JP5311601B1 - 双眼ルーペの製作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者個々による実際の作業体勢での瞳孔位置を正確且つ簡単に特定可能にすることで、作業者に適した双眼ルーペの製作方法を提供する。
【解決手段】ルーペが未装着のフレームを着用した作業者が下向きに作業するときの手先の作業操作箇所Pからストロボ光を照射し、作業者の瞳孔からの反射光をカメラ11で撮影して、撮影画像から眼の瞳孔位置を特定する。作業操作箇所Pからキャリアレンズまでの距離Aと、キャリアレンズを通る鉛直線から作業操作箇所Pまでの水平方向での距離Bとでルーペをキャリアレンズに装着する際の下方装着角度r1、r2を決める。
【選択図】図6
【解決手段】ルーペが未装着のフレームを着用した作業者が下向きに作業するときの手先の作業操作箇所Pからストロボ光を照射し、作業者の瞳孔からの反射光をカメラ11で撮影して、撮影画像から眼の瞳孔位置を特定する。作業操作箇所Pからキャリアレンズまでの距離Aと、キャリアレンズを通る鉛直線から作業操作箇所Pまでの水平方向での距離Bとでルーペをキャリアレンズに装着する際の下方装着角度r1、r2を決める。
【選択図】図6
Description
本発明は、医療手術や精密工作作業の際に使用される双眼ルーペに関するものであり、特に、フレームのキャリアレンズにルーペを取り付ける双眼ルーペの製作方法に関する。
双眼ルーペは、手元の局所的な視覚対象物を拡大して視認する手段として、従来から、医療分野、精密工作、宝石加工等の各分野において広く使用されており、これらの分野では、高い精度で視認できることが要求される。
一般的なレンズ嵌め込み式の双眼ルーペ10の構成は、図1に示すように、施術者の視力を調整する眼鏡と同じ構造のフレーム1と、作業対象の像を拡大するための双眼ルーペ本体であるルーペ2と、フレーム1に嵌め込まれてルーペ2を取り付けるためのキャリアレンズ5と、ルーペ2をキャリアレンズ5に取り付けるための取付部3と、精密作業者の顔に装着するためのフレーム蔓部6と、から成る。ルーペ2は、キャリアレンズ5の表面に刳り抜いた開口に挿入されて取付部3にて固定されている。
図2は、双眼ルーペ10を作業者が着用した状態を示す説明図である。双眼ルーペ10は、通常の眼鏡と同様に、フレーム1のフレーム蔓部6を、作業者の耳に掛けることにより顔面に着用することができる。
このような双眼ルーペ10は、特に、医療分野において用いられる場合には、人命に関わることから、作業者個々における瞳孔間距離や作業体勢に適合させたものであることが求められ、高精度の視認性を確保するためには、作業者の身体的特徴に応じて、以下の手順に沿って製作される。
(1)作業者の顔の身体的特徴に適合したフレームの選定
フレーム蔓部6が作業者の側頭部にフィットしていると共に、フレーム蔓部6の曲状の先端部が耳に適切に掛かる。一組のキャリアレンズ5の間に設けられるノーズパッドが作業者の眉間と完全に接触している。
フレーム蔓部6が作業者の側頭部にフィットしていると共に、フレーム蔓部6の曲状の先端部が耳に適切に掛かる。一組のキャリアレンズ5の間に設けられるノーズパッドが作業者の眉間と完全に接触している。
(2)PDメーターによる瞳孔間距離の測定
瞳孔間距離を測定するには、PDメーターを用いて測定するのが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。PDメーターは、一端に測定者用の見口、他方に被測定者が本体内部を見通す窓が設けられており、被測定者は、本体内部に映し出されている指標を注視するようこの窓に両眼を近づける。そして、測定者が、見口を覗きながら必要な操作を行って被測定者の左右の瞳孔を合致させたとき、PDメーターはそのときの像を光学的に読み取ることで、瞳孔間距離及び被測定者の鼻中央より左右の瞳孔中心までの距離を測定して表示する。このとき、PDメーターは、例えば、予め設定された両眼の焦点距離40cmに基づいて測定を行っている。図3は、PDメーターが示す測定結果の一例であり、左の数値が被測定者の鼻中央より右眼の瞳孔中心までの距離を示し、右の数値が被測定者の鼻中央より左眼の瞳孔中心までの距離を示し、中央の数値が両眼の瞳孔間の距離を示している。
瞳孔間距離を測定するには、PDメーターを用いて測定するのが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。PDメーターは、一端に測定者用の見口、他方に被測定者が本体内部を見通す窓が設けられており、被測定者は、本体内部に映し出されている指標を注視するようこの窓に両眼を近づける。そして、測定者が、見口を覗きながら必要な操作を行って被測定者の左右の瞳孔を合致させたとき、PDメーターはそのときの像を光学的に読み取ることで、瞳孔間距離及び被測定者の鼻中央より左右の瞳孔中心までの距離を測定して表示する。このとき、PDメーターは、例えば、予め設定された両眼の焦点距離40cmに基づいて測定を行っている。図3は、PDメーターが示す測定結果の一例であり、左の数値が被測定者の鼻中央より右眼の瞳孔中心までの距離を示し、右の数値が被測定者の鼻中央より左眼の瞳孔中心までの距離を示し、中央の数値が両眼の瞳孔間の距離を示している。
一方、作業者(医師)が作業をしているときの体勢(手術時の体勢)は、図4で示すように、作業者は手にしている器具の先端(作業操作箇所P)を凝視している状態にある。図4において、作業者が掛けているフレームは、ルーペ2が未装着の状態で示されているが、作業者はルーペ2を通して作業操作箇所Pを拡大して観察している。そのため、ルーペ2をフレーム1に取り付ける際には、フレーム1のキャリアレンズ5の平面に対してルーペ2を垂直に取り付けるのではなく、上下方向では、図2で示すように下方(フレームの下縁側)に向けて傾斜しており、且つ水平方向では、図5で示すように内側(ノーズパッド側)に向けて傾斜している状態で取り付ける必要がある。
このときの左右のルーペ2の内側に向けて取り付けるときの角度は、PDメーターによる瞳孔間距離の測定結果から導き出される。すなわち、鼻中央の中心線Lより左右両眼の瞳孔中心までの距離は、図3の測定結果に依ると、右眼の瞳孔は31mm、左眼の瞳孔は29.5mmであり、このとき焦点距離は40cmに設定して測定していることから、左右のキャリアレンズ5の面に装着する左右のルーペ2の内側に向けての取り付け角度である内側装着角度p、qがそれぞれ検出される。
(3)眼から作業操作箇所までの距離の測定
眼から作業操作箇所Pまでの距離の測定は、ルーペ2が未だ取り付けられていないフレーム1を着用した作業者に図4で示す作業体勢を再現してもらい、このときの作業操作箇所Pからフレーム蔓部6とフレーム1との接続部分6までの距離を測定して行う。
眼から作業操作箇所Pまでの距離の測定は、ルーペ2が未だ取り付けられていないフレーム1を着用した作業者に図4で示す作業体勢を再現してもらい、このときの作業操作箇所Pからフレーム蔓部6とフレーム1との接続部分6までの距離を測定して行う。
この距離の測定を、図6で模式的に示すと、作業者がフレーム1を着用して手術を行うときの体勢での作業操作箇所Pからキャリアレンズ5までの距離Aと、キャリアレンズ5を通る鉛直線に直交する水平方向距離Bとをそれぞれメジャーを用いて実測する。そして、実測した距離A、Bからこの辺に挟まれた角度aを求める。
一方、作業者が手術を行うときの体勢では、作業者の頭部の前傾によりフレーム1も前傾しており(図4)、この前傾角度sは、外科手術のような立ち姿勢での手術では25度、歯科手術のような座姿勢での手術では20度程度である。よって、製作しようとする双眼ルーペ10が用いられる手術に応じた25度又は20度の何れかの前傾角度sと、角度aとから、左右のルーペ2をキャリアレンズ5に取り付ける際の下向きの角度である下方装着角度r1、r2をそれぞれ求める。
(4)こうして、ルーペ2の収束角度と下方装着角度r1、r2を決定すると、左右のキャリアレンズ5のそれぞれにおいて、測定した瞳孔間距離の測定で求めた左右両眼の瞳孔位置からルーペ2の取り付け位置を決めて開口し、この開口にルーペ2を内側装着角度p、qと下方装着角度r1、r2を保って嵌め込んで双眼ルーペ10を製作する。
しかし、従来から採用されていた上記の双眼ルーペの製作方法は、瞳孔間距離を測定するのにPDメーターを用いるために、焦点距離はPDメーターに予め設定されている何れかの焦点距離の下で測定しなければならず、選択した焦点距離が個々の作業者の作業体勢での作業者の眼から作業操作箇所Pまでの距離とは一致していないことがある。
しかも、PDメーターは、被検者が水平視した状態で測定することが条件となっている。しかしながら、医療の手術においては、作業者は下方を凝視した状態で施術するために、PDメーターによる測定結果は手術姿勢での瞳孔間距離とは誤差を生じており、下向き姿勢による作業のための双眼ルーペとしては精度の点で不十分なものであった。
本発明は、上記した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、個々の作業者による作業体勢に応じて正確な瞳孔位置とルーペのキャリアレンズ面に対する取り付け角度を特定することで、作業者に合致した拡大視野を供することができる双眼ルーペの製作方法を提供することを目的とするものである。
このため、本発明による双眼ルーペの製作方法は、作業者に応じて選択されたフレームに装着したキャリアレンズにルーペを取り付ける双眼ルーペの製作方法であって、(a)前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者が前記双眼ルーペを使用するときの作業体勢で下方の作業操作箇所を凝視している状態で前記作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、(b)前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された第1撮像装置によって撮影するステップと、(c)前記作業者の前記作業体勢を当該作業者の右側及び左側の何れか一方又は両側から所定距離離れた位置に配置された第2撮像装置によって前記作業者の側面姿勢画像データを得るステップと、(d)前記第1撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、(e)前記側面姿勢画像データから、前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離A及び前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bを測定し、測定された距離A及び距離Bに基づいて左右の前記キャリアレンズ面に装着する各ルーペの下方装着角度r1、r2を決定するステップと、(f)前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gに基づいて、前記左右のキャリアレンズ面に装着する前記ルーペの各内側装着角度p、qを決定するステップと、(g)前記右瞳孔位置及び左瞳孔位置と、前記下方装着角度r1、r2と、前記内側装着角度p、qとに基づいて前記左右のキャリアレンズ面に開口を形成し、前記開口に前記左右のルーペを挿入して固定するステップと、の各ステップを有することを特徴としている。
このとき、前記キャリアレンズは、前記作業者の視力調整用レンズであることを特徴としている。そして、この視力調整用レンズは、前記作業者が前記作業体勢を解除し前記作業操作箇所よりも上方遠方を見る時の立姿勢において、前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者による前記双眼ルーペを使用する前記立姿勢時における作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された前記第1撮像装置によって撮影するステップと、前記第1撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップと、前記作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)に前記視力調整用レンズの中心が配置されるステップと、の各ステップにより製作することを特徴としている。
また、前記ルーペは、前記作業操作箇所を拡大する固定倍率又は倍率を所定の範囲で可変可能なズーム機能を有することを特徴としている。
さらに、前記第1撮像装置は、ストロボ光照射装置を備え、画像データをメモリ内に電子的に格納するデジタルカメラであることを特徴としている。
前記ステップ(c)は、前記ステップ(a)における前記ストロボ光照射と同期するタイミングで前記作業者の側面姿勢画像データを得ることを特徴としている。
前記ステップ(d)における前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップは、前記正面画像データにおいて前記フレームの中心点から左右側の予め設定された領域内において輝度が予め設定された閾値を超える所定範囲の面積を有し且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点を求めることにより行われることを特徴としている。
また、前記第2撮像装置は、前記作業者の側面姿勢の画像データをメモリ内に電子的に格納するデジタルカメラであって、前記ステップ(e)において測定する前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離A及び前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bは、当該第2撮像装置の撮像倍率及び前記作業者との距離に基づいて算出されることを特徴としている。
前記ステップ(f)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、前記作業操作箇所に配置される非接触の距離測定装置により行うことを特徴としている。
前記ステップ(f)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、レーザー計測機または赤外線や超音波による測距センサーにより行うことを特徴としている。
前記ステップ(e)における前記ルーペの下方装着角度r1、r2は、前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離A及び前記作業操作箇所から前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bと、さらに前記フレームの下向きの前傾角度sとに基づいて決定されることを特徴としている。
また、前記ステップ(f)において、前記内側装着角度p、qは、前記作業者の角膜と前記キャリアレンズの裏面との間の角膜頂点間距離が長くなるほど小さく設定されることを特徴としている。
前記ステップ(g)における前記左右のルーペを装着するための開口の形成は、NC加工機により切削加工して行われることを特徴としている。
そして、前記ステップ(g)において前記左右のキャリアレンズに形成された前記開口に前記左右のルーペを取り付ける際、レーザー位置決め機にて前記下方装着角度r1、r2及び前記内側装着角度p、qで位置決めし、前記左右のルーペと前記左右のキャリアレンズとをこの状態で挿入して固定することを特徴としている。
また、本発明による双眼ルーペの製作方法は、作業者に応じて選択されたフレームに装着したキャリアレンズにルーペを取り付ける双眼ルーペの製作方法であって、(a)前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者が前記双眼ルーペを使用するときの作業体勢で下方の作業操作箇所を凝視している状態で前記作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、(b)前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された撮像装置によって撮影するステップと、(c)前記撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、(d)前記フレームに取り付けられた角速度センサーの前記作業体勢時における出力に基づいて前記キャリアレンズ面に装着する各ルーペの下方装着角度を決定するステップと、(e)前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gに基づいて、前記左右のキャリアレンズ面に装着する前記ルーペの各内側装着角度p、qを決定するステップと、(f)前記右瞳孔位置及び左瞳孔位置と、前記下方装着角度と、前記内側装着角度p、qとに基づいて前記左右のキャリアレンズ面に開口を形成し、前記開口に前記左右のルーペを挿入して固定するステップと、の各ステップを有することを特徴としている。
さらに、本発明による双眼ルーペの製作方法は、作業者に応じて選択されたフレームに装着したキャリアレンズにルーペを取り付ける双眼ルーペの製作方法であって、(a)前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者が前記双眼ルーペを使用するときの作業体勢で下方の作業操作箇所を凝視している状態で前記作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、(b)前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された第1撮像装置によって撮影するステップと、(c)前記作業者の前記作業体勢を当該作業者の右側及び左側の何れか一方又は両側から所定距離離れた位置に配置された第2撮像装置によって前記作業者の側面姿勢画像データを得るステップと、(d)前記第1撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、(e)前記フレームに取り付けた測距センサーにより測定した前記作業体勢時における前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離Aを測定すると共に、前記側面姿勢画像データから前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bを測定し、測定された前記距離A及び前記距離Bに基づいて左右の前記キャリアレンズ面に装着する各前記ルーペの下方装着角度r1、r2を決定するステップと、(f)前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gに基づいて、前記左右のキャリアレンズ面に装着する前記ルーペの各内側装着角度p、qを決定するステップと、(g)前記右瞳孔位置及び左瞳孔位置と、前記下方装着角度r1、r2と、前記内側装着角度p、qとに基づいて前記左右のキャリアレンズ面に開口を形成し、前記開口に前記左右のルーペを挿入して固定するステップと、の各ステップを有することを特徴としている。
本発明に係る双眼ルーペの製作方法によれば、フレームを作業者にフレームを着用して作業体勢を再現してもらい、そのときの手先の作業操作箇所からストロボ光を作業者の顔面に照射して撮像装置により撮影し、そのときの反射光を撮影した画像から瞳孔の位置を検出するために、その作業体勢に応じた正確な瞳孔位置を特定することができ、作業者個々に応じた適切な双眼ルーペを製作することができる。
以下、本発明に係る双眼ルーペの製作方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本双眼ルーペの製作方法においても、先ず、作業者の頭部及び顔面に応じてフィットするフレームを選択することから始まる。
(瞳孔位置の特定)
そして、本発明に係る双眼ルーペの製作方法では、作業者にルーペ2が未装着のフレーム1を着用した状態で作業体勢(図4)を再現してもらい、このとき作業者が実際に手先で作業する作業操作箇所Pから作業者の顔面に向けてストロボ光を照射してカメラ11A(第1撮像装置)にて撮影することで瞳孔位置を特定する。
そして、本発明に係る双眼ルーペの製作方法では、作業者にルーペ2が未装着のフレーム1を着用した状態で作業体勢(図4)を再現してもらい、このとき作業者が実際に手先で作業する作業操作箇所Pから作業者の顔面に向けてストロボ光を照射してカメラ11A(第1撮像装置)にて撮影することで瞳孔位置を特定する。
カメラ11Aを用いた瞳孔位置の特定について具体的に説明する。図8は、カメラ11Aの構成を概略的に示している。カメラ11Aは、制御部12、ストロボ光照射装置13、光学系14、撮像素子15、画像メモリ16及び画像処理を行うコンピュータ20とデータ及び信号の授受を行うインターフェース17を含んで構成されるデジタルカメラである。
制御部12は、カメラ11Aの各部を制御するプログラム記憶部と、このプログラムを実行するCPUとを備えている。制御部12の制御としては、コンピュータ20からの指示に伴う光学系14の撮像倍率やピント合わせ等の制御、画像メモリ16に対する画像の保存や読出し等の制御を行う。
図9は、コンピュータ20の構成を模式的に示している。コンピュータ20は、モニター部21、入力デバイス22、プログラムに基づいて所定の演算処理や制御処理を行う中央制御部23及びカメラ11A(第1撮像装置)とデータ及び信号の授受を行うインターフェース24を含んで構成される。インターフェース24には、さらにカメラ11B及びカメラ11C(何れも第2撮像装置)とを接続しているが、これらのカメラについては後に説明する。
そして、中央制御部23は、撮像プログラム23a、瞳孔間距離測定プログラム23b、傾斜角度測定プログラム23c、内側装着角度測定プログラム23d及びキャリアレンズ測定プログラム23eと、これらプログラムを実行する中央演算処理装置CPUとを含んでいる。
瞳孔間距離の測定は、コンピュータ20がカメラ11Aを作動して行うが、このとき、中央制御部23は撮像プログラム23aを実行してカメラ11Aを制御し、フレーム1を着用した作業者の両眼にズームして、フレーム1の中心点O(図7)に焦点距離を合わせる。カメラ11Aはコンピュータ20からの指示により、光学系14が捉えて撮像素子15により電気信号に変換された画像信号をコンピュータ20に出力している。そして、コンピュータ20が、この画像をモニター部21に表示することで、双眼ルーペの製作者は、カメラ11Aが捉える画像の範囲や位置合わせ等の調整を入力デバイス22から指示することができ、コンピュータ20はこの調整指示の内容に従ってカメラ11Aによる撮影画像を調整する。
カメラ11Aは、双眼ルーペの製作者の指示の下でコンピュータ20から送られる撮像指令に応答して、ストロボ光照射装置13からストロボ光を照射させ撮影を行う。そして、カメラ11Aの撮像素子15は、光学系14からの撮影光を電気信号に変換して出力し、制御部12は、この画像データを画像メモリ16に保存する。
コンピュータ20の中央制御部23は、瞳孔間距離測定プログラム23bの実行することで、カメラ11Aの画像メモリ16に保存した画像データを読み出してモニター部21に表示する。ストロボ光にて撮影を行うと左右両眼の瞳孔が光を反射し、画像データの中でもこの部分の輝度は高くなる。
図7は、このときのモニター部21上の画面を表示している。中央制御部23は、フレームの中心点Oから左右側の予め設定された画像データの領域内において各画素を走査し、輝度が予め設定された閾値を超える領域を検出する。そして、この閾値を超えている領域が所定範囲の面積を有して、且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点p11、p12を求める演算処理を行うことで、作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定する。
このように中央制御部23が画像素子の輝度を演算により走査して、作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)左右の瞳孔位置を特定する以外にも、製作者がモニター部21の表示している画像から右の瞳孔位置p11及び左の瞳孔位置p12を入力デバイス22のマウス等によって直接ポイントアウトすることで、中央制御部23はポイントアウトされた位置を演算して、右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するようにしても良い。
(ルーペの下方装着角度の決定)
ルーペ2の下方装着角度は、中央制御部23が傾斜角度測定プログラム23cを実行することで決定される。この場合、中央制御部23は、カメラ11B及びカメラ11C(両者とも第2撮像装置)を制御して、作業者が再現する作業体勢を右側及び左側の両側から同時に撮影することで行う。カメラ11B、11Cの構成は、カメラ11Aと同様な構成なため説明を省略する。
ルーペ2の下方装着角度は、中央制御部23が傾斜角度測定プログラム23cを実行することで決定される。この場合、中央制御部23は、カメラ11B及びカメラ11C(両者とも第2撮像装置)を制御して、作業者が再現する作業体勢を右側及び左側の両側から同時に撮影することで行う。カメラ11B、11Cの構成は、カメラ11Aと同様な構成なため説明を省略する。
中央制御部23は、カメラ11Bの画像メモリ16に保存した左側から撮影の画像データを読み出すと、モニター部21には図10に示すような画像が表示される。双眼ルーペの製作者は、表示画面上でのフレーム蔓部6とフレーム1との左接続部分6のポイントp1と作業操作箇所のポイントp2との2点を入力デバイス22のマウス等にて直接ポイントアウトすることにより、画像上のポイントp1とポイントp2の間の距離とカメラ11Bの撮像倍率とから実際のこの距離を演算して表示する。この演算した距離が作業操作箇所Pから左キャリアレンズ5までの距離A(図6)となる。
同様に、製作者は、表示画面上での左キャリアレンズ5を通る鉛直線V1と水平方向で直交するポイントp3と作業操作箇所のポイントp2との2点をポイントアウトすることにより、中央制御部23は、画像上のポイントp2とポイントp3の間の距離と撮像倍率とから実際のこの距離を演算して表示する。この演算した距離が作業操作箇所Pから左キャリアレンズ5を通る鉛直線V1と水平方向で直交する水平方向距離B(図6)となる。
そして、製作者は、表示画面上で作業者の背骨を通る鉛直線V1に対する作業者の後頭部の傾斜線M1を画面上に描くことで、中央制御部23は、図4に示すフレーム1の前傾角度sを演算して表示する。
また、中央制御部23は、カメラ11Cの画像メモリ16に保存した画像データを読み出すと、モニター部21には図11に示すような画像が表示される。双眼ルーペの製作者が、表示画面上でのフレーム蔓部6とフレーム1との右接続部分6のポイントp4と作業操作箇所のポイントp5との2点を入力デバイス22のマウス等にて直接ポイントアウトすることにより、中央制御部23は、画像上のポイントp4とポイントp5とのポイント間の距離とカメラ11Cの撮像倍率とから実際のこの距離を演算して表示する。この演算した距離が作業操作箇所Pから右キャリアレンズ5までの距離A(図6)となる。
同様に、製作者は、表示画面上での右キャリアレンズ5を通る鉛直線V2と水平方向で直交するポイントp5と作業操作箇所のポイントp2との2点をポイントアウトすることで、画像上のポイントp2とポイントp5の間の距離と撮像倍率とから実際のこの距離を演算して表示する。この演算した距離が作業操作箇所Pから右キャリアレンズ5を通る鉛直線V1と水平方向で直交する水平方向距離B(図6)となる。
そして、製作者は、表示画面上で作業者の背骨を通る鉛直線V2に対する作業者の後頭部の傾斜線M2とを画面上に描くことで、中央制御部23は、作業者が掛けているフレーム1の前傾角度sを演算して表示する。
人の体は、身体の中心線から左半分と右半分とは完全には対称となっておらず、左右両側から作業体勢を撮影して、それぞれの画像から作業操作箇所Pからキャリアレンズ5までの距離Aと、作業操作箇所Pからキャリアレンズ5を通る鉛直線と水平方向で直交する水平方向距離Bと、をそれぞれ左右両眼で測定するのが望ましい。そして、フレーム1の前傾角度sについても、作業者によっては、より良く作業操作箇所Pを観察しようとして、一方の利き眼をより対象物に近づけるような頭の姿勢をとることがある。その場合は、フレーム1の前傾角度が左右で異なってくるために、フレーム1の前傾角度sについても、左右の撮影画像からそれぞれ求めるのが良い。
こうして、中央制御装置23は、作業体勢の左右両側の撮影画像から求めた作業操作箇所Pからキャリアレンズ5までの距離Aと、キャリアレンズ5を通る鉛直線に直交する水平方向距離Bと、作業者が掛けているフレーム1の前傾角度sとにより、左右のキャリアレンズ5の面に装着するルーペ2の下方装着角度r1、r2(図6)を決定する。
このとき、右側又は左側の何れか一方から撮影した画像にて測定した、作業操作箇所Pからキャリアレンズ5までの距離Aと、作業操作箇所Pからキャリアレンズ5を通る鉛直線と水平方向で直交する水平方向距離Bと、フレーム1の前傾角度sとから左右共通の下方装着角度r1、r2を求めても本発明の趣旨を逸脱するものではない。
さらに、作業者が掛けているフレーム1の前傾角度sについても、上記したように特に画面上から求めずに、座姿勢または立姿勢に応じて作業者の頭部の前傾角度は25度又は20度であるとされる統計結果をフレーム1の前傾角度sとするように傾斜角度測定プログラム23cを設定しても良いが、作業者によってはこの前傾角度とは著しく異なる場合がある。
また、カメラ11Aによる作業者の正面からの撮影と、カメラ11B及びカメラ11Cによる作業者の左右の両側面からの撮影とを同時に行えば、同じ作業体勢でのデータを測定することができ統一したデータを得ることができるが、それぞれ別々に撮影しても良い。別々に撮影すれば、一台又は二台のカメラで共用することができるが、それぞれの撮影時で作業者が再現する作業体勢に差が生じて測定データに統一性を欠くことになる。
作業操作箇所Pからキャリアレンズ5までの距離Aを測定する他の例としては、小型の測距センサーを利用して実測する方法もある。測距センサーは、赤外線を対象物に照射して対象物から反射されてくる赤外線の量を計測し、その反射光の強さを電圧で出力するものである。このセンサーをフレーム1のブリッジ(掛けたときに人の眉間と当たる中央部分)に取り付けて、フレーム1を着用した作業者が作業体勢を再現したとき、測距センサーからはフレーム1の中央から作業操作箇所Pまでの距離Aに応じた電圧が出力される。そして、コンピュータ20でこの信号値を演算処理することで距離Aの値を求めることができる。また、距離Aを測定するのに、赤外線以外にも、発射した超音波やレーザー光が被測定物で反射し、戻って来るまでの時間から、赤外線以外にもレーザーや音波を用いて測距する測距センサーも使用することができる。
(右眼及び左眼から作業操作箇所までの距離の測定)
左右のルーペ2をキャリアレンズ5に装着するときの内側装着角度p、qは、中央制御部23が内側装着角度測定プログラム23dを実行して行う。図12で示すように、作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から作業操作箇所Pまでの直線距離C、D及びフレーム1の中心点Oから作業操作箇所Pまでの距離Gに基づいて、左右のキャリアレンズ5に装着するルーペ2の各内側装着角度p、qが決定される。
左右のルーペ2をキャリアレンズ5に装着するときの内側装着角度p、qは、中央制御部23が内側装着角度測定プログラム23dを実行して行う。図12で示すように、作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から作業操作箇所Pまでの直線距離C、D及びフレーム1の中心点Oから作業操作箇所Pまでの距離Gに基づいて、左右のキャリアレンズ5に装着するルーペ2の各内側装着角度p、qが決定される。
中央制御部23は、作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を特定しており、また作業操作箇所Pからフレーム1の中心点Oまでの距離Gは中心点Oにピントを合わせていることから撮影の焦点距離から求まる。従って、中央制御部23は、距離Gと作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)とから作業操作箇所Pまでの直線距離C、Dを演算することで各内側装着角度p、qを算出する。
内側装着角度p、qについては、左右両眼の角膜頂点間距離D(図2)を考慮することで、より実用に即した双眼ルーペを製作することができる。角膜頂点間距離とは、図2で示されているように、フレーム1を着用した作業者の角膜とキャリアレンズ5の裏面との間の距離のことをいう。これを測定するには、左右両眼について、作業者が眼をつむった状態で瞼の表面とレンズの内側表面までの距離をそれぞれ実測することになるが、測定するための専用の計測具も存在している。図17は、角膜頂点間距離測定器40の構成を示しており、先端部を作業者の角膜とキャリアレンズ5の裏面との間に差し込み、操作部41を押圧することで角膜接触部42とレンズ接触部43とが鋏のように相反する方向に開放して角膜接触部42が角膜に当接し、レンズ接触部43がキャリアレンズ5の裏面と当接したとき、この間の開放距離を表す目盛部44の数値が角膜頂点間距離となる。
作業者がフレーム1を掛けたとき、作業者の視野は、この角膜頂点間距離Dに応じて狭くなるために、左右のルーペ2をキャリアレンズ5に取り付けるときの内側装着角度p、qは、角膜頂点間距離Dの寸法値に応じて小さくなるように補正するのが好ましい。
よって、中央制御部23が実行する内側装着角度測定プログラム23dは、入力デバイス22に角膜頂点間距離Dの値が入力されると、この値に応じて適正な内側装着角度p、qに補正するようにプログラムされている。これにより、中央制御部23は、左右両眼のルーペ2を、それぞれ作業操作箇所Pに臨むよう内側に向けてキャリアレンズ5に取り付ける際、視野角が確保される実用に適した内側装着角度p、qを提供する。
作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)から作業操作箇所Pまでの直線距離C、D及びフレーム1の中心点Oから作業操作箇所Pまでの距離Gの測定は、実測で計測して測定値を入力デバイス22に入力しても良い。この場合、中央制御部23は、入力デバイス22に入力された測定値に基づき内側装着角度p、qを演算し、次の角膜頂点間距離Dが入力されると、補正した内側装着角度p、qを演算して提供する。
実測する場合は、コンピュータ20が瞳孔間距離の測定で電子的に特定した作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)に対応して、左右のキャリアレンズ5に施したマーク(×印)までの距離を測定することで行う。実測はメジャーを用いて計測しても良いが、建築物測定の現場において広く用いられている図12に示すレーザー計測機18が利用できる。このときの測定手順としては、作業者の顔面をレーザーシールドした上で、レーザー計測機18をフレーム1の中心点Oを通る中心線L上の作業操作箇所Pに設置する、そして、この状態でレーザー計測機18の位置を変更することなく、レーザー照射口18Aが左又は右のキャリアレンズ5のマーキング箇所にレーザー光が当たるようにレーザー計測機18を左右に振ることで、各マーキング箇所までのそれぞれの距離C、Dを計測する。これにより、レーザー計測機18のディスプレイ部18Bには、それぞれの距離C、Dとともに中心線Lからの内側装着角度p、qの計測値が表示される。距離C、Dの計測には、このようなレーザー計測機18以外にも、前述した赤外線又は超音波による測距センサーを用いてもよい。
(レーザー計測機による下方装着角度の測定)
また、このようなレーザー計測機18は、前述したルーペ2の下方装着角度r1、r2の測定でも使用することができる。図6で、カメラ11をレーザー計測機18に置き換えて説明すると、このときレーザー計測機18は、図12に示す中心線Lに位置させて、レーザー照射口18Aをフレーム蔓部6とフレーム1との接続部分6に向けてレーザー光を照射することで、レーザー計測機18は距離Aと角度aとを測定してディスプレイ18Bに表示する。
また、このようなレーザー計測機18は、前述したルーペ2の下方装着角度r1、r2の測定でも使用することができる。図6で、カメラ11をレーザー計測機18に置き換えて説明すると、このときレーザー計測機18は、図12に示す中心線Lに位置させて、レーザー照射口18Aをフレーム蔓部6とフレーム1との接続部分6に向けてレーザー光を照射することで、レーザー計測機18は距離Aと角度aとを測定してディスプレイ18Bに表示する。
そして、検査者は、レーザー計測機18が測定した角度aと作業者が掛けているフレーム1の25度又は20度前傾角度とに基づいて、左右のルーペ2をキャリアレンズ5に取り付ける際の下方装着角度r1、r2を求めるものである。
(ルーペのキャリアレンズへの取り付け)
画像データから得た右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)の値と、求めた下方装着角度r1、r2及び内側装着角度p、qとからキャリアレンズ5にルーペ2を挿入する位置をNC加工機にプログラムし、挿入部分を切削加工してキャリアレンズ5の表面を刳り抜いて開口部を形成する。
画像データから得た右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)の値と、求めた下方装着角度r1、r2及び内側装着角度p、qとからキャリアレンズ5にルーペ2を挿入する位置をNC加工機にプログラムし、挿入部分を切削加工してキャリアレンズ5の表面を刳り抜いて開口部を形成する。
そして、開口部の形成後、ルーペ2を開口部からキャリアレンズ5に挿入し、レーザー位置決め機によって、下方装着角度r1、r2及び内側装着角度p、qの調整を行い取付部3によりルーペ2をキャリアレンズ5に固定する。取付部3は、ルーペ2を固定するアダプターと、キャリアレンズ5を挟んだ状態でこのアダプターを締め付けるリングとから成り、アダプターは、ルーペ2をキャリアレンズ5面に対して下方装着角度r1、r2及び内側装着角度p、qで保持して固定するように構成されている。また、ルーペ2をキャリアレンズ5に固定するには、ルーペ2を下方装着角度r1、r2及び内側装着角度p、qを維持した状態で開口部に嵌め込み接着材にて接着する方法がある。
(キャリアレンズの製作)
キャリアレンズ5は、作業者の近視や遠視などの視力を調整するレンズであり、遠近両用の二重焦点レンズでも良い。なお、視力の調整が必要のない作業者には、素通しのレンズが使用される。
キャリアレンズ5は、作業者の近視や遠視などの視力を調整するレンズであり、遠近両用の二重焦点レンズでも良い。なお、視力の調整が必要のない作業者には、素通しのレンズが使用される。
キャリアレンズ5は、ルーペ2が取り付けられる前に、すなわち、作業者がフレーム1を選択したときに製作される。このとき、作業者が視力の調整が必要な場合、作業者の顔面にストロボ光を当てることによりレンズの焦点距離を測定することができる。
この場合、中央制御部23は、撮像プログラム23aを実行してカメラ11Aを制御して、作業者の顔面にストロボ光を当てて撮影するのは、上記した瞳孔位置の特定のときと同じである。しかし、このとき作業者には、作業体勢ではなく自然体による立姿勢で作業操作箇所Pよりも上方遠方を見てもらい、フレーム1を着用した作業者の両眼にズームして、フレーム1の中心点Oに焦点距離を合わせる。そして、作業操作箇所Pにあるカメラ11Aは、コンピュータ20からの指示により、光学系14が捉えて撮像素子15により電気信号に変換された画像信号をコンピュータ20に出力する。コンピュータ20が、この画像をモニター部21の画面上に表示し、双眼ルーペの製作者は撮影画像の範囲や位置合わせ等の調整を入力デバイス22から指示することができ、コンピュータ20はこの調整指示の内容に従ってカメラ11Aを制御する。
そして、カメラ11Aは、コンピュータ20から送られる撮像指令に応答して、ストロボ光照射装置13からストロボ光を照射させて撮影を行う。そして、カメラ11Aの撮像素子15は、光学系14からの撮影光を電気信号に変換して出力し、制御部12は、この画像データを画像メモリ16に保存する。
コンピュータ20の中央制御部23は、キャリアレンズ測定プログラム23eの制御により、カメラ11Aの画像メモリ16に保存した画像データを読み出してモニター部21に表示する。前述したように、ストロボ光にて撮影を行うと左右両眼の瞳孔位置は周辺の部分と比べて輝度が高くなり、モニター部21は図13に示す画像を表示する。
よって、中央制御部23は、フレーム1の中心点Oから左右側の予め設定された画像データの領域内において各画素を走査し、輝度が予め設定された閾値を超える領域を検出する。そして、この閾値を超えている領域が所定範囲の面積を有して、且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点p13、p14を求める演算処理を行うことで、作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定する。
また別の方法として上記したように、製作者がモニター部21の表示している画像から右の瞳孔位置p13及び左の瞳孔位置p14を入力デバイス22のマウス等によって直接ポイントアウトすることで、中央制御部23は右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定することもできる。
そして、製作者は、作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)に視力調整用レンズの中心が合うように左右のキャリアレンズ5を加工する。こうした作業者の視力調整が可能なキャリアレンズ5を有した双眼ルーペを使用すれば、作業時には作業者はルーペ2を通して作業箇所における精密部分を拡大して凝視することができ、作業体勢を解除して自然体のときはキャリアレンズ5を通して矯正された視界を確保できるために、作業の準備や周囲の人との作業の調整時等において、その都度双眼ルーペを外して眼鏡に掛け替える手間がなくなる。
(ルーペの焦点調整部の構成)
また、ルーペ2には、作業者の視力に応じた焦点を調整する機能を付加することができる。図14は、焦点調整部4が取り付けられたルーペ2を装着した双眼ルーペ10を示すが、その他の構成とその説明は図1に示した双眼ルーペ10と同様である。焦点調整部4は、ルーペ2の作業距離に応じて焦点を微調整するための着脱可能な焦点調整用レンズユニットが組み込まれており、作業者の現在視力に適合させて、仕様が異なる複数のものから選択することができるようになっている。
また、ルーペ2には、作業者の視力に応じた焦点を調整する機能を付加することができる。図14は、焦点調整部4が取り付けられたルーペ2を装着した双眼ルーペ10を示すが、その他の構成とその説明は図1に示した双眼ルーペ10と同様である。焦点調整部4は、ルーペ2の作業距離に応じて焦点を微調整するための着脱可能な焦点調整用レンズユニットが組み込まれており、作業者の現在視力に適合させて、仕様が異なる複数のものから選択することができるようになっている。
図15及び図16は、ルーペ2に焦点調整部4を取り付ける例を示している。ここで、図15は、嵌め込み式のタイプの例を示し、図16は、磁気力により着脱可能に取り付けるタイプの例を示す。図15の嵌め込み式の場合、焦点調整部4には凹部30が設けられており、一方、ルーペ2の後部には凸部31が設けられており、この凹部30に凸部31を嵌め込むことにより、焦点調整部4をルーペ2の接眼部に装着できるようにしている。
この装着に際しては、位置合わせ線32が1本の直線となるようにすることで、焦点調整部4の正確な位置合わせを可能にしている。この位置合わせ用の位置合わせ線32を設けることにより、乱視等の場合に合わせてレンズユニット33の度数に方向性が存在する場合にも、焦点調整部4は正しい位置での装着が可能となる。また、上記とは逆の順序で、焦点調整部4をルーペ2から離脱できるようにしている。
なお、焦点調整部4の内径は、ルーペ2の後部外径よりも僅かに大きくなるように設定されており、かつ焦点調整部4の凹部30に向かう筐体部分には可撓性を持たせているので、焦点調整部4の凹部30に向かう筐体部分は、凸部31を押し下げながらルーペ2の方向に移動し、凹部30の位置が凸部31の位置にまで達すると、凹部30が凸部31を強固に嵌め込むように構成されている。
図16に示す磁気タイプの場合は、ルーペ2側に強磁性体の金属板33が設けられており、焦点調整部4側には、金属マグネット(又は磁気を帯びた金属粉を含有するプラスチックマグネット)34が設けられ、双方がストッパー35により位置決めされて磁気力により引き合うことにより、ルーペ2に焦点調整部4が着脱可能に取り付けられる。その他の構成とその説明は図16に示した嵌め込みのタイプと同様である。焦点調整部4のルーペ2への取り付け方には他にも種々考えられる。また、焦点調整部4は、ルーペ2の後端である接眼部に取り付けるとは限らず、先端側に取り付けるものであっても良い。
さらに、ルーペ2には、作業対象の像をレンズ群で拡大するための光学系である倍率調整用のレンズユニット36が組み込まれている。レンズユニット36は、例えば、拡大倍率が3.3乃至4.8倍用のものが使用されるが、所定の範囲で可変可能なズーム機能を有する光学系も使用できる。
他の実施例として、下方装着角度を求める場合に角速度センサーを利用する方法について説明する。角速度センサーとしては、例えば、ジャイロセンサーが用いられてフレーム1に取り付ける。そして、このフレーム1を着用した作業者が作業体勢を再現したとき、ジャイロセンサーはフレーム1の傾き角に応じた電圧を出力する。コンピュータ20は、ジャイロセンサーからの出力信号の値を演算処理して下方装着角度を求める。この場合、演算処理により求めた下方装着角度は左右共通となるが、角速度センサーを用いることにより距離A及び距離Bを測定する必要がなくなる。
そして、実施例1と同様の方法で求めた右瞳孔位置及び左瞳孔位置と、前記内側装着角度p、qとに基づいて左右のキャリアレンズ5の面に開口を形成してルーペ2を挿入して固定する。
本発明は、医療手術や精密作業の際に使用される双眼ルーペであって、作業者個々の特徴に応じた左右両眼の瞳孔位置や作業体勢に適合する双眼ルーペの製作方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1 フレーム
2 ルーペ
3 取付部
5 キャリアレンズ
10 双眼ルーペ
11A カメラ(第1撮像装置)
11B カメラ(第2撮像装置)
11C カメラ(第2撮像装置)
13 ストロボ光照射装置
18 レーザー計測機
P 作業操作箇所
p、q 左右ルーペの内側装着角度
r1、r2 左右ルーペの下方装着角度
2 ルーペ
3 取付部
5 キャリアレンズ
10 双眼ルーペ
11A カメラ(第1撮像装置)
11B カメラ(第2撮像装置)
11C カメラ(第2撮像装置)
13 ストロボ光照射装置
18 レーザー計測機
P 作業操作箇所
p、q 左右ルーペの内側装着角度
r1、r2 左右ルーペの下方装着角度
Claims (30)
- 作業者に応じて選択されたフレームに装着したキャリアレンズにルーペを取り付ける双眼ルーペの製作方法であって、
(a)前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者が前記双眼ルーペを使用するときの作業体勢で下方の作業操作箇所を凝視している状態で前記作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、
(b)前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された第1撮像装置によって撮影するステップと、
(c)前記作業者の前記作業体勢を当該作業者の右側及び左側の何れか一方又は両側から所定距離離れた位置に配置された第2撮像装置によって前記作業者の側面姿勢画像データを得るステップと、
(d)前記第1撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、
(e)前記側面姿勢画像データから、前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離A及び前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bを測定し、測定された距離A及び距離Bに基づいて左右の前記キャリアレンズ面に装着する各ルーペの下方装着角度r1、r2を決定するステップと、
(f)前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gに基づいて、前記左右のキャリアレンズ面に装着する前記ルーペの各内側装着角度p、qを決定するステップと、
(g)前記右瞳孔位置及び左瞳孔位置と、前記下方装着角度r1、r2と、前記内側装着角度p、qとに基づいて前記左右のキャリアレンズ面に開口を形成し、前記開口に前記左右のルーペを挿入して固定するステップと、
の各ステップを有することを特徴とする双眼ルーペの製作方法。 - 前記キャリアレンズは、前記作業者の視力調整用レンズである請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記作業者が前記作業体勢を解除し前記作業操作箇所よりも上方遠方を見る時の立姿勢において、
前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者による前記双眼ルーペを使用する前記立姿勢時における作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、
前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された前記第1撮像装置によって撮影するステップと、
前記第1撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップと、
前記作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)に前記視力調整用レンズの中心が配置されるステップと、
の各ステップを有し、これにより前記キャリアレンズを製作することを含む請求項2に記載の双眼ルーペの製作方法。 - 前記ルーペは、前記作業操作箇所を拡大する固定倍率又は倍率を所定の範囲で可変可能なズーム機能を有する請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記第1撮像装置は、ストロボ光照射装置を備え、画像データをメモリ内に電子的に格納するデジタルカメラである請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(c)は、前記ステップ(a)における前記ストロボ光照射と同期するタイミングで前記作業者の側面姿勢画像データを得ることを特徴とする請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(d)における前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップは、前記正面画像データにおいて前記フレームの中心点から左右側の予め設定された領域内において輝度が予め設定された閾値を超える所定範囲の面積を有し且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点を求めることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記第2撮像装置は、前記作業者の側面姿勢の画像データをメモリ内に電子的に格納するデジタルカメラであって、
前記ステップ(e)において測定する前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離A及び前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bは、当該第2撮像装置の撮像倍率及び前記作業者との距離に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。 - 前記ステップ(f)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、前記作業操作箇所に配置される非接触の距離測定装置により行われることを特徴とする請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(f)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、レーザー計測機により行われることを特徴とする請求項9に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(f)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、赤外線による測距センサーにより行われることを特徴とする請求項9に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(f)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、超音波による測距センサーにより行われることを特徴とする請求項9に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(e)における前記ルーペの下方装着角度r1、r2は、前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離A及び前記作業操作箇所から前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bと、さらに前記フレームの下向きの前傾角度sとに基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(f)において、前記内側装着角度p、qは、前記作業者の角膜と前記キャリアレンズの裏面との間の角膜頂点間距離が長くなるほど小さく設定されることを特徴とする請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(g)における前記左右のルーペを装着するための開口の形成は、NC加工機により切削加工して行われることを特徴とする請求項1に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(g)において前記左右のキャリアレンズに形成された前記開口に前記左右のルーペを取り付ける際、レーザー位置決め機にて前記下方装着角度r1、r2及び前記内側装着角度p、qで位置決めし、前記左右のルーペと前記左右のキャリアレンズとをこの状態で挿入して固定することを特徴とする請求項15に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 作業者に応じて選択されたフレームに装着したキャリアレンズにルーペを取り付ける双眼ルーペの製作方法であって、
(a)前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者が前記双眼ルーペを使用するときの作業体勢で下方の作業操作箇所を凝視している状態で前記作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、
(b)前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された撮像装置によって撮影するステップと、
(c)前記撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、
(d)前記フレームに取り付けられた角速度センサーの前記作業体勢時における出力に基づいて前記キャリアレンズ面に装着する各ルーペの下方装着角度を決定するステップと、
(e)前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gに基づいて、前記左右のキャリアレンズ面に装着する前記ルーペの各内側装着角度p、qを決定するステップと、
(f)前記右瞳孔位置及び左瞳孔位置と、前記下方装着角度と、前記内側装着角度p、qとに基づいて前記左右のキャリアレンズ面に開口を形成し、前記開口に前記左右のルーペを挿入して固定するステップと、
の各ステップを有することを特徴とする双眼ルーペの製作方法。 - 前記キャリアレンズは、前記作業者の視力調整用レンズである請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記作業者が前記作業体勢を解除し前記作業操作箇所よりも上方遠方を見る時の立姿勢において、
前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者による前記双眼ルーペを使用する前記立姿勢時における作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、
前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された前記撮像装置によって撮影するステップと、
前記撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)を電子的に特定するステップと、
前記作業者の右瞳孔位置(X3、Y3)及び左瞳孔位置(X4、Y4)に前記視力調整用レンズの中心が配置されるステップと、
の各ステップを有し、これにより前記キャリアレンズを製作することを含む請求項18に記載の双眼ルーペの製作方法。 - 前記ルーペは、前記作業操作箇所を拡大する固定倍率又は倍率を所定の範囲で可変可能なズーム機能を有する請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記撮像装置は、ストロボ光照射装置を備え、画像データをメモリ内に電子的に格納するデジタルカメラである請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(c)における前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップは、前記正面画像データにおいて前記フレームの中心点から左右側の予め設定された領域内において輝度が予め設定された閾値を超える所定範囲の面積を有し且つその周辺領域よりも所定倍数以上の輝度を有する箇所の中心点を求めることにより行われることを特徴とする請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(e)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、前記作業操作箇所に配置される非接触の距離測定装置により行われることを特徴とする請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(e)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、赤外線による測距センサーにより行われることを特徴とする請求項23に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(e)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、超音波による測距センサーにより行われることを特徴とする請求項23に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(e)における前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gの測定は、レーザー計測機により行われることを特徴とする請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(e)において、前記内側装着角度p、qは、前記作業者の角膜と前記キャリアレンズの裏面との間の角膜頂点間距離が長くなるほど小さく設定されることを特徴とする請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(f)における前記左右のルーペを装着するための各開口の形成は、NC加工機により切削加工して行われることを特徴とする請求項17に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 前記ステップ(f)における前記左右のキャリアレンズに形成された前記開口に前記左右のルーペを取り付ける際、レーザー位置決め機にて前記下方装着角度及び前記内側装着角度p、qで位置決めし、前記左右のルーペと前記左右のキャリアレンズとをこの状態で接着して固定することを特徴とする請求項28に記載の双眼ルーペの製作方法。
- 作業者に応じて選択されたフレームに装着したキャリアレンズにルーペを取り付ける双眼ルーペの製作方法であって、
(a)前記キャリアレンズを装着したフレームを着用した作業者が前記双眼ルーペを使用するときの作業体勢で下方の作業操作箇所を凝視している状態で前記作業操作箇所からストロボ光を照射するステップと、
(b)前記作業者の瞳孔からの前記ストロボ光の反射光を前記作業操作箇所に配置された第1撮像装置によって撮影するステップと、
(c)前記作業者の前記作業体勢を当該作業者の右側及び左側の何れか一方又は両側から所定距離離れた位置に配置された第2撮像装置によって前記作業者の側面姿勢画像データを得るステップと、
(d)前記第1撮像装置による正面画像データに基づいて、前記フレームの中心点からの前記作業者の右瞳孔位置(X1、Y1)及び左瞳孔位置(X2、Y2)を電子的に特定するステップと、
(e)前記フレームに取り付けた測距センサーにより測定した前記作業体勢時における前記作業操作箇所から前記キャリアレンズまでの距離Aを測定すると共に、前記側面姿勢画像データから前記キャリアレンズを通る鉛直線に直交する水平方向距離Bを測定し、測定された前記距離A及び前記距離Bに基づいて左右の前記キャリアレンズ面に装着する各前記ルーペの下方装着角度r1、r2を決定するステップと、
(f)前記作業者の右瞳孔位置及び左瞳孔位置から前記作業操作箇所までの直線距離C、D及び前記フレームの中心点から前記作業操作箇所までの距離Gに基づいて、前記左右のキャリアレンズ面に装着する前記ルーペの各内側装着角度p、qを決定するステップと、
(g)前記右瞳孔位置及び左瞳孔位置と、前記下方装着角度r1、r2と、前記内側装着角度p、qとに基づいて前記左右のキャリアレンズ面に開口を形成し、前記開口に前記左右のルーペを挿入して固定するステップと、
の各ステップを有することを特徴とする双眼ルーペの製作方法。
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