JP5279452B2 - 多色静電塗装機 - Google Patents

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Description

本発明は、高電圧が印加される回転霧化頭と、各色の塗料や洗浄液を回転霧化頭に選択的に供給する色替装置とを備えた多色静電塗装機に関するものである。
従来、自動車ボディの塗装においては、厳しい塗装品質が要求されるため、均一で高品質の塗装を行うことができる回転霧化式の静電塗装機が用いられている。また、自動車ボディの塗装ラインでは、塗装色の異なる自動車ボディが混在して搬送されるため、静電塗装機は自動車ボディに応じて色替塗装することができるように構成されている。そして、前色塗料から次色塗料に色替えをする際、静電塗装機の塗料経路中に残存した塗料を洗浄することで色混じりを防止している。
図4は、従来の多色静電塗装機51の概略構成を示している。図4に示されるように、多色静電塗装機51では、塗料を霧化するための回転霧化頭52が機体53の先端部に設けられており、その回転霧化頭52に高電圧を印加することにより、回転霧化頭52で霧化された塗料粒子が帯電されて静電塗装が行われる。
また、多色静電塗装機51では、各色の塗料P1,P2や洗浄液を回転霧化頭52に選択的に供給する色替装置54が機体53内に収納されている。色替装置54は、各色の塗料P1,P2を流通させる流路55及び弁室56が形成された樹脂製のバルブマニホールド57と、塗料P1,P2の流路55を切り替えるために弁室56に配設されたニードル弁58とを備えている。
従来の多色静電塗装機51では、機体53の先端側の領域R1に配置される各部品(エアモータなど)には、回転霧化頭52に印加するための高電圧が作用しており、その領域(高電圧領域)R1よりも後端側に色替装置54が配置されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
特開平7−171445号公報 特開平9−262508号公報
ところで、上記従来の多色静電塗装機51では、色替装置54から回転霧化頭52までの距離が遠くなるため、色替え時に廃棄される塗料P1,P2や洗浄液が多くなってしまう。この廃棄される塗料P1,P2や洗浄液を少なくするために、多色静電塗装機51において、色替装置54を機体53の先端側の高電圧領域R1に配置することで上記距離を短くした構成(図5参照)が検討されている。
ところが、図5に示されるように色替装置54を高電圧領域R1に配置する場合、バルブマニホールド57における弁室56内では電位差が発生する。具体的には、流路55を切り替えるニードル弁58は金属製であり高電圧が印加されるため、樹脂製のバルブマニホールド57との間で電位差が生じる。そして、酸化チタンなどの帯電性物質を基材とする塗料(例えば、中塗り用の塗料)を用いた塗装を行う場合、弁室56内で生じる電位差によってニードル弁58の先端部に塗料P1,P2が凝集しやすくなる。特に、高電圧が長時間作用すると、ニードル弁58表面に塗料P1,P2の塊が付着してしまう。そして、弁室56内で静電凝集した塗料P1,P2の塊が、流路55を流れて回転霧化頭52から噴射されると、塗装不良の原因となってしまう。また、弁室56内で塗料P1,P2の塊が成長して大きくなると、塗料P1,P2の流路55がふさがれて詰まってしまう。この結果、塗料P1,P2が回転霧化頭52に供給されなくなり、塗装できなくなるといった不具合も発生する。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、色替え時にて廃棄される塗料や洗浄液を少なくし、かつ塗料の静電凝集を防止することができる多色静電塗装機を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明では、機体の先端側に設けられ、高電圧が印加される回転霧化頭と、前記機体に収納され、複数色の塗料や洗浄液を前記回転霧化頭に選択的に供給する色替装置とを備えた多色静電塗装機であって、前記色替装置は、内部に流路を有し、複数色の塗料を供給するために前記流路の一次側端に設けられた複数の一次側ポートを有し、選択された特定の色の塗料を前記回転霧化頭側に供給するために前記流路の二次側端に設けられた二次側ポートを有し、前記流路の途上に設けられた複数の弁室を有するバルブマニホールドと、前記流路を切り替えるために前記複数の弁室内にそれぞれ配設された複数の色替バルブとを備えるとともに、前記機体の先端側において前記高電圧が印加される高電圧領域に前記バルブマニホールドを設け、前記バルブマニホールドにおける少なくとも前記流路の内面及び前記複数の弁室の内面を導電性材料で形成し、前記一次側ポートと前記流路との境界部にできるエッジ部を樹脂材料で覆ったことを特徴とする多色静電塗装機をその要旨とする。
従って、上記手段1に記載の発明によれば、機体の先端側の高電圧領域にバルブマニホールドが設けられるため、バルブマニホールドの二次側ポートと回転霧化頭との間に形成される塗料供給用の流路を短くすることができる。この結果、塗料の色替え時における廃棄塗料や廃棄洗浄液の量を少なくすることができる。また、少なくともバルブマニホールドにおける流路の内面及び複数の弁室の内面が導電性材料を用いて形成されているため、バルブマニホールドを高電圧領域に設けた場合でも、弁室内における色替バルブとの電位差を小さくすることができる。これにより、従来のように弁室内で塗料が静電凝集するといった問題を回避することができる。また、バルブマニホールドにおける流路の内面を導電性材料で形成する場合、一次側ポートと流路との境界部にできるエッジ部に電位差が発生しやすくなる。このため、本発明では、エッジ部を樹脂材料で覆うようにしている。この樹脂材料を設けることによって、エッジ部に塗料が接触しなくなり、一次側ポートと流路との境界部で塗料が静電凝集するといった問題を防止することができる。
手段2に記載の発明は、上記手段1において、前記バルブマニホールドは、その全体が導電性金属で形成された金属製バルブマニホールドであることをその要旨とする。
従って、上記手段2に記載の発明によれば、バルブマニホールドはその全体が導電性金属で形成されているので、流路の内面や弁室の内面を部分的に導電性材料で形成する場合と比較して、バルブマニホールドを容易にかつ低コストで製造することができる。なお、バルブマニホールドを形成する導電性金属としては、アルミニウムなどの比較的軽い金属を用いることが好ましい。このようにすると、静電塗装機の軽量化を図ることができる。
手段3に記載の発明は、上記手段1または2において、前記樹脂材料は、前記一次側ポートと前記流路との境界部に装着される樹脂製カバーであり、前記樹脂製カバーは、前記流路入口に挿入される筒部と、前記筒部の基端側に形成され、前記一次側ポートの底部に配置されることで前記エッジ部を覆うフランジ部とを有することをその要旨とする。
従って、上記手段3に記載の発明によれば、流路入口に樹脂製カバーの筒部を挿入し、その樹脂製カバーのフランジ部を一次側ポートの底部に配置させることにより、一次側ポートと流路との境界部にできるエッジ部を絶縁体である樹脂製カバーで確実に覆うことができる。よって、塗料の静電凝集を確実に抑えることができる。
手段4に記載の発明は、上記手段3において、前記筒部は、先端側に行くほど内径が拡がるテーパ状に形成されていることをその要旨とする。
従って、上記手段4に記載の発明によれば、樹脂製カバーの筒部は先端側に行くほど内径が拡がっているので、その筒部内に塗料をスムーズに流通させることができるとともに、カバー内端側にエッジ状の部分ができないため、塗料の静電凝集を確実に抑えることができる。
以上詳述したように、請求項1〜4に記載の発明によると、色替え時にて廃棄される塗料や洗浄液を少なくすることができ、かつ塗料の静電凝集を防止することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施の形態における多色静電塗装機1の概略構成を示す平面図である。
図1に示されるように、本実施の形態の多色静電塗装機1は、ロボットアーム2の先端に装着されている。そして、図示しない制御装置がロボットアーム2を駆動制御することにより、多色静電塗装機1から噴霧される塗料の吹き付け方向や位置が変更される。多色静電塗装機1は、例えば、自動車ボディの中塗り塗装を行うための塗装機である。また、この静電塗装機1で用いられる塗料の基材としては、導電抵抗値が高い酸化チタン(帯電性物質)等を含む。
多色静電塗装機1において、機体11の先端側に回転霧化頭12が設けられており、回転霧化頭12は、機体11の先端側に内蔵されたエアモータ13によって回転駆動される。また、多色静電塗装機1の機体11には、複数色の塗料や洗浄液を回転霧化頭12に選択的に供給する色替装置15が収納されている。色替装置15は、エアモータ13のすぐ後側に配設されている。さらに、回転霧化頭12に印加するための高電圧(例えば、−90kV)を発生する高電圧発生器16が機体11の後端側に設けられている。
本実施の形態では、高電圧発生器16よりも機体11の先端側に配置される各部品、すなわち、回転霧化頭12、エアモータ13、色替装置15などに高電圧が印加されている。従って、回転霧化頭12、エアモータ13、色替装置15など各部品が配置されている先端側の領域が高電圧領域R1となっている。なお、ロボットアーム2に接続される機体11の後端側はアース18に接続されるアース領域R2が設定されており、そのアース領域R2よりも先端側に高電圧領域R1が設定されている。機体11において、先端側の高電圧領域R1と後端側のアース領域R2とは、樹脂絶縁部材(図示略)によって区画されている。
また、機体11内にはエアモータ13を回転駆動するための駆動エア、及び噴霧塗料の拡がりを抑えるシェービングエア等を供給するエア流路21が設けられている。さらに、機体11内には、色替装置15に各色の塗料や洗浄液を供給するための樹脂製ホース22や、色替装置15を作動させるための作動エアを供給するためのエア流路23が設けられている。
次に、色替装置15の構成について図2を用いて詳述する。
図2に示されるように、色替装置15は、流路24とその流路24の途中に設けられた複数の弁室25とを有する金属製(例えば、アルミニウム製)のバルブマニホールド26と、流路24を切り替えるために複数の弁室25内にそれぞれ配置された複数の色替バルブ27とを備える。バルブマニホールド26には、複数色の塗料P1,P2を供給する複数の樹脂製ホース22A,22Bを接続するために流路24の一次側端(図2では右側端)に複数の一次側ポート28が設けられている。本実施の形態では、樹脂製ホース22A,22Bは、その先端に設けられた管継手29(コネクタ)を介して一次側ポート28に接続されている。また、各弁室25内の色替バルブ27によって選択された特定の色の塗料を回転霧化頭12側に供給するために流路24の二次側端に(図2では左側端)に二次側ポート30が設けられている。
なお、図2では、説明の便宜上、2個の弁室25が示されているが、実際のバルブマニホールド26には、さらに多くの数(例えば、9個)の弁室25が形成されている。また、後端側にある所定の弁室25には、樹脂製ホース22を介して洗浄液が供給されるようになっている。
弁室25内に配置されている色替バルブ27は、エアの給排により作動する金属製のニードル弁であり、弁室25内において二次側ポート30に繋がる開口部31を開状態または閉状態にする。具体的には、色替バルブ27は、筒状の弁本体33にて伸縮可能に収納されている。弁本体33には、色替バルブ27を押出す方向に付勢する金属スプリング(図示略)が収納されるとともに、作動エアが供給されるエア室(図示略)が設けられている。そして、エア室に供給されるエアの圧力とスプリングの付勢力とによって色替バルブ27が作動する。なお、色替バルブ27の先端には、開口部31の入口部(すなわち弁座部)との密閉性を高めるためにキャップ状の樹脂部材34が配設されている。
図2に示されている色替装置15の作動状態では、上方の弁室25に配置される色替バルブ27が開口部31を開状態とし、下側の弁室25に配置される色替バルブ27が開口部31を閉状態としている。従って、第1の樹脂製ホース22Aから弁室25内に供給される第1の色の塗料P1が二次側ポート30を介して回転霧化頭12側に供給される。また逆に、色替装置15の作動状態が切り替えられて、上方の弁室25に配置される色替バルブ27が開口部31を閉状態とし、下側の弁室25に配置される色替バルブ27が開口部31を開状態とする場合、第2の樹脂製ホース22から弁室25内に供給される第2の色の塗料P2が二次側ポート30を介して回転霧化頭12側に供給される。
また、本実施の形態のバルブマニホールド26において、一次側ポート28と流路24との境界部35には、樹脂材料(具体的には、ポリアセタール樹脂)からなる樹脂製カバー36が装着されている。詳しくは、図3に示されるように、樹脂製カバー36は、筒部37と筒部37の基端側に形成されるフランジ部38とを備えている。そして、バルブマニホールド26の流路入口24Aに、樹脂製カバー36の筒部37が挿入され、一次側ポート28の底部28Aにフランジ部38を配置させることにより、樹脂製カバー36が装着される。この樹脂製カバー36によって、一次側ポート28と流路24との境界部35にできるエッジ部39を覆っている。
また、樹脂製カバー36の筒部37は、先端側に行くほど内径が拡がるテーパ状に形成されている。さらに、樹脂製カバー36におけるフランジ部38の外周面には、塗料の漏れを防止するためのOリング40(シール部材)が設けられている。
次に、上記構成の多色静電塗装機1を使用して自動車ボディの中塗り塗装を行う場合の動作例を説明する。
先ず、高電圧発生器16で高電圧が発生され、その高電圧が回転霧化頭12に印加される。またこのとき、エアモータ13に駆動エアが供給され、同モータ13によって回転霧化頭12が回転駆動される。そして、色替装置15に作動エアが供給され、所定の色替バルブ27が開状態とされる。これにより、自動車ボディに応じた特定の色の塗料(図2の状態では第1の塗料P1)がバルブマニホールド26の流路24を通じて二次側ポート30から吐出され、回転霧化頭12に供給される。そして、回転霧化頭12で塗料P1が霧化され、霧化された塗料粒子が帯電されて静電塗装が行われる。
この後、塗装色の異なる自動車ボディの塗装を行う場合、多色静電塗装機1の流路中に残存した塗料P1を洗浄する処理を行う。すなわち、色替装置15において、洗浄液が供給される弁室25の色替バルブ27を開き、各色の塗料P1,P2が供給される弁室25の色替バルブ27を閉じる。この結果、バルブマニホールド26の流路24に洗浄液が供給され、流路24中に残存している前色塗料P1が洗浄され廃棄される。
そして、色替装置15において、自動車ボディに応じた特定の色替バルブ27が開状態とされることにより、自動車ボディに応じた塗料がバルブマニホールド26の流路24を通じて回転霧化頭12に供給される。この結果、前色塗料P1とは異なる色の塗料で静電塗装が行われる。
多色静電塗装機1において、色替装置15は高電圧領域R1に配置されているので、上述した静電塗装時には、バルブマニホールド26及び色替バルブ27に高電圧が印加される。本実施の形態では、バルブマニホールド26は金属製であるため、従来のように弁室25内において色替バルブ27との間で電位差が生じることがなく、弁室25内における塗料P1,P2の静電凝集が防止される。また、バルブマニホールド26において樹脂製ホース22を接続するための一次側ポート28と流路24との境界部35にできるエッジ部39には電位差が発生する。本実施の形態では、このエッジ部39に樹脂製カバー36が装着されているので、エッジ部39に塗料P1,P2が接触しなくなり、塗料P1,P2の静電凝集が抑制される。
本実施の形態の多色静電塗装機1では、バルブマニホールド26に高電圧(例えば、−90kV)を印加して1時間経過した状態でも弁室25内で塗料P1,P2の静電凝集は起きなかった。これに対して、従来技術のように樹脂製のバルブマニホールドを用いた場合では、3分程度の高電圧の印加により弁室内で塗料の静電凝集が確認された。さらに、金属製のバルブマニホールド26を用い、一次側ポート28と流路24との境界部35に樹脂製カバー36を装着しない場合では、1分程度の高電圧の印加により弁室25内で塗料P1,P2の静電凝集が確認された。
さらには、本発明者は、多色静電塗装機1において、樹脂製のバルブマニホールドを用い、さらに色替バルブ27を金属製のニードル弁から樹脂製のニードル弁に変更した場合について、塗料P1,P2の静電凝集の有無を確認した。この場合でも、弁本体33に収納される金属スプリングに高電圧が印加されるため、弁室25内で電位差が生じ、3分程度の高電圧の印加により弁室25内で塗料P1,P2の静電凝集が確認された。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の多色静電塗装機1では、機体11の先端側の高電圧領域R1にバルブマニホールド26が設けられるため、バルブマニホールド26と回転霧化頭12との間に形成される塗料供給用の流路を短くすることができる。この結果、塗料P1,P2の色替え時における廃棄塗料や廃棄洗浄液の量を少なくすることができる。また、金属製のバルブマニホールド26を用いているので、弁室25内における色替バルブ27との電位差をなくすことができる。これにより、従来のように弁室25内で塗料P1,P2が静電凝集するといった問題を回避することができる。さらに、樹脂製ホース22を接続するための一次側ポート28と流路24との境界部35にできるエッジ部39を樹脂製カバー36で覆うようにしている。このようにすると、電位差が発生するエッジ部39に塗料P1,P2が接触しなくなるため、その部分で塗料P1,P2が静電凝集するといった問題を防止することができる。
(2)本実施の形態の色替装置15において、バルブマニホールド26はその全体が導電性金属で形成されているので、流路24の内面や弁室25の内面を部分的に導電性材料で形成する場合と比較して、バルブマニホールド26を容易にかつ低コストで製造することができる。また、バルブマニホールド26は、比較的軽い金属であるアルミニウムを用いて形成されているので、色替装置15が軽くなり静電塗装機1の軽量化を図ることができる。
(3)本実施の形態において、色替装置15に装着される樹脂製カバー36の筒部37は、先端側に行くほど内径が拡がるテーパ状に形成されるとともに、カバー内端側にエッジ状の部分ができないため、塗料P1,P2がスムーズに流れて静電凝集を抑えることができる。
(4)本実施の形態では、樹脂製カバー36におけるフランジ部38の外周面にはOリング40が設けられているので、一次側ポート28と流路24との境界部35における塗料P1,P2の漏れを確実に防止することができる。また、樹脂製カバー36を一次側ポート28に確実に挿入固定することができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、バルブマニホールド26の全体を導電性金属で形成していたが、インサート成形や無電解めっきなどを行うことによって、樹脂製のバルブマニホールドにおける少なくとも流路24の内面及び複数の弁室25の内面を導電性材料で形成してもよい。また、導電性材料(金属フィラーなど)を混ぜることで導電性が付与された樹脂材料を用いてバルブマニホールドを形成してもよい。このようにしても、弁室25内において色替バルブ27との電位差を小さくすることができ、弁室25内で塗料P1,P2が静電凝集するといった問題を回避することができる。またこの場合、バルブマニホールドの一部を金属で形成すればよいため、色替装置15が軽くなり、多色静電塗装機1の軽量化を図ることができる。
・上記実施の形態の多色静電塗装機1は、機体11の後端側に高電圧発生器16を備えるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、高電圧発生器16をロボットアーム2側に設け、その高電圧発生器16から静電塗装機1に高電圧を供給するよう構成してもよい。
・上記実施の形態では、バルブマニホールド26の一次側ポート28と流路24との境界部35に装着される樹脂製カバー36は、筒部37とフランジ部38とを有し、その筒部37は先端側に行くほど内径が拡がるテーパ状に形成されているが、この樹脂製カバー36の形状は適宜変更してもよい。また、一次側ポート28と流路24との境界部35に装着される部材としては樹脂製カバー36に限定されるものではない。例えば、一次側ポート28と流路24との境界部35におけるエッジ部39に樹脂材料を塗布することで、そのエッジ部39を樹脂材料からなる膜で覆うように構成してもよい。ただし、静電凝集防止の確実性の観点からすると、上記実施の形態のように樹脂製カバー36を用いた構造のほうが有利である。
・上記実施の形態の多色静電塗装機1は、自動車ボディを塗装するものであったが、バンパーなどの自動車部品やそれ以外の部品を塗装してもよい。
・上記実施の形態では、機体11内に複数の樹脂製ホース22,22A,22Bを配設し、それらを複数の一次側ポート28に対して各々接続することで、複数色の塗料を供給するようにしたが、この方式に限定されない。例えば、樹脂製ホース22,22A,22Bを配設しない代わりに、機体11自体に複数の塗料経路を形成し、それら塗料経路を複数の一次側ポート28に対して各々接続することで、複数色の塗料を供給するようにしてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段3または4において、前記樹脂製カバーにおけるフランジ部の外周面には、塗料の漏れを防止するためのシール部材が設けられていることを特徴とする多色静電塗装機。
(2)手段1乃至4のいずれか1項において、前記塗料は、帯電性物質を含んだ中塗り用の塗料であることを特徴とする多色静電塗装機。
(3)手段1乃至4のいずれか1項において、前記色替バルブはエアの給排により作動するニードル弁であることを特徴とする多色静電塗装機。
(4)手段1乃至4のいずれか1項において、前記機体内に高電圧発生器を備えるとともに、前記高電圧発生器よりも先端側に前記色替装置が配設されていることを特徴とする多色静電塗装機。
(5)手段1乃至4のいずれか1項において、前記機体の後端側にはアースに接続されるアース領域が設けられ、前記高電圧領域は、前記アース領域よりも先端側に設定されていることを特徴とする多色静電塗装機。
(6)手段1乃至4のいずれか1項において、前記色替装置は前記回転霧化頭を回転駆動させるためのモータのすぐ後側に配設されていることを特徴とする多色静電塗装機。
(7)手段1乃至4のいずれか1項において、前記一次側ポートには管継手を介して樹脂製ホースが接続されていることを特徴とする多色静電塗装機。
(8)手段2において、金属製バルブマニホールドはアルミニウム製であることを特徴とする多色静電塗装機。
本発明を具体化した一実施形態の多色静電塗装機を示す概略構成図。 色替装置を示す断面図。 樹脂製カバーを示す断面図。 従来の多色静電塗装機を示す概略構成図。 従来の多色静電塗装機を示す概略構成図。
符号の説明
1…多色静電塗装機
11…機体
12…回転霧化頭
15…色替装置
22,22A,22B…樹脂製ホース
24…流路
24A…流路入り口
25…弁室
26…バルブマニホールド
27…色替バルブ
28…一次側ポート
28A…底部
30…二次側ポート
35…境界部
36…樹脂製カバー
37…筒部
38…フランジ部
39…エッジ部
P1,P2…塗料
R1…高電圧領域

Claims (4)

  1. 機体の先端側に設けられ、高電圧が印加される回転霧化頭と、前記機体に収納され、複数色の塗料や洗浄液を前記回転霧化頭に選択的に供給する色替装置とを備えた多色静電塗装機であって、
    前記色替装置は、
    内部に流路を有し、複数色の塗料を供給するために前記流路の一次側端に設けられた複数の一次側ポートを有し、選択された特定の色の塗料を前記回転霧化頭側に供給するために前記流路の二次側端に設けられた二次側ポートを有し、前記流路の途上に設けられた複数の弁室を有するバルブマニホールドと、
    前記流路を切り替えるために前記複数の弁室内にそれぞれ配設された複数の色替バルブと
    を備えるとともに、
    前記機体の先端側において前記高電圧が印加される高電圧領域に前記バルブマニホールドを設け、前記バルブマニホールドにおける少なくとも前記流路の内面及び前記複数の弁室の内面を導電性材料で形成し、前記一次側ポートと前記流路との境界部にできるエッジ部を樹脂材料で覆った
    ことを特徴とする多色静電塗装機。
  2. 前記バルブマニホールドは、その全体が導電性金属で形成された金属製バルブマニホールドであることを特徴とする請求項1に記載の多色静電塗装機。
  3. 前記樹脂材料は、前記一次側ポートと前記流路との境界部に装着される樹脂製カバーであり、前記樹脂製カバーは、前記流路入口に挿入される筒部と、前記筒部の基端側に形成され、前記一次側ポートの底部に配置されることで前記エッジ部を覆うフランジ部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の多色静電塗装機。
  4. 前記筒部は、先端側に行くほど内径が拡がるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の多色静電塗装機。
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