JP5274342B2 - 機能性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は機能性フィルム及びその製造方法であって、特に、成膜されたコーティング膜を巻き取ったフィルムロールを送り出して、そのコーティング膜上に無機膜を成膜することで積層構造を備えた機能性フィルム及びその製造方法に関する。
光学素子、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、半導体装置、薄膜太陽電池など、各種の装置に、ガスバリアフィルム、保護フィルム、光学フィルタや反射防止フィルム等の機能性フィルムが利用されている。
また、これらの機能性フィルムの製造に、スパッタリングやプラズマCVD等の真空成膜法による成膜技術が利用される。真空成膜法によって、効率良く、高い生産性を確保して成膜を行なうために、長尺な基材に連続的に成膜することも行われている。
上述の機能性フィルムを製造する一つの方法を説明する。長尺な支持体を、フィルムロールから連続的に送り出し、支持体上に塗布液を塗布し、乾燥、硬膜してコーティング膜を形成し、コーティング膜が成膜された支持体を巻き取り、フィルムロールを作製する。次いで、コーティング膜が成膜されたフィルムロールを真空成膜装置の送出部にセットし、支持体をフィルムロールから連続的に成膜室に送り出し、成膜室でコーティング膜上に無機膜を成膜し、コーティング膜と無機膜の積層構造が形成されたフィルムを巻き取り、フィルムロールを作製する。このような成膜方法を実施する設備として、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の成膜装置が知られている。この成膜装置により、コーティング膜と無機膜の成膜工程を複数回実行することによって、複数の積層構造が形成された機能性フィルムが製造される。
上述の製造方法において、無機膜を成膜する際の巻きずれを防止して機能性フィルムの品質を均一にするため、特許文献1には、真空成膜装置に巻硬度70〜95のフィルムロールを送出し部にセットし、支持体上に無機膜を連続的に成膜する方法が記載されている。
特開平8−92727号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようにコーティング膜が形成されたフィルムロールを巻硬度70〜95で巻き取ったとしても、フィルムロールは支持体を巻き取る際に同伴エアーを巻き込んでしまう。同伴エアーを巻き込んだフィルムロールを減圧された真空成膜装置の送出し部にセットすると、フィルムロール内の同伴エアーが抜け出す。これにより、フィルムロール内部の巻取り時の応力(張力、摩擦力)のバランスが崩れ、フィルムロールが「巻き締まり(ロール径収縮)」の動きを起こしてしまう。
この「巻き締まり」を起こすと、フィルムロールでは、支持体上のコーティング膜が上部にある支持体の裏面と擦れ、また、支持体の裏面に付着したゴミとの接触を起こし、コーティング膜は微小な膜の破裂を発生させ、平滑性を失う。この後に支持体を搬送し、コーティング膜上に無機膜を成膜すると、成膜不良が発生し、無機膜の割れ/抜けの問題を起こす。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、真空成膜法によりコーティング膜上に無機膜を形成するときに、無機膜の割れ/抜け等の欠陥が発生するのを抑制でき、生産性の高い機能性フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の機能性フィルムの製造方法は、フィルムロールから連続的に支持体を送り出し、該支持体の表面にコーティング膜を成膜し、フィルムロールにして巻き取る第1の工程と、前記第1の工程で巻き取られたフィルムロールを真空成膜装置内に装填し、該フィルムロールから連続的に支持体を送り出し、前記支持体のコーティング膜上に無機膜を成膜し、フィルムロールにして巻き取る第2の工程と、を備え、前記第1の工程における支持体がフィルムロールにして巻き取られる前に、該支持体の裏面に塗布膜又はラミネートフィルムを設けて、フィルムロールにして巻き取ることを特徴とする。
本発明によれば、コーティング膜が成膜された支持体がフィルムロールにして巻き取られる前に、該支持体の裏面に塗布膜又はラミネートフィルムを設けて、フィルムロールにして巻き取ることで、支持体の裏面によってコーティング膜層がダメージを受けることが抑制されるので、真空成膜装置でコーティング膜上に無機膜を形成しても無機膜の割れ/抜け等の欠陥が発生するのを抑制することができ、生産性の高い機能性フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の機能性フィルムの製造方法は、前記塗布膜又はラミネートフィルムの硬度が、前記コーティング膜の硬度と比べ、同等以下であることが好ましい。または、本発明の機能性フィルムの製造方法は、前記塗布膜又はラミネートフィルムの表面粗さが、前記コーティング膜の表面粗さと比べ、同等以下であることが好ましい。
このように、コーティング膜の硬度と同等以下、または、コーティング膜の表面粗さと同等以下の状態を支持体裏面に作り出すことで、巻き締まりによってコーティング膜の平滑性が乱されるのを抑制することができる。
本発明の機能性フィルムの製造方法は、前記支持体の裏面に塗布膜を設けた場合には、塗布膜の厚みが50nm以上2000nm以下であることが好ましい。または、前記支持体の裏面にラミネートフィルムを設けた場合には、ラミネートフィルムの厚みが10μm以上200μm以下であることが好ましい。
また、前記支持体の裏面にラミネートフィルムを設けた場合には、前記ラミネートフィルムは、支持体に対して1N/m以上5N/m以下の剥離力になる粘着材が使用されていることが好ましい。
そして、本発明の機能性フィルムの製造方法は、前記無機膜を形成する厚みが20nm以上であることが好ましい。
本発明の機能性フィルムの製造方法によって、前記機能性フィルムの水分透過率を1.0×10−3g/m・day未満とすることができる。
本発明の製造方法によって製造された機能性フィルムは、無機膜の割れ/抜け等の欠陥が抑制されているので、光学素子、表示装置、半導体装置、薄膜太陽電池など、各種の機能性フィルムとして好適に用いることができる。
本発明によれば、真空成膜法によりコーティング膜上に無機膜を形成するときに、無機膜の割れ/抜け等の欠陥が発生するのを抑制でき、生産性の高い機能性フィルム及びその製造方法を提供することができる。
機能性フィルムの製造方法によって製造される機能性フィルムを示す図 機能性フィルムの製造方法を実施する装置の一例を示す図 機能性フィルムの製造方法を実施する装置の他の一例を示す図
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
以下、本発明の機能性フィルムの製造方法について説明する。
図1に、機能性フィルムの製造方法によって製造される機能性フィルムの概念図を示す。
図1に示すように、機能性フィルムの製造方法は、支持体B(フィルム原反)の表面に、所定のコーティング膜12を成膜(形成)し、このコーティング膜12の上に真空成膜法によって無機膜14を成膜して、積層体(以下、機能性フィルム、積層フィルム、光学フィルムともいう。)10を製造するものである。
機能性フィルムの製造方法は、一例として、支持体Bの表面にコーティング膜12を成膜するコーティング膜成膜装置20と、コーティング膜12の上(表面)に無機膜14を成膜する真空成膜装置22とによって積層フィルム10を製造するものである。
図2(A)と図3(A)に、機能性フィルムの製造方法を実施するコーティング膜成膜装置20の一例を概念的に示す。
図2(A)と図3(A)のコーティング膜成膜装置20は、塗布手段26、加熱手段28、および、UV照射装置30を有するもので、予め調製した放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を支持体Bに塗布手段26で塗布し、加熱手段28で乾燥して、UV照射装置30で重合することにより、コーティング膜12を成膜する。
このコーティング膜成膜装置20は、ロール・ツー・ロールによってコーティング膜を成膜するもので、支持体Bは、フィルムロール40として回転軸32に装填され、長手方向に搬送されつつコーティング膜を成膜され、コーティング膜を成膜した支持体Boをフィルムロール42として巻取り軸34に巻き取られる。
フィルムロール40から送り出された支持体Bは、最初に塗布手段26に搬送される。塗布手段26では、支持体Bの表面に、予め調製したコーティング膜12となる放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布する。この塗布液の塗布は、通常の液体塗布方法が全て利用可能である。
支持体Bは、次いで、加熱手段28に搬送される。加熱手段28では、塗布手段26が塗布した塗布液中の溶媒を乾燥する。塗布液の加熱方法には、特に限定はなく、ヒータによる加熱、温風による加熱等、支持体Bの搬送速度等に応じて、UV照射装置30に至る前に、塗布液を加熱可能なものであれば、公知の加熱手段が全て利用可能である。
支持体Bは、次いで、UV照射装置30に搬送される。UV照射装置30では、塗布手段26が塗布し加熱手段28で加熱乾燥した塗布液に、UV(紫外線)を照射することにより、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーを重合させて、コーティング膜12を成膜する。
そして、本発明においては、コーティング膜12が成膜された支持体Bがフィルムロール42にして巻き取られる前に、支持体Bの裏面に塗布膜又はラミネートフィルムを設けて、フィルムロール42にして巻き取るようにする。
図2(A)は、コーティング膜12が成膜された支持体Bがフィルムロール42にして巻き取られる前に、支持体Bの裏面に塗布膜を設けて、フィルムロール42にして巻き取る場合の図である。
コーティング膜12が成膜された支持体Bは、塗布手段90に搬送される。塗布手段90では、支持体Bの裏面に、予め調製した塗布膜となる塗布液を塗布する。この塗布液の塗布は、塗布手段26と同様に通常の液体塗布方法が全て利用可能である。
次いで、加熱手段92に搬送される。加熱手段92では、塗布手段90が塗布した塗布液中の溶媒を乾燥する。塗布液の加熱方法には、特に限定はなく、ヒータによる加熱、温風による加熱等、塗布液を加熱可能なものであれば、公知の加熱手段が全て利用可能である。
次いで、塗布液が放射線硬化性である場合には、UV照射装置94に搬送される。UV照射装置94では、加熱手段92で加熱乾燥した塗布液に、UV(紫外線)を照射することにより、放射線硬化性の塗布液を重合させて、塗布膜を成膜する。
表面にコーティング膜、裏面に塗布膜が設けられた支持体(フィルム)Boは巻取機34で巻き取られる。
なお、支持体Bの裏面に設けられる塗布膜は、図2(A)のようにコーティング膜12を設けた後に塗布されても良いし、コーティング膜12を設ける前に塗布されていても良い。また、コーティング膜成膜装置20で塗布するのではなく、予め支持体B裏面に塗布していても良い。
次いで、支持体Boを巻回したフィルムロール42を、図2(B)に概念的に示すような、真空成膜装置22に装填する。
図3(A)は、コーティング膜12が成膜された支持体Bがフィルムロール42にして巻き取られる前に、支持体Bの裏面にラミネートフィルム82を設けて、フィルムロール42にして巻き取る場合の図である。
ラミネートフィルム巻出機81からラミネートフィルム82を巻き出し、支持体(フィルム)Boにラミネートフィルム82を巻取機34で巻き付けて巻き取られる。
次いで、コーティング膜12を成膜した支持体Boを巻回したフィルムロール42を、図3(B)に概念的に示すような、真空成膜装置22に装填する。
図2(B)と図3(B)の真空成膜装置22は、支持体Boの表面(すなわちコーティング膜12の表面)に、真空成膜法によって無機膜14を成膜(形成)するもので、供給室50と、成膜室52と、巻取り室54とを有する。
真空成膜装置22も、コーティング膜成膜装置20と同様に、ロール・ツー・ロールによる成膜を行なう装置で、フィルムロール42から支持体Boを送り出し、長手方向に搬送しつつ無機膜14を成膜して、コーティング膜12と無機膜14とを成膜した機能性フィルム10を巻取り軸58によってロール状に巻き取る。
供給室50は、回転軸56と、ガイドローラ(パスローラ)60と、真空排気手段61とを有する。また、図3(B)においては、フィルムロール42の支持体Boに巻き付けられているラミネートフィルム82を巻き取るラミネートフィルム巻取機83を有する。
真空成膜装置22において、支持体Bにコーティング膜12を成膜してなる支持体Boとラミネートフィルム82とを巻回したフィルムロール42は、供給室50の回転軸56に装填される。回転軸56にフィルムロール42が装填されると、支持体Boは、供給室50から、成膜室52を通り、巻取り室54の巻取り軸58に至る所定の搬送経路を通される(送通される)。真空成膜装置22においても、フィルムロール42からの支持体Boの送り出しと、回転軸56における機能性フィルム10の巻き取りとを同期して行なって、長尺な支持体Boを所定の搬送経路で長手方向に搬送しつつ、支持体Boに無機膜14の成膜を連続的に行なう。
供給室50においては、図示しない駆動源によって回転軸56を図中時計方向に回転してフィルムロール42から支持体Boを送り出し、ガイドローラ(パスローラ)60によって所定の経路を案内して、支持体Boを成膜室52に送る。
また、供給室50には、真空排気手段61が配置され、供給室50内を、成膜室52における成膜圧力に応じた所定の真空度(圧力)に減圧する。これにより、供給室50の圧力が、成膜室52の圧力(成膜)に悪影響を与えることを防止する。なお、真空排気手段61は、後述する成膜室52の真空排気手段72と同様、公知の物を用いればよい。
また、供給室50には、図示した部材以外にも、搬送ローラ対や、支持体Boの幅方向の位置を規制するガイド部材など、支持体Boを所定の経路で搬送するための各種の部材(搬送手段)を有してもよい。
支持体Boは、ガイドローラ60によって案内され、成膜室52に搬送される。
成膜室52は、支持体Boの表面(すなわちコーティング膜12の表面)に、真空成膜法によって無機膜14を成膜(形成)するものである。図示例において、成膜室52は、ドラム62と、成膜手段64a,64b、64c、および64dと、ガイドローラ68および70と、真空排気手段72とを有する。なお、成膜室52が、スパッタリングやプラズマCVD等による成膜をおこなうものである場合には、成膜室52には、さらに、高周波電源等も設置される。
支持体Boは、供給室50と成膜室52とを分離する隔壁74に形成されるスリット74aから、成膜室52に搬送される。
なお、図示例の真空成膜装置22は、好ましい態様として、供給室50および巻取り室54にも真空排気手段を設け、成膜室52における成膜圧力に応じて、供給室50および巻取り室54も真空とするが、本発明を実施する装置は、これに限定はされない。例えば、供給室50および巻取り室54には、真空排気手段を設けずに、支持体Boが通過するスリットを、支持体Bに接触することなく、かつ、支持体Bが通過可能な最小限のサイズとすることにより、成膜室52を略気密に構成してもよい。あるいは、供給室50および巻取り室54には、真空排気手段を設けずに、供給室50および巻取り室54と、成膜室52との間に、支持体Bが通過するサブチャンバを設け、このサブチャンバ内を真空ポンプによって真空にしてもよい。
なお、成膜室52の上流(支持体Bの搬送方向上流)にサブチャンバ等を設ける場合には、このサブチャンバ等の内部で基材を搬送する手段も、コーティング膜12に接触する場合には、支持体Boの端部のみに接触する構成とする必要がある。
成膜室52のドラム62は、中心線を中心に図中反時計方向に回転する円筒状の部材である。
供給室50から供給され、ガイドローラ(パスローラ)68によって所定の経路に案内された支持体Boは、ドラム62に掛け回されて、ドラム62に支持/案内されつつ、所定の搬送経路を搬送され、成膜手段64a〜64d等によって、表面(コーティング膜12の上)に、無機膜14を形成される。また、成膜室52が、スパッタリングやプラズマCVD等による成膜をおこなうものである場合には、ドラム62は、対向電極としても作用するように、接地(アース)されてもよく、あるいは高周波電源に接続されてもよい。
成膜手段64a〜64dは、真空成膜法によって、支持体Bの表面に無機膜14を成膜するためのものである。
ここで、本発明の製造方法においては、無機膜14の形成方法には、特に限定は無く、CVD、プラズマCVD、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等、公知の真空成膜法(気相堆積法)が、全て、利用可能である。
従って、成膜手段64a〜64dは、実施する真空成膜法に応じた、各種の部材で構成される。
例えば、成膜室52がICP−CVD法(誘導結合型プラズマCVD)によって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、誘導磁場を形成するための誘導コイルや、成膜領域に反応ガスを供給するためのガス供給手段等を有して構成される。
成膜室52が、CCP−CVD法(容量結合型プラズマCVD)によって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、中空状でドラム46に対向する面に多数の小孔を有し反応ガスの供給源に連結される、高周波電極および反応ガス供給手段として作用するシャワー電極等を有して構成される。
成膜室52が、CVD法によって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、反応ガスの導入手段等を有して構成される。
さらに、成膜室52が、スパッタリングによって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、ターゲットの保持手段や高周波電極、スパッタガスの供給手段等を有して構成される。
真空排気手段72は、成膜室52内を真空排気して、真空成膜法による無機膜14の成膜に応じた真空度とするものである。
真空排気手段72にも、特に限定はなく、ターボポンプ、メカニカルブースターポンプ、ロータリーポンプなどの真空ポンプ、さらには、クライオコイル等の補助手段、到達真空度や排気量の調整手段等を利用する、真空成膜装置に用いられている公知の(真空)排気手段が、各種、利用可能である。
ドラム62に支持/搬送されつつ、成膜手段64a〜64dによって無機膜14を成膜された支持体Boすなわち機能性フィルム10は、ガイドローラ70によって所定経路に案内されて、巻取り室54に搬送されて、巻取り軸58によってロール状に巻き取られる。ロール状に巻き取られた積層フィルム(機能性フィルム)ロールは、次の工程に供される。
以上のように、機能性フィルムの製造方法において、本発明では、フィルムロール40から連続的に支持体Bを送り出し、支持体Bの表面にコーティング膜12を成膜し、フィルムロール42にして巻き取る第1の工程と、第1の工程で巻き取られたフィルムロール42を真空成膜装置22内に装填し、フィルムロール42から連続的に支持体Bを送り出し、支持体Bのコーティング膜12上に無機膜14を成膜し、フィルムロールにして巻き取る第2の工程と、を備え、第1の工程において支持体Boがフィルムロール42にして巻き取られる前に、支持体Bの裏面に塗布膜又はラミネートフィルム82を設けて、フィルムロールにして巻き取る。
従来の機能性フィルムの製造では、フィルムロール42において支持体B上のコーティング膜12が上部にある支持体Bの裏面と擦れたり、支持体Bの裏面に付着したゴミとの接触を起こし、コーティング膜12は微小な膜の破裂が発生したりし、平滑性を失うという問題があった。そして、このコーティング膜12上に無機膜14を成膜すると、成膜不良が発生し、無機膜の割れ/抜けを起こすという問題があった。
本発明は、コーティング膜成膜装置において支持体がフィルムロールにして巻き取られる前に、支持体の裏面に塗布膜又はラミネートフィルムを設けて、フィルムロールにして巻き取ることで、支持体の裏面によってコーティング膜層がダメージを受けることが抑制される。
従って、本発明によれば、無機膜の割れ/抜け等の欠陥が発生するのを抑制することができ、生産性の高い機能性フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の機能性フィルムの製造方法は、塗布膜又はラミネートフィルムの硬度が、コーティング膜の硬度と比べ、同等以下であることが好ましい。または、塗布膜又はラミネートフィルムの表面粗さが、コーティング膜の表面粗さと比べ、同等以下であることが好ましい。
コーティング膜の硬度と同等以下、または、コーティング膜の表面粗さと同等以下の状態を支持体裏面に作り出すことで、巻き締まりによってコーティング膜の平滑性が乱されるのを抑制することができる。
また、本発明の機能性フィルムの製造方法は、支持体の裏面に塗布膜を設けた場合(図2の場合)には、塗布膜の厚みが50nm以上2000nm以下であることが好ましい。支持体の裏面にラミネートフィルムを設けた場合(図3の場合)には、ラミネートフィルムの厚みが10μm以上200μm以下であることが好ましい。
また、支持体の裏面にラミネートフィルムを設けた場合(図3の場合)には、ラミネートフィルムは、支持体に対して1N/m以上5N/m以下の剥離力になる粘着材が使用されていることが好ましい。真空下に置かれた場合、支持体とラミネートフィルムとの間の空気が抜け密着力が自然と向上してしまうので、強粘着のものを使用すると真空下での剥離が困難になるからである。この支持体とラミネートフィルムとの間の空気の問題を無くすためには、ラミネートフィルムの素材としてポリエチレンといった溶融成膜で形成されたフィルム以外に、多孔質な形状をしているシート状部材を用いることも考えられる。
また、無機膜14は、形成する厚みが20nm以上であることが好ましい。
本発明の機能性フィルムの製造方法によって、無機膜の割れ/抜け等の欠陥が発生するのを抑制することができ、生産性の高い機能性フィルムの製造方法を提供することができるので、機能性フィルムの水分透過率を1.0×10−3g/m・day未満とすることができる。
本発明において、コーティング膜12および無機膜14を成膜される支持体Bには、特に限定はなく、PETフィルム等の各種の樹脂フィルム、アルミニウムシートなどの各種の金属シートなど、後述するコーティング膜12および真空成膜による無機膜14の成膜が可能なものであれば、ガスバリアフィルム、光学フィルム、保護フィルムなどの各種の機能性フィルムに利用されている各種の基材(ベースフィルム)が、全て利用可能である。
また、支持体Bは、表面に、保護膜や接着膜など、各種の膜が形成されているものであってもよい。
コーティング膜12を形成する塗布膜は、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーを主成分とする膜である。具体的には、使用されるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
使用される光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm〜50J/cmであることが好ましく、100〜2000mJ/cmであることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
コーティング膜12の成膜方法としては、通常の溶液塗布法、あるいは真空成膜法等を挙げることができる。
溶液塗布法としては、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。
なお、アクリレートやメタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受ける。従って、本発明において、コーティング膜12としてこれらを利用する場合には、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
本発明において、モノマーの重合率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えばアクリレートやメタクリレートであれば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。
積層フィルム(機能性フィルム)として、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイのような表示装置など、各種のデバイスや装置の保護フィルムを製造する際には、無機膜14として、酸化ケイ素膜等を成膜すればよい。
さらに、光反射防止フィルム、光反射フィルム、各種のフィルタ等の光学フィルムを製造する際には、無機膜14として、目的とする光学特性を有する、あるいは発現する材料からなる膜を成膜すればよい。
中でも特に、コーティング膜12の優れた表面平滑性により、ガスバリア性の優れた無機膜14を成膜できるので、本発明は、ガスバリアフィルムの製造に最適である。
また、積層時、つまり、無機膜上にコーティング膜をさらに形成する際にも、「巻き締まり」「ハンドリングダメージ」は同様に発生するので、本発明の効果はより顕著になる。
以上、本発明の機能性フィルムの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
〔実施例1〕
図2に示されるコーティング膜成膜装置20と真空成膜装置22を用いて機能性フィルムを製造した。
コーティング膜及び塗布膜は、アクリレート系モノマーと光重合開始材を有機溶剤で溶解させ、ダイコーターにて塗布、乾燥し、紫外線硬化により硬膜させた。コーティング膜層の厚みは、送液量で制御し、完全に硬化した状態で1μmとなるようにした。塗布膜層の厚みは、送液量で制御し、表1の厚みとなるようにした。コーティング膜及び塗布膜の硬度は、紫外線の照射量を照度又は搬送速度を変えることで調整し、表1に記載の所望の膜硬度(鉛筆硬度)を得た。なお、硬度は鉛筆硬度計を使用して測定した。
支持体Bは、1000mm幅の100μm、PETベースを使用した。巻取機では、巻き径に応じて巻き取りテンションが一定になるように制御した。
真空成膜装置22を真空排気した後、無機膜14を成膜した。
無機膜はアルミをターゲットとし、反応性スパッタによりアルミナ膜を形成し、機能性フィルム10を得た。
このようにして作成された機能性フィルム10は、水蒸気透過性を用いることで以下の判断基準で性能の評価を行った。
〔性能(水分透過率)評価基準〕
×:1.0×10−3g/m・day以上
△:2.0×10−4g/m・day以上、1.0×10−3g/m・day未満
○:1.0×10−4g/m・day以上、2.0×10−4g/m・day未満
◎:1.0×10−4g/m・day未満
Figure 0005274342
〔実施例2〕
図3に示されるコーティング膜成膜装置20と真空成膜装置22を用いて機能性フィルムを製造した。
コーティング膜は、アクリレート系モノマーと光重合開始材を有機溶剤で溶解させ、ダイコーターにて塗布、乾燥し、紫外線硬化により硬膜させた。コーティング膜層の厚みは、送液量で制御し、完全に硬化した状態で1μmとなるようにした。コーティング膜の硬度は、紫外線の照射量を照度又は搬送速度を変えることで調整し、表2に記載の所望の膜硬度(鉛筆硬度)を得た。なお、硬度は鉛筆硬度計を使用して測定した。
支持体Bは、1000mm幅の100μm、PETベースを使用した。巻取機では、支持体の裏面にラミネートフィルムを貼った。巻き径に応じて巻き取りテンションが一定になるように制御した。ラミネートフィルムは表2に記載の厚み・硬度のものを用いた。
ラミネートフィルムの張り方としては、ラミネートフィルムを貼る際に、ニップさせるニップローラとの間にスパイラルローラを入れ、ラミネートフィルムを幅方向に伸ばすようにして貼るようにした。なお、これは、ラミネートフィルムが均一に貼られていないと、真空下に暴露された場合、ラミネートフィルムと有機層の間の空気が均一に抜けなくなり、内部残存空気によって支持体が変形し、支持体にシワ等のダメージを与えてしまうことを防ぐためである。
フィルムロールは、ラミネートフィルムと支持体裏面との間の空気をなるべく排除するため、1時間以上大気化に放置し、フィルムロールの自重によって空気を抜いてから真空成膜装置22にセットした。
真空成膜装置22を真空排気した後、回転軸56で巻き出された支持体Boのラミネートフィルム82を剥離し、無機膜14を成膜した。なお、ラミネートフィルムを剥離する際、真空下での密着力の向上を懸念して、トルクの制御を行いながらラミネートフィルムの剥離・巻き取り部のフィルムロールの動きをコントロールした。
無機膜はアルミをターゲットとし、反応性スパッタによりアルミナ膜を形成し、機能性フィルム10を得た。
このようにして作成された機能性フィルム10は、実施例1と同様に水蒸気透過性を用いることで性能の評価を行った。
Figure 0005274342
〔実施例3〕
図2に示されるコーティング膜成膜装置20と真空成膜装置22を用いて機能性フィルムを製造した。
コーティング膜及び塗布膜は、アクリレート系モノマーと光重合開始材を有機溶剤で溶解させ、ダイコーターにて塗布、乾燥し、紫外線硬化により硬膜させた。コーティング膜層の厚みは、送液量で制御し、完全に硬化した状態で1μmとなるようにした。塗布膜層の厚みは、送液量で制御し、表3の厚みとなるようにした。コーティング膜及び塗布膜の表面粗さは、塗料の処方や乾燥条件を変えることで調整し、表3に記載の所望の表面粗さを得た。なお、表面粗さは平均粗さRa値を基準とし、AFMにより、10μmの範囲で測定したものを指標とした。
支持体Bは、1000mm幅の100μm、PETベースを使用した。巻取機では、巻き径に応じて巻き取りテンションが一定になるように制御した。
真空成膜装置22を真空排気した後、無機膜14を成膜した。
無機膜はアルミをターゲットとし、反応性スパッタによりアルミナ膜を形成し、機能性フィルム10を得た。
このようにして作成された機能性フィルム10は、実施例1や実施例2と同様に水蒸気透過性を用いることで性能の評価を行った。
Figure 0005274342
〔実施例4〕
図3に示されるコーティング膜成膜装置20と真空成膜装置22を用いて機能性フィルムを製造した。
コーティング膜は、アクリレート系モノマーと光重合開始材を有機溶剤で溶解させ、ダイコーターにて塗布、乾燥し、紫外線硬化により硬膜させた。コーティング膜層の厚みは、送液量で制御し、完全に硬化した状態で1μmとなるようにした。コーティング膜の表面粗さは、塗料の処方や乾燥条件を変えることで調整し、表4に記載の所望の表面粗さを得た。表面粗さは平均粗さRa値を基準とし、AFMにより、10μmの範囲で測定したものを指標とした。
支持体Bは、1000mm幅の100μm、PETベースを使用した。巻取機では、支持体の裏面にラミネートフィルムを貼った。巻き径に応じて巻き取りテンションが一定になるように制御した。ラミネートフィルムは表2に記載の厚み・表面粗さのものを用いた。
フィルムロールは、ラミネートフィルムと支持体裏面との間の空気をなるべく排除するため、1時間以上大気化に放置し、フィルムロールの自重によって空気を抜いてから真空成膜装置22にセットした。
真空成膜装置22を真空排気した後、回転軸56で巻き出された支持体Boのラミネートフィルム82を剥離し、無機膜14を成膜した。なお、ラミネートフィルムを剥離する際、真空下での密着力の向上を懸念して、トルクの制御を行いながらラミネートフィルムの剥離・巻き取り部のフィルムロールの動きをコントロールした。
無機膜はアルミをターゲットとし、反応性スパッタによりアルミナ膜を形成し、機能性フィルム10を得た。
このようにして作成された機能性フィルム10は、実施例1〜3と同様に水蒸気透過性を用いることで性能の評価を行った。
Figure 0005274342
上記の実施例1〜4から分かるように、コーティング膜成膜装置で支持体がフィルムロールにして巻き取られる前に、支持体の裏面に塗布膜又はラミネートフィルムを設けてフィルムロールにして巻き取ることで、水分透過率の評価が△以上となる。従って、本発明によって、無機膜の割れ/抜け等の欠陥が発生するのを抑制できることが分かる。
そして、実施例1及び2から、塗布膜又はラミネートフィルムの硬度が、コーティング膜の硬度と比べ、同等以下であることが好ましいことが分かる。
また、実施例3及び4から、塗布膜又はラミネートフィルムの表面粗さが、コーティング膜の表面粗さと比べ、同等以下であることが好ましいが分かる。
そして、ラミネートフィルムはコーティング膜の成膜後、コーティング膜にタッチローラが接触する前に入れ、無機膜の成膜前、コーティング膜面側に触れるパスローラを全て通過した無機膜成膜の直前で剥離するのがより効果高いことが分かった。
また、無機膜の厚みは10〜200nmの範囲で作成することが好ましく、ラミネートフィルムの厚みは10〜300μmが好ましいことが分かった。
さらに、実施例1の実験1−2及び8〜10と、実施例3の実験3−2及び8〜10との結果から、支持体裏面に設ける塗布膜の厚みが50nm以上2000nm以下であることが好ましいことが分かる。
そして、実施例2の実験2−2及び8〜10と、実施例4の実験1−2及び8〜10との結果から、ラミネートフィルムの厚みが10μm以上200μm以下であることが好ましいことが分かる。
さらに、実施例1の実験1−2及び5〜7と、実施例2の実験2−2及び5〜7と、実施例3の実験3−4〜7と、実施例4の実験4−2及び5〜7との結果から、無機膜を形成する厚みが20nm以上であることが好ましいことが分かる。
10…機能性フィルム(積層フィルム)、12…コーティング膜、14…無機膜、20…コーティング膜成膜装置、22…真空成膜装置、26…塗布手段、28…加熱手段、30…UV照射装置、52…成膜室、62…ドラム、64a,64b,64c,64d…成膜手段、81…ラミネートフィルム巻出機、82…ラミネートフィルム、83…ラミネートフィルム巻取機、90…塗布手段、92…加熱手段、94…UV照射装置

Claims (8)

  1. フィルムロールから連続的に支持体を送り出し、該支持体の表面にコーティング膜を成膜し、フィルムロールにして巻き取る第1の工程と、
    前記第1の工程で巻き取られたフィルムロールを真空成膜装置内に装填し、該フィルムロールから連続的に支持体を送り出し、前記支持体のコーティング膜上に無機膜を成膜し、フィルムロールにして巻き取る第2の工程と、
    を備え、
    前記第1の工程における前記支持体がフィルムロールにして巻き取られる前に、該支持体の裏面に塗布膜又はラミネートフィルムを設けて、フィルムロールにして巻き取ることを特徴とする機能性フィルムの製造方法。
  2. 前記塗布膜又はラミネートフィルムの硬度が、前記コーティング膜の硬度と比べ、同等以下であることを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  3. 前記塗布膜又はラミネートフィルムの表面粗さが、前記コーティング膜の表面粗さと比べ、同等以下であることを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  4. 前記支持体の裏面に塗布膜を設けた場合には、塗布膜の厚みが50nm以上2000nm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  5. 前記支持体の裏面にラミネートフィルムを設けた場合には、ラミネートフィルムの厚みが10μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  6. 前記ラミネートフィルムは、支持体に対して1N/m以上5N/m以下の剥離力になる粘着材が使用されていることを特徴とする請求項5に記載の機能性フィルムの製造方法。
  7. 前記無機膜を形成する厚みが20nm以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  8. 前記機能性フィルムの水分透過率が1.0×10−3g/m・day未満であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1に記載の機能性フィルムの製造方法。
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