JP2011033677A - 眼球下転量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装用者の個々に応じて眼球下転量を正確に求めることができる眼球下転量測定装置を提供すること。
【解決手段】装用者の遠用アイポイントFPに対応する正面視線LFの位置と近用アイポイントNPに対応する下方視線LNの位置とを検出する視線位置検出手段3と、この視線位置検出手段3で検出された遠用アイポイントFPの位置と近用アイポイントNPの位置との間の距離を演算する演算手段5とを備える。眼球下転量Indihを測定するにあたり、装用者が眼鏡をかけた状態であるので、装用者の姿勢にかかわらず、遠用アイポイントFPと近用アイポイントNPとをそれぞれ正確に検出することができ、眼球下転量Indihを正確かつ簡単にしかも低いコストで測定することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、眼鏡レンズにおける眼球下転量測定装置に関する。
眼鏡レンズには単焦点眼鏡レンズの他に累進屈折力眼鏡レンズがある。この累進屈折力レンズは、遠方視に対応する屈折力(度数)を持つ遠用部領域と近方視に対応する屈折力を持つ近用部領域とを備えた非球面レンズである。遠用部領域はレンズの上方位置に設定され、近用部領域はレンズの下方位置に設定され、これら両領域の間で屈折力が累進的に変化する累進帯を備えている。これらの領域には境目がなく1枚のレンズで遠くのものから近くのものまで見ることができる。遠用部領域、近用部領域および累進帯は、個々の使用目的(遠近重視、中近重視、近々重視、フルタイム使用、パートタイム使用、静的使用、動的使用など)に合わせて調整を行う必要がある(光学的フィッティング)。光学的フィッティングの中でも、累進屈折力レンズにおいては眼球下転量が重要である。眼球下転量とは、眼鏡装着者が水平視した状態でのレンズ上の視線位置を遠用アイポイント(FP)とし、近用視線の状態でのレンズ上の視線位置を近用アイポイント(NP)としたとき、遠用アイポイントから近用アイポイントまで眼球を下転させる距離である。
このような眼鏡レンズを設計するにあたり、眼球運動測定装置からの情報を得て眼鏡をかけた状態での個人の眼球運動経路をソフトウェアで分析することにより、1つ以上のアイポイント又は平均的な領域を特定し、その情報を元に標準レンズを個々人の眼に合わせて修正した眼鏡レンズをカスタム設計する従来例がある(特許文献1)。この特許文献1の従来例では、アイポイントを測定するために眼球運動測定装置が用いられている。
また、頭追跡システムと、装用者の動作統計モデルの統計分析結果から引き出される値を使用し、装用者の個々の視覚動作パターンを判定し、フレーム選択指導や、公知の複数のレンズから最適なレンズデザインを奨励する従来例(特許文献2)がある。
特表2008−521027号公報 特表2003−523244号公報
特許文献1の従来例では、眼球運動測定装置を用いるので、装置全体が高価なものとなる。遠用アイポイントや近用アイポイントの決定に際しては、頭及び眼球運動だけでなく、眼鏡を装着している人(装用者)の姿勢もかかわってくるので、頭と眼球運動だけで決定する特許文献1では正確な測定値を得ることができない。
特許文献2の従来例では、特許文献1と同様に、頭追跡システムを用いているので、装置全体が高価なものになるだけでなく、装用者の姿勢によっては正確な測定を行うことができない。
本発明の目的は、装用者の個々に応じて眼球下転量を正確に求めることができる眼球下転量測定装置を提供することにある。
本発明の眼球下転量測定装置は、装着者が実際に装着するとともに上辺部と下辺部とを有するフレームに装着される眼鏡レンズの遠用アイポイントから近用アイポイントまでの長さを測定する装置であって、装用者の前記遠用アイポイントに対応する視線の位置と前記近用アイポイントに対応する視線の位置とを検出する視線位置検出手段と、この視線位置検出手段で検出された前記遠用アイポイントの位置と前記近用アイポイントの位置との間の距離を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする。
この構成の本発明では、眼鏡をかけた状態で視線位置検出手段によって、眼の視線の位置が異なる近用アイポイントと遠用アイポイントとをそれぞれ検出し、これらのアイポイントの位置に基づいて前記遠用アイポイントの位置と前記近用アイポイントの位置との間の距離である眼球下転量を演算手段で演算する。
そのため、本発明では、装用者の姿勢にかかわらず、遠用アイポイントと近用アイポイントとをそれぞれ検出するので、眼球下転量を正確かつ簡単に測定することが可能となる。しかも、従来例のような高額な眼球運動測定装置やこの装置で出力された情報から眼球運動経路を分析する高額なソフトウェアが不要とされるので、安価に装置を提供することができる。
本発明では、前記視線位置検出手段は、装用者の眼球に光を照射する光照射手段と、この光照射手段で照射した光が装用者の眼球で反射された反射光を含む正面画像を撮像する正面撮像手段と、これらの光照射手段と正面撮像手段とを眼球の周囲に沿って移動させる移動機構とを備えた構成が好ましい。
この構成の本発明では、光照射手段で照射された光を眼球で反射させて正面撮像手段で撮像することで、正確な遠用アイポイントと近用アイポイントの位置を求めることができる。
前記演算手段は、フレームの前傾角θと、眼球中心と前記近用アイポイントとを結ぶ下方視線と眼鏡レンズの眼球側平面とのなす角度βと、前記眼球中心と前記遠用アイポイントとを結ぶ正面視線と前記眼鏡レンズの眼球側平面とのなす角度γと、前記眼鏡レンズの眼球側平面と前記フレームの眼鏡側面の下端の位置から前記下方視線におろした法線とのなす角度δと、前記下端の位置と前記正面視線との間の距離Kと、前記下端の位置から前記下方視線におろした法線の距離Mとから、前記フレームの眼鏡側面の下端から前記近用アイポイントまでの近用アイポイントの長さNを、
N=M/COSδ (1)
δ=180°−(β+90°) (2)
β=180°−(α+γ) (3)
γ=180°−(90°+θ) (4)
の式から演算する構成が好ましい。
この構成の本発明では、(1)から(4)の式に基づいて、眼鏡レンズの厚みにかかわらず、近用アイポイントの長さNを正確に求めることができる。
前記正面撮像手段は、装用者の眼球の網膜で反射された反射光を受光する構成が好ましい。
この構成の本発明では、網膜で反射された反射光は瞳孔を通じて広い面積の検出光として確実に検出することができる。
前記正面撮像手段は、装用者の眼球の角膜で反射された反射光を受光する構成が好ましい。
この構成の本発明では、角膜で反射された反射光は狭い面積であるので、精度のよい位置検出を行うことができる。
前記眼鏡レンズが設けられたフレームの前傾角を測定する前傾角測定手段を備える構成が好ましい。
この構成の本発明では、前傾角を装用者が眼鏡を装用した状態で計測できるので、装用状態にかかわらず、正確な前傾角を求めることができる。
本発明の第1実施形態にかかる眼球下転量測定装置で測定される眼鏡レンズの概略図。 (A)(B)は第1実施形態にかかる眼球下転量測定装置の概略構成図。 (A)〜(C)は眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段で撮像した画像の概略図。 (A)〜(C)は眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段で撮像した画像の概略図。 前傾角測定手段で撮像された画像の概略図。 遠用アイポイントの長さを求めるための概略図。 近用アイポイントの長さを求めるための概略図。 (A)(B)は第2実施形態にかかる眼球下転量測定装置の概略構成図。 (A)〜(C)は眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段で撮像した画像の概略図。 (A)〜(C)は眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段で撮像した画像の概略図。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、眼鏡レンズとして累進屈折力レンズを使用する。また、本実施形態では、眼鏡を装着した場合の鉛直方向を上下方向、眼鏡を装着した場合の水平方向を左右方向として説明する。
[眼鏡レンズ]
図1に示すように、眼鏡レンズ10は、上方に位置する遠用部領域11と、下方に位置する近用部領域12と、これら遠用部領域11と近用部領域12との間に位置する累進帯13と、累進帯13の側方に隣接した側方領域14と、を有している。
遠用部領域11は、遠方視するのに適した相対的にプラス度数の低い平均度数を備えている。特に、装着者が正面視をした場合に瞳中心を通る水平線(つまり視線)が通過する位置を遠用アイポイントFPとする。
近用部領域12は、近方視(例えば、読書)するのに適した相対的にプラス度数の高い平均度数を備えている。特に、装着者が近方視(下方視)した場合の視線が通過する位置を近用アイポイントNPとする。
累進帯13は、遠用部領域11と近用部領域12との間で相対的なプラスの平均加入度数が累進的に変化する領域である。遠用アイポイントFPを通過して左右方向に延びる直線を遠用アイポイントラインFLとする。近用アイポイントNPを通過して左右方向に延びる直線を近用アイポイントラインNLとする。遠用アイポイントラインFLと近用アイポイントラインNL間の距離(長さ)は眼球下転量Indihであり、この眼球下転量Indihが本実施形態の測定対象である。
遠用部領域11と累進帯13との境界線から遠用アイポイントFPまでが遠用アイポイント高さFhである。遠用部領域11と累進帯13との境界線と、累進帯13と近用部領域12との境界線との間の長さ(距離)が累進帯長SPhである。
側方領域14は、非点収差領域と呼ばれるエリアである。側方領域14を通して見ると物が二重に見えたりするため、通常、装着者は側方領域14を通して物を見ない。
眼鏡レンズ10は、このような累進屈折力レンズを成形加工することにより得られ、得られた眼鏡レンズ10はフレーム20に装着されて眼鏡となる。
フレーム20は、眼鏡レンズ10を装着して枠状に取り囲むフレーム枠21と、左右のフレーム枠21を連結するブリッジ22と、フレーム枠21からヒンジを介して回動可能に取り付けられたテンプル23(図5参照)とを備えている。フレーム枠21は上辺部21Uと下辺部21Dと側辺部21Sとを有する。これらの上辺部21Uと下辺部21Dとの間の距離が眼鏡レンズの玉型高さBhであり、遠用アイポイントFPからフレームの上辺部までの距離が上部フレーム高さOhである。フレーム枠21の下辺部21Dから近用アイポイントNPまでの距離が下部フレーム高さUhである。
[第1実施形態]
第1実施形態にかかる眼球下転量測定装置を図2から図7に基づいて説明する。
図2(A)(B)は第1実施形態にかかる眼球下転量測定装置の概略構成図である。
図2(A)(B)において、眼球下転量測定装置1は、装用者の視線の位置を検出する視線位置検出手段3と、眼鏡レンズ10が設けられたフレームの前傾角θを測定する前傾角測定手段4と、これらの視線位置検出手段3及び前傾角測定手段4からの出力に基づいて眼球下転量Indihを演算する演算手段5とを備えている。
視線位置検出手段3は、装用者の遠用アイポイントFPに対応する視線の位置と近用アイポイントNPに対応する視線の位置とを検出するものであり、装用者の眼球Eに光を照射する光照射手段31と、この光照射手段31で照射した光が装用者の眼球Eで反射された反射光を含む正面画像を撮像する正面撮像手段32と、これらの光照射手段31と正面撮像手段32を移動する移動機構33とを有する。光照射手段31と正面撮像手段32とは共通のケーシング30に設けられており、このケーシング30は眼球Eの中心を回転中心として回動する移動機構33に連結される。
光照射手段31は近赤外線LEDから構成される。
正面撮像手段32は、装用者の眼球Eの網膜で反射し瞳孔を通った反射光をカメラで撮像し、この撮像したデータに基づいて画像処理部で網膜反射による瞳孔の位置を検出する構成である。
図2(A)は遠用アイポイントの位置を撮像する状態が示されている。図2(A)において、装用者が正面を向いて正面視線LFが遠用アイポイントFPを通った際に、正面撮像手段32で瞳孔の位置を検出する。
画像処理部は、瞳孔の位置を検出するために、画像のうち瞳孔の部分を楕円と仮定し、楕円に内接する平行四辺形の成立条件により楕円中心を算出し、楕円中心を通る直線と交わる輪郭点の関係から輪郭点の除去を行い、除去後の楕円パラメータを最小二乗法から求める。
つまり、瞳孔の位置を検出する方法は、図3に示される通りである。図3は眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段32で撮像した画像32Aの概略図である。この画像32Aは後述する演算手段5の表示部に表示される。
図3において、画像32Aには眼鏡レンズ10とともに装用者の眼球Eが示されており、この眼球Eの画像32Aの右上には角度表示部32Bが設けられている。この角度表示部32Bは正面撮像手段32の装用者の眼球Eを中心とした鉛直面内の角度を[°]で示す表示部である。図3では、装用者が正面を向いている(水平方向を見ている)状態であるため、角度は0°とされる。
図3(A)に示される通り、まず、光照射手段31を使用せず正面撮像手段32で装用者の画像を撮像する。図3(A)では、通常のカメラでの撮像画像と同じ画像が示されることから、眼球Eの瞳孔部分ECが黒く撮像される。そして、この状態で、光照射手段31から光を眼球Eに向けて照射すると、図3(B)に示される通り、正面撮像手段32で撮像された画像では、瞳孔部分ECの色が変わる。具体的には、いわゆる赤目と称されるように黒から赤に瞳孔部分ECの色が変わる。そして、図3(C)に示される通り、図3(B)の画像から図3(A)の画像を除去して、瞳孔部分ECのみの画像を残す。そして、前述の方法に従って、瞳孔部分ECの位置を検出する。
図2(B)は近用アイポイントの位置を撮像する状態を示す概略図である。図2(B)において、装用者が下方を向いて視線が近用アイポイントを通った際に、正面撮像手段32で瞳孔の位置を検出する。
図4は、装用者の視線が近用アイポイントを通った際に、眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段32で撮像した画像32Aの概略図である。図4は装用者が下を向いた状態であるので、図3に比べて装用者の眼が扁平に撮像される。
図4において、画像32Aには眼鏡レンズ10とともに装用者の眼球Eが示されている。画像32Aの右上には角度表示部32Bが設けられている。図4では、装用者の視線が近用アイポイントに向けている(斜め下方を見ている)状態であるため、角度は0°より大きい、図4では30°と表示されている。
図4(A)に示される通り、まず、光照射手段31を使用せず正面撮像手段32で装用者の画像を撮像する。図4(A)では、眼球Eの瞳孔部分ECが黒く撮像される。この状態で、光照射手段31から光を眼球Eに向けて照射すると、図4(B)に示される通り、正面撮像手段32で撮像された画像では、瞳孔部分ECの色が変化(赤)して撮像される。そして、図4(C)に示される通り、図4(B)の画像から図4(A)の画像を除去して、瞳孔部分ECのみの画像を残す。そして、前述の方法に従って、瞳孔部分ECの位置を検出する。
図2において、移動機構33は、円弧状のドーム33Aと、このドーム33Aに沿って光照射手段31と正面撮像手段32とが設けられたケーシング30を駆動する駆動部(図示せず)とを備える。この駆動部はモータ、歯車機構、チェーン等の適宜な構成を有する。
前傾角測定手段4は、眼鏡レンズ10が設けられた眼鏡を装着した装用者の側面を撮像するカメラと、このカメラで撮像された画像に基づいてフレーム20の前傾角θを求める画像処理部とを備える。
前傾角測定手段4で撮像された画像が図5に示されている。図5には、装用者が水平方向を向いた状態が撮像されているが、この装用者のフレーム20のテンプル23の位置やフレーム枠21の位置等の画像に基づいて画像処理部が前傾角θを算出する。この画像処理部で算出された前傾角θのデータは演算手段5に送られる。なお、本実施形態では、画像処理部を省略し、カメラで撮像された画面から作業員が前傾角θを直接求め、この数値を演算手段5に別途入力するものでもよい。
図2において、演算手段5は、キーボード等の外部入力部と、ディスプレー部と、演算部とを有するパソコンであり、正面撮像手段32と前傾角測定手段4とのそれぞれ出力された情報やその他の情報に基づいて眼球下転量Indihを演算するものである。
眼球下転量Indihは遠用アイポイントラインFLと近用アイポイントラインNL間の距離(長さ)である。
図6には遠用アイポイントの長さを求めるための概略図、図7には近用アイポイントの長さを求めるための概略図が示されている。
図6及び図7に示される通り、前傾角測定手段4から入力される前傾角θ、正面撮像手段32で求められた眼球中心と遠用アイポイントFPとを結ぶ正面視線LF、眼球中心と近用アイポイントNPとを結ぶ下方視線LN、正面視線LFと下方視線LNとのなす角度の眼球下転角度α、下方視線LNと眼鏡レンズの眼球側平面OLとのなす角度β、眼鏡レンズの眼球側平面OLと正面視線LFとのなす角度γ、眼鏡レンズの眼球側平面OLと下端20Pの位置から下方視線LNにおろした法線VLとのなす角度δ、フレーム20の眼鏡側面の下端20Pの位置と正面視線LFとの間の距離K、眼鏡側面の下端20Pの位置から下方視線LNにおろした法線VLの距離Mから、フレーム20の下端20Pから近用アイポイントNPまでの近用アイポイントの長さNは次の(1)〜(4)の式から求められる。なお、距離Kは眼鏡レンズ10の遠用アイポイントFPと下端20Pとのみかけ上の長さでもあり、距離Mは眼鏡レンズ10の近用アイポイントNPと下端20Pとのみかけ上の長さでもある。
N=M/COSδ (1)
δ=180°−(β+90°) (2)
β=180°−(α+γ) (3)
γ=180°−(90°+θ) (4)
また、フレーム20の眼鏡側面の下端20Pから遠用アイポイントFPまでの遠用アイポイントの長さLは次の(5)の式から求められる。
L=K/COSθ (5)
さらに、眼球下転量Indihは遠用アイポイントFPと近用アイポイントNPとの間の距離であるので、眼球下転量Indihは次の式(6)から求められる。
Indih=L−N (6)
本実施形態では、以上の式を演算部のメモリーに記録させておく。
なお、フレーム20の眼鏡側面の下端20Pの位置と正面視線LFとの間の距離Kは正面撮像手段32で正面視線LFを中心で受光する位置から下端20Pを中心で受光する位置まで移動させた場合の移動距離として求めることができる。同様に、下端20Pの位置と下方視線LNとの間の距離Mは正面撮像手段32で下方視線LNを中心で受光する位置から下端20Pを中心で受光する位置まで移動させた場合の移動距離として求めることができる。正面撮像手段32の移動軌跡は円弧上であるが、移動距離が眼球と正面撮像手段32との間の距離に比べて短いので、平行移動と近似することができる。
以上の構成の第1実施形態において、眼球下転量Indihを求める方法について説明する。まず、装用者が検査対象となる眼鏡レンズ10の眼鏡をかけ、前傾角測定手段4で前傾角θを測定する。
そして、自然な状態で、装用者に遠くをみるように正面に視線を向けてもらう。正面撮像手段32を装用者の正面に対向するように位置させ、移動機構33で移動させつつ装用者の正面を撮像する。装用者が正面を向いており、装用者の視線に一致すると思われる位置に正面撮像手段32を配置し、撮像を開始する。まず、図3(A)に示される通り、光照射手段31を使用せず正面撮像手段32で装用者の画像を撮像し、光照射手段31から光を装用者の眼球Eに向けて照射する。図3(B)に示される通り、正面撮像手段32で撮像された画像の瞳孔部分が赤となっている場合にはその位置が遠用アイポイントFPであり、その角度が正面撮像手段32に記憶される。瞳孔部分が赤になっていない場合には、正面撮像手段32をすこしずつ移動して遠用アイポイントFPの位置を求める。その後、眼鏡レンズ10の下端20Pの位置が正面の位置となるまで正面撮像手段32を下方にゆっくり移動させ、その位置を求め、眼鏡レンズ10の遠用アイポイントFPと下端20Pとの間のみかけ上の長さKを測定する。
その後、自然な状態で、装用者に近くをみるように下方に視線を向けてもらう。この下方の視線に対応すると推測される位置まで正面撮像手段32を移動機構33で移動させ、装用者を撮像する。まず、図4(A)に示される通り、光照射手段31を使用せず正面撮像手段32で装用者の画像を撮像し、光照射手段31から光を装用者の眼球Eに向けて照射する。図4(B)に示される通り、正面撮像手段32で撮像された画像の瞳孔部分が赤となっている場合にはその位置が近用アイポイントNPであり、正面視線と下方視線とのなす角度αが眼球下転角である。瞳孔部分が赤になっていない場合には、正面撮像手段32をすこしずつ移動して近用アイポイントNPの位置を求める。その後、眼鏡レンズ10の下端20Pの位置が正面の位置となるまで正面撮像手段32を下方にゆっくり移動させ、その位置を求め、眼鏡レンズ10の近用アイポイントNPと下端20Pとの間のみかけ上の長さMを測定する。
以上の工程で測定されたデータは演算手段5に出力され、この演算手段5では、前述の式(1)〜(6)に基づいて眼球下転量Indihが算出される。
従って、第1実施形態では次の作用効果を奏することができる。
(a)装用者の遠用アイポイントFPに対応する正面視線LFの位置と近用アイポイントNPに対応する下方視線LNの位置とを検出する視線位置検出手段3と、この視線位置検出手段3で検出された遠用アイポイントFPの位置と近用アイポイントNPの位置との間の距離を演算する演算手段5とを備えて眼球下転量測定装置1を構成した。眼球下転量Indihを測定するにあたり、装用者が眼鏡をかけた状態であるので、装用者の姿勢にかかわらず、遠用アイポイントFPと近用アイポイントNPとをそれぞれ正確に検出することができ、眼球下転量Indihを正確かつ簡単にしかも低いコストで測定することができる。
(b)視線位置検出手段3は、装用者の眼球Eに光を照射する光照射手段31と、この光照射手段31で照射した光が装用者の眼球Eで反射された反射光を含む正面画像を撮像する正面撮像手段32と、光照射手段31と正面撮像手段32とを眼球Eの周囲に沿って移動させる移動機構33とを備えている。そのため、光照射手段31で装用者の眼球Eに光を照射し、眼球Eからの反射光を検出することで正確な遠用アイポイントFPの位置と近用アイポイントNPの位置とを求めることができる。
(c)演算手段5は、前傾角θと、下方視線LNと眼鏡レンズ10の眼球側平面OLとのなす角度βと、眼鏡レンズ10の眼球側平面OLと正面視線LFとのなす角度γと、眼鏡レンズ10の眼球側平面OLとフレーム20の眼鏡側面の下端20Pの位置から下方視線LNにおろした法線VLとのなす角度δと、下端20Pの位置から下方視線LNにおろした法線VLの距離Mとに基づいて近用アイポイントの長さNを前述の(1)〜(4)の式から演算する構成とした。そのため、(1)〜(4)の式を演算手段5のメモリーに予め登録しておくことで、近用アイポイントの長さNを眼鏡レンズ10の厚さにかかわらず、簡単かつ正確に算出することができる。
(d)演算手段5は、前傾角θと、フレームの下端20Pの位置と正面視線LFとの間の距離Kとに基づいて、遠用アイポイントの長さLを前述の(5)の式から演算する構成とした。そのため、(5)の式を演算手段5のメモリーに予め登録しておくことで、遠用アイポイントの長さLを眼鏡レンズ10の厚さにかかわらず、簡単かつ正確に算出することができる。
(e)フレーム20の前傾角θを測定する前傾角測定手段4を備えたから、前傾角θを装用者が眼鏡を装用した状態で計測できるので、装用状態にかかわらず、正確な前傾角θを求めることができる。
(f)正面撮像手段32は装用者の眼球Eの網膜で反射して瞳孔ECを通った反射光を受光する構成とした。網膜で反射された反射光は瞳孔ECを通じて広い面積の検出光として検出することができるから、検出信号にノイズがのることが少なく遠用アイポイントFPと近用アイポイントNPとの位置検出を確実に行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図8から図10に基づいて説明する。第2実施形態は第1実施形態に比べて正面撮像手段の構成が相違するもので、他は第1実施形態の構成と同じである。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図8(A)(B)は第2実施形態にかかる眼球下転量測定装置2の概略構成図であり、図2に対応する図である。図9(A)〜(C)は第2実施形態において眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段で撮像した画像の概略図であり、図3に対応する図である。図10(A)〜(C)は第2実施形態において眼鏡をかけた装用者を正面撮像手段で撮像した画像の概略図であり、図4に対応する図である。
図8(A)(B)において、第2実施形態にかかる眼球下転量測定装置2は、装用者の視線の位置を検出する視線位置検出手段3Aと、前傾角測定手段4と、これらの視線位置検出手段3A及び前傾角測定手段4からの出力に基づいて眼球下転量Indihを演算する演算手段5とを備えている。
視線位置検出手段3Aは、装用者の遠用アイポイントFPに対応する視線の位置と近用アイポイントNPに対応する視線の位置とを検出するものであり、光照射手段31と、この光照射手段31で照射した光が装用者の眼球Eの角膜SEで反射された反射光を含む正面画像を撮像する正面撮像手段320と、これらの光照射手段31と正面撮像手段320を移動する移動機構33とを有する。
正面撮像手段320は、装用者の眼球Eの角膜SEで反射した反射光をカメラで撮像し、この撮像したデータに基づいて画像処理部で角膜SEの上の反射点を検出する構成である。画像処理部は角膜SEの上の反射点を検出するために、第1実施形態の画像処理部と同じ信号処理を行う。
図9(A)は遠用アイポイントの位置を撮像する状態が示されている。
図9(A)に示される通り、まず、光照射手段31を使用せず正面撮像手段320で装用者の画像を撮像する。図9(A)では、通常のカメラでの撮像画像と同じ画像が示されることから、眼球Eの角膜SEが黒く撮像される。そして、この状態で、光照射手段31から光を眼球Eに向けて照射すると、図9(B)に示される通り、正面撮像手段320で撮像された画像では、角膜SE上での反射点の色が変わる。そして、図9(C)に示される通り、図9(B)の画像から図9(A)の画像を除去して、角膜SEの反射点のみの画像を残す。そして、第1実施形態と同様の方法に従って、角膜SEの反射点の位置を検出する。
図8(B)は近用アイポイントの位置を撮像する状態を示す概略図である。
図10(A)に示される通り、まず、光照射手段31を使用せず正面撮像手段320で装用者の画像を撮像する。図10(A)では、眼球Eの角膜SEの反射点が黒く撮像される。この状態で、光照射手段31から光を眼球Eに向けて照射すると、図10(B)に示される通り、正面撮像手段320で撮像された画像では、角膜SEの反射点の色が変化して撮像される。そして、図10(C)に示される通り、図10(B)の画像から図10(A)の画像を除去して、角膜SEの反射点のみの画像を残す。そして、前述の方法に従って、角膜SEの上の反射点の位置を検出する。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、眼球下転量Indihを遠用アイポイントFPの長さLと近用アイポイントNPの長さNとの差から求める。遠用アイポイントFPの長さLと近用アイポイントNPの長さNとは、前述の(1)〜(5)の式から求める。
従って、第2実施形態では第1実施形態の(a)〜(e)と同様の作用効果を奏することができる他、次の作用効果を奏することができる。
(g)正面撮像手段320を装用者の眼球Eの角膜SEで反射された反射光を受光する構成とした。角膜SEで反射された反射光の面積は狭いので、精度の高い位置検出を行うことができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、フレーム20の前傾角θを測定する前傾角測定手段4を備えて眼球下転量測定装置1,2を構成したが、本発明では、装用者が正しい姿勢で眼鏡をかけているものであれば、前傾角θは設計上のデータを眼球下転量の測定にそのまま用いることができ、前傾角測定手段4を省略することができる。
また、画像32Aには必ずしも角度表示部32Bを設けることを要しない。
本発明は、累進屈折力レンズの眼球下転量を測定する装置として、眼鏡の販売店等で広く利用することができる。
1,2…眼球下転量測定装置、3,3A…視線位置検出手段、4…前傾角測定手段、5…演算手段、10…眼鏡レンズ、11…遠用部領域、12…近用部領域13…累進帯、20…フレーム、20P…下端、21…フレーム枠、21D…下辺部、21U…上辺部、31…光照射手段、32,320…正面撮像手段、33…移動機構、33A…ドーム、E…眼球、EC…瞳孔部分、EP…遠用アイポイント、Indih…眼球下転量、LF…正面視線、LN…下方視線、NP…近用アイポイント、SE…角膜、α…眼球下転角度、θ…前傾角

Claims (6)

  1. 装着者が実際に装着するとともに上辺部と下辺部とを有するフレームに装着される眼鏡レンズの遠用アイポイントから近用アイポイントまでの長さを測定する装置であって、
    装用者の前記遠用アイポイントに対応する視線の位置と前記近用アイポイントに対応する視線の位置とを検出する視線位置検出手段と、
    この視線位置検出手段で検出された前記遠用アイポイントの位置と前記近用アイポイントの位置との間の距離を演算する演算手段と
    を備えたことを特徴とする眼球下転量測定装置。
  2. 請求項1に記載された眼球下転量測定装置において、
    前記視線位置検出手段は、
    装用者の眼球に光を照射する光照射手段と、
    この光照射手段で照射した光が装用者の眼球で反射された反射光を含む正面画像を撮像する正面撮像手段と、
    これらの光照射手段と正面撮像手段とを眼球の周囲に沿って移動させる移動機構と
    を備えたことを特徴とする眼球下転量測定装置。
  3. 請求項2に記載された眼球下転量測定装置において、
    前記演算手段は、フレームの前傾角θと、眼球中心と前記近用アイポイントとを結ぶ下方視線と眼鏡レンズの眼球側平面とのなす角度βと、前記眼球中心と前記遠用アイポイントとを結ぶ正面視線と前記眼鏡レンズの眼球側平面とのなす角度γと、前記眼鏡レンズの眼球側平面と前記フレームの眼鏡側面の下端の位置から前記下方視線におろした法線とのなす角度δと、前記下端の位置と前記正面視線との間の距離Kと、前記下端の位置から前記下方視線におろした法線の距離Mとから、前記フレームの眼鏡側面の下端から前記近用アイポイントまでの近用アイポイントの長さNを、
    N=M/COSδ (1)
    δ=180°−(β+90°) (2)
    β=180°−(α+γ) (3)
    γ=180°−(90°+θ) (4)
    の式から演算することを特徴とする眼球下転量測定装置。
  4. 請求項3に記載された眼球下転量測定装置において、
    前記正面撮像手段は、装用者の眼球の網膜で反射された反射光を受光することを特徴とする眼球下転量測定装置。
  5. 請求項4に記載された眼球下転量測定装置において、
    前記正面撮像手段は、装用者の眼球の角膜で反射された反射光を受光することを特徴とする眼球下転量測定装置。
  6. 請求項2から請求項5のいずれかに記載された眼球下転量測定装置において、
    前記眼鏡レンズが設けられたフレームの前傾角を測定する前傾角測定手段を備えたことを特徴とする眼球下転量測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5279153B1 (ja) * 2012-10-19 2013-09-04 正一 中村 瞳孔位置測定方法及び両用レンズの作製方法

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