JP3554090B2 - 導電性塗料の供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アースされた塗料供給源から高電圧が印加される静電塗装機の霧化機構に対して導電性塗料を供給する導電性塗料の供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電塗装は、一般に静電塗装機側に−80〜120kVの高電圧を印加すると共に、被塗物側をアース電位にして、静電塗装機と被塗物との間に静電場を形成し、静電塗装機から噴霧された塗料粒子を陰極に帯電させることにより、その反対極である陽極の被塗物に静電塗着するようにしている。
そして、高電圧が印加された静電塗装機によって、水性塗料やメタリック塗料などの導電性塗料を塗装する場合には、静電塗装機に印加した高電圧がリークするのを防止するため、静電塗装機に接続される塗料供給配管,塗料タンク,塗料ポンプなどからなる塗料供給系に絶縁対策を施す必要があり、特に数十色もの塗料を色替して塗装する自動車塗装用の多色静電塗装装置にあっては各色塗料ごとに夫々その塗料供給系を絶縁しなければならないという面倒がある。
【0003】
そこで、本出願人は、各色塗料の塗料供給系に絶縁対策を施す必要のない静電塗装装置を提案した(実開平4−87755号,実開平4−87756号,実開平4−87758号,実開平4−87759号,実開平4−87760号,実開平4−91755号,実開平4−91756号,実開平6−57444号,実開平6−60451号,実開平6−60452号,特開平4−63156号,特開平4−200662号公報参照)。
これは、アースされた塗料供給源から送給された導電性塗料を塗料ポンプに一旦貯留した後、当該ポンプから静電塗装機に塗料を圧し出して供給するようになされ、塗料供給源から塗料ポンプに至る塗料流路には、係合時に当該流路を導通させ、離脱時に当該流路を遮断させるバルブを備えた一対のカプラが介装されている。
そして、一方のカプラが他方のカプラに対し係脱自在に連結するように進退されると共に、所定の絶縁距離まで引き離されるように成されている。
【0004】
これによれば、静電塗装機に高電圧が印加されない非塗装時に、各カプラを係合させ、塗料流路を導通させた状態で導電性塗料を供給すると、当該塗料が塗料ポンプ内に貯留される。
また、静電塗装機に高電圧が印加される塗装時には、各カプラを所定の絶縁距離隔まで引き離しておけば、塗料供給源側に高電圧がリークすることがなく、したがっで、静電塗装機からこれに接続されるカプラまで絶縁対策を施すだけで足り、各塗料供給源(図示せず)側に特に絶縁対策を施す必要がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各カプラを係合させて塗料を供給する際に、その塗料がカプラの係合面に付着して汚れやすく、これを放置すると付着した塗料が固まってしまい、再度各カプラを係合させて塗料流路を導通させたときに、固化した塗料が静電塗装機に供給されて塗装不良を生ずるおそれがある。
また、色替塗装を行う場合には、これをきれいに洗浄除去しなければ色混じりを起こすという問題がある。
そこで、本発明は各カプラを係合させて塗料を供給する際に、塗料が余分に付着して汚れる部分を少なくすると共に、塗料が付着してもこれを簡単に洗浄できるようにすることを技術的課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明は、アースされた塗料供給源から送給される導電性塗料を貯留した後、当該塗料を塗料吐出口から圧し出して高電圧が印加される静電塗装機の霧化機構に供給する塗料ポンプを備え、前記塗料供給源から塗料ポンプに至る塗料流路には、係合時に当該流路を導通させ、離脱時に当該流路を遮断させるバルブを備えた一対のカプラが介装され、当該各カプラは、少なくとも一方のカプラが他方のカプラに対し係脱自在に連結するように進退されると共に、引き離されたときに電気的に絶縁されるように成された導電性塗料の供給装置において、前記カプラの各バルブは、その塗料出入口が係合時に互いに対向するカプラの正面に開口形成されると共に、バルブ内には塗料出入口を内側から塞ぐように付勢された弁体が配され、少なくとも一方の弁体には、各カプラを係合させたときに他方の弁体を押し込んで塗料出入口を開く操作子が当該出入口から突出して形成され、いずれか一方のカプラの正面には、他方のカプラの正面に押し当てられる環状突起が塗料出入口を囲むように形成され、他方のカプラの正面には、塗料出入口の部分を塗料流路として開口されたバルブシートが前記環状突起と密着される位置に設けられたことを特徴とする。
【0007】
これによれば、各カプラを近づけていくと、一方のバルブの操作子が他方のバルブの弁体を押し込むことによりバルブが開かれ、塗料流路が導通する。このとき、一方のカプラの正面に形成された環状突起が、他方のカプラの正面に形成されたバルブシートに押し当てられて密着するので、塗料流路を流れる塗料は一方のバルブの出入口から流出して、環状突起で囲まれた部分の内側から外側に滲みだすことなく、他方のバルブの出入口から流入する。
【0008】
そして、各カプラを引き離すと、夫々のバルブの弁体が出入口に押し当てられてバルブが閉じ、塗料流路が遮断される。このとき、塗料は、主として前記環状突起がバルブシートに密着された部分より内側に付着しているので、カプラの正面側から洗浄液を噴射すれば付着塗料がきれいに洗浄除去される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る導電性塗料の供給装置の一例を示すフローシートである。
【0010】
図中1は、塗料ポンプ2の塗料流入口2aから流入された導電性塗料を一旦貯留した後、その塗料吐出口2bから一定流量で圧し出して、高電圧が印加される静電塗装機3の霧化機構4に定量供給する導電性塗料の供給装置であって、アースされた塗料供給源(図示せず)から色替装置5を介して前記塗料ポンプ2の塗料流入口2aに至る塗料流路6には、係合時に当該流路6を導通させ、離脱時に当該流路6を遮断するバルブ7,8を備えた一対のカプラ9A,9Bが介装されている。
【0011】
そして、例えば、色替装置5側に接続されたカプラ9Aが、塗料ポンプ2側に接続されたカプラ9Bに対して進退するシリンダ10のピストンロッド11の先端に取り付けられ、ピストンロッド11を伸長させたときにカプラ9A,9B同士が係合するようになされている。
各カプラ9A,9Bに形成されたバルブ7,8は、その塗料出入口7a,8aが係合時に互いに対向するカプラ9A,9Bの正面に形成されると共に、バルブ7,8内には出入口7a,8aを内側から塞ぐようにスプリング7c,8cで付勢された弁体7b,8bが配され、当該各弁体7b,8bには、各カプラ9A,9Bを係合させたときに互いの弁体7b,8bを押し込んで出入口7a,8aを開く操作子7d,8dが出入口7a,8aから突出して形成されている。
また、一方のカプラ9Aの正面には、他方のカプラ9Bの正面に押し当てられる環状突起7eが出入口7aを囲むように形成されている。
そして、他方のカプラ9Bの正面には、塗料出入口8aの部分を塗料流路6として開口した合成樹脂製のバルブシート8eが前記環状突起7eと密着される位置に設けられている。
【0012】
したがって、一方のカブラ9Aを他方のカプラ9Bに近づけていくと、操作子7d,8d同士が押し合って互いの弁体7b,8bを押し込みむから、出入口7a,8bが開いて塗料流路6が導通すると同時に、一方のカブラ9Aの正面に形成された管状突起7eが、他方のバルブ9Bの正面に形成された合成樹脂製のバルブシート8eに押し当てられて密着されるので、塗料流路6を流れる塗料がカプラ9A,9Bの間から外部に漏洩することがない。
【0013】
また、色替装置5に接続されるカプラ9Aには、カプラ9Bに係合されたときに両方のカプラ9A,9Bを覆うように形成された洗浄カバー12が取り付けられ、当該洗浄カバー12には、カプラ9A,9Bが係合した状態からシリンダ10のピストンロッド11をわずかに後退させて各カプラ9A,9Bを離脱させた状態で、各バルブ7,8の隙間に洗浄液を噴射して各カプラ9A,9Bの正面に付着した塗料を洗浄する洗浄液噴出口12aと、その洗浄液を排出するための排出口12bが形成されている。
【0014】
なお、各カプラ9A,9Bは、その係合端部同士が、所定の絶縁距離zだけ隔てられた絶縁位置Pa,Pbよりも互いに突出した位置に配設されると共に、前記絶縁位置Pa,Pbの内側に突出しているカプラ9A及び9Bの係合端部を包み込むように覆うカップ状の絶縁カバー13A,13Bが各カプラ9A,9Bに対して例えばピストン14A,14Bにより進退可能に配設されている。
【0015】
そして、絶縁カバー13A,13Bは各カプラ9A,9Bの絶縁位置Pa,Pbの内側に突出している部分を覆うように、少なくとも突出長さ以上の深さを有する収容凹部15が形成されており、これにより、カプラ9A,9Bが引き離された状態で所定の絶縁距離zだけ隔てられていなくても両者を絶縁状態に維持することができ、その分、カプラ9Aの進退ストロークを短くすることができる。
【0016】
以上が本発明の一例構成であって、次にその作用について説明する。
まず、静電塗装機3の霧化機構4に高電圧が印加されない非塗装時にシリンダ10のピストンロッド11を伸長させると、各カプラ9A,9B同士が近づいていき、操作子7d,8dで互いの弁体7b,8bを押し込み、出入口7a,8aが開かれる。
これにより、色替装置5から塗料ポンプ2の塗料流入口2aに至る塗料流路6が導通されるので、色替装置5から所望の色の導電性塗料を送給すれば、その導電性塗料は塗料ポンプ2内に貯留される。
【0017】
このとき、一方のカプラ9Aの正面に形成された環状突起7eが、他方のカプラ9Bの正面に形成されたバルブシート8eに押し当てられて密着されているので、塗料流路6を流れる塗料は一方のバルブ7の出入口7aから流出して、環状突起7eで囲まれた部分の内側から外側に滲みだすことなく、他方のバルブ8の出入口8aから流入し、塗料は環状突起7eとバルブシート8eが密着した部分の内側にしか付着しない。
【0018】
塗料ポンプ2への塗料の貯留が完了して、シリンダ10のピストンロッド11を少しだけ収縮させ、各カプラ9A,9B同士を離脱させると、夫々のバルブ7,8は弁体7b,8bがスプリング7c,8cにより圧し出されて出入口7a,8aに当接されて閉じ、塗料流路6が遮断される。
また、管状突起7eがバルブシート8eから離脱されるので、各カプラ9A,9B双方を洗浄カバー12で覆った状態にし、洗浄液噴出口12aから各カプラ9A,9Bの正面に向かって洗浄液を噴出させれば、そこに付着している塗料が洗浄除去される。
このとき、塗料は主として環状突起7eとバルブシート8eが密着した部分の内側に付着しているので、各カプラ9A,9Bの隙間に洗浄液を噴射すれば付着塗料がきれいに洗浄除去される。
【0019】
そして、洗浄が終了すると、シリンダ10のピストンロッド11を完全に収縮させて、各カプラ9A,9B同士を引き離し、次いで、ピストン14A,14Bを起動させて絶縁カバー13A,13Bを各カプラ9A,9Bの係合端部に対して進出させると、各カプラ9A,9Bは絶縁距離隔てられた絶縁位置Pa,Pbの内側に突出している部分が絶縁カバー13A,13Bで覆われる。
したがって、カプラ9A,9Bは絶縁状態に維持され、静電塗装機3の霧化機構4に高電圧を印加しても、アースされた色替装置5に接続されているカプラ9Aに高電圧がリークすることはない。
【0020】
また、各カプラ9A,9Bは、絶縁位置Pa,Pbから内側に突出して設けることができるので、その突出した長さだけ絶縁距離zよりも近づけることができ、したがって、シリンダ10もストロークの比較的短い小型のものを使用することができ、静電塗装機1内に組み込んだとしても大型化することがない。
【0021】
次いで、色替を行う場合は、カプラ9A,9Bを係合させた状態で、色替装置5から洗浄液,洗浄エアを供給し、塗料流路6,塗料タンク2,霧化機構4などに残存する前色塗料を洗浄除去する。
このとき、各カプラ9A,9Bの正面には、塗料流路6内の残存塗料が付着すると共に、付着塗料が塗料流路6内に供給される洗浄液,洗浄エアにより除去されるが、色替洗浄が終了した時点で各カプラ9A,9Bの正面の汚れが除去されていない場合には、洗浄カバー12により再び各カプラ9A,9Bの正面を洗浄すればよい。
このようにすれば、各カプラ9A,9Bの正面に付着している塗料を完全に除去することができ、色混じりを生ずることがない。
【0022】
なお、カプラ9A,9Bを介して連結される塗料流路6は、静電塗装機3に内蔵する場合であってもよい。
また、カプラ9Aのみを進退させる場合に限らず、カプラ9Bのみを進退させる場合であっても、カプラ9A,9Bの双方を進退させる場合であってもよい。さらに、絶縁カバー13A,13Bを用いない場合は、各カプラ9A,9Bを所定の絶縁距離以上引き離すように進退させればよい。
さらにまた、操作子7d,8dは各バルブ7,8に設ける場合に限らず、いずれか一方にのみ設けられている場合であってもよい。ただし,この場合は,各カプラ9A,9Bを係合させた状態で双方のバルブ7,8が開く程度の長さに選定されている。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、塗料流路に介装された一対のカプラを係合させると、各カプラに形成されたバルブが開いて当該流路が導通すると共に、一方のカプラの正面に形成された環状突起が、他方のカプラの正面に形成されたバルブシートに押し当てられて密着されるので、その内側から外側に塗料が漏れるのを防止して、汚れる部分を少なくすることができ、また、汚れたとしても正面側に洗浄液を噴霧するだけで簡単に洗浄除去することができ、付着塗料が固化して塗装不良を生じたり、色替装置時に色混じりを起こすおそれがないという大変優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導電性塗料の供給装置の一例を示すフローシート。
【符号の説明】
1・・・・・・導電性塗料の供給装置
2・・・・・・塗料ポンプ
3・・・・・・静電塗装機
4・・・・・・霧化機構
5・・・・・・色替装置
6・・・・・・塗料流路
7, 8・・・バルブ
7a,8a・・出入口
7b,8b・・弁体
7d,8d・・操作子
7e・・・・・環状突起
8e・・・・・バルブシート
9A,9B・・カプラ

Claims (1)

  1. アースされた塗料供給源から送給される導電性塗料を貯留した後、当該塗料を圧し出して高電圧が印加される静電塗装機(3)の霧化機構(4)に供給する塗料ポンプ(2)を備え、前記塗料供給源から塗料ポンプ(2)に至る塗料流路(6)には、係合時に当該流路(6)を導通させ、離脱時に当該流路(6)を遮断させるバルブ(7,8)を備えた一対のカプラ(9A,9B)が介装され、当該各カプラは、少なくとも一方のカプラ(9A)が他方のカプラ(9B)に対し係脱自在に連結するように進退されると共に、離脱されたときに電気的に絶縁されるように成された導電性塗料の供給装置において、
    前記カプラ(9A,9B)の各バルブ(7,8)は、その塗料出入口(7a,8a)が係合時に互いに対向するカプラ(9A,9B)の正面に開口形成されると共に、バルブ(7,8)内には塗料出入口(7a,8a)を内側から塞ぐように付勢された弁体(7b,8b)が配され、少なくとも一方の弁体(7b,8b)には、各カプラ(9A,9B)を係合させたときに他方の弁体(7B,8B)を押し込んで塗料出入口(7a,8a)を開く操作子(7d,8d)が当該出入口(7a,8a)から突出して形成され、
    いずれか一方のカプラ(9A)の正面には、他方のカプラ(9B)の正面に押し当てられる環状突起(7e)が塗料出入口(7a)を囲むように形成され、
    他方のカプラ(9B)の正面には、塗料出入口(8a)の部分を塗料流路(6)として開口したバルブシート(8e)が前記環状突起(7e)と密着される位置に設けられたことを特徴とする導電性塗料の供給装置。
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