JP5271052B2 - 画像形成装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材上に画像を形成する画像形成装置及びその制御方法に関するものである。
近年、プリンタや複写機などの電子写真方式やインクジェット方式を採用した画像形成装置には、出力画像の高画質化が求められている。特に、濃度の階調とその安定性は、出力画像の品質を決める重要な要素となっている。しかし、画像形成装置は、環境の変化や長時間の使用による装置各部の変動要因により、出力画像の濃度や色度が変動してしまう。特に電子写真方式の画像形成装置の場合、僅かな環境変動でも濃度や色度の変動が生じ、カラーバランスを崩す恐れがあるため、常に一定の濃度を保つための構成が必要となる。なお、本明細書における色度とは、色を定量的に表すための情報を総称するものであり、”色情報”や、”色値”と表記しても良いし、単に”色”と表記しても良い。また、色を定量的に表すパラメータとしては、一般的な表色系であるL*a*b*やXYZ等を採用することができる。
そこで、現行の画像形成装置では、各色のトナーで、濃度検出用トナー像(以下、パッチと称す。)を像担持体である中間転写体や感光体等に作成し、その未定着トナーパッチの濃度を濃度センサで検出し、その検出結果より濃度制御を行っている。しかし、濃度センサを用いた濃度制御は、パッチを中間転写体や感光ドラム等の上に形成して検出するもので、その後に行われる記録材への転写及び定着による画像のカラーバランスの変化については制御していない。即ち、これらの変化には、濃度センサを用いた濃度制御では対応できない。
特許文献1は、記録材上に形成されたパッチの濃度あるいは色度を検出するセンサ(以下、カラーセンサと称す。)を設置し、その測定結果に基づき、トナー像の濃度や色度を補正して色再現性の優れた画像を提供する画像形成装置を提案している。このカラーセンサは、例えば、発光素子として赤(R)、緑(G)、青(B)等の発光スペクトルが異なる3種以上の光源を用いている。或いは、発光素子には、白色(W)を発光する光源を用いて、受光素子上に赤(R)、緑(G)、青(B)等の分光透過率が異なる3種以上のフィルタを形成したもので構成されている。これにより、このカラーセンサでは、RGB出力等の異なる3種以上の出力が得られる。
図13は、カラーバランスの補正に使用される記録材上のパッチ列1300の一例を示す図である。カラーセンサは、記録材が装置外に排出される前にパッチ列1300を検出するように構成されている。一般に、カラーセンサは、当該カラーセンサへ記録材が到達するタイミングから検出を開始して、先頭のパッチを検出した後は所定のタイミング毎に順次パッチの検出を行うことで各パッチの検出データを得ている。
特開2003−107833号公報
しかしながら、上述した従来技術においては、経時変化や環境変化による各構成要素の動作ばらつきによって、決められたタイミングでパッチを検出する場合、本来想定していた階調とは異なる階調のパッチを検出してしまう事態が発生し得る。このような事態が発生すると、カラーバランス補正の精度が低下してしまうという問題がある。この動作ばらつきには、例えば、記録材搬送ローラの外径ばらつき、環境変動などに起因する記録材の搬送速度のばらつきが含まれる。また、記録材が定着器を通過した際の記録材の縮み、又は、記録材上に画像を形成するまでの画像の伸縮なども含まれる。
このような動作ばらつきに影響を受けないように、カラーバランス補正に使用される各パッチの長さを決定する必要がある。即ち、これらのばらつきが存在しても確実に各パッチの検出が行えるように余裕を持ったパッチの長さを設定する必要がある。例えば、カラーセンサを用いた画像形成装置において、出力画像の高画質化を考えた場合に、カラーバランス補正の精度向上のためには、パッチ数を増大させることが必要となる。
しかし、カラーバランス補正に使用するパッチ数の増大、記録材の搬送方向長の増大、又は記録材の搬送速度の増大により、各パッチの先端部と後端部には余裕を見込んだトナー像部を持たせる必要があり、記録材・トナーの浪費につながってしまう。また、カラーセンサが1つのパッチを検出するためにはある一定の時間を要するため、パッチの搬送方向長をある一定の長さ以上にする必要がある。即ち、パッチ数を増大させてカラーバランス補正を行う場合、1枚の記録材上に全てのパッチを形成できない場合がある。さらに、画像形成装置のスループットが向上するにしたがって、1つのパッチの搬送方向長をより長くする必要があるため、記録材1枚あたりのパッチ数が減少し、カラーバランス補正時により多くの記録材・トナーを消費することとなる。
したがって、カラーバランス補正のためのパッチが形成された記録材はユーザにとって不要な記録材であるため、カラーバランス補正には、より少ない記録材及びトナーが使用されることが望ましい。
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、記録材上に形成されたパッチを検出する場合において、記録材及びトナーの消費量の増加を抑制しつつ、より確実にパッチを検出できるようにすることを目的とする。
本発明は、例えば、画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、トナー像によって形成される複数のパッチを含むパッチ列を記録材に形成するパッチ形成手段と、記録材に形成されたパッチ列を記録材に定着させる定着手段と、搬送される記録材に定着されたパッチ列の濃度又は色を各パッチごとに所定のタイミングで少なくとも1回検出するパッチ検出手段と、検出された各パッチの濃度又は色に基づいて画像形成条件を補正する補正手段とを備え、パッチ形成手段は、各パッチの搬送方向長がパッチ検出手段により検出される順に徐々に長くなるように、各パッチをパッチ列として形成し、各パッチの搬送方向長は、パッチ検出手段により前記各パッチを前記所定のタイミングで検出する際に、前記パッチ検出手段のパッチ検出位置に前記各パッチが搬送されてくるタイミングが変動しても前記各パッチが少なくとも1回検出されるように、徐々に長くなっていることを特徴とする。
また、本発明は、例えば、画像形成装置の制御方法として実現できる。制御方法は、パッチ形成手段が、トナー像によって形成される複数のパッチを含むパッチ列を記録材に形成するパッチ形成ステップと、定着手段が、記録材に形成されたパッチ列を記録材に定着させる定着ステップと、パッチ検出手段が、搬送される記録材に定着されたパッチ列の濃度又は色を各パッチごとに所定のタイミングで少なくとも1回検出するパッチ検出ステップと、補正手段が、検出された各パッチの濃度又は色に基づいて画像形成条件を補正する補正ステップとを実行し、パッチ形成ステップは、各パッチの搬送方向長がパッチ検出手段により検出される順に徐々に長くなるように、各パッチをパッチ列として形成し、各パッチの搬送方向長は、パッチ検出手段により前記各パッチを前記所定のタイミングで検出する際に、前記パッチ検出手段のパッチ検出位置に前記各パッチが搬送されてくるタイミングが変動しても前記各パッチが少なくとも1回検出されるように、徐々に長くなっていることを特徴とする。
本発明は、例えば、記録材上に形成されたパッチを検出する場合において、記録材及びトナーの消費量の増加を抑制しつつ、より確実にパッチを検出することができる。
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
<全体構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタ1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ1の構成を示す断面図である。ここでは、画像形成装置の一例として、電子写真方式を採用した画像形成装置のうち、中間転写ベルトを用いた4ドラムフルカラー画像形成装置であるプリンタ1について説明する。
図1において、2は、プリンタ1の本体である装置本体を示す。P(PY,PM,PC,PBk)は、装置本体2に着脱自在に設けられたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色のプロセスカートリッジを示す。31は、中間転写体である中間転写ベルト30を有する中間転写ベルトユニットを示す。25は、定着手段である定着器を示す。
プロセスカートリッジPは、感光ドラム26Y,26M,26C,26Bk、一次帯電器50、レーザ露光器28Y,28M,28C,28Bk及び現像器51を備え、中間転写ベルト30に沿って並列配置されている。感光ドラム26Y,26M,26C,26Bkは、像担持体として機能する。一次帯電器50は、各感光ドラム26の外周表面上に配置され、各感光ドラム26の表面を一様に帯電する。レーザ露光器28は、感光ドラム26の表面上を露光することにより静電潜像を形成する。現像器51は、対応する色のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて静電潜像を現像する。
さらに、感光ドラム26とともに中間転写ベルト30を挟持する位置には、感光ドラム26とともに一次転写部を形成する一次転写ローラ52が対向設置されている。一方、中間転写ベルトユニット31は、中間転写ベルト30と、中間転写ベルト30を張架する駆動ローラ100、テンションローラ105、二次転写対向ローラ108の3本のローラとを備える。
また、27は、二次転写対向ローラ108の中間転写ベルト30を挟んだ位置に配置された二次転写ローラを示す。33は、二次転写ローラ27を保持している転写搬送ユニットを示す。3は、二次転写ローラ27と、中間転写ベルト30を挟んだ二次転写対向ローラ108との当接部により構成される二次転写部へ記録材Pを給送する給送部を示す。給送部3は、複数枚の記録材Pを収納したカセット20、給送ローラ21、重送防止のリタードローラ対22、搬送ローラ対23a、23b及びレジストローラ対24を備える。
なお、カセット20には、積載された記録材Pの後端を規制するための後端規制板19が設けられている。後端規制板19は、カセット20に収容されている記録材のサイズに応じて移動し、不図示の後端規制板位置検出手段により記録材Pの搬送方向の長さを検知する。以下では、記録材Pの搬送方向の長さの検知を「サイズ検知」と称する。
定着器25の下流側の搬送路には、排出ローラ対61、62、63が設けられており、排出ローラ対61、62間の排出搬送路60には、光センサであるカラーセンサ90が設置されている。
また、プリンタ1は、両面印刷に対応しており、1面目の画像形成を終えた記録材が定着器25から排出された後、ディバータ69を切り替えることで、反転ローラ対70、71側に記録材Pを搬送する。さらに、プリンタ1は、記録材の後端がディバータ72を越えたところで、ディバータ72を切り替えると同時に、反転ローラ71を逆回転させて記録材Pを両面搬送路73に導く。そして両面搬送路ローラ対74、75、76を回転駆動させて記録材Pを再給紙することで、2面目への印刷を可能にしている。
次に、図2を参照して、プリンタ1の制御構成について説明する。図2は、本実施形態に係るプリンタ1の制御ブロックを示す図である。ここでは、主に本発明に関する制御ブロックについて説明する。即ち、本発明に係るプリンタ1は、他の制御ブロックを含んで構成されてもよい。
プリンタ1は、画像処理制御部11、画像形成制御部12、画像形成部13、サイズ検知部14、搬送モータ15及びカラーセンサ部16を備える。また、プリンタ1には、ネットワークを介してパーソナルコンピュータなどの外部ホスト機器10が接続される。プリンタ1は、外部ホスト機器10や装置本体が別途備える原稿読み取り部(不図示)から画像信号(RGB信号)を受信する。
画像処理制御部11は、受信したRGB信号を、CMYK信号に変換し、階調、濃度補正を加えた後に、レーザ露光器28用の露光信号を生成する。画像形成制御部12は、後述する画像形成動作を統括して制御するとともに、カラーセンサ90を用いたカラーバランス補正時に装置本体を制御する。また、画像形成制御部12は、この画像形成制御部12による処理を制御するCPU121、このCPU121により実行されるプログラムを記憶するROM122、CPU121による各処理に用いられる各種データや処理結果を記憶するRAM123を備える。
CPU121は、パッチ形成手段、パッチ検出手段、補正手段、決定手段及び変更手段として機能する。パッチ形成手段として機能する場合、CPU121は、画像形成部13を制御して、トナー像である複数のパッチを含むパッチ列を記録材に形成する。また、パッチ形成手段として機能する場合、CPU121は、カラーセンサ部16によってカラーセンサ90を制御させることにより、定着器25によって記録材に定着されたパッチ列の濃度又は色度を各パッチごとに検出する。なお、本明細における色度とは、色を定量的に表すための情報を総称するものであり、”色情報”や、”色値”と表記しても良いし、単に”色”と表記しても良い。また、色を定量的に表すパラメータとしては、一般的な表色系であるL*a*b*やXYZ等を採用することができる。
また、補正手段として機能する場合、CPU121は、検出されたパッチ列の濃度又は色度に基づいてパッチ列を形成した記録材と同じ種類の記録材に画像を形成する際の画像形成条件を補正する。また、決定手段として機能する場合、CPU121は、カラーセンサ90によるパッチ検出位置でのトナー像の伸縮、又は当該パッチ検出位置での記録材の移動速度のばらつきを解消するために必要となる記録材の搬送方向に対応するパッチの長さである搬送方向長を決定する。ここで、CPU121は、各パッチの記録材上の形成位置に応じてパッチの搬送方向長を決定する。さらに、変更手段として機能する場合、CPU121は、温度や湿度などの画像形成装置が設定される環境、機内環境、画像形成回数又は記録材種別に応じて、パッチの搬送方向長を変更する。
図2に示す画像形成部13は、図1に示す各エンジンを備えており、記録材P上に画像を形成するための要素を一括して示すブロックである。サイズ検知部14は、ユーザが画像形成に使用している記録材のサイズを検知する。具体的に、サイズ検知部14は、前述した後端規制板19を用いて記録材のサイズを検知する。画像形成制御部12は、このサイズ検知部14の検知結果に基づいて、カラーセンサを用いた補正を行うにあたって、何枚の記録材を使って補正用のパッチパターンを形成するかを決定する。搬送モータ15は、画像形成制御部12からの指示により、記録材Pを所定のタイミングで装置本体2内を搬送させる。本実施形態では図示しない複数の駆動手段により記録材Pの搬送を行っている。カラーセンサ部16は、カラーセンサ90を用いて記録材P上のパッチの検出を行う。
<画像形成動作>
ここで、以上のように構成されたプリンタ1の画像形成動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、まずカセット20内の記録材Pは、給送ローラ21により給送された後、リタードローラ対22により一枚ずつに分離され、ついで搬送ローラ対23a、23b等を経てレジストローラ対24に搬送される。ここで、レジストローラ対24は、回転を停止しており、このレジストローラ対24のニップに記録材Pが突き当てられることにより、記録材Pの斜行が矯正される。一方、記録材Pの搬送動作に並行して、例えばイエローのプロセスカートリッジPYにおいて、まず感光ドラム26Yの表面が一次帯電器50によって一様にマイナス帯電される。次に、レーザ露光器28Yによって画像露光が行われることにより、感光ドラム26Yの表面には原稿のイエロー画像成分に対応した静電潜像が形成される。
次に、形成された静電潜像は、現像器51によってマイナス帯電されたイエロートナーを用いて現像され、イエロートナー像として可視化される。さらに、イエロートナー像は、一次転写ローラ52によって、中間転写ベルト30上に一次転写される。なお、トナー像が転写された後、感光ドラム26Yは、表面に付着している残トナーがクリーナ53によって除去され、次の画像形成に供される。
また、他のプロセスカートリッジPM、PC、PBkにおいても、上述の画像形成動作が所定のタイミングで順次行われ、各感光ドラム26上に形成された各色トナー像がそれぞれの一次転写部で中間転写ベルト30上に順次重ねて一次転写される。
次に、中間転写ベルト30上に重畳して転写された4色のトナー像は、中間転写ベルト30の矢印方向の回転に伴い、二次転写部に移動される。さらに、レジストローラ対24で斜行を矯正された記録材Pが、中間転写ベルト30上の画像が二次転写部に到達するタイミングに合わせて搬送される。
二次転写部では、記録材Pを挟んで中間転写ベルト30に当接した二次転写ローラ27によって、中間転写ベルト30上の4色のトナー像が記録材P上へ二次転写される。トナー像が転写された記録材Pは、定着器25に搬送されて、加熱、加圧されることによりトナー像が定着される。その後、記録材Pは、排出ローラ対61、62、63によって、装置本体2上面に排出、積載される。なお、二次転写を終了した中間転写ベルト30では、不図示のベルトクリーナによって表面に残留した残トナーが除去される。
また、本実施形態によれば、定着器25の下流側の排出ローラ対61、62間の排出搬送路60には、カラーセンサ90が設置されている。図3は、本実施形態に係るカラーセンサ90が配置された付近の排出搬送路60を示す拡大図である。
図3に示すように、カラーセンサ90は、定着器25によって記録材P上に定着されたトナー像を検出するように、記録材Pの画像形成面へ向けて配置される。カラーセンサ90は、搬送される記録材Pに光を照射し、当該記録材Pからの反射光又は当該記録材P上に形成されたトナー像からの反射光を受光することによりRGB信号を出力する。即ち、カラーセンサ90は、記録材P上に形成された定着後のパッチパターン82のRGB値を検出する。また、カラーセンサ90は、記録材Pが装置本体2外に排出される前に記録材Pを搬送させたまま検出を行うように構成されている。
<カラーセンサの構成>
次に、図4を参照して、カラーセンサ90の構成について説明する。図4は、本実施形態に係るカラーセンサ90の構成例を示す図である。
カラーセンサ90は、白色LED91及びRGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ92aを備える。白色LED91は、定着後のパッチが形成された記録材Pに対して斜め45度より光を入射させるように配置される。一方、電荷蓄積型センサ92aは、0度方向への乱反射光を検出するように配置される。92bは、電荷蓄積型センサ92aの受光部を示し、RGBが独立した画素となるフィルタである。電荷蓄積型センサ92aは、例えばフォトダイオードでもよい。また、RGBの3画素のセットが、数セット並んでいるものでもよい。また、入射角が0度であって、反射角が45度の構成でもよい。更には、RGB3色が発光するLEDとフィルタ無しセンサにより構成されてもよい。
<カラーバランス補正>
次に、図5を参照して、カラーバランス補正について説明する。図5は、本実施形態に係るパッチパターン82を示す図である。ここで、パッチパターンとは、複数のパッチ(トナー像)が略一列上に形成されたパッチ列を示す。また、これらの複数のパッチは、一般にそれぞれが濃度(階調)の異なるトナー像である。また、本実施形態によるカラーバランス補正は、このようなパッチパターン82を記録材P上に定着させた後に、カラーセンサ90を用いてRGB値を検出し、階調−濃度特性を制御する。
パッチパターン82は、色再現域の中心でありカラーバランスを取る上で非常に重要な色であるグレーの階調パッチパターンである。具体的に、パッチパターン82は、ブラック(Bk)によるグレー階調パッチ80と、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)を混色したプロセスグレー階調パッチ81とを含んで構成される。また、各パッチは、80aと81a、80bと81b、80cと81cといったように、標準の画像形成装置において色度が近いBkによるグレー階調パッチ80とCMYプロセスグレー階調パッチ81が対をなして並んで形成される。
カラーバランス補正では、カラーセンサ90を用いてこららの複数のパッチのRGB値を検出する。これらの検出結果は、画像処理制御部11へフィードバックされる。画像処理制御部11は、Bkによるグレー階調パッチ80とCMYプロセスグレー階調パッチ81とのRGB値を相対比較することにより、カラーバランス補正データを生成する。具体的に、画像処理制御部11は、ある階調度のグレーパッチと色度がほぼ同じになるCMYの3色を混合したプロセスグレーパッチのCMY3色の混合比率を算出し、カラーバランス補正データを生成する。カラーバランス補正データは、トナー像の濃度又は色度を制御するために用いられる。これにより、最適なカラーバランスのトナー像を形成することが可能となる。
このカラーバランス補正は、通常のプリント動作の合間に実施される。実施のタイミングは、環境変動やプリント枚数などを検知し、予め設定されたタイミングで実行するか、又はユーザが実施を所望した場合に、ユーザの手動操作により実施される。
次に、本実施形態で採用したパッチパターン82の構成とその検出方法について従来との違いを説明する。
図5に示すパッチパターン82は、図13に示した従来のパッチパターンと比較して、搬送方向に対して先頭のパッチ(最初に検出されるパッチ)から末尾のパッチに従ってパッチの搬送方向長が徐々に長くなるように形成される。また全てのパッチの搬送方向長の総計は、従来のパッチの搬送方向長の総計と比較して短くなっている。
また、パッチ検出は、従来のプリンタでは、カラーセンサへ記録材が到達する直前から検出を開始(白色LEDの発光を開始)し、検出値の変動から記録材先端の到達を判断し、以後所定のタイミング毎にパッチの検出を順次行うことで検出データを得ていた。一方、本実施形態でのパッチ検出は、従来同様に記録材先端の到達を検知した後、搬送方向に進むに従って徐々に搬送方向長が長くなるパッチを適切なタイミングで順次検出する。
ここで、なぜパッチパターン82の長さを従来よりも短くすることができるのかについて説明する。図6は、プリンタ1により記録材上に形成された画像の伸縮特性の一例を示す図である。図6は、横軸に記録材の搬送方向位置を記録材の先端からの距離(mm)として示し、縦軸に画像の伸縮を理想位置からのズレ量(mm)、即ちパッチの検出位置変動量を示す。この検出位置変動量は理想的なパッチの検出位置に対しての相対的なズレ量であるが記録材の後端にいくに従って徐々に大きくなっている。これは、検出位置の変動が徐々に蓄積されていくからである。なお、ここでの伸縮とは、図6の縦軸に示される如く、理想位置からのズレ量のことであり、パッチの搬送方向長そのものが物理的に伸縮する場合のみを指すものではない。
図6に示すハッチング領域は、記録材上の画像が理想位置からずれる範囲を示したものである。これらのずれは、記録材搬送ローラの外径ばらつき、環境変動などに起因する記録材の搬送速度のばらつき、記録材が定着器25を通過した際の記録材の縮み、又は、記録材上に画像を形成するまでの画像の伸縮の影響などといった様々なばらつきにより発生する。
図中のβ(x)は、位置xでの理想位置からの画像伸び量を表しており、α(x)は位置xでの理想位置からの画像縮み量を表している。なお、画像伸び量及び画像縮み量とは、画像自体(パッチ自体)の長さが物理的に伸縮するときの伸縮量であったり、画像自体の長さが物理的に伸縮していなくとも、記録材の移動速度のばらつき等の原因による画像の理想位置からのズレ量であったりする。本実施形態では、実際に装置本体2を用いて計測した結果から、
α(x)=β(x)=ax+b
として表すこととした。
従来のパッチパターンでは、全てのパッチパターンを同一の搬送方向長に設定していたために、最後端のパッチに見込む必要のある画像ズレ量を全てのパッチに見込んでパッチパターンを形成していた。よって、記録材の先端に近いパッチほど必要以上に長くなってしまうという欠点があった。一方、本実施形態では、各位置で最適な長さの搬送方向長を有するパッチを形成することで、無駄なトナーの消費を低減させることができる。
また、本実施形態では、各パッチの搬送方向長を決定する際に、図6に示すような画像伸縮特性を考慮して、確実にパッチ内を検出できるようにパッチに検出余裕(マージン)を設定する。
以下では、図7を参照して、カラーセンサ90での検出精度を維持するためのパッチのマージンについて説明する。図7は、パッチに見込むマージンを説明するための図である。なお、図6と同様に、ハッチング領域は、記録材上の画像が理想位置からずれる範囲を示す。
ここでは、一例として、あるパッチをカラーセンサで3回検出する場合について説明する。xは、記録材先端からの距離を示す。dは、記録材上のカラーセンサの検出スポット径を示す。γは、パッチを検出する間にパッチが移動する最大距離を示す。この場合、パッチの搬送方向長PLは、画像の伸縮量α、βを用いて、
PL=α(x+γ)+β(x)+γ+d
で与えられる。このように、画像が伸びる分はパッチの先端側にマージンを持たせ、画像が縮む分はパッチの後端側にマージンを持たせている。
次に、図8を用いて本実施形態でのパッチパターン82の搬送方向長の決定方法について説明する。図8は、本実施形態に係る各パッチの搬送方向長を詳細に示す図である。なお、図6と同様に、ハッチング領域は、記録材上の画像が理想位置からずれる範囲を示す。
は、記録材先端から第1パッチ先端までの距離(mm)を示し、本実施形態ではL=5としている。L、Lは、記録材先端からそれぞれ第1、第2パッチのパッチ検出開始位置までの距離(mm)を示す。L+γ、L+γは、記録材先端からそれぞれ第1、第2パッチのパッチ検出終了位置までの距離(mm)を示す。各パッチに見込むマージンは図7の説明に準ずる形で決定している。
図8より、
=L+d/2+β(L
よって、
=(L+b+d/2)/(1−a)
ここで、第nパッチ(n≧2)のパッチ検出開始位置をL、搬送方向長をPLとすると、
=Ln−1+γ+α(Ln−1+γ)+d+β(L
よって、
=((1+a)(Ln−1+γ)+2b+d)/(1−a) (n≧2)
また、PL
PL=L+γ+α(L+γ)+d/2
より算出できる。
以上の式より、本実施形態でのパッチパターンの構成をまとめたものを図9、図10に示す。
図9は、パッチパターンの形成に関わるパラメータを従来例とともにまとめた図である。項目1は、パッチ検出位置での記録材上の画像伸縮誤差を理想値からの割合(%)で示す。項目2は、パッチ検出位置での速度変動による位置誤差を理想値からの割合(%)で示す。項目3は、記録材先端と画像先端の最大ズレ量b(mm)を示す。このズレ量は、カラーセンサ90での検出誤差を含む。項目4は、パッチパターンの形成に用いる記録材の搬送方向長(mm)を示す。ここでは、一例としてA3の記録材を用いる場合を想定している。項目5は、記録材先端の余白L(mm)を示す。項目6は、記録材後端の余白(mm)を示す。項目7は、記録材上の画像形成可能領域における搬送方向長(mm)を示す。項目8は、1つのパッチに見込む必要のある先端側マージンα(mm)を示す。項目9は、1つのパッチに見込む必要のある後端側マージンβ(mm)を示す。項目10は、パッチ検出位置での記録材搬送速度の最大値(mm/s)を示す。項目11は、カラーセンサ90の検出スポット径φd(mm)を示す。項目12は、パッチ1つのカラーセンサ90による検出回数k(回)を示す。項目13は、カラーセンサ90での1回の検出に必要な時間(s)を示す。項目14は、1つのパッチ検出中に記録材が進む最大距離γ(mm)を示す。項目15は、パッチ1つの搬送方向長(mm)を示す。項目16は、記録材上に形成するパッチの数(個)を示す。項目17は、パッチの階調数n(階調)を示す。項目18は、全パッチ(パッチパターン)を形成するのに必要な長さ(mm)を示す。
ここで、項目1と項目2の誤差を合わせたものが図6の傾きa(a=0.018)であり、項目3が図6の切片b(b=0.9)である。
従来例では、記録材上の画像形成長410mmを考慮して、全てのパッチに見込むマージンをα=β=ax+b=0.018×410mm+0.9=8.28mmとしていた。また、項目10、12、13から項目14の1つのパッチ検出中に記録材が進む最大距離γが算出される。これらから、パッチ1つの搬送方向長22.38mm(=α+β+γ+d)が求まる。よって、従来例では、A3用紙にパッチを18個形成することができ、全パッチの搬送方向長の総計(以下、全パッチ長と称す。)は407.8mmとなる。
一方、本実施形態では、γこそ同じであるもののα、βは図6に示すようにパッチの記録材上の形成位置によって可変としている。ここで、図10を参照して本実施形態に係る各パッチのパラメータについて説明する。
図10は、本実施形態に係るパッチパターンのパラメータを示す図である。図10には、第nパッチのパッチ検出開始位置L、パッチの搬送方向長PL、パッチに見込むマージンα、β及び第nパッチの後端位置を上述した式により算出した結果を示す。
図10に示すように、従来例と同様に18個のパッチを記録材上に形成すると、全パッチ長が202.5mmとなり、従来の407.8mmと比較すると約半分の長さとなっている。つまりパッチ形成に必要とされるトナー量を半減させることになる。
したがって、従来はカラーバランス補正制御にA3サイズの記録材が必要であったのに対して、本実施形態ではA4サイズの記録材で行うことができる。例えば、ユーザがA4サイズの記録材を用いて画像出力を行おうとしている場合に、従来ではカラーバランス補正を行うためにA4サイズの記録材を2枚以上使用する必要があったり、A3サイズの記録材をわざわざセットする必要があった。これに対し、本実施形態では、既に画像形成用に装置本体2にセットしてあるA4サイズの記録材を1枚のみ使ってカラーバランス補正を行うことができる。これは、従来と比較して本実施形態では、トナー消費量を低減させるとともに、補正制御時間も低減することを意味する。
また、従来例ではA3用紙にはパッチを18個しか形成することができなかったのに対して、本実施形態では、図10よりA3用紙(画像形成長さ410mm)に28個のパッチを形成することが可能となる。つまり、従来と比較してトナー消費量を増やすことなく、パッチの数を増やすことができ、カラーバランス補正精度の向上が図れる。
図11は、本実施形態に係るプリンタ1におけるカラーバランス補正制御の制御手順を示すフローチャートである。カラーバランス補正制御を実行するプログラムは、図2に示したROM122に記憶されており、CPU121の制御の下に実行される。
まず、ステップS101において、CPU121は、記録材P上にパッチパターン82を形成する。このパッチパターンは、使用される記録材Pの搬送方向長によって、記録材Pの1枚に全て形成されるか、又は複数枚の記録材Pに分けて形成される。CPU121は、この記録材Pの搬送方向長を、上述したカセット20に設けられたサイズ検知部14からの情報から得てもよい。また、CPU121は、装置本体2の手差し給紙部などにユーザがセットした記録材Pに対して、外部ホスト機器10などからユーザが入力指示したものから得てもよい。
ステップS102において、CPU121は、カラーセンサ90の検出範囲に記録材の先端余白が到達したことを判断するために、使用する記録材Pが無い状態でのカラーセンサの出力V0を検出する。ここでは、カラーセンサ90の対面に設けられた黒色の対向板(不図示)をカラーセンサ90で検出した際の出力をV0としている。その後、CPU121は、カラーセンサ90での検出を続けて、カラーセンサ90からの出力が記録材到達を判断する閾値を超えたところで、タイムカウンタtcをリセットする。このタイムカウンタtcは、パッチの検出を実行するタイミングを判断するために、記録材の先端がカラーセンサ90の検出範囲に到達したタイミングから所定の時間を計時するために用いられる。また、ここで、カラーセンサ90の検出範囲とは、カラーセンサ90のスポット径に相当する。
ステップS103において、CPU121は、タイムカウンタtcによって所定の時間が計時された後に、パッチパターンの検出を開始して全てのパッチの濃度又は色度を算出する。このステップS103のパッチ検出処理に関しては、図12のフローチャートを参照して後述する。
ステップS104において、CPU121は、検出したパッチの濃度又は色度を用いて、画像形成条件を補正するためのカラーバランス特性を算出する。続いて、ステップS105において、CPU121は、カラーバランス補正のための補正用変換テーブルを算出する。この補正用変換テーブルは、レーザ光の露光量、現像バイアスなどのプロセス条件にフィードバックをかけて画像形成条件を補正するためのテーブルである。
次に、図12を参照して、パッチの検出処理について説明する。図12は、本実施形態に係るパッチの検出処理の処理手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、図11に示すステップS103の処理の詳細である。この処理は、カラーセンサ90にパッチパターンが形成された記録材Pが到達した後に起動され、パッチパターンを構成する全てのパッチの濃度検出を行う。なお、図11に処理と同様に、パッチ検出処理を実行するプログラムは、図2に示したROM122に記憶されており、CPU121の制御の下に実行される。
まず、ステップS111において、CPU121は、パッチ番号を示すパッチカウンタnを「0」にリセットする。このパッチカウンタnは、「0」からnmax(パッチの階調数)までの値をとり、n=1が第1パッチを示し、n=2が第2パッチを示す。また、このステップS111では、各パッチの濃度検出値を格納するV1からVnまでを「0」でクリアする。
ステップS112において、CPU121は、パッチカウンタnをインクリメント(+1)する。続いて、ステップS113において、CPU121は、カラーセンサ90の出力の保持回数を示す出力保持カウンタmを「0」にリセットする。この出力保持カウンタmは、「0」からk(1つのパッチ内の検出回数)の値をとり、本実施形態ではk=3とする。
ステップS114において、CPU121は、n個目のパッチの検出を開始するタイミングになったか否かを判定する。ここでは、タイムカウンタtcが閾値であるL/vの値を越えているかどうかにより検出開始タイミングか否かを判断している。ここで、vは、パッチ検出位置での記録材搬送速度の設計値であり、v=200mm/sである。検出を開始するタイミングであると判定した場合、CPU121は、処理をS115に遷移させる。一方、検出を開始するタイミングでないと判定した場合、CPU121は、検出を開始するタイミングとなるまでS114の判定を定期的に繰り返す。
ステップS115において、CPU121は、出力保持カウンタmの値をインクリメント(+1)する。続いて、ステップ116において、CPU121は、変数Amにカラーセンサ90の検出値(出力値)をセットする。この変数Amは、作業領域としてRAM123に確保される。
さらに、ステップS117において、CPU121は、1つのパッチの濃度を算出するのに必要なk回の検出を終えたか否かを判定する。ここで、1つのパッチ内でk回の検出を終えていなければ、CPU121は、処理をステップS115に遷移させ出力保持カウンタmの値をインクリメント(+1)し、変数Amに次の検出結果をセットする。このようにして、所定のサンプリング周期でカラーセンサ90によるパッチ濃度の検出がk回行われ、その検出値がA1からAkに格納される。
次に、ステップS118において、CPU121は、カラーセンサ90により検出されたk個の検出値から、それらの算術平均を求めてパッチの濃度Vnを算出する。本実施形態では、ステップS118で、3個のデータの単純な算術平均を求めてパッチ濃度としているが、この他にも検出回数を増やして最大及び最小値を除いた検出値の平均をパッチ濃度としてもよい。
最後に、ステップS119において、CPU121は、全てのパッチの濃度の検出が終了したか否かを判定する。終了していなければ、CPU121は、処理をステップS112に遷移させ、次のパッチの検出を開始する。こうして全てのパッチの濃度の検出が終了すると、この処理を終了して図11のステップS104の処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、パッチ検出位置での画像の印字精度(伸縮特性、書き出し位置のずれ)、又は、パッチ検出位置でのパッチ移動速度の特性に応じて、パッチパターンを構成する各パッチの面積と位置を最適化する。具体的に、本画像形成装置は、パッチ検出位置でのトナー像の伸縮、又はパッチ検出位置での記録材の移動速度のばらつきを解消するために必要となるパッチの搬送方向長を、各パッチの記録材上の形成位置に応じて決定する。これにより、カラーバランス補正用の各パッチの搬送方向長を最小限の長さで構成することができる。これにより、カラーバランス補正に関わる記録材やトナーの消費量を低減するとともに、効率的にカラーバランス補正を実施することができる。また、記録材上のパッチ面積を低減できることから、パッチの数を増やすことも可能であり、この場合にはトナー消費量を増大させることなくカラーバランス補正精度を向上することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限らず様々な変形が可能である。例えば、各パッチの搬送方向長は、検出される順に徐々に長くなるように設定してもよい。これにより、記録材の搬送方向に対して先頭に形成されるトナー像よりも末尾に形成されるトナー像の方が画像の伸縮量が多くなるという特性を解消することができ、各パッチの形成位置で最適なパッチサイズを実現することができる。したがって、よりトナー消費量を低減するとともに、効率的にカラーバランス制御を実施することができる。
また、本実施形態に係る各パッチの搬送方向長は、カラーセンサ90のスポット径、検出処理中にパッチが移動する最大距離、及び、各パッチの記録材上の形成位置に応じたトナー像の最大伸縮量を含んでもよい。これにより、より正確にパッチの検出を行うことができ、画像形成装置の画像品質を低下させることなく、トナー消費量を低減することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成動作の回数をカウントし、当該回数が所定の回数に到達した場合に、各パッチの搬送方向長を変更してもよい。つまり、画像形成動作回数カウントがある閾値を超えた時点で、上に説明した、α(x)及びβ(x)における、”a”の値や”b”の値を変更すればよい。どのような値に変更するかは、画像形成装置の設計段階において、事前に適切な値を求めておけばよい。この場合、画像形成装置のCPU121は、画像形成動作カウント回数に応じて各パッチの搬送方向長を変更する変更手段として機能する。これにより、画像形成動作の回数に依存する各エンジンの経時変化による画像のばらつきの影響を解消することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、記録材の種別を判別し、判別された記録材の種別に従って各パッチの搬送方向長を変更してもよい。つまり、各記録材の種別(普通紙や厚紙や光沢紙等)毎に、上に説明した、α(x)及びβ(x)における、”a”の値や”b”の値を変更すればよい。どのような値に変更するかは、画像形成装置の設計段階において、事前に適切な値を求めておけばよい。また、この場合、画像形成装置のCPU121は、記録材の種別に応じて、各パッチの搬送方向長を変更する変更手段として機能する。これにより、記録材の種別毎で異なる画像形成特性に影響を受けることなく、正確なパッチ検出処理を行うことができる。ここで、記録材の種別を判別するために、画像形成装置は、記録材の搬送路上に当該記録材の種別を判別するための光学センサを設けてもよい。或いは、画像形成装置は、記録材の種別をユーザからの入力により取得してもよい。
また、記録材上に形成する定着後の階調−濃度特性制御用パッチパターンは、グレーのパッチパターンに限らず、C,M,Y,Bk単色の階調パッチパターンであっても本発明の効果は同様である。
また、カラーセンサを用いた記録材上のパッチ検出に限らず、中間転写体上の濃度階調制御用パッチの検出などにおいても、本発明の効果は同様に発揮されるものである。
さらに、本実施形態では画像形成装置の一例として電子写真方式のカラー画像形成装置を取り上げたが、この他にも、モノクロ画像形成装置の濃度制御や、インクジェット方式の画像形成装置における濃度・色度補正など種々の画像形成装置に適用しうる。
<他の実施形態>
以下では、上述した実施形態の変形例について説明する。
上述した実施形態では、記録材上の画像伸縮特性を図6に示すように設定したが、図6のパッチに見込むマージンα(x)、β(x)は実際の画像伸縮特性に即していれば、高次の関数であっても構わないし、非線形であってもよい。
また、図1に示したプリンタ1は、装置本体2が置かれている環境の温度及び/又は湿度や、装置本体2内の温度及び/又は湿度の上昇により記録材上の印字精度(書き出し位置のずれや画像の伸縮具合)が変わってくることが知られている。したがって、装置本体2が置かれている環境の温度、湿度を検出する環境センサ、又は装置本体2内の温度や湿度等を検出する環境センサにより、図6に示すマージンを変化させてることで、よりパッチパターンの面積を少なくすることも可能である。なお、環境検出の対象となる環境情報としては、温度又は湿度に限定されず、例えば、温度及び湿度を組み合せた値を採用するようにしても良い。このとき、CPU121は、検出された環境情報に従って各パッチの搬送方向長を変更するか、又は、検出された装置内の環境に従って各パッチの搬送方向長を変更する変更手段として機能する。
例えば、ある特定の環境下では、α(x)=b、β(x)=ax+bとし、他の環境下では、α(x)=ax+b、β(x)=bとすることでパッチパターンをより最適化することができる。また”a”の値や”b”の値を、環境(温度及び/又は湿度)に応じて適切に変更しても良い。同様に、プリンタ1の耐久劣化による記録材上の印字精度の違いや、記録材自体の種類による印字精度の違いなどに応じてパッチに見込むマージンを変化させても、より発明の効果を上げることができる。
また、プリンタ1が両面印字に対応する場合、本発明で説明したカラーバランス補正は、2面目の画像に対しても実施してもよい。この場合、1面目と2面目とでは定着後の記録材の縮み量が異なるため、1面目用と2面目用のパッチパターンを分けてそれぞれ最適化することも可能である。つまり、両面印刷における1面目と2面目とで、上に説明した、α(x)及びβ(x)における、”a”の値や”b”の値を変更すればよい。どのような値に変更するかは、画像形成装置の設計段階において、事前に適切な値を求めておけばよい。
さらに、記録材上の画像が搬送方向に進むに従って、幅方向でずれてしまう傾向があるような場合には、それらのずれを解消するようにパッチを形成することが望ましい。例えば、パッチ検出位置で記録材が斜行してしまうような構成であるときには、パッチパターンを構成するパッチの幅を搬送方向が進むに従って徐々に広くすることで、パッチパターンを最適化することができる。
本実施形態に係るプリンタ1の構成を示す断面図である。 本実施形態に係るプリンタ1の制御ブロックを示す図である。 本実施形態に係るカラーセンサ90が配置された付近の排出搬送路60を示す拡大図である。 本実施形態に係るカラーセンサ90の構成例を示す図である。 本実施形態に係るパッチパターン82を示す図である。 プリンタ1により記録材上に形成された画像の伸縮特性の一例を示す図である。 パッチに見込むマージンを説明するための図である。 本実施形態に係る各パッチの搬送方向長を詳細に示す図である。 パッチパターンの形成に関わるパラメータを従来例とともにまとめた図である。 本実施形態に係るパッチパターンのパラメータを示す図である。 本実施形態に係るプリンタ1におけるカラーバランス補正制御の制御手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係るパッチの検出処理の処理手順を示すフローチャートである。 カラーバランスの補正に使用される記録材上のパッチ列1300の一例を示す図である。
符号の説明
PY,PM,PC,PBk:プロセスカートリッジ
P:記録材
1:プリンタ
2:装置本体
3:給送部
10:外部ホスト機器
11:画像処理制御部
12:画像形成制御部
13:画像形成部
14:サイズ検知部
15:搬送モータ
16:カラーセンサ部
19:後端規制板
20:カセット
21:給送ローラ
22:リタードローラ
23a、23b:搬送ローラ対
24:レジストローラ対
25:定着器
26Y,26M,26C,26Bk:感光体ドラム
27:二次転写ローラ
28Y,28M,28C,28Bk:レーザ露光器
30:中間転写ベルト
31:中間転写ベルトユニット
33:転写搬送ユニット
50:一次帯電器
51:現像器
52:一次転写ローラ
60:排出搬送路
61、62、63:排出ローラ対
69、72:ディバータ
70、71:反転ローラ対
73:両面搬送路
74、75、76:両面搬送ローラ対
90:カラーセンサ
91:白色LED
92a:RGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ
100:駆動ローラ
105:テンションローラ
108:二次転写対向ローラ

Claims (8)

  1. トナー像によって形成される複数のパッチを含むパッチ列を記録材に形成するパッチ形成手段と、
    前記記録材に形成されたパッチ列を該記録材に定着させる定着手段と、
    搬送される前記記録材に定着されたパッチ列の濃度又は色を各パッチごとに所定のタイミングで少なくとも1回検出するパッチ検出手段と、
    前記検出された各パッチの濃度又は色に基づいて画像形成条件を補正する補正手段と
    を備え、
    前記パッチ形成手段は、各パッチの搬送方向長が前記パッチ検出手段により検出される順に徐々に長くなるように、前記各パッチをパッチ列として形成し、
    前記各パッチの搬送方向長は、前記パッチ検出手段により前記各パッチを前記所定のタイミングで検出する際に、前記パッチ検出手段のパッチ検出位置に前記各パッチが搬送されてくるタイミングが変動しても前記各パッチが少なくとも1回検出されるように、徐々に長くなっていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 各パッチの搬送方向長は、
    前記パッチ検出手段が各パッチの濃度又は色を検出するために用いる光センサのスポット径、該パッチ検出手段が濃度又は色を検出する間にパッチが移動する距離、及び、各パッチの記録材上の形成位置に応じたトナー像のずれ量を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記画像形成装置が設置されている環境、或いは、前記画像形成装置の装置内の環境を検出して、環境情報として出力する環境検出手段をさらに備え、
    前記パッチ形成手段は、
    前記出力された環境情報に従って各パッチの搬送方向長を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成装置の画像形成動作の回数をカウントするカウント手段をさらに備え、
    前記パッチ形成手段は、
    前記回数が所定の回数に到達した場合に、各パッチの搬送方向長を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 記録材の種別を判別する判別手段をさらに備え、
    前記パッチ形成手段は、
    前記判別された記録材の種別に従って各パッチの搬送方向長を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記パッチ形成手段は、
    記録材の両面へパッチを形成する場合に、記録材の1面目と2面目とで各パッチの搬送方向長を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記検出位置変動量は、記録材の搬送速度のばらつき、或いは、定着器を通過した際の記録材の縮み、或いは、記録材上に画像を形成するまでの画像の伸縮に応じていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. パッチ形成手段が、トナー像によって形成される複数のパッチを含むパッチ列を記録材に形成するパッチ形成ステップと、
    定着手段が、前記記録材に形成されたパッチ列を該記録材に定着させる定着ステップと、
    パッチ検出手段が、搬送される前記記録材に定着されたパッチ列の濃度又は色を各パッチごとに所定のタイミングで少なくとも1回検出するパッチ検出ステップと、
    補正手段が、前記検出された各パッチの濃度又は色に基づいて画像形成条件を補正する補正ステップと
    を実行し、
    前記パッチ形成ステップは、各パッチの搬送方向長が前記パッチ検出手段により検出される順に徐々に長くなるように、前記各パッチをパッチ列として形成し、
    前記各パッチの搬送方向長は、前記パッチ検出手段により前記各パッチを前記所定のタイミングで検出する際に、前記パッチ検出手段のパッチ検出位置に前記各パッチが搬送されてくるタイミングが変動しても前記各パッチが少なくとも1回検出されるように、徐々に長くなっていることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
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