JP5273493B2 - 管接続用バンドセット及び緊締バンド用アタッチメント - Google Patents
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Description
このような問題点を解決するには、緊締バンドを増し締めする必要がある。しかし、緊締バンドの増し締め作業が面倒であるため、管体が配管接続される現場では、定期的に増し締めが行われないことが多く、管体が抜けて初めて異常に気付くという状況であった。さらに、緊締バンドの増し締めが行われたとしても、増し締め量は作業者の感覚に依存するため、管体の抜け強度を高く維持することが困難であった。
その結果、バンドで締め付けるだけの従来のものに比べ、管体に経時的なクリープや応力緩和が生じても緊締バンドで長期に亘り密閉保持できて更なる安全性の向上が図れる。
本発明の実施形態に係る管接続用バンドセットAは、図1〜図3に示すように、ニップルBが挿入された弾性変形可能な管体Cの外側を包囲するように設けられて管体CをニップルBの外周面B1に向け圧縮変形させるように締め付ける緊締バンド1と、管体Cの外表面C1と緊締バンド1との間に設けられて緊締バンド1の締め付けに伴い径方向へ弾性的に縮径変形可能な拡縮スリーブ2と、拡縮スリーブ2の内側に設けられて拡縮スリーブ2の縮径変形に伴い管体Cの外表面C1に圧接する弾性変形可能な環状の弾性部材3と、を主要な構成要素として備えている。
さらに、少なくとも拡縮スリーブ2及び弾性部材3は、ニップルBが挿入された弾性変形可能な管体Cと、管体Cの外側を包囲するように設けられて管体CをニップルBの外周面B1に向け圧縮変形させるように締め付ける緊締バンド1との間に具備される緊締バンド用アタッチメントDを構成している。
また、緊締バンド用アタッチメントDとして、緊締バンド1に対応した専用のニップルBを追加することも可能である。
さらに、ニップルBの外周面B1には、管体Cの接続端部における内表面C2と対向する抜け止め用の凹凸部B2を形成することが好ましい。
図面に示される例では、抜け止め用の凹凸部B2として、ニップルBの軸方向へ五つの山状の環状凸部と、それらと隣り合う五つの谷状の環状凹部が、交互に連続する竹の子状に形成している。
また、その他の例として図示しないが、凹凸部B2の環状凸部及び環状凹部の配置数を変更したり、凹凸部B2の形状を変更したり、凹凸部B2を形成せずにニップルBの外周面B1を平滑面に形成することも可能である。
ガイド部B3の具体例として、図1(b)に示される例の場合には、ニップルBの管差し込み口B4から一番目の環状凹部と管差し込み口B4から五番目の環状凹部に、一対のラインをそれぞれ後述する緊締バンド1や拡縮スリーブ2の幅寸法と一致するように略平行に付設している。
また、その他の例として図示しないが、ガイド部B3としてラインを1本のみ付設したり、ラインに代えて帯状の着色部を付設したりすることも可能である。
管体Cの具体例として、図面に示される例では単層構造のホースを用いている。
また、管体Cのその他の例として図示しないが、その透明又は不透明な外層と内層との間に中間層として、複数本か又は単数本の合成樹脂製ブレード(補強糸)が螺旋状に埋設される積層ホース(ブレードホース)や、中間層として合成樹脂製又は金属製の断面矩形などの帯状補強材と断面円形などの線状補強材を螺旋状に巻き付けて一体化した螺旋補強ホース(フォーランホース)や、金属製線材や硬質合成樹脂製線材を螺旋状に埋設した螺旋補強ホースなど、構造が異なる多種類の管体を用いることも可能である。
緊締バンド1の具体例としては、図1(a)に示される例の場合には、バンド本体1aの基端部にハウジング1bを連設し、このハウジング1bに軸着したウォーム1cを、例えばドライバーやスパナなどの工具で回転操作することにより、バンド本体1aの径が収縮されて締め付ける構造のものを使用している。
弾性変形部2aによって、拡縮スリーブ2の内径は、その拡径時において管体Cの外径よりも大きくなるか又は管体Cの外径と略同じとなるように設定され、縮径時において管体Cの外径よりも小さくなるように設定している。
弾性変形部2aの具体例としては、図1(a)に示されるように、拡縮スリーブ2の軸方向一端から他端に向けて軸方向へ直線状に延びる複数のスリット(すり割り)を千鳥状に周方向へ所定間隔毎に切欠形成することが好ましい。
各スリットは、その軸方向先端部2a1と基端部2a2でそれぞれ周方向の幅寸法を変えることにより、拡縮スリーブ2全体が縮径変形しても、スリットの軸方向全長に亘って内面同士が密着しないように構成することが好ましい。
図1(a)に示される例の場合には、各スリットの先端部2a1を幅狭とするとともに、段部を介して基端部2a2が幅広になるように形成され、拡縮スリーブ2の周方向の一部には切り込み2bを入れて切り離すことにより、拡縮スリーブ2の成形を容易にしている。
また、その他の例として図示しないが、弾性変形部2aとして、曲線などの非直線状に延びるスリットを形成したり、各スリットをその軸方向基端部2a2から先端部2a1に向けてV字形に形成したり、拡縮スリーブ2の周方向一部に切り込み2bを入れずに環状に連結したりすることも可能である。
拡縮スリーブ2の内周面には、環状の凹溝部2dを設け、凹溝部2d内に後述する弾性部材3が収納配置される。凹溝部2dの両側には、一対のフランジ部位2eをそれぞれ管体Cの外表面C1に向け突出するように形成し、緊締バンド1による拡縮スリーブ2の縮径時において各フランジ部位2eが、管体Cの外表面C1に食い込むように緊締バンド1の締め付け量を設定することが好ましい。さらに各フランジ部位2eは、その肉厚がそれぞれの先端へ向かって徐々に薄くなるように形成することが好ましい。
図1(b)に示される例の場合には、各フランジ部位2eの外側面を直線的に傾斜させることで、その肉厚がそれぞれの先端へ向かって徐々に薄くなるようにしている。
また、その他の例として図示しないが、フランジ部位2eの外側面をその肉厚がそれぞれの先端へ向かって徐々に薄くなるように曲線的に傾斜させることも可能である。
さらに、弾性部材3の材料としては、管体Cを構成する粘弾性材料よりも長期に亘って弾力が保持される弾性材料を用いることが好ましい。
弾性部材3の具体例としては、拡縮スリーブ2の凹溝部2d内に、断面円形や楕円形のリングを複数本並列配置して、その境目部分に凹状段部3bを周方向へ形成するか、又はその内周面に凹状段部3bが周方向へ形成された断面矩形の帯状リングを配置したりすることが好ましい。
先ず、図2(a)に示されるように、緊締バンド1に対して拡縮スリーブ2及び弾性部材3からなる緊締バンド用アタッチメントDを組み付け、これらを一体化する。
この組み付け状態で、図2(b)に示されるように、弾性部材3の中に管体Cを挿通してから、管体Cの接続端部にニップルBを挿入する。
その後、ニップルBの外周面B1が挿入された管体Cの接続端部の外側を包囲するように所定位置へ向け、緊締バンド1及び緊締バンド用アタッチメントDが管体Cの軸方向へ移動され、この所定位置で緊締バンド1の締め付けを開始する。
また管体Cは、経時変化によりクリープや応力緩和が生じて弾性部材3との圧接部分が歪み、その肉厚寸法が薄くなると同時に反発弾性が低下する。このように管体Cが歪んで反発弾性が低下しても、反発弾性に優れた弾性部材3が膨張変形し反発弾性を維持して、その内面3aが管体Cの外表面C1に圧接し続けるため、弾性部材3の凹状段部3bに対する膨出部位C3の引っ掛かりが保持される。
したがって、管体Cの経時的なクリープや応力緩和と関係なく緊締バンド1の増し締め不要で管体Cの抜け強度や気密性能を高く維持することができる。
その結果、管体Cに経時的なクリープや応力緩和が生じても緊締バンド1で長期に亘り密閉保持できて更なる安全性の向上が図れる。
それにより、拡縮スリーブ2に対する弾性部材3の位置ズレを防止しながら拡縮スリーブ2と弾性部材3の結合をより強くすることができる。
その結果、ニップルBに対する管体Cの抜け強度を更に向上させることができる。
それにより、ニップルBに対して緊締バンド1を適正位置に取り付けることができる。
その結果、作業者の経験に関係なく誰でも緊締バンド1の性能を十分に発揮することができる。
それにより、拡縮スリーブ2に対して弾性部材3が管体Cの軸方向へ移動不能に位置決めされて、弾性部材3の蛇行や偏りなどのトラブルを防止することができる。
次に、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
また、その他の例として図示しないが、リング3Aとして断面形状が楕円形やそれ以外の形状のものを複数本並列配置したり、断面形状が異なるもの同士を複数本並列配置したり、3本以上のリング3Aを複数本並列配置することも可能である。
つまり、拡縮スリーブ2の外周面において平滑部2fの箇所のみ、切り欠き2gを形成して突起2cが突設されておらず、平滑部2f及び切り欠き2gに対してハウジング1bの底面部位を嵌合させることで、緊締バンド1のハウジング1bと拡縮スリーブ2が周方向へ位置決めされている。
接続部Baは、ニップルBに接続する他の機器における管接続口の内周面に内ネジが刻設される場合には、これと対応する外ネジを刻設し、また該管接続口の外周面に外ネジが刻設される場合には、これと対応する内ネジを刻設している。図示例では、接続部Baとして外ネジが刻設されている。
工具係合部Bbとしては、六角ナットが形成されている。
また、その他の例として図示しないが、ニップル1に対し接続部Ba及び工具係合部Bbを別個に形成して着脱自在に取り付けることも可能である。
それにより、簡単な構造で管体Cを確実に抜け止めすることができる。
したがって、コストの低減化が図れて経済的であるいう利点がある。
特に、リング3AとしてOリングを用いた場合には、更なるコストの低減化が図れるという利点もある。
また、その他の例として図示しないが、帯状リング3Bの内周面を、湾曲した二つの傾斜面が断面略V字型に突き当たるようにして凹状段部3bを形成したり、帯状リング3Bの内周面に、その幅方向へ複数本の凹状段部3bを形成したりすることも可能である。
それにより、簡単な構造で管体Cを確実に抜け止めすることができる。
したがって、コストの低減化が図れて経済的であるいう利点がある。
2d 凹溝部 2e フランジ部位
3 弾性部材 3a 内面
3b 凹状段部 3A リング
3B 帯状リング B ニップル
B1 外周面 C 管体
C1 外表面 C3 圧縮変形部位
D 緊締バンド用アタッチメント
Claims (6)
- ニップルが挿入された弾性変形可能な管体の外側を包囲するように設けられて前記管体を前記ニップルの外周面に向け圧縮変形させるように締め付ける緊締バンドと、
前記管体の外表面と前記緊締バンドとの間に設けられて前記緊締バンドの締め付けに伴い径方向へ弾性的に縮径変形可能な拡縮スリーブと、
前記拡縮スリーブの内側に設けられて前記拡縮スリーブの縮径変形に伴い前記管体の前記外表面に圧接する弾性変形可能な環状の弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、前記管体の前記外表面と対向する内面に、前記管体の前記外表面における圧縮変形部位が嵌入する凹状段部を有することを特徴とする管接続用バンドセット。 - 前記拡縮スリーブの内周面に環状の凹溝部を設け、前記凹溝部内に前記弾性部材を収納配置し、前記緊締バンドによる前記拡縮スリーブの縮径時において、前記凹溝部の両側から突出する一対のフランジ部位が、前記管体の前記外表面にそれぞれ食い込むように前記緊締バンドの締め付け量を設定したことを特徴とする請求項1記載の管接続用バンドセット。
- 前記拡縮スリーブの内周面に、前記弾性部材として断面円形又は楕円形のリングを複数本並列配置し、前記リングの間に前記凹状段部を周方向へ形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の管接続用バンドセット。
- 前記拡縮スリーブの内周面に、前記弾性部材として帯状リングを配置し、前記帯状リングの内周面に前記凹状段部を周方向へ形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の管接続用バンドセット。
- 前記ニップルの前記外周面に、前記緊締バンドの取り付け位置を案内するガイド部を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の管接続用バンドセット。
- ニップルが挿入された弾性変形可能な管体と、前記管体を前記ニップルの外周面に向け圧縮変形させるように締め付ける緊締バンドとの間に具備される緊締バンド用アタッチメントであって、
前記緊締バンドの内側に設けられて前記緊締バンドの締め付けに伴い径方向へ弾性的に縮径変形可能な拡縮スリーブと、
前記拡縮スリーブの内側に設けられて前記拡縮スリーブの縮径変形に伴い前記管体の前記外表面に圧接する弾性変形可能な環状の弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、前記管体の前記外表面と対向する内面に、前記管体の前記外表面における圧縮変形部位が嵌入する凹状段部を有することを特徴とする緊締バンド用アタッチメント。
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