JP5278701B2 - 低圧水銀ランプ及びその最冷部温度調整方法 - Google Patents

低圧水銀ランプ及びその最冷部温度調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、放電管内に封入された水銀蒸気を放電させて発光させる低圧水銀ランプ及びその最冷部温度調整方法に関するものである。
従来、低圧水銀ランプは種々の用途に使用されている。特に波長が185nm及び254nmの2種類又は254nmの1種類の短波長紫外線を発光又は放射する低圧水銀ランプは、種々の光化学反応、表面改質及び殺菌等の種々の用途に用いられている。このような低圧水銀ランプの放電管内の水銀蒸気圧は、放電管の最も低い温度を示す最冷部により決定される。この点において、一般の家庭において用いられている蛍光ランプ等では、放電中に自然冷却により紫外線の発光効率が良好な状態となる範囲に最冷部温度を保つように設計されている。
しかし、185nm又は254nmの短波長紫外線の高出力化が望まれる低圧水銀ランプにおいては、放電管の寸法を小さくしたうえにランプを高出力としているので、自己発熱により自然冷却だけでは最冷部の温度が相当高くなり、短波長紫外線の出力効率が下がってしまう。このため、外部から放電管の最冷部温度を調整する必要がある。そこで、水平姿勢で保持される低圧水銀ランプの放電管の端部に冷却ブロックを設け、その冷却ブロックの水循環経路に所定の温度に温度調整された冷媒を循環させてその冷却ブロックを冷却し、これによりその端部を冷媒の温度と同等にして最冷部とすること(例えば、特許文献1参照。)や、近年においては、放電管の端部を金属ベースに押さえ金具を用いて取付け、そこに温度調整されたエアを吹き付けてその最冷部温度を調整すること(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
ここで、一般的に、185nm又は254nmの短波長紫外線の高出力化を実現し得る低圧水銀ランプの最冷部温度は42℃近辺といわれている。その一方、紫外線照射装置内に設置されている冷却ブロックの冷媒はその工場等における循環水を用いる場合が多く、例えば、半導体等の工場等においては約20℃程度に調整されたものが多い。このため、この20℃程度に温度調整された冷却ブロックに低圧紫外線ランプを直接取付けることが可能であれば、冷媒である工場等における循環水をそのまま用いることができるので、便利である。
実公平5−25167号公報 特開2001−135486号公報(図1,段落番号0014)
しかし、工場等において約20℃程度に温度調整された循環水からなる冷媒を用いる既存の冷却ブロックに低圧水銀ランプの金属ベースを直接取付けると、最冷部温度が好ましいとされる42℃を下回ってその冷媒の温度である20℃近辺にまで低下し、低圧水銀ランプにおける紫外線照度が低下するという問題があった。また、エアにより冷却する方法にあっては、従来設けられている水冷式の冷却ブロックと別に、新たにエア式の冷却装置を設けることになり、過剰設備となる不具合があった。
この点を解消するためには、低圧水銀ランプを取付ける冷却ブロックに42℃程度に温度調整された冷媒を循環させてその冷却ブロック自体を42℃程度に維持することが考えられるが、工場等における循環水は低圧水銀ランプを冷却するための専属のものではないため、その循環水を42℃程度にまで上昇させることはその工場等における他の機器の冷却等に影響を与え好ましくない。
本発明の目的は、冷却ブロックの温度に応じて最冷部温度を所望の温度に比較的容易に調整し得る低圧水銀ランプ及びその最冷部温度調整方法を提供することである。
本発明は、低圧蒸気水銀放電管と、その放電管を支持しかつ冷却ブロックに取付け可能に構成された金属ベースとを有する低圧水銀ランプの改良である。
その特徴ある構成は、金属ベースに放電管を着座させる凹溝が形成され、凹溝と放電管の間に単位面積における伝熱量を減少し得るシート状物が介挿されたところにある。
ここで、そのシート状物は、メッシュ状金属シート、ガラスファイバーシート、セラミックファイバーシート、カーボンファイバーシート又は樹脂シートからなることが好ましい。
本発明の方法は、発熱する低圧蒸気水銀放電管の取付部を金属ベースに取付け、温度が一定に保たれた冷却ブロックにその金属ベースを取付けて冷却することにより取付部の温度を所定の温度に維持する低圧水銀ランプの最冷部温度調整方法である。
その特徴ある点は、金属ベースに取付部を着座させる凹溝を形成し、その凹溝と取付部の間に単位面積における伝熱量を減少し得るシート状物を介挿し、そのシート状物を介して取付部から金属ベースに移動する熱量をシート状物の種類,厚さ又は枚数により調整するところにある。
本発明の低圧水銀ランプ及びその最冷部温度調整方法では、金属ベースに凹溝を形成するので、その凹溝により金属ベースが放電管を支持する面積が拡大し、放電管から金属ベースに熱を伝達させる面積が拡大するとともに、放電管に金属ベースが点又は線で接触することを防止して応力集中により放電管が破損するような事態を回避することができる。
また、放電管と金属ベースに形成された凹溝との間に単位面積における伝熱量を減少し得るシート状物を介挿したので、冷却ブロック中に循環する冷媒と放電管との間における熱伝達係数は減少する。すると、放電管から金属ベースを介して冷却ブロック中に循環する冷媒に伝達される単位面積、単位時間あたりの熱量は放電管と冷媒の温度差に比例して増加し、その温度が上昇しない冷媒に対して発熱する放電管の温度は上昇する。そして、放電管と冷媒の温度差が広がり、その差により増加した冷媒に伝達される熱量と例えば放電管のシート状物に接触しない他の部分からその周囲に自然に放散される熱量の総数が、放電管の発熱量と均衡した状態で放電管のシート状物に接触する取付部の温度上昇は停止する。これにより、その放電管の取付部は所定の温度に維持されることになる。よって、シート状物の種類,厚さ又は枚数を変更調整することにより冷却ブロック中に循環する冷媒と放電管との間における熱伝達係数を変化させ、これにより、低圧水銀ランプの最冷部温度を制御することが可能になる。このため、例えば、冷却ブロック中を循環する冷媒の温度が20℃前後のときであっても、シート状物の種類,厚さ又は枚数を変更調整することにより、点灯により発熱する放電管の最冷部となる取付部の温度をその冷媒の温度より高い例えば42℃等の所望の温度に調整維持することが可能となる。
本発明実施形態の低圧水銀ランプを示す図2のA−A線断面図である。 その低圧水銀ランプを示す斜視図である。 その紫外線照射量を測定する実験装置の概略図である。 その紫外線照度比と冷却水温との関係を示す図である。 そのシート枚数と照度ピーク水温との関係を示す図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図2に、本発明の低圧水銀ランプ10を示す。この低圧水銀ランプ10は、放電管11と、この放電管11を支持しかつ冷却ブロック16に取付け可能に構成された金属ベース12とを有する。放電管11は内部に水銀蒸気がアルゴンガス又はネオン・アルゴン混合ガスとともに封入された石英ガラス管であって、その両端に図示しない電極が設けられる。この放電管11は規定の面積に収容させるべく所定の形状に折り曲げて形成され、図にはM字状に折り曲げて形成されたものであって、長さ方向の中央部分を省略した放電管11を示す。この放電管11はその両端部の図示しない電極周囲における取付部11aを冷却することにより、最冷部となるその取付部11aが約42℃で最高出力を出力可能に設計されたものを例示する。一方、金属ベース12は、M字状に形成された放電管11の互いに平行な両端部における取付部11aを支持する方形状を成し、その伝熱特性の良好性からアルミニウムにより形成される。
図1に示すように、この金属ベース12には放電管11の両端部における取付部11aが着座する凹溝12aが形成され、その凹溝12aに着座した取付部11aは押さえ具13により固定される。この実施の形態における押さえ具13は金属よりなる平板を折り曲げ加工することにより作られ、放電管11を径方向から押さえる山部13aと、その山部13aの一端から延長して金属ベース12に重合する重合部13bとを有し、この重合部13bには取付孔13cが形成される。一方、金属ベース12には取付孔13cに対向する位置に雌ねじ孔12bが形成され、取付孔13cに挿通された雄ねじ14をこの雌ねじ孔12bに螺合することにより重合部13bを金属ベース12に固定可能に構成される。そして、この押さえ具13は、重合部13bが金属ベース12に固定された状態でその重合部13bに連続する山部13aの一部又は全部が湾曲し、その弾性により凹溝12aに着座した放電管11の端部における取付部11aをその凹溝12aに押し付け、これによりその取付部11aを金属ベース12に固定可能に構成される。
図1及び図2に示すように、この金属ベース12には、この水銀ランプ10を取付けるための挿通孔12cが両側に形成される。この水銀ランプ10は冷却ブロック16に取付けられて使用されるものであり、その冷却ブロック16は例えば紫外線照射装置等の所定の位置に予め設けられるものである。図示しないが、この冷却ブロック16の内部には冷媒の循環経路が形成され、その冷媒の導入口16aと排出口16bが設けられる(図2)。この実施の形態における冷媒はその工場等の約20℃程度に調整された循環水が利用され、これによりこの冷却ブロック16は少なくとも金属ベース12が重ね合わされる取付面16cが20℃程度に維持可能に構成される。そして、この冷却ブロック16の取付面16cには、金属ベース12における挿通孔12cに対向する位置に雌ねじ穴16cが形成され、挿通孔12cに挿通されたボルト17をその雌ねじ穴16dに螺合することにより金属ベース12を冷却ブロック16に固定可能に構成される。
図1に示すように、金属ベース12に形成された凹溝12aと放電管11の間にはシート状物18が介挿される。放電管11の断面は略円形を示すため、凹溝12aの断面は放電管11の外径より僅かに大きな曲率半径を有する円弧状を成して形成される。シート状物18は、単位面積における伝熱量を減少させるものであり、一般的に熱伝導率が低い樹脂シートが例示される。また、このシート状物18は、熱伝導率が高い値を示す金属等であっても、凹溝12aや放電管11との接触面積が制限され、結果的に単位面積における伝熱量を減少させるメッシュ状の金属シートであっても良い。特に、この低圧水銀ランプ10は、紫外線を発するものであるので、耐候性を有するものであることが好ましく、樹脂シートであれば耐候性に優れるとともに熱伝導率が低いフッ素樹脂からなるシートが好ましく、メッシュ状金属シートであれば、ステンレス鋼線からなるメッシュ状のシートが好ましい。また、ガラスファイバーシートやセラミックファイバーシートであっても、熱伝導率が非常に低いうえに移動時の振動などに対する放電管保護効果が高いので好ましい。また、微調整用に比較的熱伝導率の高いカーボンファイバーシートを利用することもできる。
次に、このように構成された低圧水銀ランプにおける本発明の最冷部温度調整方法について説明する。
本発明の最冷部温度調整方法は、発熱する低圧蒸気水銀放電管11の取付部11aを金属ベース12に取付け、その金属ベース12を冷媒が循環することにより温度が一定に保たれた冷却ブロック16に取付ける。これにより金属ベース12を介して取付部11aを冷却し、その取付部11aの温度を所定の温度に維持する制御方法である。金属ベース12には放電管11における取付部11aを着座させる凹溝12aを形成し、放電管11における取付部11aに接触して金属ベース12が支持する面積を拡大する。これにより、その取付部11aから金属ベース12に熱を伝達させる面積を拡大するとともに、放電管11に金属ベース12が点又は線で接触することを防止して応力集中による放電管11の破損を回避することができる。
放電管11における取付部11aの金属ベース12への取付けは押さえ具13を用いて行われ、凹溝12aに着座した放電管11の端部にある取付部11aを山部13aが押さえた押さえ具13における重合部13bを雄ねじ14を用いて金属ベース12に固定する。このように金属ベース12に固定された押さえ具13の弾性により、放電管11における取付部11aが金属ベース12に形成された凹溝12aに押さえ付けられ、その取付部11aを金属ベース12に固定する。そして、その金属ベース12の冷却ブロック16への取付けは、冷却ブロック16の取付面16cに金属ベース12を重ね合わせ、金属ベース12の両側に形成された挿通孔12cにボルト17を挿通させ、そのボルト17を冷却ブロック16に形成された雌ねじ穴16dに螺合することにより金属ベース12を冷却ブロック16に固定する。ここで、この実施の形態における冷却ブロック16は、その内部の図示しない循環経路に約20℃程度に調整された循環水が冷媒として循環し、その取付面16cが所定の温度である20℃に維持されるものとして説明する。
一方、凹溝12aと取付部11aの間には、単位面積における伝熱量を減少させ得るシート状物18を介挿する。シート状物18の凹溝12aと取付部11aの間への挿入は、押さえ具13を金属ベース12に取付ける以前に行われ、凹溝12aと取付部11aの間にシート状物18を挿入した後、押さえ具13により取付部11aを金属ベース12に固定することにより、凹溝12aと取付部11aの間にシート状物18を介挿させる。そして、冷却ブロック16の冷媒である循環水の温度に応じて、そのシート状物18を介して取付部11aから金属ベース12に伝達される熱量をシート状物18の種類,厚さ又は枚数により調整する。即ち、この調整は、シート状物18を他の種類のものに取り替えたり、種類は同一であってもその厚さが異なるものに取り替えたり、又は介挿させるシート状物18の枚数を増減したりして調整する。
ここで、押さえ具13は、雄ねじ14を用いて金属ベース12に固定されていることから、金属ベース12に取り外し可能に取付けられているものといえる。このため、その押さえ具13を取り外すことによりそのシート状物18を比較的容易に取り替え又は増減させることができる。また、押さえ具13は金属を折り曲げ加工したものであるので、シート状物18の変更又は増減により、金属ベース12の表面に対する取付部11aの高さF(図1)が若干変化したとしても、押さえ具13自体が弾性変形してその変化を吸収し、凹溝12aに取付部11aを確実に固定するので、シート状物18を取り替え又は増減させることによる不具合は生じない。
例えば、シート状物18として、耐候性を有しかつ熱伝導率の低いフッ素樹脂シートを介挿させると、その樹脂シートは柔軟性があるため、放電管11に金属ベース12を面接触させた状態で取付けることができ、応力集中による放電管11の破損を有効に回避することができる。また、この樹脂シートは熱伝導率が低いため、この樹脂シートを介挿させない場合に比較して、発熱する放電管11の取付部11aから金属ベース12に伝達される単位面積、単位時間あたりの熱量は減少する。すると、取付部11aから金属ベース12を介して冷却ブロック16中の冷媒である図示しない循環水に伝達される単位面積、単位時間あたりの熱量は放電管11の取付部11aと冷媒の温度差に比例するので(ニュートンの冷却法則)、温度が約20℃程度に維持されていて上昇することのない循環水に対して発熱する放電管11の取付部11aにおける温度は上昇することになる。そして、取付部11aと冷媒である循環水の温度差が広がり、その差により増加した循環水に伝達される熱量と例えばシート状物18に接触しない取付部11a以外の放電管11から周囲の大気中に自然に放散される熱量の総数が、放電管11の発熱量と均衡した状態で取付部11aの温度上昇は停止することになる。
ここで、冷却ブロック16中の冷媒である図示しない循環水は所定の温度である約20℃に保たれることから、取付部11aの温度上昇が停止した状態で、この取付部11aはその上昇した所定の温度に維持されることになる。このことは、シート状物18を介して取付部11aから金属ベース12に移動する熱量をシート状物18の種類,厚さ又は枚数により調整することにより、取付部11aである低圧水銀ランプ10の最冷部温度を制御することが可能になることを意味し、本発明の低圧水銀ランプ10及びその最冷部温度調整方法では、冷却ブロック16の温度に応じて最冷部温度を所望の温度に調整することができることになる。よって、冷却ブロック16の冷媒である循環水の温度が20℃前後のときであっても、点灯により発熱する放電管11の最冷部となる取付部11aの温度を、冷媒の温度より高い短波長紫外線の高出力化を実現し得る低圧水銀ランプの最冷部温度といわれている例えば42℃等に維持することができる。
また、凹溝12aと取付部11aの間に介挿させるシート状物18として、樹脂シート等の柔軟性を有するようなものを使用すれば、その柔軟性故に金属ベース12における凹溝12aの寸法を変えなくとも取付部11aとの間にそのシート状物18を介挿させることが可能になるので、金属ベース12自体の厚みや、凹溝12aの深さや曲率等の寸法変更も不要になるので、更にその調整が容易になる。
次に、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
図3に示すような紫外線測定装置20と測定用の本発明における低圧水銀ランプ10を準備した。図3に示す測定装置20はステンレス製鋼板からなるケース21と、その内底部に設けられた冷却ブロック16を備える。冷却ブロック16は本発明における低圧水銀ランプ10が取付けられるものであり、ケース21の天面は放電管11からの間隔Eが約25mmになるように作られ、その放電管11の中央部分に対向するケース21の天面には開口部21aが形成される。この開口部21aは透明な石英ガラス22により封止され、ケース21内部にオゾンの発生を防止する窒素を充填可能に構成される。このため、ケース21には窒素充填のためのガス供給口21bとその排出口21cが形成される。また、ケース21の上面には石英ガラス22を介してケース21の内部から漏れる紫外線を測定する紫外線センサ23が設けられる。また、ケース21の外部には、冷却ブロック16に冷媒である冷却水を所定の温度に維持しかつ循環させる循環式水温コントローラ24と、水銀ランプ10における放電管11を点灯させるランプ点灯用電源25が設けられる。
一方、低圧水銀ランプ10は、図1に示すように、その放電管11の外径Dが略17.5mmであり、そのランプ電力が200Wのものであって、最冷部温度が42℃で最高出力を出力可能なもの準備した。また、図2に示すように、その放電管11の端部における取付部11aを支持する金属ベース12は、幅Wが40mmであって、長さLが139mmであり、かつ厚さHが10mmのアルミニウム製ブロックを用いた。そして、図1に戻って、放電管11の取付部11aが着座する凹溝12aは、曲率半径Rが10mmの断面円弧状を成し、その凹溝12aをその金属ベース12に深さhが5mmになるように形成した。
<実施例1>
フッ素樹脂からなり、厚さが0.4mmであって、縦及び横の寸法が25mm及び15mmのシート(カネダ株式会社製[FEP;フッ化エチレンプロピレン樹脂])を2枚準備した。この2枚の樹脂シートを伝熱量を減少させるシート状物18として金属ベース12における凹溝12aと放電管11の間に重ね合わせた状態で介挿させ、その状態で押さえ具13を用いて放電管11を金属ベース12に取付け、低圧水銀ランプ10を得た。ここで、この樹脂シートにおけるカタログ上の熱伝導率は0.25W/m・Kであった。
このように重ね合わされた2枚のフッ素樹脂シートがシート状物18として介挿された低圧水銀ランプ10を図3に示す紫外線測定装置20に装着した。その後、ケース21内部に窒素を充填し、ランプ点灯用電源25を用いて水銀ランプ10における放電管11を点灯させた。そして、コントローラ24により冷却ブロック16中を循環する冷却水の温度を10℃から40℃まで5℃ずつ上昇させ、それぞれの温度における低圧水銀ランプ10から発せられる254nmの短波長紫外線の照度を紫外線センサ23により測定した。この結果を冷却水の温度と照度比との関係として図4に短破線で示す。
<実施例2>
実施例1のフッ素樹脂からなるシートを4枚準備し、この4枚重ね合わされた樹脂シートを伝熱量を減少させるシート状物18として金属ベース12における凹溝12aと放電管11の間に介挿させて低圧水銀ランプ10を得た。このことを除き、実施例1と同一の条件及び手順において、それぞれの温度における低圧水銀ランプ10から発せられる254nmの短波長紫外線の照度を測定した。この結果を水温と照度比との関係として図4に実線で示す。
<比較例1>
シート状物18を金属ベース12における凹溝12aと放電管11の間に介挿させることなく、その凹溝12aに放電管11を直接接触させ、その状態で押さえ具13を用いて放電管11を金属ベース12に取付けて低圧水銀ランプ10を得た。このようにシート状物18を介挿しない低圧水銀ランプ10を図3に示す紫外線測定装置20に装着した。その後、ケース21内部に窒素を充填し、ランプ点灯用電源25を用いて水銀ランプ10における放電管11を点灯させた。そして、コントローラ24により冷却ブロック16中を循環する冷却水の温度を10℃から50℃まで5℃ずつ上昇させ、それぞれの温度における低圧水銀ランプ10の254nmにおける紫外線の照度を測定した。この結果を水温と照度比との関係として図4に長破線で示す。
<評価>
図4の結果から明らかなように、凹溝12aと放電管11の間にシート状物18である樹脂シートを介挿させると、又はその介挿させる樹脂シートの枚数を増加させると、各水温に対する照度比を示す実線又は破線が描く山形が水温の低い方に移動していることが判る。これは、樹脂シートは熱伝導率が低いため、この樹脂シートを介挿させると発熱する放電管11の取付部11aから冷却ブロック16を循環する冷却水に伝達される単位面積、単位時間あたりの熱量が減少し、冷却水の温度に対して発熱する放電管11の取付部11aにおける温度は上昇するので、最冷部となる取付部11aの温度を冷却水の温度よりも高い温度に維持できたことによるものと考えられる。
即ち、シート状物18を介挿させることなく金属ベース12における凹溝12aに放電管11の取付部11aを直接接触させた比較例1では、その間の熱伝達係数は高い値を示し、取付部11aから冷却水へ伝達される熱量が多いことから取付部11aを効率よく冷却することができ、その取付部11aの温度は冷却水の温度と略等しくなると考えられる。そして、比較例1の放電管11は最冷部温度が42℃で最高出力を出力可能なものであるので、冷却水の温度が40℃近辺において最冷部となる取付部11aの温度が42℃となり、その照度比が最も高い値を示したものと考えられる。
これに対して、実施例1及び実施例2では、凹溝12aと放電管11の間にシート状物18である樹脂シートを介挿させている。このため、発熱する放電管11の取付部11aから冷却ブロック16を循環する冷却水に伝達される熱量は減少し、冷却水の温度に対して取付部11aの温度は上昇する。このため、冷却水の温度が40℃未満でも、各実施例の放電管11の取付部11aは最冷部温度の42℃になり、結果として各水温に対する照度比を示す実施例2における実線及び実施例1における短破線が描く山形は、比較例1における長破線が描く山形よりも水温の低い方に移動したものと考えられる。そして、実施例2における実線が描く山形が実施例1における短破線が描く山形よりも低温側に移動しているのは、実施例2ではシート状物18である樹脂シートの枚数を実施例1の倍にしており、実施例2の取付部11aから冷却水に伝達される熱量は実施例1のものよりも更に減少していることによるものと考えられる。
この事は、冷却ブロック16を循環して冷却する冷却水の温度を水銀ランプ10がピーク値を示す最冷部の温度よりも低温側に移動させても、その水銀ランプ10における短波長紫外線の照度がピーク値を示すことを意味する。これを明らかにするため、この実施例における樹脂シートの枚数と紫外線の照度がピークを示した冷媒である冷却水の温度との関係を図5に示す。この図5からすると、凹溝12aと放電管11の間に伝熱量を減少し得るシート状物18である樹脂シートを介挿させ、更にその介挿させる樹脂シートの枚数を増加させるに従って、水銀ランプ10がピーク値を示す冷却ブロック16を循環する冷却水の温度は低下することが判る。これは、シート状物18を介して取付部11aから冷媒である冷却水に移動する熱量をシート状物18の種類,厚さ又は枚数により調整することにより、低圧水銀ランプ10の最冷部温度を調整することが可能になることを意味し、冷却ブロック16の温度に応じて最冷部温度を所望の温度に調整しようとする本発明が成立することが判る。
10 低圧水銀ランプ
11 低圧蒸気水銀放電管
11a 取付部
12 金属ベース
12a 凹溝
16 冷却ブロック
18 シート状物

Claims (3)

  1. 低圧蒸気水銀放電管(11)と、前記放電管(11)を支持しかつ冷却ブロック(16)に取付け可能に構成された金属ベース(12)とを有する低圧水銀ランプ(10)において、
    前記金属ベース(12)に前記放電管(11)を着座させる凹溝(12a)が形成され、
    前記凹溝(12a)と前記放電管(11)の間に単位面積における伝熱量を減少し得るシート状物(18)が介挿された
    ことを特徴とする低圧水銀ランプ。
  2. シート状物(18)が、メッシュ状金属シート、ガラスファイバーシート、セラミックファイバーシート、カーボンファイバーシート又は樹脂シートからなる請求項1記載の低圧水銀ランプ。
  3. 発熱する低圧蒸気水銀放電管(11)の取付部(11a)を金属ベース(12)に取付け、温度が一定に保たれた冷却ブロック(16)に前記金属ベース(12)を取付けて冷却することにより前記取付部(11a)の温度を所定の温度に維持する低圧水銀ランプ(10)の最冷部温度調整方法において、
    前記金属ベース(12)に前記取付部(11a)を着座させる凹溝(12a)を形成し、
    前記凹溝(12a)と前記取付部(11a)の間に単位面積における伝熱量を減少し得るシート状物(18)を介挿し、
    前記シート状物(18)を介して前記取付部(11a)から前記金属ベース(12)に移動する熱量を前記シート状物(18)の種類,厚さ又は枚数により調整する
    ことを特徴とする低圧水銀ランプの最冷部温度調整方法。
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