JP5277906B2 - 微粒子の粒径分布測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は微細な粒子の粒径分布を測定する方法に関し、特に、粒径分布が広い場合でも精度良く測定することが可能な微粒子の粒径分布測定方法に関するものである。
近年、様々な分野において、微細な粒子の特異的な性能を利用した製品・技術の発展がめざましい。これは、同じ材質であっても、微粒子の粒径がナノオーダーとより微細となる事で粒子表面の活性度が著しく変化し、新たな機能が期待できるためである。
このような微細な粒子の特異的な性能を利用した技術は微粒子の粒径と密接に関係しているため、材料の開発とともにナノオーダー粒子の粒径分布を正確に測定(計測)する方法および装置の開発も盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、微粒子の粒径分布を計測する方法が開示されている。
また、特許文献2には、粒径の大きい粒子と小さい粒子をそれぞれ独立した光学系で評価する方法が開示されている。
特開平02−96636号公報 特開昭63−265139公報
しかしながら、ナノオーダー粒子の平均粒径を計測する場合、粒径分布が狭い試料を対象にしている場合がほとんどであり、例えば特許文献1においても100nm程度の粒径粒子に対して粒径分布の幅はプラスマイナス10〜20nm程度であると考えられる。
これは、現在、一般的に微細な粒子の平均粒径を計測するのに用いている動的光散乱法(以下、DLS法と称す場合もある)において、光の散乱強度が粒径の6乗に比例するため、1測定において正確さを持って評価可能な粒径分布の範囲(幅)がせいぜい1桁程度と考えられているためである。このため、粒径分布が広い試料の粒径分布を正確に計測することは極めて困難であると考えられる。
このように、現状においては、数nmから数百nmの広い領域にわたって粒径分布を有するような試料の場合には、正確な粒径分布を求めることは原理的に困難である。
ナノ粒子の製造自体を目的とする場合には、粒径の分布幅を抑制することは比較的容易であるが、鋼中の介在物・析出物などの場合は存在する化合物の種類も多く、粒径を狭幅化することは困難である。このような極めて広範囲に粒径分布を有する試料を測定対象とした場合には、上記従来技術では、光の散乱強度の原理に基づき大径側の粒子分布が強調されることになり、正確な分布の評価を行なう事は難しい。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、粒径の分布が広い場合でも精度良く測定することが可能な微粒子の粒径分布測定方法を提供することを目的とするものである。
DLS法は、前述したように、粒径分布が狭い場合は、微粒子分散溶液を対象とした場合にはシングルnm以下の微細な粒子の粒径を高感度で計測することが可能である。また、粒径算出のために連続的にモニターしている散乱光の強度についても、同一溶液を繰返し計測した場合には精度良く測定することができる。
そこで、本発明では、この2つの特長を活かしつつ、粒径分布が広い場合においても正確に粒径分布を測定する方法を検討した。
その結果、測定対象となる試料を分割し、分割した各々の試料の粒径分布を数段階に変化させることで、DLS法の特長を生かしつつ上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]測定対象粒子を媒体中に回収し、次いで、測定対象粒子が回収された前記媒体を複数に分割することで複数の試料を作製し、次いで、前記試料の粒径分布を各々測定し、前記測定結果を基に微粒子の粒径分布を求める微粒子の粒径分布測定方法であり、さらに、前記各試料の粒径分布測定結果が各試料毎に異なるように、各試料の粒径分布測定前に、あらかじめ、少なくとも1以上の試料に対して、異なる条件で分級操作を行うことを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
[2]前記[1]において、前記分級操作は、各試料に対して異なるしきい値以下の微粒子を分離し回収する操作であることを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
[3]前記[1]または[2]において、前記媒体が微粒子に対して分散性を有する液体であり、各試料の粒径分布を動的光散乱法により測定することを特徴とする粒径分布測定方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、微粒子の粒径分布を、各試料の平均粒径の差分と粒径算出のためにモニタしているプローブ光の散乱強度の差分の数値から求めることを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかにおいて、前記分級操作をろ過法により行うことを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかにおいて、前記分級操作を遠心分離法により行うことを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかにおいて、前記測定対象粒子は鋼から抽出した析出物・介在物であることを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
[8]前記[3]〜[6]のいずれかにおいて、前記分散性を有する溶液としてヘキサメタリン酸水溶液を用いることを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかにおいて、測定対象粒子が回収された前記媒体を5個以上に分割することを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
本発明によれば、微粒子の粒径分布を、粒径の分布が広い場合でも精度良く測定することができる。特に、小径側粒子の粒径分布を正確に計測することができる。
また、各段階での光強度の減衰分を利用することにより、その粒径範囲にある粒子からの散乱強度を独立に定量的に評価できるため、各粒径粒子の分布頻度に関する正確さが格段に向上する。
以上により、本発明では、粒径分布の幅によらず、あらゆる微粒子の粒径分布を精度良く分析することが可能となり、得られた測定結果をもとに材料の諸性質に関する知見が得られ、新材料の開発や工程管理に有益な情報が得られることになる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明は、様々な形態の微粒子分析に適用することができ、特に、測定対象の微粒子粒径の最大粒径が最小粒径の10倍程度以上の広い領域にわたって粒径分布を持つ試料に対して好適に適用することができる。
以下に、電解操作により鋼中の微粒子(介在物・析出物)を分散性溶媒中に回収することで抽出し、鋼中微粒子の粒径分布を測定した場合を例に、詳細に説明する。操作の順番は、(1)から(5)の順である。
(1)初めに、鋼材を適当な大きさに加工して、電解用試料とし、電解を行う。
(2)次に、電解操作により抽出した鋼中微粒子を、媒体中に回収する。この時、用いる媒体としては、粒子に対して溶解性が無く、かつ粒子が液中で凝集せずに分散した状態を保ち得る様な溶液(以下、分散性溶液)が好ましい。特に、粒径分布の評価を行なう場合には、粒子が溶解する液中では計測が行なえないし、凝集した場合も1次粒子に対する正しい評価がなされない。また、後述する分級操作に際しても、粒子が凝集体であっては粒径に応じた分離が出来ない為に操作を行う意味が無くなる。
いくつかの種類の介在物・析出物については、分散性を改善するための添加剤(分散剤)が経験的に知られており、例えば、ヘキサメタリン酸は、多くの無機微粒子に対して分散性改善の効果が報告されている。一般的な添加濃度としては0.2mass%前後が目安とされているが、過剰な添加はかえって分散効果の妨げになるため、粒子の性状や密度に応じて分散液の種類や濃度を適宜最適化する必要がある。特に分散性溶液の溶媒が水の場合には、粒子の表面電荷と分散性には密接な相関があるため、ゼータ電位計などを利用して粒子表面の電荷状態を把握し、最適な分散性溶液の条件を確定することが好ましい。
(3)(2)の操作により測定対象粒子が回収された前記媒体を複数に分割し、複数の試料を作製する。
本発明では、各試料毎に異なる粒径分布測定結果を基に、測定対象粒子の粒径分布を求める。そのためには、複数の試料を準備した後に、これら各試料の粒径分布が異なるように、各試料に対して異なる条件で分級操作を行い、次いで、各試料の粒径分布を測定する。
このような操作により各試料により得られる粒径分布は、例えば、平均粒径が各試料により異なりその平均粒径の値は段階的に変化することになる。ここで、分割数、すなわち、分級により粒径分布が異なった試料の数(水準数)を多く設定するほど緻密な分布を算出できる。しかし、水準数が多いと詳細な分布状態を把握できるが、多くの時間を要することになるため、目的に応じて適切な水準数の設定を行なうことが必要である。精度の高い粒径分布を求める目的からは、最低3水準、可能であれば5水準以上の設定とすることが好ましい。
また、分割するのにあたり、各々の試料に対して充分な量が得られない場合には、(1)の電解操作から(2)の操作を数回繰り返して量を確保しても構わない。但し、分割後分級前の各試料に存在する粒子の状態は等しいことが必要であるため、分割前にこれらを混合・攪拌するなどして均一な微粒子分散液としておくことが望ましい。
(4)(3)の操作により分割された、少なくとも1以上の試料それぞれに対し、異なる条件で分級操作(異なるしきい値以下の微粒子を分離し回収する操作)を行う
なお、本発明のここでの分級操作とは、例えば、測定対象粒子中に含まれる大径粒子を除去して中径粒子を中心とする粒径分布に変更する操作であり、分割後の各試料中に含まれる粒子を粒子径により区別することを意味する。
以下は、一例として、遠心分離法を用いた分級操作により正確な粒径分布を求める方法について記載するが、本発明はこれに限定されず、例えば、分級の方法としてろ過法でも構わないし、それ以外の手段でも構わない。
遠心分離操作の時間を変えて分級操作を行なう。この時、分級後に行う粒径分布の測定において、各試料の測定結果が大粒径から小粒径へと平均粒径が段階的にずれていくように、遠心分離の操作時間を設定することが好ましい。
例えば、特に粒径が1μm以下の微細な粒子を粒径分布測定の対象とする場合には、ストークスの式をもとに、溶媒・粒子の密度と重力加速度から各粒径粒子の沈降速度が計算できるため、大まかな平均粒径の推移を推測できる。例えば、9000rpmの回転数で純水中にある比重5g/cm3、粒径0.1μmの粒子を遠心分離に供する場合、10分で60mm以上の移動度となるので、50mmのセルを用いた場合は全て沈降している状態となる。このように、粒子の大きさに合わせ、適切な回転数・時間およびセル形状の選定を行なうことが必要となる。勿論、必要があれば、初期状態として遠心分離操作を行なわない分割された試料があっても構わない。
なお、分布状態が全く予期できない試料の場合には、一度、大まかに沈降挙動を調査した後に、適切な遠心分離時間を再設定する手段もある。
(5)分級後の各液の粒径分布を測定する。
粒径分布の方法は、特に限定されず通常の方法で測定することができる。例えば、平均粒径および散乱強度を測定することにより粒径分布を求めることができる。いずれかの手段により平均粒径と量の評価を行なった後、データ処理により分布状態を算出する。具体的には、例えば、遠心分離時間を5分の条件で分級操作を行った試料では平均粒径が60nmとなり、10分の条件で分級操作を行った試料では平均粒径が50nmとなったとする。この場合、これらの量の変化が50nm〜60nmの間に存在する粒径粒子からの寄与であると考えることができる。よって、これらの情報を元に、粒径範囲を横軸、量の変化を縦軸にプロットすることで、正確な粒径分布を算出することが可能となる。
表1、表2および図1には、この方法で算出した各分級水準の平均粒径・散乱強度の推移と、求めた粒径分布のイメージをそれぞれ示す。
Figure 0005277906
Figure 0005277906
表1は、(2)の操作で得た媒体を(3)の操作で8分割し、この8分割した試料それぞれに対し、(4)の操作で平均粒径が段階的にずれるよう遠心分離操作により分級した例である。(4)の遠心分離操作においては、設定した平均粒径となるものとその平均粒径越えのものと2水準に分級し、平均粒径となるものを回収し測定対象試料としている。この8分割試料を分級した後の平均粒径および平均散乱強度の測定結果も、合わせて表1に示す。この8分割試料それぞれの平均粒径および平均散乱強度の測定結果について、隣り合った試料同士(表1の場合、分割試料No.1とNo.2に始まって、分割試料No.2とNo.3、分割試料No.3とNo.4、…分割試料No.7とNo.8まで)、平均散乱強度の差分をとる。この測定された平均散乱強度の差分は、分割された試料それぞれの平均粒径を粒径範囲とした場合の平均散乱強度と同じである。表1の平均粒径および平均散乱強度の測定結果から算出した、粒径範囲とその平均散乱強度を表2に示した。そしてこの表2を、横軸に粒径範囲、縦軸に平均散乱強度の差分として、プロットしなおしたものが図1である。
なお、実際の計測時は検出できる光強度の最大値が100000cps程度である装置が一般的なため、計測器の光透過用フィルタの透過率や試料の希釈率から計算により正味の光強度を算出することが必要となる。但し、光の散乱強度は粒径の6乗に比例する性質を有するため、求めたい分布が体積分布や個数分布である場合には計算による補正が必要である。定量分析などで量(縦軸)の評価をする場合には、体積分布がダイレクトに算出されるが、個数分布を算出する際にはやはり再計算する必要がある。
散乱強度を測定できない場合や、更に量的な正確さが要求される場合には、分級後のスラリーを溶解した後、定量分析によって評価を行なっても良い。
なお、上記においては、まず、測定対象粒子が回収された前記媒体を複数に分割した後、各試料に対して分級操作を行い、各試料の粒径分布を測定している。しかし、これに限定されず、例えば、分級の手段や計測装置の構成によっては、初めに媒体を分割するのではなく、逐次的に分級・計測を繰り返す方法も考えられる。この場合でも、代表性確保の観点からは、常に分散液の均一性に留意する必要がある。
上記(1)から(5)の手順よれば、各粒径範囲に相当する粒子の量を直接把握できることから、通常の測定法のみでは充分な精度が得られない分布頻度情報に関しても、正確に評価することが可能となる。これら(1)から(5)の手順の一例をフローにしたものを、図2に示す。
そして、本発明は新たな計測器やシステムを必要とせず、散乱強度と平均粒径の計測ができるシステムであれば適用することができるため、汎用的に利用できる。これにより、従来は評価の難しかった粒径分布幅の広い試料に関しても、通常の計測器を用いた評価が可能となる。
なお、本実施の形態においては、鉄鋼試料から抽出した微粒子を液中に分散させた場合の例を示したが、本発明はこれに限定するものでは無く、試料は一般的な粉体で構わない。
上述した(1)から(5)の手順と図2の分析フローに従って粒径分布測定を行なった。各操作の具体的な条件は、以下に示す通りである。なお、本発明は下記の具体的な条件に制限されるものではない。
鋼として商用の炭素鋼を使用した。その化学成分は、C:0.10mass%、Si:0.12mass%、Mn:0.43mass%、P:0.03mass%、S:0.03mass%、Ni:0.01mass%、Cr:0.01mass%、Cu:0.10mass%である。そして、この鋼を20mm×50mm×0.2mmの大きさに加工したものを、電解用試料として4枚用意した。
次いで、電解用試料から微粒子を抽出するため、電解操作を図3に示す装置構成にて行なった。電解液として、試料1枚あたり500mlの10mass%アセチルアセトン−1mass%塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール(以降、略して10%AA系)溶液を用い、ビーカーに入れて使用した。また、全ての電解用試料について、表層の汚染を除去するための捨て電解を、最初に1回だけ行なった。電解操作は、電解用試料1枚につき、1回あたり0.1gずつの電解を5回繰り返して行なった。
上記により得られた測定対象の微粒子を媒体中に回収した。なお、媒体としては分散性溶液である濃度500mass ppmのヘキサメタリン酸水溶液を用い、これを100mlだけ電解装置とは別のビーカーに準備し回収した。また、最適なヘキサメタリン濃度については、ゼータ電位計を用いて決定した。
次に、測定外成分であるセメンタイトを除去するため、磁気分離操作を実施した。操作は分散性溶液中に磁石棒を入れて攪拌することで行なった。また、磁気分離操作中も、分散性溶液には超音波による振動を加えた。
次いで、上記により得られた溶液を5ml毎に20分割し、20個の試料(以下、微粒子分散液と称す)を得た。
次いで、得られた20個の微粒子分散液の粒径分布を段階的に分級する手段として、遠心分離法を用いて分級操作を行った。これは、今回、準備した試料においては、抽出される微粒子が微細で、且つ、成分が単一であるため、遠心分離法はより細かい条件設定を行なえるためである。また、事前の調査で分離条件と平均粒径の関係を算出した結果、20分割程度の刻み幅による評価で必要かつ充分と判断されたことから、得られた各微粒子分散液を10nm〜50nm程度の刻み幅で遠心分離の条件を変化させて、分級し、各微粒子分散液の平均粒径を変化させた。
その後、各水準で分級した後の微粒子分散溶液について、平均粒径と散乱強度を動的光散乱方式の粒径分布測定装置にて計測しこれを記録した。以降のデータ処理手順については先述した通りで、各微粒子分散溶液の平均粒径の変化を横軸に、散乱強度の変化を縦軸にプロットすることで粒径分布が算出される。
以上により得られた結果を図4に示す。また、比較例として、上記において、分割ならびに分級操作を行なわず、そのままの試料を粒径分布測定に用いた以外は、本発明例と同様に行った場合の測定結果も図4に併せて示す。
図4において、比較例では分布が1つのピークであるのに対し、本発明例での評価結果は2ピークの分布形状を示している。これは、従来法での評価では分布に関する測定精度が充分でないために、小径側のピークの存在を検知できていないことを示している。
また、図4に示す結果は散乱強度の分布であることから、実際の体積分布あるいは個数分布については40nm前後に現れる粒径粒子が支配的である。特に鉄鋼材料においては粒径が小さく、数的に多い析出物が重要な役割を果たす材料が多く、これらの正確な評価が不可欠である。この観点から、本法により正確な分布状態を把握することは極めて有益な情報をもたらすと考えられる。
本発明は、微粒子の粒径分布を計測するに際し、数水準の分級操作(例えば遠心分離の条件を各試料毎に変えること)により、段階的に平均粒径を変化させ、粒径・散乱強度の変化分をその粒径範囲に存在する粒子からの散乱光として定量的に利用する事により、縦軸である分布頻度に関する精度を飛躍的に向上させることができる。特に、遠心分離やろ過など、簡便に行なえる分級操作と従来の計測器を利用することが可能であるため、新たな設備投資を行なうことなく、精度を改善させ得る。これにより粒径分布の正確な評価を行う事ができ、製品としての材質特性との相関も大きく良化する。
各分級水準の平均粒径・散乱強度の推移と、求めた粒径分布のイメージを示す図である。 本発明に係る微粒子の粒径分布測定方法フローの一例を示す図である。 本発明に係る電解装置の構成を模式的に示した図である。 本発明例と比較例において、得られる粒径分布状態の比較を示した図である。

Claims (6)

  1. 微粒子に対して分散性を有する液体を媒体とし、測定対象粒子を前記媒体中に回収し、次いで、測定対象粒子が回収された前記媒体を複数に分割することで複数の試料を作製し、次いで、前記試料の粒径分布を動的光散乱法により各々測定し、前記測定結果を基に微粒子の粒径分布を各試料の平均粒径の差分と粒径算出のためにモニタしているプローブ光の散乱強度の差分の数値から求める微粒子の粒径分布測定方法であり、さらに、前記各試料の粒径分布測定結果が各試料毎に異なるように、各試料の粒径分布測定前に、あらかじめ、少なくとも1以上の試料に対して、各試料に対して異なるしきい値以下の微粒子を分離し回収する分級操作を行うことを特徴とする微粒子の粒径分布測定方法。
  2. 前記分級操作をろ過法により行うことを特徴とする請求項1に記載の微粒子の粒径分布測定方法。
  3. 前記分級操作を遠心分離法により行うことを特徴とする請求項1または2に記載の微粒子の粒径分布測定方法。
  4. 前記測定対象粒子は鋼から抽出した析出物・介在物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の微粒子の粒径分布測定方法。
  5. 前記分散性を有する溶液としてヘキサメタリン酸水溶液を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微粒子の粒径分布測定方法。
  6. 測定対象粒子が回収された前記媒体を5個以上に分割することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の微粒子の粒径分布測定方法。
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