JP5279648B2 - 気密容器及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents

気密容器及びこれを用いた画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は内部が減圧された気密容器、画像表示装置、テレビジョン装置に関する。
電界放出型や表面伝導型等の電子放出素子を用いた平板型画像表示装置が知られている。電子放出素子は、一般に、10−4Pa程度よりも高い真空度である、減圧された雰囲気(真空)中で動作させる。そのため、電子放出素子を用いた画像表示装置には耐大気圧構造を備えた気密容器(真空容器)が必要となる。気密容器には、外部(大気圧)と内部(真空)の差圧による外力(大気圧)が印加されるため、気密容器は外力に圧縮されて変形を起こす。気密容器に過度の変形が起きた場合には、気密容器の内部に設けられた電子放出素子と発光体との相対位置がずれる可能性や、気密容器のガラス表面に応力が集中し破損する可能性がある。その一方で、近年では、平板型画像表示装置の画面の大型化に伴い、気密容器への負荷が増大する傾向もあり、気密容器の内部に間隔を維持するためのスペーサを設けた画像表示装置が提案されている。
図2(a)、図2(b)を用いて、電子放出素子を用いた画像表示装置の気密容器の典型例を説明する。図2(a)は気密容器99の平面模式図であるが、スペーサ4と枠3とがわかるように模式的に示している。図2(b)は、図2(a)のA−A’線における気密容器99の断面模式図である。この気密容器99は、蛍光体等の発光体5とメタルバック等のアノード7とを搭載する前面基板1と、電子源6等を搭載し、前面基板1に対向配置されている背面基板2と、前面基板1と背面基板2の周囲を接続する枠3を備える。前面基板1および背面基板2は典型的にはガラス板からなる。そして、前面基板1と背面基板2と枠3とで形成される気密容器99の内部空間98には、前面基板1と背面基板2の間に配置された板状のスペーサ4が配置されている。枠3は、ガラスや金属等からなる枠部材と、前面基板1および背面基板2と枠部材とを接合するフリットガラスや低融点金属等のシール機能を有する接合材と、を含む。
近年では、平板型画像表示装置の薄型化・軽量化傾向が加速する中で、前面基板1や背面基板2を構成するガラス板の厚みの更なる削減が要められている。
特許文献1と特許文献2には、枠の高さをスペーサの高さよりも高くすることが開示されている。
特開2002−358915 特開平10−254375
前面基板1や背面基板2の厚みを減らしていくと、前面基板1及び背面基板2に加わる応力が増える。スペーサ4をより多く配置するなど、支持構造のさらなる追加による前面基板1や背面基板2の表面の応力低減も考えられるが、スペーサ4の高さや枠3の高さの精度による限界がある。そのため、他の手法による前面基板1や背面基板2の応力低減が求められる。
特許文献1や特許文献2のように、枠3の高さをスペーサの高さより高くすることで、スペーサ直上の前面基板1及び背面基板2の表面上では圧縮応力が発生するために、強度を上げることができる。しかし、その一方で、本発明者の検討の結果、スペーサより高さが増した枠の直上の基板の表面上においてはそれ以上の引張り応力が発生してしまうため、かえって気密容器の強度を低下させてしまう場合があることが分かった。
そこで、本発明では、気密容器の薄型化と軽量化を犠牲にせずに、気密容器の強度の低下を抑制することを目的とする。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであって、前面基板と、該前面基板に対向する背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に所定の間隔で配置された複数のスペーサと、前記前面基板と前記背面基板の間に設けられると共に前記複数のスペーサを取り囲む枠と、を備え、前記前面基板と前記背面基板と前記枠とで囲まれた内部空間が大気圧よりも低い圧力に維持された気密容器であって、前記前面基板と前記背面基板は、いずれもガラス材料からなり、前記スペーサの平均高さがH、前記枠の前記内部空間側の端の高さがH、前記枠の前記内部空間側の端とは反対側に位置する端がH、前記枠の幅がW、前記所定の間隔がLであるときに、H<H<Hの関係を満たし、かつ、1.3(H−H)/L<(H−H)/Wの関係を満たす、ことを特徴とする。
本発明によれば、所定の反りを、枠の直上付近に位置する基板に、与えることができる。その結果、枠の直上付近における基板に発生する応力を低減させた気密容器を得ることができる。
気密容器の枠近傍の断面模式図 気密容器の平面模式図 枠の一例の断面模式図 柱状スペーサを用いた気密容器の平面模式図 枠の変形例 枠の別の変形例 テレビジョン装置のブロック図
図1は気密容器99の枠3近傍の部分模式断面図であり、Y方向に沿った断面図(Y方向の断面図)である。また、図3は、図1に示す枠3の構成例をより詳しく説明するための模式図である。気密容器99の枠3の近傍以外の構成については、図2(a)、図2(b)を用いて説明した従来の気密容器と特段の差はない。つまり、図1の気密容器99の平面模式図は図2(A)と変わらない。そのため、ここでは気密容器99の枠3の近傍を以外の構成についての詳細な説明を省く。
気密容器99を画像表示装置に適用する場合には、気密容器99の内部空間98には、少なくとも複数の画像形成素子が配置される。
画像形成素子の各々は、発光体と、当該発光体が発光するためのエネルギーを供給する手段と、で構成することができる。エネルギーを供給する手段としては、例えば電子放出素子を用いることができる。この場合、図2で示した様に、多数の冷陰極電子放出素子を含む電子源が背面基板2上に配置される。冷陰極電子放出素子としては、例えば、スピント型や表面伝導型等やMIM型などの電界放出素子を用いることができ、特にその種類は限定されない。また、画像形成素子としては、例えば、無機EL素子や有機EL素子を用いることもできる。画像形成素子としてEL素子を用いる場合、画像形成素子を内包した気密容器を備える画像表示装置はELディスプレイとなる。有機EL素子は、一対の電極に有機材料からなる発光層が挟まれた構造である。また、画像形成素子を、発光体と、該発光体が発光するためのエネルギーを供給する手段としてのプラズマ発生手段(紫外線発生手段)と、で構成することもできる。このような画像形成素子を内包した気密容器を備える画像表示装置はプラズマディスプレイとなる。
気密容器の内部空間98の圧力は、特に限定されるものではないが、少なくとも大気圧よりも低い圧力である。
以下では、画像形成素子を構成する、発光体を発光させるために発光体にエネルギーを供給する手段として上述した電子放出素子を用いる場合を例に、気密容器について説明する。
電子放出素子を用いる場合には、内部空間98は、10−4Paよりも高い真空度に維持されることが望ましい。また、その場合、内部空間98には、図2で示したように、電子放出素子から放出された電子が照射されることによって発光する発光体が前面基板1上に配置される。発光体としては例えば蛍光体を用いることができる。発光体の電子源側には、アノード電極として機能する金属膜(メタルバック)が設けられる。
図1を参照すると、気密容器99は、それぞれが矩形状である前面基板1と背面基板2と、前面基板1と背面基板2との間に設けられた枠3と、を含む。
枠3は、平面的に見て、矩形枠状であり、前面基板1および背面基板2に気密に接合している。前面基板1及び背面基板2は、好ましくはガラス基板からなり、その厚さは、実用的には0.7mm以上3.0mm以下である。薄すぎると気密容器99の内外の気圧差による変形が増大し、気密容器としての信頼性に懸念が生じる。厚すぎると重量の増加等の問題が発生する。そして、枠3は、前面基板1と背面基板2との間の空間を取り囲むことで、気密容器99の内部空間98を規定する。そのため、内部空間98は、前面基板1と背面基板2と枠3とで取り囲まれた空間といえる。内部空間98では、前面基板1と背面基板2は所定の間隔を置いて対向配置されている。内部空間98における、前面基板1と背面基板2との間隔は、例えば、200μm以上3mm以下、より実用的には、1mm以上2mm以下に維持される。内部空間98における、前面基板1と背面基板2との間隔は、後述するスペーサ4の平均高さ(H)と見なすことができる。
図1からもわかるように、前面基板1および背面基板2の外周よりも内側の部分同士は、枠3を介して接合されている。枠3は、その一例を図3に示すように、金属やガラス等からなる枠部材31と、枠部材31と前面基板1および背面基板2とを接合する接合部材32と、から構成される。接合部材32としては、例えば、フリットガラスや、InやSn等の低融点金属や、InやSn等の低融点金属の合金などを用いることができる。
接合部材32が、枠部材31と前面基板1および背面基板2とを気密に接合することにより、前面基板1の外周よりも内側の部分と背面基板2の外周よりも内側の部分とが封着されている。尚、接合部材32は、前面基板1および背面基板2のそれぞれの外周から所定距離だけ離れて、それぞれの外周よりも内側に位置するように設けられる。そのため、前面基板1と背面基板2との間には、大気圧よりも低い圧力に維持された内部空間98と、内部空間98を取り囲む枠3と、枠3を取り囲む大気の空間(外部空間)とが存在することになる。
枠3のY方向における長さ(幅)は、特に限定されないが、実用的には、3mm以上8mm以下とする。幅が狭すぎると気密容器99の内部空間98を所定の真空度に保てない場合があり、幅が広すぎると枠が占める面積が増加し、画像表示領域以外の部分が増え、省スペース化の妨げになる。尚、枠3の幅は、Y方向だけでなく、内部空間98を取り囲む全周に渡って上記した範囲に設定される。また、枠の幅は一定とすることが望ましい。
前面基板1の外周よりも内側の部分と背面基板2の外周よりも内側の部分とが封着(接合)されているため、気密容器99には、枠3を取り囲む周縁部が存在する。言い換えると、気密容器99の内部空間98と気密容器99の周縁部との間に枠3が存在する。気密容器99の周縁部は、背面基板2の枠3と接合している領域の外側に位置する背面基板2の周縁部と、前面基板1の枠3と接合している領域の外側に位置する前面基板1の周縁部とから構成される。一般に、背面基板2の周縁部は、電子放出素子の配線と駆動回路との接続のために、前面基板1の周縁部よりも面積が大きい。
気密容器99の内部空間98には、前面基板1と背面基板2の間を上述した間隔に保つために、各々がX方向に長手方向を有する複数の板状のスペーサ4が設置されている。スペーサの数は、特に限定はされないが、実用上は、5つ以上に設定される。板状のスペーサ4は細長いガラスの板やセラミックスの板から構成することができる。また、必要に応じて、上記の板の表面に、高抵抗膜を設けたり、凹凸を設ける場合もある。板状のスペーサ4は、その幅(Y方向における長さ)に比べてその高さ(Z方向における長さ)が数倍から十数倍大きい。また、その長さ(X方向における長さ)は、気密容器の大きさに依存するが、実用的には、その高さに比べて数十倍から数百倍大きい。
複数の板状のスペーサ4は、隣合う2つのスペーサがY方向において所定の間隔Lだけ離間するように、配置されている。また、複数のスペーサのうちのY方向における両端に位置する2つのスペーサと枠3の内部空間98側の端であってX方向に沿っている端との間隔(最短距離)は、Y方向で隣合う2つのスペーサの間隔Lと同じに設定される。尚、枠3の内部空間98側の端であってX方向に沿っている端(X方向に延在している端)と、スペーサの長手方向は平行になるように設けられる。そのため、複数のスペーサのうちのY方向における両端に位置する2つのスペーサのX方向における全長に渡り、枠3の内部空間98側の端であってX方向に延在している端との距離(間隔L)は実質的に一定となる。
上記間隔L(図1参照)は、実用的には、5mm以上50mm以下とする。間隔Lが5mmよりも短すぎるとスペーサ間の高さバラツキによって当接しないスペーサが発生してしまう場合がある。逆に間隔Lが50mmよりも長いと気密容器99の内外の圧力差によってガラス基板(1、2)が破損してしまう可能性がある。
尚、ここでは、図2に示すような板状スペーサの例を説明するが、スペーサは図4に示すように柱状とすることもできる。
板状のスペーサに比べてスペーサの占有面積が小さい柱状スペーサを使用することは、気密容器の重量低減の点から好ましい。また、柱状スペーサにすることにより作製時に研磨工程を導入することが可能となり、板状のスペーサでは精度を出すことが難しかったスペーサの高さばらつきを、より精度良く作製することが可能となる。柱状スペーサは図4では断面が円状である円柱スペーサを用いて実施様態を説明しているが、断面が四角である四角柱でも、断面が多角形である多角柱スペーサでもよい。柱状スペーサを用いる場合には、図4に示すように、行列状に配列することが望ましい。複数の柱状スペーサ4は、各行に同じ数の柱状スペーサが配置されると共に各列に同じ数の柱状スペーサが配置される。即ち、m行n列に複数の柱状スペーサを配置することが望ましい。各行にはn個の柱状スペーサが前記間隔Lで一直線状に配置され、各列にはm個の柱状スペーサが前記間隔Lで一直線状に配置される。そして各行はX方向またはY方向の一方と平行に設定され、各列はX方向またはY方向の他方と平行に設定される。板状のスペーサを用いる場合には、図1は、板状のスペーサの長手方向(X方向)とは垂直な方向(Y方向)における気密容器99の断面模式図となる。一方、m行n列の柱状のスペーサを用いる場合には、図1は、行数(m)および列数(n)のうち多い数を備える行または列に沿った方向(Y方向)における気密容器99の断面模式図となる。また、前記複数のスペーサは、板状と柱状の併用など、2種類以上のスペーサを用いることもできる。
また、複数のスペーサのうちのY方向における両端に位置するスペーサと、枠3の内部空間98側の端であってX方向に沿って延在する端と、の間隔は、前述したようにスペーサ同士の間隔Lと同じ値に設定される。
尚、板状のスペーサを用いる場合には、Y方向における両端に位置するスペーサは2本となる。一方、柱状のスペーサを用いる場合には、各行がY方向と平行な場合には、Y方向における両端に位置するスペーサは2×m個であり、各行がX方向と平行な場合には、Y方向における両端に位置するスペーサは2×n個である。
一方、枠3の内部空間98側の端であってY方向に沿って延在する端と、複数のスペーサのX方向における両端との間隔(最短距離)は、詳しくは後述する本発明の効果を奏する限り、特に制限はない。しかし、上記間隔は、Y方向におけるスペーサ間隔L以下とすればよいが、実用的には、Y方向におけるスペーサ間隔Lと同じにすることが望ましい。尚、柱状のスペーサを用いる場合であって、各行がY方向と平行な場合には、最初の行と最後の行に位置する柱状スペーサと、枠3の内部空間98側の端であってY方向に沿って延在する端との間隔を上記L以下とすればよい。 また、図2(a)のような板状のスペーサを用いる場合、全てのスペーサのX方向における両端は揃っている(枠3の内部空間98側の端であってY方向に沿った端に平行である)ことが望ましい。
また、柱状のスペーサを用いる場合は、各行の両端に位置する柱状スペーサと枠3との最短距離が間隔一定であり、また、各列の両端に位置する柱状スペーサと枠3との最短距離も一定であることが望ましい。
尚、気密容器99を画像表示装置に用いる場合には、前面基板1および背面基板2は矩形状となる。そのため、枠3も矩形状とすることが望ましい。この場合、枠3の内部空間98側の端は、図2(a)に示すように矩形状とすることが望ましい。
以上述べたように、複数のスペーサ4は、内部空間98に位置している。そのため、枠3は、複数のスペーサ4を取り囲んでいることになる。
図1に示す気密容器99は、後述する特定の条件を満たす形状にすることで、枠3の近傍の前面基板1、背面基板2に後述する所定の反りを与えている。これによって、枠3近傍の、基板(1、2)の表面の応力を低減することができる。基板(1、2)の表面の応力を低減するための特定の条件は、材料力学理論計算を用いて導出することができる。
材料力学の教本及び機械工学便覧等では、両端を固定端として支持した単純支持梁モデルに対し、均一な荷重ωが片方の面全体に印加された場合において、最大の曲げモーメントは両固定支持端部分に発生することがわかる。
そして、上記両端の間の距離をLとした場合にその値の絶対値|Mmax|は、ωL/12で表される。
これを不静定梁の問題として、両固定支持端である枠部と距離Lを隔てて存在する複数の支持部であるスペーサ部に拡大して考えることで、枠部形状による曲げモーメントの増減を考えることが可能となる。
このとき、固定端支持部と他の支持部との高さの差をhと置き、かつ固定端支持部が勾配θをもつと考えた場合、固定端支持部おける梁の曲げモーメントMは、梁のヤング率をE、断面二次モーメントをIとすると、下記式(1)のようになる。
=ωL/12+(EI/L)・{αh/L−αθ} ・・・・式(1)
式(1)の第二項における係数αとαは、考慮するスペーサの本数により値が変化するが、スペーサ本数が増加するに従い、一定の値に収束していく。スペーサ考慮本数5本以上においては、α≒4.4、α≒3.5、となる。
ここで、固定端支持部と他の支持部との高さの差h、勾配θが共に0である状態を通常状態と考えると、この状態での曲げモーメントは、単純支持梁モデルと同じωL/12となる。尚、ここで述べる通常状態とは、簡易的には、図2(b)に示す様に、前面基板1と枠3との接合面(界面)と、背面基板2と枠3との接合面(界面)とが平行である状態を含む。そして、更に、スペーサを間に挟んでいる部分における前面基板1と背面基板2との最短距離(Z方向)と、枠を間に挟んでいる部分における前面基板1と背面基板2との最短距離(Z方向)とが等しい状態を含むことを意味する。
これに対し、固定端支持部と他の支持部との高さの差hが0を上回る値を持ち、勾配θが0である場合は、式(1)の第二項が0を上回る値を持つため、曲げモーメントMは通常状態の値であるωL/12より増加することがわかる。このとき、固定支持端である枠部直上の梁には通常状態を上回る負荷が発生している。このため、特許文献1のように、単に、枠の高さをスペーサの高さよりも高くすると、通常状態を上回る負荷が発生してしまう。
これに対して、勾配θが下記式(2)の条件を満たす値をとることで、hが0を上回りつつも、式(1)の第二項を0未満にすることができる。
(α/α)・h/L<θ ・・・・・式(2)
このとき、曲げモーメントMは前記通常状態での値であるωL/12を下回る。尚、式(2)の係数α/α≒4.4/3.5=1.3である。
以上の事項から、枠3直上のガラスの大気側の表面G1に発生する応力を通常状態より軽減するための条件は、以下の[条件1]になる。尚、下記[条件1]では、図1に示すように、スペーサ4の平均高さをH、枠3の内部空間98側の端の高さをH、枠3の内部空間98側の端とは反対側(大気側)に位置する端の高さをH、隣り合う2つのスペーサの間の距離をL、枠幅をWとした。また、高さの差hを(H−H)/2と換算し、また、傾斜θを(H−H)/2Wと換算している。
[条件1]:H<H<Hを満たし、且つ、1.3(H−H)/L<(H−H)/Wの関係を満たす。
このとき、前面基板1と背面基板2に適度な反り形状が与えられ、枠3直上に位置する、前面基板1及び背面基板2の夫々の大気に接する側(大気側)の表面G1に発生する応力を通常状態より減少させることができる。
尚、表面G1は、前面基板1および背面基板2のぞれぞれの大気に接する側(大気側)の表面の一部分であって、枠3の内部空間98側の端の直上に位置する部分と見なすことができる。尚、前面基板1および背面基板2の夫々の大気側の表面のうち、枠3の近傍で応力の最大値が発生する部分は、厳密には、前面基板1および背面基板2のぞれぞれの厚みや勾配の条件によって変動する。そのため、表面G1は、枠3の内部空間98側の端の直上からずれる場合もある。例えば、表面G1は、枠3の内部空間98側の端の直上から内部空間98側に寄った部分に位置する場合がある。しかし、簡易的には、表面G1は、前述したように、枠3の内部空間98側の端の直上に位置する部分と見なすことができる。
大気側の前面基板1と背面基板2の表面は、大気中の水分による劣化作用を受けるため、前面基板1と背面基板2の真空側の表面に比較して強度が低下している。そのため[条件1]により、前面基板1と背面基板2の大気側の表面G1に発生する応力を低減しておくことが、気密容器99の強度向上のために肝要となる。
ところで、X方向に長手方向を有する板状スペーサを用いた場合、気密容器99のY方向の断面(Y方向に沿った断面)では、図1に示す様に、スペーサ4が離散して存在する(間隔を置いて配置される)。しかし、気密容器99のX方向の断面(X方向に沿った断面)では、スペーサが連続して存在する。そのため、板状スペーサを用いた場合には、気密容器99のX方向の断面とY方向の断面とでは、前述した基板(1、2)の応力の発生の仕方が異なる。従って、X方向の断面における基板(1、2)のG1部分に発生する応力を、通常状態の気密容器のY方向の断面における同部分に発生する応力よりも軽減させることが望ましい。そのためには、Y方向の断面と比較して、X方向の断面における勾配を若干高めに設定する(X方向の断面における前面基板1と背面基板2の反りを大きくする)ことが求められる。例えば、複数の板状スペーサのうちY方向における両端に位置する2つのスペーサと、枠3の内部空間98側の端であってX方向に沿って延在する端との距離(最短距離)が前述した間隔Lであり、板状スペーサ4のX方向における両端と、枠3の内部空間98側の端であってY方向に延在する端との間隔(最短距離)が上記間隔L以下である場合、気密容器99は、Y方向の断面では上述した条件1の関係を満たす一方で、X方向の断面では、実用的には、H<H<Hを満たし、且つ、5(H−H)/L < (H−H)/W の関係を満たすことが望ましい。
尚、枠3の内部空間98側の端の高さHとスペーサ高さHとの差(H−H)は、実用的には4μm以上30μm以下に設定される。また、枠3の内部空間98側とは反対側(大気側)の端の高さHと、枠の内部空間98側の端の高さHとの差分を枠3の幅Wで割った値{(H−H)/W}は、実用的には0.5μm/mm以上2.5μm/mm以下に設定される。
図1に示した構成は、例えば、枠部材31の形状や、封着時に前面基板1と背面基板2の一方を他方に向けて押圧するための固定ピンの位置や押圧時の荷重を調整することによっても得ることができる。
また、図1のような反りを与えることは、前面基板1と背面基板2の内部空間98側の表面であって、枠3の近傍に位置する表面G2の応力が増加することにつながる。そのため、表面G2の応力が、通常状態での前面基板1と背面基板2の大気側の表面G1部分の応力を下回る条件を満たすことが更に望ましい。
尚、表面G2は、前面基板1および背面基板2のぞれぞれの内部空間98側(真空側)の表面の一部分であって、枠3の内部空間98側の端の直上に位置する部分と見なすことができる。尚、前面基板1および背面基板2のぞれぞれの内部空間98側(真空側)の表面のうち、枠3の近傍で応力の最大値が発生する部分は、厳密には、前面基板1および背面基板2のぞれぞれの厚みや勾配の条件によって変動する。そのため、表面G1は、枠3の内部空間98側の端の直上からずれる場合もある。例えば、表面G2は、枠3の内部空間98側の端の直上から内部空間98側に寄った部分に位置する場合がある。しかし、簡易的には、表面G2は、前述したように、枠3の内部空間98側の端の直上に位置する部分と見なすことができる。
表面G2の応力が、通常状態での前面基板1と背面基板2の大気側の表面G1部分の応力を下回る条件を満たすためには、前記式(1)で表される曲げモーメントMが、下記式(2)を満たすことが求められる。
>−ωL/12 ・・・・式(3)
そして、式(1)及び式(3)より以下の式(4)および式(5)が導かれる。
0<ωL/6+(EI/L)・{αh/L−αθ} ・・・・式(4)
θ<(α/α)h/L+ωL/6αEI ・・・・式(5)
そして、気密容器99の内外の圧力差をP、前面基板1と背面基板2に用いられている基板のヤング率をE、前面基板1と背面基板2の厚みをtとして均一荷重ω及び断面二次モーメントIを換算すると、式(5)から以下の式(6)を得ることができる。
θ<(α/α)h/L+2PL/αEt ・・・・式(6)
ここで、高さの差h、枠3の傾斜θを[条件1]の導出と同様に換算すると、枠3の直上の前面基板1と背面基板2の内部空間98側の表面G2に発生する応力を通常状態より軽減するための下記[条件2]は、式(6)より、以下のように表される。
[条件2]:(H−H)/W<1.3(H−H)/L+1.1PL/Etの関係を満たす。
図1のような反りを与えることは前面基板1と背面基板2の内部空間98側の表面であるG2部分の応力を増加することにつながる。しかし、上記〔条件2〕を満たすことによって、G2部分の応力を通常状態で枠直上のガラスの大気側の表面G1部分に発生する応力より低く保つことができる。
また、枠3に最も近いスペーサ上の応力についても同様に通常状態より低減することが更に望ましい。その[条件3]は以下のように導出される。
スペーサの高さバラツキを△Hとして考慮にいれた場合、スペーサ直上の曲げモーメントMは、以下の式(7)のように表せる。
=ωL/12+β(EI/L)・{−3h/L−3.5△H/2L+θ} ・・・・式(7)
ここで、式(7)の係数βは、式(1)の係数α、αと同様にスペーサ考慮本数によって変動する値であるが、スペーサを5本以上考慮した場合、β≒0.93となる。
式(7)の第二項が0未満の値をとることで、曲げモーメントMが通常状態より低減される。このとき、[条件1]、[条件2]と同様に換算すると、以下の[条件3]が得られる。
[条件3]:(H−H)/W<3(H−H)/L+3.5(△H/L)の関係を満たす。
このとき、枠3に最も近いスペーサの直上の前面基板1と背面基板2の大気側表面上に発生する応力が通常状態より減少する。スペーサの高さバラツキは、枠3の高さバラツキより小さい傾向にあるが、上記[条件3]を満たすことによりスペーサ直上の応力を通常状態より下げることができる。
上記[条件1]〜[条件3]の形状を満たす、図1に示した気密容器99は、図2(b)で示す従来の気密容器より、気密容器の内外の圧力差によって前面基板1と背面基板2の表面に生じる応力を減少させることができる。その結果、図1に示す気密容器99、および、気密容器99内に、電子放出素子と電子放出素子から放出された電子が照射されることで発光する発光体を設けることで構成した画像表示装置は、長期に渡る信頼性を確保することができる。
枠3は図3に示すような枠部材31と接合部材32によって構成することができるが、枠部材31の形状自体は図3に示すような略台形形状に限られるものではない。接合部材32が硬化後に枠部材31と接合部材32を総合した断面形状が前述した[条件1]〜[条件3]を満たす略台形形状となればよい。
例として、図5(a)〜図5(c)のように複数考えられる。
図5(a)の形態では、枠部材31の形状は断面がH字型を成し、内部空間98側の端の高さHが大気側の端の高さHより低くなっている。両端の間のくぼみに接合部材32が設けられ、接合部材32を溶融し冷却した後に、枠部材31と接合部材32を総合した形状が、点線で図示したように略台形形状になっており、[条件1]から[条件3]を満たせばよい。
図5(b)の形態では、枠部材31の形状は断面がT字を90°傾けた形態を成している。接合部材32を溶融し冷却した後の形状において、枠部材31と接合部材32を総合した形状が、点線で図示したように略台形形状になっており、[条件1]から[条件3]を満たせばよい。図5(a)の形態では、接合部材32が枠部材31により3方向を塞がれているため封着時に溢れ出すことが懸念されるため、接合部材32の量を厳密に設置する必要があった。しかし、図5(b)の形態では、接合部材32の2方向のみを塞いでいるため、接合部材32の溢れ出しを抑制することが出来る。そのため、プロセス安定性が高く、機械的に高信頼性のある気密容器を作製することが出来る。
図5(c)の形態では、枠部材31のみの形状は断面が図5(b)の形態とは逆方向のT字型を成している。接合部材32が溶融し硬化した後の形状において、枠部材31と接合部材32を総合した形状が、点線で図示したように略台形形状になっており、[条件1]から[条件3]を満たせばよい。図5(b)の形態と同様に、接合部材32の溢れ出しを抑制する効果が見込める。加えて、仮に接合部材32の量が過多である際にも、枠部材31の内部空間側の端が障壁となり、内部空間側への接合部材32のはみ出しを抑制することができる。そのため、プロセス安定性の高く、機械的に高信頼性のある気密容器を作製することが出来る。
また、数μmから数十μm程度の高さの差をもつ複雑な形状の枠部材31を形成することが技術的にもコスト的にも困難である場合は、図6(a)〜図6(c)のように、複数の部材を組み合わせて枠部材を形成することもできる。
図6(a)は、金属材料からなるコア部材313の、内部空間側に置くガラスからなる端部材311と、その反対側である大気側に置くガラスからなる端部材312とを組み合わせて、図5(a)に類似した形状を作る例である。同様に図5(b)、(c)に類似した形状を作成するための構成が図6(b)、(c)である。
図6では金属材料からなるコア部材313のごく近傍にガラスからなる端部材311,312を配置している。内部空間側の端部材311がコア部材313から離れすぎると、両者の間で大気圧による背面基板や前面基板の変形の影響が無視できなくなり、目論見どおりの略台形形状が維持できなくなる。そのため、端部材311はコア部材313の近傍にある必要がある。尚、ここではコア部材313を金属で構成し、端部材311、312をガラスで構成する例を示したが、コア部材と端部材とを構成する材料は同じであっても異なっていてもよい。
図6に示した形態により、単純な形状の部材を組み合わせることで複雑な形状を持つ枠部材31を代替することができるため、比較的容易な技術を用いてコストの削減を果たすことが可能となる。
尚、上記した例では、Hを枠3の内部空間98側の端の高さ、Hを枠3の内部空間98側の端とは反対側(大気側)に位置する端の高さとして説明した。しかしながら、Hは、気密容器99の断面において、前面基板1と枠3とが接合している部分のうち最も内部空間98側に位置する箇所と、背面基板2と枠3とが接合している部分のうち最も内部空間98側に位置する箇所との間で規定される高さと見なせる。同様に、Hは、気密容器99の断面において、前面基板1と枠3とが接合している部分のうち最も外部空間側に位置する箇所と、背面基板2と枠3とが接合している部分のうち最も外部空間側に位置する箇所との間で規定される高さと見なすことができる。尚、上記した外部空間側とは、前面基板1と背面基板2との間において、枠3の内部空間98側とは反対側(枠3の大気に触れている側)を意味する。
また、図1を用いて説明した枠3近傍における気密容器99の形態(断面の形態)は、基本的には、枠3の全周に渡って同様の形態とすればよい。しかしながら、板状のスペーサを用いる場合には、枠3の、Y方向に沿って延在する部分(板状スペーサの長手方向の延長線上に位置する部分)は、図1で示した枠3の、X方向に沿って延在する部分よりも、枠3の傾斜を大きく設定することが望ましい。即ち、気密容器99のY方向の断面における枠近傍の前面基板1および背面基板2の反り量よりも、気密容器99のX方向の断面における枠近傍の前面基板1および背面基板2の反り量を大きくすることが望ましい。これは、気密容器99のY方向の断面では、スペーサは所定間隔Lを置いて離散的に存在する(図1参照)が、気密容器99のX方向の断面(板状スペーサを含む断面)では、スペーサが連続して存在するためである。従って、板状スペーサを用いる場合には、前述した条件1における関係式のうち、1.3(H−H)/L<(H−H)/Wの関係を変更することが望ましい。具体的には、実用的な範囲として、1.5(H−H)/L<(H−H)/Wの関係を満たすことが望ましい。尚、その場合には、枠3の、Y方向に沿って延在する部分におけるHと、枠3の、X方向に沿って延在する部分におけるHと、を同じ値に設定することが実用的である。一方、柱状のスペーサの場合は、気密容器99のY方向の断面およびX方向の断面は実質的に同じである。そのため、気密容器99の、枠3のY方向に沿って延在する部分の近傍における断面と、気密容器99の、X方向に沿って延在する部分の近傍における断面とを同じ形態とすればよい。簡易的に表現すれば、気密容器99の、枠3の全周に渡って同じ形態とすればよい。
次に、図7のブロック図を用いて、上述した気密容器99を備えた画像表示装置25並びにテレビジョン装置27について説明する。
受信回路20は、チューナーやデコーダ等からなり、衛星放送や地上波等のテレビ信号、ネットワークを介したデータ放送等を受信し、復号化した映像データを画像処理部21に出力する。画像処理部21はγ補正回路や解像度変換回路やI/F回路等を含み、画像処理された映像データを画像表示装置25の表示フォーマットに変換して画像表示装置25に画像データを出力する。
画像表示装置25は、気密容器99と、気密容器99内部に設けられた電子放出素子とアノードと発光体とを少なくとも含み、さらに、画像形成素子を駆動するための駆動回路23及び駆動回路を制御する制御回路22をも含む。駆動回路23は、画像形成素子に接続された配線と接続される。制御回路22は、入力した画像データに補正処理等の信号処理を施すともに、駆動回路23に画像データ及び各種制御信号を出力する。制御回路22には、同期信号分離回路104、RGB変換回路105、輝度データ変換部106、タイミング制御回路107等が含まれる。駆動回路23は、入力された画像データに基づいて、気密容器99内部の画像形成素子に駆動信号を出力し、駆動信号に基づきテレビ映像が表示される。駆動回路23には、走査回路102、変調回路103等が含まれる。受信回路20と画像処理部21は、セットトップボックス(STB26)として画像表示装置25とは別の筐体に収められていてもよいし、また画像表示装置25と一体の筐体に収められていてもよい。ここでは、テレビジョン装置27がテレビ映像を表示する例を説明した。しかし、受信回路20をインターネットなどの回線を通じて配信される映像を受信する回路とすれば、テレビジョン装置27は、テレビ映像に限らず、様々な映像を表示することができる映像表示装置として機能する。
以下、具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
図1は本実施例で作成した気密容器99の枠3近傍の部分断面模式図であり、図3は図1に示す枠3の詳細構成を示すための拡大図である。本実施例の気密容器は前述した〔条件1〕を満たす気密容器である。図1には図示していないが、気密容器99の内部空間98には、図2(b)に示した気密容器と同様に、蛍光体からなる発光体5とアルミニウムからなるメタルバック7とが前面基板1上に設けられ、電子源6などが背面基板2上に設けられている。また、本実施例の気密容器99の平面模式図は、図2(a)に示した模式図と同様である。即ち、図2(a)のA−A’線での断面のうち、枠3近傍を拡大したものが図1に相当する。
本実施例では、前面基板1と背面基板2として、厚さ1.8mmのガラス板を用いている。このガラス板のヤング率Eは77GPaである。また、枠3は、図3で示すように、Alからなる枠部材31と、InとSnの合金からなる接合部材32によって構成されている。枠3の幅Wは6mmとする。枠3の幅は、内部空間を囲む全周に渡って一定である。また、気密容器99の内部空間98には、ガラス板からなる複数の板状のスペーサ4が設置されている。スペーサ4同士の間隔Lは19mmであり、スペーサ4の厚みは200μmであり、スペーサの平均高さHは1.6mmである。また、枠3の内部空間側に位置する端であってスペーサの長手方向に沿った端と、スペーサとの最短距離を19mmとした。さらに、枠3の内部空間側に位置する端であってスペーサの長手方向とは直交する方向に沿った端と、スペーサの長手方向の両端との最短距離も19mmとした。
気密容器99の内部空間98には、電子源6としての多数の表面伝導型電子放出素子を背面基板2上に設けている。電子放出素子のそれぞれは、銀粒子を含有する導電性ペーストを焼成して形成した走査配線と信号配線に接続している。
前面基板1には、電子放出素子から放出された電子の照射により発光する蛍光体と、蛍光体上に設けたアノード電極としてのアルミニウム膜からなるメタルバックとを備えている。
気密容器99は具体的には以下のようにして作成することができる。
1.0×10−5Paに維持した真空チャンバー内において、蛍光体とメタルバックが設けれた前面基板1と、電子放出素子と配線とが設けられた背面基板2との間に、枠部材31を配置する。尚、枠部材31の前面基板1の側と背面基板2の側とには、予めインジウムからなる接合部材32を設ける。また、板状のスペーサ4は背面基板2の走査配線に沿って、走査配線上に予め固定されている。
そして、接合部材32に局所的にレーザ照射することで接合部材32を溶融させた状態で前面基板1を背面基板2側に押しつけ、その後冷却することで、前面基板1と背面基板2とを接合する。このようにすることで、扁平で矩形状の気密容器99が形成される。そして、内部空間98は、1.0×10−5Paに保たれる。そのため、〔条件2〕で用いた気密容器99の内外の圧力差Pは、約101kPa (≫101300Pa−1.0×10−5Pa)である。
また、複数の細長い板状のスペーサ4は、気密容器99の長手方向(X方向)と同じ方向に長手方向を有する。複数の細長い板状のスペーサ4同士の間隔Lは、気密容器99の長手方向と直交する方向(Y方向)に、19mmである。スペーサ14は走査配線上に設けられ、その長手方向の両端部が背面基板2に無機接着剤(東亞合成製のアロンセラミックD)によって固定される。
本実施例では、枠3の内部空間98側の端の高さHをスペーサの4の平均高さHよりも20μm高くなるように設定する。即ち、H−Hは、20μmである。
また、枠3の大気側の端の高さHを枠3の内部空間98側の端の高さHよりも30μm高くなるように設定する。即ち、H−Hは、30μmである。
また、スペーサ4の高さバラツキ△Hは、4μmである。
このため、本実施例の気密容器99では、1.3(H−H)/Lは、1.4×10−3(無次元)となり、(H−H)/Wは、5.0×10−3となるので、前述した〔条件1〕を満たす。しかしながら、〔条件2〕における、1.1PL/Etは、1.7×10−3であるので、本実施例の気密容器99は、〔条件2〕を満たさない。また、〔条件3〕における3(H−H)/Lについては3.2×10−3、〔条件3〕における3.5(ΔH/L)については、0.7×10−3であるので、本実施例の気密容器99は、〔条件3〕も満たさない。
しかしながら、本実施例の気密容器は、〔条件1〕を満たすので、前面基板1と背面基板2には適度な反り形状が与えられ、枠3の直上のガラスの大気側の表面G1に発生する応力は通常状態よりも減少させることができる。
また、本実施例の気密容器99は、更に、X方向の断面において、H<H<Hを満たし、且つ、5(H−H)/L < (H−H)/W の関係を満たすように設定する。このようにすることで、X方向の断面における表面G1に発生する応力も減少させることができる。具体的には、X方向の断面におけるH−Hが35μmとなるようにX方向の断面におけるHの値をY方向の断面におけるHの値よりも大きくする。
(実施例2)
本実施例の実施例1との違いは、〔条件1〕に加えて前述した〔条件2〕を満たす点にある。その他の点については、実施例1と同様である。
具体的には、本実施例では、(H−H)が4μmであり、(H−H)が11μmそれ以外については、実施例1と同様である。
このため、本実施例の気密容器99は、[条件1]に加え、[条件2]を満たす。
(実施例3)
本実施例の実施例2との違いは、〔条件1〕、〔条件2〕に加えて前述した〔条件3〕を満たす点にある。その他の点については、実施例2と同様である。
具体的には、本実施例では、(H−H)が12μmであり、(H−H)が10μmである。それ以外については、実施例2と同様である。
このため、本実施例の気密容器99は、[条件1]と[条件2]に加え、〔条件3〕を満たす。
上述した実施例1〜実施例3の気密容器を備えた画像表示装置に対して、同じ条件の落下衝撃を与えて破壊の有無を確認する強度試験を行った。その結果、図2(b)に示した断面図を備える通常状態の気密容器を備えた画像表示装置は、100サンプル中25サンプルが枠3近傍で破壊された。尚、通常状態の気密容器は、実施例1におけるH、H、Hを全て1.6mmとした以外は実施例1と同様の気密容器を指す。一方、実施例1の気密容器を備えた画像表示装置は100サンプル中破壊されたサンプルは無かったが、一部のサンプルでは、長時間画像を表示させたところ、表示画像の劣化が見られた。実施例2の気密容器を備えた画像表示装置も100サンプル中破壊されたサンプルは無かったが、一部のサンプルでは、実施例1と同じ時間画像を表示させたところ、表示画像の劣化は実施例1の気密容器を備えた画像表示装置よりも抑制されていた。表示画像の劣化は、スペーサ4が当接するメタルバックに負荷がかかることによって、メタルバックの一部が剥落するなどによって生じたものと思われる。そして、実施例3の気密容器を備えた画像表示装置も100サンプル中破壊されたサンプルは無く、さらには、実施例1と同じ時間画像を表示させたても、実施例1や実施例2のような表示画像の劣化は見られなかった。
このように、本実施例の気密容器は、容器内外の圧力差による応力が低減されたため、落下衝撃印加時に気密容器に発生する応力の総計が減少することができる。
1 前面基板
2 背面基板
3 枠
4 スペーサ
99 気密容器

Claims (12)

  1. 前面基板と、該前面基板に対向する背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に所定の間隔で配置された複数のスペーサと、前記前面基板と前記背面基板の間に設けられると共に前記複数のスペーサを取り囲む枠と、を備え、前記前面基板と前記背面基板と前記枠とで囲まれた内部空間が大気圧よりも低い圧力に維持された気密容器であって、
    前記前面基板と前記背面基板は、いずれもガラス材料からなり、
    前記スペーサの平均高さがH、前記枠の前記内部空間側の端の高さがH、前記枠の前記内部空間側の前記端とは反対側に位置する端の高さがH、前記枠の幅がW、前記所定の間隔がLであるときに、
    <H<Hの関係を満たし、
    かつ、
    1.3(H−H)/L<(H−H)/Wの関係を満たす、ことを特徴とする気密容器。
  2. 前記気密容器の内外の圧力差がP、前記前面基板と前記背面基板のヤング率がE、前記前面基板と前記背面基板の厚みがtであるときに、
    (H−H)/W<1.3(H−H)/L+1.1PL/Etの関係を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の気密容器。
  3. 前記複数のスペーサの高さのバラツキが△Hであるときに、
    (H−H)/W<3(H−H)/L+3.5△H/Lの関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の気密容器。
  4. 前記複数のスペーサは、同じ方向に長手方向を有する複数の板状のスペーサであり、
    前記複数のスペーサは、前記長手方向とは垂直な方向に並べられており、
    前記Lは、前記長手方向とは垂直な方向で隣合う2つのスペーサの間隔であり、且つ、前記長手方向とは垂直な方向における両端に位置するスペーサと、前記枠の前記内部空間側の端であって前記板状のスペーサの前記長手方向に沿って延在している端との距離であり、
    前記Hは、前記枠の前記内部空間側の端であって前記板状のスペーサの前記長手方向に沿って延在している前記端の高さである、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の気密容器。
  5. 前記複数のスペーサは5以上からなる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の気密容器。
  6. 前記枠は、互いに対向する1対のX方向辺と、互いに対向する1対のY方向辺と、を備え、前記X方向辺は、前記複数の板状のスペーサの長手方向に沿って延在し、前記Y方向辺は、前記複数の板状のスペーサの長手方向と交差する向きに延在し、
    前記スペーサの平均高さがH 、前記Y方向辺の前記内部空間側の端の高さがH V2 、前記Y方向辺の前記内部空間側の前記端とは反対側に位置する端の高さがH V3 、前記Y方向辺の幅がW 、前記所定の間隔がLであるときに、
    <H V2 <H V3 の関係を満たし、
    かつ、
    5(H V2 −H )/L<(HV −H V2 )/W の関係を満たす、ことを特徴とする請求項4に記載の気密容器。
  7. 前記枠の内部空間側の端の高さH と前記スペーサの高さH との差H −H は、4μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の気密容器。
  8. 前記枠の内部空間側とは反対側の端の高さH と、前記枠の内部空間側の端の高さH との差分を前記枠の幅Wで割った値(H −H )/Wが、0.5μm/mm以上2.5μm/mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の気密容器。
  9. 前記複数のスペーサの高さのバラツキが△H であるときに、
    (H −H )/W<3(H −H )/L+3.5△H /Lの関係を満たし、
    接合部材が、前記前面基板と前記背面基板との少なくとも一方と、前記枠との間に位置し、前記枠と前記接合部材とからなる断面形状が、略台形であることを特徴とする請求項2に記載の気密容器。
  10. 前記複数のスペーサの高さのバラツキが△H であるときに、
    (H −H )/W<3(H −H )/L+3.5△H /Lの関係を満たし、
    前記枠に近接して枠の内側に位置するとともに、前記前面基板と前記背面基板との間隔を規定する端部材を備え、前記枠と前記端部材とからなる断面形状が、略台形であることを特徴とする請求項2に記載の気密容器。
  11. 気密容器と、該気密容器の内部に設けられた複数の画像形成素子と、を少なくとも備える画像表示装置であって、
    前記気密容器が請求項1乃至10のいずれか1項に記載の気密容器であることを特徴とする画像表示装置。
  12. 画像表示装置を備えるテレビジョン装置であって、前記画像表示装置が請求項11に記載の画像表示装置であることを特徴とするテレビジョン装置。
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