JP5279153B1 - 瞳孔位置測定方法及び両用レンズの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】両用レンズの各レンズ領域でのレンズ面上での瞳孔位置を正確且つ簡単に測定することができる瞳孔位置測定方法を提供する。
【解決手段】遠用測定位置から眼鏡フレーム1を着用した被検者2に対してストロボ光を照射して、被検者2の瞳孔からのストロボ光の反射光を遠用測定位置でカメラ11により撮影し、撮影による画像データに基づいて、眼鏡フレーム1の中心点Oからの被検者2の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定する。近用測定位置から眼鏡フレーム1を着用した被検者2に対してストロボ光を照射して、被検者2の瞳孔からのストロボ光の反射光を近用測定位置でカメラ11により撮影し、撮影による画像データに基づいて、眼鏡フレームの中心点Oからの被検者2の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定する。
【選択図】図1
【解決手段】遠用測定位置から眼鏡フレーム1を着用した被検者2に対してストロボ光を照射して、被検者2の瞳孔からのストロボ光の反射光を遠用測定位置でカメラ11により撮影し、撮影による画像データに基づいて、眼鏡フレーム1の中心点Oからの被検者2の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定する。近用測定位置から眼鏡フレーム1を着用した被検者2に対してストロボ光を照射して、被検者2の瞳孔からのストロボ光の反射光を近用測定位置でカメラ11により撮影し、撮影による画像データに基づいて、眼鏡フレームの中心点Oからの被検者2の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、瞳孔位置測定方法及びこの瞳孔位置測定方法を利用した両用レンズの作製方法に関する。
両用レンズは、1枚のレンズに異なる度数の部分を複数形成したレンズであり、使用目的に合わせて遠近レンズ・中近レンズ・近々レンズがある。このようなレンズを作製する場合には、各個人の使用目的や眼の使い方、年齢に合わせて種類・度数が選択され、例えば、遠近両用レンズでは、レンズ上部が下部より遠い距離用の遠方度数分布範囲、レンズ下部が上部より近い距離用の近方度数分布範囲にそれぞれ設定される。
そして、度数の選択とともに左右両眼のレンズ面上でのレンズ着用者の瞳孔位置であるアイポイントを測定する必要があるが、両用レンズの場合は、異なる度数領域でのそれぞれのアイポイントを正確に定めないと、着用者は目的のレンズ領域を通して正しく対象物を捉えられず、両用レンズとしての機能を達成できなくなる。
アイポイントを測定する方法としては、被検者(レンズ使用者)が水平方向を凝視した状態でレンズ上の視線位置にマーカペンで印を付けて遠用での瞳孔の位置を定める方法や、アイポイントシールをレンズに貼り、鏡を利用してシールの位置と近用距離での瞳孔の位置を合わせていくミラー法がある。しかし、このような測定方法は検査者の技量に依存するために、遠用アイポイント及び近用アイポイントのチェックを正確に行うことができずに瞳孔位置にずれを生じることがある。
また、検査者の技量に依存せずに検眼装置を用いて、被検者が検眼装置の検査窓から左右の眼で内部を覗きながら、検査者の指示に応じて光学的に示される目標を注視することでアイポイントを測定することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、検眼装置においては、被検者は、検査者の指示により種々の目標を注視して指示の内容に正確に応答しなければならず、被検者には緊張を強いるなどの負担をかけることになり、結果、被検者が応答を誤ると瞳孔位置の測定が不正確となって、これを基にして作製した両用レンズは被検者の視線をカバーしきれず狭い範囲でしか視力矯正されないという問題があった。
そのため、指標をマーキングした測定用眼鏡を装用した被検者に仮想的な遠用視を実行させた状態でレンズ又はフレームを含む顔面部を撮影し、撮影した画像に写された指標と瞳孔との画像上での相対位置とからアイポイント位置を決定することが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
しかし、特許文献2による従来技術では、撮影した画像データで白目と黒目のコントラストの違いから瞳孔位置を特定するのに、撮影条件や撮影環境によってはコントラストの差が大きく表れずに正確に特定できないことがある。
本発明は、上記した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、検査者の技量に依存せず、そして被検者にも負担をかけずに、正確且つ簡単に瞳孔位置を測定することができる瞳孔位置測定方法及びこの瞳孔位置測定方法を利用した両用レンズの作製方法を提供することを目的とするものである。
このため、本発明による瞳孔位置測定方法は、両用レンズを作製するための瞳孔位置測定方法であって、(a)遠用測定位置から眼鏡フレームを着用した被検者に対してストロボ光を照射するステップと、(b)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記遠用測定位置で撮影するステップと、(c)近用測定位置から前記眼鏡フレームを着用した前記被検者に対して前記ストロボ光を照射するステップと、(d)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記近用測定位置で撮影するステップと、(e)前記遠用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、(f)前記近用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップと、の各ステップを有し、前記ステップ(e)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップは、前記画像データにおいて前記眼鏡フレームの中心点から左右側の予め設定された領域内において輝度が予め設定された閾値を超える所定範囲の面積を有し且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点を求めることにより行われることを特徴としている。
同様に、前記ステップ(f)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X3、Y3)及び前記左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップは、前記画像データにおいて前記眼鏡フレームの中心点から左右側の予め設定された領域内において輝度が予め設定された閾値を超える所定範囲の面積を有し且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点を求めることにより行われる。
ここで、前記遠用測定位置と前記近用測定位置での前記撮影には、ストロボ光照射装置と、画像データを電子的に格納する画像メモリとを備えたデジタルカメラを用いる。
一方、前記ステップ(e)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップは、前記画像データをモニター部に表示し、入力デバイスへの入力により指定された前記モニター部の画面上の位置を前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)として認識することを特徴としている。
同様に、前記ステップ(f)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X3、Y3)及び前記左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップは、前記画像データをモニター部に表示し、入力デバイスへの入力により指定された前記モニター部の画面上の位置を前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)として認識することを特徴としている。
本発明による両用レンズの作製方法は、(a)遠用測定位置から眼鏡フレームを着用した被検者に対してストロボ光を照射するステップと、(b)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記遠用測定位置で撮影するステップと、(c)近用測定位置から前記眼鏡フレームを着用した前記被検者に対して前記ストロボ光を照射するステップと、(d)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記近用測定位置で撮影するステップと、(e)前記遠用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、(f)前記近用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップと、(g)右眼の前記両用レンズについて、前記右瞳孔位置(X1、Y1)を中心とする遠方度数の分布範囲と、前記右瞳孔位置(X3、Y3)を中心とする近方度数の分布範囲とを設定するステップと、(h)左眼の前記両用レンズについて、前記左瞳孔位置(X2、Y2)を中心とする前記遠方度数の分布範囲と前記左瞳孔位置(X4、Y4)を中心とする前記近方度数の分布範囲とを設定するステップと、を備えて、左右の前記遠方度数分布範囲及び前記近方度数分布範囲に基づいて前記両用レンズを作製することを特徴としている。
そして、左右の両眼において、前記遠方度数分布範囲と前記近方度数分布範囲の間に中間度数分布範囲を設定することを特徴としている。
また、前記眼鏡フレームは、前記遠方度数分布範囲と前記近方度数分布範囲と前記中間度数分布範囲とが収まるレンズ領域を備えることを特徴としている。
本発明に係る瞳孔位置測定方法によれば、ストロボ光による反射光を撮影し、その画像データから両用レンズにおける目的のレンズを使用した状態での瞳孔の位置を特定するために、正確且つ簡単にそれぞれのレンズ領域での瞳孔位置を測定することができる。そして、測定した2通りの瞳孔位置をそれぞれ遠方度数の分布範囲及び近方度数の分布範囲を中心に据えた両用レンズを作製することで、両用レンズの使用者は目的に応じた度数領域から対象物を正確に視認することができる。
以下、本発明に係る瞳孔位置測定方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここで説明する瞳孔位置(上記のアイポイント)とは、被検者の瞳孔の絶対位置ではなく、被検者がレンズによって矯正された視力で対象物を見るときに、被検者の頭部の動きを含めた、瞳孔からの視線と両用レンズとの相対的な位置を意味している。この相対的な位置は、作製する両用レンズを組み込む眼鏡フレームと瞳孔との位置関係によって決まるために、被検者が眼鏡フレームを着用した状態で遠用時と近用時でのそれぞれの場合における瞳孔位置を測定する。そして、遠用時と近用時での瞳孔位置を測定することにより両用レンズの遠方度数分布範囲と近方度数分布範囲とが決まり、決定した遠方度数分布範囲と近方度数分布範囲とで両用レンズを処方し眼鏡フレームに組み合わせることで、被検者に応じた眼鏡を作製することができる。
(遠用での瞳孔位置の測定)
遠用での瞳孔位置の測定においては、被検者2は、眼鏡フレーム1を着用して視線を水平方向に向けた図1でaに示す姿勢を執っている。この姿勢aの状態で、被検者2からその視線方向でL1の距離を置いた遠用測定位置3からストロボ光照射装置13によってストロボ光を照射するが、本例では、遠用測定位置3までのL1の距離を5mとしている。そして、遠用測定位置3にカメラ11を配置して、このカメラによって使用者の顔面を撮影し、撮影による画像データに基づいて眼鏡フレーム1の中心点O(図4)からの被検者2の右瞳孔位置及び左瞳孔位置を測定する。
遠用での瞳孔位置の測定においては、被検者2は、眼鏡フレーム1を着用して視線を水平方向に向けた図1でaに示す姿勢を執っている。この姿勢aの状態で、被検者2からその視線方向でL1の距離を置いた遠用測定位置3からストロボ光照射装置13によってストロボ光を照射するが、本例では、遠用測定位置3までのL1の距離を5mとしている。そして、遠用測定位置3にカメラ11を配置して、このカメラによって使用者の顔面を撮影し、撮影による画像データに基づいて眼鏡フレーム1の中心点O(図4)からの被検者2の右瞳孔位置及び左瞳孔位置を測定する。
このときの撮影に使用するカメラ11の概略的な構成を図2に示す。カメラ11は、制御部12、ストロボ光照射装置13、光学系14、撮像素子15、画像メモリ16及び画像処理を行うコンピュータ20とデータ及び信号の授受を行うインターフェース17を含んで構成されるデジタルカメラである。
制御部12は、カメラ11の各部を制御するプログラム記憶部と、このプログラムを実行するCPUとを備えている。制御部12の制御としては、コンピュータ20からの指示に伴う光学系14の撮像倍率やピント合わせ等の制御、画像メモリ16に対する画像の保存や読出し等の制御を行う。
図3は、コンピュータ20の構成を模式的に示している。コンピュータ20は、モニター部21、入力デバイス22、プログラムに基づいて所定の演算処理や制御処理を行う中央制御部23及びカメラ11とデータ及び信号の授受を行うインターフェース24を含んで構成される。中央制御部23は、撮像プログラム25、瞳孔位置測定プログラム26及び度数分布範囲設定プログラム27と、メモリ28と、これらプログラムを実行する中央演算処理装置CPUとを含んでいる。
瞳孔位置の測定は、コンピュータ20がカメラ11を作動して行うが、このとき、中央制御部23は撮像プログラム25を実行してカメラ11を制御し、眼鏡フレーム1を着用した被検者2の両眼にズームして、眼鏡フレーム1の中心点O(図4)に焦点距離を合わせる。カメラ11はコンピュータ20からの指示により、光学系14が捉えて撮像素子15により電気信号に変換された画像信号をコンピュータ20に出力している。そして、コンピュータ20が、この画像をモニター部21に表示することで、瞳孔位置の測定者は、カメラ11が捉える画像の範囲や位置合わせ等の調整を入力デバイス22から指示することができ、コンピュータ20はこの調整指示の内容に従ってカメラ11による撮影画像を調整する。
カメラ11は、測定者の操作の下でコンピュータ20から送られる撮像指令に応答して、ストロボ光照射装置13からストロボ光を照射させ撮影を行う。そして、カメラ11の撮像素子15は、光学系14からの撮影光を電気信号に変換して出力し、制御部12は、この画像データを画像メモリ16に保存する。
コンピュータ20の中央制御部23は、瞳孔位置測定プログラム26を実行することで、カメラ11の画像メモリ16に保存した画像データを読み出してモニター部21に表示する。ストロボ光にて撮影を行うと左右両眼の瞳孔が光を反射し、画像データの中でもこの部分の輝度は高くなる。
図4は、このときのモニター部21上に表示される画面を示している。中央制御部23は、眼鏡フレーム1の中心点Oから左右側の予め設定された画像データの領域内において各画素を走査し、輝度が予め設定された閾値を超える領域を検出する。そして、この閾値を超えている領域が所定範囲の面積を有して、且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点p11、p12を求める演算処理を行うことで、被検者2の遠用での右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定する。
このように中央制御部23が画像素子の輝度を演算により走査して、被検者2の遠用での左右の瞳孔位置を特定する以外に、モニター部21に表示されている画像からユーザ入力により指定された画面上の位置を右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)として中央制御部23に認識させる方法もある。
この場合は、測定者がモニター部21に表示されている画像から右の瞳孔位置p11及び左の瞳孔位置p12を判断し、この位置を入力デバイス22のマウス等によって直接ポイントアウトすることで、中央制御部23はポイントアウトされた位置を演算して、右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定する。
(近用での瞳孔位置の測定)
両用レンズの近用での瞳孔位置の測定においては、被検者2は、眼鏡フレーム1を着用して図1でbに示す下向き姿勢を執っている。この姿勢bの状態で、被検者2の視線方向の近用測定位置4からストロボ光照射装置13によってストロボ光を照射する。この場合の近用測定位置4は、デスクワーク・読書・手作業等を行うとき、被検者2から視力を矯正したい対象物までの距離L2を置いた位置であり、通常、30cm乃至50cm前後の範囲の距離となる。
両用レンズの近用での瞳孔位置の測定においては、被検者2は、眼鏡フレーム1を着用して図1でbに示す下向き姿勢を執っている。この姿勢bの状態で、被検者2の視線方向の近用測定位置4からストロボ光照射装置13によってストロボ光を照射する。この場合の近用測定位置4は、デスクワーク・読書・手作業等を行うとき、被検者2から視力を矯正したい対象物までの距離L2を置いた位置であり、通常、30cm乃至50cm前後の範囲の距離となる。
この近用測定位置4にカメラ11を配置して、コンピュータ20の中央制御部23は、撮像プログラム25を実行してカメラ11を制御し、眼鏡フレーム1を着用した被検者2の両眼にズームして、眼鏡フレーム1の中心点O(図5)に焦点距離を合わせた後、ストロボ光照射装置13からストロボ光を照射させてストロボ光の反射光を撮影する。
そして、中央制御部23は、上記した遠用での瞳孔位置の測定と同様に、瞳孔位置測定プログラム26を実行して撮影による画像データに基づいて、眼鏡フレーム1の中心点Oからの被検者2の右瞳孔位置及び左瞳孔位置を測定する。図5は、このとき中央制御部23が、カメラ11の画像メモリ16に保存した画像データを読み出してモニター部21に表示する画像を示しており、レンズ面上での被検者2の瞳孔位置は相対的に低い位置となっている。
中央制御部23は、眼鏡フレーム1の中心点Oから左右側の予め設定された画像データの領域内において各画素を走査し、輝度が予め設定された閾値を超える領域を検出する。そして、この閾値を超えている領域が所定範囲の面積を有して、且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点p13、p14を求める演算処理を行うことで、被検者2の近用での右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定する。
この場合も別の方法として、測定者がモニター部21の表示している画像から右の瞳孔位置p13及び左の瞳孔位置p14を入力デバイス22のマウス等によって直接ポイントアウトすることにより、中央制御部23はポイントアウトされた位置を演算して、右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定することもできる。
(両用レンズの作製方法)
上記の瞳孔位置測定方法は、被検者2を撮影した画像データにより使用目的に合わせて遠近レンズや中近レンズまたは近々レンズを作製するときに、レンズ面上における両用でのそれぞれの瞳孔位置を正確且つ簡単に測定することができる。このような瞳孔位置測定方法を利用した本発明に係る両用レンズの作製方法の実施形態を図6のフローチャートによって説明する。以下のステップS1乃至ステップS9の処理は、コンピュータ20の制御により行われる。なお、両用レンズの作製に先立ち、被検者2は好みの眼鏡フレーム1を選択し、この眼鏡フレーム1を着用してもらった状態で瞳孔位置の測定が行われる。
上記の瞳孔位置測定方法は、被検者2を撮影した画像データにより使用目的に合わせて遠近レンズや中近レンズまたは近々レンズを作製するときに、レンズ面上における両用でのそれぞれの瞳孔位置を正確且つ簡単に測定することができる。このような瞳孔位置測定方法を利用した本発明に係る両用レンズの作製方法の実施形態を図6のフローチャートによって説明する。以下のステップS1乃至ステップS9の処理は、コンピュータ20の制御により行われる。なお、両用レンズの作製に先立ち、被検者2は好みの眼鏡フレーム1を選択し、この眼鏡フレーム1を着用してもらった状態で瞳孔位置の測定が行われる。
ステップS1では、両用レンズを装着する眼鏡フレーム1を着用した被検者2の水平方向の視線の先にある遠用測定位置に配置したストロボ光照射装置13からストロボ光を照射する。
ステップS2では、被検者2の瞳孔からのストロボ光の反射光を遠用測定位置に配置したカメラ11によって撮影する。
ステップS3では、眼鏡フレーム1を着用した被検者2が下向き姿勢での近用測定位置からストロボ光を照射する。
ステップS4では、被検者2の瞳孔からのストロボ光の反射光を近用測定位置からカメラ11によって撮影する。
ステップS5では、遠用測定位置での撮影による画像データに基づいて、眼鏡フレーム1の中心点Oからの被検者2の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定し、遠用での瞳孔位置を測定する。
ステップS6では、近用測定位置での撮影による画像データに基づいて、眼鏡フレーム1の中心点Oからの被検者2の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定し、近用での瞳孔位置を測定する。
ステップS7では、予め測定している被検者2の左右両眼での遠方度数及び近方度数のそれぞれの分布範囲を設定する。このステップS7での処理は、中央制御部23が度数分布範囲設定プログラム27を実行することで行われ、中央制御部23は、図7で示すように、モニター部21に眼鏡フレーム1のレンズ領域に対して、右眼レンズにおける瞳孔位置(X1、Y1)を中心とする遠方度数の分布範囲A1及び瞳孔位置(X3、Y3)を中心とする近方度数の分布範囲B1と、左眼レンズにおける瞳孔位置(X2、Y2)を中心とする遠方度数の分布範囲A2及び瞳孔位置(X4、Y4)を中心とする近方度数の分布範囲B2とを表示する。このとき、中央制御部23は、入力デバイス22に入力される両用レンズの使用目的等の条件データの条件に応じて、遠方度数分布範囲A1、A2及び近方度数分布範囲B1、B2の領域を演算して表示する。例えば、遠近両用レンズの遠方度数分布範囲は、中近両用レンズの遠方度数分布範囲より広めに設定される。
また、遠方度数分布範囲A1と近方度数分布範囲B1との間に中間度数分布範囲C1を設け、遠方度数分布範囲A2と近方度数分布範囲B2との間に中間度数分布範囲C2を設けることで、両用の累進レンズとなる。この場合、中近両用レンズの中間度数分布範囲は、遠近両用レンズの中間度数分布範囲より広めに設定される。
ステップS8では、遠方度数と近方度数と中間度数の各分布範囲がフレーム1のレンズ領域に収まるか否かを判断する。そして、遠方度数分布範囲A1と近方度数分布範囲B1と中間度数分布範囲C1とが眼鏡フレーム1の右眼のレンズ領域に収まらない場合や、遠方度数分布範囲A2と近方度数分布範囲B2と中間度数分布範囲C2とが眼鏡フレーム1の左眼のレンズ領域に収まらない場合には、当該眼鏡フレーム1に組み合わせるための両用レンズの作製作業は中止となり、レンズ領域の面積が大きい新たな眼鏡フレーム1を被検者2に選択してもらってから、再度、両用レンズ作製のフローが開始される。これにより、測定した前記遠方度数分布範囲と前記近方度数分布範囲と前記中間度数分布範囲とが有効に収まるレンズ領域を備えた最適サイズの眼鏡フレーム1が選択される。
次に、遠近両用レンズの作製者は、モニター部21の画面上に表示されている遠方度数分布範囲A1、A2・近方度数分布範囲B1、B2・中間度数分布範囲C1、C2を確認して被検者2に適合するものであるかを判断して、入力デバイス22からコンピュータ20に指示を与えることになるが、中央制御部23はステップS9でこの指示を待機する。この判断は、例えば、眼鏡フレーム1の仕様や被検者2による眼鏡フレーム1へのフィット感等の意見に応じて行われる。そして、不適合と判断すると作製者は、補正データを入力デバイス22に入力するため、中央制御部23はステップS7の処理に戻る。そして、中央制御部23は、入力デバイス22に入力された補正データに基づいて遠方度数分布範囲A1、A2・近方度数分布範囲B1、B2・中間度数分布範囲C1、C2の領域を補正する演算を行って表示する。
作製者がモニター部21の画面上に表示されている遠方度数分布範囲A1、A2・近方度数分布範囲B1、B2・中間度数分布範囲C1、C2の適合を判断して入力デバイス22から適合の指示を行うと、中央制御部23は、ステップS10の処理となってモニター部21に表示している遠方度数分布範囲A1、A2・近方度数分布範囲B1、B2・中間度数分布範囲C1、C2の領域の配置データをメモリ28に格納し、コンピュータ21による両用レンズへの遠方度数分布範囲及び近方度数分布範囲の配置設計が終了する。
配置設計が終了すると、遠近両用レンズの作製者は、メモリ28に格納している遠方度数分布範囲、近方度数分布範囲及び中間度数分布範囲の各配置データを読み出して、使用目的に合わせて遠近レンズや中近レンズまたは近々レンズを処方する。このとき、作製者は事前に、被検者2の遠用度数、近用度数及び乱視矯正の各データを測定により抽出しており、遠方度数分布範囲、近方度数分布範囲及び中間度数分布範囲内に、遠用度数、近用度数、中間度数及び乱視矯正の各データを適用させて両用レンズを処方する。そして、処方した両用レンズを眼鏡フレーム1に組み合わせることで被検者2の専用の眼鏡が作製される。
こうして作製された眼鏡を着用した被検者2は、見ようとする対象物に応じて視線を動かすことで両用レンズの遠用領域と近用領域とを使い分けたとき、そのときの使用領域と瞳孔とが確実に合って視線と両用レンズがカバーする度数範囲とが正確に一致するため、被検者2にとって視力が確実に矯正される。
本発明は、瞳孔位置測定方法及びこの瞳孔位置測定方法を利用した両用レンズの作製方法であり、両用レンズにおいて目的に応じた使用領域と被検者の瞳孔とを確実に合わせることができ、産業上の利用可能性を有する。
1 眼鏡フレーム
2 被検者
3 遠用測定位置
4 近用測定位置
11 カメラ
13 ストロボ光照射装置
16 画像メモリ
20 コンピュータ
21 モニター部
22 入力デバイス
A1、A2 遠方度数分布範囲
B1、B2 近方度数分布範囲
C1、C2 中間度数分布範囲
2 被検者
3 遠用測定位置
4 近用測定位置
11 カメラ
13 ストロボ光照射装置
16 画像メモリ
20 コンピュータ
21 モニター部
22 入力デバイス
A1、A2 遠方度数分布範囲
B1、B2 近方度数分布範囲
C1、C2 中間度数分布範囲
Claims (8)
- 両用レンズを作製するための瞳孔位置測定方法であって、
(a)遠用測定位置から眼鏡フレームを着用した被検者に対してストロボ光を照射するステップと、
(b)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記遠用測定位置で撮影するステップと、
(c)近用測定位置から前記眼鏡フレームを着用した前記被検者に対して前記ストロボ光を照射するステップと、
(d)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記近用測定位置で撮影するステップと、
(e)前記遠用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、
(f)前記近用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップと、
の各ステップを有し、
前記ステップ(e)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップは、前記画像データにおいて前記眼鏡フレームの中心点から左右側の予め設定された領域内において輝度が予め設定された閾値を超える所定範囲の面積を有し且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点を求めることにより行われることを特徴とする瞳孔位置測定方法。 - 前記ステップ(f)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X3、Y3)及び前記左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップは、前記画像データにおいて前記眼鏡フレームの中心点から左右側の予め設定された領域内において輝度が予め設定された閾値を超える所定範囲の面積を有し且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点を求めることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の瞳孔位置測定方法。
- 前記遠用測定位置と前記近用測定位置での前記撮影には、ストロボ光照射装置と、画像データを電子的に格納する画像メモリとを備えたデジタルカメラを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の瞳孔位置測定方法。
- 前記ステップ(e)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップは、前記画像データをモニター部に表示し、入力デバイスへの入力により指定された前記モニター部の画面上の位置を前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)として認識することを特徴とする請求項3に記載の瞳孔位置測定方法。
- 前記ステップ(f)における前記被検者の前記右瞳孔位置(X3、Y3)及び前記左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップは、前記画像データをモニター部に表示し、入力デバイスへの入力により指定された前記モニター部の画面上の位置を前記右瞳孔位置(X1、Y1)及び前記左瞳孔位置(X2、Y2)として認識することを特徴とする請求項3に記載の瞳孔位置測定方法。
- 両用レンズの作製方法であって、
(a)遠用測定位置から眼鏡フレームを着用した被検者に対してストロボ光を照射するステップと、
(b)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記遠用測定位置で撮影するステップと、
(c)近用測定位置から前記眼鏡フレームを着用した前記被検者に対して前記ストロボ光を照射するステップと、
(d)前記被検者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記近用測定位置で撮影するステップと、
(e)前記遠用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、
(f)前記近用測定位置での前記撮影による画像データに基づいて、前記眼鏡フレームの中心点からの前記被検者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップと、
(g)右眼の前記両用レンズについて、前記右瞳孔位置(X1、Y1)を中心とする遠方度数の分布範囲と、前記右瞳孔位置(X3、Y3)を中心とする近方度数の分布範囲とを設定するステップと、
(h)左眼の前記両用レンズについて、前記左瞳孔位置(X2、Y2)を中心とする前記遠方度数の分布範囲と前記左瞳孔位置(X4、Y4)を中心とする前記近方度数の分布範囲とを設定するステップと、を備えて、
上下左右の前記遠方度数分布範囲及び前記近方度数分布範囲に基づいて前記両用レンズを作製することを特徴とする両用レンズの作製方法。 - 左右の両眼において、前記遠方度数分布範囲と前記近方度数分布範囲の間に中間度数分布範囲を設定することを特徴とする請求項6に記載の両用レンズの作製方法。
- 前記眼鏡フレームは、前記遠方度数分布範囲と前記近方度数分布範囲と前記中間度数分布範囲とが収まるレンズ領域を備えることを特徴とする請求項7に記載の両用レンズの作製方法。
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