JP5274952B2 - 真空シール方法及び真空装置 - Google Patents

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本発明はリング状の真空シールを具備した真空シール方法及び真空装置に関する。
観察,分析等すべき試料が置かれる真空空間、或いは、蒸着,パターン描画等が施される基板が置かれる真空空間を備えた真空装置として、例えば、電子顕微鏡や電子ビーム描画装置等の荷電粒子ビーム装置、CVD装置や蒸着装置等の成膜装置等がある。
図1は、この様な真空装置の一例である走査型電子顕微鏡主要部の一概略例を示したものである。
図中1は試料室で、該試料室内の底壁中央部には観察すべき試料Sを支持する為のステージ2が設けられている。
この試料室の上壁3には、電子銃,集束レンズ,走査用偏向器,対物レンズ等の電子光学系素子を備えた鏡筒5が、該上壁の中央部に形成された孔4aに嵌入されて取り付けられている。
又、該上壁の中央部近傍に形成された孔4bには、前記試料Sから放出された電子を検出する為の二次電子検出器6が該孔を貫通する様に取り付けられている。
前記試料室1の下壁7に形成された孔4cには、該試料室内を真空排気するための真空ポンプ8に繋がった排気管9が取り付けられている。
10は前記試料室1の一方の側壁11に隣設された予備排気室で、該予備排気室内部は、前記側壁11に設けられた断面が長方形状の孔12を介して、前記試料室内と繋がっている。
13は仕切り弁駆動装置(図示せず)により前記孔12の開閉を行う仕切り弁で、前記側壁11の予備排気室10側の面に取り付けられている。
前記予備排気室10の側壁14には外部と該予備排気室内の間で試料の出し入れが可能な孔15が開けられており、前記側壁14の外面には、該孔の開閉を行う為の開閉弁16が設けられている。
前記予備排気室10の下壁17に形成された孔4dには、該予備排気室内を真空排気するための真空ポンプ18に繋がった排気管19が取り付けられている。
この様な構成の走査型電子顕微鏡において、前記鏡筒5内の電子銃(図示せず)からの電子ビームは前記集束レンズ(図示せず)及び対物レンズ(図示せず)により試料S上に集束され、該試料S上の所定領域が前記走査用偏向器(図示せず)により電子ビームで走査される。
該走査により前記試料Sから放出された二次電子は前記二次電子検出器6で検出され、表示装置(図示せず)の表示画面上に該検出された二次電子信号に基づく試料像が表示される。
尚、別の試料を観察する場合には、前記試料室1内と予備排気室10内が高真空に排気されている状態において、前記仕切弁13を開け、前記予備排気室10内に設けられている試料搬入搬出機構(図示せず)により前記ステージ2に支持されている試料Sを前記予備排気室10内に設けられている試料ホルダー(図示せず)に移す。そして、該試料ホルダーに支持されている別の試料を前記試料搬入搬出機構(図示せず)により前記ステージ2に移す。そして、前記仕切弁13を閉じ、前記一連の操作を行って別の試料の二次電子像を得る。
この様な試料観察の操作において、前記予備排気室10内に設けられている試料ホルダー(図示せず)に支持されている全ての試料の観察が終了したら、前記仕切弁13を閉じ、前記予備排気室10内をリークし、前記開閉弁16を開け、外部に設けられている試料搬入搬出機構(図示せず)により前記試料ホルダー(図示せず)に支持されている全ての試料を外部に取り出し、新しい複数の未観察試料を前記試料ホルダー(図示せず)に支持させる。この際、試料ホルダー(図示せず)毎、交換するようにしても良い。
そして、前記開閉弁16を閉じ、前記予備排気室18内を真空ポンプ18により高真空に排気した後、前記仕切弁13を開け、試料搬入搬出機構(図示せず)により所定の試料を予備排気室10内の試料ホルダー(図示せず)から前記試料室1内のステージ2に移して試料観察の操作に入る。
特開2006−164893号公報
さて、この様な走査型電子顕微鏡において、前記試料室1内は、前記予備排気室10内に対し、或いは、外部に対し、高真空を保つことが出来る様に成っていなければならない。又、前記予備排気室10内も、外部に対して高真空を保つことが出来る様に成っていなければならない。
その為に、図1に示す様に、前記鏡筒5の外周部と前記孔4aの周縁部の接触部分に真空シールVS1が、前記二次電子検出器6の外周部と前記孔4bの周縁部の接触部部分に真空シールVS2が、前記排気管9の外周部と前記孔4cの周縁部の接触部分に真空シールVS3が、前記排気管19の外周部と前記孔4dの周縁部の接触部分に真空シールVS4が、前記側壁11の予備排気室側の面と接している仕切弁13の一部分に真空シールVS5が、前記側壁14の外部側の面と接している開閉弁16の一部分に真空シールVS6が、それぞれ、設けられている。
図2は、前記真空シールの内、前記鏡筒5の外周部と前記孔4aの周縁部の接触部分に設けられた真空シールVS1の一具体例を示したものである。
図中Aは前記鏡筒5の外周部の一部を、Bは該外周部と接する前記孔4aの周縁部を示す。該外周部と接する前記孔4aの周縁部には、リング状の溝M1が形成されており、該溝にはオーリングO1が篏入されている。このオーリングが、前記両部材A,Bをボルト等(図示せず)によって締結されることにより、変形し、真空シールの働きをしている。
尚、前記真空シールの内、VS2,VS3,VS4は前記真空シールVS1と同様の構成を成している。
図3は、前記側壁11の予備排気室側の面と接している仕切弁13の一部分に設けられた真空シールVS5の一具体例を示したものである。
図に示す様に、前記仕切弁13の前記側壁に接する面には、前記孔12の縦,横の各寸法よりそれぞれ少し大きい縦,横寸法の長方形状溝M2が形成されており、該溝にはオーリングO2が篏入されている。このオーリングが、前記仕切弁13が閉じられることにより、変形し、真空シールの働きをしている。
尚、前記真空シールVS6も前記真空シールVS5と同様の構成を成している。
この様な真空シールではオーリングがゴム系材料を使用しているので、該オーリング表面に微細な傷が存在する場合やオーリング面と接触する部材に小さな傷が存在する場合や部材とオーリングに接触する面に小さなゴミが存在する場合がある。
この場合、オーリングを挟んでいる部材の間に僅かな隙間が存在し、該隙間を通して流体が通過し、結果的に真空シールが十分に行われない。即ち、前記試料室1や予備排気室10等の真空空間部の気密性が低下する。
そこで、この様なオーリングの表面に、例えば、ジェル状の真空グリスを塗布してオーリングを挟んで二つの部材間に存在する僅かな隙間を塞ぐことにより、真空シール性を向上させている。
しかし、この様な真空グリスは真空状態においてハイドロカーボン分子を放出し(真空度が高くなる程、ハイドロカーボン分子の放出量が多くなる)、この放出されたハイドロカーボン分子が真空空間部である試料室1や予備排気室10内に入り込んで拡散し、該試料室内壁や予備排気室内壁、更に、試料を汚染してしまう。
また、室内の真空度を良くするベーキング処理を行うと、室の真空シールで使用さえている真空グリスから多量のガスが放出され、室内の真空度の低下や試料の汚染を招くために行われていなかった。
本発明は、この様な問題を解決する新規な真空シール方法及び真空装置を提供することを目的とするものである。
真空空間と他の空間との圧力差を維持するために二つの部材の界面に存在させたオーリングシールを備えた真空装置の真空シール方法において、該オーリングシールと前記部材との接触面周囲の空隙部にイオン液体を存在させた後、前記オーリングシールを備えた真空装置を300度以下でベーキングし真空装置室内壁に吸着したガス分子を除去することを特徴とする。
真空空間と他の空間との圧力差を維持するために二つの部材の界面に存在させたオーリングシールを備えた真空装置において、該オーリングシールと前記部材との接触面周囲の空隙部にイオン液体を存在させると共に、該イオン液体を存在させたオーリングシールを備えた真空装置を300度以下でベーキングするベーキング手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、二つ部材の境界面にイオン液体を存在させた真空シールを設ける様にしたことで、(高)真空環境下において、真空空間の内壁や該真空空間内にセットされる試料等が汚染されず、該真空空間の気密が十分保たれる。
また、
本発明者は、オーリングに存在する多数の穴を塞ぐことが出来且つ真空状態においてハイドロカーボン分子を発生しない物質を検討し、該検討においてイオン液体に着目した。
イオン液体は常温で液体の塩(常温溶融塩と呼ばれている)であり、水,有機溶媒に次ぐ第三の溶媒として注目を集めている。
このイオン液体はカチオン(例.イミダゾリウムカチオン,アルキルアンモニウムカチオン,アルキルホスホニウムカチオン)とアニオン(例.BF4 、PF6 、トリフレートアニオン(CF3SO3 )、イミドアニオン((CF3SO3)2N)、CH3COO、CF3COO、NO3 、(CN)2N)を合成したもので、液体状態を保つ温度範囲が極めて広い(数百度)こと、室温で液体であるが、不揮発性・不燃性であること、イオンのみからなる液体で、高いイオン伝導度を有すること等の特徴を有する。
本発明者はこの様な特徴を持つイオン液体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾウリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(キシダ科学株式会社製、商品名EMI−TFSI))を使用して、以下の実験を試みた。
先ず、イオン液体をシリコンウエハ上に数滴滴下し、これを試料としてオージェマイクロプローブJAMP-9500F(日本電子(株)製)の試料室にセットした。
そして、該試料室内の真空度を10−8Paまで排気し、この高真空環境下で、試料上の前記イオン液滴を含む領域を電子ビームで走査し、該走査によって発生した二次電子に基づく二次電子試料像を表示装置の表示画面上に表示させた。尚、この時、加速電圧を15kV、観察倍率を40倍とした。
図4は前記表示画面上に表示された二次電子像を示し、その中のILは前記表示画面に表示されたイオン液滴の二次電子試料像を示している。このイオン液滴の二次電子試料像からイオン液体は(高)真空環境下であっても滴下した時の状態(ドーム状の状態)を保ち続けていることが解る。このことから、このようなイオン液体をシール材に使用すれば、例え該シール材に多数の数の穴が存在しても、(高)真空環境下において該シール材のシール性を保つことが出来ることを示唆している。
次に、別途、イオン液体をシリコンウエハ上に数滴滴下した試料を、真空度が5×10‐7Pa以下にある前記オージェマイクロプローブの試料室にセットした。
この時、例えば、前記イオン液体と同量の他の液体を高真空状態にある試料室にセットすると、該他の液体からガスが放出され、該試料室内の真空度は大幅に低下するのだが、前記イオン液体をシリコンウエハ上に数滴滴下した試料の場合には、前記試料室の真空度は何ら変化しなかった(真空度が何ら悪化しなかった)。
このことから、イオン液体は(高)真空環境下にあっても、何らガスを放出せず、(高)真空環境下のシール材に使用できることを示唆している。
次に、別途、イオン液体をシリコンウエハ上に数滴滴下した試料を前記オージェマイクロプローブの試料室にセットし、該試料室内の真空度を10−7Pa以下まで排気し、この高真空環境下で、試料上のイオン液滴部,該液滴部から40μm離れた地点(a点)及び該液滴部から480μm離れた地点(b点)の各三箇所にそれぞれ電子ビームを照射し、該三箇所におけるオージェスペクトルを測定した。尚、この時の電子ビームの照射条件は、加速電圧が10kV、照射電流が10nAであった。
図5は、電子ビーム照射により試料から発生したオージェ電子に基づくオージェスペクトルを示すもので、(a)はイオン液滴部におけるオージェスペクトル、(b)は該イオン液滴部から40μm離れたa地点におけるオージェスペクトル、(c)は該イオン液滴部から480μm離れたb地点におけるオージェスペクトルである。尚、スペクトル中のピークSは硫黄、ピークCはカーボン、ピークNは窒素、ピークOは酸素、ピークFはフッ素、ピークSiはシリコン成分を示す。
次に、前記(a)のスペクトルに対して、(b)のスペトクルと(c)のスペクトルをそれぞれ比較する。尚、イオン液の成分はS,C,N,O,Fであり、試料のベースを成すシリコンウエハの表面に酸化シリコン化している部分があるので、シリコンウエハ部分からのスペクトルには酸化シリコンに基づくOが入ってしまい、又、試料室内に残存する炭素成分が僅かではあるがシリコンウエハの表面に付着するので、シリコンウエハ部分からのスペクトルには試料室内の残存する炭素成分に基づくCが入ってしまう。従って、(b)及び(c)のスペクトルに表れるピークCとピークOについてはイオン液に基づくものなのかどうか分からないので、本比較はS,N,F(これらの成分を比較成分と称す)について行う。
先ず、イオン液滴部から僅かに離れたa地点でのスペクトルにはイオン液体からの比較成分S,N,Fを表すピークが検出されたが、その濃度は極めて僅かであった。
又、イオン液滴部から遠く離れたb地点でのスペクトルにはイオン液体からの比較成分は全く検出されなかった。
これらのことから、(高)真空環境下においてイオン液体は殆ど蒸発せず、イオン液体は(高)真空環境下のシール材に使用できることを示唆している。
以上、三つの実験でそれぞれ示唆されたことから、(高)真空環境下において、液体状態を保ち、ガスを放出せず、蒸発を殆どしないイオン液体は、(高)真空環境下のシール材に使用できると思われる。
本発明は、この様な実験結果の考察に基づいて成されたもので、以下に図面に沿って本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の要旨は真空装置における真空シールに係るものであり、該真空シール部分の改良に関する。
従って、例えば、前記図1にその主要部概略を示した真空装置の一例である走査型電子顕微鏡に具備されている各真空シールに実施するものを例に上げて説明する。
即ち、図1に示す前記走査型電子顕微鏡において、鏡筒5の外周部と前記孔4aの周縁部の接触部分に真空シールVS1の代わりに改良された真空シールVS1′が、前記二次電子検出器6の外周部と前記孔4bの周縁部の接触部部分に真空シールVS2の代わりに改良された真空シールVS2′が、前記排気管9の外周部と前記孔4cの周縁部の接触部分に真空シールVS3の代わりに改良された真空シールVS3′が、前記排気管19の外周部と前記孔4dの周縁部の接触部分に真空シールVS4の代わりに改良された真空シールVS4′が、前記側壁11の予備排気室側の面と接している仕切弁13の一部分に真空シールVS5の代わりに改良された真空シールVS5′が、前記側壁14の外部側の面と接している開閉弁16の一部分に真空シールVS6の代わりに改良された真空シールVS6′が、それぞれ、設けられている。
図6は、前記改良された真空シールの内、前記鏡筒5の外周部と前記孔4aの周縁部の接触部分に真空シールVS1の代わりに設けられた改良された真空シールVS1′の一具体例を示したものである。尚、図中、前記図2で使用された記号と同一記号の付されたものは同一構成要素を示す。
図に示す様に、前記鏡筒5の外周部の一部Aと接する前記孔4aの周縁部Bに形成されたリング状の溝M1には、表面にイオン液体IL1が塗布されたオーリングO1′が篏入されており、前記両部材A,Bをボルト等(図示せず)によって締結することにより、オーリングO1′は変形する。イオン液体IL1はオーリングと両部材が接する面の周囲の空隙に存在し、前記両部材A,Bの間隙G1にまで広がっている。
尚、前記改良された真空シールの内、VS2′,VS3′,VS4′は前記改良された真空シールVS1′と同様の構成を成している。
図7は、前記側壁11の予備排気室側の面と接している仕切弁13の一部分に真空シールVS5の代わりに設けられた改良された真空シールVS5′の一具体例を示したものである。尚、図中、前記図3で使用された記号と同一記号の付されたものは同一構成要素を示す。
図に示す様に、前記仕切弁13の前記側壁に接する面に形成された長方形状溝M2に表面にイオン液体IL2が塗布されたオーリングO2′が篏入されており、前記仕切弁13が閉じられることにより、前記オーリングO2′は変形し、前記イオン液体IL2は前記オーリングO2′全体を覆う様に前記溝M2内に満たされる。
尚、前記改良された真空シールVS6′も前記改良された真空シールVS5′と同様の構成を成している。
この様な真空シールVS1′,VS2′,VS3′,VS4′,VS5′,VS6′を備えた走査型電子顕微鏡において、試料室1は真空ポンプ8により高真空に排気され、予備排気室10は真空ポンプ18により高真空に排気されている。
この状態において、鏡筒5内の電子銃(図示せず)からの電子ビームは前記集束レンズ(図示せず)及び対物レンズ(図示せず)により試料S上に集束され、該試料S上の所定領域が前記走査用偏向器(図示せず)により電子ビームで走査される。
該走査により前記試料Sから放出された二次電子は前記二次電子検出器6で検出され、表示装置(図示せず)の表示画面上に該検出された二次電子信号に基づく試料像が表示される。
尚、別の試料を観察する場合には、前記試料室1内と予備排気室10内が高真空に排気されている状態において、前記仕切弁13を開け、前記予備排気室10内に設けられている試料搬入搬出機構(図示せず)により前記ステージ2に支持されている試料Sを前記予備排気室10内に設けられている試料ホルダー(図示せず)に移す。そして、該試料ホルダーに支持されている別の試料を前記試料搬入搬出機構(図示せず)により前記ステージ2に移す。そして、前記仕切弁13を閉じ、前記一連の操作を行って別の試料の二次電子像を得る。
この様な試料観察の操作において、前記予備排気室10内に設けられている試料ホルダー(図示せず)に支持されている全ての試料の観察が終了したら、前記仕切弁13を閉じ、前記予備排気室10内をリークし、前記開閉弁16を開け、外部に設けられている試料搬入搬出機構(図示せず)により前記試料ホルダー(図示せず)に支持されている全ての試料を外部に取り出し、新しい複数の未観察試料を前記試料ホルダー(図示せず)に支持させる。この際、試料ホルダー(図示せず)毎、交換するようにしても良い。
そして、前記開閉弁16を閉じ、前記予備排気室18内を真空ポンプ18により高真空に排気した後、前記仕切弁13を開け、試料搬入搬出機構(図示せず)により所定の試料を予備排気室10内の試料ホルダー(図示せず)から前記試料室1内のステージ2に移して試料観察の操作に入る。
この際、前記各真空シールVS1´、VS2´、VS3´、VS4´、VS5´、VS6´は、オーリングと該オーリングの表面に塗布されたイオン液体から成り、少なくとも該オーリングの表面を十分にイオン液体が覆っている。
このイオン液体は、(高)真空環境下において、液体状態を保ち、ガスを放出せず、蒸発を殆どしないので、前記試料室1や予備排気室10内壁や試料が汚染されず、該試料室や予備排気室内の気密が十分保たれる。
尚、前記例の真空装置内の真空度は室の温度を上げる、いわゆるベーキングを行い室内壁に吸着したガス分子を除去することで向上する。そのため、ベーキング温度はなるべく高い方が良い。
真空シールはシール材と真空グリスから構成されているが、従来、このような真空シールを備えた真空容器をベーキングすると真空グリスからガスが放出して真空度を向上させることが出来なかった。
本発明では、真空グリスの代わりに高温においても揮発しないイオン液体を用いているので、この真空シールを備えた真空容器をベーキングすることが出来る。即ち、例えば従来の真空グリスは真空度10−8Paで温度が20度以上になると揮発するため、ベーキング後においても室内の真空度が向上しなかったが、本発明では300度まで液体状態を保ち、揮発しないイオン液体を真空シールに設けている真空容器のベーキングが可能となり、ベーキング温度はシール材の耐熱温度(例えばシリコンゴム系のオーリングの場合、通常は180度程度)まで上げることが出来る。
又、前記例の走査型電子顕微鏡の前記鏡筒5内に設けられた電子ビームを遮蔽する仕切弁の真空シールに本発明を適用させても良い。
又、前記例のイオン液体としてトリフルオロメタンスルホニルイミドを用いたが、当然のことながらこれに限定されない。例えばピリジン系イオン液体,脂環式アミン系イオン液体,脂肪族アミン系イオン液体,種々のイオン液体等も使用可能である。
又、イオン液体の原液を使用しても良いし、エタノールなどの溶媒に溶かしたイオン液体を使用しても良い。
又、前記例では、本発明の特徴を成す真空シールを走査型電子顕微鏡の如き真空装置に適用したものを説明したが、この様な真空シールを他の真空装置(例えば、電子ビーム描画装置等の荷電粒子ビーム装置、CVD装置や蒸着装置等の成膜装置等)にも適用出来ることは説明するまでもないことである。
走査型電子顕微鏡主要部の一概略例を示している。 真空シールの一具体例を示している。 真空シールの他の一具体例を示している。 イオン液滴を含む試料領域の二次電子像を示す。 イオン液滴部等のオージェスペクトルを示す。 本発明の特徴部である真空シールの一具体例を示している。 本発明の特徴部である他の真空シールの一具体例を示している。
符号の説明
1…試料室
2…ステージ
3…試料室上壁
4a,4b,4c,4d…孔
5…鏡筒
6…二次電子検出器
7…試料室下壁
8,18…真空ポンプ
9,19…排気管
10…予備排気室
11…試料室側壁
12,15…孔
13…仕切弁
14…予備排気室側壁
16…開閉弁
17…予備排気室下壁
S…試料
VS1,VS2,VS3,VS4,VS5,VS6,VS1′,VS2′,VS3′,VS4′,VS5′,VS6′…真空シール
O1、O2…オーリング
IL…イオン液滴
M1、M2…溝

Claims (4)

  1. 真空空間と他の空間との圧力差を維持するために二つの部材の界面に存在させたオーリングシールを備えた真空装置の真空シール方法において、該オーリングシールと前記部材との接触面周囲の空隙部にイオン液体を存在させた後、前記オーリングシールを備えた真空装置を300度以下でベーキングし真空装置室内壁に吸着したガス分子を除去することを特徴とする真空装置の真空シール方法。
  2. 真空空間と他の空間との圧力差を維持するために二つの部材の界面に存在させたオーリングシールを備えた真空装置において、該オーリングシールと前記部材との接触面周囲の空隙部にイオン液体を存在させると共に、該イオン液体を存在させたオーリングシールを備えた真空装置を300度以下でベーキングするベーキング手段を備えたことを特徴とする真空装置。
  3. 前記イオン液体は1−エチル−3−メチルイミダゾウリウムである請求項1の高真空シール方法。
  4. 前記イオン液体は1−エチル−3−メチルイミダゾウリウムである請求項2の高真空装置。
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