JP2009068071A - 防着板、真空処理装置、及び防着板の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】付着物を剥がれ難くすることでパーティクルの発生を抑制するとともにメンテナンス性に優れた防着板、真空処理装置、及び防着板の再生方法を提供する。
【解決手段】真空雰囲気のチャンバー104内において材料源120から放出される粒子を対象物Pに付着させることで成膜を行う真空処理装置100に用いられる、チャンバー104の内面に粒子を含む付着膜が形成されるのを防止する防着板130である。防着板130の表面にイオン液体からなる被膜が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】真空雰囲気のチャンバー104内において材料源120から放出される粒子を対象物Pに付着させることで成膜を行う真空処理装置100に用いられる、チャンバー104の内面に粒子を含む付着膜が形成されるのを防止する防着板130である。防着板130の表面にイオン液体からなる被膜が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、 防着板、真空処理装置、及び防着板の再生方法に関するものである。
真空雰囲気下のチャンバー内で処理を行う成膜装置(真空処理装置)は、チャンバー内に基板を配置した状態で材料源から粒子を放出させ、その放出粒子を基板の対象物の被成膜面に到達させることで成膜を行うものである。こうした成膜技術として、例えば、蒸着法、スパッタ法等がある。
ところで上記成膜装置では、材料源から放出された粒子が対象物方向に限らず広範囲に放出される。このため、チャンバーの壁部等にも成膜されてしまう。このようにチャンバーの壁部等の対象物の被成膜面以外の箇所に形成された膜は、徐々に堆積し、ある程度の膜厚まで成長した膜は容易に剥離しパーティクルの発生源となる。パーティクルが被成膜面に付着すると、膜にピンホール等の欠陥が生じ、デバイスの歩留まり低下を招く可能性がある。
これに対し、チャンバー内に取り出し可能な防着板を設置し、該膜が形成された防着板を交換あるいはメンテナンスする方法が一般に行われている。そこで、防着板のメンテナンスを容易にすべく、アルミニウムを主材質とする薄板を接着剤により複数枚積層した防着板を形成し、防着板上に付着した膜が薄板を剥離することで除去できるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−101435号公報
しかしながら、上記従来技術では、薄膜を剥がす際に付着物が剥がれてしまい、パーティクルの発生源となるおそれがある。また、薄膜を貼り合わせる際に用いられている接着剤からガスが発生して悪影響を及ぼす可能性もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、付着物を剥がれ難くすることでパーティクルの発生を抑制するとともにメンテナンス性に優れた防着板、真空処理装置、及び防着板の再生方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の防着板は、真空雰囲気のチャンバー内において材料源から放出される粒子を対象物に付着させることで成膜を行う真空処理装置に用いられる、前記チャンバーの内面に前記粒子を含む付着膜が形成されるのを防止する防着板であって、前記防着板の表面にイオン液体からなる被膜が形成されることを特徴とする。
本発明の防着板によれば、表面にイオン液体が塗布されているので、表面に付着した付着膜を剥がれ難くすることができ、パーティクルの発生を防止することで真空処理装置内部における汚染を抑えることができる。また、イオン液体は交換作業が簡単であるため効率的に定期メンテナンスを行うことができる。さらに、イオン液体は再生可能であることから環境にも優しく、再生時におけるコストを低減させることができる。
また、上記防着板においては、前記イオン液体は、成膜処理時に少なくとも一部が溶融状態となるのが好ましい。
この構成によれば、防着板の表面に塗布されたイオン液体の一部が溶融することで粘性を有しているので、チャンバー内に放出された粒子が防着板の表面に衝突した際に、粒子を良好に捕獲することができる。よって、チャンバー内面への粒子の付着による汚染を確実に防止できる。
この構成によれば、防着板の表面に塗布されたイオン液体の一部が溶融することで粘性を有しているので、チャンバー内に放出された粒子が防着板の表面に衝突した際に、粒子を良好に捕獲することができる。よって、チャンバー内面への粒子の付着による汚染を確実に防止できる。
本発明の真空処理装置は、真空雰囲気のチャンバー内にて材料源から放出される粒子を対象物に対して付着させて成膜を行う真空処理装置であって、前記チャンバー内面への前記粒子を含む付着膜の形成を防止する防着板を備えており、該防着板の表面にイオン液体からなる被膜が形成されることを特徴とする。
本発明の真空処理装置によれば、イオン液体が塗布された防着板を備えているので、防着板の表面に付着した付着膜を剥がれ難くすることができ、パーティクルの発生を防止することで装置内部の汚染を抑えることができる。また、イオン液体は交換作業が簡単であるため効率的に定期メンテナンスを行うことができる。さらに、イオン液体は再生可能であることから環境にも優しく、再生時におけるコストを低減させることができる。
また、上記真空処理装置においては、前記イオン液体は、成膜処理時に少なくとも一部が溶融状態となっているのが好ましい。
この構成によれば、防着板の表面に塗布されたイオン液体の一部が溶融することで粘性を有しているので、チャンバー内に放出された粒子が防着板の表面に衝突した際に、粒子を良好に捕獲することができる。よって、チャンバー内面への粒子の付着による汚染を確実に防止できる。
この構成によれば、防着板の表面に塗布されたイオン液体の一部が溶融することで粘性を有しているので、チャンバー内に放出された粒子が防着板の表面に衝突した際に、粒子を良好に捕獲することができる。よって、チャンバー内面への粒子の付着による汚染を確実に防止できる。
本発明の防着板の再生方法は、真空雰囲気のチャンバー内において材料源から放出された粒子を対象物に対して付着させて成膜を行う真空処理装置に用いられ、表面にイオン液体からなる被膜が形成されてなる防着板を再生方法であって、成膜処理によって前記粒子を含む付着膜が形成された前記防着板を加熱し、前記イオン液体を流動化させる流動化工程と、該流動化したイオン液体とともに前記付着膜を防着板本体から分離する分離工程と、該防着板本体の表面にイオン液体を再度塗布することで前記防着板を再生する再生工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の防着板の再生方法によれば、イオン液体を流動化させることで該イオン液体と共に表面に付着した付着膜を防着板本体から分離することができる。そして、防着板本体上にイオン液体を再度塗布することで防着板を再生(再利用)することができる。イオン液体は加熱により流動性を示すため、再生処理が容易であることから効率的に防着板の定期メンテナンスを行うことができる。また、イオン液体を再利用することにより環境への負荷を低減でき、環境に優しく再生時におけるコストを低減することができる。
また、上記防着板の再生方法にて、前記イオン液体と前記付着膜とを分離する工程においては、前記流動化したイオン液体をフィルタに透過させることで、前記イオン液体から前記付着膜を分離するのが好ましい。
この構成によれば、イオン液体に混合している付着膜がフィルタ透過時に分離されるようになる。また、例えば分離後のイオン液体を再利用することで防着板の再生時におけるコストを低減できる。
したがって、防着板に付着した付着膜を確実且つ容易に除去することで防着板の再生を行うことができる。
この構成によれば、イオン液体に混合している付着膜がフィルタ透過時に分離されるようになる。また、例えば分離後のイオン液体を再利用することで防着板の再生時におけるコストを低減できる。
したがって、防着板に付着した付着膜を確実且つ容易に除去することで防着板の再生を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
本実施形態では、真空処理装置の一例として、真空雰囲気のチャンバー内にて成膜処理を行う成膜装置について説明する。この成膜装置はチャンバー内に防着板が設けられており、この防着板は本発明に係る再生方法により再生可能となっている。
まず、成膜装置について説明する。
図1は、成膜装置100の概略構成を示す断面図である。この図に示すように、成膜装置100は、真空ポンプ102が接続されたチャンバー104を備えている。そのチャンバー104の内部には、基板ホルダ110が設けられている。この基板ホルダ110には、成膜処理の対象となる基板Pが下向きに保持されるようになっている。一方、基板ホルダ110と対向するように、成膜材料124が充填されるルツボ(材料源)120が設けられている。そのルツボ120にはフィラメント122が配線され、ルツボ120内の成膜材料124を加熱しうるようになっている。なお、本実施形態において、成膜材料124は、酸化珪素である。
図1は、成膜装置100の概略構成を示す断面図である。この図に示すように、成膜装置100は、真空ポンプ102が接続されたチャンバー104を備えている。そのチャンバー104の内部には、基板ホルダ110が設けられている。この基板ホルダ110には、成膜処理の対象となる基板Pが下向きに保持されるようになっている。一方、基板ホルダ110と対向するように、成膜材料124が充填されるルツボ(材料源)120が設けられている。そのルツボ120にはフィラメント122が配線され、ルツボ120内の成膜材料124を加熱しうるようになっている。なお、本実施形態において、成膜材料124は、酸化珪素である。
また、ルツボ120から放出された粒子がチャンバー104の内壁等に付着するのを防止するための防着板130が設置されている。すなわち、防着板130は、成膜装置の真空処理雰囲気に設置されている。防着板130は、チャンバー104に対して脱着可能とされており、定期的に取り外され、後述する再生方法によって再生される。
(防着板)
図2は、防着板130の断面構成図である。この図に示すように、本実施形態においては、防着板130は、ステンレス鋼からなる防着板本体131と、該防着板本体131の表面に形成された保護膜(被膜)132とを備えている。なお、防着板本体131の形状は取り付け位置に応じて様々である。なお、保護膜132は、防着板本体131の表面全体に形成する必要は無く、少なくともチャンバー104の内側に露出する面に形成すればよい。前記保護膜132は、後述する再生処理により防着板本体131から容易に除去可能な膜であり具体的にはイオン液体から構成されるものである。
図2は、防着板130の断面構成図である。この図に示すように、本実施形態においては、防着板130は、ステンレス鋼からなる防着板本体131と、該防着板本体131の表面に形成された保護膜(被膜)132とを備えている。なお、防着板本体131の形状は取り付け位置に応じて様々である。なお、保護膜132は、防着板本体131の表面全体に形成する必要は無く、少なくともチャンバー104の内側に露出する面に形成すればよい。前記保護膜132は、後述する再生処理により防着板本体131から容易に除去可能な膜であり具体的にはイオン液体から構成されるものである。
以下、イオン液体について説明する。
イオン液体は、近年コンデンサやリチウムイオン電池等から燃料電池や太陽電池等の開発を促進する素材として注目されており、具体的には、環境負荷が低い溶媒としてのメッキ用途や、高耐熱性を有していることから種々の反応溶媒としての用途や、宇宙開発分野など特殊な環境下での潤滑油としての用途等、多岐に亘る分野でその可能性が期待されるものである。
また、イオン液体は陽イオンの種類から、ピジリン系、脂環族アミン系、脂肪族アミン系の3つに大別される。そして、これに組み合わせる陰イオンの種類を選択することで、多様な構造を合成できる。上記陽イオンとしては、アンモニウム系、ホスホニウム系イオン、無系イオン、ハロゲン系イオン等を例示することができ、上記陰イオンとしては、フッ素化物イオンやトリフラート等のフッ素系等を例示することができる。
イオン液体は、近年コンデンサやリチウムイオン電池等から燃料電池や太陽電池等の開発を促進する素材として注目されており、具体的には、環境負荷が低い溶媒としてのメッキ用途や、高耐熱性を有していることから種々の反応溶媒としての用途や、宇宙開発分野など特殊な環境下での潤滑油としての用途等、多岐に亘る分野でその可能性が期待されるものである。
また、イオン液体は陽イオンの種類から、ピジリン系、脂環族アミン系、脂肪族アミン系の3つに大別される。そして、これに組み合わせる陰イオンの種類を選択することで、多様な構造を合成できる。上記陽イオンとしては、アンモニウム系、ホスホニウム系イオン、無系イオン、ハロゲン系イオン等を例示することができ、上記陰イオンとしては、フッ素化物イオンやトリフラート等のフッ素系等を例示することができる。
イオン液体の一般的な特徴について説明する。
イオン液体は、支持電解質を加えることなく電流を流すことができ、電位窓も広く、イオン伝導率が10−5〜10−2Scm−1程度である。また、−30℃以上300℃以下の温度域でも液体状を維持し、400℃でも物性変化が少ないことから高い耐熱性を有する。また、蒸気圧がほぼゼロであり、不燃性である。さらに、不揮発性であることから、反応後の分離・再利用が容易である。また、イオンの種類選択によっては、溶解性に種々の特性を持たせることができ、例えば親液性が高いものや、一般に溶媒中に分散させることが難しいカーボンナノチューブを良好に分散できる。また、熱伝導の媒体として利用できる程度の比熱容量を有しており、毒性が低いといった特徴を有している。
イオン液体は、支持電解質を加えることなく電流を流すことができ、電位窓も広く、イオン伝導率が10−5〜10−2Scm−1程度である。また、−30℃以上300℃以下の温度域でも液体状を維持し、400℃でも物性変化が少ないことから高い耐熱性を有する。また、蒸気圧がほぼゼロであり、不燃性である。さらに、不揮発性であることから、反応後の分離・再利用が容易である。また、イオンの種類選択によっては、溶解性に種々の特性を持たせることができ、例えば親液性が高いものや、一般に溶媒中に分散させることが難しいカーボンナノチューブを良好に分散できる。また、熱伝導の媒体として利用できる程度の比熱容量を有しており、毒性が低いといった特徴を有している。
本実施形態では、室温(常温)下で固体状となるイオン液体を用いた。具体的には、以下の化学式(1)〜(4)に示す、イミダゾリウム系のイオン液体を好適に用いた。
なお、イオン液体としては上述した材料に限定されることは無い。例えばイオン液体として成膜処理時に少なくとも一部が溶融状態、すなわち成膜処理時のチャンバー104内の温度の近傍、若しくはそれ以上となる融点のイオン液体を用いることができる。このようにすれば、チャンバー104内に放出された成膜粒子(成膜材料124)が防着板130の表面に衝突した際に、保護膜132が粘性を有したものとなっているために上記成膜粒子を良好に捕獲できる。よって、チャンバー104の内面に成膜材料124が付着することに起因する汚染を確実に防止できる。
(基板成膜処理)
基板Pに対する成膜工程では、まず基板Pを基板ホルダ110に保持するとともに、ルツボ120に成膜材料124を充填する。次に、チャンバー104に接続された真空ポンプ102を運転して、チャンバー104の内部を真空引きする。次に、ルツボ120に配線されたフィラメント122に通電し、フィラメント122を発熱させて、ルツボ内の成膜材料124を加熱する。すると、成膜材料124が蒸発して、基板Pの表面に付着する。
基板Pに対する成膜工程では、まず基板Pを基板ホルダ110に保持するとともに、ルツボ120に成膜材料124を充填する。次に、チャンバー104に接続された真空ポンプ102を運転して、チャンバー104の内部を真空引きする。次に、ルツボ120に配線されたフィラメント122に通電し、フィラメント122を発熱させて、ルツボ内の成膜材料124を加熱する。すると、成膜材料124が蒸発して、基板Pの表面に付着する。
そして、このような成膜処理の過程において、図3に示されるように基板P以外の方向に飛散した成膜材料によって防着板130の表面に付着膜30が徐々に厚く形成されていく。このような付着膜30はある程度の膜厚まで成長すると剥離してパーティクルの発生源となる可能性がある。そこで、定期的に防着板130をチャンバー104内から取り外し、防着板130に成膜された付着膜30を除去する。
(防着板の再生方法)
この防着板130を再生するためには、まずチャンバー104内から取り外す。そして、防着板130を加熱し、該防着板130の表面に形成される保護膜132を構成するイオン液体を流動化させる(流動化工程)。
この防着板130を再生するためには、まずチャンバー104内から取り外す。そして、防着板130を加熱し、該防着板130の表面に形成される保護膜132を構成するイオン液体を流動化させる(流動化工程)。
防着板130を加熱する手段としては、例えばヒータを用いた。なお、上記工程においては、防着板130の全体を加熱する必要は無く、保護膜132のみをレーザ等を用いて選択的に加熱するようにしてもよい。
続いて、流動化したイオン液体ととともに前記付着膜30を防着板本体131から分離する(分離工程)。
本実施形態では、防着板130を図4に示すように傾けて、流動化したイオン液体とともに保護膜132をフィルタ31に流し込むことで流動化したイオン液体と付着膜30とを分離する。
図4に示されるように、フィルタ31はメッシュ形状を有しており、メッシュの大きさが上記付着膜30よりも小さく設定される。よって、イオン液体はメッシュ間を通り抜けるものの、付着膜30はメッシュを通り抜けることができず、イオン液体と付着膜30とを確実に分離することができる。このとき、フィルタ31を透過した後のイオン液体を回収し、後述する防着板130の再生工程時に用いるようにしてもよい。なお、フィルタ31のメッシュの大きさはより細かくするのが望ましく、例えば付着膜30を構成している成膜材料粒子よりも小さくするのがよい。このようにすれば、イオン液体との分離時に付着膜30から剥離した成膜材料粒子をメッシュ31によって確実に捕獲できる。
続いて、防着板本体131の表面にイオン液体を再度塗布することで防着板130を再生する(再生工程)。なお、イオン液体の塗布処理に先んじて、防着板本体131の洗浄処理を行うようにしてもよい。
防着板130を再生する場合、流動可能な温度で上記イオン液体を入れた容器に防着板本体131を浸漬させる。その後、防着板本体131を容器から取り出し、室温(常温)で冷却する。本実施形態に係るイオン液体は、上述したように常温下において固体となるため、イオン液体は温度低下に伴い、その流動性が低下することで防着板本体131の表面に保護膜132を形成する。これにより、防着板本体131の表面が保護膜132で覆われてなる防着板130を再生することができる。
以上述べたように、本発明に係る防着板によれば、表面にイオン液体が塗布されているので、表面に付着した付着膜30を剥がれ難くすることができ、パーティクルの発生を防止することで成膜装置100の内部における汚染を抑えることができる。また、イオン液体は交換作業が簡単であることから定期メンテナンスを効率的に行うことができる。さらに、イオン液体は再生可能であることから環境への負荷が少なく、環境に優しく再生時におけるコストを低減することができる。
また、本発明に係る防着板の再生方法によれば、イオン液体を流動化させることで、再生処理を容易に行うことができ、防着板の定期メンテナンスを効率的に行うことができる。さらに、イオン液体を再利用することで環境に優しく、低コストで防着板130を再生することができる。
また、本発明に係る真空処理装置(成膜装置100)によれば、上述した防着板130を備えているので、防着板130の表面に付着した付着膜30を剥がれ難くすることができ、パーティクルの発生を防止し装置内部の汚染を抑えることができる。
したがって、信頼性の高い成膜を行うことのできる装置を提供できる。
したがって、信頼性の高い成膜を行うことのできる装置を提供できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。上記実施形態では、真空処理装置として真空蒸着装置について説明したが、真空雰囲気のチャンバー内でウエハ等の基板P表面上に、金属膜・半導体膜等の薄膜を形成する装置であれば、例えばスパッタ装置、CVD装置等の成膜装置であってもよい。
基板Pとしては、金属、ガラス、シリコン等のいずれであってもよい。また、基板P上に形成される薄膜Sとしては、無機材料層、有機材料層、金属膜、半導体膜等のいずれであってもよく、薄膜Sは単層の場合に限らず、複数の薄膜Sが積層される場合であってもよい。さらに、本発明に係る真空処理装置(成膜装置100)により基板P上に薄膜を形成する成膜工程は、半導体素子や液晶表示素子の製造工程に限られるものではなく、各種記録媒体や記録再生用ヘッドの製造工程、薄膜コンデンサや抵抗器等の電子部品の製造工程、ガラス部品の製造工程等に対しても適用可能である。
30…付着膜、31…フィルタ、100…成膜装置(真空処理装置)、104…チャンバー、120…ルツボ(材料源)、124…成膜材料、130…防着板、131…防着板本体、132…保護膜、P…基板(対象物)
Claims (6)
- 真空雰囲気のチャンバー内において材料源から放出される粒子を対象物に付着させることで成膜を行う真空処理装置に用いられる、前記チャンバーの内面に前記粒子を含む付着膜が形成されるのを防止する防着板であって、
前記防着板の表面にイオン液体からなる被膜が形成されることを特徴とする防着板。 - 前記イオン液体は、成膜処理時に少なくとも一部が溶融状態となることを特徴とする請求項1に記載の防着板。
- 真空雰囲気のチャンバー内にて材料源から放出される粒子を対象物に対して付着させて成膜を行う真空処理装置であって、
前記チャンバー内面への前記粒子を含む付着膜の形成を防止する防着板を備えており、
該防着板の表面にイオン液体からなる被膜が形成されることを特徴とする真空処理装置。 - 前記イオン液体は、成膜処理時に少なくとも一部が溶融状態となっていることを特徴とする請求項3に記載の真空処理装置。
- 真空雰囲気のチャンバー内において材料源から放出された粒子を対象物に対して付着させて成膜を行う真空処理装置に用いられ、表面にイオン液体からなる被膜が形成されてなる防着板を再生方法であって、
成膜処理によって前記粒子を含む付着膜が形成された前記防着板を加熱し、前記イオン液体を流動化させる流動化工程と、
該流動化したイオン液体とともに前記付着膜を防着板本体から分離する分離工程と、
該防着板本体の表面にイオン液体を再度塗布することで前記防着板を再生する再生工程と、を備えることを特徴とする防着板の再生方法。 - 前記イオン液体と前記付着膜とを分離する工程においては、前記流動化したイオン液体をフィルタに透過させることで、前記イオン液体から前記付着膜を分離することを特徴とする請求項5に記載の防着板の再生方法。
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