JP5276371B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
受光部の感度領域を反対方向に偏心させた焦点検出用画素対は、異なる画素で構成されるため、個々の画素は被写体像の異なる部位からの光束を受光する。そのため、焦点検出用画素対を構成する画素間の間隔に応じて位相がずれた像波形が得られることになる。このずれ量は一定でなく、被写体の模様によって変化するため補正が難しく、焦点検出誤差の原因となる。また、特許文献3では、焦点検出用画素対を構成する2つの画素が離れて配置されているので、焦点検出誤差の発生する確率が高くなる。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラの構成例を示す図である。
第1レンズ群101は撮影光学系(結像光学系)の先端に配置され、光軸方向に移動可能に保持される。シャッタ102は、静止画撮影時の露光時間を制御するためのシャッタとしてだけでなく、開口径を調節することで撮影時の光量調節を行なう絞りとしても機能する。シャッタ102の背面(撮像素子側)に配置された第2レンズ群103は、シャッタ102と一体となって光軸方向に移動可能であり、第1レンズ群101とともにズーム機能を実現する。
図2では、撮像素子107が有する多数の画素のうち、2列×4行の画素30−11〜30−42について示している。本実施形態においては、撮像素子107が、有効画素として横3000画素×縦2000画素(合計600万画素)を有し、画素ピッチが2μm、撮像画面サイズが横6mm×縦4mmであるものとする。
図3において、17はP型ウェル、18はゲート酸化膜、19はフォトゲート2の一層目ポリSi、20はフォトゲート2の二層目ポリSi、21はn+ フローティングディフュージョン部(FD)である。FD21は別の転送MOSトランジスタを介して別の光電変換部と接続される。図3の構成は、図2における2つの転送スイッチMOSトランジスタ3のドレインとFD21を共通化して微細化とFD21の容量低減による感度向上を図っているが、Al配線でFD21を接続しても良い。
まず垂直走査回路16からのタイミング出力によって、制御パルスφLをハイとして負荷CMOSトランジスタ7を導通させ、垂直出力線をリセットする。また制御パルスφR0,φPG00,φPGe0をハイとし、リセット用MOSトランジスタ4をオンとし、フォトゲート2の一層目ポリSi19をハイとしておく。
本実施形態の撮像素子107は、2行×2列の4画素の対角2画素にG(緑色)の分光感度を有する画素を配置し、他の2画素にR(赤色)とB(青色)の分光感度を有する画素を各1個配置した、ベイヤー配列を採用している。また、ベイヤー配列の画素の一部として、後述する構造の焦点検出用画素が所定の規則に従って分散配置される。
図5(a)は2行×2列の撮像用画素の平面図である。上述の通り、ベイヤー配列では対角方向に2つのG画素が、他の2画素にRとBの画素が配置される。そしてこのような2行×2列の配列が撮像素子107の全体にわたって繰り返される。
MLは各画素の最前面に配置されたオンチップマイクロレンズ、CFRはR(Red)のカラーフィルタ、CFGはG(Green)のカラーフィルタである。PDは画素の光電変換部を模式的に示したもの、CLはCMOSイメージセンサ内の各種信号を伝達する信号線を形成するための配線層である。TLは撮影光学系を模式的に示したものである。
図6は、本実施形態において、撮影レンズの水平方向(横方向)に瞳分割を行なうための焦点検出用画素(AF画素)の配置と構造の例を示す。
マイクロレンズMLと、光電変換部PDは図5(b)に示した撮像用画素と同一構造である。本実施形態においては、焦点検出用画素の信号は画像信号として利用しないため、色分離用カラーフィルタの代わりに無色透明なフィルタCFWが配置される。また、一対の画素で瞳分割を行なうため、配線層CLの開口部はマイクロレンズMLの中心線に対して一方向に偏倚している。すなわち、焦点検出用画素対を構成する第1のAF画素SHAと第2のAF画素SHBの開口は、互いに異なる方向に偏倚している。
図7(a)は、焦点検出用画素を含む2行×2列の画素の平面図で、図6(a)と同様に、G画素は撮像用画素として残し、RとBの画素位置に焦点検出用画素対SVC及びSVDを配置している。
図6(b)との比較から分かるように、図7(b)の画素は瞳分離方向が縦方向になっていること以外、焦点検出用画素の構造は共通である。すなわち、焦点検出用画素SVCの開口部OPVCは垂直方向下側に偏倚しているため、撮影レンズTLの上側の射出瞳EPVCを通過した光束を受光する。同様に、焦点検出用画素SVDの開口部OPVDは垂直方向上側に偏倚しているため、撮影レンズTLの下側の射出瞳EPVDを通過した光束を受光する。
図8において、OBJは被写体、IMGは被写体OBJの光学像である。
図5で説明したように、撮像用画素は撮影レンズの射出瞳全域EPを通過した光束を受光する。一方、焦点検出用画素は図6及び図7で説明したように、瞳分割機能を有している。具体的には、図6の画素SHAは撮像面からレンズ後端を見て左側の瞳を通過した光束、すなわち図8の瞳EPHAを通過した光束を受光する。同様に画素SHB,SVC及びSVDはそれぞれ瞳EPHB,EPVC及びEPVDを通過した光束を受光する。そして、焦点検出用画素SHA,SHB,SVC及びSVDが、撮像素子107の全体に渡って規則的に分布するように配置することで、撮像領域全域で焦点検出することが可能になる。
図9において、撮像素子107の撮像面に形成された被写体像には、中央に人物、左側に近景の樹木、右側に遠景の山並みが写っている。
そして、2つの焦点検出領域AFARh(x1, y1)及びAFARv(x3, y3)で検出した2つの焦点ずれ量を比較し、信頼性の高い値を採用すればよい。
従って、本実施形態においては、第1のAF画素SHA及び第2のAF画素SHBを隣接させながら、画質に与える影響を抑制するため、対角方向に隣接するR画素とB画素の位置に、第1のAF画素SHA及び第2のAF画素SHBを配置する。なお、後述するように、第2の焦点検出用画素対を構成する第1のAF画素SVC及び第2のAF画素SVDについても同様の理由から、対角方向に隣接するR画素やB画素の位置に配置する。
図11に、アドレス(1,0)に焦点検出用の第1のAF画素SHAを、アドレス(0,1)に焦点検出用の第2のAF画素SHBを配置したブロックが、水平方向にブロック1からブロック5まで、5個並んでいる状態を示す。
図12において、ブロック1〜5における第1のAF画素SHA(a1)〜SHA(a5)から得られる信号がa1〜a5である。同様に、ブロック1〜5の第2のAF画素SHB(b1)〜SHB(b5)から得られる信号がb1〜b5である。図12の(1)に示すように、図11の(1)の状態で得られるA像波形とB像波形は一致し、焦点状態も合焦と正しく判定される。
図13は、本実施形態における第1の焦点検出用画素対SHA,SHBの配置例を、縦4ブロック、横4ブロックの16ブロックについて示す図である。
また、図14は、図13に示すように配置した焦点検出用画素対に対し、図11と同様に模様をずらしながら適用した場合に得られるA像波形及びB像波形を示す。
図14に示すように、水平第1ラインから得られたA像波形a1〜a5とB像波形b1〜b5と、水平第2ラインから得られたA像波形a1〜a5とB像波形b1〜b5について、それぞれ画素単位で出力を加算する。すると、得られるA像波形a1〜a5とB像波形b1〜b5は、図14の「画素加算後」(2)に示す通り、被写体像のエッジが焦点検出用画素SHAとSHBの境界に位置する場合でも、A像波形とB像波形の位相ずれは生じない。
以上、本実施形態における水平方向の位相差検出用画素対(第1の焦点検出用画素対)SHA,SHBの配置について説明した。
上述の通り、各焦点検出用画素SHA,SHB,SVC,SVDは、撮影レンズTLの射出瞳EPのうち、左右上下の領域瞳EPHA,EPHB,EPVC,EPVDを透過した光束だけを受光する。従って、焦点検出用画素をそのまま撮影用画素としても利用すると、画質に悪影響を与えてしまう。そのため、焦点検出用画素における画像情報は、その周囲の撮影用画素からの出力を用いて補間して生成するといった処理が必要となる。
なお、C像波形及びD像波形についても、A像波形及びB像波形と同様、信頼性に応じた重み付けを行って平均したり、平均の代わりに加算してもよい。
・焦点検出用画素対の偏在による画質劣化の軽減、
・一対の焦点検出用画素を異なる画素で構成することによる焦点検出誤差の軽減、
を両立することができる。
図16は、本実施形態に係るデジタルカメラの全体的な動作を説明するためのフローチャートである。
S133において、CPU121は、予め記憶された配置情報に基づき、S117で決定した焦点検出領域に含まれる焦点検出用画素を撮像素子駆動回路124を介して読み出す。
S141でCPU121は、相関演算結果の信頼性を判定する。ここで信頼性とは、像波形対の一致度(波形の類似度)を指し、一致度が良い場合は一般的に焦点検出結果の信頼性が高い。そこで、複数の焦点検出領域が選択されている場合は、信頼性の高い像波形対に基づく位相差を優先的に使用する。
S143でCPU121は、信頼性の高い像波形対から求められた位相差に基づいて最終的な焦点ずれ量を演算し、焦点検出処理を終了する。
そしてS151にて合焦状態に達したと判定されると、CPU121はS155にて表示器131に合焦表示を行ない、S157に移行する。
S163でCPU121はシャッタ駆動回路128を通じてシャッタ102の開口量と開閉タイミングを制御し、露光処理を行う。なお、特に説明しなかったが、一般的に行われているように、焦点検出処理と並行して自動露出制御処理も行われ、絞り値及びシャッタースピードが決定されているものとする。
S167でCPU121は、画像処理回路125を用い、読み出した画像信号の欠損画素補間を行なう。ここで、欠損画素には、撮像素子107の製造時に生じた欠陥画素と、焦点検出用画素が含まれる。上述の通り、焦点検出用画素にはRGBのカラーフィルタが設けられておらず、また射出瞳の一部からしか受光しないので、通常の欠陥画素と同様、周囲の撮像用画素の情報から補間により画像信号を生成する。
S171において、CPU121は、記録媒体133に撮影画像を記録する。
S173でCPU121は、表示器131に撮影済み画像を表示し、撮影処理を終了する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る撮像装置は、撮像素子107における焦点検出用画素の配置を除き、第1の実施形態と同様であるので、以下、本実施形態に特徴的な焦点検出用画素の配置についてのみ説明する。
第1の実施形態では、水平方向の位相差を検出するための第1の焦点検出用画素対SHA,SHBと、垂直方向の位相差を検出するための第2の焦点検出用画素対SVC,SVDは、それぞれ正方配置されていた。そして、第1の焦点検出用画素対SHA,SHBと、第2の焦点検出用画素対SVC,SVDは、水平及び垂直方向とも互いに半ピッチずらして配置することで、全体として千鳥配置になるようにしていた。
また、一方の焦点検出用画素対のみ千鳥配置することで、焦点検出用画素の偏在による撮影画像の画質劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態では水平方向の位相差検出を行う焦点検出用画素対のピッチを変更する例を説明したが、垂直方向の位相差検出を行う焦点検出用画素対のピッチを変更してもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態に係る撮像装置は、撮像素子107における焦点検出用画素の配置を除き、第1の実施形態と同様であるので、以下、本実施形態に特徴的な焦点検出用画素の配置についてのみ説明する。
第1及び第2の実施形態では、ベイヤー配列を有するカラーフィルタを適用した撮像素子を対象としていた。すなわち、2×2の4画素を1単位として、対角2画素にG(緑色)の分光感度を有する画素を、他の2画素にR(赤色)とB(青色)の分光感度を有する画素を各1個配置した撮像素子を対象としていた。第3の実施形態では、より高解像度の輝度情報取得を目的として、G(緑色)の分光感度を有する画素の割合を増やした画素配列を採用した撮像素子を対象とした場合の焦点検出用画素対の配置に関する。
垂直第1ラインでは、第2の焦点検出用画素対の第1のAF画素SVCをアドレス(5,4)に、第2のAF画素SVDをアドレス(5,6)に配置する。これら焦点検出用画素SVC,SVDは、画質の劣化を抑制するために、B画素やR画素のアドレスに配置する。また、第2の焦点検出用画素対SVC,SVDは垂直方向のコントラストパターンに基づいて焦点検出を行なうため、垂直方向における位置はできる限り一致させるのが望ましい。さらに、上述したように、焦点検出用画素対を構成する第1のAF画素SVCと第2のAF画素SVDとの間隔は短い方ことが好ましい。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態に係る撮像装置は、撮像素子107における焦点検出用画素の配置を除き、第1の実施形態と同様であるので、以下、本実施形態に特徴的な焦点検出用画素の配置についてのみ説明する。
第1及び第2の実施形態では、焦点検出用画素対を構成する第1及び第2のAF画素は、常に−45°の角度で隣接するように配置されていた。これに対し、第4の実施形態では、2ライン単位で、第1及び第2のAF画素の並ぶ角度が変化するように焦点検出用画素対を配置することを特徴とする。
すなわち、垂直第1ライン及び垂直第3ラインでは、各ブロックにおいて、第2の焦点検出用画素対の第1のAF画素SVCをアドレス(5,4)に配置し、第2のAF画素SVDをアドレス(4,5)に配置する。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第1乃至第4の実施形態では、四角形状の画素が水平及び垂直方向に並んだ構成の撮像素子であった。これに対し、第5の実施形態では、八角形状の撮像用画素を45度方向に傾けて配列した、いわゆるハニカム配列の撮像素子を用いる点が特徴である。
本実施形態の撮像素子107では、45度方向に傾いた2×2の4画素を一単位として、上下に2画素にG(緑色)の分光感度を有する画素を配置し、左右にR(赤色)とB(青色)の分光感度を有する画素を各1個配置している。
以上説明したように、ハニカム配列を有する撮像素子に対しても本発明は適用可能であり、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
Claims (4)
- 被写体像を光電変換する複数の画素を備える撮像素子であって、第1の焦点検出用画素と第2の焦点検出用画素から構成される焦点検出用画素対が前記複数の画素の中に複数、所定のピッチで分散して配置された撮像素子と、
複数の前記第1の焦点検出用画素から得られる第1の像波形と、複数の前記第2の焦点検出用画素から得られる第2の像波形との位相差から、前記被写体像を形成するレンズの焦点状態を検出する検出手段とを有する撮像装置であって、
前記複数の焦点検出用画素対のうち、前記位相差を検出する方向と直交する方向に隣接する2つの焦点検出用画素対では、前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素の配置が入れ替わっており、
前記検出手段が、前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素の配置が入れ替わっている複数の前記焦点検出用画素対のうち、前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素の配置が共通した複数の焦点検出用画素対ごとに、前記第1の像波形と前記第2の像波形を生成することにより、前記第1の像波形と前記第2の像波形を1組ずつ生成し、該1組の第1の像波形を平均又は加算して得られる第1の像波形と、該1組の第2の像波形を平均又は加算して得られる第2の像波形とを用いて前記レンズの焦点状態を検出することを特徴とする撮像装置。 - 前記焦点検出用画素対を構成する前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素の距離が前記所定のピッチよりも短くなるように、前記複数の焦点検出用画素対が前記撮像素子に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 少なくとも緑色を含む複数の色が規則的に配置され、画素単位で前記撮像素子に入射する光の波長を制限するカラーフィルタを有し、
前記焦点検出用画素対を構成する前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素が、前記カラーフィルタの緑色以外が配置される画素の中で隣接するように配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。 - 前記複数の焦点検出用画素対は、
前記撮像素子の水平方向に開口が偏倚した第1の焦点検出用画素と第2の焦点検出用画素からなる第1の焦点検出用画素対と、
前記撮像素子の垂直方向に開口が偏倚した第1の焦点検出用画素と第2の焦点検出用画素からなる第2の焦点検出用画素対との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
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