JP2004072242A - VoIPシステムとVoIPパケット転送制御方法およびプログラムと記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】VoIPシステムにおける伝送効率の向上と音質の安定とを共に実現し、VoIPシステムの高性能化および高信頼化を可能とする。
【解決手段】ネットワーク状態監視部9a,9bによりネットワーク状態を監視し、このネットワーク状態の監視結果に応じて、VoIP制御部10a,10bにより、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長など)を自律的に変更することにより、VoIP帯域の低減と伝送効率の向上と音質の安定化を実現する。
【選択図】 図1
【解決手段】ネットワーク状態監視部9a,9bによりネットワーク状態を監視し、このネットワーク状態の監視結果に応じて、VoIP制御部10a,10bにより、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長など)を自律的に変更することにより、VoIP帯域の低減と伝送効率の向上と音質の安定化を実現する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声とIP(Internet Protocol)パケットの変換処理技術を用いて、インターネット、IP−VPN(Virtual Private Network)等のコンピュータネットワークを介して、通信拠点を接続することで音声通信(通話)を実施するVoIP(Voice overIP)技術に係わり、特に、ネットワーク状態を監視し、ネットワーク状態に応じてVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長など)を自律的に変更することにより、VoIP帯域の低減と伝送効率の向上と音質の安定化を実現するのに好適なVoIP技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のVoIPシステムに関して図10から図14を用いて説明する。
【0003】
図10は、従来のVoIPシステムの構成例を示すブロック図であり、図11は、図10におけるVoIPゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【0004】
図10において、91,92はアナログ音声とVoIPパケットの変換を行うVoIPゲートウェイ、93は中継系のネットワーク、94a,94bはルータ、95a,95bはアナログ電話機を示す。
【0005】
図11において、96は「H.323」や「SIP(Session Initiation Protocol)」などのプロトコルによる呼設定処理と音声符号化方式、符号化レートなどのパラメータのネゴシエーションに関する機能を実現する従来呼設定処理機能部、97はアナログ音声とディジタル信号の変換を実現する従来コーデック処理部、98はアナログ音声信号の入出力とディジタル音声信号のパケット組立分解と送受信を実現する従来送受信処理部を示す。
【0006】
図10では、ネットワーク93と、このネットワーク93の一部を構成するルータ94を介して、通信拠点にVoIPゲートウェイ91とVoIPゲートウェイ92が設置されており、VoIPゲートウェイ91に接続される電話機95aとVoIPゲートウェイ92に接続される電話機95bを持つVoIPシステムを考える。ここでは、VoIPゲートウェイ91を発側、VoIPゲートウェイ92を着側とする。
【0007】
まず、電話機95aから電話機95bにダイヤル操作により電話をかけると、図11における従来呼設定処理機能部96が動作し、VoIPゲートウェイ91とVoIPゲートウェイ92の間に通話用コネクションが設定され、通話が可能となる。
【0008】
通話元の電話機95aからの音声信号は、図11のVoIPゲートウェイ91において、従来送受信処理部98から入力され、従来コーデック処理部97においてディジタル信号に変換された後、従来送受信処理部98でIPパケット化され、ネットワーク93を経由して通話先のVoIPゲートウェイ92に転送される。
【0009】
通話先のVoIPゲートウェイ92においては、従来コーデック処理部97でIPパケットから音声信号に戻され、従来送受信処理部98を通じて通話先の電話機95bに音声が伝達される。尚、VoIPゲートウェイ91,92において音声信号とIPパケットの変換処理を行う際、従来コーデック処理部97は「G.711」や「G.729」といった音声符号化方式によりディジタル信号に変換する。
【0010】
そして、従来送受信処理部98は、この音声ディジタル信号を一定長づつIPパケットのデータ部に乗せて通話先に伝達する。
【0011】
従来のVoIPシステムでは、運用前にVoIPゲートウェイ91,92に対し、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を固定的に設定していた。
【0012】
例えば、VoIPパケット中の音声データ長においては、通常は音声遅延を小さくして音質を高くするために、VoIPパケット中の音声データ長を最短(あるいはVoIPパケットの転送周期を最小)に設定することが多い。
【0013】
しかし、VoIPパケットで短い音声データを運搬するためには、次の図12に示すように、レイヤ2ヘッダ、IPヘッダ、UDP(User Datagram Protocol)ヘッダ、RTP(Real−time Transport Protocol)ヘッダといったオーバヘッドが必要であり、伝送効率が非常に悪いという弊害があった。
【0014】
図12は、VoIPパケットの構成例を示す説明図である。
【0015】
本図12では、、イーサネット(登録商標)上でVoIPパケットを伝送する場合のパケット構造を示しており、このように、レイヤ2にイーサネット(登録商標)を使用して、例えば音声データ20バイトを転送する場合、12バイトのIPG(InterPacket Gap)、8バイトのプリアンブル、14バイトのMAC(Media Access Control)ヘッダ、20バイトのIPヘッダ、8バイトのUDPヘッダ、12バイトのRTPヘッダ、そして、4バイトのFCS(Frame Check Sequence)の合計78バイトのオーバヘッドを必要とするので、パケット全体に対する音声データ比は25%以下となる。
【0016】
また、伝送効率を向上させるために音声データ長を長くすると、ネットワーク93およびルータ94a,94bの高負荷時にパケットルーティング処理待ちにより音声遅延が大きくなったり、さらにネットワーク93およびルータ94a,94bが輻輳状態になると、パケット損失による音声劣化を引き起こしたりするという弊害もある。
【0017】
その他のVoIPパラメータにおいても、値の大小は、それぞれ長所と短所を持っており、一意な値に決定することは困難である。
【0018】
図13および図14により、他のVoIPパラメータとしての音声符号化方式、符号化レート、および、受信バッファ長について説明する。
【0019】
図13は、音声符号化方式と符号化レートに関しての説明図であり、図14は、受信バッファ長についての説明図である。
【0020】
図13において、音声符号化方式の一つである「G.711」は既存電話網で利用されており、一定の音質レベルを満足していると考えられるが、必要帯域が64kbpsと大きい点が伝送効率上での課題である。
【0021】
一方、「G.729」は音質が「G.711」より劣るが、必要帯域が8kbps(6.4kbps、11.8kbps)等で設定でき、より少ない伝送帯域で利用できるメリットを有する。
【0022】
この符号化レートに関しては、「G.729」では8kbpsと6.4kbpsと11.8kbpsの3レート、また、「G.723.1」では5.3kbpsと6.3kbpsと2レート存在する。いずれも、符号化レートが大きいと必要帯域は大きくなるが、音質が良く、また、符号化レートが小さいと必要帯域は少なくてすむが、音質が劣化するという特性がある。
【0023】
また、図14に示すVoIPゲートウェイの受信バッファ長に関しては、大きくすると、パケット到着間隔のゆらぎを吸収して音質を保持することができるが、再生時に遅延が生じる。また、受信バッファが小さいと、再生時の遅延は小さいが、パケット到着間隔のゆらぎが大きくなると再生できない音声データが発生することがあり、音質が劣化する。
【0024】
また、従来のVoIPシステムにおいて、音声符号化方式やIPパケット中の音声データ等のVoIPパラメータは固定であるため、ネットワーク状態により音声データ長を変更させる場合、手動により設定変更を行うこととなる。
【0025】
これでは、リアルタイムに変化するネットワーク状態に追従して、品質の高いサービスを提供することができない。ネットワーク状態にリアルタイムに追従するためには、保守者がネットワーク状態を常に監視し、設定変更する必要があるので、保守者に大変な負荷がかかる。
【0026】
また、保守者のスキルレベルによりVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の設定/調整がまちまちとなり、提供するサービス品質にばらつきが生じる。
【0027】
以上のように、従来のVoIPシステムでは、VoIPゲートウェイに対し、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を固定的に設定する。
【0028】
そして、例えば、音声遅延を小さくして音質を高くするためには、音声データ長を最小に設定することが多いが、IPパケットで音声データを運搬するためにレイヤ2ヘッダ、IPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダといったオーバヘッドが必要であり、伝送効率が非常に悪い。
【0029】
また、伝送効率を向上させるために音声データ長を大きくするとネットワークおよびルータに高負荷がかかっている時、ルータ等のパケットルーティング処理により音声遅延が大きくなったり、さらにネットワークおよびルータが輻輳状態になるとパケット損失による音声劣化を引き起こしたりする。
【0030】
さらに、ネットワーク状態によりVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を変更させる場合、手動により設定変更を行っているので、リアルタイムに変動しているネットワーク状態に追従できない。
【0031】
追従するためには、保守者がネットワーク状態を常に監視し、設定変更する必要があるので、保守者に大変な負荷がかかる。
【0032】
また、保守者のスキルレベルによりVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の設定/調整がまちまちで、提供するサービス品質にばらつきが生じる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、VoIPシステムにおける伝送効率の向上と音質の安定とを共に実現することが容易にできない点である。
【0034】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、VoIPシステムの高性能化および高信頼化を可能とすることである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、通話先にパケットを送出して得られる応答時間、通話先にパケットを送出して得られる応答率、RTP(Real−time Transport Protocol)/RTCP(RTP Control Protocol)プロトコルから得られるパケット廃棄率、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット到着間隔のゆらぎのうち、いずれか一つ以上のネットワーク状態を監視して、ネットワーク状態情報を取得するネットワーク状態監視部と、そのネットワーク状態の監視結果に応じて、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)のうちの一つ以上を自律的に変更するVoIP制御部とを具備することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明に係わるVoIPの構成例を示すブロック図であり、図2は、本発明に係わるVoIPゲートウェイの第1の構成例を示すブロック図、図3は、本発明に係わるVoIPゲートウェイの第2の構成例を示すブロック図、図4は、図1におけるVoIPゲートウェイのネットワーク状態監視処理動作例を示すシーケンス図、図5は、図1におけるVoIPゲートウェイのVoIPパラメータ変更処理動作例を示すシーケンス図である。
【0038】
図1において、1はアナログ音声とVoIPパケットの変換部である発側のVoIPゲートウェイ、2はアナログ音声とVoIPパケットの変換部である着側のVoIPゲートウェイ、3はインターネット等の中継系のコンピュータネットワーク(以下「ネットワーク」と記載)、4a,4bはルータ、5a,5bはアナログ電話機であり、9a,9bはネットワーク状態を監視するネットワーク状態監視部、10a,10bはネットワーク状態に応じて最適なVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を算出して、VoIPゲートウェイ1,2が実装するVoIPパラメータを設定するVoIP制御部である。
【0039】
このように、本図1の例では、ネットワーク3と、ネットワーク3の一部を構成するルータ4a,4bを介して、通信拠点にVoIPゲートウェイ1とVoIPゲートウェイ2を設置し、VoIPゲートウェイ1に接続される電話機5aと、VoIPゲートウェイ2に接続される電話機5bと、ルータ4a,4bに接続されるネットワーク状態監視部9a,9bおよびVoIP制御部10a,10bを持つVoIPシステム構成としている。
【0040】
このような構成において、電話機5aから電話機5bに電話をかけると、VoIPゲートウェイ1とVoIPゲートウェイ2の間に通話用IPコネクションが設定され、通話が可能となる。
【0041】
通話元の電話機5aからの音声信号はVoIPゲートウェイ1においてディジタル信号に変換された後、IPパケット化(VoIPパケット)され、ネットワーク3を経由して通話先のVoIPゲートウェイ2に転送される。
【0042】
通話先のVoIPゲートウェイ2においてIPパケットが音声信号に戻され、通話先の電話機5bに音声が伝達される。
【0043】
VoIPゲートウェイ1,2において音声信号をIPパケット化する際、「G.711」や「G.729」といった音声符号化方式によりディジタル信号に変換する。そして、この音声ディジタル信号を一定長づつIPパケットのデータ部に乗せて通話先に伝達する。
【0044】
図1においては、ネットワーク状態監視部9a,9bは、ネットワーク3を経由して実現するVoIP通信のネットワーク状態を監視し、また、VoIP制御部10a,10bは、ネットワーク状態監視部9a,9bによるネットワーク状態の監視結果に応じて、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の一つ以上を制御する機能を有し、これらを設けることにより、本例のVoIPシステムでは、伝送効率や音声品質を保持することができる。
【0045】
ここで、VoIPの通話に際して、音声データ長の変化は次のような特性を持つ。
【0046】
(A1)VoIPゲートウェイ1,2は、音声信号のコーデックを待ってIPパケット化するため、音声データ長が長く設定されている場合、IPパケット化して送出するまでの時間がかかる。そのため音声データ長と音声遅延はほぼ比例する。
【0047】
(A2)音声データ長の大小は音質(PSQM(Perceptual Speech Quality Measure)等といった遅延を考慮していない音質の客観評価指標値)には影響を与えない。
【0048】
(A3)IPパケットによる音声信号の伝達には、レイヤ2、IPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダというオーバヘッドが必要になるので、音声データ長は長い方が伝送効率が高い。
【0049】
(A4)ネットワークにおいてパケット損失が発生する場合、音声データ長が短い方がパケット損失に対する音質劣化が少ない。例えば、音声データ長500バイトのIPパケットが1パケット損失する場合と、音声データ長100バイトのIPパケットが不連続に5パケット損失する場合では、損失する音声データ量は同じであるが、PSQM値は後者の方が良いという結果がでる。
【0050】
(A5)ネットワークにおいてパケット到着間隔ゆらぎが発生する場合、音声データ長が短い方が音質劣化が少ない。
【0051】
以上の特性は、音声符号化方式によらず共通である。
【0052】
次に、音声符号化方式や符号化レートには以下のような特性がある。
【0053】
(B1)音声符号化方式によらず符号化レートが大きいと通話用必要帯域は大きくなるが音質は良い。
【0054】
(B2)符号化レートが小さいと通話用必要帯域は少なくてすむが音質が劣化する。
【0055】
また、受信バッファ長に関しては以下のような特性がある。
【0056】
(C1)受信バッファ長を大きくするとパケット到着間隔のゆらぎの発生するネットワークにおいても音質が安定するが再生遅延が生じる。
【0057】
(C2)受信バッファ長を小さくすると再生遅延は少なくなるが、パケット到着間隔のゆらぎが大きくなると音質が劣化する。
【0058】
このように、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の差異は、伝送効率やパケット損失に対して適正な値が存在するため、VoIPゲートウェイ1,2はネットワーク状態に応じたVoIPパラメータで通話を行えば良い。
【0059】
このようなネットワーク状態に応じたVoIPパラメータで通話を行う機能を持たせるために、本例のVoIPゲートウェイ1,2は、図2,3に示す構成となっている。
【0060】
図2および図3におけるVoIPゲートウェイは、CPU(Central Processing Unit)や主メモリ、表示装置、入力装置、外部記憶装置等からなるコンピュータ構成となっており、光ディスク駆動装置等を介してCD−ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムやデータを外部記憶装置内にインストールした後、この外部記憶装置から主メモリに読み込みCPUで処理することにより、各処理部の機能を実行する。
【0061】
図2,3において、7はアナログ音声とディジタル信号の変換を実現する従来コーデック処理部、8はアナログ音声信号の入出力とディジタル音声信号のパケット組立分解と送受信を実現する従来送受信処理部であり、11は従来の呼設定処理機能(H.323やSIPなどのプロトコルによる呼設定処理)に呼設定中および通話中にネットワーク状態監視部6のネットワーク状態取得プロセスを起動したり、通話終了時ネットワーク状態取得プロセスを停止させたりする機能を加えた新呼設定処理機能部である。
【0062】
図2においては、VoIPゲートウェイ1,2は、通信制御部12を具備し、この通信制御部12は、図1に示すように、ネットワーク状態監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bがVoIPゲートウェイ1,2の外部装置として機能する場合に、このネットワーク状態監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bとの通信を行う機能を具備する。
【0063】
また、図3においては、VoIPゲートウェイ1,2は、ネットワーク状態監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bを内蔵した構成となっている。このように、ネットワーク監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bはVoIPゲートウェイ1,2中に配備されることも可能である。
【0064】
以下、図4を用いて、ネットワーク状態監視部9a,9bの動作について説明する。
【0065】
通話元から通話先にパケットを定期送出する技術として、ICMP(Internet Control Message Protocol)プロトコルのPING(Packet INternet Groper)コマンドやRTCP(RTP Control Protocol)プロトコルによるパケット送出が例として考えられる。図4は、PINGコマンドを用いた、ネットワーク状態監視部9a,9bの動作例である。
【0066】
図4に示すように、VoIPゲートウェイ1,2間に通話用IPコネクションが確立された後、ネットワーク状態監視部9a,9bは、通話先VoIPゲートウェイ2に対して定期的にPINGコマンドによるICPMエコー要求パケットを送出する。
【0067】
PINGコマンドによるICMPエコー要求パケットの応答として、応答率と応答時間を受け取る。またRTP/RTCPプロトコルによりパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎを受け取る。これらの結果をVoIP制御部10a,10bに通知する。
【0068】
このようにして通知されるネットワーク状態情報に基づく、VoIP制御部10a,10bによるVoIPパラメータの変更処理動作を、図5を用いて説明する。
【0069】
図1におけるVoIPゲートウェイ1,2は、ネットワーク状態監視部9a,9bのパケット送信応答結果から得られる応答率と応答時間、および、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎの内の一つ以上をネットワーク状態決定のための状態監視パラメータとする。
【0070】
図5において、新呼設定処理機能部11は、ダイヤル操作(ステップS1)による通話開始の呼設定動作において、通話先IPアドレスを取得した後(ステップS2)、ネットワーク状態監視部9a,9bにネットワーク状態情報の取得要求を行う(ステップS3)。
【0071】
ネットワーク状態監視部9a,9bは、ICMPプロトコルのPINGコマンドやRTP/RTCPプロトコルによりネットワーク状態情報を取得し、ネットワーク状態決定のための状態監視パラメータ値をVoIP制御部10a,10bに通知する(ステップS4)。
【0072】
VoIP制御部10a,10bは、ネットワーク状態決定のための状態監視パラメータ値からネットワーク状態に応じて最適なVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の一つ以上を算出し(ステップS5)、従来コーデック処理部7で持つデータの音声符号化方式、符号化レート、および、従来送受信処理部8で持つデータの音声データ長、受信バッファ長に対する設定を行う(ステップS6〜S11)。
【0073】
また、通話中においてもネットワーク状態監視部9a,9bは、定期的にPINGコマンドやRTP/RTCPプロトコルによりネットワーク状態を監視して情報を取得し、VoIP制御部10a,10bに対して、ネットワーク状態決定のための状態監視パラメータを通知し(ステップS15)、VoIP制御部10a,10bは、ネットワーク状態監視部9a,9bからの通知に応じてVoIPパラメータの設定を変更する(ステップS16)。
【0074】
そして、受話器オンフック(ステップS12)に伴う通話終了時に(ステップS13)、新呼設定処理機能部11からの指示に基づき(ステップS14)、ネットワーク状態監視部9a,9bのネットワーク状態取得プロセスを停止する(ステップS17)。
【0075】
ステップS16におけるVoIPパラメータの変更動作について、図6に基づき説明する。
【0076】
図6は、図1におけるVoIPによるVoIPパラメータの変更動作例を示す説明図である。
【0077】
本図6は、VoIPパラメータを変更するタイミングを示しており、このVoIPパラメータを変更するタイミングは、VoIPパラメータにより、通話コネクション設定のための呼設定モード中と、実際に通話する通話モード中とに分かれる。
【0078】
本例のVoIPシステムでは、この図6に示すように、音声符号化方式と符号化レートの変更に関しては、呼設定モード中にネットワーク状態を取得して、最適なVoIPパラメータ値を算出し、通話元と通話先のVoIPゲートウェイ1,2間のネゴシエーションにより、VoIPパラメータを決定し、VoIPゲートウェイ1,2に設定する。この設定値は通話が終了するまで変更されない。
【0079】
また、VoIPパケット中の音声データ長と受信バッファ長の変更に関しては、呼設定モード中にネットワーク状態を取得して最適なVoIPパラメータ値を算出し、VoIPゲートウェイ1,2に設定すると共に、通話モード中においても変更可能なパラメータなので、通話モード中にVoIPゲートウェイ1,2が定期的にネットワーク状態を確認して、VoIPパラメータをネットワーク状態に応じた値に設定することも可能である。
【0080】
次に、このようなVoIPパラメータの変更動作について、図7から図9を用いて説明する。
【0081】
図7は、図1におけるVoIPゲートウェイの第1の動作例を示すフローチャートであり、図8は、図1におけるVoIPゲートウェイの第2の動作例を示す説明図、図9は、図1におけるVoIPゲートウェイの第3の動作例を示すフローチャートである。
【0082】
図7においては、VoIPパケット中の音声データ長をネットワーク状態に応じて変更する手順を示しており、ネットワーク状態監視部9a,9bによるネットワーク状態情報の収集結果において、応答率(r)がしきい値(R)より高い場合には、ネットワーク3およびルータ4a,4bにかかる負荷は低く、パケット損失が発生しないネットワーク状態であると判断し、伝送効率をあげるために、VoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を長くする。
【0083】
逆に、応答率(r)がしきい値(R)より低い場合にはネットワーク3およびルータ4a,4bにかかる負荷が高く、パケット損失が発生するネットワーク状態であると判断し、音質を保持するために、VoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を短くする。
【0084】
また、応答時間(d)がしきい値(D)より速い場合には、通話に支障がない範囲で音声データ長を長くし、逆に、応答時間(d)がしきい値(D)より遅い場合には、VoIPゲートウェイ1,2での処理遅延を小さくするために、音声データ長を短くする。
【0085】
さらに、パケット廃棄率(l)がしきい値(L)より高い場合には、音質を保持するためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を短くし、逆に、パケット廃棄率(l)がしきい値(L)より低い場合には、伝送効率をあげるためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を長くする。
【0086】
また、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より大きい場合には、音質を保持するためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を短くし、逆に、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より小さい場合には、伝送効率をあげるためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を長くする。
【0087】
尚、図8に示すように、図7に記述した各しきい値は、ネットワーク状態の急激な変化が音声データ長の変更に対して敏感に反応しないように、音声データ長を長くするしきい値と短くするしきい値を異なる値としてヒステリシス性をもたせる。
【0088】
そして、図7に示した各条件の一つ以上が音声データ長を短くする条件に当てはまった場合に、音声データ長を短くする。また、全ての条件が音声データ長を長くする条件に当てはまった場合に音声データ長を長くする。
【0089】
このようにして変更した音声データ長により、VoIPゲートウェイ1,2は、音声IPパケットの転送処理を行う。
【0090】
図9においては、受信バッファ長について、ネットワーク状態に応じて変更する手順を示しており、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より大きい場合には、音質を保持するためにVoIPゲートウェイ1,2は受信バッファ長を大きくし、逆に、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より小さい場合には、音声遅延を減少させるためにVoIPゲートウェイ1,2は受信バッファ長を小さくする。
【0091】
尚、図8で説明した音声データ長の変更処理と同様に、受信バッファ長の変更のために参照するパケット到着間隔ゆらぎのしきい値は、ネットワーク状態の急激な変化が受信バッファ長の変更に対して敏感に反応しないように、受信バッファ長を長くするしきい値と短くするしきい値を異なる値としてヒステリシス性をもたせる。
【0092】
以上、図1〜図9を用いて説明したように、本例では、音声信号をIPパケットに変換して音声通信(通話)を実現するVoIPシステムにおいて、通話元より通話先にパケットを定期的に送出することにより得られる応答時間と応答率、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎのうち、いずれか一つ以上を対象としてネットワーク状態を監視するネットワーク状態監視部9a,9bと、このネットワーク状態監視部9a,9bの監視結果に基づいてVoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうち、いずれか一つ以上のVoIPパラメータをネットワーク状態に応じて自律的に変更、設定するVoIP制御部10a,10bとを設けた構成としている。
【0093】
さらに、通話開始の呼設定処理において、また、通話中においては定期的に、ネットワーク状態監視部9a,9bのネットワーク状態取得プロセスを起動し、通話終了の呼開放処理において、ネットワーク状態監視部9a,9bのネットワーク状態取得プロセスを停止する新呼設定処理機能部11を設けた構成としている。
【0094】
このような構成とすることで本例のVoIPシステムでは、ネットワーク状態を監視し、ネットワーク状態に応じてVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長など)を自律的に変更することができ、VoIP帯域の低減と伝送効率の向上と音質の安定化を実現することができる。また、保守者稼動を低減でき、提供するサービス品質を一定にすることができる。
【0095】
尚、VoIP制御部10a,10bは、VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうちの一つ以上のVoIPパラメータをネットワーク状態に応じて、事前に設計された音声品質の基準値内になる範囲で変更する。
【0096】
また、監視対象を一つ以上とし、一つ以上が音声データ長を短くする条件に当てはまった場合に音声データ長を短くし、全ての条件が音声データ長を長くする条件に当てはまった場合に音声データ長を長くすることでも良い。
【0097】
また、ネットワーク状態に応じてVoIPパケット中の音声データ長を変更するためのしきい値を、音声データ長を長くする時と短くする時で異なる値としてヒステリシス性をもたせることで、ネットワーク状態の急激な変化が音声データ長の変更に対して敏感に反応しないようにする。
【0098】
同様に、ネットワーク状態に応じてVoIPゲートウェイの受信バッファ長を変更するためのしきい値を、受信バッファ長を大きくする時と小さくする時で異なる値としてヒステリシス性をもたせることで、ネットワーク状態の急激な変化が受信バッファ長の変更に対して敏感に反応しないようにする。
【0099】
尚、本発明は、図1〜図9を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例では、運用に際して、IPパケットのデータ部の音声データ長やその他のVoIPパラメータ(音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)はVoIP制御部10a,10bが自律的に自動制御しているが、これに限定されることなく、ユーザにより設定変更することも可能である。
【0100】
また、図1の例では、VoIP制御部10a,10bは2台存在しているが、1台設置してVoIPゲートウェイを集中的に制御する構成や、3台以上設置してVoIPゲートウェイの制御を分散処理する構成でも良い。また、図3で示したように、VoIPゲートウェイ1,2中にネットワーク状態監視部とVoIP制御部の機能を実装する構成でも良い。
【0101】
また、本例では、VoIPゲートウェイのコンピュータ構成としてはキーボードや光ディスクの駆動装置の無いコンピュータ構成としても良い。また、本例では、光ディスクを記録媒体として用いているが、FD(Flexible Disk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、VoIPシステムが自律的にネットワーク状態を判断し、ネットワーク状態に応じて最適なVoIPパラメータを選択することで、VoIP使用帯域の効率的使用と非QoS(Quality of Service)ネットワーク環境での安定した音声品質を実現するサービスを提供できる。
【0103】
例としてあげると、ネットワーク状態が、遅延時間が少なかったり、パケット損失が発生しないような安定した状態の時には、パケット中の音声データ長を長くして伝送効率をあげることができ、また、ネットワーク状態が、遅延時間が大きかったり、パケット損失が発生するような不安定な状態の時には、パケット中の音声データ長を短くして、音声劣化を抑制し、音質を保持できるという効果がある。
【0104】
また、設計者、保守者の設計稼動、設定稼動、保守稼動を低減させ、設計者、保守者のスキルレベルに依存しない一定品質のサービスが提供できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるVoIPの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係わるVoIPゲートウェイの第1の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係わるVoIPゲートウェイの第2の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1におけるVoIPゲートウェイのネットワーク状態監視処理動作例を示すシーケンス図である。
【図5】図1におけるVoIPゲートウェイのVoIPパラメータ変更処理動作例を示すシーケンス図である。
【図6】図1におけるVoIPによるVoIPパラメータの変更動作例を示す説明図である。
【図7】図1におけるVoIPゲートウェイの第1の動作例を示すフローチャートである。
【図8】図1におけるVoIPゲートウェイの第2の動作例を示す説明図である。
【図9】図1におけるVoIPゲートウェイの第3の動作例を示すフローチャートである。
【図10】従来のVoIPシステムの構成例を示すブロック図である。
【図11】図10におけるVoIPゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【図12】VoIPパケットの構成例を示す説明図である。
【図13】音声符号化方式と符号化レートに関しての説明図である。
【図14】受信バッファ長についての説明図である。
【符号の説明】
1,2:VoIPゲートウェイ、3:ネットワーク、4a,4b:ルータ、5a,5b:電話機、7:従来コーデック処理部、8:従来送受信処理部、9a,9b:ネットワーク状態監視部、10a,10b:VoIP制御部、11:新呼設定処理機能部、12:通信制御部、91,92:VoIPゲートウェイ、93:ネットワーク、94a,94b:ルータ、95a,95b:電話機、96:従来呼設定処理機能部、97:従来コーデック処理部、98:従来送受信処理部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声とIP(Internet Protocol)パケットの変換処理技術を用いて、インターネット、IP−VPN(Virtual Private Network)等のコンピュータネットワークを介して、通信拠点を接続することで音声通信(通話)を実施するVoIP(Voice overIP)技術に係わり、特に、ネットワーク状態を監視し、ネットワーク状態に応じてVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長など)を自律的に変更することにより、VoIP帯域の低減と伝送効率の向上と音質の安定化を実現するのに好適なVoIP技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のVoIPシステムに関して図10から図14を用いて説明する。
【0003】
図10は、従来のVoIPシステムの構成例を示すブロック図であり、図11は、図10におけるVoIPゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【0004】
図10において、91,92はアナログ音声とVoIPパケットの変換を行うVoIPゲートウェイ、93は中継系のネットワーク、94a,94bはルータ、95a,95bはアナログ電話機を示す。
【0005】
図11において、96は「H.323」や「SIP(Session Initiation Protocol)」などのプロトコルによる呼設定処理と音声符号化方式、符号化レートなどのパラメータのネゴシエーションに関する機能を実現する従来呼設定処理機能部、97はアナログ音声とディジタル信号の変換を実現する従来コーデック処理部、98はアナログ音声信号の入出力とディジタル音声信号のパケット組立分解と送受信を実現する従来送受信処理部を示す。
【0006】
図10では、ネットワーク93と、このネットワーク93の一部を構成するルータ94を介して、通信拠点にVoIPゲートウェイ91とVoIPゲートウェイ92が設置されており、VoIPゲートウェイ91に接続される電話機95aとVoIPゲートウェイ92に接続される電話機95bを持つVoIPシステムを考える。ここでは、VoIPゲートウェイ91を発側、VoIPゲートウェイ92を着側とする。
【0007】
まず、電話機95aから電話機95bにダイヤル操作により電話をかけると、図11における従来呼設定処理機能部96が動作し、VoIPゲートウェイ91とVoIPゲートウェイ92の間に通話用コネクションが設定され、通話が可能となる。
【0008】
通話元の電話機95aからの音声信号は、図11のVoIPゲートウェイ91において、従来送受信処理部98から入力され、従来コーデック処理部97においてディジタル信号に変換された後、従来送受信処理部98でIPパケット化され、ネットワーク93を経由して通話先のVoIPゲートウェイ92に転送される。
【0009】
通話先のVoIPゲートウェイ92においては、従来コーデック処理部97でIPパケットから音声信号に戻され、従来送受信処理部98を通じて通話先の電話機95bに音声が伝達される。尚、VoIPゲートウェイ91,92において音声信号とIPパケットの変換処理を行う際、従来コーデック処理部97は「G.711」や「G.729」といった音声符号化方式によりディジタル信号に変換する。
【0010】
そして、従来送受信処理部98は、この音声ディジタル信号を一定長づつIPパケットのデータ部に乗せて通話先に伝達する。
【0011】
従来のVoIPシステムでは、運用前にVoIPゲートウェイ91,92に対し、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を固定的に設定していた。
【0012】
例えば、VoIPパケット中の音声データ長においては、通常は音声遅延を小さくして音質を高くするために、VoIPパケット中の音声データ長を最短(あるいはVoIPパケットの転送周期を最小)に設定することが多い。
【0013】
しかし、VoIPパケットで短い音声データを運搬するためには、次の図12に示すように、レイヤ2ヘッダ、IPヘッダ、UDP(User Datagram Protocol)ヘッダ、RTP(Real−time Transport Protocol)ヘッダといったオーバヘッドが必要であり、伝送効率が非常に悪いという弊害があった。
【0014】
図12は、VoIPパケットの構成例を示す説明図である。
【0015】
本図12では、、イーサネット(登録商標)上でVoIPパケットを伝送する場合のパケット構造を示しており、このように、レイヤ2にイーサネット(登録商標)を使用して、例えば音声データ20バイトを転送する場合、12バイトのIPG(InterPacket Gap)、8バイトのプリアンブル、14バイトのMAC(Media Access Control)ヘッダ、20バイトのIPヘッダ、8バイトのUDPヘッダ、12バイトのRTPヘッダ、そして、4バイトのFCS(Frame Check Sequence)の合計78バイトのオーバヘッドを必要とするので、パケット全体に対する音声データ比は25%以下となる。
【0016】
また、伝送効率を向上させるために音声データ長を長くすると、ネットワーク93およびルータ94a,94bの高負荷時にパケットルーティング処理待ちにより音声遅延が大きくなったり、さらにネットワーク93およびルータ94a,94bが輻輳状態になると、パケット損失による音声劣化を引き起こしたりするという弊害もある。
【0017】
その他のVoIPパラメータにおいても、値の大小は、それぞれ長所と短所を持っており、一意な値に決定することは困難である。
【0018】
図13および図14により、他のVoIPパラメータとしての音声符号化方式、符号化レート、および、受信バッファ長について説明する。
【0019】
図13は、音声符号化方式と符号化レートに関しての説明図であり、図14は、受信バッファ長についての説明図である。
【0020】
図13において、音声符号化方式の一つである「G.711」は既存電話網で利用されており、一定の音質レベルを満足していると考えられるが、必要帯域が64kbpsと大きい点が伝送効率上での課題である。
【0021】
一方、「G.729」は音質が「G.711」より劣るが、必要帯域が8kbps(6.4kbps、11.8kbps)等で設定でき、より少ない伝送帯域で利用できるメリットを有する。
【0022】
この符号化レートに関しては、「G.729」では8kbpsと6.4kbpsと11.8kbpsの3レート、また、「G.723.1」では5.3kbpsと6.3kbpsと2レート存在する。いずれも、符号化レートが大きいと必要帯域は大きくなるが、音質が良く、また、符号化レートが小さいと必要帯域は少なくてすむが、音質が劣化するという特性がある。
【0023】
また、図14に示すVoIPゲートウェイの受信バッファ長に関しては、大きくすると、パケット到着間隔のゆらぎを吸収して音質を保持することができるが、再生時に遅延が生じる。また、受信バッファが小さいと、再生時の遅延は小さいが、パケット到着間隔のゆらぎが大きくなると再生できない音声データが発生することがあり、音質が劣化する。
【0024】
また、従来のVoIPシステムにおいて、音声符号化方式やIPパケット中の音声データ等のVoIPパラメータは固定であるため、ネットワーク状態により音声データ長を変更させる場合、手動により設定変更を行うこととなる。
【0025】
これでは、リアルタイムに変化するネットワーク状態に追従して、品質の高いサービスを提供することができない。ネットワーク状態にリアルタイムに追従するためには、保守者がネットワーク状態を常に監視し、設定変更する必要があるので、保守者に大変な負荷がかかる。
【0026】
また、保守者のスキルレベルによりVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の設定/調整がまちまちとなり、提供するサービス品質にばらつきが生じる。
【0027】
以上のように、従来のVoIPシステムでは、VoIPゲートウェイに対し、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を固定的に設定する。
【0028】
そして、例えば、音声遅延を小さくして音質を高くするためには、音声データ長を最小に設定することが多いが、IPパケットで音声データを運搬するためにレイヤ2ヘッダ、IPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダといったオーバヘッドが必要であり、伝送効率が非常に悪い。
【0029】
また、伝送効率を向上させるために音声データ長を大きくするとネットワークおよびルータに高負荷がかかっている時、ルータ等のパケットルーティング処理により音声遅延が大きくなったり、さらにネットワークおよびルータが輻輳状態になるとパケット損失による音声劣化を引き起こしたりする。
【0030】
さらに、ネットワーク状態によりVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を変更させる場合、手動により設定変更を行っているので、リアルタイムに変動しているネットワーク状態に追従できない。
【0031】
追従するためには、保守者がネットワーク状態を常に監視し、設定変更する必要があるので、保守者に大変な負荷がかかる。
【0032】
また、保守者のスキルレベルによりVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の設定/調整がまちまちで、提供するサービス品質にばらつきが生じる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、VoIPシステムにおける伝送効率の向上と音質の安定とを共に実現することが容易にできない点である。
【0034】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、VoIPシステムの高性能化および高信頼化を可能とすることである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、通話先にパケットを送出して得られる応答時間、通話先にパケットを送出して得られる応答率、RTP(Real−time Transport Protocol)/RTCP(RTP Control Protocol)プロトコルから得られるパケット廃棄率、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット到着間隔のゆらぎのうち、いずれか一つ以上のネットワーク状態を監視して、ネットワーク状態情報を取得するネットワーク状態監視部と、そのネットワーク状態の監視結果に応じて、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)のうちの一つ以上を自律的に変更するVoIP制御部とを具備することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明に係わるVoIPの構成例を示すブロック図であり、図2は、本発明に係わるVoIPゲートウェイの第1の構成例を示すブロック図、図3は、本発明に係わるVoIPゲートウェイの第2の構成例を示すブロック図、図4は、図1におけるVoIPゲートウェイのネットワーク状態監視処理動作例を示すシーケンス図、図5は、図1におけるVoIPゲートウェイのVoIPパラメータ変更処理動作例を示すシーケンス図である。
【0038】
図1において、1はアナログ音声とVoIPパケットの変換部である発側のVoIPゲートウェイ、2はアナログ音声とVoIPパケットの変換部である着側のVoIPゲートウェイ、3はインターネット等の中継系のコンピュータネットワーク(以下「ネットワーク」と記載)、4a,4bはルータ、5a,5bはアナログ電話機であり、9a,9bはネットワーク状態を監視するネットワーク状態監視部、10a,10bはネットワーク状態に応じて最適なVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)を算出して、VoIPゲートウェイ1,2が実装するVoIPパラメータを設定するVoIP制御部である。
【0039】
このように、本図1の例では、ネットワーク3と、ネットワーク3の一部を構成するルータ4a,4bを介して、通信拠点にVoIPゲートウェイ1とVoIPゲートウェイ2を設置し、VoIPゲートウェイ1に接続される電話機5aと、VoIPゲートウェイ2に接続される電話機5bと、ルータ4a,4bに接続されるネットワーク状態監視部9a,9bおよびVoIP制御部10a,10bを持つVoIPシステム構成としている。
【0040】
このような構成において、電話機5aから電話機5bに電話をかけると、VoIPゲートウェイ1とVoIPゲートウェイ2の間に通話用IPコネクションが設定され、通話が可能となる。
【0041】
通話元の電話機5aからの音声信号はVoIPゲートウェイ1においてディジタル信号に変換された後、IPパケット化(VoIPパケット)され、ネットワーク3を経由して通話先のVoIPゲートウェイ2に転送される。
【0042】
通話先のVoIPゲートウェイ2においてIPパケットが音声信号に戻され、通話先の電話機5bに音声が伝達される。
【0043】
VoIPゲートウェイ1,2において音声信号をIPパケット化する際、「G.711」や「G.729」といった音声符号化方式によりディジタル信号に変換する。そして、この音声ディジタル信号を一定長づつIPパケットのデータ部に乗せて通話先に伝達する。
【0044】
図1においては、ネットワーク状態監視部9a,9bは、ネットワーク3を経由して実現するVoIP通信のネットワーク状態を監視し、また、VoIP制御部10a,10bは、ネットワーク状態監視部9a,9bによるネットワーク状態の監視結果に応じて、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の一つ以上を制御する機能を有し、これらを設けることにより、本例のVoIPシステムでは、伝送効率や音声品質を保持することができる。
【0045】
ここで、VoIPの通話に際して、音声データ長の変化は次のような特性を持つ。
【0046】
(A1)VoIPゲートウェイ1,2は、音声信号のコーデックを待ってIPパケット化するため、音声データ長が長く設定されている場合、IPパケット化して送出するまでの時間がかかる。そのため音声データ長と音声遅延はほぼ比例する。
【0047】
(A2)音声データ長の大小は音質(PSQM(Perceptual Speech Quality Measure)等といった遅延を考慮していない音質の客観評価指標値)には影響を与えない。
【0048】
(A3)IPパケットによる音声信号の伝達には、レイヤ2、IPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダというオーバヘッドが必要になるので、音声データ長は長い方が伝送効率が高い。
【0049】
(A4)ネットワークにおいてパケット損失が発生する場合、音声データ長が短い方がパケット損失に対する音質劣化が少ない。例えば、音声データ長500バイトのIPパケットが1パケット損失する場合と、音声データ長100バイトのIPパケットが不連続に5パケット損失する場合では、損失する音声データ量は同じであるが、PSQM値は後者の方が良いという結果がでる。
【0050】
(A5)ネットワークにおいてパケット到着間隔ゆらぎが発生する場合、音声データ長が短い方が音質劣化が少ない。
【0051】
以上の特性は、音声符号化方式によらず共通である。
【0052】
次に、音声符号化方式や符号化レートには以下のような特性がある。
【0053】
(B1)音声符号化方式によらず符号化レートが大きいと通話用必要帯域は大きくなるが音質は良い。
【0054】
(B2)符号化レートが小さいと通話用必要帯域は少なくてすむが音質が劣化する。
【0055】
また、受信バッファ長に関しては以下のような特性がある。
【0056】
(C1)受信バッファ長を大きくするとパケット到着間隔のゆらぎの発生するネットワークにおいても音質が安定するが再生遅延が生じる。
【0057】
(C2)受信バッファ長を小さくすると再生遅延は少なくなるが、パケット到着間隔のゆらぎが大きくなると音質が劣化する。
【0058】
このように、VoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の差異は、伝送効率やパケット損失に対して適正な値が存在するため、VoIPゲートウェイ1,2はネットワーク状態に応じたVoIPパラメータで通話を行えば良い。
【0059】
このようなネットワーク状態に応じたVoIPパラメータで通話を行う機能を持たせるために、本例のVoIPゲートウェイ1,2は、図2,3に示す構成となっている。
【0060】
図2および図3におけるVoIPゲートウェイは、CPU(Central Processing Unit)や主メモリ、表示装置、入力装置、外部記憶装置等からなるコンピュータ構成となっており、光ディスク駆動装置等を介してCD−ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムやデータを外部記憶装置内にインストールした後、この外部記憶装置から主メモリに読み込みCPUで処理することにより、各処理部の機能を実行する。
【0061】
図2,3において、7はアナログ音声とディジタル信号の変換を実現する従来コーデック処理部、8はアナログ音声信号の入出力とディジタル音声信号のパケット組立分解と送受信を実現する従来送受信処理部であり、11は従来の呼設定処理機能(H.323やSIPなどのプロトコルによる呼設定処理)に呼設定中および通話中にネットワーク状態監視部6のネットワーク状態取得プロセスを起動したり、通話終了時ネットワーク状態取得プロセスを停止させたりする機能を加えた新呼設定処理機能部である。
【0062】
図2においては、VoIPゲートウェイ1,2は、通信制御部12を具備し、この通信制御部12は、図1に示すように、ネットワーク状態監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bがVoIPゲートウェイ1,2の外部装置として機能する場合に、このネットワーク状態監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bとの通信を行う機能を具備する。
【0063】
また、図3においては、VoIPゲートウェイ1,2は、ネットワーク状態監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bを内蔵した構成となっている。このように、ネットワーク監視部9a,9bとVoIP制御部10a,10bはVoIPゲートウェイ1,2中に配備されることも可能である。
【0064】
以下、図4を用いて、ネットワーク状態監視部9a,9bの動作について説明する。
【0065】
通話元から通話先にパケットを定期送出する技術として、ICMP(Internet Control Message Protocol)プロトコルのPING(Packet INternet Groper)コマンドやRTCP(RTP Control Protocol)プロトコルによるパケット送出が例として考えられる。図4は、PINGコマンドを用いた、ネットワーク状態監視部9a,9bの動作例である。
【0066】
図4に示すように、VoIPゲートウェイ1,2間に通話用IPコネクションが確立された後、ネットワーク状態監視部9a,9bは、通話先VoIPゲートウェイ2に対して定期的にPINGコマンドによるICPMエコー要求パケットを送出する。
【0067】
PINGコマンドによるICMPエコー要求パケットの応答として、応答率と応答時間を受け取る。またRTP/RTCPプロトコルによりパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎを受け取る。これらの結果をVoIP制御部10a,10bに通知する。
【0068】
このようにして通知されるネットワーク状態情報に基づく、VoIP制御部10a,10bによるVoIPパラメータの変更処理動作を、図5を用いて説明する。
【0069】
図1におけるVoIPゲートウェイ1,2は、ネットワーク状態監視部9a,9bのパケット送信応答結果から得られる応答率と応答時間、および、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎの内の一つ以上をネットワーク状態決定のための状態監視パラメータとする。
【0070】
図5において、新呼設定処理機能部11は、ダイヤル操作(ステップS1)による通話開始の呼設定動作において、通話先IPアドレスを取得した後(ステップS2)、ネットワーク状態監視部9a,9bにネットワーク状態情報の取得要求を行う(ステップS3)。
【0071】
ネットワーク状態監視部9a,9bは、ICMPプロトコルのPINGコマンドやRTP/RTCPプロトコルによりネットワーク状態情報を取得し、ネットワーク状態決定のための状態監視パラメータ値をVoIP制御部10a,10bに通知する(ステップS4)。
【0072】
VoIP制御部10a,10bは、ネットワーク状態決定のための状態監視パラメータ値からネットワーク状態に応じて最適なVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)の一つ以上を算出し(ステップS5)、従来コーデック処理部7で持つデータの音声符号化方式、符号化レート、および、従来送受信処理部8で持つデータの音声データ長、受信バッファ長に対する設定を行う(ステップS6〜S11)。
【0073】
また、通話中においてもネットワーク状態監視部9a,9bは、定期的にPINGコマンドやRTP/RTCPプロトコルによりネットワーク状態を監視して情報を取得し、VoIP制御部10a,10bに対して、ネットワーク状態決定のための状態監視パラメータを通知し(ステップS15)、VoIP制御部10a,10bは、ネットワーク状態監視部9a,9bからの通知に応じてVoIPパラメータの設定を変更する(ステップS16)。
【0074】
そして、受話器オンフック(ステップS12)に伴う通話終了時に(ステップS13)、新呼設定処理機能部11からの指示に基づき(ステップS14)、ネットワーク状態監視部9a,9bのネットワーク状態取得プロセスを停止する(ステップS17)。
【0075】
ステップS16におけるVoIPパラメータの変更動作について、図6に基づき説明する。
【0076】
図6は、図1におけるVoIPによるVoIPパラメータの変更動作例を示す説明図である。
【0077】
本図6は、VoIPパラメータを変更するタイミングを示しており、このVoIPパラメータを変更するタイミングは、VoIPパラメータにより、通話コネクション設定のための呼設定モード中と、実際に通話する通話モード中とに分かれる。
【0078】
本例のVoIPシステムでは、この図6に示すように、音声符号化方式と符号化レートの変更に関しては、呼設定モード中にネットワーク状態を取得して、最適なVoIPパラメータ値を算出し、通話元と通話先のVoIPゲートウェイ1,2間のネゴシエーションにより、VoIPパラメータを決定し、VoIPゲートウェイ1,2に設定する。この設定値は通話が終了するまで変更されない。
【0079】
また、VoIPパケット中の音声データ長と受信バッファ長の変更に関しては、呼設定モード中にネットワーク状態を取得して最適なVoIPパラメータ値を算出し、VoIPゲートウェイ1,2に設定すると共に、通話モード中においても変更可能なパラメータなので、通話モード中にVoIPゲートウェイ1,2が定期的にネットワーク状態を確認して、VoIPパラメータをネットワーク状態に応じた値に設定することも可能である。
【0080】
次に、このようなVoIPパラメータの変更動作について、図7から図9を用いて説明する。
【0081】
図7は、図1におけるVoIPゲートウェイの第1の動作例を示すフローチャートであり、図8は、図1におけるVoIPゲートウェイの第2の動作例を示す説明図、図9は、図1におけるVoIPゲートウェイの第3の動作例を示すフローチャートである。
【0082】
図7においては、VoIPパケット中の音声データ長をネットワーク状態に応じて変更する手順を示しており、ネットワーク状態監視部9a,9bによるネットワーク状態情報の収集結果において、応答率(r)がしきい値(R)より高い場合には、ネットワーク3およびルータ4a,4bにかかる負荷は低く、パケット損失が発生しないネットワーク状態であると判断し、伝送効率をあげるために、VoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を長くする。
【0083】
逆に、応答率(r)がしきい値(R)より低い場合にはネットワーク3およびルータ4a,4bにかかる負荷が高く、パケット損失が発生するネットワーク状態であると判断し、音質を保持するために、VoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を短くする。
【0084】
また、応答時間(d)がしきい値(D)より速い場合には、通話に支障がない範囲で音声データ長を長くし、逆に、応答時間(d)がしきい値(D)より遅い場合には、VoIPゲートウェイ1,2での処理遅延を小さくするために、音声データ長を短くする。
【0085】
さらに、パケット廃棄率(l)がしきい値(L)より高い場合には、音質を保持するためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を短くし、逆に、パケット廃棄率(l)がしきい値(L)より低い場合には、伝送効率をあげるためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を長くする。
【0086】
また、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より大きい場合には、音質を保持するためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を短くし、逆に、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より小さい場合には、伝送効率をあげるためにVoIPゲートウェイ1,2は音声データ長を長くする。
【0087】
尚、図8に示すように、図7に記述した各しきい値は、ネットワーク状態の急激な変化が音声データ長の変更に対して敏感に反応しないように、音声データ長を長くするしきい値と短くするしきい値を異なる値としてヒステリシス性をもたせる。
【0088】
そして、図7に示した各条件の一つ以上が音声データ長を短くする条件に当てはまった場合に、音声データ長を短くする。また、全ての条件が音声データ長を長くする条件に当てはまった場合に音声データ長を長くする。
【0089】
このようにして変更した音声データ長により、VoIPゲートウェイ1,2は、音声IPパケットの転送処理を行う。
【0090】
図9においては、受信バッファ長について、ネットワーク状態に応じて変更する手順を示しており、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より大きい場合には、音質を保持するためにVoIPゲートウェイ1,2は受信バッファ長を大きくし、逆に、パケット到着間隔ゆらぎ(j)がしきい値(J)より小さい場合には、音声遅延を減少させるためにVoIPゲートウェイ1,2は受信バッファ長を小さくする。
【0091】
尚、図8で説明した音声データ長の変更処理と同様に、受信バッファ長の変更のために参照するパケット到着間隔ゆらぎのしきい値は、ネットワーク状態の急激な変化が受信バッファ長の変更に対して敏感に反応しないように、受信バッファ長を長くするしきい値と短くするしきい値を異なる値としてヒステリシス性をもたせる。
【0092】
以上、図1〜図9を用いて説明したように、本例では、音声信号をIPパケットに変換して音声通信(通話)を実現するVoIPシステムにおいて、通話元より通話先にパケットを定期的に送出することにより得られる応答時間と応答率、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎのうち、いずれか一つ以上を対象としてネットワーク状態を監視するネットワーク状態監視部9a,9bと、このネットワーク状態監視部9a,9bの監視結果に基づいてVoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうち、いずれか一つ以上のVoIPパラメータをネットワーク状態に応じて自律的に変更、設定するVoIP制御部10a,10bとを設けた構成としている。
【0093】
さらに、通話開始の呼設定処理において、また、通話中においては定期的に、ネットワーク状態監視部9a,9bのネットワーク状態取得プロセスを起動し、通話終了の呼開放処理において、ネットワーク状態監視部9a,9bのネットワーク状態取得プロセスを停止する新呼設定処理機能部11を設けた構成としている。
【0094】
このような構成とすることで本例のVoIPシステムでは、ネットワーク状態を監視し、ネットワーク状態に応じてVoIPパラメータ(VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長など)を自律的に変更することができ、VoIP帯域の低減と伝送効率の向上と音質の安定化を実現することができる。また、保守者稼動を低減でき、提供するサービス品質を一定にすることができる。
【0095】
尚、VoIP制御部10a,10bは、VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうちの一つ以上のVoIPパラメータをネットワーク状態に応じて、事前に設計された音声品質の基準値内になる範囲で変更する。
【0096】
また、監視対象を一つ以上とし、一つ以上が音声データ長を短くする条件に当てはまった場合に音声データ長を短くし、全ての条件が音声データ長を長くする条件に当てはまった場合に音声データ長を長くすることでも良い。
【0097】
また、ネットワーク状態に応じてVoIPパケット中の音声データ長を変更するためのしきい値を、音声データ長を長くする時と短くする時で異なる値としてヒステリシス性をもたせることで、ネットワーク状態の急激な変化が音声データ長の変更に対して敏感に反応しないようにする。
【0098】
同様に、ネットワーク状態に応じてVoIPゲートウェイの受信バッファ長を変更するためのしきい値を、受信バッファ長を大きくする時と小さくする時で異なる値としてヒステリシス性をもたせることで、ネットワーク状態の急激な変化が受信バッファ長の変更に対して敏感に反応しないようにする。
【0099】
尚、本発明は、図1〜図9を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例では、運用に際して、IPパケットのデータ部の音声データ長やその他のVoIPパラメータ(音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長)はVoIP制御部10a,10bが自律的に自動制御しているが、これに限定されることなく、ユーザにより設定変更することも可能である。
【0100】
また、図1の例では、VoIP制御部10a,10bは2台存在しているが、1台設置してVoIPゲートウェイを集中的に制御する構成や、3台以上設置してVoIPゲートウェイの制御を分散処理する構成でも良い。また、図3で示したように、VoIPゲートウェイ1,2中にネットワーク状態監視部とVoIP制御部の機能を実装する構成でも良い。
【0101】
また、本例では、VoIPゲートウェイのコンピュータ構成としてはキーボードや光ディスクの駆動装置の無いコンピュータ構成としても良い。また、本例では、光ディスクを記録媒体として用いているが、FD(Flexible Disk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、VoIPシステムが自律的にネットワーク状態を判断し、ネットワーク状態に応じて最適なVoIPパラメータを選択することで、VoIP使用帯域の効率的使用と非QoS(Quality of Service)ネットワーク環境での安定した音声品質を実現するサービスを提供できる。
【0103】
例としてあげると、ネットワーク状態が、遅延時間が少なかったり、パケット損失が発生しないような安定した状態の時には、パケット中の音声データ長を長くして伝送効率をあげることができ、また、ネットワーク状態が、遅延時間が大きかったり、パケット損失が発生するような不安定な状態の時には、パケット中の音声データ長を短くして、音声劣化を抑制し、音質を保持できるという効果がある。
【0104】
また、設計者、保守者の設計稼動、設定稼動、保守稼動を低減させ、設計者、保守者のスキルレベルに依存しない一定品質のサービスが提供できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるVoIPの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係わるVoIPゲートウェイの第1の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係わるVoIPゲートウェイの第2の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1におけるVoIPゲートウェイのネットワーク状態監視処理動作例を示すシーケンス図である。
【図5】図1におけるVoIPゲートウェイのVoIPパラメータ変更処理動作例を示すシーケンス図である。
【図6】図1におけるVoIPによるVoIPパラメータの変更動作例を示す説明図である。
【図7】図1におけるVoIPゲートウェイの第1の動作例を示すフローチャートである。
【図8】図1におけるVoIPゲートウェイの第2の動作例を示す説明図である。
【図9】図1におけるVoIPゲートウェイの第3の動作例を示すフローチャートである。
【図10】従来のVoIPシステムの構成例を示すブロック図である。
【図11】図10におけるVoIPゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
【図12】VoIPパケットの構成例を示す説明図である。
【図13】音声符号化方式と符号化レートに関しての説明図である。
【図14】受信バッファ長についての説明図である。
【符号の説明】
1,2:VoIPゲートウェイ、3:ネットワーク、4a,4b:ルータ、5a,5b:電話機、7:従来コーデック処理部、8:従来送受信処理部、9a,9b:ネットワーク状態監視部、10a,10b:VoIP制御部、11:新呼設定処理機能部、12:通信制御部、91,92:VoIPゲートウェイ、93:ネットワーク、94a,94b:ルータ、95a,95b:電話機、96:従来呼設定処理機能部、97:従来コーデック処理部、98:従来送受信処理部。
Claims (19)
- 音声信号をIPパケットに変換しコンピュータネットワークを介しての通話を実現するVoIPシステムであって、
ネットワーク状態を監視するネットワーク状態監視手段と、
該ネットワーク状態監視手段によるネットワーク状態の監視結果に応じてVoIPパラメータを変更するVoIP制御手段とを有することを特徴とするVoIPシステム。 - 音声信号をIPパケットに変換しコンピュータネットワークを介しての通話を実現するVoIPシステムであって、
通話元から通話先にパケットを定期的に送出することにより得られる応答時間と応答率、および、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎの内のいずれか一つ以上を対象としてネットワーク状態を監視するネットワーク状態監視手段と、
該ネットワーク状態監視手段によるネットワーク状態の監視結果に基づいてVoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうちのいずれか一つ以上のVoIPパラメータを変更して設定するVoIP制御手段と
を有することを特徴とするVoIPシステム。 - 請求項2に記載のVoIPシステムであって、
通話開始の呼設定処理に伴い上記ネットワーク状態監視手段を起動すると共に、通話中において定期的に上記ネットワーク状態監視手段を起動し、
通話終了の呼開放処理に伴い上記ネットワーク状態監視手段を停止する新呼設定処理機能手段を有することを特徴とするVoIPシステム。 - 請求項2、もしくは、請求項3のいずれかに記載のVoIPシステムであって、
上記VoIP制御手段は、
VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうちの一つ以上のVoIPパラメータの変更を、ネットワーク状態に応じて予め定められた音声品質の基準値内になる範囲で行うことを特徴とするVoIPシステム。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載のVoIPシステムであって、
上記VoIP制御手段は、
呼設定処理中および通話中に、上記ネットワーク状態監視手段によるネットワーク状態の監視結果に応じた上記VoIPパラメータの変更を行うことを特徴とするVoIPシステム。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載のVoIPシステムであって、
上記ネットワーク状態監視手段は、上記VoIPパラメータのうちの上記応答時間と上記応答率および上記パケット廃棄率と上記パケット到着間隔のゆらぎの内のいずれか一つ以上を上記ネットワーク状態の監視対象とし、
上記VoIP制御手段は、
上記ネットワーク状態監視手段によるネットワーク状態の監視結果で、上記監視対象の一つ以上が音声データ長を短くする条件に当てはまった場合に音声データ長を短くし、全ての条件が音声データ長を長くする条件に当てはまった場合に音声データ長を長くすることを特徴とするVoIPシステム。 - 請求項2から請求項6のいずれかに記載のVoIPシステムであって、
上記VoIP制御手段が、上記ネットワーク状態監視手段によるネットワーク状態の監視結果に応じてVoIPパケット中の音声データ長を変更する際に用いるしきい値を、音声データ長を短くする場合と長くする場合で異なる値とすることを特徴とするVoIPシステム。 - 請求項2から請求項7のいずれかに記載のVoIPシステムであって、
上記VoIP制御手段が、上記ネットワーク状態監視手段によるネットワーク状態の監視結果に応じてVoIPゲートウェイの受信バッファ長を変更する際に用いるしきい値を、受信バッファ長を大きくする場合と小さくする場合で異なる値とすることを特徴とするVoIPシステム。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載のVoIPシステムであって、
上記ネットワーク状態監視手段と上記VoIP制御手段を、
アナログ音声とVoIPパケットとの変換を行うVoIPゲートウェイに設けたことを特徴とするVoIPシステム。 - 音声信号をIPパケットに変換しコンピュータネットワークを介しての通話を実現するVoIPシステムにおけるVoIPパケット転送制御方法であって、
ネットワーク状態を監視する手順と、
上記ネットワーク状態の監視結果に応じてVoIPパラメータを変更する手順とを有することを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - 音声信号をIPパケットに変換しコンピュータネットワークを介しての通話を実現するVoIPシステムにおけるVoIPパケット転送制御方法であって、
通話元から通話先にパケットを定期的に送出することにより得られる応答時間と応答率、および、RTP/RTCPプロトコルから得られるパケット廃棄率とパケット到着間隔のゆらぎの内のいずれか一つ以上を対象としてネットワーク状態を監視する第1の手順と、
該第1の手順でのネットワーク状態の監視結果に基づいてVoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうちのいずれか一つ以上のVoIPパラメータを変更して設定する第2の手順と
を有することを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - 請求項11に記載のVoIPパケット転送制御方法であって、
通話開始の呼設定処理に伴い上記第1の手順によるネットワーク状態の監視動作を起動すると共に、通話中において定期的に上記第1の手順によるネットワーク状態監視動作を起動し、
通話終了の呼開放処理に伴い上記第1の手順によるネットワーク状態監視動作を停止する手順を有することを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - 請求項11、もしくは、請求項12のいずれかに記載のVoIPパケット転送制御方法であって、
上記第2の手順では、
VoIPパケット中の音声データ長、音声符号化方式、符号化レート、受信バッファ長のうちの一つ以上のVoIPパラメータの変更を、ネットワーク状態に応じて予め定められた音声品質の基準値内になる範囲で行うことを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - 請求項11から請求項13のいずれかに記載のVoIPパケット転送制御方法であって、
上記第2の手順では、
呼設定処理中および通話中に、上記第1の手順でのネットワーク状態の監視結果に応じた上記VoIPパラメータの変更を行うことを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - 請求項11から請求項14のいずれかに記載のVoIPパケット転送制御方法であって、
上記第1の手順では、上記VoIPパラメータのうちの上記応答時間と上記応答率および上記パケット廃棄率と上記パケット到着間隔のゆらぎの内のいずれか一つ以上を上記ネットワーク状態の監視対象とし、
上記第2の手順では、
上記第1の手順でのネットワーク状態の監視結果で、上記監視対象の一つ以上が音声データ長を短くする条件に当てはまった場合に音声データ長を短くし、全ての条件が音声データ長を長くする条件に当てはまった場合に音声データ長を長くすることを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - 請求項11から請求項15のいずれかに記載のVoIPパケット転送制御方法であって、
上記第1の手順でのネットワーク状態の監視結果に応じて上記第2の手順でVoIPパケット中の音声データ長を変更する際に用いるしきい値を、音声データ長を短くする場合と長くする場合で異なる値とすることを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - 請求項11から請求項16のいずれかに記載のVoIPパケット転送制御方法であって、
上記第1の手順でのネットワーク状態の監視結果に応じて上記第2の手順でVoIPゲートウェイの受信バッファ長を変更する際に用いるしきい値を、受信バッファ長を大きくする場合と小さくする場合で異なる値とすることを特徴とするVoIPパケット転送制御方法。 - コンピュータに、請求項11から請求項17のいずれかに記載のVoIPパケット転送制御方法における各手順を実行させるためのプログラム。
- コンピュータに、請求項11から請求項17のいずれかに記載のVoIPパケット転送制御方法における各手順を実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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