所定量の高密度廃棄物と対応する所定量のセメントを、その高密度廃棄物に含まれている水が必要量に達しない場合には更に水を加えて混練し、高密度廃棄物・セメント混練物を作る工程、(d)高密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部の一方の区分空間内に投入し、その区分空間内に下方から上方に向って、順次充填とその充填物の圧縮とによる層の形成を繰り返して高密度廃棄物多層固形部を形成し、その最上層に該当する空間のみ充填せずに最上空間を残す工程、
(e)所定量の低密度廃棄物と対応する所定量のセメントを、そのセメント量の混合割合を高密度廃棄物に混合したセメント量の混合割合より増加させると共に、その低密度廃棄物に含まれている水が必要量に達しない場合には更に水を加えて混練し、低密度廃棄物・セメント混練物を作る工程、(f)低密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部内の高密度廃棄物多層固形部上に残る最上空間内に投入して充填し、その充填物を圧縮して高密度廃棄物多層固形部の上側を被う被覆用低密度廃棄物固形層を形成する工程、
(g)単位固化物成形用型枠部内の仕切壁を除去する工程、(h)低密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部の他方の区分空間内に投入し、その区分空間内に被覆用低密度廃棄物固形層の位置まで下方から上方に向って、順次充填とその充填物の圧縮とによる層の形成を繰り返して、その被覆用低密度廃棄物固形層と連なる低密度廃棄物多層固形部を形成する工程、及び(i)高密度廃棄物多層固形部と被覆用低密度廃棄物固形層と低密度廃棄物多層固形部とからなる単位固形物の全体に、上方から下方に圧力を加えて養生硬化させながら単位固形物を固化させて、一体に結合した高密度廃棄物多層固化部と被覆用低密度廃棄物固化層と低密度廃棄物多層固化部とからなる単位固化物を形成する工程。
又、本発明の多数の単位固化物成形処分構造体は、請求項1記載の単位固化物を前後、左右の水平方向に順次設置して並べ、又は垂直方向に順次設置して積み重ね、多数の単位固化物を隣接するもの同士結合させて、同一高さに設置した単位固化物の被覆用低密度廃棄物固化層をいずれも水平仕切壁状に一体に結合し、前後同一位置に設置した単位固化物の低密度廃棄物多層固化部をいずれも垂直仕切壁状に一体に結合し、同一高さで前後同一位置に設置した単位固化物の高密度廃棄物多層固化部をいずれも水平収納物状に一体に結合して、多数の水平仕切壁体と多数の垂直仕切壁体とを全て一体に結合して格子状に配置し、その各格子目に目の位置に対応する水平収納物体を夫々配置してなる断面構造を有する。
本発明の最終処分場における無機廃棄物分離・一体化による多数の単位固化物成形処分方法では、最終処分場に受け入れる廃棄物を無機廃棄物に限定し、更に各種の無機廃棄物を粒の大きな無機廃棄物と粒の小さな無機廃棄物とに選別して、粒の大きな無機廃棄物と粒の小さな無機廃棄物とからなる高密度廃棄物と、粒の小さな無機廃棄物からなる低密度廃棄物とに分けると、簡単に高密度廃棄物と低密度廃棄物とに分離できる。
そして、無機廃棄物を単位量毎に夫々分けて所定の単位処分箇所に処分するため、廃棄物の単位量と、その単位量に含ませる高密度廃棄物と低密度廃棄物の各量を夫々設定し、所定の単位処分箇所に、単位固化物成形用型枠部を形成し、高密度廃棄物・セメント混練物と低密度廃棄物・セメント混練物とを夫々作リ、その各混練物を型枠部内の所定の空間内に夫々投入し、その空間内に各層毎に夫々充填、圧縮し、高密度廃棄物多層固形部の上側に被覆用低密度廃棄物固形層を形成し、その高密度廃棄物多層固形部の一側面側に被覆用低密度廃棄物固形層と連なる低密度廃棄物多層固形部を形成し、その高密度廃棄物多層固形部と被覆用低密度廃棄物固形層と低密度廃棄物多層固形部とからなる単位固化物の全体に、上方から下方に圧力を加えて養生硬化させながら単位固化物を固化させて、一体に結合した高密度廃棄物多層固化部と被覆用低密度廃棄物固化層と低密度廃棄物多層固化部とからなる単位固化物を形成することにより、粒が大きい廃棄物を含み、混合するセメント量の割合が少ない、不均質な高密度廃棄物固化部の上側と一側面側とに、廃棄物の粒が小さく、混合するセメント量の割合が多い、均質な被覆用低密度廃棄物固化層と低密度廃棄物多層固化部とを結合できる。
それ故、全体にセメントを含む単位固化物にセメントが不透水性であることにより、雨水が侵入し難くなる。しかも、セメント混合割合が多いため、透水性が小さい被覆用低密度廃棄物固化層と低密度廃棄物多層固化部とが、セメント混合割合が少ないため、透水性が大きい高密度廃棄物多層固化部に対して雨水侵入の遮蔽体となるので、特に有害物質が含まれ易い高密度廃棄物多層固化部に雨水が侵入し難くなる。又、均質な被覆用低密度廃棄物固化層と低密度廃棄物多層固化部が不均質な高密度廃棄物多層固化部の上側と一側面側とに結合することにより、高密度廃棄物多層固化部を補強できて、単位固化物の強度を大きくすることができる。
又、単位処分箇所に、単位固化物成形用型枠部を形成する際に、先に処分した単位固化物の露出側面や露出上面等を型枠部の側壁又は底壁として利用し、型枠材と共に新たな型枠部を形成できる。それ故、先に処分した単位固化物の前後、左右の側に新たな処分による単位固化物を一体に結合して形成し、又先に処分した単位固化物の上側に新たな処分による単位固化物を一体に結合して形成できる。このため、多数の処分する単位固化物を左右、前後の側方向に順次一体に結合しながら並べて形成し、又は上側方向に順次一体に結合しながら積み重ねて形成することにより、多数の単位固化物の全体を一体に結合できる。
従って、最終処分場における処分継続中及び処分終了後において、多数の単位固化物に含まれている各種の含有物質、特に各高密度廃棄物多層固化部に含まれ易い有害物質が処分場の保有水に溶け出し難くなり、水処理コストを軽減できる。そして、無機廃棄物を更に高温処理して溶融化し、溶融スラグ(二次製品)を作る場合と比べ、無機廃棄物をそのままセメント固化して処分する本発明の方法によると、二酸化炭素の発生量を大幅に減らすことができる。その上、処分場におけるガス発生量と悪臭を大幅に減らせるので、周辺環境の汚染に対する安全性と信頼性を高めることができる。しかも、処分継続中、順次処分した単位固化物が一体に結合して行き、全体が強固な構造体となるため、その上を運搬車や重機等の走行をさせ易くなり、廃棄物の処分を迅速に行える。そして、処分した廃棄物の種類とその廃棄物を含む単位固化物の処分位置を確定できるため、廃棄物の管理を確実に行える。その結果、処分場跡地を早期に有効利用に適したものにできる。
又、本発明による多数の単位固化物成形処分構造体は、単位固化物を多数結合し、その多数の単位固化物が被覆用低密度廃棄物固化層からなる多数の水平仕切壁体と低密度廃棄物多層固化部からなる多数の垂直仕切壁体とを全て一体に結合して格子状に配置し、その各格子目に目の位置に対応する高密度廃棄物多層固化部からなる水平収納物体を夫々配置してなる断面構造を有することにより、透水性が大きい各水平収納物体が、透水性が小さい水平仕切壁体と垂直仕切壁体とからなる各筒部内に夫々収納されるので、最終処分場における処分継続中及び処分終了後において、多数の単位固化物に含まれている各種の含有物質、特に各水平収納物体に含まれ易い有害物質が処分場の保有水に溶け出し難くなり、水処理コストを軽減できて、大気中に放出する二酸化炭素量を大幅に減らし、処分場におけるガス発生量と悪臭とを大幅に減らせるので、周辺環境の汚染に対する安全性と信頼性を一層高めることができる。しかも、その処分継続中、順次処分した単位固化物を一体に結合し、多数の単位固化物成形処分構造体の内部に、均質な水平仕切壁体と垂直仕切壁体とからなる格子状の骨格体を形成しながら処分を行えるので、構造体が一層強固になる。それ故、構造体上を運搬車や重機等の走行が自由に行えるようになり、廃棄物の処分を一層迅速に行える。
そして、処分した無機廃棄物の種類とその廃棄物を含む単位固化物の処分位置を精度高く確定できるため、無機廃棄物の管理を一層確実に行える。特に、保有水の水質が処分継続中及び処分終了後において、常に水処理後の放流基準をほぼ満たすため、水処理コストを大きく軽減できる。しかも、処分終了後における処分構造体の支持力が早期に安定するので、支持力の管理を早期に廃止できる。それ故、処分場跡地が早期に安定化し、その跡地を森林、公園、住宅地、工場敷地、運動場等に幅広く有効利用し易くなって、廃棄物を地盤として資源化できる。
以下、添付の図1〜13を参照して、本発明の実施の最良形態を説明する。
図1〜12は廃棄物最終処分場における所定の単位処分箇所に、単位量の無機廃棄物を含む単位固化物を成形して処分する各工程を示す図である。最終処分場に無機廃棄物を埋立処分する場合、先に処分場を施工する。その際、例えば広範囲の土地を地表から掘削し、掘り下げて大きな縦穴を形成し、その縦穴に周囲土砂等の崩落防止工事と遮水シートを中央部に埋設した底部形成工事とを施しておく。そして、自治体の焼却施設並びに中間処理施設、工場等から発生する無機廃棄物のみを処分場に受け入れる。
そこで、先ず各種の無機廃棄物を粒の大きさに基づき選別し、粒の大きな無機廃棄物として、例えば一般廃棄物では廃プラスチック類、廃乾電池、粗大ごみ、廃家電品、廃蛍光管、金属くず等、産業廃棄物では廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、がれき類等を集め、粒の小さな無機廃棄物として、例えば一般廃棄物では焼却灰、ばいじん、溶融スラグ、ガラスくず、陶磁器くず等、産業廃棄物では無機性汚泥、燃え殻、ばいじん、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい等を集める。しかし、粒の小さな無機廃棄物に属する名称のものでも、粒の大きなものがあるので、当然それ等は粒の大きな無機廃棄物に分類される。一般に、粒の大きな無機廃棄物は隙間が多いので、埋立処分する場合その隙間を埋める必要がある。そこで、埋立処分時には粒の大きな無機廃棄物に粒の小さな無機廃棄物の一般廃棄物に属する焼却灰、ばいじん、ガラスくず、陶磁器くず等、産業廃棄物に属する無機性汚泥、燃え殻、ばいじん、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず等の隙間を埋め易い、粒の小さな無機廃棄物を適宜混入するとよい。それ故、簡単に粒の大きな無機廃棄物と粒の小さな無機廃棄物とからなる高密度廃棄物と粒の小さな無機廃棄物からなる低密度廃棄物とに分離できる。
次に、最終処分場に受け入れた無機廃棄物を、設定した単位量毎に夫々分けて処分する所定の単位処分箇所に、図1、2に示すような単位固化物成形用型枠部1を形成する。その際、処分場に1日当り持ち込まれる平均的な廃棄物量を処分の基準となる単位量として設定し、その単位量を固化させて収容させる型枠部1の内部空間2の大きさを、例えば水平長手方向の長さ8m、水平短手方向の長さ6.8m、垂直方向の長さ1.3mの直方体にする。そこで、型枠材として、シーティング板3を備えたたて込み簡易土留め具4を2個、仕切鉄板5を2枚、仮設堰堤用重り6を8個用いる。そして、その型枠材の配置と、先に処分した単位固化物7の露出した垂直側面8や露出した水平上面9等を、型枠部の側壁又は底壁として利用することにより、型枠部1に周囲側壁と底壁に囲まれ、上面側を全面開口にした内部空間2を設けると共に、その内部空間内に内部空間2を水平長手方向に、一端から6mの位置で2分割する仕切鉄板5と2枚のシーティング板3を組み合せた垂直仕切壁10を設けて、内部空間2を大小の2区分空間11、12にする。何故なら、単位量を構成する高密度廃棄物と低密度廃棄物の比率は体積比でほぼ7:3にするのがよく、その比率にすると前者の平均比重は0.99程度、後者の平均比重は0.93程度になる。なお、組み合せて内側に設置した4個の仮設堰堤用重り6の左右方向に並ぶ2個の内側側面にも、型枠部1の垂直側壁を形成するため、仕切鉄板5を接触させて配置する。
次に、所定量の高密度廃棄物と対応する所定量のセメントを、その高密度廃棄物に含まれている水が、含水量を調べることにより必要量に達しない場合には更に水を加えて混練し、高密度廃棄物・セメント混練物を作る。その際、処分場にサイロとプールを設置しておき、高密度廃棄物多層固形部の一層に相当する所定量の高密度廃棄物と混練するのに必要な所定量のセメントを、サイロで計測し、先にプールに投入する。その後、そのプールに所定量の高密度廃棄物を1.0バックホーにより投入し、必要なら水を加える。例えばセメントとして高炉セメントB種を用いる場合、高密度廃棄物に対し、セメントを重量比で1〜2%混合し、水を重量比で0〜1.0%加える。高密度廃棄物に必要量の水が含まれている場合には、当然水を加える必要がないが、水を加える必要のない場合が多い。なお、高密度廃棄物とセメントとの混練は0.7バックホーのアーム先端に攪拌機を装着して行うとよい。
その後、直ちに10tダンプに積み込み、処分箇所に設けた単位固化物成形用型枠部1まで搬送する。そして、高密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部1の大きい方の区分空間11内に投入する。このようにして、各層毎に混練と搬送と投入による充填とその充填物の圧縮とを繰り返すことにより、図3、4に示すような例えば5層の高密度廃棄物多層固形部13を形成できる。そこで、その最上層に該当する空間14のみ充填せずに最上空間を残す。その際、各層毎に1.2バックホーのアーム先端に装着した打設専用バケットにより高密度廃棄物・セメント混練物の充填物を締固めて圧縮しながら測量を行って、高密度廃棄物多層固形部13の仕上げ高さを1.1mにする。すると、最上空間14として高さ20cmの空間を残すことができる。なお、測量はオートレベルで行う。以下、実施例1〜5として、表1に高密度廃棄物多層固化部13を形成するのに必要な高密度廃棄物とそこに混合するセメント、水の量の具体例を示す。
Figure 0004317260
次に、同様にして一層当りの所定量の低密度廃棄物と対応する所定量のセメントを、そのセメント量の混合割合を高密度廃棄物に混合したセメント量の混合割合より大幅に増加させると共に、その低密度廃棄物に含まれている水が必要量に達しない場合には更に水を加えて混練し、低密度廃棄物・セメント混練物を作る。その際、セメントとして例えば高炉セメントB種を用いる場合、低密度廃棄物に対し、セメントを重量比で10〜15%混合し、水を重量比で0〜3.0%加える。それ故、低密度廃棄物に対するセメントの混合割合が、高密度廃棄物に対するセメントの混合割合の重量比で5〜15倍となって大幅に多くなる。なお、低密度廃棄物に必要量の水が含まれている場合には、当然水を加える必要がないが、水を加える必要のない場合が多い。
次に、同様にして図5、6に示すように、低密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部1内の高密度廃棄物多層固形部13上に残る最上空間14内に充填し、その充填物を圧縮して高密度廃棄物多層固形部13の上側を被う被覆用低密度廃棄物固形層15を形成する。その際、被覆用低密度廃棄物固形層15の上面に排水勾配を僅かに設け、その上に養生鉄板(図示なし)を布設する。
次に、単位固化物成形用型枠部1内の仕切壁10を除去する。その際、シーティング板3を備えたたて込み簡易土留め具4を全て除去すると共に、仕切鉄板5を移動して、前後方向に並ぶ2個の仮設堰堤用重り6の内側側面に接触させて、垂直側壁を形成する。
次に同様にして、低密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部1の他方の区分空間12内に、図7、8に示すように被覆用低密度廃棄物固形層15の位置まで下方から上方に向って、順次充填とその充填物の圧縮とによる層の形成を繰り返して、その被覆用低密度廃棄物固形層15と連なる低密度廃棄物多層固形部16を形成する。すると、高密度廃棄物多層固形層13と被覆用低密度廃棄物固形層15と低密度廃棄物多層固形部16とからなる単位固形物17が完成する。なお、低密度廃棄物多層固形部16の上面にも僅かな排水勾配を設ける。以下、実施例6〜10として、表2に被覆用低密度廃棄物固形層15と低密度廃棄物多層固形部16を形成するのに必要な低密度廃棄物とそこに混合するセメント、水の量を具体的に示す。
Figure 0004317260
次に、先に布設した養生鉄板を除去した後、完成した単位固化物17の上にカバー材(図示なし)として砕石、溶融スラグ等を3〜5cm均等に敷く。次に、例えば厚みが2cmの養生鉄板18を用いて、図9、10に示すようにカバー材が中央部にくるようにして周辺まで広く被う。次に、例えば重さ15tの膨張抑制用重り19を4個、図11、12に示すように養生鉄板18上に分散配置する。このようにして、高密度廃棄物多層固形部13と被覆用低密度廃棄物固形層15と低密度廃棄物多層固形部16とからなる単位固形物17の全体に、上方から下方に圧力を加えて養生硬化させながら一定期間例えば2日後に膨張抑制用重り19と、仕切鉄板5、仮設堰堤用重り6等の型枠材を全て取り外す。すると、単位固形物17を固化させて、一体に結合した高密度廃棄物多層固化部20と被覆用低密度廃棄物固化層21と低密度廃棄物多層固化部22とからなる単位固化物23が完成し、高密度廃棄物多層固化部20の比重が1.85程度になり、被覆用低密度廃棄物固化層21と低密度廃棄物多層固化部22の比重が1.5程度になる。それ故、単位量の無機廃棄物を所定の処分箇所に、単位固化物23を成形することにより埋立処分できる。なお、養生鉄板18やカバー材等はその単位固化物23の上に新たな単位固化物を成形する直前等に、適宜に取り除く。
このようにして単位固化物23を形成すると、粒が大きな廃棄物を含み、混合するセメント量の割合が少ない、不均質な高密度廃棄物多層固化部20の上側と一側面側とに、廃棄物の粒が小さく、混合するセメント量の割合が多い、均質な被覆用低密度廃棄物固化層21と低密度廃棄物多層固化部22を結合できる。それ故、全体にセメントを含む単位固化物23に、セメントが不透水性であることにより雨水が侵入し難くなる。しかも、セメント混合割合が多いため、透水性が小さい被覆用低密度廃棄物固化層21と低密度廃棄物多層固化部22とが、セメント混合割合が少ないため、透水性が大きい高密度廃棄物多層固化部20に対して雨水侵入の遮蔽体となるので、特に廃乾電池、廃家電品、廃蛍光管等の処分により有害物質が含まれ易い高密度廃棄物多層固化部20に、雨水が侵入し難くなる。又、均質な被覆用低密度廃棄物固化層21と低密度廃棄物多層固化部22が不均質な高密度廃棄物多層固化部20を補強できて、単位固化物23の強度を大きくすることができる。なお、高密度廃棄物は一般に大きい塊を含んでいて、粒のばらつきが多いのに対し、低密度廃棄物は一般に粒のばらつきが少ない。
又、単位処分箇所に、単位固化物成形用型枠部1を形成する際に、先に処分した単位固化物23の露出側面や露出上面等を型枠部1の側壁又は底壁として利用し、型枠材と共に新たな型枠部1を形成できる。それ故、先に処分した単位固化物23の前後、左右の側に新たな処分による単位固化物23を一体に結合して形成し、又先に処分した単位固化物23の上側に新たな処分による単位固化物23を一体に結合して形成できる。このため、多数の処分する単位固化物23を左右、前後の側方向に順次一体に結合しながら並べて形成し、又は上側方向に順次一体に結合しながら積み重ねて形成することにより、多数の単位固化物23の全体を一体に結合できる。
従って、最終処分場における処分継続中及び処分終了後において、多数の単位固化物23に含まれている各種の含有物質、特に各高密度廃棄物多層固化部20に含まれ易い有害物質が処分場の保有水に溶け出し難くなり、水処理コストを軽減できて、周辺環境の汚染に対する安全性と信頼性を高めることができる。しかも、処分継続中、順次処分した単位固化物23が一体に結合して行き、全体が強固な構造体となるため、その上を運搬車や重機等の走行をさせ易くなり、廃棄物の処分を迅速に行える。そして、処分場に受け入れた無機廃棄物に関係する各種データ、その処分に関係する各種データ等を記録しておくことにより、処分した廃棄物の種類とその廃棄物を含む単位固化物23の処分位置等を確定できるため、廃棄物の管理を確実に行える。その結果、処分場跡地を早期に有効利用に適したものにできる。
しかも、多数の単位固化物23を最終処分場に成形処分する際に、例えば単位固化物23を前後、左右の水平方向に順次設置して並べ、又は垂直方向に順次設置して積み重ね、多数の単位固化物23を隣接するもの同士結合させて、同一高さに設置した単位固化物23の被覆用低密度廃棄物固化層21をいずれも水平仕切壁状に一体に結合し、前後同一位置に設置した単位固化物23の低密度廃棄物多層固形部22をいずれも垂直仕切壁状に一体に結合し、同一高さで前後同一位置に設置した単位固化物23の高密度廃棄物多層固形部20をいずれも水平収納物状に一体に結合する。すると、図13に示すように多数の水平仕切壁体24と多数の垂直仕切壁体25とを全て一体に結合して格子状に配置し、その各格子目に目の位置に対応する水平収納物体26を夫々配置してなる断面構造を有する多数の単位固化物成形処分構造体27を形成できる。その際、多数の単位固化物成形処分構造体27を土中に埋設した遮水シート28の上下に多数の排水管29を分散埋設してある最終処分場の底部30で支える。しかも、底部30の上面に僅かな勾配を設けると共に、その上側排水管29により処分構造体27が保有する保有水からの浸出水を集めて貯水槽に導く構造にする。そして、浸出水は貯水槽から水処理施設へと導かれ、処理後放流される。なお、最終処分場にはその最周辺部に数本、特にコーナ部付近にガス抜き管(図示なし)を設置し、最周辺部に漏れ出るガスを大気中に放出する。
このような多数の単位固化物成形処分構造体27は単位固化物23を多数結合し、その多数の単位固化物23が被覆用低密度廃棄物固化層21からなる多数の水平仕切壁体24と低密度廃棄物多層固化部22からなる多数の垂直仕切壁体25とを全て一体に結合して格子状に配置し、その各格子目に目の位置に対応する高密度廃棄物多層固化部20からなる水平収納物体26を夫々配置してなる断面構造を有することにより、透水性が大きい各水平収納物体26が、透水性が大幅に小さい水平仕切壁体24と垂直仕切壁体25とからなる対応する各筒部31の内部に夫々収納されるので、最終処分場における処分継続中及び処分終了後において、多数の単位固化物に含まれている各種の含有物質、特に水平収納物体26に含まれ易い有害物質が処分場の保有水に溶け出し難くなり、周辺環境の汚染に対する安全性と信頼性を一層高めることができる。しかも、その処分継続中、順次処分した単位固化物23を一体に結合し、多数の単位固化物成形処分構造体27の内部に、均質な水平仕切壁体24と垂直仕切壁体25とからなる格子状の強度の大きな骨格体を形成しながら処分を行えるので、処分構造体27が一層強固になる。それ故、処分構造体27上を運搬車や重機等の走行が自由に行えるようになり、廃棄物の処分を一層迅速に行える。
そして、処分した無機廃棄物の種類とその廃棄物を含む単位固化物23の処分位置を精度高く確定できるため、無機廃棄物の管理を一層確実に行える。又、本出願人が埋立処分継続中に、計量証明事業登録長野環境第31号に基づいて株式会社科学技術開発センター(長野市大字北長池字南長池境2058−3)に依頼し、同開発センターの社員(若林)が採取した試料に関し、以下の表3〜表7に示す通り、平成20年1月23日、平成20年4月25日、平成20年7月22日、20年10月21日、及び平成21年1月20日付けの保有水(原水)の水質検査結果を示す各計量証明書(環境計量士 上原賢一)により、保有水(原水)の浸出水が水処理後の放流基準値をほぼ満たしていることが明らかである。それ故、水処理コストが安価になる。なお、放流基準値の各数値は水素イオン濃度を除きいずれも最大値を示す。
保有水(原水)の水質検査結果を示す平成20年1月23日付け計量証明書
Figure 0004317260
Figure 0004317260
Figure 0004317260
保有水(原水)の水質検査結果を示す平成20年4月25日付け計量証明書
Figure 0004317260
Figure 0004317260
Figure 0004317260
保有水(原水)の水質検査結果を示す平成20年7月22日付け計量証明書
Figure 0004317260
Figure 0004317260
Figure 0004317260
保有水(原水)の水質検査結果を示す平成20年10月21日付け計量証明書
Figure 0004317260
Figure 0004317260
Figure 0004317260
保有水(原水)の水質検査結果を示す平成21年1月20日付け計量証明書
Figure 0004317260
Figure 0004317260
Figure 0004317260
又、埋立処分継続中における底部30より単位固化物23を5個積み上げた5段階層の中央部に位置する単位固化物23の極限支持力を推定するため、本出願人から計量証明事業所である株式会社土木管理総合試験所(長野市篠ノ井御御幣川877−1)に試験を依頼し、平成21年2月6日に実施した3サイクル段階式繰返し平板載荷試験(調査担当者 藤森学)により得た載荷圧力と沈下量との関係を以下の表8に示す。
載荷圧力−沈下量の調査結果を示す一覧表
Figure 0004317260
この載荷試験により、試験最大載荷圧力2800.6kN/mに対する累計沈下量が0.70mmとなり、一般的な許容沈下量の目安が30mm(載荷板直径の10%)であることを考慮すると、余裕のうかがえる沈下量であると言える。しかも、段階毎の沈下量については、0.05〜0.18mmの非常に小さい値で推移し、荷重累増に伴う沈下量の増大は見受けられない。従って、各種載荷圧力―沈下量曲線図において極限支持力の定義に相当する曲線の急折には至らない。又、試験中及び試験終了時における載荷板周辺の地盤状況についても、亀裂・盛り上がり等の地盤破壊的現象は確認されなかった。
このため、最終処分場における埋立て地盤を構成する5段階層にある単位固化物23において、荷重計の能力(MAX)200kNを考慮すると、最大載荷圧力2800.6kN/m(最大載荷荷重 198kN)が便宜上本試験による極限支持力になる。そして、通常10階建て程度のマンション建設では、マンション基礎部に必要な地盤の支持力として、400〜500kN/mと考えた場合、設計上の理由から安全率を3倍とするため、実際1,200〜1,500kN/m以上の地盤の支持力が求められる。本調査では試験で確認された支持力が2800.6kN/mであるため、前述した通り、マンション基礎部に必要な支持力に安全率3倍を見込んだ1,200〜1,500kN/mを十分に満足し、非常に強固な埋立て地盤になる。なお、亀裂の少ない均一な硬岩からなる岩盤の許容支持力は、常時で1,000kN/m、地震時で1,500kN/mである。それ故、支持力の管理を早期に廃止できる。以上の結果として、処分場跡地が早期に安定化し、その跡地を森林、公園、住宅地、工場敷地、運動場等に幅広く有効利用し易くなって、最終処分場に埋立処分した廃棄物を地盤として資源化できる。
又、本発明を適用した多数の単位固化物処分方法による最終処分場の廃棄物早期安定資源化によると、焼却灰単独溶融、ばいじん・焼却灰混合溶融により焼却灰、ばいじん等を更に高温処理して、溶融スラグ(二次製品)を作る資源化の場合と比べ、以下の表9に示すように、埋立単位廃棄物量当りのCOの発生量(CO単位排出量)を大幅に減らすことができる。この表9における燃料燃焼式、電気式とはいずれも溶融炉の型式を示し、排ガス量・CO比率については(社)全国都市清掃会議発行「ごみ処理施設整備計画・設計要領」による。そして、2月度とはいずれも平成21年2月を指し、その2月度燃料使用量とは2月中の埋立処分に用いたバックホー等の機械類に使用した全燃料使用量である。又、2月度CO排出量とはその機械類が2月中に排出した全CO量であり、2月度埋立量とは2月中に埋立処分した廃棄物の全量である。この結果、本発明の処分方法による廃棄物の資源化によると、廃棄物を溶融して二次製品を作る資源化と比べ、大気中に放出されるCOの量が大幅に減る。
資源化システムの違いによるCO発生量の比較表
Figure 0004317260
又、本発明を適用した多数の単位固化物成形処分構造体からなる最終処分場のガス抜き管から放出されるガス成分を、有機、無機の両廃棄物を含む東京都一般廃棄物最終処分場1)、大阪市一般廃棄物最終処分場2)の場合と比べると、以下の表10に示すようになり、本発明によると、大気中に放出されるガス量と臭気を大幅に減らすことができる。この表10に示す本発明を適用した最終処分場のガス分析は、前述の(株)科学技術開発センターに依頼し、同社の社員(若林)が採取した試料に基づくものであり、平成18年6月5日から平成20年12月1日の間に定期的に行われた11回の検査結果の集計に基づく。又、1)、2)の資料は(社)臭気対策研究協会の悪臭防止技術の手引き(13)より引用した。なお、表10のNDは不検出を示し、―は調査なしを示す。そして、各検出ガスにおいて、範囲の記載がNDのみの場合、平均に記載の数値は計量下限値を示す。
最終処分場ガス抜き管ガス成分比較表
Figure 0004317260
なお、上記の実施形態では、廃棄物最終処分場として、埋立て用土地を地表から掘削し、掘り下げて縦穴を形成し、その縦穴に必要な工事を施工した後、その縦穴内に無機廃棄物を含む単位固化物23を多数成形処分する場合について説明したが、このような多数の単位固化物23は廃棄物最終処分場として、自然の沢を利用して埋立処分したり、平坦地に積み上げて処分したりすること等もできる。
本発明を適用した最終処分場における無機廃棄物分離・一体化による多数の単位固化物成形処分方法において採用する単位固化物成形用型枠部付近の断面図である。 同単位固化物成形用型枠部付近の平面図である。 同単位固化物成形用型枠部の一方の区分空間内に高密度廃棄物多層固形部を形成した状態を示す断面図である。 同区分空間内に高密度廃棄物多層固形部を形成した状態を示す平面図である。
同高密度廃棄物多層固形部上に低密度廃棄物固形層を被覆した状態を示す断面図である。 同低密度廃棄物固形層を被覆した状態を示す平面図である。 同単位固化物成形用型枠部の他方の区分空間内に低密度廃棄物多層固形部を形成した状態を示す断面図である。 同区分空間内に低密度廃棄物多層固形部を形成した状態を示す平面図である。
同単位固化物成形用型枠部上にカバー材を敷き、養生鉄板を載置した状態を示す断面図である。 同カバー材を敷き、養生鉄板を載置した状態を示す平面図である。 同養生鉄板上に膨張抑制用重りを載置した状態を示す断面図である。 同膨張抑制用重りを載置した状態を示す平面図である。 本発明を適用した多数の単位固化物成形処分構造体の断面図である。
1…単位固化物成形用型枠部 2…内部空間 3…シーティング板 4…たて込み簡易土留め具 5…仕切鉄板 6…仮設堰堤用重り 7、23…単位固化物 8…単位固化物の側面 9…単位固化物の上面 10…仕切壁 11、12…区分空間 13…高密度廃棄物多層固形部 14…最上空間 15…被覆用低密度廃棄物固形層 16…低密度廃棄物多層固形部 17…単位固形物 18…養生鉄板 19…膨張抑制用重り 21…被覆用低密度廃棄物固化層 22…低密度廃棄物多層固化部 24…水平仕切壁体 25…垂直仕切壁体 26…水平収納物体 27…多数の単位固化物成形処分構造体 31…筒部

Claims (2)

  1. (a)各種の無機廃棄物を粒の大きな無機廃棄物と粒の小さな無機廃棄物とに選別して、粒の大きな無機廃棄物と粒の小さな無機廃棄物とからなる高密度廃棄物と、粒の小さな無機廃棄物からなる低密度廃棄物とに分離する工程、(b)最終処分場に受け入れた無機廃棄物を設定した単位量毎に夫々分けて処分する所定の単位処分箇所に、型枠材を用いて、周囲側壁と底壁に囲まれ、上面側を全面開口にした内部空間を設けると共に、その内部空間内に内部空間を水平方向に2分割する仕切壁を設けた2区分空間を有する単位固化物成形用型枠部を形成する工程、(c)所定量の高密度廃棄物と対応する所定量のセメントを、その高密度廃棄物に含まれている水が必要量に達しない場合には更に水を加えて混練し、高密度廃棄物・セメント混練物を作る工程、(d)高密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部の一方の区分空間内に投入し、その区分空間内に下方から上方に向って、順次充填とその充填物の圧縮とによる層の形成を繰り返して高密度廃棄物多層固形部を形成し、その最上層に該当する空間のみ充填せずに最上空間を残す工程、(e)所定量の低密度廃棄物と対応する所定量のセメントを、そのセメント量の混合割合を高密度廃棄物に混合したセメント量の混合割合より増加させると共に、その低密度廃棄物に含まれている水が必要量に達しない場合には更に水を加えて混練し、低密度廃棄物・セメント混練物を作る工程、(f)低密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部内の高密度廃棄物多層固形部上に残る最上空間内に投入して充填し、その充填物を圧縮して高密度廃棄物多層固形部の上側を被う被覆用低密度廃棄物固形層を形成する工程、(g)単位固化物成形用型枠部内の仕切壁を除去する工程、(h)低密度廃棄物・セメント混練物を単位固化物成形用型枠部の他方の区分空間内に投入し、その区分空間内に被覆用低密度廃棄物固形層の位置まで下方から上方に向って、順次充填とその充填物の圧縮とによる層の形成を繰り返して、その被覆用低密度廃棄物固形層と連なる低密度廃棄物多層固形部を形成する工程、及び(i)高密度廃棄物多層固形部と被覆用低密度廃棄物固形層と低密度廃棄物多層固形部とからなる単位固形物の全体に、上方から下方に圧力を加えて養生硬化させながら単位固形物を固化させて、一体に結合した高密度廃棄物多層固化部と被覆用低密度廃棄物固化層と低密度廃棄物多層固化部とからなる単位固化物を形成する工程、を備えることを特徴とする最終処分場における無機廃棄物分離・一体化による多数の単位固化物成形処分方法。
  2. 請求項1記載の単位固化物を前後、左右の水平方向に順次設置して並べ、又は垂直方向に順次設置して積み重ね、多数の単位固化物を隣接するもの同士結合させて、同一高さに設置した単位固化物の被覆用低密度廃棄物固化層をいずれも水平仕切壁状に一体に結合し、前後同一位置に設置した単位固化物の低密度廃棄物多層固化部をいずれも垂直仕切壁状に一体に結合し、同一高さで前後同一位置に設置した単位固化物の高密度廃棄物多層固化部をいずれも水平収納物状に一体に結合して、多数の水平仕切壁体と多数の垂直仕切壁体とを全て一体に結合して格子状に配置し、その各格子目に目の位置に対応する水平収納物体を夫々配置してなる断面構造を有することを特徴とする多数の単位固化物成形処分構造体。
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