JP5278191B2 - フィルムコンデンサ - Google Patents
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Description
金属化フィルム(21,22)が捲回されて、両側端にメタリコン電極(11)が設けられたフィルムコンデンサであって、
両面に金属膜(23)を有し、一方の面の金属膜(23)が、等間隔に並んだ複数の矩形状の第1電極(21b)を形成する第1金属化フィルム(21)と、
両面に金属膜(23)を有し、一方の面の金属膜(23)が、等間隔に並んだ複数の矩形状の第2電極(22b)を形成する第2金属化フィルム(22)と、
を備え、
前記第1及び第2電極(21b,22b)の一方には、前記メタリコン電極(11)と電気的に接続されるヒューズ(21e)が前記金属膜(23)によって形成され、
互いに隣り合った第2電極(22b)の間隔(D2)は、前記第1電極(21b)の並び方向の長さ(W1)よりも大きく、
前記第1金属化フィルム(21)と前記第2金属化フィルム(22)とは、前記第1及び第2電極(21b,22b)のそれぞれの並び方向が揃い、且つ前記第1電極(21b)側の面と前記第2電極(22b)側の面とが互いに合わさるように重ね合わせられて捲回されていることを特徴とする。
第1の発明のフィルムコンデンサにおいて、
前記第2電極(22b)の並び方向の長さ(W2)は、互いに隣り合った第1電極(21b)の間隔をD1、前記第1電極(21b)の並び方向の長さをW1とした場合に、(2×D1+W1)よりも小さいことを特徴とする。
第1又は第2の発明のフィルムコンデンサにおいて、
前記第1及び第2電極(21b,22b)は、蒸着によってそれぞれ形成されていることを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係るフィルムコンデンサ(10)の概略構成を示す縦断面図である。このフィルムコンデンサ(10)は、例えばインバータ回路とコンバータ回路との間の平滑コンデンサ等に用いられる。このフィルムコンデンサ(10)は、図1に示すように、コンデンサ本体(20)、メタリコン電極(11)、外部端子(12)、絶縁カバー(13)、及び封止樹脂(14)を備えている。
コンデンサ本体(20)は、第1金属化フィルム(21)、第2金属化フィルム(22)、及び巻芯(25)を備えている。そして、第1金属化フィルム(21)と第2金属化フィルム(22)とは、厚み方向に重ね合わされて巻芯(25)の外周に捲回され、このコンデンサ本体(20)は略円柱状に形成されている。そして、コンデンサ本体(20)の両側端にメタリコン電極(11)が設けられている。図2は、2枚の金属化フィルムを重ね合わせる直前の状態を示す斜視図である。また、図3は、2枚の金属化フィルムを重ね合わせた状態を示す断面図である。
第1金属化フィルム(21)は、帯状の部材であり、両面に金属膜(23)を有した第1フィルム体(21a)により形成されている。この第1フィルム体(21a)には、例えばPP(polypropylene)、PET(Polyethylene Terephthalate)、PVDF(PolyVinylidene DiFluoride)等の誘電体フィルムからなる帯状のフィルム体を採用できる。この第1金属化フィルム(21)は、図2に示すように、一方の面の金属膜(23)によって第1電極(21b)が形成され、もう一方の面の金属膜(23)によって第1対向電極(21c)が形成されている。以下では説明の便宜上、第1フィルム体(21a)の第1電極(21b)側の面を表面(或いは表側)と呼び、第1対向電極(21c)側の面を裏面(或いは裏側)と呼ぶことにする。
第2金属化フィルム(22)も、前記第1金属化フィルム(21)と同様の帯状の部材であり、両面に金属膜(23)を有した第2フィルム体(22a)により形成されている。この第2フィルム体(22a)にも、例えばPP、PET、PVDF等の誘電体フィルムからなる帯状のフィルム体を採用できる。この第2金属化フィルム(22)は、図2に示すように、一方の面の金属膜(23)によって第2電極(22b)が形成され、もう一方の面の金属膜(23)によって第2対向電極(22c)が形成されている。以下では説明の便宜上、第2フィルム体(22a)の第2電極(22b)側の面を表面(或いは表側)と呼び、第2対向電極(22c)側の面を裏面(或いは裏側)と呼ぶことにする。
第1及び第2金属化フィルム(21,22)は、アルミニウム等の金属を蒸着させて製造できる。その場合、サイドマージン部や各電極(21b,22b)間の隙間等のように金属を未蒸着としたい部分に、予めマスキングを行ってから金属を蒸着させることによって、第1及び第2電極(21b,22b)、メタリコン接続部(21d)、ヒューズ(21e)を形成することができる。
巻芯(25)は、図1に示すように、円筒状の樹脂部材で構成されている。なお、この円筒状の巻芯(25)の内部には、金属製の芯部を設けてもよい。この場合、芯部を、メタリコン電極(11)を介して外部端子(12)に接続すれば、第1及び第2金属化フィルム(21,22)で発生した熱を、芯部からメタリコン電極(11)及び外部端子(12)を介して外部へ放出することができる。
メタリコン電極(11)は、コンデンサ本体(20)の両端部にそれぞれ設けられた電極である。このメタリコン電極(11)は、それぞれ、コンデンサ本体(20)の軸方向端部に金属を溶射することによって形成されていて、コンデンサ本体(20)の軸方向端部において、該端部にまで延びている金属膜(23)と電気的に導通している。
外部端子(12)は、その基端部が巻芯(25)に対応する位置で、メタリコン電極(11)と電気的に接続されている。これらの外部端子(12)は、メタリコン電極(11)の径方向外方に向かって延びて、その先端部が封止樹脂(14)から外方に突出している。これらの外部端子(12)は、図1に示すように、例えば基板(26)等に対して半田付けなどによって接続される。
絶縁カバー(13)は、樹脂材料からなるシート状の部材を、円筒状のコンデンサ本体(20)の外周面に沿うように丸めて円筒状にしたものである。この絶縁カバー(13)は、コンデンサ本体(20)の外周面全体を覆うように設けられている。なお、この絶縁カバー(13)は必須ではなく、例えば、該コンデンサ本体(20)を封止樹脂(14)で直接、封止するような構成であってもよい。
封止樹脂(14)は、絶縁カバー(13)の外周側、メタリコン電極(11)及び外部端子(12)の基端部を封止するように設けられている。すなわち、この封止樹脂(14)は、外部端子(12)の先端側を除いて、フィルムコンデンサ(10)の構成部品全体を覆うように設けられている。
コンデンサ本体(20)は、巻芯(25)に対して 第1金属化フィルム(21)と第2金属化フィルム(22)とを捲回して製造する。第1金属化フィルム(21)と第2金属化フィルム(22)の捲回には、例えば、従来からある、片面蒸着フィルムを用いたフィルムコンデンサ用の製造装置(捲回機)を利用することができる。この場合、第1金属化フィルム(21)と第2金属化フィルム(22)とは、第1及び第2電極(21b,22b)のそれぞれの並び方向が揃い、且つ第1電極(21b)側の面(表面)と第2電極(22b)側の面(表面)とが互いに合わさるように重ね合わせて捲回する。この場合従来のフィルムコンデンサであれば、自己保安機構を実現するために、2枚の金属化フィルムを、それぞれの電極(分割電極)がちょうど重なり合うように捲回する必要があった。しかしながら、本実施形態では、これらの電極(21b,22b)の位置関係を一々合わせていない。
図5は、図4に対応した平面図であり、説明の便宜上、第1金属化フィルム(21)と第2金属化フィルム(22)とを上下に分けて記載してある。この図5でも、それぞれの第1電極(21b)等を識別するために、図4と同様に符号に枝番を付してある。
以上のように、このフィルムコンデンサ(10)では、互いに隣り合った第2電極(22b)の間隔(D2)が、前記第1電極(21b)の並び方向の長さ(W1)よりも大きいので、何れの第1電極(21b)も、互いに並んだ2つの第2電極(22b)間を橋渡しすることはない。すなわち、このフィルムコンデンサ(10)では、一群の第1電極(21b)同士(上記の例では、第1電極(21b-1)と第1電極(21b-2)の一群や、第1電極(21b-3)と第1電極(21b-4)の一群)が第2電極(22b)によって橋渡しされて電気的に繋がっていても、その一群の第1電極(21b)の両端の第1電極(21b)は、橋渡しをしている第2電極(22b)の隣の第2電極(22b)に重なることはない。これにより、一群の第1電極(21b)に繋がるヒューズ(21e)が溶断すれば、この一群の第1電極(21b)(さらには、これらの第1電極(21b)を橋渡ししていた第2電極(22b))は、他の第1電極(21b)とは電気的に遮断される。この場合、遮断された一群の第1電極(21b)とこれらを橋渡ししていた第2電極(22b)とは、コンデンサの電極としては機能できなくなるが、その他の第1及び第2電極(21b,22b)は、依然としてコンデンサの電極として機能することができる。すなわち、本実施形態によれば、第1電極(21b)と第2電極(22b)の位置関係を一々合わせて捲回しなくても、自己保安機構を実現することが可能になる。
〈1〉なお、第2電極(22b)の並び方向の長さ(W2)は、互いに隣り合った第1電極(21b)の間隔をD1、前記第1電極(21b)の並び方向の長さをW1とした場合に、(2×D1+W1)よりも小さい値(例えばW2=W1)が望ましい。
11 メタリコン電極
21 第1金属化フィルム
21b 第1電極
21e ヒューズ
22 第2金属化フィルム
22b 第2電極
23 金属膜
Claims (3)
- 金属化フィルム(21,22)が捲回されて、両側端にメタリコン電極(11)が設けられたフィルムコンデンサであって、
両面に金属膜(23)を有し、一方の面の金属膜(23)が、等間隔に並んだ複数の矩形状の第1電極(21b)を形成する第1金属化フィルム(21)と、
両面に金属膜(23)を有し、一方の面の金属膜(23)が、等間隔に並んだ複数の矩形状の第2電極(22b)を形成する第2金属化フィルム(22)と、
を備え、
前記第1及び第2電極(21b,22b)の一方には、前記メタリコン電極(11)と電気的に接続されるヒューズ(21e)が前記金属膜(23)によって形成され、
互いに隣り合った第2電極(22b)の間隔(D2)は、前記第1電極(21b)の並び方向の長さ(W1)よりも大きく、
前記第1金属化フィルム(21)と前記第2金属化フィルム(22)とは、前記第1及び第2電極(21b,22b)のそれぞれの並び方向が揃い、且つ前記第1電極(21b)側の面と前記第2電極(22b)側の面とが互いに合わさるように重ね合わせられて捲回されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。 - 請求項1のフィルムコンデンサにおいて、
前記第2電極(22b)の並び方向の長さ(W2)は、互いに隣り合った第1電極(21b)の間隔をD1、前記第1電極(21b)の並び方向の長さをW1とした場合に、(2×D1+W1)よりも小さいことを特徴とするフィルムコンデンサ。 - 請求項1又は請求項2のフィルムコンデンサにおいて、
前記第1及び第2電極(21b,22b)は、蒸着によってそれぞれ形成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
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