JP5276759B2 - 地面外栽培植物から代謝物を生成する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地面外栽培(en culture hors sol)植物の成育能力の損失をきたすことなく、前記植物から連続的にあるいは半連続的に代謝物を生成する方法、ならびにこの方法を実施するための設備に関する。
植物は多数の分子を生成し、人間はこれを、薬、色素、香料、食用添加物、あるいは農薬として使用する。これらの化合物は、ある所与の植物の属または種の科に典型的なものであることが多い。これらの化合物は、ストレスがない植物の生存維持にとって必ずしも不可欠なものであるとは思われないので、二次代謝物であると分類される(Bentley 1999、Bourgaud et al 1999、Gontier 1993)。これら植物性分子の多くは、商業的利用のために、化学合成のモデルとして使われている、または使われてきた。分子が複雑で、野生植物、耕地または試験管にて栽培される植物からの抽出が最も優れた供給源となることもある(Herman 1993)。
特に商業的価値(1キログラムあたり価格および市場規模)が高い分子について、バイオリアクタにおける細胞または組織の培養が開発された(Herman 1993)。この場合、培養は無菌であること、すなわち、その存在が、植物体の生育、ならびに植物体による代謝物の生成の双方にとって有害となりうるような微生物(バクテリアおよび細菌)がないことが必要である。時には、時間が経過するにつれ、無菌条件を維持することが難しくなり、それが財政的に大きな負担の元になることがある(Gontier 1993)。さらに、インビトロ培養(発酵器)のために先進的なシステムを使用すると著しくコスト高になり、経済的にみてシステムが将来性のないものになる。一般的にインビトロのバイオマスの生成は高価である。システムを収益のあるものにするために、このバイオマスを破壊することなく、かつバイオマスを生体触媒として最大限に再活用することにより、最大量の分子を生成する試みがなされている。
生成の刺激は、培地に前駆体を加え(Boitel et al 1997)、バイオマスの可逆な易透化(permeabilisation)または物理的ストレス(温度上昇、pHの変化、傷...)、化学的ストレス(CuSO、NaCl、CaCl、(NHSOなどの塩、または他の易透化剤EDTA,DMSO、Tween20、他の界面活性剤または洗浄剤などの付加)、または生化学的ストレス(誘導など)(Boitel et al 1995−1997,Weather et al 1991,Herman1993,Mukundan et al 1998)により、得ることができる。
このような操作の目的は、求める分子への前駆体の全体的な流量を大きくすることにより生合成法を強力なものにすることである。これら種々の方法(その中でたとえば:Boitel et al 1995−1997,Weather et al 1991,Herman 1993)によって得られたきわめてよい結果について言及している刊行物は多い。しかしながら、培養の無菌的性質については問題提起されるにとどまっている。
他の著者は、非無菌条件における植物体の生存を可能にする抗菌および抗生混合物(通称でPPM(登録商標)と呼ばれている「Plant Preservative Mixture」(植物保護混合物)の使用について記述している。この場合、バクテリアおよび菌類だけが影響をうけ、植物バイオマスには思わしくない作用をもたらさないように、微生物抑制物質を調合することはむずかしい。
インビトロ培養とは反対に、自然界で収穫した植物または野原で栽培した植物から分子を生成することは、興味深い代替方法である。しかしながら、万一過度の開発があると、自然界での収穫が種の絶滅を招くことがある(Gontier 1993)。また、過度の開発により、生産が量的にも質的にも大きく変動することがある。野原での栽培は、植物についての知識不足から、さらに悪い場合には、中期的な投資回収が不可能であることから、必ずしも実行可能というわけでない。たとえば、成長が遅くたとえば成育が数十年にわたるたとえば「いちい」の木質組織(Chen et Chen 1997, Ketchum et al 1999)の場合がそうである。
もう数年前に、温室内または屋外でのいわゆる地面外栽培(Morard 1995,Toda et al 1999)が開発され、今日ではそれにより、高いレベルの収益性で野菜栽培用植物または観賞用植物の栽培が可能である。これらの技術に関するここ約15年の進歩は、装置、栄養学的解決方法のレベルにおいても、これらのシステムの制御および自動化のレベルにおいても目を見張るものがある(Morard 1995)。今日まで、植物の根さらには上部(aeriennes)から自然にまたは自然にではなく排出される代謝物の回収を行う、このような栽培を元にした二次代謝物の生成試験を行おうという試みがなかったばかりでなく、そのような提案すらなかった。特に先行技術は、地面外栽培たおいてみられる微生物相により代謝物が劣化することなく、このような代謝物を回収することが可能であることを全く証明していないどころか、示唆することもしていない。
したがって現在のところ以下のことがわかっていない。
‐ 一般的に植物が、その根または葉から二次代謝物質を放出していて、その現象を工業的利用に使用することができるかどうか。
‐ 特に地面外で栽培される植物の前記二次代謝物の自然な放出を促進することができるかどうか。
‐ 植物における前記二次代謝物の合成および放出を促進する処理が、前記植物に影響を与え、その結果いかなる工業的利用も可能でないかどうか。
‐ 前記代謝物が、このようにして栽培された植物の周囲で発達する可能性がある微生物相により著しく劣化していないかどうか。
したがって本発明に課せられた課題は、無菌条件または殺菌条件を必要とせず、大量生産を可能にし、経済的に収益が得られ、求める分子を抽出する際に植物のたとえ部分的な破損を引き起こさない、植物から分子を生成する方法を提供することである。
この目的のため本発明は、植物から分子を生成する方法であって、前記植物が地面外の条件で栽培され、養分液を供給され、かつ/または溶脱液を散布され、養分液または溶脱液に含まれ、前記植物の根および/または上部から放出された所定のいくらかの分子を抽出するために、前記養分液または前記溶脱液を回収し処理することを特徴とする方法を対象とする。
本発明の第一の特徴によれば、より詳細には、前記方法は、
a)前記植物の生育および発達を可能にするとともに、本方法を収益化するために十分に大きなバイオマスを得ることを可能にする、地面外条件での植物の栽培を開始する段階と、
b)液体を浸透または浸漬により植物の根に接触させ、あるいは散布により葉に接触させることにより、前記植物の根または上部から放出される代謝物を回収する段階と、
c)浸透残滓(percolat)(根の場合)または溶脱残渣(lessivat)(葉の場合)の形態の使用された溶液または充填された溶液を回収し、液体−液体抽出、液体−固体抽出、再結晶化、昇華、または水の蒸発により、この溶液中に含まれる、求める分子を単離する段階と
を実施することにある。
前記方法はまた、特に、塩、界面活性剤、洗浄剤、溶剤、菌またはバクテリア系誘導剤、ジャスモン酸、あるいは植物の自己防御を刺激する他の物質の誘導体を含む溶液により、植物の根または上部を強制的に易透化する追加の段階を含むことができ、その結果、根または葉から出て養分液または溶脱液へと向かう流量は顕著に大きくなり、しかも前記植物の生育力を完全に喪失することはなく、したがって植物は、直接、あるいはすすぎおよび栽培条件を再度確立した後、再度使用することができ、それにより、少なくとも、前記植物の良好な生理学的状態が復元される。
このような条件下で、本方法は、以下のaからeまでの段階を含むことになる。
a)前記植物の生育および発達を可能にするとともに、本方法を収益化するために十分に大きなバイオマスを得ることを可能にする、地面外条件での前記植物の栽培を開始する段階。特に根のレベルにおいて大きなバイオマスを得ることは、根頭発生アグロバクテリウムを介する遺伝的形質転換により促進することができる(Hooykaas et Schilperoort 1992)。
b)化学的処理(塩、界面活性剤、洗浄剤、溶剤)、物理的処理(温度上昇)、生化学的処理(菌またはバクテリア系誘導剤)を用いて植物の根または上部を易透化する段階。化学的または生化学的処理の場合、この易透化は植物の養分液から、あるいは上部への散布により行うことができる。
c)植物を液体と接触させることにより、前記植物の根および/または上部から放出される代謝物を回収する段階。
d)使用された溶液または充填された散布溶液(以下の説明においては、根からの易透化については浸透残滓と呼び、上部からの易透化については溶脱残渣と呼ぶ)を回収し、水分の蒸発すなわち液体−液体抽出(養分液または水に溶けない溶剤)、液体−固体抽出(養分液および親水、疎水、陰イオン、陽イオン、その他の吸収媒体であって、求める代謝物に対し高い親和性を有するもの)、または再結晶化により、この溶液中に含まれる、求める分子を単離する段階。
e)植物の根系および/または上部をすすぎ、次に、再度処理を行うのに十分な時間、生育条件に復帰させる段階。
上で示し、複数の反復サイクルへのループ化により前記植物の有効活用が可能な、易透化段階、回収段階、復帰段階の連続的展開に対する変形形態として、連続的に供給される養分液に易透化溶液を加えるか、一定間隔で植物に易透化溶液を加えることにより、強制易透化を行うようにすることも可能である。
後者の場合、易透化物質の量を少なくし、植物に対し激しい作用またはストレスがほとんどないような物質を選択するか、少なくともその間隔を長くすることにより、植物を所定の条件に戻す段階を完全になくすことができる。
易透化段階または延長された易透化段階に続いて、植物の根系および/または上部のすすぎを行い、改めて強制された易透化処理を行い、次いであるいは合わせて、求める分子を回収する段階を行うのにちようど足りる時間、前記植物の生育条件に復帰させる。
有利には、温度上昇、追加または長時間の光線照射、前記植物と接触している雰囲気内のCO濃度の上昇により形成される群の中から選択される物理的処理、あるいはこれらの物理的処理のうちの複数の組み合せを介して、植物の生合成能力、ならびに溶液内への代謝物の放出能力を強化することも可能である。
本発明による方法をさらに収益化させるために、植物により合成される代謝物の生成および排出を、これらの代謝物の前駆体を加えた後これらの分子を新たに合成するか、植物が通常受ける時間よりも長い時間人工照明を行うことによる光合成機能の促進により強めることができる。前者の場合、前記代謝物の生合成方法のこれらの前駆体は、養分液により根のレベルで植物に添加されるか、葉からの浸透を得るために界面活性剤と混合され、散布により上部に添加される。
本発明の第一実施形態によれば、求める代謝物は、植物の根のレベルで放出され、使用された養分液に回収される。
本発明の第二実施形態によれば、求める代謝物は、好ましくは界面活性剤、表面剤、および/または洗浄剤を含む溶液または適当な液体を使用して、植物にシャワリングするか散布することにより、前記植物の上部から得られ、充填されたシャワリングまたは散布溶液は個別に回収されるか養分液との混合液で回収され、求める分子の抽出および精製が行われる。
好ましくは、使用する植物は、代謝物を経済的利益をもって多量に合成するのに適した、高等植物または有脈管植物の群の中から選択され、求める分子はこれらの植物により自然に生成される二次代謝物に相当する。
回収し分離される代謝物は、トロパンおよびインドールタイプのアルカロイド、抗がん剤、タキサンまたはタキソールの誘導体、フロクマリン、テルペン、配糖体、フェニルプロパノイド、サポニン、ステロイド、より一般的には、前記植物の環境内に場合によっては存在する微生物が吸収できない、あるいはこれらの微生物にとって毒性である物質で形成される群の中から選択される。
本発明の追加的特徴によれば、根頭発生または腫脹アグロバクテリウムによる遺伝的形質転換に引き続いて、植物の根部のバイオマスを増やすことにより、より多くの代謝物を発生させるかその形態を変えるように、使用する植物を遺伝学的に変えることができる。
本発明は、非限定的例として示し添付の図面を参照して行う以下の好ましい実施形態に関する以下の記述により、より良く理解されよう。
したがって図1は、以下の本明細書で記述する例1に関して使用されるシステムを示す図である。植物1(チョウセンアサガオ)は、養分液3を満たしたガラス製ポット2の中で栽培される。植物1の幹は、あらかじめ3つの穴が穿孔されたポットのカバー2’に固定される。オリフィス4は養分液の水位復帰に使用し、もう一方のオリフィスには、バブリング(泡6)により植物の養分液への良好な酸素供給を維持することができる空気取り込み管5を通すことができる。
図2は、以下の本明細書の例2に関して記述したようないちいの栽培用として使用される装置を示す図である。この場合、植物1は養分液3を満たしたPVC(ポリ塩化ビニル)製の容器2の底に置かれ、空気のバブリングにより養分液への酸素供給が行われる(泡6)。
図3は、以下の例4において記述する作業を実施するのに使用される装置を記述するものである。植物1(チョウセンアサガオ)はPVC製の栽培容器2の上の穿孔されたプレート7に置かれる。養分液は、プログラム可能噴霧器9により霧8状にされて、定期的に根に噴霧される。
図4から図7は、植物から代謝物を生成するのに使用可能な種々の栽培装置を示す図である。
より詳細には、図4Aおよび図4Bは、毛細管により養分液3が植物1に供給される栽培装置を示す図である。前記植物の根と1回接触した、浸透残滓とも呼ばれる使用された養分液3’は排水され再循環される。この場合、植物は基質2”があってもなくても栽培することができる。この基質は、岩綿、砂、パーライト、蛭石、再生土、その他、現在、地面外栽培に使用されているあらゆる性状のものとすることができる。
植物1は、NFT法(Nutrient Film Technique)によって栽培することもできる。この場合、養分液3は、若干傾斜した樋または支持面10上で流す(図5)ことにより植物1の根に供給される。使用された養分液3’の回収は、樋10の端部で行われ、溶液が含む代謝物を回収して再循環させることも、回収しないで再循環させることもできる。
図6Aおよび図6Bは、養分液内に植物1の根系を浸漬する地面外栽培システムを記述する図である。養分液3の供給および使用された溶液3’の排水は、常時行うこと(連続システム)も、常時は行わないこと(非連続システム)も可能である。根系の浸漬も、この養分液内で空気のバブリングを行うことにより常時行う(図6A)か、一時的に行う(図6B)ことができる。後者の場合、排水は、低位置にある密閉容器11側に向かって行うことができる。この液体の移動は、場合によっては追加物質を添加した後、この密閉容器11内に含まれている溶液を栽培容器2に送る、ポンプまたはコンプレッサ12により行うことができる。
図7は、エアロポニー(earoponie)型栽培装置を記述する図であり、この装置においては、植物の根は、霧8の状態の養分液を定期的に散布される。霧は、栽培容器2の内部に設置された噴霧器9によって得られる。使用された養分液3’は下部から抜き出すことができる。
図8は、本発明による代謝物生成方法を大規模かつ、場合によっては自動的にあるいは半自動的に実施するための設備の略図である。
この設備は、前記図8が示すように、不活性栽培媒体または基質2”を含むまたは含まない、植物1の地面外栽培のための複数の容器2と、タンク13、および管理された状態で溶液3を前記植物1の基部に供給する管路網13”に結合された分配路13’を備える、植物1のための養分液の保存および供給装置と、散布および/または注入による分配路14”に結合された、特に易透化溶液のための混合貯蔵タンク14および/または溶脱液のためのタンク14’を備える、易透化溶液および/または溶脱液分配装置と、使用された養分液3’の少なくとも回収、処理、再循環手段アセンブリ15、15’、15”、16とで主に構成される。
回収、処理、再循環手段は、地面外栽培の容器2からの排水により排出される使用された養分液3’を集め、直接再循環路15’と、求める代謝物の分離または抽出ユニット16を備える二次再循環路とに接続される中間貯蔵容器15と、養分液3の貯蔵タンク13への再注入ループとから成り、貯蔵タンクは、適切なタンク13’’’’内に貯蔵される付加栄養物質の注入路13’’’からも供給され、その結果、植物1によって採取されるそのような物質の量が相殺される。
設備は、その生産性を高めるために、植物によって合成される代謝物の前駆体の溶液および/または前記代謝物の合成を刺激する物質の分配装置も備えることができ、貯蔵タンク17と、養分液3を供給する分配路13’または管路網13”に接続されるのと同時に、易透化溶液および/または溶脱液の分配装置14、14’、14”と全く同様に、植物1の上部のレベルにおいて植物1に散布する分配手段18に接続される分配路17’とを備える。
図8にも示す発明の追加的特徴によれば、本設備は、たとえば、平行であって、間隔が空けられ、熱伝導流体が通過し、前記容器2の上方および/または下方を延びる管路網の形態の、植物1および/または植物の容器2の加熱手段19’、19”と、前記植物1の人工照明または日射手段20とをさらに含む。
次に、図8に示す設備の動作をより詳細に記述する。
養分液3は、第1タンク13内で調製され貯蔵される。養分液は次に、管路網13”を形成する漸小管路システムにより、植物1の基部に供給される。植物は地面外栽培であり、場合によっては不活性媒体2”上に置かれる。使用された養分液3’は、対応する容器2の底部を場合によっては形成する好ましくは傾斜がある媒体上を流れ、排水5は常時行われるか、周期的に行われるか、時々行われる。この排水は貯蔵容器15内に回収される。排水は次に直接再循環されるか、排水に含まれている分子がユニット16により抽出され精製された後、再循環される。任意の第一補助タンク14、および場合によっては第二補助タンク14’は、易透化剤、前駆体、および植物内での代謝物の生成を刺激するその他の化合物を含む。これらの物質は、養分液と混合される場合もされない場合もあるが、根のレベルでは浸透(養分液3への注入)により、葉のレベルでは散布により、植物1と接触される。植物は自然照明または人工照明20をうける。植物の上部および根部は、網19’、19”を形成する管路の配置内を循環する熱伝導液体、または他の同等な手段により加熱または冷却することができる。
本発明の実施についての種々の変形形態、特に、図8に図示する実施態様に関して、前記方法は、有利には3つの主要な段階で構成される。すなわち、大きなバイオマスを得ることを目的とする第1の栽培段階と、根部のレベルあるいは上部のレベルにおいて植物からの代謝物の放出に重きを置く第2の段階と、前出の第1または第2段階に移行(サイクルの反復)する前に、前記植物を所定状態に復帰させることをねらいとする第3段階である。
その結果、本発明は、地面外栽培条件下(1995、Morard)で栽培されている植物から自然に放出される(易透化は必須ではない)代謝物、または自然に放出されない(易透化は必須である)代謝物の回収を可能にし、不活性媒体を有するまたは有しない方法およびシステムに関する(地面外栽培とは、畑または自然内の大地栽培以外のあらゆる栽培方法を指すと理解されたい)。この植物は、適切な養分液を使用した散布による栽培[カスケード方式、有孔媒体による地面外栽培(1995、MorardによるNFT法)]、気泡により養分液を常時浸漬する栽培(1995、Morardによる水耕栽培法)、前記養分液中への一時的浸漬による栽培(地下かんがい、ハイドロポニー、養分フィルムなど)、霧状の養分液との接触(1995、Morardによるエアロポニー)による栽培が可能である。
代謝物が植物の根から放出される場合、代謝物は養分液中に含まれる(浸透残渣)ことになるので、トラッピングにより、非水溶溶媒内、または前記分子を吸収する媒体上に回収されるか、さらには養分液の水の蒸発または昇華により回収される。これら種々の操作方法は必要であれば組み合わせることができる。
易透化がある場合またはない場合で、代謝物が植物の上部から放出される場合、代謝物は前記植物のシャワリングにより回収され、シャワリングの溶液(溶脱残渣)が回収され、この溶液に含まれている代謝物は、浸透残渣に関して上で説明したようにして抽出される。
いずれの場合も、水、使用された養分液または充填された溶脱液は、植物の生育および二次代謝に必要な鉱物および有機成分の所定レベルの回復後、植物の栽培用として再使用することができる。易透化処理が行われた場合、使用済み溶液を新しい易透化用として、あるいは(植物の生育用の)通常の養分液として再使用する前に、使用された溶液(浸透残渣または溶脱残渣)を正しく処理することが必要となることがある。
非水溶溶媒により養分液から代謝物が抽出された時は、この溶媒は水相から分離、蒸発され、乾燥残溢が回収される。次に代謝物が精製され、汚染物質があった場合そこから分離される。代謝物が固体媒体上で捕捉された場合、この固体媒体は養分液から隔離され、イオン力、pHを調節すること、あるいは対イオンを使用することにより代謝物を水液相に溶解するか、あるいは水溶性または非水溶性有機溶媒(アルコール、炭化水素、有機塩化物、ニトリル、その他など)を使用する。後者の場合、環境に最も優しく、引火性が最も低く、毒性が最も低く、最も安価で、最も生分解性の高いものを優先する。いずれの場合も、溶出液に含まれる分子を純化し濃縮するために、クロマトグラフィおよび化学に関する従来の手段を全て使用する。
植物が、その生存について非可逆的な影響を及ぼさないで、最大量の代謝物を得るのに最適であると決められた時間だけ易透化された後(短時間の強制連続易透化または長時間の軽易透化)、易透化処理は停止される。植物は通常の栽培条件に戻される。植物が易透化液で処理された後は、この易透化剤を除去するためにすすぎ液が使用される(界面活性剤、洗浄剤、塩、酸、塩基など)。この溶液が一次的に、養分液の代わりとなる。その後になって初めて、植物は通常の栽培条件に戻される。植物は、十分な栽培期間を経た後、再度易透化することができる。このサイクルは、植物の生産量、生産性、衛生状態が著しく減少するまで繰り返すことができる。この場合、栽培物の全体または一部が、最初の易透化処理の前に好ましくは最適発達が得られるまで、生育させた若齢植物に置き換えられる。
場合によっては連続易透化処理を行うことも可能である。この場合、易透化処理の全期間中、代謝物が放出され、特に植物が生存し続けるよう、易透化処理は軽度なものとする。処理の効果が著しく低下し始め、経済的にみて許容できないような効率の低下が生じたら、「老齢」植物を若齢植物に置き換え、直ちに、あるいは強制生育の後、易透化する。
一般的に、植物の易透化時には、求める代謝物の前駆体の添加を行うことができる。この場合、これらの分子は前記植物の細胞により生体内変化されることがある。前駆体が、発達が前記植物の生存を危険にさらす微生物の炭素発生源とならないようにするために、前駆体の添加は適度に行わなければならない。根を易透化する際には、養分液内に前駆体を直接添加することができる。葉も易透化する場合には、養分液を使用して根から行うことが可能であるが、植物のシャワリング液を介して葉から行うことも可能である。
本発明による方法の実用的な実施方法の利点をさらに説明するために、この方法の非限定的例を4つ以下に記述する。
本方法の例1:ハイドロポニー栽培のDatura innoxia Mill.からのトロパンアルカロイドの生成
使用する植物は、Institut fur Pflanzengenetik und Kulturpflanzenforschung(D−06466 Gatersleben、Corrensstr.3、ドイツ)から提供された種子からできたものである。これらの種子は、室温で10分間、濃縮硫酸液にて傷付処理された。種子は、流水で十分すすいだ後、湿土を含み25℃±1℃の温度の鉢で、16時間の光周期、60〜70%の湿度で発芽させた。2ヶ月後、植物が15〜20cmの大きさ、すなわち8〜10枚の葉の段階に達した時点で、鉢から取り出され、175mlの「baby food jar」(Sigma−Aldrich Inc.、フランス)という名称で知られているタイプのガラス製鉢に移し替えられた。植物は、あらかじめ3つの穴(1つはロッド用、1つは気泡用、残りの1つは液体の水位復帰用。図1を参照のこと)が穿孔された鉢の蓋により保持されていた。4倍に希釈したMSタイプの養分液(MurashigeおよびSkoog、1962)が鉢に添加された。植物の根系に関して良好な酸素供給を維持し、微生物個体群の過大な発達を防止するために、シリコン管により養分液内に気泡を発生させることができた。このようにして60本の植物が植えられた。これらの植物は、上に示した条件と同じ光、温度、湿度条件で2週間栽培された。
(Tween20という名称で知られているタイプ:ポリオキシエチレンソルビタン モノラウレイト)界面活性剤を、その分量を次第に増やしながら(0、1、2,3、5%V/V、体積対体積)、養分液に加えた。Tween20(Prolabo社が販売)による易透化は、0、12、24、または48時間、(泡の発生を防止するために)気泡のない状態で行われた。各植物の養分液が採取され、ろ過され、気相クロマトグラフィーにより分析された。ヒオスシアミンおよびスコポラミンの全平均濃度は、界面活性剤の濃度とともに漸増する。濃度は界面活性剤がない場合は7mg/lであるのが、5%のTween20では45mg/lになる。ヒオスシアミンおよびスコポラミンの濃度は処理時間とともに増加する。
全ての易透化液を回収し、易透化液内に含まれていた分子を、pH9までアンモニアを加えた後、クロロホルム内に取り込んだ。クロロホルムを蒸発させた後の乾燥残渣は、ヒオスシアミンおよびスコポラミンの2つの分子を含んでいた。
易透化した植物について流水で根系のすすぎを行い、上に示すようなハイドロポニー栽培に復帰させた。3週間の栽培後も全ての植物が生存していた。植物は成長を続けており、易透化された植物の中には、対照植物よりも著しい生育を見せたものもあった。
初めて易透化した植物を、1ヶ月後、複数の方法により再度易透化した。
a)4つの対照植物(非易透化)
b)4つの植物を、Teepol(登録商標−TEMANA社)という名称で知られている界面活性剤3%で24時間易透化
c)4つの植物を5%のTween20で24時間易透化
d)4つの植物を5%のTween20で24時間易透化、27℃で常時照明
e)4つの植物を5%のTween20+1g/lのオルニチンおよび1g/lのフェニルアラニンで24時間易透化
養分液は、上に示すようにして採取し、ろ過し分析した。
ヒオスシアミンおよびスコポラミンの濃度は以下のようであった。
a)1.5mg/l±1
b)2.4mg/l±1.4
c)9.1mg/l±4
d)18.8mg/l±3.7
e)22.7mg/l±2.4
結論:水耕栽培でチョウセンアサガオを生育させることは可能である。チョウセンアサガオは、養分液内にアルカロイド(ヒオスシアミンおよびスコポラミン)を自然に放出する。界面活性剤で植物を易透化することにより、この放出(以下、放出と呼ぶ)を強制化することができる。この場合、界面活性剤の性質、その濃度、および接触時間を調節することにより、前記植物の生存に影響を与えないで、易透化効果を得ることが可能である。Tween20は、この用途に対し効果的な界面活性剤である。同一分量であれば、Tween20の方がTeepolよりも効果的である。ヒオスシアミンおよびスコポラミンの前駆体の添加は、養分液内に放出されるアルカロイドの量に関してきわめて有利である。植物を24時間常時照明および高温下にすることにより、前駆体の添加により得られる結果に近い結果が得られる。この場合、システムの最適化により、方法の生産性をさらに大幅に向上させることが可能であると考えることができる。
易透化された植物はすすぎが行われ、栽培条件に戻された。全ての植物が生存し、以後の易透化を生じさせた。
上記の説明から、使用済み養分液で回収するトロパンアルカロイドを生成させるために、チョウセンアサガオ型の植物を地面外条件で栽培することができることがわかる。生成量は適切な処理を行うことにより増加させることができる。この処理は界面活性剤を使用して行うことができる。全ての界面活性剤が相互に同程度に効果的である訳ではない。界面活性剤の分量が多ければ多いほど処理の効果も高くなる。処理の時間が長ければ長いほど効果も高くなる。良好な条件で行われる処理により、植物を生存させること、さらには追加的に生育させることが可能である。その結果、植物を何回も易透化することが可能である。易透化溶液に前駆体を加えることにより、易透化処理の効果を高めることができる。植物に常時照明、CO濃度の増加、および/または周囲温度の上昇を課すことによる光合成の促進により、この効果をさらに高めることができる。
本方法の例2:地面外栽培のいちいからのタキサンの生成
市販の高さ60cmのいちい4本を購入し、鉢から取り出し、12倍に希釈したMSタイプ(MurashigeおよびSkoog、1962)の養分液5リットルを含む、容量6リットルのPVC(ポリ塩化ビニル)製の鉢に植えた。気泡(0.25vvm−単位培地体積あたりかつ1分あたり0.25の体積のガス)(図2)による温室での4日間の栽培後、養分液を採取し、Millex0.45μmタイプのフィルタでろ過し、0〜100%のメタノールの勾配と254nmのUV検出で、30cmのC18コラム上でHPLC(高圧液体クロマトグラフィ)により分析した。この養分液中にはタキソルは検出されなかった。溶液が新しい溶液に置き換えられ、2%のTween20が、植物のうちの2本の栽培用鉢に加えられた。24時間後、易透化した植物の養分液内で2.1mg/l±1.04(すなわち5μg/l/gの未使用材料)の濃度が測定されたが、易透化していない植物の場合には0.2mg/l±0.16(すなわち0.2μg/l/gの未使用材料)の濃度しか測定されなかった。baccatine3(いちいにおいてみられる、興味深い別の二次代謝物)の場合もかなり類似した結果が得られた。根をすすいだ後は、少なくとも3週間の実験期間中は、植物の生育力を犠牲にすることなく再度易透化することができた。これらの結果は、地面外栽培(この場合、水耕型のハイドロポニー栽培)のいちいからのタキサン(パクリタクセル)の部分的放出を得ることができることを示している。われわれの例においては、養分液も易透化処理も最適化されなかった。したがって、前記養分液(Mcrard 1995を参照のこと)、栽培条件(温度、光、COなど)および前記易透化処理を最適化した後は、より興味深い結果を期待することができる。
本方法の例3:ハイドロポニー(Morard 1995による水耕栽培)により栽培されるヘンルーダ(Rue)(Ruta graveolens)からのフロクマリンの生成
鉢植えの10ヶ月の植物8本を、2週間の気泡発生(図2と同じ装置による)がある養分液MS/4(MurashigeおよびScoog、1962、4倍希釈)栽培にした。8本のうちの4本を、3%(V/V)のTween20で24時間易透化した。次に、養分液が採取され、ろ過され、気相クロマトグラフィーにより分析された。易透化された植物の養分液は、平均で8.1±4.1mg/lのフロクマリン(ソラレン、8メトキシソラレン、5メトキシソラレン、および5.8ジメトキシソラレン)を含んでいたのに対し、対照となる4本の植物の養分液の場合、5.2±2.8mg/lであった。植物の根は水ですすぎを行い、一週間の栽培に復帰させた。次に、最初に既に易透化した4本の植物を同じ方法で再度易透化した。結果は、易透化した植物の場合は22.5±6.1mg/lであったのに対し、易透化してない植物の場合は19±8.5mg/lであった。
同じ植物について3回目の易透化を行い同様の結果が得られた。植物は全数生存していた。
結論:ヘンルーダは地面外条件下で栽培することができる。ヘンルーダは、養分液内にフロクマリンを自然に放出するが、適切な易透化処理(ここでは3%のTween20)によりこの放出量を増加させることができる。同様にして他の種類の処理、たとえば、他の界面活性剤、養分液の温度上昇、または養分液の塩度の上昇、ウンベリフェロンまたはフェニルアラニンの添加を行うことも可能である。勿論、より高い効率を得るために、例2と同様にして、栽培条件および易透化処理を最適化することができる。
本方法の例4:エアロポニーによるDatura innoxiaおよびDatura stramoniumの栽培
Datura stramoniumおよびDatura innoxiaの種子を、養分液を散布したひる石を含む小型カップで発芽させた。次に、これらのカップを、(PVC製の)穿孔プレートから成る媒体の中に移した。これらのプレートを、1.2m×1m×1mの大型容器上に設置した。なおこの容器の底部では6つの噴霧器が養分液内に浸漬されている(図3)。噴霧器は30分毎に15分間作動する。装置全体が、例1の条件と同一の条件でファイトトロンに設置された。数十グラムの材料から始まったバイオマスの総量は、一ヶ月の栽培の後、1キログラムを超えた(幹+葉+根)。HPLCによる分析から、40リットルの養分液中に8mg/lのアルカロイド、すなわち計算による合計で320mgのヒオスシアミンおよびスコポラミンが存在することがわかった。
結論:エアロポニーによるDaturasの生育はきわめて速い。植物は健康で丈夫である。さらに、養分液中に自然にアルカロイドを放出する。この放出は、易透化、塩の濃度の増加または根の定温加熱温度の上昇による養分液の変化、さらに場合によっては、トロパンアルカロイドの前駆体の添加などの適切な処理により、改善することができる(Gontier 1993)。
以上のことから、Daturasをエアロポニーで栽培することが可能であり、植物体の生育がきわめて速いことがわかる。ハイドロポニー(Morard 1995による水耕栽培)よりも短い時間で、多量のバイオマスを得ることが可能である。さらに、使用された養分液内の二次代謝物を回収することが可能である。この溶液の代謝物の含有量は、バイオマスの量、およびこのバイオマスの根部と養分液との接触時間に応じる。また適切な処理(易透化、イオン力、温度、誘導)により、代謝物の濃度を上げることを想定することも可能である。
このように、数千平方メートルの温室で植物を生育させること(トマトおよびきゅうりがこれに該当する)が可能であり、使用された養分液を再利用すること(水耕栽培、エアロポニー、NFT(Nutrient Film Technique)タイプの方法の場合がこれに該当する)が可能であるので、本発明による方法により、二次代謝物を生成する植物を数千平方メートルにわたり栽培することが可能になる。使用された養分液内に自然に放出された代謝物を回収することができる。また、これらの代謝物の放出および放出前の生合成を強制的に行うことさえ可能である。葉の表面から「押し出される」または「排出される」(BrownおよびZobel 1990)二次代謝物を放出する植物においては、適切な溶液を使用して前記植物をシャワリングすることにより、これらの化合物を回収すること、ならびに目的の代謝物を含む溶脱残渣を回収することができる。そのような装置は植物性分子を生成するのに使用され、これらの分子は、治療、美容、食品、非食品など種々の適用が考えられる。これらの分子は分子量がかなり小さいのが好ましく、界面活性剤添加または無添加の水に全く溶けないものであってはならない。
もちろん本発明は、記述し、添付の図面において示した実施態様に限定されるものではない。特に種々の要素の構成の観点から、あるいは同等の技術による代替により、本発明の保護領域から逸脱することなく変更が可能である。
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本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。 本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。 本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。 本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。 本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。 本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。 本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。 本発明による方法の種々の実施の可能性を、種々の手段および機械装置との関連において示す略図である。

Claims (12)

  1. 植物から上部および根を用いて分子を生成する方法であって、前記植物が、地面外の条件および無菌ではない条件で栽培され、養分液を供給されかつ/または溶脱液を散布され、次に前記養分液および/または前記溶脱液が、前記養分液または溶脱液に含まれかつ前記植物の根および/または上部から放出される所定のいくらかの分子を抽出するために、回収されかつ処理され、前記所定の分子が、前記植物によって生成された二次代謝物に相当し、
    塩、界面活性剤、洗浄剤、溶剤、菌またはバクテリア系誘導剤、ジャスモン酸あるいは植物の自己防御を刺激する他の物質の誘導体を含む溶液により、植物の根または上部を強制的に易透化する追加の段階を含み、その結果、根または葉から出て養分液または溶脱液へと向かう流量が顕著に大きくなり、しかも前記植物の生育力を喪失することはなく、したがって前記植物は、直接再度使用することができ、あるいはすすぎ後に、栽培条件を再度確立した後に、再度使用することができ、それにより、少なくとも、前記植物の良好な生理学的状態が復元されること、
    回収されかつ単離される代謝物が、トロパンおよびインドールタイプのアルカロイド、タキサンまたはタキソールの誘導体、フロクマリン、テルペン、配糖体、フェニルプロパノイド、サポニン、ステロイドで形成される群から選択されること
    前記方法が、植物のたとえ部分的であっても破損を引き起こさないこと
    温度上昇、追加または長時間の光線照射、前記植物と接触している雰囲気内のCO 濃度の上昇により形成される群の中から選択される物理的処理、およびこれらの物理的処理の複数の組合せを介して、植物の生合成能力、ならびに溶液内への代謝物の放出能力を強化することを含むこと、
    根頭発生アグロバクテリウムによる遺伝的形質転換に続いて、より多くの代謝物を発生させるかまたは形態を変えるように、植物が遺伝学的に改変されること、
    植物の根部のバイオマスを増やすことにより、より多くの代謝物を発生させるかまたは形態を変えるように、植物が遺伝学的に改変されること、および
    植物により消費された鉱物および有機成分の所定レベルの回復後、養分液を再使用することができることを特徴とする方法。
  2. a)前記植物の生育および発達を可能にする地面外条件で植物の栽培を開始する段階と、
    b)溶脱液を浸透または浸漬により植物の根に接触させ、あるいは散布により葉に接触させることにより、前記植物の根または上部から放出される代謝物を回収する段階と、
    c)浸透残滓(根の場合)または溶脱残渣(葉の場合)の形態の使用された溶液または充填された溶液を回収し、液体−液体抽出、液体−固体抽出、再結晶化、昇華、または水の蒸発により、溶液中に含まれる、求める分子を単離する段階と
    を実施することにあることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 強制的な易透化が、連続的または一定間隔で植物に供給される養分液に易透化溶液を加えることにより、永続的に行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 植物の根系および/または上部のすすぎを行い、その後、改めて強制的な易透化処理を行うのに十分な時間の間に前記植物の生育条件に復帰させ、次いであるいは合わせて、求める分子を回収する段階を行うことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 植物により合成される代謝物の生成および排出が、代謝物の前駆体を加えた後、代謝物の分子を新たに合成することにより強められ、前記代謝物の生合成のための前駆体が、養分液により根のレベルで植物に添加され、あるいは葉からの浸透を得るために界面活性剤と混合され、散布により上部に添加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 植物により合成される代謝物の生成および排出が、植物が通常受ける時間よりも長い時間人工照明を行うことによる光合成機能の促進により強められることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 求める代謝物が、界面活性剤、表面剤、および/または洗浄剤を含む溶液または液体を使用して、植物にシャワリングするか散布することにより、前記植物の上部から得られ、充填されたシャワリングまたは散布溶液が個別に回収されるか養分液との混合液で回収され、求める分子の抽出および精製が行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 使用する植物が、代謝物を合成するのに適した、高等植物または有脈管植物の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 植物(1)の地面外栽培のための複数の容器(2)と、タンク(13)、および管理された状態で養分液(3)を前記植物(1)の基部に供給する管路網(13”)に結合された分配路(13’)を備える、植物(1)のための養分液(3)の保存および供給装置と、散布および/または注入による分配路(14”)に結合された易透化溶液および/または溶脱液分配装置と、使用された養分液(3’)の少なくとも回収、処理、再循環手段アセンブリ(15、15’、15”、16)とで主に構成され、該手段が、地面外栽培の容器(2)からの排水により排出される使用された養分液(3’)を集める中間貯蔵容器(15)を備え、該中間貯蔵容器(15)が、養分液(3)の貯蔵タンク(13)への再注入ループにおいて、直接再循環路(15’)と、分離または抽出ユニット(16)を備える二次再循環路(15”)とに接続され、前記ユニット(16)が、使用された養分液(3’)に含まれ前記植物(1)の根および/または上部から放出される求める代謝物を抽出すること
    根頭発生アグロバクテリウムによる遺伝的形質転換に続いて、より多くの代謝物を発生させるかまたは形態を変えるように、植物が遺伝学的に改変されること、
    植物の根部のバイオマスを増やすことにより、より多くの代謝物を発生させるかまたは形態を変えるように、植物が遺伝学的に改変されること、および
    前記タンク(13)が、適切なタンク(13’’’’)内に貯蔵される付加栄養物質を注入路(13’’’)からも供給され、その結果、植物(1)によって採取される付加栄養物質の量が補われることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法を大規模に実施するための設備。
  10. 前記易透化溶液および/または溶脱液分配装置が、易透化溶液のための混合貯蔵タンク(14)および/または溶脱液のためのタンク(14’)を備えることを特徴とする、請求項に記載の設備。
  11. 植物によって合成される代謝物の前駆体の溶液および/または前記代謝物の合成を刺激する物質の分配装置をさらに備え、貯蔵タンク(17)と、養分液(3)を供給する分配路(13’)または管路網(13”)に接続されるのと同時に、易透化溶液のための混合貯蔵タンク(14)、溶脱液のためのタンク(14’)、および散布および/または注入による分配路(14”)と全く同様に、植物(1)の上部のレベルにおいて植物(1)に散布する分配手段(18)に接続される分配路(17’)とを備えることを特徴とする、請求項9または10に記載の設備。
  12. 植物(1)および/または植物の容器(2)の加熱手段(19’、19”)をさらに含み、該加熱手段は、熱伝導流体が通過する管路網の形態であって、該管路網は、平行であって、間隔が空けられ、前記容器(2)の上方および/または下方を延び、設備は、前記植物(1)の人工照明または日射手段(20)をさらに含むことを特徴とする、請求項から11のいずれか一項に記載の設備。
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