JP6065666B2 - シート材位置補正装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかし、その場合、従動ローラが幅方向に移動できないように従動ローラを固定保持してしまうと、駆動ローラと従動ローラとに挟持されたシート材が、移動機構によって駆動ローラとともに幅方向に移動するときに、従動ローラとの摺動抵抗によって、シート材を幅方向の狙いの位置に移動補正することができなくなってしまう可能性がある。
これに対して、従動ローラが駆動ローラとの摩擦抵抗によって幅方向に移動できるように構成した場合には、駆動ローラと従動ローラとに挟持されたシート材が、移動機構によって駆動ローラとともに幅方向に移動するときに、シート材を幅方向の狙いの位置に移動補正することができることになる。しかし、表面摩擦抵抗が低いシート材の位置補正をおこなうときに、シート材との摺動抵抗が小さくて、従動ローラがシート材とともに幅方向に同じ量だけ移動せずに幅方向にズレてしまう可能性がある。そして、そのような状態が繰り返されるうちに、駆動ローラに対する従動ローラの幅方向の位置が大きくズレてしまい、駆動ローラのローラ部と従動ローラのローラ部とが当接しなくなってしまい、駆動ローラと従動ローラとによってシート材を挟持・搬送できなくなってしまう。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。また、中間転写ベルト装置15の右下方であって、レジストローラ18(タイミングローラ)に対して搬送方向上流側の位置には、シート材位置補正装置30(搬送装置)が設置されている。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像(画像)を、ベルト状の像担持体としての中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
そして、中間転写ベルト8(ベルト状の像担持体)は、矢印方向に走行して、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等のシート材Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシート材Pがシート材位置補正装置30に向けて給送される。
その後、シート材Pは、排紙ローラ対(不図示である。)によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシート材Pは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤収容部に開口を介して連通するトナー補給経路43Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。
その後、現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
本実施の形態におけるシート材位置補正装置30は、複数の搬送ローラ対31〜34が設置されていて、シート材Pを挟持して搬送する機能に加えて、シート材Pを幅方向(搬送方向に直交する方向であって、図3の紙面垂直方向である。)に移動してシート材Pの幅方向の位置を補正する機能をも有している。
図3〜図6等を参照して、本実施の形態におけるシート材位置補正装置30は、4つの搬送ローラ対31〜34、上ガイド板35、ガイド板としての下ガイド板36、検知手段としてのエッジ位置検知センサ部60、2つのシフトブロック41、2つの移動モータ45、等で構成されている。
図4を参照して、4つの駆動ローラ31A〜34Aは、それぞれ、軸部上に間隔をあけて2つのローラ部が形成されたものである(図4中の、軸部34A1とローラ部34A2とを参照できる。)。駆動ローラ31A〜34Aは、幅方向(軸方向、主走査方向)の両端部が上ガイド板35上の支持部にそれぞれ回転可能に支持されていて、不図示の駆動手段(駆動機構)によって図3の時計方向に回転駆動される。さらに、駆動ローラ31A〜34Aは、シート材Pの位置補正時(横レジスト補正時)や従動ローラの位置補正時に、後述する移動手段41、42、45〜50によって幅方向に移動可能に構成されている。
上ガイド板35は、シート材Pの搬送をガイドするとともに、駆動ローラ31A〜34Aのローラ部が従動ローラ31B〜34Bのローラ部に当接するように露呈させる開口部35aが形成されている。
下ガイド板36は、シート材Pの搬送をガイドするとともに、従動ローラ31B〜34Bのローラ部が駆動ローラ31A〜34Aのローラ部に当接するように露呈させる開口部36aが形成されている。
このような構成により、従動ローラ31B〜34Bのローラ部と、駆動ローラ31A〜34Aのローラ部と、が圧接して、その間にシート材Pが挟持されることになる。
また、従動ローラ31B〜34Bは、駆動手段に直接的に接続されていないが、駆動ローラ31A〜34Aとの摩擦抵抗によって、駆動手段による駆動ローラ31A〜34Aの回転駆動にともない図3の反時計方向に従動回転することになる。
さらに、従動ローラ31B〜34Bは、移動手段41、42、45〜50に直接的に接続されていないが、駆動ローラ31A〜34Aとの摩擦抵抗によって、移動手段41、42、45〜50による駆動ローラ31A〜34Aの幅方向の移動にともない幅方向に従動可能に構成されている。
また、図5に示すように、シフトブロック41には、それぞれラック50が形成されていて、上ガイド板35に回動可能に配置されたプーリギヤ48のギヤ部48aと噛み合っている。移動モータ45(図4を参照できる。)は、上ガイド板35に配置されている。そして、プーリギヤ48のプーリ部48bと、移動モータ45に固定されているモータプーリ49と、にタイミングベルト47が巻装されている。
このように構成されたベルト駆動部46において移動モータ45が稼働すると、モータプーリ49、タイミングベルト47、プーリギヤ48へと動力が伝達されて、シフトブロック41が幅方向に移動して、それに連動して駆動ローラ31A〜34Aも幅方向に移動することになる。すなわち、上述した複数の構成部材41、42、45〜50が、駆動ローラ31A〜34Aを幅方向に移動する移動手段として機能することになる。
具体的に、最長のシート材Pが通紙される場合には、4つの搬送ローラ対31〜34でシート材Pを挟持した状態で、シート材Pの幅方向の移動が実施される(横レジスト補正が実施される)。これに対して、最短のシート材Pが通紙される場合には、下流側の2つの搬送ローラ対32、34でシート材Pを挟持した状態で、シート材Pの幅方向の移動が実施される(横レジスト補正が実施される)。
詳しくは、エッジ位置検知センサ部60(検知手段)は、ケース61、ブラケット62、エッジ位置検知センサ63、プーリ64、タイミングベルト65、等で構成されている。
エッジ位置検知センサ63は、ブラケット62に固定されている。また、ブラケット62は、ケース61の軸部61aに沿って幅方向に移動可能に、ケース61に取り付けられている。また、ブラケット62にはタイミングベルト65が固定されており、ケース61に回動可能に配置されたプーリ64と、センサ用モータ68(上ガイド板35上に固設されている。)のモータプーリ66と、にはタイミングベルト65が巻装されている。
このような構成により、センサ用モータ68が稼働すると、モータプーリ66、タイミングベルト65に動力が伝達されて、ブラケット62に固定されたエッジ位置検知センサ63が幅方向に移動することになる。また、ケース61には、センサ位置検知センサ67が配置されており、センサ位置検知センサ67がブラケット62に形成された突起部62aを検知することにより、ブラケット62に固定されたエッジ位置検知センサ63の幅方向位置を検知する。そして、エッジ位置検知センサ63を任意の幅方向位置に移動させることが可能となる。
図9に示すように、シート材位置補正装置30の位置に達したシート材Pは、回転する搬送ローラ対31〜34に挟持されて搬送されながら、上ガイド板35と下ガイド板36との間を移動する(白矢印方向の移動である。)。そして、シート材Pの先端が第3の搬送ローラ対33の位置を通過してエッジ位置検知センサ部60の位置に到達すると、幅方向一端側の所定位置(ホームポジション)に待機していたエッジ位置検知センサ63が、シート材Pに近づく方向に移動を開始して、シート材Pのエッジを検知する位置まで動作する(ハッチング矢印方向の移動である。)。
そして、センサ用モータ68(ステッピングモータ)によってエッジ位置検知センサ63をホームポジションからシート材Pのエッジ位置まで動作させたときのパルス数から、その移動距離を算出する。そして、算出した移動距離と、ホームポジションからシート材Pのエッジまでの狙いの距離と、を比較して、その距離の差をシート材Pの補正量(横レジスト補正量)とする。
詳しくは、本実施の形態におけるシート材位置補正装置30には、従動ローラ31B〜34Bに当接可能に形成されて、従動ローラ31B〜34Bの幅方向の移動範囲を制限するストッパ部が設けられている。具体的に、本実施の形態では、このストッパ部として、下ガイド板36の開口部36aの両端部36a1、36a2(縁部であって、図11、図12等を参照できる。)が用いられている。すなわち、開口部36aの両端部36a1、36a2(ストッパ部)が幅方向に移動する従動ローラ31B〜34Bのローラ部の幅方向両端部に当接することで、従動ローラ31B〜34Bの幅方向の移動範囲が制限される。
さらに詳しくは、図11及び図12を参照して、本実施の形態におけるシート材位置補正装置30(搬送装置)には、補正制御がおこなわれたときに従動ローラ31B〜34Bが±X方向のうちどの方向にどれだけの距離だけ補正されたかを検出する補正条件検出手段としての測距センサ70が設置されている。測距センサ70(補正条件検出手段)としては、発光素子と受光素子とからなる公知のものを用いることができる。測距センサ70は、一方のストッパ部36a1の近傍に設置されていて、従動ローラ31B〜34Bにおけるローラ部の端面までの距離を連続的に検出することで、従動ローラ31B〜34B(ローラ部)の位置ズレ量と位置ズレ方向とを検出する。なお、従動ローラ31B〜34Bは、そのローラ部の幅方向の長さが、駆動ローラ31A〜34Aのローラ部の幅方向の長さよりも長くなるように形成されている。
なお、上述した「所定位置」は、ストッパ部36a1、36a2に当接した状態の従動ローラ31B〜34Bに対して駆動ローラ31A〜34Aの幅方向の位置が正規の位置(双方のローラ部の幅方向中心がほぼ一致する位置である。)になるように設定された位置である。
まず、シート材Pが搬送ローラ対33、34の位置を通過して、搬送ローラ対33、34がシート材Pを挟持していない状態になると、移動手段41、42、45〜50を稼働して駆動ローラ33A、34Aを幅方向の一方に向けて移動させる(図11(A)の状態から図11(B)の状態への移動である。)。このとき、従動ローラ33B、34Bは、駆動ローラ33A、34Aとの位置がズレた状態のまま、駆動ローラ33A、34Aとともに同等に移動する。そして、図11(B)に示すように、移動した側に位置ズレが生じていた第3の従動ローラ33Bのローラ部が、開口部36aの一方の端部36a1(ストッパ部)に当接する。さらに、図11(C)に示すように、移動手段41、42、45〜50の稼働が続けられて駆動ローラ33A、34Aが幅方向の一方に向けてさらに移動するが、このとき第3の従動ローラ33Bはストッパ部36a1に当接しているため、駆動ローラ33Aとの摩擦抵抗に抗するように、その位置に留まることになる(移動が制限されることになる。)。そして、駆動ローラ33A、34Aが幅方向の一方の所定位置に停止したとき、第3の駆動ローラ33Aに対する第3の従動ローラ33Bの位置補正がされることになる(図11(C)の状態である。)。なお、図11(A)〜図11(C)の過程は、幅方向一方に位置ズレが生じている従動ローラの位置補正をおこなうものであって、幅方向他方に位置ズレが生じている第4の従動ローラ34Bの位置補正はおこなわれない。
このように、駆動ローラ33A、34Aを幅方向の双方向にそれぞれ移動させることで、従動ローラ33B、34Bが幅方向のどちらに位置ズレしていても、その位置補正を確実におこなうことができる。
具体的に、図13を参照して、従動ローラ33Bが幅方向に移動可能な最大距離をXとして、従動ローラ33Bが幅方向に位置ズレしたものと予想される最大の範囲をY1、Y2とする。このとき、図13(A)に示すような場合には、従動ローラ33Bのローラ部が駆動ローラ33Aのローラ部に当接した状態を維持するための余裕度として距離Z1、Z2が存在するため、補正制御はおこなわない。これに対して、図13(B)に示すような場合には、従動ローラ33Bのローラ部が駆動ローラ33Aのローラ部に当接した状態を維持するための余裕度が幅方向一端側で存在しないため、補正制御をおこなう。
これに対して、従動ローラ31B〜34Bのローラ部が間接的にストッパ部36a1、36a2に当接して、駆動ローラ31A〜34Aに対する従動ローラ31B〜34Bの幅方向の位置補正がされるように構成することもできる。
以下、図14、図15を用いて、その具体例について説明する。なお、図14、図15は、いずれもほぼ同様に構成された4つの搬送ローラ対31〜34のうち、第3の搬送ローラ対33のみを代表的に簡略化して図示したものである。
そして、この当接部材33B20は、先に図11、図12等を用いて説明した従動ローラ33Bの幅方向の位置補正がされるときに、ストッパ部36a1、36a2に直接的に当接することになる。すなわち、当接部材33B20は、従動ローラ33Bのローラ部がストッパ部36a1、36a2に直接的に当接しないように、ストッパ部36a1、36a2に直接的に当接可能に形成されている。
これにより、当接部材33B20がストッパ部36a1、36a2に当接するときの衝突音が低減されることになる。
なお、緩衝材33B21は、従動ローラ33Bの幅方向の位置補正の精度に影響しないように、当接部材33B20がストッパ部36a1、36a2に当接したときに、ストッパ部36a1、36a2に押し潰されて、その当接面と同じ面上の位置まで弾性変形することが好ましい。
測距センサ70は、一方のストッパ部36a1の近傍に設置されていて、従動ローラ31B〜34Bにおけるローラ部の端面までの距離を検出することで、従動ローラ31B〜34B(ローラ部)と一方のストッパ部36a1との離間距離を直接的に検出するとともに、従動ローラ31B〜34B(ローラ部)と他方のストッパ部36a2との離間距離を間接的に検出する。
そして、測距センサ70(距離検出手段)の検出結果に基いて、従動ローラ31B〜34Bがストッパ部36a1、36a2に当接する直前における移動手段41、42、45〜50(移動モータ45)による減速制御がおこなわれる。すなわち、測距センサ70によって従動ローラ31B〜34Bがストッパ部36a1、36a2に当接する直前のタイミングが検知されて、そのタイミングで移動手段41、42、45〜50による駆動ローラ31A〜34Aの減速制御がおこなわれることになる。
ここで、第1の移動速度V1は、全体の位置補正制御に要する時間が短くなるように、比較的速い速度に設定されている。これに対して、第2の移動速度V2は、従動ローラ31B〜34Bがストッパ部36a1、36a2に衝突するときの衝撃が小さくなるように、比較的遅い速度に設定されている。
また、上述の例では、ストッパ部36a1、36a2に対する従動ローラ31B〜34Bの距離(離間距離)を直接的又は間接的に検出する距離検出手段として測距センサ70を用いたが、距離検出手段はこれに限定されることなく、例えば、従動ローラ31B〜34B(ローラ部)の移動方向に沿うように設置されたCIS(コンタクト・イメージ・センサであって、所定方向に複数のフォトセンサ(LED等の発光素子とフォトダイオード等の受光素子とからなる。)が並設されたものである。)などを用いることもできる。
上述した距離X1、X2、X2maxを予め検知したり予測したりできる場合には、測距センサ(距離検出手段)による検知結果を用いることなく、それらの距離(移動時間)に基いて移動手段41、42、45〜50による減速制御をおこなうことができる。
なお、上述した「所定位置」は、ストッパ部36a1、36a2に当接した状態の従動ローラ31B〜34Bに対して駆動ローラ31A〜34Aの幅方向の位置が正規の位置(双方のローラ部の幅方向中心がほぼ一致する位置である。)になるように設定された位置(ホームポジション)である。
まず、シート材Pが搬送ローラ対33、34の位置を通過して、搬送ローラ対33、34がシート材Pを挟持していない状態になると、移動手段41、42、45〜50を稼働して駆動ローラ33A、34Aを幅方向の一方に向けて移動させる(図11(A)の状態から図11(B)の状態への移動である。)。このとき、従動ローラ33B、34Bは、駆動ローラ33A、34Aとの位置がズレた状態のまま、駆動ローラ33A、34Aとともに同等に移動する。そして、図11(B)に示すように、移動した側に位置ズレが生じていた第3の従動ローラ33Bのローラ部が、開口部36aの一方の端部36a1(ストッパ部)に当接する。このとき、第3の従動ローラ33B(ローラ部)がストッパ部36a1に当接する直前のタイミングが測距センサ70によって検知されると、移動手段41、42、45〜50による駆動ローラ33A、34Aの移動速度が減速されて、そのときのダメージが低減される。さらに、図11(C)に示すように、移動手段41、42、45〜50の稼働が続けられて駆動ローラ33A、34Aが幅方向の一方に向けてさらに移動するが、このとき第3の従動ローラ33Bはストッパ部36a1に当接しているため、駆動ローラ33Aとの摩擦抵抗に抗するように、その位置に留まることになる(移動が制限されることになる。)。そして、駆動ローラ33A、34Aが幅方向の一方の所定位置に停止したとき、第3の駆動ローラ33Aに対する第3の従動ローラ33Bの位置補正がされることになる(図11(C)の状態である。)。
このように、駆動ローラ33A、34Aを幅方向の双方向にそれぞれ移動させることで、従動ローラ33B、34Bが幅方向のどちらに位置ズレしていても、その位置補正を確実におこなうことができる。
なお、このような一連の補正制御がおこなわれるたびに、従動ローラ31B〜34Bが±X方向のうちどの方向にどれだけの距離だけ補正されたかが、測距センサ70(この場合、補正条件検出手段としても機能する。)によって検出されて、その検出結果が記憶手段に記憶される。そして、記憶手段に蓄積して記憶された補正条件のデータに基いて、補正制御をおこなうか否かの判断がされることになる。
そして、そのような場合において、移動手段41、42、45〜50は、その後(シート材Pの幅方向の位置補正がされた直後である。)に、駆動ローラ31A〜34Aと従動ローラ31B〜34Bとの間にシート材Pが挟持されていない状態で、駆動ローラ31A〜34Aに対して幅方向の位置がズレた状態の従動ローラ31B〜34Bがストッパ部36a1、36a2に当接するまで駆動ローラ31A〜34Aを逆方向(シート材Pの幅方向の位置補正をするために駆動ローラ31A〜34Aを移動させた移動方向に対する逆方向である。)に向けて移動させて、その後も従動ローラ31B〜34Bがストッパ部36a1、36a2に当接した状態で駆動ローラ31A〜34Aを上述した逆方向に向けて所定位置までさらに移動させることで、駆動ローラ31A〜34Aに対する従動ローラ31B〜34Bの幅方向の位置を補正するように構成することができる。
これに対して、エッジ位置検知センサ部60の検知結果に基いて移動手段41、42、45〜50によって駆動ローラ31A〜34Aを幅方向他端側に向けて移動させてシート材Pの幅方向の位置補正がされた場合には、その直後に駆動ローラ31A〜34Aと従動ローラ31B〜34Bとの間にシート材Pが挟持されていない状態で、従動ローラ31B〜34Bがストッパ部36a1、36a2に当接するまで駆動ローラ31A〜34Aを幅方向一端側に向けて移動させて、その後も従動ローラ31B〜34Bがストッパ部36a1、36a2に当接した状態で駆動ローラ31A〜34Aを幅方向一端側に向けて所定位置までさらに移動させることで、駆動ローラ31A〜34Aに対する従動ローラ31B〜34Bの幅方向の位置を補正する。
そして、このような制御をおこなうことにより、移動手段41、42、45〜50によって駆動ローラ31A〜34Aを幅方向の一方に向けて所定位置まで移動させた後に幅方向の他方に向けて所定位置まで移動させることによって駆動ローラ31A〜34Aに対する従動ローラ31B〜34Bの幅方向の位置を補正する場合に比べて、移動手段41、42、45〜50によって駆動ローラ31A〜34Aを移動させる全体の時間が大幅に短縮化されることになる。
そのため、上述の例では、移動手段41、42、45〜50によって駆動ローラ31A〜34Aと従動ローラ31B〜34Bとの間に挟持したシート材Pの幅方向の位置を補正する制御がおこなわれることなく駆動ローラ31A〜34Aが幅方向に移動する可能性があるときに、移動手段41、42、45〜50によって駆動ローラ31A〜34Aを幅方向の一方に向けて所定位置まで移動させた後に幅方向の他方に向けて所定位置まで移動させて、駆動ローラ31A〜34Aに対する従動ローラ31B〜34Bの幅方向の位置を補正する。すなわち、従動ローラ31B〜34Bの位置補正時に、駆動ローラ31A〜34Aは、幅方向一端側(開口部36aの一方の端部36a1の側である。)の所定位置まで移動された後に、幅方向他端側(開口部36aの他方の端部36a2の側である。)の所定位置まで移動されることになる。
まず、シート材位置補正装置30の位置でジャムしたシート材Pが除去された状態や、装置本体100の電源が投入された状態が検知されると、搬送ローラ対33、34がシート材Pを挟持していない状態で、移動手段41、42、45〜50を稼働して駆動ローラ33A、34Aを幅方向の一方に向けて移動させる(図11(A)の状態から図11(B)の状態への移動である。)。このとき、従動ローラ33B、34Bは、駆動ローラ33A、34Aとの位置がズレた状態のまま、駆動ローラ33A、34Aとともに同等に移動する。そして、図11(B)に示すように、移動した側に位置ズレが生じていた第3の従動ローラ33Bのローラ部が、開口部36aの一方の端部36a1(ストッパ部)に当接する。さらに、図11(C)に示すように、移動手段41、42、45〜50の稼働が続けられて駆動ローラ33A、34Aが幅方向の一方に向けてさらに移動するが、このとき第3の従動ローラ33Bはストッパ部36a1に当接しているため、駆動ローラ33Aとの摩擦抵抗に抗するように、その位置に留まることになる(移動が制限されることになる。)。そして、駆動ローラ33A、34Aが幅方向の一方の所定位置に停止したとき、第3の駆動ローラ33Aに対する第3の従動ローラ33Bの位置補正がされることになる(図11(C)の状態である。)。
このように、駆動ローラ33A、34Aを幅方向の双方向にそれぞれ移動させることで、従動ローラ33B、34Bが幅方向のどちらに位置ズレしていても、その位置補正を確実におこなうことができる。
なお、このような一連の補正制御がおこなわれるたびに、従動ローラ31B〜34Bが±X方向のうちどの方向にどれだけの距離だけ補正されたかが、測距センサ70(補正条件検出手段)によって検出されて、その検出結果が記憶手段に記憶される。そして、記憶手段に蓄積して記憶された補正条件のデータに基いて、補正制御をおこなうか否かの判断がされることになる。
上述したように、横レジスト補正がされたときには、従動ローラ31B〜34Bが位置ズレする方向が、駆動ローラ31A〜34Aが移動する方向によって一方向に特定される。具体的には、横レジスト補正時の駆動ローラ31A〜34Aの移動方向に対して逆方向に従動ローラ31B〜34Bが位置ズレする。そのため、横レジスト補正後に駆動ローラ31A〜34Aを逆方向に移動させることで、従動ローラ31B〜34Bの位置ズレを補正することになる。
これに対して、図11(A)の右図(第4の搬送ローラ対34)に示すように、横レジスト補正をおこなうことによって、駆動ローラ31A〜34Aに対して従動ローラ31B〜34Bが幅方向一端側(図11(A)の下方である。)に位置ズレしてしまった場合(駆動ローラ31A〜34Aを幅方向他端側(図11(A)の上方である。)に移動させて横レジスト補正をおこなった場合である。)には、図11(B)、(C)右図の動作(駆動ローラ33Aの他端側への移動動作である。)をおこなうことなく、図11(A)、図12(A)〜(C)右図の順に搬送ローラ対33の動作がおこなわれることになる。
これにより、横レジスト補正後の従動ローラ31B〜34Bの位置ズレが累積的に増加することなく、その位置ズレを精度良く確実に軽減することができる。
これにより、シート材Pに対する横レジスト補正の精度を低下させることなく、横レジスト補正後の従動ローラ31B〜34Bの位置ズレ補正をすばやく短時間でおこなうことができる。
また、本実施の形態では、画像が形成されるシート材Pとしての記録媒体(転写紙)の位置補正をおこなうシート材位置補正装置30に対して本発明を適用したが、シート材Pとしての原稿の位置補正をおこなうシート材位置補正装置に対しても当然に本発明を適用することもできる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置100に設置されるシート材位置補正装置30に対して本発明を適用したが、それ以外の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、画像形成装置としての孔版印刷装置、等である。)に設置されるシート材位置補正装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、それらの場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
そして、その場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
31〜34 搬送ローラ対、
31A〜34A 駆動ローラ、
31B〜34B 従動ローラ、
35 上ガイド板、
36 下ガイド板(ガイド板)、
36a 開口部、
36a1、36a2 ストッパ部、
41 シフトブロック(移動手段)、
45 移動モータ(移動手段)、
60 エッジ位置検知センサ部(検知手段)、
70 測距センサ(補正条件検出手段、距離検出手段)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、 P シート材(記録媒体)。
Claims (14)
- シート材を搬送方向に直交する幅方向に移動して当該シート材の幅方向の位置を補正するシート材位置補正装置であって、
駆動手段によって回転駆動されるとともに、移動手段によって幅方向に移動可能に構成された駆動ローラと、
前記駆動ローラに対して圧接してシート材を挟持して、前記駆動手段による前記駆動ローラの回転駆動にともない従動回転するとともに、前記移動手段による前記駆動ローラの幅方向の移動にともない幅方向に従動可能に構成された従動ローラと、
前記従動ローラに当接可能に形成されて、前記従動ローラの幅方向の移動範囲を制限するストッパ部と、
を備え、
前記駆動ローラと前記従動ローラとの間にシート材が挟持されていない場合において、前記駆動ローラに対して幅方向の位置がズレた状態の前記従動ローラが前記ストッパ部に当接するまで前記移動手段によって前記駆動ローラを幅方向一端側に向けて移動させて、その後も前記従動ローラが前記ストッパ部に当接した状態で前記移動手段によって前記駆動ローラを幅方向一端側に向けて所定位置までさらに移動させることで、前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正したときに、そのときの補正条件が記憶手段に記憶され、
前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正する制御をおこなうか否かの判断が、前記記憶手段に蓄積して記憶された補正条件のデータに基いて決定されることを特徴とするシート材位置補正装置。 - 前記補正条件は、前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正したときの補正量と補正方向とであって、
前記補正条件を検出する補正条件検出手段を備え、
前記補正条件検出手段によって検出された前記補正条件が前記記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項1に記載のシート材位置補正装置。 - 前記従動ローラは、そのローラ部の幅方向の長さが、前記駆動ローラのローラ部の幅方向の長さよりも長くなるように形成され、
前記記憶手段に蓄積して記憶された補正条件のデータに基いて、前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置ズレ量と位置ズレ方向とを予測して、前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正しなくても前記従動ローラのローラ部と前記駆動ローラのローラ部とが当接した状態にあるものと判断されるときには前記補正する制御をおこなわず、前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正しなくては前記従動ローラのローラ部と前記駆動ローラのローラ部とが当接しない状態になるものと判断されるときには前記補正する制御をおこなうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート材位置補正装置。 - 前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正する制御は、前記移動手段によって前記駆動ローラを幅方向の一方に向けて所定位置まで移動させた後に幅方向の他方に向けて所定位置まで移動させるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシート材位置補正装置。
- 前記所定位置は、前記ストッパ部に当接した状態の前記従動ローラに対して前記駆動ローラの幅方向の位置が正規の位置になるように設定された位置であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシート材位置補正装置。
- シート材の搬送をガイドするとともに、前記従動ローラのローラ部が前記駆動ローラのローラ部に当接するように露呈させる開口部を具備したガイド板を備え、
前記ストッパ部は、前記従動ローラの前記ローラ部の幅方向両端部に直接的又は間接的に当接可能に形成された前記開口部の両端部であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシート材位置補正装置。 - シート材の幅方向端部の位置を検知する検知手段を備え、
前記移動手段は、前記検知手段の検知結果に基いて前記駆動ローラを幅方向に移動させて、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に挟持したシート材の幅方向の位置を補正することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシート材位置補正装置。 - 前記移動手段は、
前記駆動ローラを幅方向一端側及び幅方向他端側のうちいずれかの移動方向に向けて移動させて、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に挟持したシート材の幅方向の位置を補正して、
その後に前記駆動ローラと前記従動ローラとの間にシート材が挟持されていない状態で、前記駆動ローラに対して幅方向の位置がズレた状態の前記従動ローラが前記ストッパ部に当接するまで前記駆動ローラを前記移動方向に対して逆方向に移動させて、その後も前記従動ローラが前記ストッパ部に当接した状態で前記駆動ローラを前記逆方向に所定位置までさらに移動させることで、前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のシート材位置補正装置。 - 前記移動手段は、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に挟持したシート材の幅方向の位置を補正するときの前記駆動ローラの移動速度に比べて、前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正するときの前記駆動ローラの移動速度が速くなるように制御されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のシート材位置補正装置。
- 前記駆動ローラに対する前記従動ローラの幅方向の位置を補正する制御は、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間にシート材が挟持されていないときに、前記駆動ローラに対して幅方向の位置がズレた状態の前記従動ローラが前記ストッパ部に当接する直前まで前記移動手段によって前記駆動ローラを幅方向一端側に向けて移動させて、その後に移動する速度を減速した状態で前記従動ローラが前記ストッパ部に当接するまで前記移動手段によって前記駆動ローラを幅方向一端側に向けて移動させて、その後も前記従動ローラが前記ストッパ部に当接した状態で前記移動手段によって前記駆動ローラを幅方向一端側に向けて所定位置までさらに移動させるものであることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のシート材位置補正装置。
- 前記従動ローラは、そのローラ部の幅方向端部に固設されて、当該従動ローラとともに回転可能に形成されるとともに、前記ストッパ部に直接的に当接可能に形成された当接部材を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載のシート材位置補正装置。
- 前記従動ローラは、前記駆動ローラに当接しない位置において当該従動ローラの回転に対して独立して回転可能に保持されるとともに、前記ストッパ部に直接的に当接可能に形成された当接部材を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載のシート材位置補正装置。
- 前記当接部材は、前記ストッパ部に当接する当接面の一部に緩衝材を具備したことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のシート材位置補正装置。
- 請求項1〜請求項13のいずれかに記載のシート材位置補正装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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