JP5274951B2 - エアバッグ袋体 - Google Patents
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Description
ここで、ベントホールカバーは、ベントホールに対して位置ずれしないように、ベントホールの近傍がカバーガイド部材で支えられている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、エアバッグ袋体が乗員を拘束可能な形状まで展開したとき、ベントホールカバーを止めていた縫糸が破断する。
しかし、カバーガイド部材は、ベントホールに対応する部位(すなわち、ベントホールを塞いでいる部位)を支えていないため、ベントホールに対応する部位をベントホールからずれないように(位置ずれしないように)支えることは難しい。
そこで、エアバッグ袋体を良好に展開させるために、インフレータのガス発生量をある程度増す必要があった。
したがって、ベントホールからのガス放出を適正におこなうことが可能になり、エアバッグ袋体を良好に展開させることができる。
よって、ベントホールカバーに開口部を経てエアバッグ袋体の内圧を作用させることができる。
したがって、ベントホールカバーとベントホールとの間に隙間が形成され、形成された隙間からガスを外部に放出することでエアバッグ袋体の内圧を適正に調整することができる。
これにより、ベントホールに対するベントホールカバーの位置ずれを、カバーガイド部材で一層良好に規制することができる。
よって、露出された部位が膨張過程において開口部側に折り返された場合に、露出された部位が開口部まで到達して開口部に引き込まれることを防止できる。
これにより、ベントホールを開放するようにベントホールカバーを確実に移動させることができる。
よって、膨張過程において、露出された部位は、左右の先端で移動方向に対して傾斜した状態に折り返し方向が規制される。
したがって、ベントホールを開放するようにベントホールカバーを円滑に移動させることができる。
車両10は、運転席11の前方に配置されたステアリングホイール12上に車両用エアバッグ装置13が収納されている。
エアバッグ装置13は、車両10に衝突エネルギーが作用した場合に、運転者の前側に展開して運転者(乗員)を拘束して保護するものである。
エアバッグ装置13は、高圧ガスを発生するインフレータ20と、インフレータ20で発生したガスが導入されるエアバッグ袋体30と、エアバッグ袋体30をステアリングホイール12(図1参照)上に取り付けるリテーナ22および固定リング23とを備えている。
この第1基布31は、インフレータ20を挿入するインフレータ挿入孔32と、インフレータ20を取り付ける複数のボルト孔33と、ガスを放出する(逃がす)ベントホール34とが形成されている。
インフレータ20の先端部をエアバッグ袋体30内に案内することで、インフレータ20で発生したガスがエアバッグ袋体30の内部へ導入される。
このベントホール34は、インフレータ挿入孔32の中心CPから所定距離だけオフセットした位置HP(ホール中心HP)に、配置されている。
第1の基布31とベントホールカバー60、およびベントホールカバー60とカバーガイド部材70は、各々の表面と裏面とが互い違いに対面するように配置されている。
さらに、ベントホールカバー60の摩擦抵抗の大きい面に、カバーガイド部材70の摩擦抵抗の小さい面が対向されている。
そして、一体に縫合された第1補強シート81、第1基布31、第2補強シート82、ベントホールカバー60、カバーガイド部材70および第3補強シート83は、インフレータ20(具体的には、取付フランジ21)と固定リング23との間に挟み込まれている。
この状態において、取付フランジ21のボルト孔および固定リング23のボルト孔が、第1基布31のボルト孔33…に対して同軸上に配置されている。
取付フランジ21がステアリングホイール12内のリテーナ22に取り付けられることで、エアバッグ袋体30が取付フランジ21を介してリテーナ22に支持されている。
縫合部51,52,53は、インフレータ挿入孔32の中心CP寄りの縫合始点54…から外周部42の縫合終点55…まで渦巻き状に縫合されている。
よって、エアバッグ袋体30のバッグ内圧によって、縫合始点54に応力を集中させることができる。
すなわち、破断用縫合部51〜53は、インフレータ挿入孔32の中心CPから縫合始点54までの距離が全て同一であり、中心CPから縫合終点55までの距離も全て同一である。
また、インフレータ挿入孔32の中心CPからホール中心HPの中心を通って方位0°に向けて延びる直線を基準線SL1とする。
さらに、第1の基布31の面上において、基準線SL1に対し直交する直線を直交基準線SL2とする。
縫合始点54は、ベントホール34よりも径外方に位置する。縫合終点55は、基布31,41の外周縁に達する手前に形成され、これにより終点と、外周縁との間にガスが流入することが許容される。
同様に、第3の破断用縫合部53は、方位240°を縫合始点54とし、第2の破断用縫合部52の外周に沿いながら、図反時計回りに240°だけ渦巻き状に縫合されて、方位0°を縫合終点55とする。
各破断用縫合部51,52,53は、径方向に所定の間隔を有して離間している。この間隔は、縫合始点54から縫合終点55へ進むにつれて徐々に狭くなる。
縫合部51,52,53が破断されることで、エアバッグ袋体30の体積を大きくしてエアバッグ袋体30の内圧を調整することが可能である。
ベントホールカバー60は、ベントホール34を覆うことで、エアバッグ袋体30のバッグ内圧が所定値に到達するまでベントホール34を塞ぐことが可能で、エアバッグ袋体30のバッグ内圧が所定値に到達したとき、バッグ内圧でベントホール34を開放するように移動可能なシート状のフラップである。
ベントホールカバー60は、延出部62および直交部63で略T字状に形成され、延出部62および直交部63の交差部66がベントホール34に対応するように形成されている。
なお、ベントホールカバー60は、図2に示す基準線SL1に対して左右対称に形成されている。
このカバー基部61は、インフレータ挿入孔32の周囲において、第1基布31に一体に縫合されている。
この直交部63は、延出部62の上方に設けられた交差部66と、交差部66から左方向に略水平に延出された左帯状部64と、交差部66から右方向に略水平に延出された右帯状部64とを備えている。
すなわち、直交部63の上縁は、図2に示す直交基準線SL2に対して略平行に形成されている。
右帯状部64の下縁(側縁)64cは、交差部66から右先端に向けて上り勾配でテーパ状に延出されている。
また、右帯状部64の先端64dは、エアバッグ袋体30の縫合部43に沿って傾斜状に形成されている。
すなわち、左右の帯状部64,64の先端部64a,64aは、「露出された部位」である。
延出部62の左側縁(側縁)62bおよび左帯状部64の下縁64cが交差する部位に凹状の左コーナ縁(コーナ縁)68が形成されている。
左コーナ縁68からベントホール34の周縁34aまでの左コーナ距離(距離)がL1に設定されている。
右コーナ縁69からベントホール34の周縁34aまでの右コーナ距離(距離)が、左コーナ距離と同様に、L1に設定されている。
左コーナ距離L1および右コーナ距離L1は、上縁距離L2より小さく設定されている。
よって、エアバッグ袋体30のバッグ内圧で左コーナ縁68および右コーナ縁69をベントホール34に引き込む際に、左コーナ縁68や右コーナ縁69の引込みが延出部62で妨げられることが考えられる。
このため、ベントホールカバー60の形状が不安定となり、ベントホールカバー60とベントホール34との間の隙間からのガスの流出量を安定化することができない虞がある。
よって、交差部66の上縁66aとベントホール34との間に隙間を形成する際に、左コーナ縁68とベントホール34との間に隙間を良好に形成するとともに、右コーナ縁69とベントホール34との間に隙間を良好に形成することができる。
これにより、交差部60の変形を抑制して形成した隙間からガスを外部に良好に放出して、エアバッグ袋体30の内バッグ圧を好適に調整することができる。
ホール閉部位86は、交差部66に形成されている。
なお、カバーガイド部材70は、図2に示す基準線SL1に対して左右対称に形成されている。
このガイド基部71は、インフレータ挿入孔32の周囲において、第1基布31に一体に縫合されている。
これにより、インフレータ20とカバーガイド部材70との相対位置の調整が容易となり製造精度が向上する。
このガイド部72は、ベントホールカバー60の直交部63に重ね合わされ、上辺部72bが第1縫合部73で第1基布31に縫合され、左下辺部72cが第2縫合部74で第1基布31に縫合され、右下辺部72dが第3縫合部75で第1基布31に縫合されている。
また、ガイド部72は、破断用縫合部51〜53近傍まで延出配置され、左右の先端(先端)72a,72aが第1基布31に縫合されることなく開放されている。
第1縫合部73の右側部位73aと第3縫合部74との間に右帯状部64が配置され、右帯状部64の先端部(露出された部位)64aが右先端72aからガイド部72の外部に突出されている。
さらに、ガイド部72は、ホール閉部位86に対応する部位88に開口部77が円形状に形成されている。
よって、凹状の左コーナ縁68および凹状の右コーナ縁69をカバーガイド部材70で覆わないようにすることができる。
開口部77は、ベントホール34と同軸上に形成されている。
よって、ベントホールカバー60の直交部63が移動(摺動)するとき、ガイド用の3つの縫合部73〜75で直交部63が案内されるとともに、直交部63の移動方向が規制される。
換言すれば、第1縫合部73は、ガイド部72の上縁に略平行に縫合されている。
換言すれば、第2縫合部74は、左先端72a近傍から左側縁62b近傍までインフレータ挿入孔32に近づくよう下り勾配に傾斜するように縫合されている。
換言すれば、第3縫合部75は、右先端72a近傍から右側縁62b近傍までインフレータ挿入孔32に近づくよう下り勾配に傾斜するように縫合されている。
第1縫合部73の応力集中抑制部76,76は、第1縫合部73の上側に形成されている。
第2・第3縫合部74,75の各応力集中抑制部76,76は、第2・第3ガイド用縫合部74,75の下側にそれぞれ形成されている。
本実施例においては、応力集中抑制部76,76は、第1〜第3の縫合部73〜75に沿うように略長円形即ち、湾曲状に形成されている。
これにより、第1〜第3の縫合部73〜75が各応力集中抑制部76,76から破断することを防止でき、ベントホールカバー60を円滑に移動(摺動)させることができる。
よって、ベントホールカバー60の被カバー部位85がベントホール34に対して位置ずれすることをカバーガイド部材70で規制することができる。
よって、ベントホール34に対するベントホールカバー60の位置ずれを、カバーガイド部材で確実に規制することができる。
よって、ホール閉部位86に開口部77を経てエアバッグ袋体30のバッグ内圧を作用させることができる。
したがって、ベントホールカバー60とベントホール34との間に隙間が形成され、形成された隙間からガスを外部に放出することでエアバッグ袋体30の内圧を適正に調整することができる。
左帯状部64の露出された部位(すなわち、先端部)64aが開口部77側に折り返された場合に、折り返された先端部64aが開口部77まで到達して開口部77に引き込まれることを防止できる。なお、右側についても同様である。
これにより、ベントホールカバー60を確実に移動させて、ベントホール34を開放することができる。
左帯状部64の露出された部位(すなわち、先端部)64aは、左先端72aで移動方向に対して傾斜した状態に折り返される。なお、右側についても同様である。
したがって、ベントホール34を開放するようにベントホールカバー60を円滑に移動させることができる。
図8(a),(b)は本発明に係るエアバッグ袋体を途中まで展開した状態を説明する図であり、図8(b)は図8(a)の8b−8b線断面図を示す。
(a)において、車両10(図1参照)に所定値を超えた衝突エネルギーが作用した場合、インフレータ20からエアバッグ袋体30内にガスが矢印Aの如く導入される。
エアバッグ袋体30内にガスが導入されることでエアバッグ袋体30が展開を開始する。
よって、ベントホールカバー60の左右側の先端部64a,64a(右側の先端部64aは図8(a)参照)が縫合部51〜53で第1・第2の基布31,41に拘束されている。
特に、ベントホール34に対応する交差部66(詳しくは、交差部66のうち、開口部77に相当する箇所を除いた部位)がカバーガイド部材70で覆われている。
よって、エアバッグ袋体30は、中央部や縫合部51〜53間の規制された容積内で速やかに一様な膜圧分布に達する。
このため、エアバッグ袋体30は、適切なバッグ内圧を維持しながら、次第に容積を増加し、所定の形状となるように展開する。
(a)において、縫合部51〜53(図8(a)参照)が破断されることで、エアバッグ袋体30のバッグ内圧を好適に保ちながらエアバッグ袋体30を所定の形状に展開することができる。
一方、エアバッグ袋体30のバッグ内圧が、カバーガイド部材70の開口77を経てベントホールカバー60のホール閉部位86に矢印Bの如く作用している。
よって、交差部66の上縁66aとベントホール34との間に隙間を形成する際に、交差部66の変形を抑制して左コーナ縁68とベントホール34との間に隙間を良好に形成するとともに、右コーナ縁69とベントホール34との間に隙間を良好に形成することができる。
よって、凹状の左コーナ縁68および凹状の右コーナ縁69をカバーガイド部材70で覆わないようにすることができる。
図9(b)で説明したように、左右のコーナ縁68,69とベントホール34との間に隙間を良好に形成し、かつ、左右のコーナ縁68,69をカバーガイド部材70で覆わないようにした。
余剰ガスを外部に良好に放出することで、エアバッグ袋体30が最大形状となった後でもエアバッグ袋体30のバッグ内圧の過剰な上昇を防止して、バッグ内圧を好適に調整することができる。
Claims (3)
- インフレータから導入されたガスにより展開可能で、前記ガスを外部に放出可能なベントホールが設けられたエアバッグ袋体であって、
前記ベントホールを覆い、前記エアバッグ袋体に生じた所定の内圧で前記ベントホールを開放するように移動可能なベントホールカバーと、
前記ベントホールカバーを覆い、前記ベントホールカバーが前記所定の内圧で前記ベントホールを開放するように移動することを許容するカバーガイド部材とを備え、
前記カバーガイド部材のうち、前記ベントホールに対応する部位に開口部が形成され、
前記ベントホールカバーは、前記インフレータ側から延出された延出部と、前記延出部の先端から前記延出部に対して略直交する方向に延出された直交部とを備え、
前記延出部および前記直交部で略T字状に形成されるとともに、前記延出部および前記直交部が交差する交差部を前記ベントホールに対応するように形成し、
前記カバーガイド部材は、前記交差部の両側に向けて前記直交部に対向するように延出された、
ことを特徴とするエアバッグ袋体。 - 前記カバーガイド部材の先端から前記ベントホールまでの距離寸法は、
前記カバーガイド部材の先端から前記ベントホールカバーの先端までの長さ寸法より大きいことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ袋体。 - 前記カバーガイド部材は、
先端が前記直交部に対して傾斜するように形成されたことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ袋体。
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