JP5280038B2 - 超純水製造装置 - Google Patents

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本発明は超純水製造装置に係り、特に、紫外線(UV)酸化手段とイオン交換塔とを備える超純水製造装置において、紫外線酸化手段による紫外線照射量の制御を行うことでTOC(全有機物炭素)の分解除去を効率的に行えるようにした超純水製造装置に関する。
河川水、工業用水、水道水などの原水から、半導体製造工程等で使用される超純水を製造する場合の一般的な製造システムは、前処理工程、一次純水製造工程及び二次純水製造工程(サブシステム)からなる。
紫外線酸化手段は、水中の有機物を酸化分解するために、このような超純水製造システムにおける一次純水製造工程、二次純水製造工程に適用されている。また、イオン交換塔は、アニオン交換樹脂及び/又はカチオン交換樹脂が充填されたもので、水中のイオン性物質を除去するために、一次純水製造工程及び二次純水製造工程の紫外線酸化手段の後段に設置されている。
従来の超純水製造システムでは、紫外線酸化手段の流入水(入口水)のTOC濃度の最大含有量を設定し、この設定したTOC含有量の酸化分解除去に必要な量のOHラジカルを発生させる紫外線照射量を固定値として発生する紫外線酸化手段が設置されている。すなわち、従来では、流入水のTOC濃度の変動に関らず、常に最大TOC設定濃度のTOCを酸化分解除去し得る紫外線量を照射することで、紫外線酸化後のTOCの残留を防止している。
このような超純水製造システムでは、紫外線酸化後のTOCの残留を防止するために、紫外線酸化手段の紫外線照射量が最大TOC設定濃度に対応した、高い値に固定されているが、このような紫外線酸化手段では、最大TOC設定濃度より低TOC濃度の水が流入した場合、必要以上の紫外線が照射されることとなり、紫外線コストが高くつく上に、次のような問題がある。
すなわち、紫外線酸化手段の流入水中のTOC濃度が最大TOC設定濃度より低い場合、TOCの紫外線酸化分解に使われなかった余剰のOHラジカルがDO(溶存酸素)成分となって処理水中に残留する。これは、余剰のOHラジカルから過酸化水素が生成し、これが紫外線酸化手段の後段のイオン交換塔のイオン交換樹脂、特にアニオン交換樹脂と接触すると、酸素を生成するためであると推定される。
このため、TOC濃度が最大TOC設定濃度よりも低い水を紫外線酸化手段及びイオン交換塔で処理した場合、イオン交換塔の流出水のDOは紫外線酸化手段流入水のDOよりも高いものとなる。従って、このような場合には、最終処理水の超純水のDOも高くなる。
超純水中にDOが存在すると、これを半導体製造工程のウェハ洗浄水として用いた場合、シリコンウェハ表面に酸化膜を生じさせるなどの弊害が起きる可能性が高い。
このような弊害を回避するため、流入水のTOC濃度に対して、紫外線を過不足なく照射して、TOCを確実に酸化分解除去すると共に、DOの増加を防止し、低TOC、低DOの超純水を安定に製造することができる超純水製造装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)
特開平10−123118号公報
しかしながら、TOCを測定する場合には、TOCが一般に各種有機成分の混合であって、かつ、紫外線酸化手段においては、有機物の種類によりその分解の容易さが異なるため、紫外線酸化手段入口にTOC計を設置しても、TOC成分の種類による影響を受けるため、一律に制御することが困難である。
また、DOを測定する場合には、DOの上昇がUVの出口ではなく、後段のイオン交換塔を経ることで上昇し、制御するDO計は、イオン交換塔を通過後に測定する必要があるため、応答性が遅くなるという問題がある。さらには、イオン交換塔の出口のDO値を管理することが本来の目的であるので、管理そのものにそのDO値を用いていては、DO値の上昇を未然に防ぐという問題の解決には至らないという問題があった。
そこで、本発明は上記従来の問題点を解決し、流入水のTOC濃度に対して、紫外線を過不足なく照射して、TOCを確実に酸化分解除去すると共に、DOの増加を防止し、低TOC、かつ低DOの超純水を安定に製造することができる超純水製造装置を提供することを目的とする。
本発明の超純水製造装置は、処理水中のTOC成分を分解する紫外線酸化手段と、紫外線酸化手段で分解されたTOC成分を除去するイオン交換塔と、を備えてなる超純水製造装置において、紫外線酸化手段の出口水の過酸化物濃度を測定する過酸化物濃度測定手段を有し、該過酸化物濃度測定手段の測定結果に基づいて紫外線酸化手段の紫外線照射量を制御する紫外線照射量制御手段を有することを特徴とするものである。
紫外線酸化手段における紫外線照射量が一定の場合、紫外線酸化手段入口水のTOC濃度が下がるとTOC分解量も減少する。従来の紫外線酸化手段では、予め設定した紫外線酸化手段入口水の最大TOC設定濃度を分解できるように紫外線照射量を設定しているので、実際の紫外線酸化手段入口水のTOC濃度が最大TOC設定濃度より少なくなるとTOC存在量に対して紫外線照射量は過剰になる。この過剰な分だけ過酸化物が発生し、DO成分が増加してしまう。
本発明者らは、DO成分の増加を抑制するために、その原因物質であると思われる過酸化物の濃度を紫外線酸化手段の出口において測定し、その測定結果をフィードバックすることにより紫外線酸化手段による紫外線の照射量を制御することで、イオン交換樹脂出口におけるDO値を効果的に抑制することができることを見出し本発明を完成したものである。
ただし、この原因物質と思われる過酸化物の発生量は微量であるため、その物質を厳密に特定するのは困難であるが、図1に示したように、紫外線酸化手段出口の過酸化物濃度とイオン交換樹脂出口のDO値との関係は、概ね、因果関係があり、十分に紫外線照射量の制御に用いることができる相関関係が読み取れる。
なお、図1においては、前処理工程、一次純水製造工程により処理されたTOC濃度2.1ppbの純水を紫外線酸化手段の後、イオン交換塔(MBポリッシャー)で処理する超純水製造装置において、紫外線酸化手段における紫外線照射量と、紫外線酸化手段出口の過酸化物濃度及びイオン交換塔出口のDO値との関係をそれぞれ示したものである。
一般に、紫外線酸化手段において入口水のTOC濃度が一定の場合、紫外線照射量とTOC除去量との間には一次式の関係が成りたち、紫外線照射量が増加するとTOC除去量もそれに比例して増加する。そのため、紫外線酸化手段入口水のTOC濃度によって単位消費電力量当たりのTOC除去量が計算でき、これに基いて、TOCの除去に必要な紫外線照射量(紫外線酸化手段への電力量ないし点灯するUVランプ数)を求めることができる。
しかし、TOCの種類等によって、その分解処理に必要とされる紫外線照射量が異なる場合もあり、単純に紫外線酸化手段入口水のTOC量の測定等を行なっても、それがDO値を適正に低下させることにならない場合があるが、本発明においてはDO値を増加させる直接の原因と思われる過酸化物の濃度により紫外線照射量を制御するので、従来と比べ適正な紫外線照射を行うことができる。
本発明の超純水製造装置によれば、流入水のTOC濃度の変動に応じて適正量の紫外線照射を行うことができるため、紫外線の過少照射によるTOCの残留及び紫外線の過剰照射によるDOの増加を防止して、低TOC,低DOで高純度の超純水を安定かつ効率的に製造することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の超純水製造装置の一実施の形態を示した装置の概略構成を図2に示した。
図2に記載の超純水製造装置1は、1次純水処理を施された処理水中のTOC成分を分解する紫外線酸化手段2と、紫外線酸化手段2で分解されたTOC成分を除去するイオン交換塔3と、紫外線酸化手段の出口水の過酸化物濃度を測定する過酸化物濃度測定手段4と、過酸化物濃度測定手段の測定結果に基づいて紫外線坂手段2の紫外線照射量を制御する紫外線照射量制御手段5と、を備えてなることを特徴とするものである。
なお、ここで示した超純水製造装置1は、1次純水を処理して超純水を製造する装置であり、いわゆる2次純水製造装置又はサブシステムと称されるものである。従って、1次純水は、原水をいわゆる前処理システム及び1次純水システムで処理して得られるものである。具体的には、例えば、原水貯槽に一旦貯留した工業用水等の原水を前処理システムに通水し、原水中の懸濁物質及び有機物の一部の除去を行い、ろ過水槽を経て、一次純水システムに前処理水を供給し、該前処理水を水中の不純物イオンの除去を行う脱塩装置、水中の無機イオン、有機物、微粒子等の除去を行う逆浸透膜装置、水中の溶存酸素等の溶存ガスの除去を行う真空脱気装置、残存するイオン等を除去する再生型混床式脱塩装置に、順に通水することによって得られる高純度の水である。この1次純水は、通常1次純水貯留槽へ送水され、次いで2次純水製造装置で処理されることとなる。
紫外線酸化手段2は、超純水の製造装置に通常用いられるものであればよく、例えば、185nm付近の波長を照射可能な紫外線ランプを備えたものが被処理水中の有機物を分解するのに適している点で好適である。用いる紫外線ランプとしては、特に限定されないが、低圧水銀ランプが好ましい。また、紫外線照射装置としては、流通型または浸漬型が挙げられ、このうち、流通型が処理効率の点から好ましい。
イオン交換塔3としては、特に限定されないが、例えば非再生型イオン交換塔(カートリッジポリッシャーとも呼ばれる)及びイオン吸着膜塔が挙げられる。これらのイオン交換塔は1個単独又は2個以上を組合せて使用することもできるが、1個単独での使用でも極々微量の金属は十分除去できると共に、圧力損失を最小限に抑えることができる点で好ましい。
非再生型イオン交換塔としては、特に限定されないが、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床によるイオン交換塔(混床1塔式)、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床によるイオン交換塔(単床1塔式)、強酸性陽イオン交換樹脂の単床によるイオン交換塔(単床1塔式)、強塩基性陰イオン交換樹脂の単床層を入口側、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混床層を出口側に設けた複層式イオン交換塔(複層1塔式)、及びキレート樹脂の単床によるイオン交換塔(単床1塔式)が挙げられる。
このうち、混床1塔式イオン交換塔を用いた場合には、混床層内のいずれの位置においても水のpHの変化がないため、効率のよいイオン交換ができるという利点が得られる。
イオン吸着膜塔としては、特に限定されないが、アニオン吸着膜、カチオン吸着膜、キレート膜を前記非再生型イオン交換塔と同様、使用条件に応じて適宜使用したものからなる。アニオン吸着膜は、例えば、4級アミン基をアニオン交換基として持つ多孔膜や焼結多孔体が挙げられ、カチオン吸着膜は、例えば、スルホン基、りん酸基またはカルボキシル基等をカチオン交換基として持つ多孔膜や焼結多孔体が挙げられ、キレート膜は、水中の金属イオンとキレートを形成することができるエチレンジアミンなどを持つ多孔膜や焼結多孔体が挙げられる。また、膜形状としては、中空糸状、平膜状、プリーツ状、チューブ状、繊維状等が挙げられる。
なお、このイオン交換塔3には、その前段又はイオン交換塔内部の被処理水の流入側に、過酸化物を捕捉してイオン交換塔の内部でDO値を上昇させないような酸化剤除去樹脂を設けた構成とすることもできる。このとき、最終的に得られる処理水はDO値が上昇しておらず好ましい水質のものが得られるが、酸化剤除去樹脂が過酸化物を捕捉して、処理水中から過酸化物を除去するようになっているため、樹脂の寿命は処理した過酸化物の量に依存するため、このような構成としたイオン交換塔を用いた場合においても、本発明のように照射する紫外線量を制御し、過酸化物の発生を低減することで、酸化剤除去樹脂の寿命を飛躍的の延ばすことができ、超純水の製造を低コストで効率的に行なうことができるようになる。ここで、酸化剤除去樹脂としては、例えばANP(野村マイクロ・サイエンス株式会社製)等を用いることができる。
過酸化物濃度測定手段4は、公知の過酸化物の測定手段によればよく、酸化・還元反応を利用したものが利用されており、例えば、ヨウ化カリウム、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム等を使用して、これらの化合物と反応させて過酸化物の総量を求めるものである。中でもヨウ化カリウムを用いたヨウ素電量滴定法であることが好ましい。
ここで、過酸化物の大部分は過酸化水素であると考えられるが、このような超純水の製造における過酸化物濃度は数10ppb以下であるため、このような低濃度の過酸化物を測定することができる感度の高い測定を行なうことができるものでなければ本発明の超純水製造装置には適用することができない。
紫外線照射量制御手段5は、入力された過酸化物濃度の測定値に基づいて適正な紫外線照射量を演算し、この演算結果に基づいて紫外線酸化手段2の紫外線照射量を制御する。
例えば、この実施形態においては、過酸化物濃度測定手段4から入力された紫外線酸化手段2の出口水の過酸化物濃度の測定値に基づき、この測定値が増加傾向となるまで紫外線照射量を増やし、この測定値が増加に転じたときの直前の紫外線照射量となるように紫外線酸化手段2の紫外線照射量を制御するようにしてもよい。
また、予めイオン交換塔3の出口水のDO量の基準値を定めておき、この基準値を超える場合に、紫外線酸化手段2出口の過酸化物濃度の測定値がどのように変動するかを調べておき、この基準値を超える際の過酸化物濃度の測定値が検出されたら、紫外線酸化手段2の紫外線照射量を減らし、測定値がこの基準値より低い場合には紫外線酸化手段2の紫外線照射量を増やす。この基準値は、求める水質により適宜決定すればよく、例えば、半導体の洗浄水ではDO値を1〜10ppb程度に設定すればよい。
本実施形態における紫外線酸化手段の紫外線照射量の制御方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
(1) 紫外線照射量制御手段として紫外線ランプ点灯数制御器を用い、紫外線ランプの点灯数を望ましい紫外線照射量に応じて制御する。例えば、1シリンダー当り、任意の複数(例えば10本)の紫外線ランプを設置したシリンダーを複数個備えた紫外線酸化手段であれば、点灯するシリンダー数を制御する。
(2)紫外線照射量制御手段として紫外線ランプ電流制御器を用い、紫外線ランプの電流値を望ましい紫外線照射量に応じて制御する。例えば、特定のいくつかのシリンダー或いはすべてのシリンダーについて電流値を制御する。
(3)紫外線照射量制御手段として紫外線ランプ点灯数制御器と紫外線ランプ電流制御器とを用い、上記(1)と(2)とを組み合せて望ましい紫外線照射量に応じて制御する。例えば、あるシリンダーについては定常電流値で点灯又は消灯し、他のシリンダーは電流値を増減する。
このような本発明の超純水製造装置は、超純水製造システムの一次純水製造工程、二次純水製造工程のいずれにも適用可能であるが、特に、二次純水製造工程への適用に好適であり、従来の最大TOC設定濃度対応紫外線照射による最終処理水の超純水のDO増加を抑制し、高純度の超純水を安定に製造することが可能となる。
上記実施形態においては、過酸化物濃度の測定は、紫外線照射手段2の出口でのみ行なっている場合を説明したが、さらに、紫外線照射手段2の入口においても過酸化物濃度測定手段を設けるようにしてもよく、この場合、もともと被処理水中に過酸化物が含まれてしまっているのか、紫外線照射が過剰になっているために過酸化物が発生しているのかを判断することができ、より適切な処理を行うことができる。
なお、被処理水中に過酸化物が含まれている場合には、本発明の超純水製造装置での処理前に過酸化物を除去することが好ましい。これを除去しない場合には、紫外線照射量が適切であっても、照射量が過剰と判断され、照射量を低減するが、これにより今度は紫外線照射量が足りなくなり、TOCが十分に分解されずに処理水のTOC値が上昇することとなってしまう不具合が生じる。
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明する。
図1に示した超純水製造装置を用い、前処理及び一次純水製造工程で処理した純水そのもの(被処理水A)と、この純水にTOC成分としてイソプロピルアルコール(IPA)を3ppb添加したもの(被処理水B)とを被処理水として用いた。このとき、被処理水のTOC濃度は、被処理水Aが2.1ppb、被処理水Bが5.1ppbであった。
また、実施例に用いた超純水製造装置を構成する各装置は次の通りである。
紫外線酸化手段:低圧紫外線酸化装置(日本フォトサイエンス株式会社製、商品名:NN−UV、ランプ型式:AY−6;0.091kW×4本)
イオン交換塔:混床式イオン交換樹脂(MB)(ローム&ハース社製、商品名:MBGP;充填樹脂量:28L)
過酸化物濃度測定手段:超低濃度過酸化物自動分析計(野村マイクロサイエンス株式会社製、商品名:NOXIA−L)[測定方式:ヨウ素電量滴定法、測定レンジ:10〜200ppb]
まず、被処理水Bを流量0.8m/hrで、紫外線照射手段及びイオン交換塔で順番に処理し、このとき紫外線照射手段の出口水の過酸化物濃度を過酸化物濃度測定手段により測定し、このときの測定値を紫外線照射量制御手段にフィードバックしながら処理した。次に、被処理水だけを被処理水Aに変えて、同一の処理を行ったところ、紫外線酸化手段の出口における過酸化物濃度が上昇し、設定値を超えたため、紫外線照射量制御手段により紫外線照射手段の紫外線ランプの点灯本数を4本から2本に減らした。
ここで紫外線照射量は、4本点灯時には0.45kWh/m、2本点灯時には0.22kWh/mとした。また、図1に基づき、過酸化物濃度の設定値は25ppb(DO値が5ppb)とした。
このときの、被処理水(紫外線照射手段の入口)のTOC値、DO値、過酸化物濃度、紫外線酸化手段の出口における過酸化物濃度、イオン交換塔の出口におけるTOC値、DO値を測定し、表1にまとめて示した。
Figure 0005280038
これによりDO値は、2.1〜2.6ppbに抑えることができており、低い値で安定させることができた。
(比較例)
次に、紫外線照射量の制御手段を持たない以外は上記実施例と同一の構成の超純水製造装置により、同様に被処理水B及びAを流し、そのときの被処理水(紫外線照射手段の入口)のTOC値、DO値、過酸化物濃度、紫外線酸化手段の出口における過酸化物濃度、イオン交換塔の出口におけるTOC値、DO値を測定し、表2にまとめて示した。
Figure 0005280038
比較例においては、被処理水中のTOC濃度が低下した場合には、紫外線照射量が過剰となってしまい、最終的に得られる処理水のDO値が5.8ppbと上昇してしまっていることがわかる。
上記した実施例及び比較例により、本発明が超純水の製造において、得られる超純水のDO値を低減させるのに極めて有効であることが確認できた。
なお、実施例及び比較例における、DO値、TOC値の測定には次の装置を用いた。
DO値の測定:Hack Ultra Analytics社製 「Orbisphere MOCA3600」
TOC値の測定:Hack Ultra Analytics社製 「Anatel A-1000XP」
紫外線照射量と紫外線酸化手段の出口における過酸化物濃度及びイオン交換塔の出口におけるDO値との関係を示した図である。 本発明の実施形態に係る超純水製造装置の概略構成図である。
符号の説明
1…超純水製造装置、2…紫外線照射手段、3…イオン交換塔、4…過酸化物濃度測定手段、5…紫外線照射量制御手段

Claims (4)

  1. 処理水中のTOC成分を分解する紫外線酸化手段と、前記紫外線酸化手段で分解されたTOC成分を除去するイオン交換塔と、を備えてなる超純水製造装置において、
    前記紫外線酸化手段の出口水の過酸化物濃度を測定する第1の過酸化物濃度測定手段と前記紫外線酸化手段の入口水の過酸化物濃度を測定する第2の過酸化物濃度測定手段とを有し、該第1の過酸化物濃度測定手段及び第2の過酸化物濃度測定手段の測定結果に基づいて前記紫外線酸化手段の紫外線照射量を制御する紫外線照射量制御手段を有することを特徴とする超純水製造装置。
  2. 前記超純水製造装置の処理前に、過酸化物を除去する過酸化物除去手段を有することを特徴とする請求項1記載の超純水製造装置。
  3. 前記イオン交換塔の前段又は前記イオン交換塔内部の被処理水の流入側に、酸化剤除去樹脂を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の超純水製造装置。
  4. 前記過酸化物濃度測定手段による測定が、ヨウ素電量滴定法により行なわれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の超純水製造装置。
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