JP5324039B2 - 通信制御装置、無線通信装置、通信制御方法及び無線通信方法 - Google Patents

通信制御装置、無線通信装置、通信制御方法及び無線通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して通信を実行することが可能な新規な通信制御装置、無線通信装置、通信制御方法及び無線通信方法に関するものである。
例えば、インターネットプロトコル(IP)群が用いられる無線通信ネットワーク(以下、“無線IPネットワーク”と適宜省略する)では、無線通信装置のモビリティを向上させるため、いわゆるモバイルIPが規定されている(例えば、非特許文献1)。
モバイルIPでは、無線通信装置の位置に応じて動的に割り当てられる気付けIPアドレス(Care of Address)が用いられる。
C. Perkins、"IP Mobility Support (RFC2002)"、[online]、1996年10月、IETF、[平成18年3月15日検索]、インターネット<URL: http: //www.ietf.org /rfc /rfc2002.txt
ところで、昨今では、無線通信装置が複数の無線IPネットワーク(例えば、携帯電話ネットワークと無線LANネットワーク)を用いることができる環境が提供されつつある。
このような環境が提供されれば、実行中の通信に用いられている無線IPネットワークの帯域が不足しているときに、不足する帯域を他の無線IPネットワークによって補完するといった、複数の無線IPネットワークを同時に用いることが考えられる。
しかしながら、一の無線IPネットワークをマスタ経路とし、他の無線IPネットワークをスレーブ経路として、マスタ経路で不足した帯域をスレーブ経路で補完する場合、補完を要する帯域に対してスレーブ経路における許容帯域が満たないと、スレーブ経路に送出する補完帯域分のパケットは、帯域が不足しているために、経路上に存在するバッファに一時的に蓄積されて順次送出されることになる。このため、受信側においては、マスタ経路を介して受信したパケットとスレーブ経路を介して受信したパケットとの間に遅延を生じることになる。この遅延は、VoIPパケットにおいては、SN(シーケンス番号)の追い越しとして現れる。
VoIPなどのリアルタイムアプリケーションでは、ネットワーク内でのパケットの追い越しを吸収するために、ジッタバッファを設けるが、経路間の遅延が大きくなって、ジッタバッファのバッファ容量を超えると、容量を超えて遅延したパケットは、受信しても廃棄されることになる。このため、許容帯域を超えるパケットの送出を継続させると、経路上に存在するバッファに蓄積されるパケット量が増大して(バッファの限界量まで)、蓄積量に応じた遅延差を生じることになり、ついには、補完のつもりで送出したパケットのすべてが、受信側で破棄されることになる。
特に無線経路においては、許容帯域がフェージング等の伝搬環境の変化に依存するため、通信開始初期はスレーブ経路の許容帯域が充分であっても、その後の伝搬環境の悪化により狭帯域となって上記の現象が生じ易くなる。これを回避するためには、補完するスレーブ経路の許容帯域の変動、特に帯域の狭帯域化を的確に検知して、現時点における送信帯域が適正か否かの良否を判定して、許容帯域以上の補完を避ける必要がある。
また、許容帯域の変動は、マスタ経路側においても同様に生じるので、マスタ経路においても、許容帯域の変動、特に帯域の狭帯域化を的確に検知して、現時点における送信帯域が適正か否かの良否を判定して、許容帯域以上のパケット送信を避ける必要がある。
このような送信帯域の判定方法として、例えば、各経路においてウィンドウTs(所定期間;例えば500ms)での受信パケット数を監視し、受信パケット数が想定パケット数より少ない場合に、当該経路の許容帯域幅が狭帯域化したと検知して、送信帯域が不適正(不良)になったと判定する方法が考えられる。
ところが、この場合には、監視期間であるウィンドウTsのタイミングに依存して滞留遅延時間が変動することになる。例えば、アプリケーションがVoIPで、図10に示すように、20ms間隔でVoIPパケットが送出された場合において、時刻t1で当該無線通信経路の許容帯域が50%に狭帯域化したものとする。なお、図10において、横軸は時間tを示しており、縦軸はVoIPパケットのシーケンス番号(SN)を示している。ここでは、説明を簡略化するため、VoIPアプリケーションの要求帯域に対して当該無線通信経路における帯域配分率を100%として示している。また、図10において、DpはVoIPパケットの送信タイミングから当該経路における理想受信タイミングまでの潜在的遅延時間(ここでは、80ms)を示しており、TbはVoIPパケットの送信タイミングからの再生許容時間(ここでは、200ms)を示しており、Dsは滞留遅延時間を示している。
図10において、時刻t1までのウィンドウTsにおける受信パケット数を監視すると、受信パケット数の減少は観られないが、時刻t2において(t2−t1)間のウィンドウTsでの受信パケット数を監視すると、想定受信パケット数(500ms/20ms=25パケット)に対して、受信パケット数は12パケットと半減することになる。このため、当該無線通信経路への帯域配分率を低く(送信帯域を遅く)する必要があるが、この場合、時刻t2で送信されたVoIPパケット(SN4)は、時刻t4にて受信されることになるため、理想的な受信時刻t3に対して、580ms(=t4−t3)の滞留遅延時間Dsが生じることになる。
このため、送信タイミングから200msの再生許容時間Tbを超えて受信したVoIPパケット(再生許容ラインを超えたVoIPパケット)を破棄する(再生から除外する)ものとすると、この場合には、図10においてウィンドウTsの間に送信された25パケットのうち、塗り潰された23パケットのVoIPパケットが再生に寄与されずに破棄されることになる。
このように、ウィンドウTsでの受信パケット数を監視し、受信パケット数が想定パケット数より少ない場合に、当該経路の許容帯域幅が狭帯域化したと検知すると、監視期間であるウィンドウTsのタイミングに依存して滞留遅延時間が変動することになる。このため、ウィンドウTsのタイミングによっては、当該ウィンドウTs間に送信されたパケットのほとんどが再生に寄与されずに破棄されてしまうことが懸念される。
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、複数の異なる無線通信経路が利用可能で、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完しながら通信を実行するにあたって、送信帯域の狭帯域化をほぼリアルタイムで検知することができ、到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能な通信制御装置、無線通信装置、通信制御方法及び無線通信方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る発明は、無線通信装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記無線通信装置と通信先との通信を制御する通信制御装置であって、
前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1上り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第1上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信する第1上り方向送信制御手段と、
前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2上り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第2上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信する第2上り方向送信制御手段と、
を有することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の通信制御装置において、
記一の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該一の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第1上り方向許容域を設定し、
記他の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該他の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第2上り方向許容域を設定する、
ことを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の通信制御装置において、
前記第1上り方向送信制御手段は、前記一の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第1上り方向送信制御情報として、前記無線通信装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記無線通信装置に送信し、
前記第2上り方向送信制御手段は、前記他の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第2上り方向送信制御情報として、前記無線通信装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記無線通信装置に送信する、
ことを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する請求項4に係る発明は、通信制御装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記通信制御装置を介して通信先と無線通信する無線通信装置であって、
前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1下り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第1下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信する第1下り方向送信制御手段と、
前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2下り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第2下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信する第2下り方向送信制御手段と、
を有することを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の無線通信装置において、
記一の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該一の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第1下り方向許容域を設定し、
記他の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該他の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第2下り方向許容域を設定する、
ことを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項4または5に記載の無線通信装置において、
前記第1下り方向送信制御手段は、前記一の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第1下り方向送信制御情報として、前記通信制御装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記通信制御装置に送信し、
前記第2下り方向送信制御手段は、前記他の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第2下り方向送信制御情報として、前記通信制御装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記通信制御装置に送信する、
ことを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する請求項7に係る発明は、無線通信装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記無線通信装置と通信先との通信を制御する通信制御方法であって、
前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1上り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定するステップと、
該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第1上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信するステップと、
前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2上り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定するステップと、
該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第2上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信するステップと、
を有することを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する請求項8に係る発明は、通信制御装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記通信制御装置を介して通信先と無線通信する無線通信方法であって、
前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1下り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定するステップと、
該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第1下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信するステップと、
前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2下り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定するステップと、
該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第2下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信するステップと、
を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、複数の異なる無線通信経路を同時に用い、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して通信を実行するにあたって、各無線通信経路における送信帯域の狭帯域化をほぼリアルタイムで検知して送信側に通知することができるので、到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能な通信制御装置、無線通信装置、通信制御方法及び無線通信方法を提供することができる。
次に、本発明の一実施の形態について、図を参照して説明する。
(通信システムの全体概略構成)
図1は、本実施の形態に係る通信システム1の全体概略構成図である。図1に示すように、通信システム1には、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bが含まれる。無線IPネットワーク10A(第1無線IPネットワーク)は、IPパケットを伝送することができるIPネットワークである。無線IPネットワーク10Aでは、無線通信装置300(以下、MN300と省略する)の位置に応じて、気付けIPアドレスA1(第1気付けIPアドレス)が動的にMN300に割り当てられる。本実施の形態では、無線IPネットワーク10Aは、無線通信方式としてCDMA(具体的には、3GPP2の規格であるHRPD)を用いる携帯電話ネットワークである。
無線IPネットワーク10B(第2無線IPネットワーク)は、無線IPネットワーク10Aと同様にIPパケットを伝送することができる。無線IPネットワーク10Bでは、気付けIPアドレスA2(第2気付けIPアドレス)がMN300に割り当てられる。本実施の形態では、無線IPネットワーク10Bは、無線通信方式として、IEEE802.16eの規定に準拠したモバイルWiMAXを用いる。
なお、気付けIPアドレスA1は、MN300が無線IPネットワーク10Aに接続した際に、無線IPネットワーク10Aから付与される。同様に、気付けIPアドレスA2は、MN300が無線IPネットワーク10Bに接続した際に、無線IPネットワーク10Bから付与される。
また、本実施の形態では、気付けIPアドレスA1及び気付けIPアドレスA2は、ホームIPアドレスAH(仮想アドレス)と対応付けられる。
スイッチングサーバ100及びMN300は、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bを同時に用いて通信を実行することができる。具体的には、スイッチングサーバ100及びMN300は、無線IPネットワーク10Aをマスタ経路として用いてIPパケットの送受信を行い、このマスタ経路の帯域(転送速度)が不足する場合に、無線IPネットワーク10Bをスレーブ経路として用いて、当該不足する帯域をスレーブ経路で補完する。
無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bは、インターネット20に接続される。また、インターネット20には、中継センタ30が接続される。
中継センタ30には、MN300が送受信するIPパケットを中継するネットワーク機器が設置される。具体的には、中継センタ30には、スイッチングサーバ100、及びVPNルータ200A,200Bが設置される。
スイッチングサーバ100は、MN300との無線通信経路を制御する。本実施の形態において、スイッチングサーバ100は、通信制御装置を構成する。具体的には、スイッチングサーバ100は、無線IPネットワーク10Aを経由してMN300にIPパケットを送信することができるとともに、無線IPネットワーク10Bを経由してMN300にIPパケットを送信することができる。
VPNルータ200A,200Bは、IPパケットのルーティング処理を実行する。また、VPNルータ200A,200Bは、MN300とスイッチングサーバ100との間に、VPN(IPSec)によるトンネルを確立する。当該トンネルを確立することによって、OSI第3層の仮想化を実現し、MN300のIPモビリティが確保される。
すなわち、本実施の形態では、モバイルIP(例えば、RFC2002)とは異なり、MN300は、無線IPネットワーク10Aを経由して設定されたマスタ経路、及び無線IPネットワーク10Bを経由して設定されたスレーブ経路の両無線通信経路を同時に用いながら、通信先(具体的には、IP電話端末42)との通信を実行することができる。
中継センタ30(スイッチングサーバ100)は、所定の通信ネットワーク(不図示)を経由して、ユーザ構内40と接続される。ユーザ構内40には、IP電話交換機41及びIP電話端末42が設置される。IP電話交換機41は、当該所定の通信ネットワークとIP電話端末42との間においてIPパケット(具体的には、VoIPパケット)を中継する。IP電話端末42は、音声信号とVoIPパケットとを相互に変換したり、IPパケットを送受信したりする。
つまり、本実施の形態では、MN300(無線通信装置)は、スイッチングサーバ100(通信制御装置)を介してIP電話端末42(通信先)との通信を実行する。
次に、通信システム1の機能ブロック構成について説明する。具体的には、通信システム1に含まれるスイッチングサーバ100及びMN300の機能ブロック構成について説明する。なお、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、スイッチングサーバ100及びMN300は、当該装置としての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した論理ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
(スイッチングサーバ100の機能ブロック構成)
図2は、スイッチングサーバ100の機能ブロック構成図である。図2に示すように、スイッチングサーバ100は、通信インタフェース部101、通信インタフェース部103、パケット中継部105、帯域演算部107、送信パケット振分処理部109、主制御部111及び記憶部113を備える。
通信インタフェース部101は、VPNルータ200A及びVPNルータ200Bと接続される。通信インタフェース部101は、例えば、IEEE802.3abによって規定される1000BASE−Tによって構成することができる。
また、上述したように本実施の形態では、IPSecによるVPNが設定されるため、通信インタフェース部101が送受信するIPパケット、具体的には、スイッチングサーバ100とMN300との間において送受信されるVoIPパケット(具体的には、MN300が送信するVoIPパケット)は、図3(a)に示す構成を有する。図3(a)に示すように、ホームIPヘッダ(ホームIPアドレスAH)、TCP/UDPヘッダ及びペイロードは、カプセル化され、気付けIPアドレス(気付けIPアドレスA1または気付けIPアドレスA2)が付加される。
なお、スイッチングサーバ100とMN300との間において送受信されるアクセス制御パケットは、図3(b)に示す構成を有する。アクセス制御パケットは、データリンク層ヘッダ、気付けIPアドレス、TCPヘッダ及び制御コードによって構成される。
通信インタフェース部103は、IP電話交換機41及びIP電話端末42との通信の実行に用いられる。
パケット中継部105は、通信インタフェース部101及び通信インタフェース部103が送受信するIPパケットを中継する。具体的には、パケット中継部105は、送信パケット振分処理部109または主制御部111の指示にしたがってIPパケットを中継する。また、パケット中継部105は、通信インタフェース部101及び通信インタフェース部103が受信したIPパケットのジッタを吸収するジッタバッファを有する。
なお、本実施の形態では、パケット中継部105は、MN300がIP電話端末42に向けて所定の周期(20ms)で送信したIPパケット(VoIPパケット)を受信して、IP電話端末42に中継するとともに、IP電話端末42がMN300に向けて所定の周期(20ms)で送信したIPパケット(VoIPパケット)を受信して、MN300に中継する中継部を構成する。
帯域演算部107は、MN300からIPパケットを受信するために必要となる無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの帯域(転送速度)を演算するもので、第1上り方向許容域設定部107A、第1上り方向帯域状態判定部107B、第2上り方向許容域設定部107C、第2上り方向帯域状態判定部107Dを有している。
第1上り方向許容域設定部107Aは、無線IPネットワーク10Aを経て受信されるIPパケットの許容受信タイミング域を示す第1上り方向許容域を設定し、第1上り方向帯域状態判定部107Bは、第1上り方向許容域設定部107Aで設定された第1上り方向許容域と無線IPネットワーク10Aを経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、無線IPネットワーク10Aにおける上り方向の帯域状態を判定する。
具体的には、第1上り方向許容域設定部107Aにおいて、無線IPネットワーク10AにおけるVoIPパケットの理想受信タイミングからの第1上り方向許容域を設定し、その設定された第1上り方向許容域内に無線IPネットワーク10Aを経て実際に受信したVoIPパケットの受信タイミングが入っているか否かを、第1上り方向帯域状態判定部107Bにおいて検出して、VoIPパケットの受信タイミングが第1上り方向許容域内に入っていれば良、入っていなければ不良として、MN300が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの上り方向における現在の送信帯域(帯域配分率)の良否を判定する。
同様に、第2上り方向許容域設定部107Cは、無線IPネットワーク10Bを経て受信されるIPパケットの許容受信タイミング域を示す第2上り方向許容域を設定し、第2上り方向帯域状態判定部107Dは、第2上り方向許容域設定部107Cで設定された第2上り方向許容域と無線IPネットワーク10Bを経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、無線IPネットワーク10Bにおける上り方向の帯域状態を判定する。
具体的には、第2上り方向許容域設定部107Cにおいて、無線IPネットワーク10BにおけるVoIPパケットの理想受信タイミングからの第2上り方向許容域を設定し、その設定された第2上り方向許容域内に無線IPネットワーク10Bを経て実際に受信したVoIPパケットの受信タイミングが入っているか否かを、第2上り方向帯域状態判定部107Dにおいて検出して、VoIPパケットの受信タイミングが第2上り方向許容域内に入っていれば良、入っていなければ不良として、MN300が無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの上り方向における現在の送信帯域(帯域配分率)の良否を判定する。
これら、第1上り方向許容域及び第2上り方向許容域の設定方法、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bにおける上り方向の帯域状態の判定方法については、後述する。
送信パケット振分処理部109は、パケット中継部105を介して通信インタフェース部101から送信されるIPパケットを、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bに振り分ける処理を実行する。
具体的には、送信パケット振分処理部109は、主制御部111がMN300から受信した無線IPネットワーク10Aの送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)に基づいて、IP電話端末42から受信したホームIPアドレスAHを含むIPパケットに、気付けIPアドレスA1を付加して、その気付けIPアドレスA1が付加されたIPパケットを、通信インタフェース部101から無線IPネットワーク10Aに送信する。
また、送信パケット振分処理部109は、主制御部111がMN300から受信した無線IPネットワーク10Bの送信帯域制御メッセージ(第2下り方向送信制御情報)に基づいて、IP電話端末42から受信したホームIPアドレスAHを含むIPパケットに、気付けIPアドレスA2を付加して、その気付けIPアドレスA2が付加されたIPパケットを、通信インタフェース部101から無線IPネットワーク10Bに送信する。
主制御部111は、MN300に送信するIPパケット及びMN300から受信するIPパケットの無線通信経路を制御する。また、主制御部111は、アクセス制御パケットの処理を実行する。
特に、本実施の形態では、主制御部111は、帯域演算部107の第1上り方向帯域状態判定部107Bによる無線IPネットワーク10Aにおける上り方向の帯域状態の判定結果に基づいて、MN300が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)を生成して、該送信帯域制御メッセージを無線IPネットワーク10Aまたは無線IPネットワーク10Bを経てMN300に送信する。具体的には、第1上り方向帯域状態判定部107Bによって、現在の送信帯域が不良と判定された場合には、MN300が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの帯域配分率を低く(送信帯域を遅く)するように制御し、現在の送信帯域が良と判定された場合には、その送信帯域を維持するための送信帯域制御メッセージを生成してMN300に送信する。なお、送信帯域制御メッセージは、アクセス制御パケット(図3(b)参照)を用いて送受信される。
同様に、主制御部111は、帯域演算部107の第2上り方向帯域状態判定部107Dによる無線IPネットワーク10Bにおける上り方向の帯域状態の判定結果に基づいて、MN300が無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージ(第2上り方向送信制御情報)を生成して、該送信帯域制御メッセージを無線IPネットワーク10Bまたは無線IPネットワーク10Aを経てMN300に送信する。具体的には、第2上り方向帯域状態判定部107Dによって、現在の送信帯域が不良と判定された場合には、MN300が無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの帯域配分率を低く(送信帯域を遅く)するように制御し、現在の送信帯域が良と判定された場合には、その送信帯域を維持するための送信帯域制御メッセージを生成してMN300に送信する。
なお、主制御部111は、MN300から受信した無線IPネットワーク10Aに対する送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの送信帯域を算出する機能も有しているとともに、MN300から受信した無線IPネットワーク10Bに対する送信帯域制御メッセージ(第2下り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの送信帯域を算出する機能も有している。本実施の形態では、主制御部111によって、第1上り方向送信制御手段及び第2上り方向送信制御手段が構成される。
また、主制御部111は、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bを経由して受信したIPパケットの順序をチェックする。本実施の形態では、主制御部111は、MN300とIP電話端末42との間において送受信されるVoIPパケットに含まれるRTP(real-time transport protocol)のシーケンス番号(SN)をチェックする。さらに、主制御部111は、パケット中継部105が中継するIPパケットの統計情報(例えば、パケットロス、スループット、ジッタバッファのアンダーランカウント及びオーバランカウント)を取得して、取得した情報をMN300に送信することができる。
記憶部113は、スイッチングサーバ100の機能を提供するアプリケーションプログラムなどを記憶する。また、記憶部113は、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bなどのネットワークに関する情報を記憶する。
特に、本実施の形態では、気付けIPアドレスA1及び気付けIPアドレスA2に対応付けられるMN300のホームIPアドレスAHを記憶する。具体的には、主制御部111は、MN300から通知された気付けIPアドレスA1、気付けIPアドレスA2及びホームIPアドレスAHを記憶部113に記憶させる。本実施の形態では、主制御部111と記憶部113とによって、仮想アドレス取得部が構成される。
なお、主制御部111は、IP電話端末42が送信したIPパケットに含まれるホームIPアドレスAHと、インターネット20を介してアクセス可能なホームエージェント(不図示)に登録されているホームIPアドレスとの照合を行うことができる。主制御部111が当該照合を行うことによって、ホームIPアドレスAHが、何れの通信事業者によってMN300に割り当てられたホームIPアドレスであるかを判定することができる。
(MN300の機能ブロック構成)
図4は、MN300の機能ブロック構成図である。MN300は、スイッチングサーバ100と同様に、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bを同時に用いて通信を実行することができる。以下、上述したスイッチングサーバ100と同様の機能ブロックについては、適宜説明を省略する。
図4に示すように、MN300は、無線通信カード301、無線通信カード303、気付けIPアドレスインタフェース部305A、気付けIPアドレスインタフェース部305B、帯域演算部307、送信パケット振分処理部309、主制御部311及び記憶部313を備える。
無線通信カード301は、無線IPネットワーク10Aにおいて用いられる無線通信方式(3GPP2の規格であるHRPD)の無線通信を実行する。本実施の形態において、無線通信カード301は、IP電話端末42との間で、無線IPネットワーク10Aを経由して所定の周期(例えば、20ms)でIPパケット(VoIPパケット)を送受信する。
無線通信カード303は、無線IPネットワーク10Bにおいて用いられる無線通信方式(モバイルWiMAX)に準拠した無線通信を実行する。
気付けIPアドレスインタフェース部305Aは、無線通信カード301と接続される。気付けIPアドレスインタフェース部305Aは、無線IPネットワーク10AにおいてMN300に割り当てられた気付けIPアドレスA1に基づいて、IPパケットを送受信する。
気付けIPアドレスインタフェース部305Bは、無線通信カード303と接続される。気付けIPアドレスインタフェース部305Bは、無線IPネットワーク10BにおいてMN300に割り当てられた気付けIPアドレスA2に基づいて、IPパケットを送受信する。
帯域演算部307は、スイッチングサーバ100からIPパケットを受信するために必要となる無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの帯域(転送速度)を演算するもので、第1下り方向許容域設定部307A、第1下り方向帯域状態判定部307B、第2下り方向許容域設定部307C、第2下り方向帯域状態判定部307Dを有している。この帯域演算部307の具体的な機能は、上述した帯域演算部107とほぼ同様である。
すなわち、第1下り方向許容域設定部307Aは、無線IPネットワーク10Aを経て受信されるIPパケットの許容受信タイミング域を示す第1下り方向許容域を設定し、第1下り方向帯域状態判定部307Bは、第1下り方向許容域設定部307Aで設定された第1下り方向許容域と無線IPネットワーク10Aを経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、無線IPネットワーク10Aにおける下り方向の帯域状態を判定する。
具体的には、第1下り方向許容域設定部307Aにおいて、無線IPネットワーク10AにおけるVoIPパケットの理想受信タイミングからの第1下り方向許容域を設定し、その設定された第1下り方向許容域内に無線IPネットワーク10Aを経て実際に受信したVoIPパケットの受信タイミングが入っているか否かを、第1下り方向帯域状態判定部307Bにおいて検出して、VoIPパケットの受信タイミングが第1下り方向許容域内に入っていれば良、入っていなければ不良として、スイッチングサーバ100が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの下り方向における現在の送信帯域(帯域配分率)の良否を判定する。
同様に、第2下り方向許容域設定部307Cは、無線IPネットワーク10Bを経て受信されるIPパケットの許容受信タイミング域を示す第2下り方向許容域を設定し、第2下り方向帯域状態判定部307Dは、第2下り方向許容域設定部307Cで設定された第2下り方向許容域と無線IPネットワーク10Bを経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、無線IPネットワーク10Bにおける下り方向の帯域状態を判定する。
具体的には、第2下り方向許容域設定部307Cにおいて、無線IPネットワーク10BにおけるVoIPパケットの理想受信タイミングからの第2下り方向許容域を設定し、その設定された第2下り方向許容域内に無線IPネットワーク10Bを経て実際に受信したVoIPパケットの受信タイミングが入っているか否かを、第2下り方向帯域状態判定部307Dにおいて検出して、VoIPパケットの受信タイミングが第2下り方向許容域内に入っていれば良、入っていなければ不良として、スイッチングサーバ100が無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの下り方向における現在の送信帯域(帯域配分率)の良否を判定する。
これら、第1下り方向許容域及び第2下り方向許容域の設定方法、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bにおける下り方向の帯域状態の判定方法については、後述する。
送信パケット振分処理部309は、主制御部311がスイッチングサーバ100から受信した送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)に基づいて、ホームIPアドレスAHと気付けIPアドレスA1とを含むIPパケットを生成する。生成された当該IPパケットは、主制御部311から気付けIPアドレスインタフェース部305A及び無線通信カード301を介して、無線IPネットワーク10Aに送信される。
また、送信パケット振分処理部309は、主制御部311がスイッチングサーバ100から受信した送信帯域制御メッセージ(第2上り方向送信制御情報)に基づいて、ホームIPアドレスAHと気付けIPアドレスA2とを含むIPパケットを生成する。生成された当該IPパケットは、主制御部311から気付けIPアドレスインタフェース部305B及び無線通信カード303を介して、無線IPネットワーク10Bに送信される。
主制御部311は、スイッチングサーバ100の主制御部111(図2参照)と同様に、スイッチングサーバ100に送信するIPパケット及びスイッチングサーバ100から受信するIPパケットの無線通信経路を制御する。また、主制御部311は、アクセス制御パケットの処理を実行する。
本実施の形態では、主制御部311は、帯域演算部307の第1下り方向帯域状態判定部307Bによる無線IPネットワーク10Aにおける下り方向の帯域状態の判定結果に基づいて、スイッチングサーバ100が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)を生成して、該送信帯域制御メッセージを無線IPネットワーク10Aまたは無線IPネットワーク10Bを経てスイッチングサーバ100に送信する。具体的には、第1下り方向帯域状態判定部307Bによって、現在の送信帯域が不良と判定された場合には、スイッチングサーバ100が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの帯域配分率を低くするように制御し、現在の送信帯域が良と判定された場合には、その送信帯域を維持するための送信帯域制御メッセージを生成してスイッチングサーバ100に送信する。
同様に、主制御部311は、帯域演算部307の第2下り方向帯域状態判定部307Dによる無線IPネットワーク10Bにおける下り方向の帯域状態の判定結果に基づいて、スイッチングサーバ100が無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージ(第2下り方向送信制御情報)を生成して、該送信帯域制御メッセージを無線IPネットワーク10Bまたは無線IPネットワーク10Aを経てスイッチングサーバ100に送信する。具体的には、第2下り方向帯域状態判定部307Dによって、現在の送信帯域が不良と判定された場合には、スイッチングサーバ100が無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの帯域配分率を低くするように制御し、現在の送信帯域が良と判定された場合には、その送信帯域を維持するための送信帯域制御メッセージを生成してスイッチングサーバ100に送信する。
なお、主制御部311は、スイッチングサーバ100から受信した無線IPネットワーク10Aに対する送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの送信帯域を算出する機能も有しているとともに、スイッチングサーバ100から受信した無線IPネットワーク10Bに対する送信帯域制御メッセージ(第2上り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの送信帯域を算出する機能も有している。本実施の形態では、主制御部311によって、第1下り方向送信制御手段及び第2下り方向送信制御手段が構成される。
また、主制御部311は、スイッチングサーバ100の主制御部111と同様に、IP電話端末42との間において送受信されるVoIPパケットに含まれるRTP(real-time transport protocol)のシーケンス番号(SN)をチェックする。さらに、主制御部311は、無線通信カード301及び無線通信カード303において実行される無線通信の品質を示す情報(例えば、スループット、SINR、RSSI、DRC及び送信電力)を取得し、取得した情報に基づいて通信に必要な無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの帯域(下り方向及び上り方向)を予測することもできる。
記憶部313は、MN300の機能を提供するアプリケーションプログラムなどを記憶する。また、記憶部313は、気付けIPアドレスA1及び気付けIPアドレスA2に対応付けられるMN300のホームIPアドレスAHを記憶する。本実施の形態において、記憶部313は、仮想アドレス記憶部を構成する。
(許容域の設定方法、並びに帯域状態の判定方法)
次に、上述した無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの各々における上り方向及び下り方向の許容域の設定方法、並びに帯域状態の判定方法について説明する。
本実施の形態では、スイッチングサーバ100及びMN300の各々において、各無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングに基づいて、当該無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域を設定し、当該無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングが、設定された許容域内に入っているか否かを検出して、現在の帯域状態が適正か否かの良否を判定し、その判定結果に基づいて送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを生成して、その送信帯域制御メッセージをパケットの送り先に送信し、これにより当該無線通信経路におけるパケットの送信帯域を制御するようにしている。
図5〜図7は、図10の場合と同様に、20ms間隔で送出されたVoIPパケットを受信した場合の本実施の形態による送信帯域の判定結果を例示するもので、図5は帯域配分率が25%の場合を例示しており、図6は帯域配分率が50%の場合を例示しており、図7は帯域配分率が100%の場合を例示している。なお、図5〜図7において、横軸は時間tを示しており、縦軸はパケットのシーケンス番号(SN)を示している。また、Tpは、当該無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域(ここでは、60ms)を示している。その他の符号は、図10と同様で、DpはVoIPパケットの送信タイミングから当該経路における理想受信タイミングまでの潜在的遅延時間(ここでは、80ms)を示しており、TbはVoIPパケットの送信タイミングからの再生許容時間(ここでは、200ms)を示しており、Dsは滞留遅延時間を示している。
図5〜図7において、パケットSN1を受信した時刻t1から当該無線通信経路の許容帯域が50%に狭帯域化したものとする。この場合、図5の帯域配分率25%では、次のパケットSN3(黒丸で示す)を受信した時刻t3で、当該パケットSN3の受信タイミングが許容域Tpを外れることから、この時刻t3の時点で当該無線通信経路が狭帯域化したことが検知されて、送信帯域(帯域配分率)が適正でないと判定することができる。しかも、時刻t3までに送信されたパケットにて生じる滞留遅延時間Dsは、240msとなるので、この場合は、再生許容ラインを超える破棄パケット数(図中斜線を施した丸)は、2パケットで済むことになる。
また、図6の帯域配分率50%では、時刻t1でパケットSN1を受信してから、2個目のパケットSN3(黒丸で示す)を受信した時刻t3で、当該パケットSN3の受信タイミングが許容域Tpを外れることから、この時刻t3の時点で当該無線通信経路が狭帯域化していることが検知されて、送信帯域(帯域配分率)が適正でないと判定することができる。しかも、時刻t3までに送信されたパケットにて生じる滞留遅延時間Dsは、240msとなるので、この場合は、再生許容ラインを超える破棄パケット数(図中斜線を施した丸)は、3パケットで済むことになる。
同様に、図7の帯域配分率100%では、時刻t1でパケットSN1を受信してから、4個目のパケットSN3(黒丸で示す)を受信した時刻t3で、当該パケットSN3の受信タイミングが許容域Tpを外れることから、この時刻t3の時点で当該無線通信経路が狭帯域化していることが検知されて、送信帯域(帯域配分率)が適正でないと判定することができる。しかも、時刻t3までに送信されたパケットにて生じる滞留遅延時間Dsは、240msとなるので、この場合は、再生許容ラインを超える破棄パケット数(図中斜線を施した丸)は、6パケットで済むことになる。
なお、図5〜図7に示す許容域Tpは、スイッチングサーバ100においては無線IPネットワーク10Aの第1上り方向許容域あるいは無線IPネットワーク10Bの第2上り方向許容域に相当し、MN300においては無線IPネットワーク10Aの第1下り方向許容域あるいは無線IPネットワーク10Bの第2下り方向許容域に相当する。
このように、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの上り方向及び下り方向のそれぞれについて許容域Tpを設定し、許容域Tpとパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、受信タイミングが許容域Tpを外れたときに当該無線通信経路の許容帯域が狭帯域化したと判定すれば、フェージング等の伝搬環境の変化による許容帯域の変動をほぼリアルタイムで検出して、スイッチングサーバ100においてはMN300に対して、またMN300においてはスイッチングサーバ100に対して、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを送信することができる。したがって、許容帯域の変動による破棄パケット数を常に最小限に抑えることができる。
次に、理想受信タイミング及び許容域の設定方法について説明する。理想受信タイミングの設定に当たっては、先ず、図8に示すように、アプリケーション(例えば、VoIP)によるパケットの送信時間(t)とシーケンス番号(SN)との関係(t−SN)を示す傾斜角αの直線Lを求める。例えば、アプリケーションからのパケットの送出間隔が20msの場合には、α=50SN/sの直線Lを求める。次に、受信パケットは、直線Lに対して遅れの方向に位置するものとして、通信開始初期の所定期間における受信パケットをt−SN図面上にプロットした場合に、直線Lを左から右に移動して、移動後の位置の左側に受信パケットのプロットが存在せず、かつ、最も右側に移動した位置の直線L′を理想受信タイミングとして設定する。
この場合の理想受信タイミングの具体的な算出例について、以下に説明する。先ず、図8の直線Lに相当する基準直線(SN−tstd)を、下式のように仮定する。
SN=αstd・tstd、tstd=SN/αstd
ここで、αstdはアプリケーションによって定まる傾斜であり、例えば、VoIPの場合には、1SN/20ms(50SN/s)である。
次に、基準直線と受信パケットとの時間差(Tsub(n))を下式により算出する。
Tsub=t(n)−tstd
例えば、n番目に受信したパケットのシーケンス番号をSN(n)とすると、
Tsub(n)=t(n)−{SN(n)/αstd}
となる。ここで、受信パケット(n)のうち、時間差(Tsub)の最小値(Tsubmin)を求める。
Figure 0005324039
Tsubminを基準とした直線を理想受信タイミング(SN−tass)とすると、
tass=(SN/αstd)+Tsubmin
となる。つまり、受信パケットのうち、(受信時刻−送信時刻)が最小となるパケットを基準とした直線(図8のL′に相当)を理想受信タイミングとする。
また、許容域Tpは、例えば、各無線通信経路における通信方式に応じて、あるいは使用する変調方式や送信帯域に応じて、理想受信タイミングから一義的に設定するか、実際のパケットの受信タイミングに基づいて演算により設定する。
演算により許容域Tpを設定する場合には、例えば、各無線通信経路の上り方向及び下り方向での通信開始初期の所定期間における受信パケットの平均受信タイミングに基づいて設定する。すなわち、通信開始初期において理想受信タイミングを設定した後、所定期間において、例えば、下記の(1)式及び(2)式に示すように、受信パケットの受信時刻trecと理想受信タイミングにおける受信時刻tideとの差分時間Tsubを算出して、その差分時間Tsubの平均値に基づいて許容域Tpを演算する。なお、(1)式及び(2)式において、sは所定期間に受信したパケットに割り振られた受信番号、βは係数、meanは平均化処理を示している。
Tsub(s)=trec(s)−tide(s) ・・・(1)
Figure 0005324039
このように、スイッチングサーバ100及びMN300において、それぞれ無線通信経路毎に上り方向及び下り方向の許容域を設定し、パケットの受信タイミングと対応する許容域との比較に基づいて、送信帯域の良否を判定することにより、各無線通信経路の通信方式に適応して、当該無線通信経路の狭帯域化すなわち送信帯域の良否をほぼリアルタイムで判定することができる。したがって、その判定結果に基づいて送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージを生成し、その送信帯域制御メッセージをパケットの送り先に送信して当該無線通信経路における送信帯域を制御するようにすれば、VoIPなどのリアルタイムアプリケーションにおいて到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能となる。
(通信システムの動作)
次に、上述した通信システムの動作について図9を参照しながら説明する。図9は、スイッチングサーバ100とMN300との間において実行される通信シーケンス図である。図9に示すように、ステップS10において、スイッチングサーバ100及びMN300は、無線IPネットワーク10A(マスタ経路)及びインターネット20を経由してVoIPパケットを送受信する。なお、VoIPパケットは、MN300とIP電話端末42(図1参照)との音声通話に伴って送受信される。
具体的には、MN300は、IP電話端末42に割り当てられているIPアドレスを含むペイロードやホームIPアドレスAHがカプセル化され、気付けIPアドレスA1を送信元アドレスとするIPパケット(図3(a)参照)を送信する。
また、スイッチングサーバ100は、IP電話端末42が送信したVoIPパケットがカプセル化され、気付けIPアドレスA1を宛先アドレスとするIPパケットを送信する。
この無線IPネットワーク10Aを経由した通信開始初期において、スイッチングサーバ100では、帯域演算部107の第1上り方向許容域設定部107Aにおいて、無線IPネットワーク10Aの第1上り方向許容域を設定し、MN300では、帯域演算部307の第1下り方向許容域設定部307Aにおいて、無線IPネットワーク10Aの第1下り方向許容域を設定する。
なお、図中の“黒く塗り潰して示す四角”印は、VoIPパケットが経由するネットワークにマーキングされている(以下同)。ステップS10では、すべてのVoIPパケットは、無線IPネットワーク10A(マスタ経路)及びインターネット20を経由している。
その後、ステップS20Aにおいて、MN300は、帯域演算部307の第1下り方向帯域状態判定部307Bにおいて、無線IPネットワーク10Aを経て実際に受信したVoIPパケットの受信タイミングが、第1下り方向許容域設定部307Aにおいて設定された第1下り方向許容域内に入っているか否かを検出して、現在の送信帯域の良否を判定する。また、ステップS20Bにおいて、スイッチングサーバ100は、帯域演算部107の第1上り方向帯域状態判定部107Bにおいて、無線IPネットワーク10Aを経て実際に受信したVoIPパケットの受信タイミングが、第1上り方向許容域設定部107Aにおいて設定された第1上り方向許容域内に入っているか否かを検出して、現在の送信帯域の良否を判定する。
ステップS30Aにおいて、スイッチングサーバ100は、第1上り方向帯域状態判定部107Bによって、現在の送信帯域が不良と判定された場合には、MN300が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの帯域配分率を低くするように送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)を生成してMN300に送信する。
ステップS30Bにおいて、MN300は、第1下り方向帯域状態判定部307Bによって、現在の送信帯域が不良と判定された場合には、スイッチングサーバ100が無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの帯域配分率を低くするように送信帯域を制御するための送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)を生成してスイッチングサーバ100に送信する。
ステップS40Aにおいて、スイッチングサーバ100は、MN300から受信した送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの送信帯域を制御して、VoIPパケットを無線IPネットワーク10Aに送信する。
ステップS40Bにおいて、MN300は、スイッチングサーバ100から受信した送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10Aに送信するVoIPパケットの送信帯域を制御して、VoIPパケットを無線IPネットワーク10Aに送信する。
ステップS50Aにおいて、スイッチングサーバ100は、MN300から受信した送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)に基づいて、スレーブ経路である無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの送信帯域を算出し、その算出した送信帯域に従って無線IPネットワーク10BにVoIPパケットを送信する。
ステップS50Bにおいて、MN300は、スイッチングサーバ100から受信した送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)に基づいて、スレーブ経路である無線IPネットワーク10Bに送信するVoIPパケットの送信帯域を算出し、その算出した送信帯域に従って無線IPネットワーク10BにVoIPパケットを送信する。
これらステップS50A及びステップS50Bによって、VoIPパケットは、無線IPネットワーク10B及びインターネット20を経由する。つまり、無線IPネットワーク10Aにて不足する帯域が無線IPネットワーク10Bによって補完される。
この無線IPネットワーク10Bを経由した補完の通信開始初期においては、スイッチングサーバ100では、帯域演算部107の第2上り方向許容域設定部107Cにおいて、無線IPネットワーク10Bの第2上り方向許容域を設定し、MN300では、帯域演算部307の第2下り方向許容域設定部307Cにおいて、無線IPネットワーク10Bの第2下り方向許容域を設定する。
その後、無線IPネットワーク10Bに対して、スイッチングサーバ100では、VoIPパケットを受信する毎に、その受信タイミングと設定された第2上り方向許容域との比較に基づいて現在の送信帯域の良否を判定し、その判定結果に基づく送信帯域制御メッセージ(第2上り方向送信制御情報)を生成してMN300に送信し、MN300では、VoIPパケットを受信する毎に、その受信タイミングと設定された第2下り方向許容域との比較に基づいて現在の送信帯域の良否を判定し、その判定結果に基づく送信帯域制御メッセージ(第2下り方向送信制御情報)を生成してスイッチングサーバ100に送信する。
これにより、スイッチングサーバ100では、MN300から受信した送信帯域制御メッセージ(第2下り方向送信制御情報)に基づいて、IP電話端末42から受信したVoIPパケットを無線IPネットワーク10Bに配分して送信し、MN300では、スイッチングサーバ100から受信した送信帯域制御メッセージ(第2上り方向送信制御情報)に基づいて、VoIPパケットを無線IPネットワーク10Bに配分して送信する。
同様に、マスタ経路である無線IPネットワーク10Aに対しても、スイッチングサーバ100では、VoIPパケットを受信する毎に、その受信タイミングと設定された第1上り方向許容域との比較に基づいて現在の送信帯域の良否を判定し、その判定結果に基づく送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)を生成してMN300に送信し、MN300では、VoIPパケットを受信する毎に、その受信タイミングと設定された第1下り方向許容域との比較に基づいて現在の送信帯域の良否を判定し、その判定結果に基づく送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)を生成してスイッチングサーバ100に送信する。
これにより、スイッチングサーバ100では、MN300から受信した送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報)に基づいて、IP電話端末42から受信したVoIPパケットを無線IPネットワーク10Aに配分して送信し、MN300では、スイッチングサーバ100から受信した送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報)に基づいて、VoIPパケットを無線IPネットワーク10Aに配分して送信する。
なお、制御する送信帯域(帯域配分率)は、例えば、スイッチングサーバ100及びMN300のそれぞれにおいて予め複数用意しておき、帯域配分率を低下させる送信帯域制御メッセージを受信する毎に、順次低い帯域配分率を選択して設定する。
以上のように、本実施の形態のスイッチングサーバ100によれば、MN300から受信した送信帯域制御メッセージ(第1下り方向送信制御情報及び第2下り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10BにVoIPパケットを振り分けるようにしたので、無線IPネットワーク10Aにおいて不足する帯域を、無線IPネットワーク10Bを用いて補完しつつ、VoIPパケットを確実にMN300に送信することができる。
同様に、本実施の形態のMN300によれば、スイッチングサーバ100から受信した送信帯域制御メッセージ(第1上り方向送信制御情報及び第2上り方向送信制御情報)に基づいて、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10BにVoIPパケットを振り分けるようにしたので、無線IPネットワーク10Aにおいて不足する帯域を、無線IPネットワーク10Bを用いて補完しつつ、VoIPパケットを確実にスイッチングサーバ100に送信することができる。
しかも、送信帯域制御メッセージは、スイッチングサーバ100及びMN300において、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの上り方向及び下り方向のそれぞれについて、VoIPパケットの受信タイミングの許容域を設定し、その設定された許容域と実際の受信タイミングとの比較に基づいて作成するようにしたので、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bの通信方式に適応して、帯域変動をリアルタイムで検出して送信帯域を制御することができる。したがって、VoIPアプリケーションにおいて、到達時間の遅延により再生されずに破棄されるパケット数を最小限に低減することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、通信システム1には、無線IPネットワーク10A及び無線IPネットワーク10Bが含まれていたが、用いる無線IPネットワークは、さらに多くても構わない。また、上述した実施の形態では、上り方向及び下り方向の両方向において、不足する送信帯域が補完されていたが、上り方向或いは下り方向のみの送信帯域を補完する形態としても構わない。さらに、MN300における無線通信カード301や無線通信カード303は、MN300に内蔵されている無線部であってもよい。
さらに、受信パケットのタイミングが対応する許容域を外れた場合には、その外れ量を示す時間差に基づいて帯域配分率を算出し、その算出した帯域配分率を送信帯域制御メッセージとしてパケットの送り側に送信したり、上記の時間差を送信帯域制御メッセージとしてパケットの送り側に送信して、送り側において該時間差に基づいて帯域配分率を算出したりして、送信帯域を制御することもできる。
また、送信帯域制御メッセージによる送信帯域の制御は、対応する無線経路に限らず、他の無線経路についても互いに補うように同時に実行したり、あるいは更に他の無線経路を有する場合には、その無線経路を新たに用いて狭帯域分を補完したりすることもできる。例えば、スイッチングサーバ100において、MN300からの送信帯域制御メッセージ(第2下り方向送信制御情報)に基づいて無線IPネットワーク10Bに送信するパケットの帯域配分率を低下させる場合には、その低下分を補うように無線IPネットワーク10Aに送信するパケットの帯域配分率を増加させるように送信帯域を制御したり、あるいはその低下分を更に他の無線経路で新たに補完するように制御したりすることもできる。
また、受信パケットのタイミングが対応する許容域内にある場合には、例えば、受信タイミングと、許容域を決定する最短タイミング或は最長タイミングとの時間差を算出し、その時間差に基づいて現時点の帯域配分率よりも高い帯域配分率を算出して、その算出した帯域配分率を送信帯域制御メッセージとしてパケットの送り側に送信したり、上記の時間差を送信帯域制御メッセージとしてパケットの送り側に送信して、送り側において該時間差に基づいて現時点の帯域配分率よりも高い帯域配分率を算出したりして、送信帯域を制御することもできる。
本発明の実施の形態に係る通信システムの全体概略構成図である。 図1に示すスイッチングサーバの機能ブロック構成図である。 図1に示す実施の形態に係るIPパケットの構成図である。 図1に示すMNの機能ブロック構成図である。 本発明の実施の形態による帯域配分率25%の場合の送信帯域判定結果を例示する図である。 本発明の実施の形態による帯域配分率50%の場合の送信帯域判定結果を例示する図である。 本発明の実施の形態による帯域配分率100%の場合の送信帯域判定結果を例示する図である。 本発明の実施の形態による理想受信タイミングの設定方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るスイッチングサーバとMNとの間において実行される通信シーケンス図である。 監視期間を用いる送信帯域の判定方法及びその場合の不具合を説明するための図である。
符号の説明
1 通信システム
10A,10B 無線IPネットワーク
20 インターネット
30 中継センタ
40 ユーザ構内
41 IP電話交換機
42 IP電話端末
100 スイッチングサーバ
101,103 通信インタフェース部
105 パケット中継部
107 帯域演算部
107A 第1上り方向許容域設定部
107B 第1上り方向帯域状態判定部
107C 第2上り方向許容域設定部
107D 第2上り方向帯域状態判定部
109 送信パケット振分処理部
111 主制御部
113 記憶部
200A,200B VPNルータ
300 MN(無線通信装置)
301,303 無線通信カード
305A,305B 気付けIPアドレスインタフェース部
307 帯域演算部
307A 第1下り方向許容域設定部
307B 第1下り方向帯域状態判定部
307C 第2下り方向許容域設定部
307D 第2下り方向帯域状態判定部
309 送信パケット振分処理部
311 主制御部
313 記憶部
A1,A2 気付けIPアドレス
AH ホームIPアドレス

Claims (8)

  1. 無線通信装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記無線通信装置と通信先との通信を制御する通信制御装置であって、
    前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1上り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第1上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信する第1上り方向送信制御手段と、
    前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2上り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第2上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信する第2上り方向送信制御手段と、
    を有することを特徴とする通信制御装置。
  2. 記一の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該一の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第1上り方向許容域を設定し、
    記他の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該他の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第2上り方向許容域を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記第1上り方向送信制御手段は、前記一の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第1上り方向送信制御情報として、前記無線通信装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記無線通信装置に送信し、
    前記第2上り方向送信制御手段は、前記他の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第2上り方向送信制御情報として、前記無線通信装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記無線通信装置に送信する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信制御装置。
  4. 通信制御装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記通信制御装置を介して通信先と無線通信する無線通信装置であって、
    前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1下り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第1下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信する第1下り方向送信制御手段と、
    前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2下り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定し、当該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第2下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信する第2下り方向送信制御手段と、
    を有することを特徴とする無線通信装置。
  5. 記一の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該一の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第1下り方向許容域を設定し、
    記他の無線通信経路を経て受信した所定期間のパケットの受信タイミングに基づいて、当該他の無線通信経路におけるパケットの理想受信タイミングからの許容域として前記第2下り方向許容域を設定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記第1下り方向送信制御手段は、前記一の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第1下り方向送信制御情報として、前記通信制御装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記通信制御装置に送信し、
    前記第2下り方向送信制御手段は、前記他の無線通信経路の帯域が狭帯域化したと判定したとき、前記第2下り方向送信制御情報として、前記通信制御装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの帯域配分率を低くする制御情報を前記通信制御装置に送信する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の無線通信装置。
  7. 無線通信装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記無線通信装置と通信先との通信を制御する通信制御方法であって、
    前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1上り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定するステップと、
    該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第1上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信するステップと、
    前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2上り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における上り方向の帯域状態を判定するステップと、
    該判定結果に基づいて、前記無線通信装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該無線通信装置に制御させる第2上り方向送信制御情報を前記無線通信装置に送信するステップと、
    を有することを特徴とする通信制御方法。
  8. 通信制御装置との間で複数の異なる無線通信経路が利用可能で、使用するリアルタイム性を有するアプリケーションの要求帯域に対して、一の無線通信経路にて不足した帯域を他の無線通信経路を用いて補完して、前記通信制御装置を介して通信先と無線通信する無線通信方法であって、
    前記一の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第1下り方向許容域と前記一の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記一の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定するステップと、
    該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記一の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第1下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信するステップと、
    前記他の無線通信経路を経て受信されるパケットの許容受信タイミング域を示す第2下り方向許容域と前記他の無線通信経路を経て受信したパケットの受信タイミングとの比較に基づいて、前記他の無線通信経路における下り方向の帯域状態を判定するステップと、
    該判定結果に基づいて、前記通信制御装置が前記他の無線通信経路に送信するパケットの送信帯域を当該通信制御装置に制御させる第2下り方向送信制御情報を前記通信制御装置に送信するステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
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