JP5274570B2 - セルフシャープニング形オートシグナリング摩耗部品 - Google Patents

セルフシャープニング形オートシグナリング摩耗部品 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも第1および第2材料部分を含み、第1材料部分が鋳造合金の鋳造体によって構成された、改善された耐摩耗性および摩耗強度を有する摩耗部品であって、該鋳造体が、作業ツールのホルダ部に着脱自在に固定するための後方固定部を含み、該作業ツール内で摩耗部品が交換可能な消耗品を構成し、鋳造体がさらに、後方固定部からその長手軸Xに対し斜めに突出する前方頚部をも含み、該突出前方頚部が外側先端を有し、前記外側先端の最外部に少なくとも1つの先端摩耗面が配され、該先端摩耗面が作業面Cに対して能動的に作業する部分を構成し、前記突出頚部が前記外側先端の少なくとも1つの先端摩耗面から摩耗し始め、第2材料部分が少なくとも1つの細長い硬質金属ロッドから成り、少なくとも1つの細長い硬質金属ロッドが第1材料部分の突出頚部の実質的に軸方向内側で摩耗部品の長手対称面A内に固定され、少なくとも1つの細長い硬質金属ロッドが前記外側先端のより大きい先端摩耗面の一部を構成する少なくとも1つの自由ロッド摩耗面を含む一方、少なくとも1つの細長い硬質金属ロッドの他の全ての側面が前記第1材料部分によって包囲されかつ適位置に固定されて成る、摩耗部品に関する。
現在、程度の差はあれ硬い土壌および岩石物質をほぐして作業面から分離し、その後これらの作業された物質を適切に除去できるようにするための土作業機のツールに装着された摩耗部品ホルダに着脱自在に配置される、交換可能な摩耗部品を含む多くの様々な市販の摩耗部品システムが存在する。そのような摩耗部品システム、ツール、摩耗部品、および摩耗部品ホルダの1例は、ここでは特に、以下で浚渫機カッタとも呼ばれる浚渫機の回転カッタヘッドによって構成され、その歯システムは摩耗歯とも呼ばれる交換可能な摩耗部品を含み、該摩耗歯は歯ホルダに着脱自在に装着される。そのような摩耗部品システムは、言うまでもなく、掘削機用のショベル、ロックブレード、またはドリルビット等のように、他のタイプの土作業機ツールにも使用される。
特に浚渫機カッタの場合、前記摩耗歯は、ドライブシャフトを介して回転可能である中心ハブに配置された中心回転体から複数突出する、程度の差はあれ湾曲したアームまたは螺旋状の細長いカッタヘッドブレードに沿って、特定の距離だけ離して配置される。カッタヘッドブレードは、通常環状部を含む回転体の前端でハブから螺旋状にかつ後方に向かってツールの送り方向に回転体の後端まで延びることが好都合であり、回転体はカッタヘッドブレードを一体に保持し、回転体内には、ほぐされた作業済み物質を前記カッタヘッドブレード間の空間を介して運び去るための吸引装置も配置される。
そのような歯システムは通常、「雌部品」および「雄部品」の形の2つの主連結部品を含み、雌部品および雄部品の正確に合致する共通の幾何学的形状を介して相互作用により一緒に一体品、複合「歯」、すなわち前記歯システムを形成し、複合歯は例えばカッタヘッドブレードの前縁、ドリルビットのカッタ、またはショベルおよびロックブレードの鋭利な切刃に沿って相互に隣接して配置された一連の歯のうちの1つとすることができる。雌部品または雄部品がツールにどれだけ奥まで取り付けられるかはあまり重要ではなく、重要なことは、2つの連結部品が相互に対して取外し可能かつ係止可能であること、およびホルダ部を構成する部品がツールに恒久的に固定されることである。
したがって、このタイプの「複合歯」は、第1連結部品、すなわち何らかの形の作業部、例えば先端または切刃を有する例えば交換可能な前摩耗歯の形の上記摩耗部品を含み、かつこのタイプの摩耗部品だけのために第2連結部品に特注された特定の溝、開口、またはピンに取り付けるための固定部品、好ましくは、その本体または頚部、例えば歯体または歯頚部に対するその後部品また下部品、例えば後部シャフトまたは開口、すなわち後部または下部固定ホルダ部、ここでは歯ホルダをも含む。交換可能な摩耗歯の歯ホルダへの動的でありながら、しかも信頼できる固定を達成するために、連結部品は、該部品に共通しかつ解除可能な係止機構を有する連結システムを含む。各々のそのような連結システムはきわめて特徴的な形状を有し、それぞれの連結部品は、各「歯」の摩耗部品を意図された場所で正しい位置に効果的に確実にかつ機能的に完全に固定された状態で維持させようとして、相互作用する表面、および上記のシャフト、溝等の形、1つ以上の固定要素、例えば係止ピン、および/または摩耗部品のホルダ部への締結を実現するための1つ以上のクランプ装置を備え[SE−524301(EP−1644588)と比較されたい]、また、摩耗が最小限であってもなお不可避の摩耗のため、摩耗部品を解放し、特定ツールを引き続き使用するために新しい摩耗部品と交換しなければならなくなるまで、連結部間の摩耗を最小限に止めることも含む、それ自体の特異的な解決策を含む。
このタイプの公知の市販の歯システムは、シャフト、ピン、および溝または開口によって構成される連結部品間の結合部に沿って配置される、特別に構成され相互作用する接触帯を介して、ツールの使用による荷重(F)を吸収するように設計される。
しかし、ツールの使用中に、連結形状の長手対称面Aと平行な荷重だけでなく、この対称面から逸れる荷重も作用することは理解されるであろう。本質的に、各作用荷重(F)はしたがって、第1に、実質的に正面から作業面と平行にかつ前記結合部に対して略軸方向に作用する剪断力成分Fcと、第2に、実質的に上から作業面に対し垂直に作用する垂直力成分Fsと、第3に、横から作業面と略平行にかつ対称面Aに沿って前記摩耗歯の範囲に対し、すなわち連結部品の共通結合部の前に歯体のより強力な突出範囲を構成する前記歯頚部に対しより垂直に作用する少なくとも1つの横方向力成分Fpとを含む(図1および図3参照)。該歯頚部は、摩耗部品の使用中に、歯体の残部からそれに対し特定の角度で突出する。横方向力成分Fpは一般的に剪断力成分Fcおよび垂直力成分Fsより小さい。
後、前、下方、上方、垂直、側方または水平等のような、この明細書で使用する位置を表わす用語はしたがって、前記力の上記定義、および連結部品の相互関係のみならず、作業面に対するそれらの位置からも導出することができる。
本特許出願に係る歯システムの新しい概念は多くの特徴を含み、該特徴は単独でまたは組み合わせて現在公知の歯システムと比較して独特であり、かつ該特徴は公知の歯システムで生じ得る多くの問題に対し、有利な解決策をもたらす。
従来の歯システムでは、歯システムは比較的頑丈であるが、作業にさらされ、例えば作業面に対する駆動、輸送、穿通、圧搾、剪断等の効果を耐えまたは有する座面また他の作業面の過早損耗を有することは事実である。摩滅または摩耗にさらされる全てのそのような表面を以下では、特定の機能に関係なく、摩耗面とも呼ぶ。本願に示す実施形態では、摩耗部品は取外し可能であるが、作業中は前記ツールに対して完全に固定され、該摩耗部品は、取外し可能であるがさらに部品自体の長手軸を中心に回転自在である摩耗部品とは対照的に、ツールの最外部のホルダ部に固定される。しかし、本発明に係る摩耗部品が多くのタイプの作業ツールにどのように適用されるかは、たとえ本明細書の実施例で明示的に図示されなくとも、当業者には把握されるであろうと推察する。
例えば回転カッタヘッドを有する浚渫機では、浚渫船は浚渫船の船尾を回転自在に係留される。ウィンチは船の船首の左舷および右舷に配置され、該ウィンチは海底に係留され、それにより、カッタヘッドがそのドライブシャフトを中心に回転すると同時に、船の船首は船尾錨を中心に左右に揺動しながら巻き上げることができる。摩耗歯のこの回転使用中に、歯先は通常、前記横方向力成分Fのため、歯頚の前端の対向する2つの側面の1つから最初に摩耗する。すなわち頚部の広がりに対する2つの長手方向側面の1つが、作業面に対してベアリング面または第1摩耗面を構成するが、浚渫機ツールはウィンチを利用して前記揺動および掃引動作をしながら海底を前後にも案内されるので、対向面の摩滅も発生し、そこに第2摩耗面が形成される。
作用力成分F、F、Fは強度が絶えず変化し、多くの方向から作用するので、鋼は疲労を免れることができず、したがって鋼の異なる強度特性が同時に厳しい浚渫作業に耐えるには低すぎる場合、歯先の鋳鋼は大きめの裂片またはフラグメントに分裂する傾向があり、それは摩耗歯の効果が無くなるまで歯頚全体を非常に早急に摩滅させ、また交換が間に合わなかった場合には、歯ホルダが損傷するリスクもある。したがって、現在使用されている従来の浚渫機の摩耗部品はずっと早く摩耗し、ずっと頻繁に新しい摩耗歯と交換しなければならず、結果的に歯のコストが高価になり、コストのかかる運転停止が多くなる。同様に、他のタイプの摩耗ツールでも不利な展開が支配的である。さらに、歯頚は最大可能な広がりを有し、したがって最大作業長さまたは摩耗長さを有することは事実であり、それは例えば最大許容座屈および曲げ荷重によって決定される。鋳鋼に対する荷重が過剰になると、長すぎる歯頚は極めて簡単に破断することができ、すぐに摩耗歯を全く使用不能にする。これを防止するために、摩耗歯が基部に向かって増大する断面を有することが知られており、それによって今度は、摩耗面が摩耗するにつれて各接触面または摩耗面が大きく鈍化していくので、摩耗歯の穿通作用は最終的に全く無価値になるという不利な特徴が得られる。
現在、浚渫機ツールのカッタヘッドは、どの摩耗歯を交換する必要があるかを点検できるようにするために、水から引き上げなければならない。これは、第1に、カッタヘッドはいずれにしても引き上げられ、点検で摩耗歯が次の外観検査まで持ちこたえられないと感じられるので、特定の摩耗歯が不必要に交換されることを意味し、第2に、特定の摩耗面は交換が遅すぎるので、特定の場合には歯ホルダが重大な損傷を免れないことを意味する。これが非常に不利益であることは、フル稼働の典型的な浚渫機では毎週4000〜5000個の摩耗歯が交換されることを知れば、容易に理解されるであろう。わずか5%が不必要に交換されると、これは毎週非常に大きい余分なコストを掛けることになる。
ここで考慮しなければならない別の不利点は、放置された摩耗歯が、回収しなければならない有価金属を含有することである。現在使用されている特定の摩耗部品のように、摩耗強度を高めるために硬質金属粒子または硬質金属チップが鋳鋼に混合されている場合、2種類の金属材料を経済的に回収するという問題が生じる。
したがって、第1に、特定の摩耗歯は、歯ホルダがすでに重大な損傷を受けてしまってから交換されること、および特定の場合の回収は高コストでありかつ複雑でもあることとあいまって、過早摩滅、現在あまりにも短すぎる摩耗長さ、まだ完全に摩滅していない摩耗歯の無作為かつ制御不能な交換の問題を解決することが要望されている。
特許明細書SE449383(米国特許第4584020号)は、図3に鋳造合金および鋳込み硬質金属の摩耗層を含む掘削歯または浚渫歯を示す。この摩耗歯は内側摩耗層を含むが、第1にこれは歯先の幅全体にわたって配置され、したがってたとえ新品でも鈍いので、最適な穿通機能を有さず、第2に摩耗層は歯の中心線上にもその2つの対称面A、B内にも配置されないので、摩滅は摩耗歯をさらに鈍化させ無効化する。すなわち摩耗歯を時期尚早に廃棄しなければならないか、あるいは摩耗層が再び中心線上で終るように研磨しなければならないかのいずれかである。
1.5重量%〜2.5重量%の炭素含有量を有する前記SE449383(米国特許第4584020号)の鋳鋼は軟らかすぎる鋼になるので、内側摩耗層が少しずつ余計に徐々に露出し、それによって摩耗層は極めて簡単に破断する。これは、破壊強度が低すぎるので、摩耗層が鋳鋼の支持無しに荷重に耐えることができないためである。したがって、摩耗部品が内側摩耗層を有するという事実にかかわらず、摩耗層は効率向上効果を経験する前に極めて大きいフラグメントに事実上分裂するので、不利なことに摩滅は早急である。加えて、低炭素含有量(<0.20%)の鋼膜を硬質金属体の周りに配置しなければならないことは維持される。膜の融点は鋳造合金の融点より200〜400℃高くしなければならない。
先行技術で使用されるノジュラ鋳鉄は一般的に約38HRCの低い硬度を有し、低合金鋼である摩耗層は40〜53HRCの間の硬度を有し、それは上述の摩耗部品の低合金鋼マトリクスが、先行技術に係る匹敵する鋳鉄製品に対して約2倍の強度を獲得することを意味する。さらに、これは単なる理論的比率であり、現実には、摩耗層が脆弱であり、支持する鋳鋼が欠如し、該鋳鋼は上述の通り、耐摩耗性であるには軟らかすぎ、したがって早急に摩損するので、摩耗部品はいっそう弱くなる。したがって、これを解決する方法は未解決の問題のままであり、該問題は長年認識されているのに、上述の通り著しい経済的誘因にも関わらず、これまで充分に解決されてこなかった。上記の先行技術に基づき、本体を形成するために比較的高い炭素含有量の鉄合金に硬質金属を鋳込むべきであることがこれまで考えられてきたことは明瞭であり、先行技術では、例えば米国特許第4584020号によると、前記本体はその後より低い炭素含有量の鉄合金に鋳込まれる。
低合金鋼の鋳造における従前の試みは、結果的に鋳鋼に対する結合帯での硬質金属の溶解、および前記結合帯における脆弱なタングステン鉄炭化物ファイバの形成を生じた。さらに、鋳鋼および硬質金属表面のこの融合中に、不純物または水分が鋳造摩耗部品の内部の結合帯に不利な気泡およびしたがってキャビティを発生させることがあり得、それは前記結合帯の接着性および強度を低下させ、したがって摩耗面の大きめの裂片またはフラグメントへの上記の制御不能な分裂を引き起こし、それは、硬質金属が設けられるか否かに関係なく、摩耗歯が無効になるかまたは歯ホルダが損傷するまで、歯頚全体を非常に早急に摩滅させる。
溶融鋳鋼が鋳型内のそのための空間に注入されると鋳込み部が移動するので、鋳込み部、この場合は硬質金属の摩耗層を鋳型に実際に配置することは、それ自体問題である。従前の解決策は例えば前記空間の内側に種々の支持体を含み、該支持体は次いで鋳造作業中に溶融され、溶融鋳鋼と結合する。この公知の方法は、支持体が溶融したときに鋳込み部が所望の位置から移動し、さらに支持体のこの溶融は鋳造コンパウンドに不純物を形成し、摩耗部品および鋳込み部と鋳鋼の残部との間の結合帯の所望の性質を変化させるという著しいリスクを引き起こすことは理解されるであろう。摩耗部品の鋳造中に、例えば接着の低下が生じるおそれがあり、気泡が発生するおそれがあり、脆弱な金属混合物が鋳鋼の前記結合帯に形成されるおそれがある。
本発明およびその種々の実施形態の1つの目的は、この摩耗部品を実現するための作業ツールのホルダ部に着脱自在に固定される、改善された摩耗部品を提供することであり、該摩耗部品は上述した問題を実質的に軽減し、理想的に除去し、硬質金属補強付きの摩耗部品は従前より有効に活用することができる。
この目的の改良点は、本発明およびその種々の実施形態により、セルフシャープニングを実現するための作業ツールのホルダ部に着脱自在に固定するためのセルフシャープニング形摩耗部品を提供することであり、前記セルフシャープニング形摩耗部品は、上述した摩耗部品の鈍化の問題を実質的に軽減し、理想的には除去する。
前記目的は、ここに列挙しない他の目的と同様に、本発明の独立特許請求項に記載した範囲で充分に満たされる。本発明の実施形態は独立請求項に記載されている。
こうして、本発明にしたがって、次の特徴を持つ改善された摩耗部品が作成された。
−摩耗部品の少なくとも1つの細長い硬質金属ロッドが、その中心を突出頚部の力中立帯に置いて、突出頚部の長手軸Yに略同軸に配置され、突出頚部の長さLより短い長さZを含み、内側鋳込み端は後方固定部の長手軸Xから特定の距離で明確に終端するので、内側鋳込み端の最終的摩滅時に登録可能な振動を含むオートシグナルを発生し、それによって稼働中に摩耗部品の交換が必要であるという自動報告機能を発生する。
本発明に係る摩耗部品のさらなる態様によると、
−内側鋳込み端は、後方固定部がホルダ部内に固定された状態で、歯ホルダの頂面から特定の距離で終端し、したがって歯ホルダ内に挿入された後方固定部の長手軸Xから特定のさらなる距離でも終端する。
−第1材料部分は摩耗抵抗が細長い硬質金属ロッドより低い材料から構成され、そういう意味で第1材料部分の低い強度と細長い硬質金属ロッドの高い強度との間の比率は、セルフシャープニング能力を生成するために、細長い硬質金属ロッドの自由ロッド摩耗面が第1材料部分の先端摩耗面の残部に対して常に、周囲の突出頚部より余計に突出するようにされる。
−摩耗部品は異なる摩耗抵抗を有する少なくとも2つの摩耗面を含み、前記少なくとも2つの摩耗面は、摩耗部品のセルフシャープニング能力を生成するために、摩耗抵抗が細長い硬質金属ロッドの半径方向に上昇するように配置される。
−摩耗部品の少なくとも2つの摩耗面が細長い硬質金属ロッドを中心に同心層状に配置される。
−細長い硬質金属ロッドは突出頚部の長手軸Yに対して0〜15度の範囲内の角度(λ)に配置される。
−細長い硬質金属ロッドは、外側先端の当初の先端摩耗面の中心から計算して、突出頚部の長さ(L)の80〜95%の長さ(Z)に配置される。
−細長い硬質金属ロッドは、800〜1750HV3の平均硬度を有する材料によって構成される。
−摩耗部品のための作業ツールは、内側鋳込み端の最終的摩滅時に登録可能な振動を登録し、それによって細長い硬質金属ロッドが摩滅し、交換しなければならないことを示すように構成されたセンサを含む。
−細長い硬質金属ロッドは円錐台形に構成される。
−細長い硬質金属ロッドは10mm〜30mmの最大幅を有する。
−細長い硬質金属ロッドの長手軸を横断する細長い硬質金属ロッドの断面は、正方形または長方形の形状を有する。
−細長い硬質金属ロッドの長手軸Y´を横断する細長い硬質金属ロッドの断面は、円形または楕円形の形状を有する。
−摩耗部品は、前記摩耗部品の中心に配置された第1硬質金属ロッドと、第1硬質金属ロッドに対して周囲に配置された少なくとも1つのさらなる硬質金属ロッドとを含む。
−摩耗部品は、摩耗歯の外側先端と摩耗歯の後方固定部との間に配置された少なくとも1つの補強部を含む。
前記目的のみならず、本明細書に列挙しない他の目的も、独立特許請求項に記載する請求の範囲内で充分に満たされる。本発明の実施形態は、独立請求項に記載される。
本発明およびその実施形態によると、多くの有利な効果が得られる。
硬質金属を鋳造によって鋳鋼に鋳込み、その際に鋳鋼が低炭素含有量を有し、鋳造プロセス中の温度が正確に確認され、かつグラファイト形成に近い炭素含有量を有する硬質金属を使用すると、性能が向上し、かつ耐摩耗硬度が改善した摩耗部品を得ることができる。
耐久性がより高くより硬質の硬質金属のコアが包囲された新しい摩耗歯の使用寿命は、従来の均質な鋼材の従前より使用される摩耗歯と比較して、かなり延びる。鋳込み硬質金属ロッドによる摩耗強度は、そのような硬質金属ロッドを持たない従来の摩耗歯と比較して、少なくとも4〜5倍高くなる。たとえ硬質金属ロッドのコストが摩耗部品のコストの倍になるとしても、数百%という非常に強力な使用寿命の増大を得ることができるので、それは非常に経済的である。
摩耗歯の使用中に、カッタヘッドは回転するため、歯先は通常、歯頚の2つの側面、すなわち頚部の広がりに対する2つの長手方向側面の片面から最初に摩耗し始める。しかし浚渫ツールはウィンチを利用して揺動および掃引動作を行いながら海底を前後に案内もされるので、反対側でも摩滅が発生するため、先端面の真ん中および硬質金属ロッドの中心線の略真上にリッジ状または脊椎状切刃またはカッタを形成することができる。該リッジまたは脊椎は、歯ホルダの長手方向の広がりおよび歯頚の長手方向広がりと略平行である。この切刃は、硬質金属ロッドが消耗するまで前記回転および揺動動作によって絶えず研磨される。鋳鋼の摩滅が早すぎて硬質金属の長いビットが突出すると、これは適切な長さに折れ、次いで素早く削られて前記鋭利な山状切刃になる。摩耗強度を高めるために鋳鋼に硬質金属粒子または硬質金属チップを使用する従来の摩耗歯はしたがって、硬質金属ロッドが対称面Aに配置された本発明によって得られる実質的な利点をもたらさない。
実際のカッタは進行方向に見てブレードの後に来るので、作業面の頂部だけを引きずって物質を削り取るだけの負の迎え角とは対照的に、浚渫機のカッタヘッドブレードの摩耗歯は、作業面に対して正の切削角で、すなわち地面に切り込む迎え角で配置される。
さらなる利点および効果は、多くの有利な実施形態、特許請求の範囲、および添付する図面の図を含め、本発明についての以下の詳細な説明の考察および検討から明らかになるであろう。
本発明について、以下で添付の図を参照しながらさらに詳しく説明する。
図1は、斜め上に配置された歯頚を含む、本発明に係る摩耗歯の好適な実施形態の部分の略側面図であり、該歯頚に対する作用荷重の剪断力成分Fおよび垂直力成分Fが概略的に示され、かつ歯頚の上部が部分縦断面で示され、硬質金属ロッドの形の鋳込み部が別個に示される。 図2は、歯ホルダに取外し可能かつ係止可能に固定するための後方固定部、および歯頚の前部の最外部で摩耗歯の長手対称面Aを示す中心線の両側にある2つの摩耗歯を示す、図1に係る摩耗歯を上から見た略平面図である。 図3は、歯頚の前部から脊椎状補強部の両側にある補強側翼、および下に位置するトルクラグのみならず、この目的のために選択された位置にある歯システムの連結部間に発生する荷重および作用荷重の横方向力成分Fの伝達および位置決めのために意図された摩耗歯の歯体にある複数の接触面および逃げ面をも示す、図1に係る摩耗歯を後方から見た略端面図である。 図4a〜dは、図1に係る硬質金属ロッドの部分を概略的に示し、図4a〜cは、歯頚の前歯先から突出する硬質金属ロッドすなわちその固定シャフトの自由端を図の右側に、かつ鋳鋼の歯頚の内側に冶金的に接続されたその固定端を左側に、2つの側面図および1つの縦断面図として示す。直径変化の形の切欠きを介する所望の破壊点、および後で固定シャフトを取り外した後に形成される摩耗端の凹部も図4dに示される。 図5は、図1に係る歯頚の略断面図を示す。カッタヘッドの動作中の作用荷重の位置の0〜90度の変化、すなわち剪断力成分Fおよび垂直力成分Fの大きさの変動を含めて、硬質金属ロッドに接し、脊椎部分と硬質金属ロッドとの間の支持帯が特に示される。 図6は、露出した硬質金属ロッドの摩耗面の両側に側方摩耗面を含む、歯頚の前部の略正面図である。 図7は、溶融鋳鋼用の砂シェル型の特殊形状の空間内部の正しい位置に固定された、後で分離される固定シャフトを有し続ける、図4に示した硬質金属ロッドの形の鋳込み部がある、砂シェル型の半体を概略的に示す。 図8は、確実に固定されるが着脱自在に配置される図1に係る摩耗歯を持つ多くの歯ホルダが固定された、ショベル形ブレードを持つカッタヘッドの一部を概略的に示す。 図9は、MurakamiおよびNitalによるエッチング後の硬質金属ロッドの鋼と鋳鋼との間の結合帯の光学−オプチカル顕微鏡写真である。図9および10では次の表記が使用される。A−鋳鋼、B−エータ相帯、C−硬質金属の結合帯、D−影響されない硬質金属、E−鋳鋼の炭素豊富帯 図10は、図9の拡大図である。 図11は、結合帯に垂直な線に沿ったタングステンW、コバルトCo、鉄Fe、およびクロムCrの分布を示す。A−鋳鋼、B−エータ相帯、C−硬質金属の結合帯、D−影響されない硬質金属、E−鋳鋼中の炭素豊富帯 図12a〜cは、図1に係る硬質金属ロッドのさらなる実施形態を概略的に示す。ここで固定シャフトは鋳込み端に使用される硬質金属より軟らかい種類の構造用鋼から作ることが適切である。鋳込み端の反対側の端で硬質金属ロッドの一対のキャビティ内に一対の把持部を押し込むことによって、別個の固定シャフトは硬質金属ロッドに固定される。
指定される構成要素が図中で同一詳細によって構成される場合、以下では多くの用語に対し一貫して同一参照番号が適用される。例えば材料部分3、鋳込み部3、および硬質金属ロッド3は全て、図で同一詳細によって構成される。
図1は、改善された耐摩耗性および摩耗強度を有する、本発明に係る摩耗部品1の好適な実施形態を概略的に示す。摩耗部品1はここでは特に摩耗歯1によって構成される。摩耗歯1は少なくとも2つの材料部分2、3を含む。第1材料部分2は、本願では鋳鋼2とも呼ぶ鋳造合金を含む鋳造体2と、後方固定部4から斜め上方に突出し、かつ少なくとも1つの先端摩耗面7を持つ外側歯先6を有する前歯頚5とによって構成される。歯頚5、歯先6、および先端摩耗面7に対し、作用荷重の剪断力成分Fおよび垂直力成分Fが概略的に示され、また、歯頚5の上部が部分縦断面図で示される。第2材料部分3は、第1材料部分2の低炭素鋳鋼2内に鋳込むための、少なくとも1つの細長い硬質金属ロッド3の形の少なくとも1つの鋳込み部3によって構成され、前記縦断面図に別個に示される硬質金属ロッド3は、摩耗部品1の長手対称面A内に、第1材料部分2の歯頚5の内側に略軸方向に、好ましくは頚部5の長手軸Yに略同軸に固定され、硬質金属ロッド3は、前記歯先6の先端摩耗面7の一部を構成する、本明細書で以後ロッド摩耗面8と呼ぶ自由摩耗面8を含む一方、全ての他の側面は前記第1材料部分2によって包囲され、固定されることが好ましい。
図2は、作業ツール11における歯ホルダ10とも呼ばれるホルダ10内に取外し可能かつ係止可能に固定するための後方固定部4、および歯頚5の前部の最外部で、その歯先6に、摩耗歯1の長手対称面Aを示す中心線の両側に1つずつ、先端摩耗面7の2つの部分7a、7bを示し、作業ツール11内で摩耗歯1は交換可能な消耗品を構成し、部分7a、7bは硬質金属ロッド3を包囲する。図3は、歯頚5の前部の裏面14に沿って脊椎状三角形補強部13(脊椎部分13とも呼ばれる)の両側で歯頚5の強度を補強する側翼12、12´、および下部に位置するトルクラグ15、のみならずこの目的のために選択された位置で歯システムの連結部品間に生じる荷重および作用荷重の横方向力成分Fの伝達および位置決めのために意図された、摩耗歯1の鋳造体2の複数の接触面および逃げ面をも示す。
摩耗部品1の使用中に(図1参照)、剪断力成分Fは実質的に前から作業面Cと平行に、かつ摩耗部品1の固定部4に対して略軸方向に作用する一方、垂直力成分Fは実質的に上から、作業面Cと垂直に作用する。横方向力成分Fは、片側または両側から作業面Cと略平行に作用すると共に、摩耗歯1の歯ホルダ10の前で歯体2の強力に突出する延長部を構成する前記摩耗歯1の広がり、すなわち摩耗歯の前記歯頚5に対してより垂直に作用する(図4参照)。摩耗部品1の使用中に、歯頚5は、歯体2の残部から最初にそれに対して特定の角度で、すなわち摩耗歯1の固定部4および歯頚5をそれぞれ通過する長手軸X、Y間の角度αで突出し、角度αは図1に示す実施形態では68゜の最適角度を成し、次に作業面Cに対して特定の角度で突出し、該角度βは図では前記作業面Cに沿って作用する剪断力成分Fに対して112°の最適角度を成し、かつ垂直力成分Fに対して最適には角度22°を成す角度δで突出する。図示する実施形態では、硬質金属ロッド3の長手軸Y′はしたがって同様に、前記垂直力成分Fに対して22°の最適角度で、かつ歯頚5の前面9および歯頚5の長手軸Yと平行に配置されなければならない。しかし、この角度λは、硬質金属ロッド3の長手軸Y´から好ましくは±0〜15°だけ変動することができ、該長手軸は図1に示され、歯頚5内に略同軸配置され、かつ歯頚5の前面9と略平行でもある。図1に示す前記長手軸X、Y間の前記角度αは好ましくは、50°〜90°の区間内で変動し得る。配置された補強部、すなわち摩耗歯1の少なくとも脊椎部分13および側翼12、12´は、歯頚5に沿って下方に増大する断面積をもたらし、かつ摩耗歯1の摩滅が大きくなるにつれて、歯頚5はますます鈍化することに注目されたい。
図4a〜dは、図1に係る硬質金属ロッド3の部分を概略的に示し、図4a〜cは、2つの側面図および1つの縦断面図の形で、歯頚5の前歯先6から突出する硬質金属ロッド3の自由端、すなわちその固定シャフト16を図の右側に、かつ鋳鋼2の歯頚5の内側で冶金的に接続されるその鋳込み端17を左側に示す。直径変化18の形の切欠き19を介する所望の破壊点18、および後で固定シャフト16の取外し後に形成された摩耗端すなわちロッド摩耗面8の凹部19も図4dに示される。
図5は歯頚5の断面を示し、特に、カッタヘッド11の動作中に対称面Aに作用する荷重の位置の0〜90°の変化、すなわち剪断力成分Fおよび垂直力成分Fの大きさの変動を含む、脊椎状補強部13と硬質金属ロッド3との間で硬質金属ロッド3に当接する支持帯20が示される。2つの力成分F、Fはとりわけ負の曲げ荷重を生じる一方、略垂直に作用するFは、硬質金属ロッド3を有利に圧縮する荷重を生じることができるが、該圧縮荷重は摩耗歯1の鋳鋼2に座屈および曲げ荷重を引き起こし得るので、歯頚5は、これらの欠点に対抗する背13および側翼12、12´の補強部を含む。図5には有利な特徴が示される。すなわち、支配的な荷重すなわち剪断力成分Fおよびしたがってその摩滅効果は、その側縁21のFと共に、歯頚5の前面9に作用し、硬質金属ロッド3はその外端を、鋳鋼縁部または歯頚5の作業先端摩耗面7の後部の支持帯20によって硬質金属ロッド3に当接して支持されるので、摩耗部品1の固定部4に当接する歯頚5の後部の鋳鋼2はあまり大きく摩耗されない。浚渫機カッタ用の最適な摩耗歯1は、大きい荷重に対する最大限の抵抗が、最大限の穿通のための最小限の断面積と同時に得られるように設計しなければならない。これらの要件は相互に矛盾するので、従前の公知の摩耗歯では、より大きい直径の鋳鋼の内側に穿通性を増大させるための相対的により小さい直径の補強硬質金属ロッドが無いので、歯頚5が折れるのを防止するために歯頚の長さを短く維持しなければならないことは理解されるであろう。長い歯頚5は変動する荷重によって前後に曲がるので、長い歯頚5は疲労を免れ得ない。これは、鋳鋼2および硬質金属3の縦弾性係数間の設定バランスによって、かつ歯頚5に沿った鋳鋼2および硬質金属3の断面積間の比率によって防止される。
図6は、露出した硬質金属ロッド3の摩耗面8の両側にある先端摩耗面7の2つの側方部分7a、7bを含む歯頚5の前部の略正面図を示す。先端摩耗面7の2つの側方部分7a、7bはここでは硬質金属ロッドの摩耗面8を包囲する。図8は、摩耗歯1が確実に固定されているが着脱自在に配置されている多くの歯ホルダ10が固定された、ショベル形ブレードを有するカッタヘッド11を示す。図9は、MurakamiおよびNitalによるエッチング後の硬質金属ロッド3の鋼と鋳鋼2との間の遷移帯とも呼ばれる結合帯の光学−オプチカル顕微鏡写真である。
図7を参照すると、2つのシェル部を含むシェル砂型23が概略的に示されており、成形され固化された砂から作られた2つのうちの1つのシェル部23´が示され、該シェル部は、将来の摩耗部品1に応じた特殊形状の再使用可能な金型で予め製作されており、該金型内で結合剤を混合され広げられた砂が硬化されて前記2つのシェル部分の各々になり、それらは実際の鋳造に対して充分に剛性であり、かつそれらの長手対称面に沿った類似の形状のため、同一金型内で硬化される。これらの2つのシェル部分23´はしたがって一緒に空間を形成し、それにより空間内で鋳造される、好ましくは浚渫機用の摩耗歯1であるがそれに限らない摩耗部品1に、長手対称面Aに沿った規則正しい長手方向形状がもたらされる。しかし、不規則な摩耗部品には様々な形状が必要になることは理解されるであろう。
例えば振動によって砂を取り出した後、鋳造摩耗部品1は、以下鋳鋼2とも呼ぶ以下で定義する鋳造合金から作られた、本明細書で以後歯体2とも呼ぶ鋳造体2と、この説明ではロッド状すなわち長形であり、したがって以下で硬質金属ロッド3と呼ぶ、焼結硬質金属の少なくとも1つの軸方向長手鋳込み部3とを含む。歯頚5の中心に摩耗強度の増大および非常に高い摩耗抵抗を持つ硬質金属ロッド3を含む少なくとも1つの細長い内部摩耗体が生成され、摩耗歯1の歯体2から前歯先6が突出するように、硬質金属ロッド3は、鋳造前および鋳造中にそれぞれのシェル部23´で固定することによって、かつ硬質金属ロッド3の表面と鋳鋼融液との間の界面または結合帯(図9および10参照)の鋳造後に、その中心を完成した歯体2の力中立帯すなわち引張り応力および圧縮応力が実質的に同じ大きさなる位置に置いて、鋳造歯体2内部の対称面Aに沿って固定することが好ましい。この歯先6は硬質金属ロッド3を包囲する鋳鋼2に高い靭性を有するので、歯頚5は硬質金属ロッド3による補強を通してずっと高い破壊強度を得る。歯先6はこの目的のために(図1および図2参照)、少なくとも1つの外側先端摩耗面7を備え、それは第1に、歯頚5内に略同軸にかつ摩耗歯1の長手対称面A(図2および図3に線で示す)内に配置することが好ましい硬質金属の摩耗面8、および第2に、硬質金属ロッド3を好ましくは完全に包囲する、硬質金属ロッド3の摩耗面8より低い摩耗強度および低い摩耗抵抗を持つ鋳鋼2から作られた先端摩耗面7の2つの部分7a、7bを含む。図1は長手対象面Aに加えて、歯頚5自体および硬質金属ロッド3に沿って前記A面に対し垂直に延び、この場合作用荷重Fの剪断力成分Fを吸収するための脊椎状補強部13を除いてその断面が実質的に規則的である、(図5参照)対象面Bをも含む。結果的に得られる摩耗部品1はそれによって、全体的に、高い靭性およびセルフシャープニング効果を維持すると同時に、大きく増大した摩耗強度および何倍にも増大した破壊強度の両方を達成する。セルフシャープニング効果については、以下でさらに詳しく説明する。それは前記材料の強度特性にも適用される。
シェル砂型23(図7参照)での鋳造の前に、硬質金属ロッド3の固定は、硬質金属ロッド3の一端に、以下でその固定シャフト16とも呼ばれる少なくとも1つの固定治具、例えば1つ以上の固定用突耳25(図4d参照)を含み、該固定シャフト16は、鋳造および取出しの後、歯頚5から突出する硬質金属ロッド3の自由端16を構成する一方、固定シャフトとは反対側のその鋳込み端17は、例えば誘導炉から鋳造融液が充填される空間内の前記固定治具によって確実に固定された状態に維持される。このプロセスの1つの利点は、硬質金属ロッド3が鋳造中に鋳型23ここではシェル砂型23の内部のその固定位置に完全に固定されるので、鋳造融液が注入されるときに硬質金属ロッド3の位置が変化しないことである。従前の解決法は、例えば前記空間内部の種々の支持体を含み、次いで該支持体は溶融され、鋳造作業中に鋳造融液と結合された。この公知のプロセスは、支持体が溶融するときに鋳込み部3が所望の位置から移動するという顕著なリスクを招き、かつさらに支持体のこの溶解物は鋳造融液中の不純物を形成し、該不純物は摩耗部品1、鋳込み部3と鋳鋼2の残部との間の界面および結合帯24の所望の性質を変化させることは理解されるであろう。例えば、接着不良が発生することがあり得、摩耗部品1の鋳造中に鋳鋼2または前記界面および結合面24に気泡が発生し得る。接着不良は作用力にさらされたときに硬質金属ロッド3にとって不充分な支持帯20をも生じるので、硬質金属ロッドはさらに壊れ易くなる。
シェル砂型23を開き、摩耗歯1を離型した後、歯頚5の前歯先6から突出する硬質金属ロッド3の固定シャフト16は取り外される。この目的のために、切欠き19を介する所望の破壊点18が、硬質金属の成形中および仕上がった硬質金属ロッド3に焼結する前に、すでに設けられているので好都合である。該破壊点18は、硬質金属ロッド3がシェル砂型23に固定されているときに、シェル砂型23の鋳造溶融液に接する限定表面近くに固定的に配設される。破壊が歯先6の外側先端摩耗面7内で直接発生するか、または充分に深い切欠き19が形成された場合には歯先6の外側先端摩耗面7と同じ高さで発生するように、硬質金属ロッド3は充分に脆弱であるので、取外しが固定シャフト16を叩き落すことによって達成されることは好都合である。
図12a〜cには、硬質金属ロッド3上に押し付けられた別個の固定シャフト16が概略的に示されている。固定シャフト16は、鋳込み端17に使用される硬質金属より軟らかい種類の従来の鋼から作られることが適切である。別個の固定シャフト16は、一対の把持部16aおよび16bを鋳込み端17とは反対側の端で硬質金属ロッド3の一対のキャビティ27a、27b内に押し込むことによって、硬質金属ロッド3に固定される。鋳鋼2内の硬質金属ロッド3の鋳込み後に、固定シャフト16の取外しは、把持部16aおよび16bをキャビティ27a、27bから取り外すことによって容易に行われる。
硬質金属ロッド3の固定シャフト16の分離を達成する他の考えられる方法は、第1に、所望の破壊のための上述した位置で硬質金属の残部に固定シャフト16として、より安価な材料、好ましくはより従来の鋼を溶接または焼結するものである、その後、この場合の分離は、従来の鋼を切断する安価な切断用ホイールにより簡単に達成することができるが、硬質金属にはダイヤモンドカッタが必要になる。また第2に、そのような材料のシャフト16を互いに相互作用するピンおよびピン穴26、27(図4c参照)によって固定するために、硬質金属ロッド3の準備段階で、硬質金属ロッドの焼結前に、1つのピン26/穴27が設けられ、かつ焼結後に固定シャフト16の対向穴27/ピン26が嵌合される。鋳鋼2の溶融に使用されるタイプの炉はある程度異なる温度の鋳造融液をもたらし、以下の温度範囲はそれを考慮に入れている。
硬質金属ロッド3の鋳鋼2への鋳込みが、硬質金属ロッド3を包囲する鋳鋼2との冶金的前記界面または結合帯24を形成する硬質金属ロッド3の表面、ピン温度に関して、主として溶融方法に応じて異なるが、好都合にも約1500〜1700℃で、好ましくは1550〜1650℃で達成されることは好都合である。歯体2および硬質金属ロッド3の表面のこの融合中に、不純物または水分が界面、結合帯24、または鋳造摩耗部品1の内部に不利益な材料の障害、亀裂、気泡および窩洞、接着不良、および強度低下を引き起こし得る。
硬質金属ロッド3は硬質金属ロッド3と鋳鋼2との間の界面または結合帯24を1つ以上の金属膜(図示せず)、例えばニッケルまたは鋼膜で被覆することもできる。全てが適切に管理されると、すなわち鋳込み部3が入念に清掃され、かつ乾いた状態に維持されると、鋳鋼における体積収縮を介して有利なシュリンクプレテンショニングが達成される。硬質金属ロッド3はこうして、別個の鋼材間で協働する鋳継ぎに沿って、鋳鋼2に結合され、冶金的結合が前記界面および結合帯24に得られると同時に、圧縮プレテンショニングを含む焼き嵌めが形成される。
取り外された硬質金属ロッドフラグメント16は好都合にも新しい硬質金属ロッド3の製造のために回収することができ、それは前向きな環境効果および経済的利点の両方を生み出す。シェル砂型鋳造は大半の摩耗部品にとって充分に平滑な表面を生じるので、大きい仕上げ加工無しに、複雑な形状を持つ摩耗部品、例えば摩耗歯を作製することが可能である。
好適な実施形態では、硬質金属ロッド3は10〜30mm、好ましくは約18〜23mmの直径を有し、硬質金属ロッド3は、好ましくは内側鋳込み端17に向かって径が大きくなるように、やや円錐形状とすることができる。本願に示す実施形態は、長手対象面A内で、かつ実質的にそれと垂直な対象面B(図1参照)内で、歯頚5の力中立帯に同軸配置される第1に硬質金属ロッド3を含むが、好都合であると考えられる場合には、より多くの硬質金属ロッドを設けることは本発明の概念内に存在する。例えば超硬質金属ロッドは、余分の摩耗防止補強が望まれる歯頚5の断面の特定領域内で、同軸硬質金属ロッド3に対し周囲に配置することができる。硬質金属ロッド3のロッド摩耗面8は、例えばその断面の観点から、対称横断または筒状摩耗面A、Bの一方または両方の面に対して、正方形、長方形、円形、楕円形を含むことができる。直径に関して上述したことは、この場合、非円形断面の最大幅とみなされる。筒状摩耗面の場合、筒は周囲の鋼とは異なる鋼種によって満たされることが考えられる。内側鋳込み部3は次に1つ以上の鋼種によって包囲することもできることは理解されるであろう。硬質金属ロッドは例えば円錐台として構成することができる。
硬質金属ロッド3は、歯頚5の内側に軸方向の広がりZを有する、該硬質金属ロッド3は、歯頚5の前面9と略平行に走る歯頚5の長手Y軸に対し略平行にまたは特定の定義された角度λを成して走る(図1および図5参照)。該角度λは0〜15度の範囲内にあり、広がりZは、当初の歯頚5の自由外端すなわちその当初の先端摩耗面7から前記長手Y軸に沿って測定して、長さLの歯頚5の長さLの約80〜95%であり、該広がりは硬質金属ロッド3の下部鋳込み端17で内側方向に明瞭に画定され、そこで摩耗部品1のオートシグナリング機能を補強するために丸みを帯びることが好都合である。
突出前方頚部5の全摩耗長さLは、当初の先端摩耗面7の中心から2つの補強側翼12、12´の上側まで測定される長さである。本発明の他の実施形態(図示せず)では、細長い硬質金属ロッド3の前記軸方向の広がりZは、前方突出頚部5の全摩耗長さLの約65〜95%であり得る。
硬質金属ロッド3はよく定義された広がり、すなわち歯頚5の全摩耗長さLより短い硬質金属ロッド3の長さZを有するので、摩耗歯1がオートシグナリングであるという効果、すなわち摩耗部品1が摩滅し交換しなければならないことを摩耗部品1が自動的に通知するという効果が事実上達成され、これは、摩耗歯1が固定された作業ツール11に、登録可能な性質、例えばウィンチまたはドライブシャフトの振動またはトルク抵抗の変化が発生するという事実のおかげである。こうして硬質金属ロッド3は摩耗歯1の歯ホルダ10の頂面から特定の距離で歯頚5に固定されるので、歯頚5が余計に摩耗し過ぎる結果として歯ホルダ10が作業面Cと直接接触するというリスクが無い。すなわち、摩耗部品1の全作業長さLが消耗したときに、オートシグナルを受信するとすぐに摩耗部品1が交換される。ひとたび硬質金属ロッド3が摩滅すると、摩耗歯1そのシャープニングの作業能力は非常に大きく変化するので、例えば振動が発生し、該振動は手動的にまたは適切なセンサによって検知され、それによって例えば既存の作業用摩耗歯1を今交換する必要があることが、浚渫機機械オペレータに警告される。
浚渫機のカッタヘッド11は、どの摩耗歯1を交換する必要があるかを検査できるようにするために、水から引き上げなければならなかったので、これ(オートシグナル機能)は、従前よりずっと有利かつ効果的な摩耗部品1の交換をもたらす。これはまた、カッタヘッド11がいずれにしても引き上げられ、摩耗歯1が次回のそのような外観検査までもちこたえられないと感じられるため、かつ特定の摩耗歯1の交換が遅すぎると、歯ホルダ10が重大な損傷を受けるので、特定の摩耗歯1が不必要に交換されたことをも意味する。
本発明により、とりわけ、全ての摩耗歯1を非常に正確に交換することができるので、ツール11の作業の有効性が増大すると共に、回避できない稼動停止の回数も著しく減少するという、有利なさらなる特徴が得られる。オートシグナルが登録された後で交換が行われると、摩耗歯1の歯ホルダ10が損傷するリスクも無くなる。さらなる利点は例えば、硬質金属ロッド3が交換される前に事実上ちょうど摩耗するので、残った摩耗歯1は非常にしばしば1つの材料だけ、鋳鋼2を含有することである。したがって残留歯の回収はきわめて簡単になる。硬質金属が完全に無くなる前に交換が行われる場合、このフラグメントは摩耗部品1の残部から切り落とすことができ、その後、この場合は均質な鋼材から作られた残留歯、および貴重な硬質金属を含む残りの歯頚フラグメントの回収が別々に実行される。硬質金属は鋳鋼とは異なる融点(約1500〜1700℃)を有するので簡単に分離することができる。
さらなる利点は、硬質金属ロッド3と鋳鋼2の残部との間の界面および結合帯24がプレテンショニングを経験し、そこで界面24が硬質金属ロッド3のより強力な係止を可能にする特徴を獲得することである。硬質金属ロッド3と鋳鋼2との間の結合帯24は、溶解して鋳鋼2と混合された、幾分溶融した硬質金属を含み、それによって、より軟質の鋳鋼で包囲されるより硬い硬質金属コアが形成され、1220〜1450HV3の硬度を持つより軟質の結合帯が、鋳鋼2と硬質金属コア3との間に形成される。硬質金属コア3はしたがって、鋳鋼2への鋳込みにもかかわらず、完全に無傷であり、影響を受けない。以下で記載する例示的実施形態より多少軟らかい硬質金属コアが使用された場合、前記結合帯24における亀裂のリスクは低減されるが、ツール11が使用されるときに耐久性が低減する。好適な実施形態では、硬質金属ロッド3は約800〜1750HV3の平均硬度を有する。
硬質金属ロッド3の固定シャフト16が上記にしたがって取り外された後、歯頚5の自由前部先端摩耗面7に小さい欠刻を見ることができるが、この前部先端摩耗面7の摩滅の結果生じるセルフシャープニング、すなわち摩耗歯1の歯頚5の研磨が迅速に発生するので、硬質金属ロッド3が露出し、作業面Cのほぐし作業が開始される。先端摩耗面7内にこの内部ロッド摩耗面8を持たず、作業面Cに接する鈍磨接触面を常に有する従来の摩耗歯とは異なり、本発明に係る摩耗歯1の穿通効果は常に得られる。片面または両面摩滅の場合、摩耗歯1がツール11のその位置に適切に固定された場合(特に図5および図8参照)がそれに該当するが、鋳鋼の先端摩耗面7a、7bに対して硬質金属3のロッド摩耗面8は依然として前方突出先端を構成するので、歯ホルダ10に対して固定された摩耗歯1の先端摩耗面7が作業面Cと擦れ合って、先端摩耗面7に切刃29が形成される(図6参照)という事実はあまり重要ではない。回転先端面の場合、切刃は形成されない。
セルフシャープニング効果は、鋳鋼2および硬質金属ロッド3が異なる摩耗抵抗(摩耗強度とも呼ばれる)を有するという事実のおかげで得られ、硬質金属の方がより高い摩耗強度を有するので、ツール11およびしたがって摩耗歯1が使用されたときに、鋳鋼2の摩耗抵抗と硬質金属3の摩耗抵抗との間のバランスが得られるように、より低い抵抗を有する鋳鋼2は、鋳鋼2に包囲された硬質金属ロッド3より早く摩耗し、摩耗歯1の使用中に硬質金属ロッド3が露出するので摩耗歯頚5が絶えず研磨され、したがって作業面Cを効果的に穿通する。硬質金属ロッド3が完全に摩滅し、摩耗部品1の交換が必要であることを自動報告機能が自動的に知らせるまで、徹頭徹尾、硬質金属ロッド3は歯頚5から最も遠くに突き出る摩耗歯1の部分であり、したがって常に作業面Cに対して作業する一方、鋳鋼2の作業面Cに対する作業の程度は低いか全く零である。
摩耗部品1でよりよく定義されたセルフシャープニング効果を得るために、硬質金属ロッド3の周りに、各層の摩耗抵抗が異なる複数の層の形で(図示せず)周囲鋳物2を配置することが有利になり得る。層の摩耗抵抗はそれらの硬度および厚さによって定義される。層の構造は多数の仕方で変化させることができる。摩耗抵抗を硬質金属ロッド3に向かって半径方向内向きに徐々に増大させるために、層の厚さおよび硬度を歯頚5の断面内で内向きに歩進的に増大させることができる。代替的に、層は摩耗抵抗が硬質金属ロッド3の長さに沿って増大するように配置することができる。層の数、厚さ、および硬度を予め定められたように変化させることによって、様々な用途向けに摩耗部品1を特注設計することも可能である。摩耗の性質に応じて、異なるセルフシャープニングプロファイルを有することが有利になり得る。特定の用途では円錐状のセルフシャープニングプロファイルが有利であり得、別の用途では凸状のセルフシャープニングプロファイル等が有利であり得る。
特定の用途では、摩耗は摩耗部品1の周りに不均一に分散される。それは摩耗部品1の特定の部分が他の部分より大きく摩耗することを意味する。その場合、不均一な摩耗を補償するように、相応して摩耗部品1の周りに不均一に層を分散することが有利であり得る。
カッタヘッド11が揺動動作をしながら回転する浚渫機で摩耗歯1が使用される場合、摩耗歯1の長手対称面Aの両側で摩耗が生じるので、硬質金属の中心の略真上にリッジ状切刃29が形成される。この切刃29は、その場合、硬質金属ロッド3が消耗するまで前記回転および揺動動作によって絶えず研磨される。
従来の摩耗歯の先端面と比較したさらなる利点は、被作業面の最も硬い部分が硬質金属先端8によってほぐされる一方、この硬質金属先端8の周りの鋳鋼2の先端摩耗面7のより従来の部分7a、7bは摩滅率がより低くなり、したがって作業面Cはすでにほぐされているので、摩滅長さ当りの効果が増大する。摩耗歯1の使用寿命はしたがって、数百%改善することができる。
硬質金属ロッド3の作業長さZは、歯頚5自体を含み硬質金属ロッド3の周りでそれ自体下方に同軸的に増大することもできる歯頚5の全断面積が、少なくともその側面21および後面14ならびに図1〜3に示す背部分13および側翼12、12´を含む周囲補強部12、13で、好ましくは下方に向かって歯ホルダ10の方向に増大するので、歯先6が鈍磨し過ぎるリスクがある場合に、硬質金属ロッド3が明瞭に消耗して、硬質金属ロッド3の耐久性増強効果が突然消失し、程度の差はあれ直ちに鈍磨した摩耗歯1をもたらし、それにより摩耗歯1を交換する必要性がオペレータに警告されるような大きい振動の増加および/または作業面Cに対する作業能力の記録可能な低下、ならびにしたがって生産の顕著または検知可能な喪失をも生じるように構成される。
硬質金属ロッド3の周りの鋳鋼2が早く摩耗するという事実のため、摩耗部品1の切断、摩耗、または穿通作業の実質的な部分を実行するのは常に硬質金属ロッド3であり、その効果を我々はセルフシャープニングと呼ぶ。これは、摩耗歯1がより容易に硬質型の土壌および岩石等に穿通することができ、それによって摩耗歯1がより高い効率を達成するという利点を導く。従来使用されている摩耗歯は硬質金属先端を有さず、したがって従来の摩耗歯はその機能をずっと早急に喪失するので、非常に早急に鈍磨する。
さらなる利点は、穿通能力の無い鈍磨状態のマイナス効果を生じることなく、摩耗歯1の前端の周りにより多くの鋳鋼2を使用することが可能であるので、摩耗歯1の前端の強度を歯頚5に沿って高める能力によって達成される。これは、例えば硬質の岩石でも浚渫機のカッタヘッド11の摩耗部品1により穿通して圧搾することが可能であることを意味する。加えて、前記補強側翼12、12´および脊椎状補強部13のような補強部を、カッタヘッド11のノーズとは反対側を向いた摩耗歯1の歯頚5の背部に、または背14の側方の側面21に配置することが有利である。脊椎状補強部13および補強側翼12、12´は、歯頚が折れることなく、歯頚をかなり長くすることができるように歯頚5を強化するので、歯頚5の作業長さ、すなわち摩耗歯1を交換しなければならなくなるまでに摩耗することのできる長さは、そのような補強の無い相応する同軸歯頚よりかなり長くなる。例えば各摩耗歯1が回転筒状先端を含み、それは折れないように非常に短い頚部を有する必要があるので、筒状先端を持つ摩耗歯を非常に頻繁に交換する必要があり、結果的に費用のかかる稼動停止の回数が多い、カッタヘッドは従前より公知である。
本発明に係る摩耗歯1の好適な実施形態は、歯頚5の基部に向かって増大する断面を含み、該断面はそれぞれ、硬質金属ロッド3の好ましくは全ての側面14、21、9を包囲しかつ頚5の基部に向かって増大する断面の1つ以上または全ての側面14、21、9を有する歯頚5、歯頚5の基部に向かって増大する断面の補強脊柱13、側翼12、12´のような2つの対向部分、すなわち硬質金属ロッド3の両側に1つずつ、歯頚の基部に向かって増大する断面の配列鋳鋼部分、または前記代替物の2つ以上の組合せを含む。
硬質金属ロッド3を歯頚5に収容させる上記の構成により、摩耗歯1の性質は、鋳鋼体については今日の従来の摩耗歯と少なくとも同じように有利であることが判明しており、同時に、歯頚5の少なくとも中心に硬質金属ロッド3を配置することは、摩耗歯1の性質、例えば破壊強度等が向上することを意味する。それぞれの鋼材の摩耗が相互に正確に一致するように各鋼材が特定の相互均衡状態にある場合、歯先6および歯頚5が対向する2方向から摩耗していくと、鋭利な刃縁29が先端摩耗面7の対向する2つの傾斜部7a、7bの間に先端摩耗面7を横方向に横断する中心線として形成され、鋭利な刃縁29は鋭利なナイフと同様に働いて、新しい物質を切り離す。より多くの傾斜摩耗面が形成される場合には、代わりに錐状先端が得られ、それは新しい物質をさらに掻きほぐす。
ナイフ機能はさらに、より長い歯頚を作製することを可能にする脊椎形補強部13を含む図1に示す断面によって補強され、したがって歯頚は例えば丸い歯頚よりずっと長く摩耗することができ、例えば曲げ強度が図1に示す補強された実施形態により達成可能な長さに対応できなくなると破損する。丸い歯頚の長さと直径との間の関係は、作業特性が損なわれる前に2を超えるべきではなく、さもなければ破損のリスクが大きくなりすぎる。補強部すなわち先端摩耗面7に直角な背部分13および側翼12、12´を有する構成では、歯頚の長さは、図1に示すように歯頚5の前端における歯頚5の側方寸法より約3〜5倍大きくすることができ、次いでそれは、作業特性を損なうことなく、あるいは破損のリスクが大きくなりすぎることなく、作業長さおよびしたがって摩耗歯1の使用期間を増大させる。
図1〜3に示す通り、脊椎状プロファイル13および切削先端面形状29によるさらなる利点は、実際の摩耗歯1が、ほぐされた作業物質を搬送し運び去るショベル機能でも動作することである。
以下、実施例を具体的に示す。
上で鋳鋼とも呼ばれた次の好適な鋳造合金は、主として鉄系(Fe)95.0〜96.0重量%合金を含み、合金材料は以下を含むことが好ましい。
例示的実施形態1:(重量パーセント)
鋳鋼の化学組成:
C 0.24〜0.28重量%
Si 1.40〜1.70重量%
Mn 1.00〜1.40重量%
P 最大0.025重量%、好ましくは0.020重量%
S 最大0.020重量%、好ましくは0.013重量%
Cr 1.25〜1.50重量%
Ni 0.40〜0.60重量%
Mo 0.17〜0.22重量%
Al 最大0.03〜0.08重量%、好ましくは0.045重量%
Ti 最大0.04〜0.10重量%、好ましくは0.07重量%
N 最大180ppm、好ましくは120ppm
DI 焼入れ性指数 最小6.6、好ましくは7.3、最大10.8。
熱処理:
900〜1050℃での完全焼なまし/焼準。時間:最低3時間±1時間、または1時間/25mm長さ。
開放空気中で冷却、850〜1000℃まで加熱。時間:1時間±0.5時間。水性ポリマ浴または水中で硬化。
200〜300℃で焼き戻し。時間:3時間±1時間、または長さ25mm当たり1時間。開放空気中で冷却。全ての時間は構成部分全体の温度上昇に基づいている。
機械的性質:
ブリネル硬度 HB 最低450、好ましくは475
降伏点 RP0.2 最低1200MPa、好ましくは1300MPa
破壊強度 Rm 最低1450MPa、好ましくは1550MPa
伸び A 最低2%、好ましくは5%
断面収縮 Z 最低4%、好ましくは10%
衝撃強度 KV+20 最低12J、好ましくは15J
衝撃強度 KV−20 最低12J、好ましくは12J
鋳鋼の縦弾性係数 195〜220GPa
硬度は、鋳造および2mm研削後に測定する。
硬質金属の化学組成:
約0.5〜7.0μm粒径のタングステンカーバイドに10〜25重量%のCoおよび/またはNi。
ビッカース硬度 3 800〜1750HV3
界面または結合帯の性質:
ビッカース硬度 3 1220〜1450HV3
例示的実施形態2:(重量パーセント)
鋳鋼の化学組成:
C 0.31〜0.36重量%
Si 1.10〜1.50重量%
Mn 0.80〜1.10重量%
P 最大0.025重量%、好ましくは0.015重量%
S 最大0.015重量%、好ましくは0.010重量%
Cr 1.00〜1.40重量%
Ni 最大0.50重量%
Mo 0.20〜0.30重量%
Al 最大0.03〜0.08重量%、好ましくは0.045重量%
Ti 最大0.04〜0.10重量%、好ましくは0.07重量%
N 最大180ppm、好ましくは120ppm
DI 焼入れ性指数 最小6.6、好ましくは7.3、最大10.8。
熱処理:
900〜1050℃での完全焼なまし/焼準。時間:最低3時間±1時間、または1時間/25mm長さ。
開放空気中で冷却、850〜1000℃まで加熱。時間:1時間±0.5時間。水性ポリマ浴または水中で硬化。
200〜300℃で焼き戻し。時間:3時間±1時間、または長さ25mm当たり1時間。開放空気中で冷却。全ての時間は構成部分全体の温度上昇に基づいている。
機械的性質:
ブリネル硬度 HB 最低500、好ましくは530
降伏点 RP0.2 最低1300MPa、好ましくは1400MPa
破壊強度 Rm 最低1600MPa、好ましくは1700MPa
伸び A 最低2%、好ましくは4%
断面収縮 Z 最低4%、好ましくは8%
衝撃強度 KV+20 最低10J、好ましくは14J
衝撃強度 KV−20 最低8J、好ましくは10J
硬度値は、特定の位置で鋳造および2mm研削後に測定する。
試験片 50×35mm
冶金的態様およびさらなる構成
鋳鋼2は炭素当量Ceq=重量%C+0.3(重量%Si+重量%P)を有する組成を有し、それは0.9重量%未満であり、好ましくは0.8重量%未満であるが、依然として0.1重量%を超え、好ましくは0.5重量%を超える。鋳鋼は好ましくは約1450〜1550℃の融点を有するCr、Ni、Mo低合金鋼材から構成される。鋳鋼の硬度は45〜55HRCである。
本発明は、Coおよび/またはNiの結合相を持ち、好ましくは遊離グラファイトの形成に近い炭素含有量を有し、コバルトの結合相を持つ硬質金属の場合は磁性コバルト含有量が公称コバルト含有量の0.9〜1.0であることを意味する、タングステンカーバイド(WC)系硬質金属に適用することができる。Ti、Cr、Nb、Ta、またはVの5重量%までのカーバイドが存在することができる。
土工用ツール用に、例えば浚渫機カッタ用に意図された好適な実施形態では、硬質金属は、0.5〜7mmの粒径のタングステンカーバイド(WC)と10〜25重量%のCoおよび/またはNiの結合相含有量を有する。
硬質金属と鋳鋼との間の遷移帯は優れた結合を有し、本質的にキャビティおよび亀裂が無い。しかし、鋳鋼と硬質金属との間の帯における少数の亀裂は、製品の性能に重大な影響を及ぼさない。遷移帯/結合帯には、50〜200μmの厚さを有する薄いエータ相帯(B)が存在する。エータ相帯に最も近接する硬質金属には、0.5〜2mmの幅を持つ鉄含有結合帯(C)が存在する。エータ相帯に最も近接する鋼には、厚さが10〜100μmの炭素含有量が高い帯域(E)が存在する。鋳造方法にしたがって、硬質金属ロッドは鋳型内に固定され、溶鋼が鋳型に注入される。鋳型に注入されるときの溶鋼の温度は1550〜1650℃である。好ましくは、硬質金属ロッドは、鋳型の正しい位置に固定された硬質金属ロッドの周囲を通って鋳型内に送り込まれる鋳鋼融液によって予熱される。冷却は空気中で行われる。鋳造後に、鋼を硬化させ焼き戻すために標準熱処理が実行される。
実施例1
5重量%のNiおよび10重量%のCoおよび粒径4μmの残部タングステンカーバイド(WC)で、直径22mmおよび長さ120mm長さの筒状硬質金属ロッドを、従来の粉末冶金法によって作製した。炭素含有量は5.2重量%であり、硬度は1140HV3であった。
浚渫機用のカッタヘッドに使用されるVOSTA T4システム用の摩耗歯を作製するための鋳型にロッドを固定した。0.26重量%のC、1.5重量%のSi、1.2重量%のMn、1.4重量%のCr、0.5重量%のNi、および0.2重量%のMoを含み、Ceq=0.78であるCNM85タイプの鋼を溶融し、温度が1570℃の溶融塊を鋳型に注入した。硬質金属ロッドは、鋳型内の正しい位置に固定された硬質金属ロッドの周囲を通って鋳型内に送り込まれる鋳鋼融液によって予熱された。空冷後に、歯を950℃で焼準し、920℃で硬化させた。250℃での焼き戻しは、生成物が研削によってその最終形状を得る前の熱処理の最後の段階であった。
歯の硬質金属/鋳鋼間の遷移帯の冶金検査のための歯を選択した。切断、研削、および研磨によって歯の断面を用意した。硬質金属/鋼間の遷移帯を光学−オプチカル顕微鏡LOMで検査した。非エッチング表面とMurakamiおよびNitalによるエッチング後の表面との両方にLOM観察を実行した(図9および図10参照)。鋼と硬質金属との間の結合は良好であり、本質的にキャビティおよび亀裂が無かった。硬質金属と鋼との間には厚さ100μmのエータ相帯Bが見られた。硬質金属内には、影響を受けない硬質金属Dの上に1.5mmの厚さを有する鉄含有遷移帯Cが存在した。鋼内には、50μmの炭素強化帯Eが存在する。結合帯におけるタングステンW、コバルトC、鉄Fe、およびクロムCrの分布も電子プローブ微量分析によって検査した。図11は、結合帯に垂直な線に沿ったタングステンW、コバルトC、鉄Fe、およびクロムCrの分布を示し、遷移帯Cが本質的に鉄結合相のタングステンカーバイドから構成されることが明らかになった。
実施例2
20重量%のCo、粒径が2μmの残部タングステンカーバイド(WC)の組成を有する硬質金属種で、実施例1を繰り返した。磁性Co含有量は18.4重量%であり、硬度は900HV3であった。
代替的実施形態
本発明は、示される実施形態に限定されず、特許請求の範囲内の様々な方法で変更されることができる。
1. 摩耗部品、摩耗歯
2. 第1材料部分、鋳造体、鋳造、鋳鋼
3. 第2材料部分、鋳込み部、細長い硬質金属ロッド
4. 固定部、歯シャフト
5. 歯頚、突出頚部
6. 歯先、外側先端
7. 先端面、歯先摩耗面
8. 自由摩耗面、ロッド摩耗面
9. 歯頚の前面
10. ホルダ部、歯ホルダ
11. 作業ツール
12. 側翼12、12´
13. 脊椎状補強部13、脊椎部分
14. 歯頚5の前部の裏面14
15. トルクラグ
16. 固定シャフト、硬質金属ロッド
17. 鋳込み端、鋳鋼の硬質金属ロッド
18. 破壊点、直径変化
19. 切欠き、凹部
20. 鋳鋼縁部または支持帯20
21. 側縁
22.
23. シェル砂型、シェル部分23´
24. 界面および結合帯
25. 固定突耳、固定用突耳25
26. ピン
27. ピン穴
28.
29. 切刃
30.
. 長手軸X、Y
. 角度α
. 角度β
. 角度δ
. 角度λ
. 剪断力成分Fc
. 垂直力成分Fs
. 横方向力成分Fp
. 作業面C
. 硬質金属ロッドの長さ(Z)
. 歯頚の長さ(L)
42. 対称面A
43. 対称面B

Claims (15)

  1. 少なくとも第1および第2材料部分(2、3)を含み、前記第1材料部分(2)が鋳造合金の鋳造体(2)によって構成された、改善された耐摩耗性および摩耗強度を有する摩耗部品(1)であって、前記鋳造体(2)が、
    前記摩耗部品(1)がツール内の交換可能な消耗品を構成する作業ツール(11)のホルダ(10)に着脱自在に固定するための後方固定部(4)と、
    前記後方固定部(4)から前記後方固定部(4)の長手軸(X)に対して斜めに突出する前方頚部(5)と、
    を備え、前記前方頚部(5)が外側先端(6)を有し、前記外側先端(6)の最外部に少なくとも1つの先端摩耗面(7)が配され、前記先端摩耗面(7)が作業面(C)に対して能動的に作用する部分を構成し、前記前方頚部(5)が前記外側先端(6)の前記少なくとも1つの先端摩耗面(7)から摩耗され、前記第2材料部分(3)が少なくとも1つの細長い硬質金属ロッド(3)から構成され、前記少なくとも1つの細長い硬質金属ロッド(3)が、前記第1材料部分(2)の前記前方頚部(5)の実質的に軸方向内側で、前記摩耗部品(1)の長手対称面(A)内に固定され、前記少なくとも1つの細長い硬質金属ロッド(3)が前記外側先端(6)のより大きい先端摩耗面(7)の一部を構成する少なくとも1つの自由ロッド摩耗面(8)を含む一方、前記少なくとも1つの細長い硬質金属ロッド(3)の他の全ての側面は前記第1材料部分(2)によって包囲されかつ所定の位置に固定されるように構成された摩耗部品(1)において、前記摩耗部品(1)の前記少なくとも1つの細長い硬質金属ロッド(3)が、その中心を前記前方頚部(5)の力中立帯に置いて、前記前方頚部(5)の長手軸(Y)に略同軸に配置され、かつ前記前方頚部(5)の長さ(L)より短い長さ(Z)を備え、内側鋳込み端(17)が前記後方固定部(4)の長手軸(X)から特定の距離で明確に終端して、内側鋳込み端(17)の最終摩滅時に登録可能な振動を含むオートシグナルを発生し、それによって稼動中に摩耗部品(1)の交換が必要であるという自動報告機能を発生することを特徴とする摩耗部品(1)。
  2. 前記ホルダ(10)の内側に前記後方固定部(4)が固定された状態で、前記内側鋳込み端(17)が前記歯ホルダ(10)の頂面から特定の距離で終端し、したがって前記歯ホルダ(10)内に挿入された前記後方固定部(4)の長手軸(X)から特定のさらなる距離でも終端することを特徴とする、請求項1に記載の摩耗部品(1)。
  3. 前記第1材料部分(2)が前記細長い硬質金属ロッド(3)より低い摩耗抵抗を有する材料を含むこと、および前記細長い硬質金属ロッド(3)の自由ロッド摩耗面(8)が前記第1材料部分(2)の前記先端摩耗面(7)の残部に対して常に周囲の前方頚部(5)より余計に突出して、セルフシャープニング能力が生成されるように、前記第1材料部分(2)の低い強度と前記細長い硬質金属ロッド(3)の高い強度との間の比率が決定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の摩耗部品(1)。
  4. 前記摩耗部品(1)が異なる摩耗抵抗を有する少なくとも2つの摩耗面(7a、7b、8)を含み、摩耗抵抗が前記細長い硬質金属ロッド(3)の半径方向に上昇して、前記摩耗部品(1)のセルフシャープニング能力が生成されるように、前記少なくとも2つの摩耗面(7a、7b、8)が配置されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の摩耗部品(1)。
  5. 前記摩耗部品(1)の前記少なくとも2つの摩耗面(7a、7b、8)が前記細長い硬質金属ロッド(3)を中心に同心層状に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の摩耗部品(1)。
  6. 前記細長い硬質金属ロッド(3)が、前記前方頚部(5)の長手軸(Y)に対して0〜15度の範囲内の角度(λ)に配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  7. 前記細長い硬質金属ロッド(3)が、前記外側先端(6)の当初の先端摩耗面(7)の中心から計算して、前記前方頚部(5)の長さ(L)の80〜95%の長さ(Z)に構成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  8. 前記細長い硬質金属ロッド(3)が800〜1750HV3の平均硬度を有する材料によって構成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  9. 前記摩耗部品(1)のための作業ツール(11)が、前記内側鋳込み端(17)の最終摩滅時に登録可能な振動を登録し、それによって前記細長い硬質金属ロッド(3)が摩滅し交換しなければならないことを知らせるように構成されたセンサを備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  10. 前記細長い硬質金属ロッド(3)が円錐台形状に構成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  11. 前記細長い硬質金属ロッド(3)が10mm〜30mmの最大幅を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  12. 前記細長い硬質金属ロッド(3)の長手軸に垂直な前記細長い硬質金属ロッド(3)の断面が正方形または長方形の形状を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  13. 前記細長い硬質金属ロッド(3)の長手軸Y′に垂直な前記細長い硬質金属ロッド(3)の断面が円形または楕円形の形状を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  14. 前記摩耗部品(1)が、前記摩耗部品(1)の中心に配置された第1硬質金属ロッド(3)と、前記第1硬質金属ロッド(3)に対して周囲に配置された少なくとも1つのさらなる硬質金属ロッドとを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
  15. 前記摩耗部品(1)が、前記摩耗歯(1)の前記外側先端(6)と前記摩耗歯(1)の前記後方固定部(4)との間に配置された少なくとも1つの補強部(12、12´、13)を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の摩耗部品(1)。
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