JP5277602B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
この技術手段は、ベルト上のトナー像(テスト画像)を検出させる光反射型センサを備えており、そのトナー像を光反射型センサで検出した際の検出信号量に基づいて画像濃度の量を修正したり、検出信号の時間的なずれ等に基づいて色ずれを修正したりするのが一般的である。
これら画像濃度や色ずれの修正が精度良く行なわれるためには、何よりもトナー像の検出精度が安定している必要があるが、しかしながら、ベルト自体の振動や、ベルト駆動部の機械的な精度等によって、光反射型センサからベルト上のトナー像までの距離が変化して、精度の良い検出が確保できない場合があった。
そこで、かかる課題を解決する、とした画像形成装置がいくつか提案されている。
例えば、ベルトを挟んでパターン画像検出センサと対向した位置にベルト裏面に当接する平面状の背面当接部材または一対の当接ローラを設けたり(例えば特許文献1参照)、その背面当接部材に替えてシャフト体を設けたりする(例えば特許文献2参照)等して、ベルトの振動を抑止させる、としたものや、ベルトを掛架させたローラ部分でパッチ画像を検出可能に、かつ、そのローラの法線方向上にパッチ検出センサを設けて、ベルトの振動が発生しづらい個所で検出を行なうものがある(例えば特許文献3参照)。
まず、特許文献1に記載された平面状の背面当接部材の場合、画像濃度の調整動作の有無に関わらず、ベルトの変動を抑止可能な所要の押圧力で、かつ、所要の当接面積で、常にベルトに負荷していることから、フリクションロスが大きい上に、ベルトの低寿命化、異音の発生等の問題点があった。
また、特許文献1に記載された一対の当接ローラを設ける場合は、ベルトの振動を規制する面が無いことから、ベルトの振動を完全に抑止することができず、検出精度の向上に限界があった。
特許文献2に記載された単体のシャフト体の場合、被検出面は、ベルト幅方向に延出する線状となることから、検出精度を確保するために、シャフト体自体の精度はもとより、特に、シャフト体を画像形成装置に取り付ける際の組み付け精度を要していた。
特許文献3に記載された先行技術は、上述したように、ベルトを掛架させたローラ部分でパッチ画像を検出可能に、かつ、そのローラの法線方向上にパッチ検出センサを設けることから、必然的に、ベルト搬送方向の幅寸法が大きくなって画像形成装置が大型化する原因になったり、また、センサ位置が限定されることから自由なレイアウト設計ができなくなる恐れが生じたりしていた。
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できる画像形成装置を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1にかかる画像形成装置は、トナー像を搬送するベルトを備えた画像形成装置であって、前記ベルトで搬送中の前記トナー像を検出する光反射型センサと、
前記ベルトを挟んで前記光反射型センサと対向した位置に前記ベルトに対して進退可能に設けた板状の当接部材と、前記光反射型センサで前記トナー像を検出する際に前記当接部材を当接させて前記光反射型センサの配設方向へ前記ベルトを付勢させると共に、前記光反射型センサに前記トナー像を検出させない非検出時には前記当接部材の付勢を解除させる制御手段と、を備え、前記ベルトの移動に従動可能に軸支された転動ローラを、前記当接部材の進退動作と交互となるように前記ベルトに対して進退可能に、前記当接部材に並設させたことを特徴とすることを特徴とする。
請求項2にかかる画像形成装置は、請求項1において、中央部が枢支されたリンクの一端部に前記当接部材が枢設されると共に前記リンクの他端部に前記転動ローラが枢設されたことを特徴とする。
請求項4にかかる画像形成装置は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記当接部材は、後退時にも前記ベルトに当接可能に設けたことを特徴とする。
請求項5にかかる画像形成装置は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記当接部材は、後退した際も前記ベルトに当接可能に設け、前記転動ローラは、後退した際も前記ベルトに従動可能に設けたことを特徴とする。
請求項6にかかる画像形成装置は、請求項1乃至5の何れか1項において、前記ベルトのベルト面に対して光軸が垂直となるように前記光反射型センサが配設され、前記当接部材は、前記ベルト面に対し垂直方向に押圧可能に構成されていることを特徴とする。
請求項7にかかる画像形成装置は、請求項1乃至6の何れかに1項において、前記トナー像は、画像濃度調整又は色ずれ修正を設定させるためのテスト画像であることを特徴とする。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる画像形成装置は、図1に示すように、光反射型センサ3と、当接手段と、制御手段とを備えて構成されている。
光反射型センサ3は、発光素子と受光素子とが並設された周知のもので、中間転写ベルト2の従動ローラ1寄り上方に、ベルト面に対してセンサの光軸が垂直となるように下向きに配設されている。この光反射型センサ3は、後述する制御手段と電気的に接続されており、中間転写ベルト2で搬送中のテスト画像(トナー像で形成されている)を検出するようになっている。なお、このテスト画像は、画像濃度や色ずれを判別させるためのもので線描や面塗りで構成された周知のものである。
当接部材4は、中間転写ベルト2の両縁から所要長さ突出可能な幅、所要の長さ(ベルト搬送方向の長さ)、所要の高さで板状に形成されている共に、中間転写ベルト2に当接させる側の上縁部が緩斜面となるように面取り形成されている。
出没機構は、画像形成装置の機枠Fに取り付けられ、光反射型センサ3の垂直中心線上に穴中心が位置するように、中間転写ベルト2より下方に設けられた矩形筒型状のブラケット5と、当接部材4の長手方向の両側面に設けられたリニアガイド6と、そのリニアガイド6と上下方向スライド可能に係合されブラケット5の内面に敷設されたリニアレール7と、ブラケット5に取着されると共にブラケット5の内方へ回転軸9が延出された駆動モータ8と、その回転軸9と嵌合され180度毎に最大変位と最小変位(付勢解除)とが入れ替わるカム曲線で形成された板カム10と、当接部材4の底面に垂設され、板カム10のカム面と当接させたカムフォロア11と、当接部材4の短手方向の側面(または底面)に一端が掛止されると共にブラケット5の内面に他端が掛止され当接部材4を下方へ付勢させる引張スプリング12とを備えて構成され、当接部材4をベルト面に対し垂直方向に移動させるようになっている。
なお、実施の形態1にかかる出没機構の構成例として、上述したリニアガイド6、リニアレール7、ブラケット5、カムフォロア11を備えたものを例示しているが、画像形成装置の機枠F等に当接部材4を上下方向スライド可能に設け、その当接部材4の底面に直に板カム10を当接させ、引張スプリング12を当接部材4と機枠の双方に掛止させて当接部材4を下方へ付勢させるように、上述したものより、さらにシンプルに構成しても良い。
制御手段(図示せず)は、画像形成装置の制御手段を利用しており、光反射型センサ3によるテスト画像の検出及び非検出と連係して出没機構の駆動モータ8を回転させて、中間転写ベルト2の裏面から当接部材4を押し当ててベルトの変動を抑止させたり、その抑止を解除させたりするようになっている。
まず、制御手段は、所定枚数の画像形成後や、所定時間の経過後、部品やトナー交換後、電源立ち上げ直後など、予め設定された条件、または、人手による操作等の画質調整要求があったか否かを判断し(S1)、画質調整要求があった場合(S1でY)、テスト画像の作像を開始する。
このテスト画像の作像プロセスは、帯電・露光・現像といった通常の電子写真方式の作像プロセスと同じであり、感光体ドラムを一様に帯電し、予め記憶されたテスト画像の潜像を感光体ドラム上に形成し、その潜像をトナーで現像してトナー像とし、そのトナー像のテスト画像を中間転写ベルト2に一次転写する。そして、中間転写ベルト2に一時転写したテスト画像は、その中間転写ベルト2の搬送により二次転写部に向かって移動する。
このとき、所定のタイミングで光反射型センサ3によるテスト画像の検出を行なうが、その検出直前に、待機位置である最小変位に位置した板カム10が最大変位の位置で停止するように、駆動モータ8の回転を制御する(半回転の制御を行なう(S2))。
すなわち、板カム10の回転により、カムフォロア11を介して当接部材4が上方に向かって移動し、中間転写ベルト2の裏面に当接・押圧して、当接部材4と接しているベルト領域の上下方向のベルト変動を抑止する。ベルト変動を抑止することで、当接部材4の真上に設けた光反射型センサ3からテスト画像までの距離が一定となる。その状態で、制御手段は、光反射型センサ3によるテスト画像の検出を実行する(S3)。なお、検出自体の技術的手法は周知技術であるため説明は省略する。
このように実施の形態1にかかる画像形成装置は、中間転写ベルト2を挟んで光反射型センサ3と対向した位置に設けた板状の当接部材4が、光反射型センサ3の配設方向へ前進して中間転写ベルト2を「面」で付勢して、上下方向のベルト変動を完全に抑止して、光反射型センサ3からテスト画像までの距離を一定にした状態で、光反射型センサ3が、中間転写ベルト2で搬送中のテスト画像を検出するから、ベルト振動による検出精度の誤差なくテスト画像の検出ができる。その結果、画像濃度や色ずれの修正が常に高精度でできる。
さらに、非検出時には、当接部材4による付勢を解除するから、中間転写ベルト2と当接部材4との当接によるフリクションロス、ベルトの低寿命化、異音の発生等を抑えることができる。また、中間転写ベルト2を掛架するローラ(駆動ローラ、従動ローラ1、テンションローラ等)を除いた任意の個所での配設が可能になっていることから、画像形成装置の幅方向が大型化することもなく、自由なレイアウト設計を行なうことができる。
実施の形態2にかかる画像形成装置は、実施の形態1で例示した当接手段の他の態様を例示しており、実施の形態1と共通の構成である光反射型センサ3、制御手段の説明は省略する。
実施の形態2にかかる当接手段は、図4に示すように、当接部材4と、転動ローラ13と、出没機構とを備えて構成されている。
当接部材4は、中間転写ベルト2の両縁から所要長さ突出可能な幅、所要の長さ(ベルト搬送方向の長さ)、所要の高さで板状に形成されている共に、中間転写ベルト2に当接させる側の上縁部が緩斜面となるように面取り形成されている。さらに、この当接部材4は、その幅方向両側面の夫々の中央から突出され長穴18、f2と係合可能な枢軸14で枢支されている。
出没機構は、中央部から所要の角度で屈曲されて略「く」の字状に形成されると共に外内方向へ延出された長穴18が両端部に形成されたリンク17と、そのリンク17の中央部の一側面に突設され画像形成装置の機枠Fに形成された軸穴f1に枢着された支持軸19と、その支持軸19が突設された一側面に対して反対の面となる他側面の、支持軸19と一方の長穴18との中途部に枢支されたカムフォロア11と、回転軸9が機枠F内方へ突出するように画像形成装置の機枠Fに取着された駆動モータ8と、その駆動モータ8の回転軸9にカムフォロア11と係合可能に嵌合され180度毎に最大変位(転動ローラ13は中間転写ベルト2を付勢、当接部材4は中間転写ベルト2への付勢を解除)と最小変位(転動ローラ13は中間転写ベルト2への付勢を解除、当接部材4は中間転写ベルト2を付勢)とが入れ替わるカム曲線で形成された板カム10と、リンク17のカムフォロア11近傍に一端が掛止されると共に画像形成装置の機枠Fに他端が掛止されリンク17のカムフォロア11側を下方へ引っ張る引張スプリング12とを備えて構成され、当接部材4をベルト面に対し垂直方向に移動させるようになっている。なお、カムフォロア11を設けずに、板カム10を引張スプリング12配設側のリンク17底面に直接当接させても良い。
実施の形態1で説明したように、所定のタイミングで光反射型センサ3によるテスト画像の検出を行なうが、その検出直前に、待機位置である最大変位に位置した板カム10が最小変位の位置で停止するように、制御手段が駆動モータ8の回転を制御する(半回転の制御を行なう)。
すなわち、板カム10の回転により、カムフォロア11を介して、支持軸19を回転中心としたリンク17が、図3において反時計方向に回転し、転動ローラ13が中間転写ベルト2の裏面から下方に向かって離間すると同時に、当接部材4が上昇して、中間転写ベルト2の裏面に当接・押圧する。このとき、転動ローラ13と当接部材4は、夫々の枢軸13、16と係合した長穴f2が、上下方向に延出していることから、幅方向への移動が規制されて、中間転写ベルト2に対し垂直方向に移動する。
すなわち、板カム10の回転により、カムフォロア11を介して当接部材4が上方に向かって移動し、中間転写ベルト2の裏面に当接・押圧することで、当接部材4と接しているベルト領域の上下方向のベルト変動を抑止する。このベルト変動が抑止することで、当接部材4の真上に設けた光反射型センサ3からテスト画像までの距離が一定となる。その状態で、制御手段は、光反射型センサ3によるテスト画像の検出を実行する。なお、検出自体の技術的手法は周知技術であるため実施の形態1と同じく説明は省略する。
この実施の形態2にかかる画像形成装置によれば、実施の形態1の効果に加え、当接部材4の上下動作と交互となるように、中間転写ベルト2に対して上下動可能に転動ローラ13を設けて、検知時(当接部材4で中間転写ベルト2を押圧させた時)と、非検知時(押圧を解除させた時)とで、中間転写ベルト2の駆動系に大きなトルク変動が生じないようにし、中間転写ベルト2の搬送速度をより一定化したから、予め設定されたテスト画像の検出タイミングと、テスト画像が実際に搬送されてきたタイミングとが高精度で合って、画像濃度や色置ずれの検出精度の向上が期待できる。また、中間転写ベルト2の駆動系に大きなトルク変動が生じないから、各構成部材の疲労限界を伸ばすことができる。
また、中間転写ベルト2に対し当接部材4を垂直方向から押圧(光反射型センサ3へ向かって押圧)するから、当接部材4を中間転写ベルト2へ当接させる際に生じる中間転写ベルト2の微小な変動を最小限に留めることができる。
例えば、本実施の形態では、非検知時の際、当接部材4を中間転写ベルト2から離間したものを例示しているが、当接部材4による中間転写ベルト2への押圧を解除さえすれば良いもので、非検知時に当接部材4が中間転写ベルト2を摺接していても良い。さらに、転動ローラ13を例示した実施の形態2の場合、検知時に転動ローラ13が従動回転可能に中間転写ベルト2に当接(所定の押圧は解除)していても良い。
また、実施の形態2で例示したように、当接部材4と転動ローラ13とをリンク17を介して接続させた構成になっているが、リンクを設けずに、当接部材4と転動ローラ13とを夫々独立して駆動させる構成にしても良い。また、転動ローラ13の替わりに丸棒等の棒状部材や板状部材にしても良い。
Claims (7)
- トナー像を搬送するベルトを備えた画像形成装置であって、
前記ベルトで搬送中の前記トナー像を検出する光反射型センサと、
前記ベルトを挟んで前記光反射型センサと対向した位置に前記ベルトに対して進退可能に設けた板状の当接部材と、
前記光反射型センサで前記トナー像を検出する際に前記当接部材を当接させて前記光反射型センサの配設方向へ前記ベルトを付勢させると共に、前記光反射型センサに前記トナー像を検出させない非検出時には前記当接部材の付勢を解除させる制御手段と、を備え、
前記ベルトの移動に従動可能に軸支された転動ローラを、前記当接部材の進退動作と交互となるように前記ベルトに対して進退可能に、前記当接部材に並設させたことを特徴とする画像形成装置。 - 中央部が枢支されたリンクの一端部に前記当接部材が枢設されると共に前記リンクの他端部に前記転動ローラが枢設されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記当接部材を当接させて前記ベルトへ負荷させた押圧力と、前記転動ローラを当接させて前記ベルトへ負荷させた押圧力とが略同一となるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記当接部材は、後退時にも前記ベルトに当接可能に設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記当接部材は、後退した際も前記ベルトに当接可能に設け、前記転動ローラは、後退した際も前記ベルトに従動可能に設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記ベルトのベルト面に対して光軸が垂直となるように前記光反射型センサが配設され、前記当接部材は、前記ベルト面に対し垂直方向に押圧可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー像は、画像濃度調整又は色ずれ修正を設定させるためのテスト画像であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
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