JP5279444B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
(1)タイヤのクラウン部に配置したトレッドゴムと、タイヤの側面に配置したサイドゴムとを具える空気入りタイヤにおいて、
前記サイドゴムは、前記トレッドゴムのモジュラスより低いモジュラスを有し、バットレス域における前記サイドゴムのタイヤ幅方向の厚さが、タイヤ最大幅におけるタイヤ幅方向の厚さの110%以上800%以下、かつトレッド幅の0.5%以上10%以下である、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
トレッド踏面から、前記バットレス域における前記サイドゴムの厚さが増加するタイヤ径方向外側の位置までの長さdは、Dの30%以上100%以下であり、
前記厚いサイドゴムのタイヤ径方向の長さは、dの5%以上200%以下である、
ことを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
図1に本発明の空気入りタイヤのトレッド半部のバットレス部を中心とした幅方向断面図を示す。本発明のタイヤは、左右1対のビード部に設けられたビードコア(図示せず)と、このビードコア間でトロイド状に延びるカーカス1と、このカーカス1のクラウン部の径方向外側にてトレッド部を構成するトレッドゴム2と、タイヤ側面において主にサイドウォール部を構成するサイドゴム4とを具える。なお、図示はしないが、通常、カーカス1とトレッド部との間に複数層のベルト層からなるベルトが配置されている。
なお、バットレス域とは、トレッド部とサイドウォール部との中間の、タイヤ側面のトレッド部近傍(図中Bの領域)を指すものである。
そこで、サイドゴム4をトレッドゴム2より低モジュラスとし、かつ、バットレス域Bに位置するサイドゴム4を厚くすることにより、ショルダーエッジウェアの発生しやすいトレッドショルダー部側の下のバットレス域Bに柔らかいゴムが多く配置されることとなる。トレッドショルダー部側の接地圧を、トレッドショルダー部の下に配置されたバットレス域Bのゴムが変形することにより効果的に吸収するため、トレッドショルダー部側の接地圧を低下させることができる。こうして、ショルダーエッジウェアを抑制することが可能となる。
なぜなら、厚さWBが110%未満の場合、バットレス域Bに位置するサイドゴム4がトレッドショルダー部側の接地圧を十分に吸収できず、接地圧低減効果が低いおそれがあるためである。一方、厚さWBが800%超の場合、トレッドショルダー部側全体の接地圧が低下するので、トレッドショルダー接地端部Eの接地圧は相対的に増加するおそれがあるためである。
なお、WBはバットレス部B内のサイドゴム4の最大厚さである。
なぜなら、厚さWBが0.5%未満の場合、バットレス域Bに位置するサイドゴム4がトレッドショルダー部側の接地圧を十分に吸収できず、接地圧低減効果が低いおそれがあるためである。一方、厚さWBが10%超の場合、トレッドショルダー部側全体の接地圧が低下するので、トレッドショルダー接地端部Eの接地圧は相対的に増加するおそれがあるためである。
長さdが、Dの30%未満の場合、トレッドゴム2の摩耗早期にサイドゴム4がトレッド踏面に露出し、偏摩耗の核になるおそれがあり、一方、長さdが、Dの100%超の場合、柔らかいサイドゴム4がトレッド踏面から深い位置にあるため、トレッドショルダー部側の接地圧を十分に吸収できず、接地圧低減効果が低いおそれがある。
長さhがdの5%未満の場合、柔らかいサイドゴム4の体積がトレッドショルダー部側の接地圧を吸収するのに十分ではなく、接地圧低減効果が低いおそれがあり、一方、長さhがdの200%超の場合、トレッドショルダー部側の接地圧が低くなりすぎ、偏摩耗の核になるおそれがある。
また、厚いサイドゴム4のタイヤ径方向内側が、主溝6の溝底より深い位置にあると、トレッドゴム2の摩耗末期まで接地圧低減効果が得られるので好適である。
なお、トレッド部に複数本のタイヤ周方向に沿って延びる主溝6が存在する場合、最大深さを有する主溝6の深さをDとする。
なぜなら、サイドゴム4の300%伸長時のモジュラスが、10MPa超の場合、トレッドゴム2のモジュラスとの差が小さく、トレッドショルダー部側の接地圧低減効果が低いおそれがあるためである。
なお、当該モジュラスの下限は、タイヤの基本性能を損なわない範囲にあるものとする。
従来例タイヤは、図5に示すように、サイドウォール部に亘って一定の厚さのサイドゴム4を有している以外は、図1に示す発明例タイヤと同様である。
各供試タイヤ(タイヤサイズ275/80R225)を7.50幅のリムに組み付けてタイヤ車輪とし、内圧900kpaを与えた後、車両重量25tの2−D・4車両のフロント軸に装着し、10万kmの実車走行をさせて、ショルダーエッジウェアを評価した。なお、ショルダーエッジウェアの評価は、図6(走行前のトレッド踏面を点線で、走行後のトレッド踏面を実線で示す)に示すように、摩耗したトレッドゴム2の深さaおよび長さbを測定することにより、摩耗したトレッドゴム2の量を計算し、従来例タイヤを100としたときの指数(SEW指数)で表示した。数値が小さいほど、摩耗量が小さいことを表している。
2 トレッドゴム
4 サイドゴム
6 主溝
Claims (3)
- タイヤのクラウン部に配置したトレッドゴムと、タイヤの側面に配置したサイドゴムとを具える空気入りタイヤにおいて、
前記サイドゴムは、前記トレッドゴムのモジュラスより低いモジュラスを有し、バットレス域における前記サイドゴムのタイヤ幅方向の厚さが、タイヤ最大幅におけるタイヤ幅方向の厚さの110%以上800%以下、かつトレッド幅の0.5%以上10%以下である、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド部に少なくとも1本のタイヤ周方向に沿って延びる主溝を設け、該主溝の深さをDとすると、
トレッド踏面から、前記バットレス域における前記サイドゴムの厚さが増加するタイヤ径方向外側の位置までの長さdは、Dの30%以上100%以下であり、
前記厚いサイドゴムのタイヤ径方向の長さは、dの5%以上200%以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - サイドゴムの300%伸長時のモジュラスが、10MPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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