JP4769688B2 - 紫外線殺菌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、食品分野で使われるカップ等の容器やシート、あるいは医療器具や医薬品用容器等の紫外線による殺菌に用いられる紫外線殺菌装置に関する。
紫外線による殺菌に用いられる紫外線照射装置は、筐体内に紫外線照射部を備えており、この紫外線照射部は主に、紫外線ランプとこのランプから放射される紫外線を所定方向に反射させる反射板とで構成されるのが一般的である。しかし、この種の装置では近年、高度な殺菌が要求されるため、紫外線ランプには負荷が80〜150W/cm程度の高出力の高圧水銀ランプが用いられるようになっているが、このランプの管壁温度は1000℃を超える程度の高温になる。その一方で装置の小型化も進んでいるため、紫外線ランプによる熱で装置内部がますます高温化しやすい傾向にあり、ランプとその近傍を冷却する様々な工夫が施されてきた。
冷却方式としてまず最初に登場したのが、冷却すべき対象物に空気を当てる空冷であり、紫外線照射部内に空気を導入し、ランプと反射板の間に空気を通過させることにより、ランプを空冷していた。空冷方式は冷却効率が高いため、従来から広く用いられている。しかし、空冷方式には、例えばランプ管壁温度を所定温度以下になるようにするには、空気の流入量や、通風孔の穴の開け方に注意するなど、ランプの出力や装置の寸法・構造に応じて細かな風量制御が必要になり、装置設計が複雑になるという欠点があった。また、排気ダクトや吸気ファンなど、排気のための付帯設備が必要となって、装置が大型化し、紫外線照射以外の目的での多大な電気エネルギーが絶えず費やされるという問題もあった。
そこで、装置の小型化の要求に対しては、空冷と水冷を併用し、例えば反射板に密着させた冷却ブロックの中に水を通して反射板の水冷を行い、ランプは空冷することにより、紫外線照射部内の通気量を少なくすることで装置の小型化を図るなどの工夫が行われている。そうした工夫に関しては、例えば特許文献1、2に開示されている。
特開平11−244763号公報 特開2006−95448号公報
ところで、空冷方式には、上述の装置の大型化や多大な電力消費の他に、装置外から空気を取り込むため、埃等の微細な物体や細菌等の病原物質も一緒に装置内に取り込まれ、殺菌すべき試料を汚染する恐れがあり、高度な殺菌のための装置には不向きであるという問題もあった。
しかしながら、管壁温度が1000℃ないしそれ以上の高温に達する紫外線ランプを、空冷を全く用いず水冷のみで冷却して適温に維持するのは難しく、従来は、例えばランプとその外周を包囲する水冷ジャケットとの間の空隙に通風するなど、何らかの形で空冷を併用して冷却していた(特許文献3参照)。
特開2004−39511号公報
さらに、紫外線照射装置では紫外線ランプ近傍で空気中の酸素が波長185nmの紫外線を吸収することにより数ppm程度の濃度の有害なオゾンが生成するが、空冷方式を採用している場合、このオゾンが排気中に含まれて装置外に流出するという問題もあった。
さらにまた、高圧水銀ランプを搭載した紫外線照射装置では、外郭を構成する部材が高温となるが、操作者の安全等を考慮して、その部材は触れても火傷の恐れのない温度に保持されていることが要求されている。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであって、装置の小型化や省エネルギーを妨げる送風または排風のための付帯設備を必要とする空冷を用いることなしに搭載する紫外線ランプを所定温度に制御することができ、また、送排風に伴なう試料近傍の空気の流動によって埃や細菌等を飛来させ試料を汚染する恐れがなく、高度な殺菌に適した紫外線殺菌装置を提供することを目的とする。
また本発明は、装置内部で生成したオゾンが装置外に流出する恐れがない紫外線殺菌装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、外郭を構成する部材が触れても火傷の恐れのない温度に保持されている紫外線殺菌装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の紫外線殺菌装置は、熱源である、水平配置した1灯の直管形紫外線ランプの外周に、熱吸収の役割を果たす2種類の水冷ブロックを、紫外線の出射を妨げない位置に配置する基本構成としてある。すなわち、紫外線ランプの側面方向に放射される熱線は、該ランプの下側にランプからの紫外線を出射する開口部を形成して配置した一対の第一水冷ブロックにより吸収され、紫外線ランプの上面方向に放射される熱線は、前記ランプの上方で近接させて配置した第二水冷ブロックにより吸収されるように構成する。
ここで、発明者は、前記ランプの負荷に応じて、前記ランプと前記第二水冷ブロックとの距離と、前記第二水冷ブロックが前記ランプの外周を囲繞する角度範囲を適切に選定すると、空冷方式を用いなくとも、水冷のみでランプ管壁を所定温度に制御することができることを見出し、本発明を完成させたものである。空冷と水冷を併用している従来の紫外線殺菌装置において、紫外線ランプは、その外周に強制的に空気を流通させることによって冷却されていたが、ランプ外周を流通するこの空気は流通時に接触する近隣の水冷ブロックによっても冷却されていた(特許文献2参照)。そこで、ランプ外周に強制的な空気の流れを作らなくとも、ランプ管壁近傍で熱せられた空気が、ランプ外周を上昇して上方の水冷ブロック(第二水冷ブロック)にぶつかり、そこで冷却されて下降するという自然対流によって絶えず移動している。このため、水冷のみでも十分にランプ管壁を所定温度に制御することができる。なお、ランプの上方に配置される第二水冷ブロックは、ランプ点灯時にランプ近傍で発生した有害ガスを逃がすために、前記ランプの真上に前記ランプに沿って伸在する一定間隔の隙間を有して対称的に配置した1対の分離体から構成する。
そこで、本発明の紫外線殺菌装置は、
外郭を構成する外郭体の内部に、紫外線照射ユニットを収納して成る紫外線殺菌装置において、
前記紫外線照射ユニットは、その内部に、直管形紫外線ランプを水平に配置し、
また前記ランプに沿って断面ハの字に隙間を有して伸在し前記ランプから照射される紫外線を反射する反射面を内側に有すると共に前記ランプの下側に前記紫外線を出射する開口部を形成する一対の第一水冷ブロックを、前記ランプの中心軸を含む垂直面に関して対称的に配置し、
さらに前記一対の第一水冷ブロック及び前記ランプの上側で、前記ランプの上半分に近接した位置に、前記ランプに沿って隙間を有して伸在し前記ランプと所定間隔を保ち前記ランプの外周を所定角度範囲で包囲する一対の第二水冷ブロックを、前記ランプの中心軸を含む垂直面に関して対称的に配置し、
送風または排風により強制的に装置内外の気体を流出入させ冷却を行う空冷機構は用いることなく、前記一対の第一水冷ブロックと前記一対の第二水冷ブロックとを備える水冷機構のみによって前記ランプを冷却するように構成する。
上記紫外線殺菌装置において、
前記外郭体は、その上面に設けられ、ランプ点灯・消灯に伴う内部の空気の膨張収縮による出入が可能な通気口、を除いては密閉構造を成し、紫外線を装置外に出射する紫外線照射窓を下面に備え、また前記通気口は、その先端が前記紫外線照射ユニット内で生成したオゾンが回収されるオゾン回収装置に連接される。
また本発明の紫外線殺菌装置は、上記紫外線殺菌装置において、
前記ランプが、負荷が40〜120W/cmである高圧水銀ランプであり、
前記一対の第一水冷ブロックの反射面が、該第一水冷ブロックに支持される反射板により構成され、
前記一対の第二水冷ブロックが、前記ランプとの隙間をランプの管径方向で1〜5mmの間隔に保ち、且つ前記ランプの中心軸を含む垂直面を中心にして左右対称に90〜180°の角度範囲で前記ランプの外周を囲繞する部位を有して配置される。
さらにまた本発明の紫外線殺菌装置は、上記紫外線殺菌装置において、
前記紫外線照射ユニットは前記一対の第一及び第二水冷ブロックを支持するユニットケースを備えると共に、
該ユニットケースは、前記ランプを中心にして、前記一対の第一水冷ブロックのそれぞれの外側に、前記ランプに沿って平行でありかつ前記開口部が成す面に垂直に配置されて成る一対の垂直部材を有し、
また該各垂直部材の、前記開口部が成す面を越えて下向きに延伸する先端部は、前記ランプからの光を遮断する遮光板を構成し、該遮光板と前記外郭体との間に空間部を形成するように構成する。
本発明の紫外線殺菌装置は、内部に搭載する紫外線照射ユニットの紫外線ランプを専ら、上記構成の2種類の水冷ブロックを具備する水冷機構によって水冷する構成とし、空冷は行なわないので、装置の小型化や省エネルギーを妨げる排気のための付帯設備を必要とせず、また、試料近傍に空気の流動がなく埃や細菌等が試料表面に飛来してこれを汚染する恐れがないので、高度な殺菌に用いることができる。
また本発明の紫外線殺菌装置は、外郭体の上面に1個設けられた通気口にオゾン回収装置を連接して構成してあるので、装置内部で生成したオゾンが装置外に流出する恐れがない。
さらに本発明の紫外線殺菌装置は、内部に搭載する紫外線照射ユニットの紫外線ランプの上半分に近接して配置する第二水冷ブロックは、上記条件で該紫外線ランプを囲繞するように配置したので、高負荷の該紫外線ランプの点灯時の発光管管壁温度を800〜1000℃の適度な温度に維持することができる。
さらにまた本発明の紫外線殺菌装置は、紫外線照射ユニットが遮光板を有し、該遮光板と外郭体との間に空間部を形成しているので、紫外線ランプからの熱による外郭体の温度上昇が小さく、外郭を構成する部材に手で触れても火傷の恐れがない。
本発明の実施形態と作用効果を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例の紫外線殺菌装置の主要部を一部切り欠いて示した概略斜視図である。図2は同装置中央部の、ランプ発光管の中心軸に直交する面における同装置主要部の概略断面図である。図1、図2とも、発明の本質に関係ない部分は省略してある。
本発明の紫外線殺菌装置は1灯式であって、次のように構成される。直管形紫外線ランプ1は、これを中心にして対称的に該ランプに沿って配置される1対の反射板2、2に囲繞され、紫外線照射方向が規定されている。反射板2,2はそれぞれ、内部に冷却水配管13を有する反射板水冷ブロック3、3によってその背後が支持されている。紫外線ランプ1の上部には、該ランプと一定の隙間を保ち該ランプに沿って伸在させて配置され内部に冷却水配管14を有するランプ水冷ブロック4が配置される。ランプ水冷ブロック4は、ランプ中心軸20を含む垂直面21を中心にして対称的に配置される1対の分離体5、5に等分され、この両者が1対の反射板水冷ブロック3、3が紫外線出射側に形成する開口部15(図2で破線により仮想的に示す)に対向する位置にスリット状の空孔16を形成する。冷却水配管13及び14には、これらに冷却水を流通させるためのポンプ等の設備を適宜接続させる。
紫外線ランプ1、反射板水冷ブロック3及びランプ水冷ブロック4を支持するユニットケース6は、いくつかの部材から構成されるが、そのうち、紫外線ランプ1を中心にして、1対の反射板水冷ブロック3、3の外側に、該ランプに沿って平行でありかつ開口部15が成す面に垂直に配置されて成る1対の垂直部材7、7は、それぞれの先端部が遮光板8、8を形成して成る。遮光板8、8は、前記開口部が成す面を越えて下向きに延伸し、また紫外線殺菌装置50を構成する外郭体11との間に空間部9を形成し、紫外線ランプ1からの熱線が外郭体11に到達するのを妨げている。
開口部15に対向する装置50の下面には紫外線照射窓10を設けてあり、その直下には殺菌すべき試料30を配置する。紫外線照射窓10は、石英ガラス等の紫外線透過性のガラス製板材から構成し、その周縁部が、ゴム製Oリングやゴアテックス製部材等(いずれも図示せず)を介して、外郭体11の一部を構成する窓枠部材19Aと19Bにより密着固定され、密閉構造を成している。試料30の近傍にオゾンを生成させないため、照射窓10の表面に、220nm以下の紫外線をカットする特性の被膜を既存の方法により形成しておくのが好ましい。遮光板8、8の下端が紫外線照射窓10の板面に接触するのを避けるため、この両者の間には2〜3mm程度の隙間を設けてある。外郭体11は、通気口12以外は密閉構造としてある。通気口12は、外郭体11の上面に1個設けられ、ランプ点灯時に装置内部(外郭体内部)の気体の熱膨張によりその内部の圧力が高まった場合はその気体が自然に流出し、逆にランプ消灯時にその内部の圧力が下がった場合は装置外の気体が流入するための通路であって、強制的に装置内外の気体を流出入させるための通路ではない。ランプ水冷ブロック4の上面と外郭体11とで挟まれ、ランプの長手方向に沿って延在する空間は、装置内の気体が流通するダクト17を構成している。ユニットケース6を支持する支持部材18の水平部分には、図2の断面図には表わされない空孔を設けてあり、装置内の空気が流通できるよう構成してある。
本発明の紫外線殺菌装置では紫外線ランプ1として、高い殺菌効果を得るために、例えば40〜120W/cmの高負荷の高圧水銀ランプを使用する。このランプの場合は、何も冷却を行なわなければ点灯時に発光管管壁温度が1000℃を超える高温になる。そこで、ランプ水冷ブロック4は、分離体5及び5を一体的に見た時、ランプ中心軸20を含む垂直面21を中心にして左右対称な角度Rを90〜180°の範囲に、また、ランプ1との隙間をランプの管径方向で1〜5mmに保って、ランプ1の外周を囲繞するように配置するのが好ましい。上記説明の紫外線殺菌装置では紫外線ランプは1灯装着されていたが、本発明ではこれに限定されることなく、例えば、広い紫外線照射幅を確保するために、直管形紫外線ランプを長手方向に複数灯直列に並べて配置してもよい。
なお、高圧水銀ランプの場合、ランプの負荷に関しては、40W/cm未満の場合は殺菌効果が低く、120W/cmを超える場合は、後述するように、水冷だけで発光管管壁温度を1000℃以下にするのが難しいので、40〜120W/cmであるのが好ましい。ランプ水冷ブロック4がランプ1の外周を囲繞する角度範囲については、90°未満の場合はランプ水冷ブロックが熱交換のために必要な面積が十分に確保されないため発光管管壁温度を1000℃以下にするのが難しく、180°を超える場合は反射板による紫外線の出射を妨げるので、90〜180°とするのが好ましい。ランプ水冷ブロック4とランプ1との隙間の大きさに関しては、ランプの管径方向で1mm未満の場合は発光管管壁が冷え過ぎてランプ1が所定特性を示さず、5mmを超える場合はランプ水冷ブロック4への熱伝導が十分でなく発光管管壁温度を1000℃以下にするのが難しいので、1〜5mmとするのが好ましい。
反射板水冷ブロック3、3が形成する開口部15の寸法は、目的とする紫外線照射範囲や照度分布に適した反射板設計に応じて適宜選定すればよいが、ランプ発光管の管径が22〜28mmである場合、幅80〜90mm程度、長さ220〜250mm程度とする。また、反射板2の表面とランプ1の表面との距離は、上記反射板の光学設計により決定されるが、ランプ発光管の管径が上記の場合、ランプから最も遠い反射板下縁部との距離で40mm程度、最も近い上縁部との距離で10mm程度とする。
ランプ水冷ブロック4の1対の分離体5、5が成すスリット状の空孔16の隙間は、幅2〜4mm程度とする。ランプ水冷効果の点だけを見ると、ランプ水冷ブロック4は空孔16を有さず、隙間が塞がれている方が効果が高い。例えば、上記の高負荷の高圧水銀ランプを使用する場合、発光管管壁温度は、隙間を有しない方が、発光管中央で5〜8℃、端部で35〜40℃低かった。しかし、ランプ近傍で発生する有害ガスを外に逃がす必要があり、そのための通路を確保するために、熱せられた上昇気流が通過しやすいランプ水冷ブロック4の中心部に上記の大きさの隙間を設けている。
反射板水冷ブロック3及びランプ水冷ブロック4の内部の冷却水配管には、水温10〜30℃の水道水を流量1〜5L/minで流通させるのが好ましい。この条件下で上記構成の水冷機構を作動させると、空冷は全く併用していなくとも、ランプ点灯時に発光管管壁温度を800〜1000℃に保つことができる。ランプ発光管の変形や破損、反射板の破損等の不具合は発生しない。逆に、冷却水の水温、流量が上記範囲外の場合は、発光管管壁温度が800℃を下回るかまたは1000℃を上回り、いずれも適当でない。
上記ランプを使用すると、点灯時にランプ近傍で高濃度のオゾンが発生し、熱膨張によって拡散し、空孔16を通過するなどして装置内に充満する。装置内に充満した時の濃度は3〜10ppmに達する。このオゾンは、やがて自然に通気口12から流出するが、本発明の好ましい実施形態では通気口12は先端が開放されておらず、通気口12が図示しないオゾン回収装置に連接しており、高濃度のオゾンを装置外に流出させることなく回収・分解することができる。
紫外線ランプは、ランプ電力1.6kWの岩崎電気製高圧水銀ランプH016−L21Gを1灯使用した。発光管は全長300mm、発光長200mm、外径25.8mmで、負荷80W/cmであった。紫外線殺菌装置の外郭寸法は、ランプ中心軸に垂直な面を基準にして、幅210mm、奥行375mmで、突出部を含む高さは330mm、紫外線照射ユニットを含む主要部の高さは180mmとした。反射板水冷ブロックが形成する開口部の寸法は幅87mm、奥行235mmとした。ランプ水冷ブロックがランプ外周を囲繞する角度範囲は130°、ランプ水冷ブロックとランプ管壁との距離は2mm、ランプ水冷ブロックの1対の分離体が成すスリット状の空孔の隙間は幅3mmとした。反射板とランプとの距離は最大で40mm、最小で10mmとした。
表1は、上記の寸法・構造を有する紫外線殺菌装置において、水温20℃の水道水を流量3.0L/minで流通させて水冷しながらランプを点灯させた場合、同一ランプでランプ電力を1.6〜3.0kWの範囲で変化させた時のランプ管壁温度を示したものである。温度は熱電対を用いて測定した。測定箇所は、ランプ管壁の中央の周方向の3箇所(A:管壁上部で空孔16の直下、B:管壁側面中央、C:管壁下部でAの対向位置)(図3参照)と、両端部上面の計5箇所である。表1には、A、B、Cの3箇所での測定結果を示してある。両端部上面での温度は、どのランプ電力のランプについても、測定箇所Aにおける温度より11〜12%程度高かった。
Figure 0004769688
どのランプ電力のランプについても、表1に示されているように、ランプ管壁の周方向で見ると、ランプ水冷ブロックに近いAにおける温度が最も低く、Cにおける温度はBにおける温度と同等かまたはそれより若干低くなっており、水平姿勢で点灯させた場合最も高い温度となるはずのAの位置が最も低い温度となった。このことから、吸熱体であるランプ水冷ブロックの存在がランプ管壁の冷却に効果的に寄与していることが分かる。そして、ランプ電力が2.4kW(負荷が120W/cm)までならば、ランプ管壁のどの部位においても、水冷だけでランプ管壁温度が1000℃を超えない状態とすることができ、安定した点灯が可能であった。ランプ管壁温度は1000℃を超えるとランプ寿命が短くなるなどの悪影響があり、好ましくない。
表1の結果に限らず、水温が10〜30℃の冷却水を流量1〜5L/minの範囲で流通させて水冷を行なう場合は、ランプ電力が2.4kW(負荷が120W/cm)以下ならば、ランプ管壁温度が1000℃を超えない状態とすることができた。なお、高い殺菌効果を得るためには、ランプの負荷は40W/cm以上であることが望ましい。
外郭体の表面温度に関しては、上記条件で水冷を行なう場合、ランプに最も近い、外郭体11の下側の外側面においても常に60℃以下であった。
以上説明したように、本発明の紫外線殺菌装置においては、内部に搭載する紫外線照射ユニットの紫外線ランプは、40〜120W/cmの高負荷であるが、所定の位置に配置した反射板水冷ブロックとランプ水冷ブロックとを備える水冷機構で水冷を行なうので、空冷を用いなくとも、ランプ点灯時にも1000℃以下の温度の保持することができる。
本発明は、食品分野で使われるカップ等の容器やシート、あるいは医療器具や医薬品用容器等の紫外線による殺菌に用いることができる。
本発明の実施例の紫外線殺菌装置の概略斜視図である。 本発明の実施例の紫外線殺菌装置の主要部の、ランプ中心軸に直交する面の概略断面図である。 本発明の実施例の紫外線殺菌装置において、ランプ管壁温度の測定箇所を説明するための概略断面図である。
符号の説明
1…紫外線ランプ
2…反射板
3…反射板水冷ブロック
4…ランプ水冷ブロック
5…分離体
6…ユニットケース
7…垂直部材
8…遮光板
9…空間部
10…紫外線照射窓
11…外郭体
12…通気口
13…冷却水配管
14…冷却水配管
15…開口部
16…スリット状空孔
17…ダクト
18…支持部材
19A…窓枠部材
19B…窓枠部材
20…ランプ中心軸
21…垂直面
30…試料
50…紫外線殺菌装置

Claims (3)

  1. 外郭を構成する外郭体の内部に、紫外線照射ユニットを収納して成る紫外線殺菌装置において、
    前記紫外線照射ユニットは、その内部に、直管形紫外線ランプを水平に配置し、
    また前記ランプに沿って断面ハの字に隙間を有して伸在し前記ランプから照射される紫外線を反射する反射面を内側に有すると共に前記ランプの下側に前記紫外線を出射する開口部を形成する一対の第一水冷ブロックを、前記ランプの中心軸を含む垂直面に関して対称的に配置し、
    さらに前記一対の第一水冷ブロック及び前記ランプの上側で、前記ランプの上半分に近接した位置に、前記ランプに沿って隙間を有して伸在し前記ランプと所定間隔を保ち前記ランプの外周を所定角度範囲で包囲する一対の第二水冷ブロックを、前記ランプの中心軸を含む垂直面に関して対称的に配置し、
    前記外郭体は、その上面に設けられ、ランプ点灯・消灯に伴う前記外郭体内部の空気の膨張収縮による出入が可能な通気口、を除いては密閉構造を成し、紫外線を装置外に出射する紫外線照射窓を下面に備え、また前記通気口は、その先端が前記紫外線照射ユニット内で生成したオゾンが回収されるオゾン回収装置に連接され、
    さらに、強制的に装置内外の気体を流出入させることにより冷却を行う空冷機構は用いることなく、前記一対の第一水冷ブロックと前記一対の第二水冷ブロックとを備える水冷機構のみによって前記ランプを冷却するように構成したことを特徴とする紫外線殺菌装置。
  2. 前記ランプは、負荷が40〜120W/cmである高圧水銀ランプであり、
    前記一対の第一水冷ブロックの反射面は、該第一水冷ブロックに支持される反射板により構成され、
    前記一対の第二水冷ブロックは、前記ランプとの隙間をランプの管径方向で1〜5mmの間隔に保ち、且つ前記ランプの中心軸を含む垂直面を中心にして左右対称に90〜180°の角度範囲で前記ランプの外周を囲繞する部位を有して配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の紫外線殺菌装置。
  3. 前記紫外線照射ユニットは前記一対の第一及び第二水冷ブロックを支持するユニットケースを備えると共に、
    該ユニットケースは、前記ランプを中心にして、前記一対の第一水冷ブロックのそれぞれの外側に、前記ランプに沿って平行でありかつ前記開口部が成す面に垂直に配置されて成る一対の垂直部材を有し、
    また該各垂直部材の、前記開口部が成す面を越えて下向きに延伸する先端部は、前記ランプからの光を遮断する遮光板を構成し、該遮光板と前記外郭体との間に空間部を形成することを特徴とする請求項2記載の紫外線殺菌装置。
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