JP3400395B2 - 粒径分布測定装置 - Google Patents

粒径分布測定装置

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JP3400395B2 JP33580799A JP33580799A JP3400395B2 JP 3400395 B2 JP3400395 B2 JP 3400395B2 JP 33580799 A JP33580799 A JP 33580799A JP 33580799 A JP33580799 A JP 33580799A JP 3400395 B2 JP3400395 B2 JP 3400395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沈降法により粉体
の粒径分布を計測する粒径分布測定装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、用いられてきた粒径分布測定法に
は、「化学製品のふるい分け試験方法」(JIS-K-0069)の
ように粉体をサンプリングした後に測定するものや、
「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法によ
る粒子径分布測定方法」(JIS-R-1629)のように粉体の懸
濁液のスラリー濃度に制約はあるものの直接測定できる
ものがある。
【0003】また、沈降法は、「液相沈降法による粉体
の粒子径分布測定方法通則」(JIS-Z-8820)、「沈降質量
法による粉体の粒子径分布測定方法」(JIS-Z-8822)、
「ファインセラミックス粉末の液相沈降光透過法による
粒径分布測定方法」(JIS-R-1619)のように、サンプリン
グした粉体の粒子レイノルズ数がストークス域にある球
形の粒子を測定するのに用いられている。また、これら
の公定法では、一定の組成を有し計測する温度における
密度既知の液体が沈降脚に満たされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、「化学製品の
ふるい分け試験方法」のような測定では粉体をサンプリ
ングした後に測定しなけらばならず手間がかり、「ファ
インセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子
径分布測定方法」のような測定では粉体の懸濁液のスラ
リー濃度が高いと測定できないなどの欠点があった。さ
らに、沈降法による測定でインラインに適用できる事例
は見当たらない。
【0005】また、沈降法を用いた公定法では、サンプ
リングした粒子レイノルズ数がストークス域にあるよう
な粒子径が小さいもので球形以外の粒子に関する粒径分
布測定はできなかった。たとえば、塩化ナトリウム結晶
などの晶析により生じる結晶のように、粒子の形状が球
形でないものや粒子径が2000μm程度のアレン域のもの
を測定できないという欠点があった。また、沈降脚に満
たす液体に不純物が含まれたり、外気温の影響などによ
り液体の温度が変動することにより液体の性状が変化す
ると、測定誤差が大きくなるという欠点があった。
【0006】粉体を製造する工程で当該粉体の粒径分布
を測定する例として、塩化ナトリウムを工業的に生産す
る製塩工場において実施されている方法がある。製塩工
程では、原料海水をイオン交換膜電気透析槽により濃い
塩水であるかん水を製造し、このかん水を真空式蒸発缶
による蒸発法でさらに濃度を高めて塩化ナトリウム結晶
を製造している。蒸発缶で製造する塩化ナトリウム結晶
の粒径分布、およびこの分布の標準偏差を測定すること
は、品質管理上、また運転管理上重要であり、現在、塩
試験方法(財団法人塩事業センター、平成9年4月1
日、138〜141頁)に従い、ふるい分け法により測
定されている。しかし、この方法ではサンプリング、試
料の前処理および測定操作が煩雑であるだけでなく、そ
れらの作業に要する時間も膨大である。そのため、製塩
工場での粒径分布測定は1つの蒸発缶で1日当たり数回
しか行われておらず、これらのデータも品質評価に使用
されるのみで、工程へフィードバックして運転管理に活
用する目的には適用できていないのが現状であり、イン
ラインによる連続測定が可能な装置および方法が求めら
れている。本発明は、インラインによる連続測定が可能
な粒径分布測定装置を提供することを課題とする。な
お、沈降法において、粒子を沈降させる液体の組成ある
いは温度による密度変化の影響を低減することは特にイ
ンラインに適用する場合に有用であり、このような粒径
分布測定装置を提供することも課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1記載の粒
径分布測定装置は、アレン域の粉体の懸濁液が流れる主
配管から一定量の粉体をサンプリングするサンプリング
手段と、該サンプリングされた一定量の粉体を沈降する
沈降脚と、該沈降脚を沈降する粉体の重量または体積
量に応じた出力値を出力するセンサとを備え、分級した
複数の粒径について、各粒径単独による前記沈降脚を沈
降する粉体が前記センサを通過するのに要した時間範囲
、該時間範囲におけるセンサ出力値の積分値とを求め
ておき、前記サンプリングされた一定量の粉体を前記沈
降脚で沈降させたときの前記センサ出力値の積分値を、
前記各粒径単独における前記時間範囲と前記センサ出力
の積分値とにより補正し、該補正積分値と予め求められ
た検量線とから該粉体の粒径分布を求めることを特徴と
する。
【0008】
【0009】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置は、請求項1の構成を備えるとともに、前記沈降脚
に満たされた液体の密度を検出する密度検出手段を
え、前記密度検出手段で検出した密度に基づいて前記
径分布を補正することを特徴とする。
【0010】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置は、請求項の構成を備え、径分布を調製した粉
体について、前記液体の基準密度とそれ以外の密度で粒
径分布を測定することにより予め求めた密度補正式を用
い、前記密度検出手段で検出した密度と前記密度補正式
に基づいて、前記求めた粒径分布を補正して粒径分布を
求めることを特徴とする。
【0011】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置は、請求項またはの構成を備え、前記密度検出
手段が、前記沈降脚に満たされた液体について高さが異
なる2点間の圧力差を測定する差圧計により前記液体の
密度を検出することを特徴とする。
【0012】したがって、本発明請求項1記載の粒径分
布測定装置は、自動でサンプリングして粒径分布の測定
を行うとともに、スラリー濃度が高い粉体の懸濁液の粒
径分布をインラインで測定することが可能となるととも
に、晶析により生じる結晶なども粒子の形状にかかわり
なく、粒径が大きい粉体の粒径分布を測定することが可
能となる。
【0013】
【0014】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置は、インラインで測定する際に、沈降脚に満たす液
体として基準密度に調製した液体を準備する必要がな
く、液体の不純物や温度の影響による性状変化に関わり
なく粒径分布の測定を行うことができ、インラインで測
定するのに好適となる。
【0015】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置は、請求項3と同様な作用効果が得られるととも
に、密度補正式を用いるので検量線は基準密度について
のもの一つだけでよく、構成が簡単になる。
【0016】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置によれば、請求項またはと同様な作用効果が得
られるとともに、沈降脚に満たされた液体について高さ
が異なる2点間の圧力差から密度を検出するので、沈降
脚に満たされた液体の平均的な密度を計測することがで
き、計測時における液体の不純物や温度の影響による性
状変化を密度測定値で表すことができ、さらに、粒径分
布の測定誤差を小さくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。図1は本発明請求項1記載
の粒径分布測定装置の一実施形態を示す図である。図に
おいて、1は晶析装置、2は晶析装置1より結晶として
析出される粉体としての塩の結晶、3は結晶2が均一に
分布する懸濁液、4は結晶2より比重が軽くかつ結晶2
を溶解しない液体、5は液体4で満たされ一定の高さを
有する沈降脚、6は沈降脚5の下部に設けられ液体4中
を沈降した結晶2の重量または体積を測定するセンサ、
7はセンサ6の下部に設けられ結晶2および液体4を排
出できる排出バルブ、8は沈降脚5およびセンサ6に液
体4を供給する液体供給装置、9は沈降脚5およびセン
サ6に洗浄液を供給する洗浄液供給装置、10は懸濁液
3が流れる主配管、11は主配管10から分岐して懸濁
液3が流れるバイパス、12は懸濁液3の流れを主配管
10とバイパス11とで変更できる流路変更用三方弁、
13は流路変更用三方弁12より下流側の主配管10に
設けられ一定量の結晶2を自動で沈降脚5に投入するサ
ンプリング手段としてのサンプリング用三方弁である。
また、Aはパーソナルコンピュータで構成された測定制
御部である。
【0018】本装置では、晶析装置1にて結晶として析
出した結晶2は懸濁液3として主配管10を流れてい
る。測定時は、測定制御部Aにより、流路変更用三方弁
12およびサンプリング用三方弁13が切換制御され、
流路変更用三方弁12により懸濁液3の流路をバイパス
11に変更すると同時にサンプリング用三方弁13によ
り一定量の結晶2を沈降脚5に投入し、再び、流路変更
用三方弁12により懸濁液3の流れを主配管10に戻
す。これにより、投入された結晶2が液体4の中を重力
沈降して分級された後、センサ6を通過する。この際、
測定制御部Aは、結晶2がセンサ6を通過するのに要し
た時間範囲およびセンサ6の測定出力より粒径分布を求
める。測定が終了すると、排出バルブ7より結晶2およ
び液体4を排出し洗浄液供給装置9から洗浄液を供給し
て沈降脚5およびセンサ6を洗浄した後、液体供給装置
にて液体4を供給して沈降脚5に満たす。
【0019】(本装置を用いた測定方法) 図2は本発明請求項記載の粒径分布測定装置に対応し
て主に測定制御部Aの詳細を示す図である。なお、測定
制御部Aはパーソナルコンピュータ等で構成されてお
り、各種の演算機能自体はパーソナルコンピュータにお
いてCPUがプログラムを実行することで実現できるこ
とは周知であり、また、記憶機能もRAMやハードディ
スク等の周知な記憶装置で実現できるので、図2におい
ては、測定制御部Aの詳細を機能ブロック図で示してあ
る。
【0020】図において、2〜13は図1と同様なもの
であり、信号14はセンサ6により結晶2の重量または
体積を測定した測定出力を示す。15は、ふるいなどに
より各粒径範囲に分級した結晶がセンサ6を通過するの
に要した時間範囲をあらかじめ測定した時間範囲デー
タ、16は分級した結晶がセンサ6を通過するのに要し
た時間範囲における測定出力の積分値とそれと異なる粒
径範囲に対応する時間範囲における積分値との比例関係
よりあらかじめ求めた補正式、17は分級した結晶がセ
ンサ6を通過するのに要した時間範囲における測定出力
の積分値と結晶重量の関係よりあらかじめ求めた検量
線、18は測定出力14を時間範囲データ15において
積分する積分計算部、データ19は積分計算部18より
出力される積分値、20は補正式16により積分値19
を補正する補正部、データ21は補正部20より出力さ
れる積分補正値、22は検量線17を用いて積分補正値
21から各粒径範囲の重量分布を算出し粒径分布を求め
る演算部である。
【0021】本装置では、まず、各粒径範囲に分級した
結晶を用いてセンサ6の測定出力を取得した。この結果
より、各粒径範囲に分級した結晶がセンサ6を通過する
のに要した時間範囲を時間範囲データ15として得ると
ともに、分級した結晶がセンサ6を通過するのに要した
時間範囲における積分値と結晶重量の関係から検量線1
7を求めた。
【0022】(本装置を用いた測定例)ここで、粒子の
形状が球形でない測定例として、850μmから200
0μmのふるいを用いて6段階に分級した塩化ナトリウ
ム結晶粒子を試料結晶2として測定した結果を示す。
【0023】本実施例では、内径50mmφ高さ3000mm
の沈降脚5を用い、センサ6として吸光度計を用いた。
塩化ナトリウム飽和水溶液を沈降脚5内に導入循環して
液を満たし、しばらく静置した後、サンプリング用三方
弁13を開き試料結晶を沈降脚5内に沈降させた。測定
は、サンプリング用三方弁13を開くとともに、AD変
換器にて吸光度計の出力電圧を変換して、データを測定
制御部Aであるノート型パソコンに0.02秒間隔で 600秒
間取得した。AD変換器は(株)キーエンス製のNR-11
0、吸光度計は東京光電(株)製のJT-6100 、ノート型
パソコンはNEC(株)製の PC-9821nfを使用した。な
お、実験はすべて室温にて実施した。
【0024】図3に分級した各試料結晶を個別に沈降脚
5に投入し沈降させた時の、吸光度計(センサ6)の測
定出力(電圧)を示す。この結果では、各測定出力の立
ち上がりに粒径の大小関係が見られるものの、その終了
時間は小さい粒径側の測定出力の立ち上がりと重複して
いた。この測定出力の重複により、分級した各試料結晶
を混合して沈降させたときセンサ6を通過するのに要し
た時間範囲における測定出力の積分値は各粒径範囲ごと
に互いに影響することとなり、この影響を次のように補
正式16として求めた。
【0025】図4は補正式を求める方法の一例を示す図
で、図4(A) は分級した単一粒径の試料結晶2種の個別
の測定出力を測定時間を合わせて1つの座標上に重ねて
プロットしたもので、図4(B) は同2種の試料結晶を混
合した場合の測定出力を測定時間でプロットしたもので
ある。
【0026】この例では、図4(A) において分級した結
晶がセンサ6を通過するのに要した時間範囲R1における
積分値S1(曲線L1と時間軸とで挟まれた部分の面積)
とそれと異なる時間範囲R2における補正積分値 S1'(曲
線L1の右半分と時間軸とで挟まれた斜線部分の面積)
が比例することから(S1'=A1×S1 : A1は定数。)、図
4(B) のように種々の粒径の結晶粒子が混合する試料の
粒径分布を測定する時に、時間範囲R1における本試料
(種々の粒径の結晶粒子が混合する試料)の積分値I1
(図4(B) の時間範囲R1の部分の曲線Lと時間軸とで挟
まれた部分の面積)から補正積分値 S1'(図4(A) のS1
の斜線部分の面積)を求めてこれが図4(B)の S1'(斜
線部分)と略等しいとした。また、同様に積分値S3(図
4(A) の曲線L3と時間範囲R3とで挟まれた部分)から
求めた補正積分値S3′′(図4(A) のS3中の斜線部分の
面積)も図4(B) のS3′′と略等しいとして、時間範囲
における本試料の積分値I2(時間範囲R2の部分の曲線L
と時間軸とで挟まれた部分の面積)から補正積分値 S1'
と補正積分値S3′′を引き算して小さい粒径側単独によ
る積分値S2を求めるものとした。
【0027】このように、あらかじめ1種類の粒径範囲
(分級の基準となる粒径)の結晶粒子についての測定出
力の経時変化において、その粒径範囲の結晶粒子が通過
する時間範囲の積分値から、これと同じ時間範囲にこれ
と異なる粒径範囲の結晶粒子が通過する測定出力の積分
値を予測し、この予測した積分値を、粒径の異なる結晶
粒子を混合した場合の積分値から減算することにより、
該当粒径単独による積分値を求めようとしているので、
各粒径範囲において、これらの関係を整理し連立方程式
を解けば求めることができる。
【0028】例えば、図4(B) のように3種類の粒径の
場合について説明すると、各粒径単独による積分値S1,
S2,S3は、時間範囲R1における本試料の積分値I1、時間
範囲R2における本試料の積分値I2、時間範囲R3における
本試料の積分値I3と、予め個々の粒径について判明して
いる係数A1,B1,B2,C1とによる、以下の連立方程式を
解くことにより求められる。
【0029】
【数1】
【0030】なお、係数A1は時間間隔R1とR2の重複部分
のS1の予測値(S1′ )とS1全体の比例係数、係数B1は
時間間隔R1とR2の重複部分のS2の予測値とS2全体の比例
係数、係数B2は時間間隔R2とR3の重複部分のS2の予測値
とS2全体の比例係数、係数C1は時間間隔R2とR3の重複部
分のS3の予測値とS3全体の比例係数である。
【0031】次に、分級した各々の試料結晶より求めた
結果を用いて、種々の粒径の結晶粒子が混合する試料結
晶の粒径分布を測定する。まず、液体4で満たされた沈
降脚5に投入された結晶2が、沈降脚5内を重力沈降し
て分級された後、センサ6を通過する。この際、センサ
6からの測定出力14を積分計算部18により時間範囲
データ15の時間範囲にて積分して積分値19を求め
る。しかし、ここで求めた積分値19は各粒径範囲に分
級した結晶の測定出力の重複により、誤差を含んでい
る。そこで、補正部20にて補正式16より積分値19
を補正し積分補正値21を求める。すなわち、前述のよ
うに各粒径単独による積分値に順次補正して積分補正値
21を求める。次に、演算部22にて検量線17を用い
て積分補正値21より各粒径範囲の重量分布を算出しこ
れより粒径分布を求める。
【0032】ここで、本装置により測定した一例とし
て、塩化ナトリウム結晶の平均粒径と標準偏差につい
て、本発明請求項の実施例による測定とふるいによる
測定を比較した結果を図5および図6に示す。この結果
より、両者の測定結果は非常に良く一致し、平均誤差が
平均粒径で19μm、標準偏差で15μmの結果を得た。
【0033】図7は本発明の他の実施形態の粒径分布測
定装置の要部を示す図である。図7において、符号2〜
22を付した要素は図1または図2と同様なものであ
り、詳細な説明は省略する。図7において、31aはサ
ンプリング用三方弁13の近傍位置で沈降脚5に取り付
けられた圧力計、31bはセンサ6の上部近傍位置で沈
降脚5に取り付けられた圧力計である。この圧力計31
a,31bはそれぞれ沈降脚5内の液体4の圧力を検出
し、この検出圧力の差圧が密度出力部31cで平均的な
密度に変換される。
【0034】このように、圧力計31a,31bおよび
密度出力部31cは密度検出手段としての差圧計31を
構成している。なお、この液体4の平均的な密度は、圧
力計31a,31bで検出される差圧と圧力計31a,
31b間の距離から得られることはいうまでもない。
【0035】そして、この実施形態においても、結晶2
は懸濁液3として主配管10を流れている。測定時は、
サンプリング用三方弁13により一定量の結晶2を沈降
脚5に投入する。投入された結晶2が液体4の中を重力
沈降して分級された後、センサ6を通過する。この際、
結晶2がセンサ6を通過するのに要した時間範囲とセン
サ6の測定出力および差圧計31の測定出力より計測し
た液体4の平均的な密度より粒径分布を求める。なお、
測定が終了すると、排出バルブ7より結晶2および液体
4を排出し洗浄液供給装置9から洗浄液を供給して沈降
脚5およびセンサ6を洗浄した後、液体供給装置にて液
体4を供給して沈降脚5に満たす。
【0036】図7において、23は演算部22より出力
される粒径分布のデータ、24は粒径分布を調製した結
晶について基準密度とそれ以外の密度で粒径分布を測定
することにより予め求めた密度補正式、25は差圧計3
1の測定出力より計測した平均的な密度のデータ、26
は密度補正式24と密度データ25より粒径分布23に
密度補正を行う密度補正部である。
【0037】本装置では、まず、各粒径範囲に分級した
結晶を用いて、基準密度におけるセンサ6の測定出力を
取得した。この結果より、前記の実施形態と同様に、各
粒径範囲に分級した結晶がセンサ6を通過するのに要し
た時間範囲を時間範囲データ15として測定するととも
に、分級した結晶がセンサ6を通過するのに要した時間
範囲における積分値と結晶重量の関係から検量線17を
求めた。
【0038】この際、塩化ナトリウム結晶粒子を測定し
た例では、時間範囲データ15には重複があり、分級し
た結晶がセンサ6を通過するのに要した時間範囲におけ
る積分値は各粒径範囲毎に互いに影響するため、前記の
実施形態と同様に、この影響を補正式16として求め
た。
【0039】続いて、粒径分布を調製した粉体を用い
て、基準密度とそれ以外の密度でセンサ6の測定出力1
4を収得した。この結果より検量線17と補正式16を
用いて粒径分布を算出し、基準密度で測定した粒径分布
とそれ以外の密度で測定した粒径分布との関係から密度
補正式24を求めた。
【0040】ここで、平均粒径800μm、標準偏差2
50μmの調製した結晶について、液体の密度1.2
0、1.25、1.30g/cm3 において、センサ6
の出力を測定したところ概ね図12のような結果がえら
れた。同図に示すように、出力(吸光度)の立ち上がり
時間およびピーク時間は密度が高くなるにしたがって遅
くなる傾向が見られる。しかし、吸光度の出力の全体の
積分値(曲線が囲む面積)は、密度が変化しても大きな
差は生じておらず、積分値と密度の相関関係は認められ
なかった。これにより、液体の密度の影響は、吸光度の
積分値に対するよりも沈降時間に対する方が大きく、そ
の出力は密度が高くなると時間的に遅れた波形となると
考えられる。
【0041】そこで、密度1.20g/cm3 において
前記実施形態と同様に求めた検量線を、密度1.25、
1.30g/cm3 における粒径分布の推定に適用して
測定を行った。この測定例として、塩化ナトリウム結晶
粒子を結晶として、平均粒径が300μmから1300
μm、標準偏差が50μmづつ異なる3種類に調製した
結晶について、液体の密度1.20、1.25、1.3
0g/cm3 において、基準密度1.20g/cm3
測定した検量線と補正式により平均粒径と標準偏差を算
出した。そして、その結果を、ふるい分け法による測定
値に対して点綴すると図10および図11のようになっ
た。これにより、両者の関係はぞれぞれの密度で原点を
通る直線で良好に相関されることがわかる。そこで、こ
の関係より密度補正式を求めた。
【0042】ここで、図10の相関式は次式(1)〜
(3)となった。
【0043】
【数2】
【0044】また、図11の相関式は次式(4)〜
(6)となった。
【0045】
【数3】
【0046】これらの近似式において、その傾きは密度
が高くなると小さくなる傾向が見られ、上記近似式に基
づいて例えば密度ρ=1.25の場合について示す次式のよ
うに粒径の推定値Leから粒径の補正値Lcを求める
と、補正値の誤差および標準偏差の誤差も小さくなるこ
とがわかった。
【0047】
【数4】
【0048】そこで、前式(1)〜(6)から次式
(7)、(8)の密度補正式を作成した。
【0049】
【数5】
【0050】そして、前記のように、塩化ナトリウム結
晶粒子を結晶として、平均粒径が300μmから130
0μm、標準偏差が50づつ異なる3種類に調製した結
晶を、液体の密度1.20、1.25、1.30g/c
3 において、基準密度1.20g/cm3 についての
検量線と補正式により平均粒径と標準偏差を算出し、こ
れを密度補正式(7)、(8)で補正し、その補正値を
ふるい分け法による測定値に対して点綴すると、図8お
よび図9のようになった。このように、両者の測定結果
は非常に良く一致することがわかる。
【0051】なお、実施形態における差圧計31は、沈
降脚5の内、沈降を開始する位置からセンサ6を通過す
る直前までの液体4についての平均的な密度を検出し
て、測定精度を高めている。すなわち、液体4中を沈降
する結晶2の速度は、その沈降過程の全ての密度の影響
を受けるが、この沈降過程のほぼ全過程での平均密度を
検出するので、密度による影響を十分に補正できる。
【0052】
【発明の効果】本発明請求項1記載の粒径分布測定装置
によれば、自動でサンプリングして粒径分布の測定を行
うとともに、スラリー濃度が高い懸濁液の粒径分布をイ
ンラインで測定することができるとともに、晶析により
生じる結晶なども粒子の形状にかかわりなく、粒径が大
きい結晶の粒径分布を測定することができる。
【0053】
【0054】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置によれば、インラインで測定する際に、沈降脚に満
たす液体として基準密度に調製した液体を準備する必要
がなく、液体の不純物や温度の影響による性状変化に関
わりなく粒径分布の測定を行うことができ、インライン
で測定するのに好適となる。
【0055】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置によれば、請求項と同様な効果が得られるととも
に、密度補正式を用いるので検量線は基準密度について
のもの一つだけでよく、構成が簡単になる。
【0056】また、本発明請求項記載の粒径分布測定
装置によれば、請求項またはと同様な効果が得られ
るとともに、沈降脚に満たされた液体について高さが異
なる2点間の圧力差から密度を検出するので、沈降脚に
満たされた液体の平均的な密度を計測することができ、
計測時における液体の不純物や温度の影響による性状変
化を密度測定値で表すことができ、さらに、粒径分布の
測定誤差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明請求項1記載の粒径分布測定装置の実施
例を説明する図である。
【図2】本発明請求項2記載の粒径分布測定装置の実施
例を説明する図である。
【図3】分級した塩化ナトリウム結晶粒子を結晶として
測定した結果を示す図である。
【図4】本発明請求項2の実施例において、補正式を求
める方法の一例を示す図である。
【図5】塩化ナトリウム結晶の平均粒径について、本発
明請求項2の実施例による測定とふるいによる測定を比
較した結果を示す図である。
【図6】塩化ナトリウム結晶の標準偏差について、本発
明請求項2の実施例による測定とふるいによる測定を比
較した結果を示す図である。
【図7】本発明請求項3乃至5に係る粒径分布測定装置
の要部を示す図である。
【図8】塩化ナトリウム結晶の平均粒径について、本発
明請求項3乃至5の実施例による測定とふるいによる測
定を比較した結果を示す図である。
【図9】塩化ナトリウム結晶の標準偏差について、本発
明請求項3乃至5の実施例による測定とふるいによる測
定を比較した結果を示す図である。
【図10】塩化ナトリウム結晶の基準密度で算出した平
均粒径について、本発明請求項3乃至5の実施例による
測定とふるいによる測定を比較した結果を示す図であ
る。
【図11】塩化ナトリウム結晶の基準密度で算出した標
準偏差について、本発明請求項3乃至5の実施例による
測定とふるいによる測定を比較した結果を示す図であ
る。
【図12】塩化ナトリウム結晶についての密度の変化に
対する沈降速度の変化を示す測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1…晶析装置、2…結晶(粉体)、3…懸濁液、4…液
体、5…沈降脚、6…センサ、7…排出バルブ、8…液
体供給装置、9…洗浄液供給装置、10…主配管、11
…バイパス、12…流路変更用三方弁、13…サンプリ
ング用三方弁、14…測定出力、15…時間範囲デー
タ、16…補正式、17…検量線、18…積分計算部、
19…積分値、20…補正部、21…積分補正値、22
…演算部、24…密度補正式、26…密度補正部、31
…差圧計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正岡 功士 神奈川県小田原市酒匂4丁目13番20号 財団法人塩事業センター海水総合研究所 内 (56)参考文献 特開 昭62−231138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 15/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アレン域の粉体の懸濁液が流れる主配管
    から一定量の粉体をサンプリングするサンプリング手段
    と、該サンプリングされた一定量の粉体を沈降する沈降
    脚と、該沈降脚を沈降する粉体の重量または体積の量に
    応じた出力値を出力するセンサとを備え、分級した複数の粒径について、各粒径単独による 前記沈
    降脚を沈降する粉体が前記センサを通過するのに要した
    時間範囲と、該時間範囲におけるセンサ出力値の積分値
    とを求めておき、 前記サンプリングされた一定量の粉体を前記沈降脚で沈
    降させたときの前記センサ出力値の積分値を、前記各粒
    径単独における前記時間範囲と前記センサ出力の積分値
    とにより補正し、該補正積分値と予め求められた検量線
    とから 該粉体の粒径分布を求めることを特徴とする粒径
    分布測定装置。
  2. 【請求項2】 前記沈降脚に満たされた液体の密度を検
    出する密度検出手段を備え、 前記密度検出手段で検出した密度に基づいて前記粒径分
    布を補正すること を特徴とする請求項1記載の粒径分布
    測定装置。
  3. 【請求項3】 粒径分布を調製した粉体について、前記
    液体の基準密度とそれ以外の密度で粒径分布を測定する
    ことにより予め求めた密度補正式を用い、 前記密度検出手段で検出した密度と前記密度補正式に基
    づいて、前記求めた粒径分布を補正して 粒径分布を求め
    ることを特徴とする請求項2記載の粒径分布測定装置。
  4. 【請求項4】 前記密度検出手段が、前記沈降脚に満た
    された液体について高さが異なる2点間の圧力差を測定
    する差圧計により前記液体の密度を検出することを特徴
    とする請求項2または3記載の粒径分布測定装置。
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