JP5277718B2 - 基地局装置及びデータ送信方法 - Google Patents
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このため、移動端末の基地局間移動をスムーズに行うには、隣接する基地局間で、送信タイミングが揃っている基地局間同期が確保されている必要がある。
ここで、基地局間同期のための技術としては、例えば、特許文献1記載のものがある。
しかし、GPS信号を利用して同期をとる場合、各基地局が、GPS受信機を備える必要があり、大型化・コストアップを招く。また、室内等のGPS信号を受信できない環境に設置される基地局の場合、基地局間同期をとることが不可能になる。
この場合、移動端末との通信を行う周波数と同じ周波数を用いた無線通信で同期をとれるので、GPS信号を受信する場合のGPS受信機のように同期用の特別な受信系が必要ない。
このため、基地局の小型化・コストダウンを図ることができ、室内等に設置される小型の基地局として適したものとなる。
具体的には、図12に示すように、WiMAXでは、一つの基本フレームが、下りサブフレーム(基地局の信号送信時間)と上りサブフレーム(基地局の信号受信時間)とが時間方向に並べて配置されている。なお、下りサブフレームは、先頭にプリアンブル(Preamble)を備えている。
このような基地局間同期をとる処理は、基地局の起動時に行われ、基地局間同期がとれてから、移動端末との間での通常の通信が行われる。
しかし、端末装置へのデータの送信を停止すると、その分、データ送信に遅延が生じ、スループットが低下するおそれがある。
前記送信優先度は、データのサービスクラスに基づくものであるのが好ましい。
この場合、送信停止となったデータを蓄積せず、端末装置にとって欠落したデータとする方が有利な場合には、欠落モードに切り替えることができる。
図1は、インターネットなどのTCP/IPネットワークNWをバックボーンネットワークとする移動体無線通信システムを示している。
この通信システムは、端末装置である移動端末(MS;Mobile Station)101,102,103に対する無線通信を行う基地局装置(BS;Base Station)1,2,3を複数備えている。複数(数千)の基地局1,2,3は、アクセス制御装置となるASN−GW(Access Service Network Gateway)105に接続されている。また、ASN−GW105は、HA(Home Agent)106を介して、インターネットなどの上位ネットワークNWに接続される。
前記無線通信システムにおける基地局装置1,2,3と端末装置101,102,103との通信は、OSI参照モデルにおけるレイヤ2(データリンク層)に対応する規約に基づいて行われるものである。
図11に示したように、WiMAXでは、一つの基本フレームが、下りサブフレーム(基地局装置の信号送信時間)と上りサブフレーム(基地局装置の信号受信時間)とが時間方向に並べて配置されており、TDD(時分割複信)によって送信と受信の複信を行う通信システムとされている。
なお、下りサブフレームは、先頭に、既知信号であるプリアンブル(Preamble)を備えている。
マスタ基地局装置1は、基地局間同期のためのタイミングを他の基地局装置が送信した信号(同期信号;プリアンブル)の受信波から検出して取得する必要がない基地局装置である。例えば、マスタ基地局装置1は、自装置が発生するクロックに基づいて自ら信号の送信タイミングを決定する自走マスタ基地局装置として構成することができる。なお、マスタ基地局装置1は、GPS受信機を備え、GPS信号を用いて信号の送信タイミングを決定するものであってもよい。
さらに、送信部20は、スイッチ25を有している。このスイッチ25は、送信データ(パケット)を蓄積したバッファ(送信データ(パケット)蓄積部)26を、送信フレーム形成のために変調部25に与えるか否かを切り替えるためのものである。
周期制御部34は、同期誤差の履歴情報に基づいて、同期誤差の過去の傾向を示す情報(統計量)を計算し、その情報(統計量)の大きさに合わせて、同期モードが実行される周期(頻度)を変更する。つまり、過去の同期誤差が大きければ、周期を短くし(頻度を高くし)、過去の同期誤差が小さければ、周期を長く(頻度を低く)する。
なお、基地局装置が起動したとき行われる基地局間同期のための処理を初期同期処理というものとする。初期同期処理は、前述のように起動時に実行され、より具体的には、基地局装置が起動してから、端末装置との通信が開始されるまでの間に行われる。また、この初期同期処理の具体的内容は、後述の「通信を停止した同期モード」における処理とほぼ同様である。
しかし、スレーブ基地局装置2のクロック発生器の精度が十分でなかったり、基地局装置間でクロック精度にばらつきがあったりすると、時間の経過によって、同期ずれが生じる。つまり、基地局装置が、端末装置との通信を行っていると、次第に、他の基地局装置の送受信タイミング(通信タイミング)とずれ(同期ずれ)が生じる。
このように、初期同期処理にて基地局装置間の通信タイミングを揃えても、図6に示すように、端末装置との通信の間に、同期ずれが次第に大きくなる。
図5は、基地局装置2,3が、端末装置との通信を行う(通常)通信モードから、他の基地局装置(マスタ基地局装置又はスレーブ基地局装置)からの信号を受信する同期モードに切り替わるためのフローチャートを示している。
端末装置との間で通信を行う通常通信モードであるときに、同期モードへ移行すべきタイミングになったと判定された場合(ステップS2)、基地局装置2,3は、同期モード(ステップS3)に移行する。同期モードが終了すると、再び通常通信モードに戻る(ステップS4)。
基地局装置2,3は、端末装置との間で通信を行いつつも、定期的又は必要に応じて随時、同期モードを実行することで、同期ずれが生じても、それを解消することができる。
なお、同期信号としては、ミッドアンブル、パイロット信号などであってもよい。
基地局装置2,3は、他の基地局装置1,2が使用する可能性のあるプリアンブルパターンを既知パターンとしてメモリに有している。基地局装置2,3は、これらの既知のプリアンブルパターンを用いて、プリアンブルのタイミング等を検出する。
このように、端末装置との間で通信を行う通信モードを停止して、他の基地局装置からの同期信号を用いて同期をとるため、同期をとるための制御用チャネルがなくても、同期をとることができる。
クロック周波数オフセットは、時間の経過によって、急激に変化するわけではなく、図7(a)に示すように、時間の変化に対してなだらかに変化する。したがって、周期制御部34は、前述のように、同期誤差の過去の傾向に基づいて周期を変更することで、適切な周期変更が行える。
具体的には、同期モードになると制御部34が、切り替えスイッチ24を制御して、変調された信号(送信フレーム;送信データ)が、D/A変換部22へ与えられないように、変調部21とD/A変換部22との間を切り離す。このため、変調部21が、毎送信フレームタイミングに合わせて送信フレームを生成すると、同期モードのタイミングでは、送信フレームが送信されなくなる。
この場合、送信されなかったフレームに対応する1又は複数のパケットについて、パケット損が発生する。
したがって、同期モードの間においては、バッファ26のデータ(パケット)が、送信停止となって送信のために取り出されることなく、バッファ26に蓄積されたままになる。この結果、同期モードの間においては、送信フレームも生成されないことになる。
そして、同期モードから通信モードに復帰して、移動端末MSへのデータ送信が再開されると、バッファ26に蓄積されていたデータ(パケット)が、移動端末MSへ送信される。
この結果、基地局装置(BS)では、バケット番号1〜8のパケットが送信対象となっても、パケット番号「5」のパケットについては、実際には送信されないため、移動端末MSにおいて受信することができない。
したがって、移動端末MSから定期的に送信される「Go Back N Ack」にでは、再送不要の指示となり、図9(a)のように再送に伴う遅延は生じない。図9(b)の場合に発生する遅延は、高々、同期モードの実行時間分にすぎない。
具体的には、同期モード中に送信されるべきであったパケットの番号が「5」であり、通信モードが再開した時点で送信されるべきパケットの番号が「6」であったとする。この場合、通信モードが再開すると、まず、バッファ26に蓄積されていた番号「5」のパケットが送信され、その次に、番号「6」のパケットが送信される。
優先度比較部26cは、パケットのサービスクラスを識別するために、DSCP(Diff Service Code Point)による識別を行う。
具体的には、優先度比較部26cは、対象となるパケットがIPv4パケットであれば、ヘッダのTOS(Type Of Service)フィールド(8ビット)に含まれるDSCPフィールド(6ビット)を参照して、サービスクラス(トラフィックタイプ)を識別することができる。
また、対象となるパケットがIPv6であれば、ヘッダのTraffic classフィールド(8ビット)に含まれるDSCPフィールド(6ビット)を参照して、サービスクラス(トラフィックタイプ)を識別することができる。
rtPSは、音楽又は映像のストリーミングなどのアプリケーションに適用されるクラスである。
ErtPSは、無音抑制付きVoIPなどのアプリケーションに適用されるクラスである。
nrtPSは、FTP(File Transfer Protocol)などのアプリケーションに適用されるクラスである。
BEは、伝送レート・伝送遅延など伝送を保証しないものであり、データ通信、ウェブブラウジングなどに適用されるクラスである。
このようにリアルタイム性が要求されるものを優先して送信するようにすることで、リアルタイム性が損なわれることを防止できる。
つまり、リアルタイム性がさほど要求されない単なるデータ転送(BE)の場合、送信を後回しにして、多少の遅延が発生しても問題とならない。一方、VoIPのようにリアルタイム性が要求されるデータの場合、遅延の発生は音声の途切れなどの異常の原因となるため優先的に送信することで、異常の発生を防止できる。
この場合、同期モードの間は、データ(パケット)の取り扱いに関して、蓄積モードと欠損モードの2つのモードがあり、制御部24は、蓄積モードと欠損モードのいずれかを選択する。
特に、同期モードとなる頻度が高い場合に、バッファ26への蓄積をしなければ、ARQに伴う遅延も頻繁に発生することになり、全体として遅延量が大きくなる。
そこで、本実施形態では、制御部34は、同期モードとなる周期が、所定の閾値よりも短い(頻度が高い)場合には、蓄積モードとし、ARQに伴う遅延が頻繁に発生するのを防止する。
そこで、本実施形態では、制御部24は、同期モードとなる周期が、所定の閾値よりも長い(頻度が低い)場合には、欠損モードとし、同期モード中のバッファあふれが生じる可能性を低下させる。
したがって、両遅延時間特性の交点に相当する同期モード間隔を閾値とし、この閾値よりも同期モードの間隔が小さい(頻度が高い)場合には、蓄積モードによって、データをバッファ26に蓄積するようにして、ARQによって遅延時間が大きくなるのを回避することができる。つまり、この場合、発生する遅延時間は、バッファあふれによる遅延時間である。
2 基地局装置
3 基地局装置
21 変調部
24 スイッチ
25 スイッチ
26 バッファ
32 フレームタイミングカウンタ
33 同期誤差検出部
34 周期制御部
35 同期誤差履歴記憶部
Claims (9)
- 端末装置にデータを送信すべき時間帯において他の基地局装置から送信された同期信号を取得して同期誤差を修正する同期モードを実行する手段と、
同期モードの間において端末装置に送信すべきデータを蓄積する蓄積手段と、
を備え、
端末装置にデータを送信すべき時間帯であっても、同期モードの間は端末装置へのデータ送信を休止し、同期モードの間に前記蓄積手段に蓄積されたデータを、同期モードが終了して端末装置へのデータ送信を再開した後に、前記端末装置へ送信するよう構成されている
ことを特徴とする基地局装置。 - 同期モードの間に前記蓄積手段に蓄積されたデータと、端末装置へのデータ送信を再開した後において送信対象となったデータと、の送信優先度を比較し、優先度の高いデータを優先して送信するよう構成されている
請求項1記載の基地局装置。 - 同期モードの間に前記蓄積手段に蓄積されたデータを、端末装置へのデータ送信を再開した後において、他のデータよりも優先して送信するよう構成されている
請求項1記載の基地局装置。 - 端末装置にデータを送信すべき時間帯において、端末装置へのデータの送信を停止する停止手段と、
前記停止手段によるデータ送信停止中に、他の基地局装置から送信された同期信号を取得する手段と、
取得した同期信号に基づいて同期誤差を修正する修正手段と、
前記停止手段によって送信停止となったデータを蓄積する蓄積手段と、
端末装置へのデータ送信を再開した後に、前記蓄積手段によって蓄積されたデータを端末装置へ送信する送信手段と、
端末装置からの欠損データ再送要求に応じて、欠損データを端末装置へ再送する手段と、
前記停止手段によって送信停止となったデータを前記蓄積手段が蓄積する蓄積モードと、前記停止手段によって送信停止となったデータを、前記蓄積手段によって蓄積せず、端末装置にとって欠損したデータとする欠損モードと、を切り替えるモード切替手段と、
を備えることを特徴とする基地局装置。 - 前記切替手段は、端末装置へのデータ送信停止の頻度が、閾値よりも高い場合には、前記蓄積モードに切り替え、前記閾値よりも低い場合には、前記欠損モードに切り替える
請求項4記載の基地局装置。 - 前記送信手段は、前記停止手段によって送信停止となって前記蓄積手段に蓄積されたデータと、端末装置へのデータ送信を再開した後において送信対象となったデータと、の送信優先度を比較し、優先度の高いデータを優先して送信するものである請求項4又は5記載の基地局装置。
- 前記送信優先度は、データのサービスクラスに基づくものである請求項6記載の基地局装置。
- 基地局装置におけるデータ送信方法であって、
端末装置にデータを送信すべき時間帯において他の基地局装置から送信された同期信号を取得して同期誤差を修正する同期モードを実行し、
同期モードの間において端末装置に送信すべきデータを蓄積し、
端末装置にデータを送信すべき時間帯であっても、同期モードの間は端末装置へのデータ送信を休止し、同期モードの間に前記蓄積手段に蓄積されたデータを、同期モードが終了して端末装置へのデータ送信を再開した後に、前記端末装置へ送信する
データ送信方法。 - 端末装置からの欠損データ再送要求に応じて、欠損データを端末装置へ再送する手段を備えた基地局装置におけるデータ送信方法であって、
端末装置にデータを送信すべき時間帯において、他の基地局装置から送信された同期信号を取得するために、端末装置へのデータの送信を停止し、
送信停止となったデータを蓄積し、
端末装置へのデータ送信を再開した後に、蓄積されたデータを端末装置へ送信する、
ことを含み、
更に、
送信停止となったデータを蓄積する蓄積モードと、送信停止となったデータを蓄積せず、端末装置にとって欠損したデータとする欠損モードと、を切り替える
ことを含む
データ送信方法。
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