JP6240354B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、色安定性を維持するためのキャリブレーションを実行可能な画像形成装置、およびキャリブレーション用のテストチャートに関する。
画像形成装置の色安定性を維持するためには、測定用画像(テストパターン)を読み取って様々な画像処理条件や画像形成条件などを調整しなければならない。この調整処理はキャリブレーションと呼ばれる。テストパターンは分光タイプのカラーセンサによって読み取られるが、色ごとに適切な露光時間は異なる。測定対象物からの入射光の光量が多い場合は露光時間を短くし、入射光の光量が少ない場合は露光時間を長くする必要がある。特許文献1では、作成された画像パターンの色や濃度に応じてカラーセンサの受光素子の蓄積時間を変更することが提案されている。これにより、画像パターンの色や濃度によらず十分な精度で画像パターンの色や濃度を検知できるようになる。
特開2007−274438号公報
テストパターンが記録されたシート(テストチャート)は、一定の速度で搬送される。よって、蓄積時間が長いパターンの搬送方向の長さは長くなり、蓄積時間が短いパターンの搬送方向の長さは短くてよい。しかし、従来は、どのテストパターンについても搬送方向の長さは、蓄積時間が最長のテストパターンを基準として定められた一定の長さであった。しかも、高精度にキャリブレーションを行うためには、多くの種類のパターンも必要となる。よって、必要となるシートの枚数も増加しやすい。また、蓄積時間が短いパターンについては過剰なサイズであるため、パターンを形成するために過剰にトナーが消費されていた。
そこで、本発明は、測定用画像のサイズを減少させ、シートの枚数や色材の消費量を削減可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の画像形成装置は、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像が形成された前記シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送されるシートに形成された測定用画像からの反射光を蓄積時間に基づいて測定する測定手段と、
前記画像形成手段を制御して測定用画像をシートに形成、前記搬送手段を制御して前記シートを前記測定手段へ搬送、前記測定手段を制御して当該測定手段が前記定用画像測定する第1スキャンを実行、前記搬送手段を制御して前記シートを前記測定手段へ再度搬送させ、前記測定手段を制御して当該測定手段が前記定用画像測定する第2スキャンを実行させる制御手段と、
第2スキャンにおいて前記測定手段が前記定用画像からの反射光を測定するための積時間を前記第1スキャンにおいて前記測定手段が前記定用画像からの反射光を本蓄積時間に基づいて測定した結果に基づいて決定する決定手段と、を有し、
前記決定手段は、前記基本蓄積時間を前記第2スキャンの前記蓄積時間として決定するか否かを、前記第1スキャンにおける前記測定手段測定結果に基づいて判定し、
前記決定手段は、前記基本蓄積時間を前記第2スキャンの前記蓄積時間として決定しない場合、前記基本蓄積時間より短い他の蓄積時間を前記第2スキャンの前記蓄積時間として決定とを特徴とする。
本発明によれば、測定用画像のサイズを減少させることができる。その結果、シートの枚数や色剤の消費量を削減可能となる。
画像形成装置の概略構成図 カラーセンサの概略構成図 制御部の概略構成図 テストパターンを生成するための画像信号値の一例を示す表 波長と蓄積時間に対する反射光量を示す図 平均化処理回数に対する色差を示す図 蓄積設定とテストパターンのサイズとの関係を示す表 テストパターンの配置例を示す図 テストパターンの配置例を示す図 蓄積設定の違いによる色差を示す図 プレスキャン及びメインスキャンの各ステップを示すフローチャート テストパターンのプレスキャン領域とメインスキャン領域の一例を示す図 基本蓄積設定の一例を示す図 テストパターンの配置例を示す図 テストパターンの配置例を示す図 テストパターンの配置例を示す図 パターン種ごとのパラメータの一例を示す図
<実施形態1>
本実施形態は、画像形成装置を調整するためのキャリブレーション用のテストチャートに関するものである。キャリブレーションとは、たとえば、最大濃度や階調補正、カラーマッチングプロファイルを作成する処理である。テストチャートには、1つまたは複数の色材を用いて複数の測定用画像(テストパターン)が形成される。複数のテストパターンからのそれぞれの反射光は、各テストパターンごとに定められた蓄積時間の間にわたりカラーセンサの受光素子で蓄積される。各テストパターンごとに蓄積時間を決定するのは、各テストパターンごとにカラーセンサのダイナミックレンジを十分に確保しつつカラーセンサの出力の飽和を抑制するためである。とりわけ、本実施形態では、テストチャートの搬送方向における各テストパターンの長さを、各テストパターンごとの蓄積時間の長さに応じた長さとする。これにより、カラーセンサによって読まれない無駄な領域を削減できるため、従来よりもパターンのサイズを減少させることができる。その結果、シートの枚数や色材の消費量を削減可能となる。
(画像形成装置)
図1を用いて実施形態に係る画像形成装置100について説明する。本実施形態では、一例として、画像形成方式として電子写真方式を採用する。しかし、本発明は、インクジェット方式や昇華方式にも適用できる。なお、インクジェット方式では、インクを吐出してシートに画像を形成する像形成手段やインクを乾燥させる定着手段(乾燥手段)が使用される。
図1は画像形成装置100の構造を示す断面図である。画像形成装置100は、筐体101を備える。筐体101には、プリンタ部(画像形成エンジン)を構成するための各機構と、制御ボード収納部104とが設けられている。制御ボード収納部104には、各機構による各印刷プロセス処理(たとえば、給紙処理など)に関する制御を行なうエンジン制御部102と、画像処理などを行うプリンタコントローラ103が収納されている。
図1が示すように、YMCKに対応した4つのステーション120、121、122、123が設けられている。ステーション120、121、122、123は、トナーをシートに転写して画像を形成する画像形成部である。とりわけ、ステーション120、121、122、123は、1つまたは複数の色材を用いて複数のテストパターンをシートに形成することで、画像形成装置100を調整するためのキャリブレーション用のテストチャートを作成する画像形成手段として機能する。なお、ここで、YMCKは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの略称である。各ステーションは、ほぼ共通の部品により構成されている。感光ドラム105は、像担持体の一種であり、一次帯電器111により一様の表面電位に帯電する。感光ドラム105は、レーザ108が出力するレーザ光によって、潜像が形成される。現像器112は、色材(トナー)を用いて潜像を現像してトナー像を形成する。トナー像(可視像)は、中間転写体106上に一次転写される。中間転写体106上に形成された可視像は、収納庫113から搬送されてきたシート110に対して、転写ローラ114に二次転写される。
本実施形態の定着処理機構は、シート110に転写されたトナー像を加熱および加圧してシート110に定着させる第一定着器150および第二定着器160を有している。第一定着器150には、シート110に熱を加えるための定着ローラ151、シート110を定着ローラ151に圧接させるための加圧ベルト152、定着完了を検知する第一定着後センサ153を含む。これらローラは中空ローラであり、内部にそれぞれヒータを有している。また、これらローラは、不図示のモータにより駆動されて、シート110を搬送する。第二定着器160は、第一定着器150よりもシート110の搬送方向で下流に配置されている。第二定着器160は、第一定着器150により定着したシート110上のトナー像に対してグロスを付加したり、定着性を確保したりする。第二定着器160も、第一定着器150と同様に定着ローラ161、加圧ローラ162、第二定着後センサ163を有している。シート110の種類によっては第二定着器160を通す必要がない。この場合、エネルギ消費量低減の目的で第二定着器160を経由せずにシート110は搬送経路130を通過する。搬送経路切り替えフラッパ131は、シート110を搬送経路130へ誘導するか、第二定着器160に誘導するかを切り替える切替手段として機能する。
搬送経路切り替えフラッパ132は、シート110を排出経路135へと誘導するか、外部への排出経路139に誘導する誘導部材である。排出経路135には、反転センサ137が設けられている。シート110の先端は、反転センサ137を通過し、反転部136へ搬送される。反転センサ137がシート110の後端を検出すると、シート110の搬送方向が切り替えられる。つまり、矢印Cが示す搬送方向から矢印Dが示す搬送方向に切り替わる。搬送経路切り替えフラッパ133は、シート110を両面画像形成用の搬送経路138へと誘導するか、排出経路135に誘導する誘導部材である。搬送経路切り替えフラッパ134は、シート110を外部への排出経路139に誘導する誘導部材である。なお、排出経路135や排出経路139などの搬送路には多数の搬送ローラ140が設けられている。
シート110の搬送方向において第二定着器160よりも下流には、シート110上のパターン画像を検知するカラーセンサ200が配置されている。カラーセンサ200は、シートの搬送方向において第一定着器150および第二定着器160よりも下流でシートに定着した画像の色を測定する色測定部として機能する。カラーセンサ200は、排出経路139や搬送経路138、搬送経路130に配置されていてもよい。操作パネル180からキャリブレーションが指示されると、エンジン制御部102は最大濃度補正、階調補正、多次色調整(ICCプロファイルの作成)などのキャリブレーションを実行する。
本実施形態では、テストパターンが形成されたシートは搬送経路130から排出経路135へ搬送され、カラーセンサ200によってプレスキャンされる。プレスキャンが完了したシートは反転部136へ搬送される。ここで、シートの進行方向が反転する。シートは、排出経路135を逆走し、再び、カラーセンサ200へ搬送され、メインスキャンが実行される。なお、プレスキャンが完了したシートを、別の経路を通じて搬送し、カラーセンサ200へ導いてもよい。たとえば、シートの1面目と2面目との両面に画像を形成するために1面目に画像が形成されたシートを搬送する搬送路である搬送経路138を利用してもよい。この場合の搬送順序は、反転部136=>搬送経路138=>搬送経路130=>排出経路135=>反転部136=>搬送経路138=>搬送経路130=>排出経路135といった順序となる。この場合、シートは、搬送経路138を2度通過し、カラーセンサ200をトータルで3回にわたり通過することになる。これは、1度目にカラーセンサ200を通過するときは、テストパターンが形成された1面目がカラーセンサ200に面しているが、2度目にカラーセンサ200を通過するときは、2面目がカラーセンサ200に面してしまうからである。シートが3度目にカラーセンサ200を通過するときに、1面目が再びカラーセンサ200に対向するため、メインスキャンが実行される。なお、重要なことは、テストパターンが形成されたシートが2回以上にわたりカラーセンサ200を通過することで、一回目の通過時にプレスキャンが実行され、二回目の通過時にメインスキャンが実行されることである。そのため、シートが2回以上にわたりカラーセンサ200を通過する限り、シートはどのような搬送路を搬送されてもよい。
このように、搬送ローラ140は複数の測定用画像(テストパターン)が形成されたシート(テストチャート)を搬送する搬送手段として機能する。カラーセンサ200は、搬送ローラ140により搬送されているシートから複数のテストパターンを測定(プレスキャンやメインスキャンなど)する測定手段として機能する。
(カラーセンサ)
図2を用いて、分光タイプのカラーセンサ200の構造及び色測定動作について説明する。なお、本実施形態の特徴である蓄積時間を変更することが可能なカラーセンサであれば、ここに記載されたものに限定されない。蓄積時間とは、カラーセンサ200がテストパターンからの反射光を受光素子に蓄積する時間のことである。
図2はカラーセンサ200の構造を示す図である。白色LED201は、シート110上のテストパターン220に光を照射する発光素子である。回折格子202はテストパターン220から反射した光を波長ごとに分光する分光部品である。ラインセンサ203は、回折格子202により波長ごとに分解された光を検出するn個の受光素子を備えた光検出素子である。ラインセンサ203は、上位のコントローラの指示にしたがった蓄積時間にわたり、テストパターンからの反射光を受光して受光した反射光量に応じた電荷を蓄積し、反射光量に応じた出力信号を出力する。なお、蓄積時間は、上位のコントローラによって各テストパターンごとに指定される。演算部204は、ラインセンサ203により検出された各画素の光強度値から各種の演算を行う。メモリ205は、演算部204が使用する各種のデータを保存する。演算部204は、たとえば、光強度値から分光演算する分光演算部やLab値を演算するLab演算部などを有する。なお、演算部204は、たとえば、各テストパターンごとに、サンプル回数(平均化処理回数)だけ反射光量をサンプルし、平均値を算出してもよい。この平均化処理は、テストパターンの濃度ムラなどの影響を緩和するために有効である。白色LED201から照射された光をシート110上のテストパターン220に集光したり、テストパターン220から反射した光を回折格子202に集光したりするレンズ206がさらに設けられてもよい。なお、カラーセンサ200は、シートを搬送する搬送部(搬送ローラ140)によって搬送されているテストパターン220の色を測定する。なお、複数のカラーセンサ200を色測定器として設置する場合、演算部204およびメモリ205は複数のカラーセンサ200に対して1組だけ設けてもよい。これにより、複数のカラーセンサ200からの色測定値に関する処理を統合して実行することができ、プリンタコントローラ103の負荷を軽減できるからである。また、部品点数を削減できるため、製造コストの低減効果も発揮できる。
(各種動作説明)
画像形成装置100は、少なくとも通常画像形成モードとキャリブレーションモードとを有している。通常画像形成モードは、ホストコンピュータ301から投入された印刷ジョブにしたがって画像をシートに形成したり、イメージスキャナによって読み取った原稿の画像をシートに形成したりするモードである。キャリブレーションモードは、画像形成装置100の色再現性や階調特性を所望の状態に維持するモードである。キャリブレーションモードでは、たとえば、最大濃度補正、階調補正、カラーマッチングプロファイルの作成などが実行される。
(色変換処理)
図3を用いて、色変換処理について説明する。カラー画像を形成する際に、I/F302は、ホストコンピュータや操作パネル180、外部メモリ等からRGB信号値を入力される。なお、JapanColorなどの標準印刷CMYK信号値を想定した画像信号が入力されてもよい。外部入力用の入力ICCプロファイル格納部1111は、I/F302を通じて入力された画像信号に対して、RGB→L*a*b*変換またはCMYK→L*a*b*変換を実行する。入力ICCプロファイル格納部1111は、入力ICCプロファイルを用いて色変換を実行する。入力ICCプロファイルは、入力画像信号のガンマをコントロールする1次元LUT(ルックアップテーブル)、ダイレクトマッピングといわれる多次色LUT、生成された変換データのガンマをコントロールする1次元LUTなどである。これらのテーブルにより、入力画像信号は、デバイスに依存した色空間からデバイスに依存しないL*a*b*データに変換される。L*a*b*表色系に変換された画像信号は、CMM(カラーマネージメントモジュール)1112に入力される。CMM1112は、入力された画像信号に対して、GAMUT変換や、光源種ミスマッチ(色温度設定のミスマッチとも言う)色変換などを実行する。GAMUT変換は、入力機器としての外部I/Fの読取色空間と、出力機器としての画像形成装置100の出力色再現範囲と間のミスマッチをマッピングする。光源種ミスマッチ色変換は、入力時の光源種と出力物を観察するときの光源種とのミスマッチを調整するための色変換である。これにより、L*a*b*データはL*’a*’b*’データへ変換される。L*’a*’b*’データは、出力ICC出力プロファイル格納部1113に入力され、そこに格納されている出力ICCプロファイルによって色変換される。これにより、出力機器に依存したCMYK(Cyan Magenta Yellow Black)信号へと変換され、LUT部1134に出力される。LUT部1134は、LUT作成部1133が作成したLUTを用いてCMYK信号値の階調を補正し、プリンタ部1201に出力する。プリンタ部1201のエンジン制御部102は、4つのステーション120、121、122、123の露光部(レーザ108)を制御し、潜像を感光ドラム105上に形成させる。エンジン制御部102は、搬送ローラ140を回転させるモータ141を制御したり、ソレノイド142を制御して搬送路を切り替えたりしながら、シートにトナー画像を形成し、外部に排出させる。
(キャリブレーションモード)
操作パネル180からのキャリブレーションの実行指示は、操作部I/F311を通じて、エンジン状態確認部1102に入力される。なお、操作パネル180からの入力データは、一旦、プリンタコントローラCPU313に入力されてもよい。エンジン状態確認部1102の機能はプリンタコントローラCPU313によって実現されてもよい。エンジン状態確認部1102は、プリンタコントローラCPU313によりキャリブレーションモードへの移行を指示されると、テストチャートの出力をプリンタ部1201に指示するとともに、センサ制御部1123に色測定を指示する。テストチャートとは、テストパターンが形成されたシートのことである。エンジン制御部102は、キャリブレーションの指示にしたがってテストパターン生成部143にテストパターンの画像データを出力させる。テストパターン生成部143は、画像処理部1101側に搭載されていてもよい。テストパターン生成部143は、テストチャートの搬送方向における各テストパターンの長さが各テストパターンごとの蓄積時間の長さに応じた長さとなるように画像信号を作成し、エンジン制御部102に出力する。各テストパターンごとの蓄積時間は、テストパターン生成部143の内部にあるメモリに格納されていてもよいし、蓄積設定格納部172に格納されていてもよい。
キャリブレーションモードにおいて、カラーセンサ200は、プレスキャンとメインスキャンとを実行する。プレスキャンは、カラーセンサ200のテストパターンごと(色ごと)の蓄積時間(読み取り時間や露光時間、測定時間ともいう)を調整するために、テストパターンを読み取る処理のことである。メインスキャンは、最大濃度補正、階調補正またはプロファイル作成のために、プレスキャンにより決定された蓄積時間を用いてテストパターンを読み取る処理のことである。プレスキャンにおいて、センサ設定部170の蓄積設定決定部171は、カラーセンサ200によりテストパターンの読み取り結果(分光反射率や反射光量)に基づきテストパターンごとの蓄積時間を決定する。なお、プレスキャンにおける各テストパターンごとの蓄積時間としては、予め工場出荷時などに決定された蓄積時間が使用される。蓄積設定格納部172は、各テストパターンについて決定されたメインスキャン用の蓄積時間を格納する。プレスキャン用の蓄積時間も蓄積設定格納部172に格納されていてもよい。センサ制御部1123は、メインスキャンを実行する際に各テストパターンに対応した蓄積時間を読み出してカラーセンサ200の蓄積時間を制御する。蓄積時間は、数値であってもよいし、蓄積設定1、2、3のような複数のレベルを示す符号であってもよい。メインスキャンによって取得されたカラーセンサ200の読み取り結果(分光反射率)に基づき、画像処理条件や画像形成条件が調整される。
このように、キャリブレーションモードでは、テストパターン生成部143が生成した画像信号に基づいてテストパターンがシートに形成され、カラーセンサ200により読み取らせ、画像処理条件や画像形成条件が調整される。最大濃度補正部1131は、カラーセンサ200の読み取り結果(分光反射率)をさらに濃度変換部1130により変換して得られたCMYK信号値(濃度値)に基づき、最大濃度を補正する。最大濃度を補正するためのパラメータとしては、帯電電位、現像電位や露光量などがある。濃度階調補正部1132は、テストパターンのCMYK信号値(濃度値)に基づき所望の階調性が得られるような露光設定の補正量を算出する。LUT作成部1133は、露光設定の補正量にしたがってLUTを作成する。また、カラーセンサ200の読み取り結果(分光反射率)は、Lab演算部1120によってLab値に変換され、カラーセンサ用入力ICCプロファイル格納部1121に格納されているプロファイルによって変換され、プロファイル作成部1122に入力される。プロファイル作成部1122は、多次色の変動を抑えるための多次元LUTであるプロファイルを作成するキャラクタライゼーション(多次色CAL)を行う。優れた色再現性を実現するプロファイルとして、ここでは近年市場で受け入れられているICC(International Color Consortium)プロファイルを用いることとする。本発明は、ICCプロファイル以外のカラーマッチングプロファイルにも適用できる。たとえば、Adobe社が提唱したPostScriptのレベル2から採用されているCRDやPhotoshop(登録商標)内の色分解テーブル、墨版情報を維持するEFI社のColorWise内CMYKシミュレーションなどもある。CRDは、Color Rendering Dictionaryの略称である。プロファイル作成部1122は、たとえば、特開2009−004865号公報に記載されている方法にしたがってプロファイルを作成してもよい。最大濃度補正、階調補正やプロファイル作成は、すでに公知の技術を採用できるため、ここでは詳細には説明しない。
(テストパターンの一例)
図4は、テストチャートに含まれているテストパターンを生成するためのYMCK画像信号の一例を示す図である。図4には81種類のテストパターンについてのYMCK画像信号が示されているが、テストチャートの用途に応じて、テストパターンの数は変更されてもよい。たとえば、ISO12642のテストフォーム(テストチャート)では、928個のテストパターンが存在する。
●テストパターンのサイズ
各テストパターンのサイズ(搬送方向における長さ)は、蓄積時間、搬送速度、平均化処理回数を考慮して決定される。たとえば、テストパターンのサイズは以下のような式によって算出される:
S=PS × t × N ・・・式1
ここで、PSは、テストパターンが形成されたシートの搬送速度(mm/s)である。tは、各テストパターン内においてカラーセンサ200に入射するテストパターンからの反射光の光量を適正な光量にするために必要となる蓄積時間(s)である。Nは、各テストパターン内における微小領域のムラを平均化するために必要とされる色測定回数である。本実施形態では、説明の便宜上、PSを250mm/sと仮定した。蓄積時間tと平均化処理回数Nは各テストパターンごとに異なる。テストパターンのサイズは工場出荷時に決定されてもよいし、テストパターン生成部143が各テストパターンの長さを動的に決定してもよい。このように、テストパターン生成部143は、各テストパターンの長さを、そのテストパターンについての蓄積時間tとテストチャートの搬送速度PSとに基づき決定する決定手段として機能する。式1が示すように、テストパターン生成部143は、各テストパターンの長さを、そのテストパターンについての蓄積時間tとテストチャートの搬送速度PSとさらにそのテストパターンのサンプル回数(平均化処理回数N)とに基づき算出してもよい。
●蓄積設定
図4に示したテーブルによれば、81個のテストパターンのそれぞれについてカラーセンサ200が適用する蓄積設定も登録されている。蓄積設定は、カラーセンサ200がテストパターンからの反射光を測定する時間(蓄積時間、測定時間または露光時間と呼ばれてもよい)に関する設定である。図4によれば、各テストパターンには、複数レベル(例:3段階)ある蓄積設定のうちいずれか1つが割り当てられている。各蓄積設定においてテストパターンを1回測定する時間は、たとえば、以下のようになる:
蓄積設定1: 3ms
蓄積設定2: 6ms
蓄積設定3: 12ms
ここで、各テストパターンについての蓄積設定の決定方法について説明する。図4において濃度の濃い(暗部)テストパターンと濃度の薄い(明部)テストパターンについて比較してみる。
図5(A)および図5(B)は、蓄積時間の違いと反射光量との関係を示す図である。横軸は波長を示し、縦軸は反射光量を示している。とりわけ、図5(A)は、暗部テストパターンの代表例であるパターン番号が81番のテストパターンについて蓄積時間と反射光量との関係を示している。図5(B)は、明部テストパターンの代表例であるパターン番号が13番のテストパターンについて蓄積時間と反射光量との関係を示している。なお、図5(A)および図5(B)においては3つの蓄積設定に対する反射光量を示している。ここでの反射光量は、カラーセンサ200に入射するテストパターンからの反射光の光量から暗出力値が減算されて求められている。暗出力値とは、カラーセンサ200の光源を発光させなかったときに得られるカラーセンサ200からの出力値のことである。図5(A)が示すように、81番の暗部テストパターンについては、蓄積時間を増やしていくと反射光量も増加していくことがわかる。一般に、反射光量が少ない場合、電気信号に対するノイズ成分が占める割合が大きくなる。よって、81番の暗部テストパターンについては、ダイナミックレンジを大きく取れる蓄積設定3が適正といえる。
一方、13番の明部テストパターンについては、蓄積設定1が適正と判断できる。ちなみに、蓄積設定2では波長が600nm程度以上になると、反射光量が飽和してしまう。蓄積設定3では、波長が500nm程度以上で反射光量が飽和してしまう。これは、反射光量を示す信号値が4096で制限されていること、および、暗出力値が596であることから、反射光量が3500付近で頭打ちになってしまうことが原因である。このように、多次色補正で使用される81個のテストパターンには、それぞれ適正な蓄積時間が存在する。
●平均化処理回数
平均化処理回数Nは、各テストパターン内において微小領域のムラを平均化するために必要とされる色測定回数(サンプル数)である。平均化処理回数Nを適正化することで、色測定精度が向上する。本実施形態においては、平均化処理回数Nの設定を3段階(例:4回、8回、16回)とし、各テストパターンごとに適正値を選択した。各テストパターンについての適正な平均化処理回数Nについては予め工場出荷時に決定され、メモリ205に記憶される。
図6に、CMYKWRGBのテストパターンの平均化処理回数Nと色差ΔEとの関係を示す。CMYKWRGBは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト、レッド、グリーン、ブルーを示している。縦軸は、CMYKWRGBのテストパターンを静止状態にて測定した値と、テストパターンを記録したテストチャートを搬送しながらテストパターンを色測定した値との色差ΔEを示している。横軸は、平均化処理回数Nである。これは、テストチャートを搬送しながらテストパターンを色測定し、各テストパターンの測定値の平均値を算出する際に使用された測定値の数(測定回数やサンプル数とも呼べる)である。なお、図6には、比較として平均化処理回数が2回の場合の色差データも示してある。図6を見てわかるように、平均化処理回数Nを増やしていくと、静止読みに対する色差ΔEは小さくなってくることが分かる。すなわち、平均化処理回数Nを増やしていくと、色測定精度が上がっていくことがわかる。
図7が示すように、本実施形態では、81個のテストパターンについての適正な平均化処理回数をそれぞれ16回に設定した。さらに、図7に示した蓄積時間t、平均化処理回数Nなどを式1に代入して求めたパターンサイズも図7に示されている。
本実施形態では、テストパターンのサイズを減少させ、シートの枚数や色材の消費量を削減することを目指している。上述したように、複数のテストパターンからのそれぞれの反射光は、各テストパターンごとに定められた蓄積時間の間にわたりカラーセンサ200の受光素子で蓄積されることになる。各テストパターンのサイズを最長の蓄積時間(蓄積設定3)を基準として設計すると、テストパターンのサイズに無駄が生じやすい。そこで、式1が示すように、テストパターン生成部143は、テストチャートの搬送方向における各テストパターンの長さを、各テストパターンごとの蓄積時間の長さに応じた長さに決定すればよい。これにより、各テストパターンのサイズが適切な長さとなり、テストチャートを構成するシートの枚数を削減できる。また、各テストパターンのサイズが適切な長さとなるため、色材の消費量も削減される。
ここで、比較例を用いて本実施形態の利点について説明する。比較例のテストパターンのサイズは、すべて最長の蓄積時間(蓄積設定3)から求めたサイズとする。すなわち、全てのテストパターンのサイズを最も大きいサイズとしている。
本実施形態の各テストパターンの設定値は図4に示したとおりである。各蓄積設定ごとのテストパターンの個数は、以下のようになる。
・蓄積設定1、平均化処理回数16回(パターン種A) ; 34個
・蓄積設定2、平均化処理回数16回(パターン種B) ; 29個
・蓄積設定3、平均化処理回数16回(パターン種C) ; 18個
これらの81個のテストパターンを搬送方向に一列に並べたときの全長は以下のとおりである。
(実施形態1における全長)
=12*34+24*29+48*18
=2424(mm)
一方、比較例のテストパターンのサイズは、式1から48mmとなる。つまり、比較例では、全てのテストパターンのサイズが48mmとなる。
(比較例におけるパターン全長)
=48*81
=3888(mm)
よって、実施形態1は、比較例と比較して、約35%程度も必要な領域を削減できる。次に、テストチャートをA3シートで作成する場合に何枚のA3シートが必要かを考える。A3シートの搬送方向における全長は420mmであるが、そのすべてにテストパターンを配列できるわけではない。たとえば、搬送方向の先端付近は振動しており、振動の影響が測定結果に誤差を与える。この振動の影響を防ぐためのマージンは、たとえば、30mmである。つまり、A3シートの搬送方向の先端から30mmまでの領域には、テストパターンを配置しない。よって、A3シートにおいてテストパターンを形成できる領域の長さは、390mmである。実施形態1のテストパターンをA3シートに形成すると、トータルで7枚のA3シートが必要となる。一方で、比較例の場合、10枚のA3シートが必要になる。よって、本実施形態では、比較例と比較して、3枚もA3シートを削減できる。
以上説明したように、本実施形態では、テストチャートの搬送方向における各テストパターンの長さを、各テストパターンごとの蓄積時間の長さに応じた長さとする。これにより、カラーセンサによって読まれない無駄な領域を削減できるため、従来よりもパターンのサイズを減少させることができる。その結果、シートの枚数や色材の消費量を削減可能となる。ところで、シートの枚数や色材の消費量を削減する方法として、テストパターンの数を削減する方法も考えられる。しかし、テストパターンの数を削減してしまうと、最大濃度補正や階調補正、カラーマッチングプロファイルの作成に必要となるデータが不足してしまい、画像形成装置の調整精度が低下するだろう。一方で、本発明では、テストパターンの数を減らすわけではないため、画像形成装置の調整精度(キャリブレーション性d)を高精度に維持できる。
本実施形態によれば、テストパターン生成部143は、各テストパターンの長さをそのテストパターンについての蓄積時間とテストチャートの搬送速度とに基づき決定する。各テストパターンごとに、ダイナミックレンジを適切にしつつサチレートを発生させない蓄積時間は異なる。また、各テストパターンがカラーセンサ200を通過する速度はテストチャートの搬送速度に等しい。よって、各テストパターンの長さは、蓄積時間と搬送速度とに比例することになる。なお、テストパターン生成部143は、各テストパターンの長さを、さらにそのテストパターンのサンプル回数に基づいて算出してもよい。テストパターンを複数回サンプルすることで濃度ムラなどの影響を緩和できるが、複数回のサンプルを実行するにはそれだけテストパターンの長さを長くする必要がある。
<実施形態1の変形例>
実施形態1においては、テストパターンを測定するカラーセンサ200の数を1つとして説明した。もちろん、カラーセンサ200の数を2以上としてもよい。この場合、複数のカラーセンサ200は、たとえば、テストチャートの搬送方向と直交した方向に並べられる。1つのカラーセンサ200では、1枚のシートに形成された1列のテストパターンしか読み取れないが、複数のカラーセンサ200であれば、複数列のテストパターンを同時に読み取れる。なお、複数列のテストパターンを読み取れる配置であれば、複数のカラーセンサ200の配置は自由である。
ここでは、一例として、4つのカラーセンサ200でテストパターンの色を測定するものとして説明するが、カラーセンサ200の数は2以上であればよい。なお、複数のカラーセンサ200を用いて色測定する場合においても、必要となるテストパターンの数やサイズは、実施形態1のそれらと変わらない。
以下では、テストパターンの配列について一例を示す。なお、以下で説明する配列は一例であり、本発明の配列がこれにのみ限定されるわけではない。これは、全体として、テストチャートを構成するシートの数を削減できれば十分だからである。
図8は、1枚目のテストチャートP1と、2枚目のテストチャートP2と、4つのカラーセンサ200a、200b、200c、200dを示している。図8においてテストチャートP1,P2の搬送方向はY方向である。Y方向に直交下方向がX方向である。4つのカラーセンサ200a、200b、200c、200dは、X方向に並んでいる。図8に示すようにテストパターンを配列することで、A3シートの必要枚数を2枚に削減できる。なお、テストチャートP2の一部の領域にはテストパターンが配置されていない。この空白部分を有効活用するために、さらに多くのテストパターンを空白部分に配置してもよい。このように、テストパターンを増加することで、テストパターンの色測定の結果に基づいて実行される画像形成装置の調整(キャリブレーション)を精度よく実行できるようになる。一方、全てのテストパターンを最長の蓄積時間を基準として作成する比較例を考える。つまり、比較例のテストパターンのサイズは全て48mmとなる(パターン種C)。図9が示すように、比較例では、テストチャートP1、P2、P3といった3枚のA3シートが必要になる。
以上説明したように、変形例では、実施形態1の技術思想に対してさらに複数のカラーセンサ200を組み合わせることで、シートの枚数や色材の消費量を削減できるようになる。その他の効果については、実施形態1に関して説明したとおりである。
<実施形態2>
画像形成エンジンの状態は、画像形成枚数が増加するにつれて(工場出荷時からの経過日数が増えるにつれて)変化してゆく。たとえば、画像形成エンジンの状態変化によって画像形成装置100が形成する画像の濃度が想定の濃度(工場出荷時に決定された規定濃度)よりも薄くなったり濃くなったりすることがある。たとえば、濃度が規定濃度よりも薄くなると反射光量が増加するため、カラーセンサ200のサチレーションが発生しやすくなる。このサチレーションは、蓄積時間を動的に短くすることで解決される。一方で、濃度が規定濃度よりも濃くなると反射光量が低下するため、蓄積時間を長くしてダイナミックレンジを維持する必要がある。しかし、実施形態1では、予め画像信号に基づいて決定された蓄積設定にしたがってテストパターンのサイズが適正化されている。よって、蓄積時間を長くすると、搬送方向において目的のテストパターンの次に配置されているテストパターンを読み取ってしまう恐れがある。このように別のテストパターンを読み取った結果を用いてカラーマッチングプロファイルなどを作成すれば、色安定性が低下する。そこで、実施形態2では、複数のテストパターンのうち、画像形成エンジンの状態変化によって蓄積設定が次の段階の蓄積設定に変化しやすいものについては、予め次の蓄積設定にしたがってサイズが決定される。これにより、蓄積時間を動的に変更しても、別のテストパターンを読み取りにくくなり、キャリブレーションの精度を維持しやすくなる。
実施形態2では、工場出荷時に求められた蓄積時間(基本蓄積時間)をメモリ(蓄積設定格納部172)に記憶しておき、画像形成エンジンの状態変化に応じて動的に蓄積時間を変更する。なお、蓄積時間は、複数の色材の使用量(YMCKの画像信号の値の和など)に応じて決定される。このように、蓄積設定格納部172に記憶されている複数のテストパターンのそれぞれの蓄積時間は、そのテストパターンを形成するための複数の色材の使用量に応じて予め決定された基本蓄積時間である。なお、テストパターンのサイズは、基本蓄積時間に基づき決定される。本実施形態では、テストパターンの色や濃度を検出するメインスキャンの前にプレスキャンを実行する。プレスキャンとは、メインスキャンで使用する蓄積時間を決定するための測定処理である。
ここでは、プレスキャンを説明するために、多次色CALにおいて実行されるプレスキャンについて説明する。しかし、本発明のプレスキャンやメインスキャンは、最大濃度補正や階調補正におけるプレスキャンやメインスキャンとしても適用できる。プレスキャンは、テストパターンごとにカラーセンサ200の蓄積時間を設定するものであり、カラーセンサ200の読み取り結果がどのように利用されるかには依存しないからである。以下で説明する色測定スピード(搬送速度)やテストパターンの大きさ、センサ設定は、説明を理解しやすくするための一例にすぎない。
(プレスキャンの必要性)
プレスキャンとは、多次色CALを行うための色測定工程(メインスキャン)において、カラーセンサ200の色測定条件を決定する作業である。ここでいう色測定条件とは、カラーセンサ200の蓄積設定(蓄積時間)のことである。色測定条件は、テストパターンの色を高精度に測定するためには必要な条件である。まとめると、蓄積時間tとは、各テストパターンからカラーセンサ200に入射する反射光の光量が適正になる測定時間である。
実施形態1において、図4のような入力信号値によって形成される色補正用のテストチャートに対して、適切な蓄積設定を用いて色測定することによって、サチレートやダイナミックレンジの不足が発生しにくくなることを説明した。これは、各テストパターンのそれぞれの蓄積設定はそのテストパターンからの反射光の光量に依存するからである。しかし、画像形成エンジンの状態が変化すると、テストパターンごとの適切な蓄積設定も変化する。たとえば、適切な蓄積時間が蓄積設定2から蓄積設定1に変化することがある。この場合に、デフォルトで設定されている蓄積設定2でカラーセンサ200が色測定を行うと、カラーセンサ200への入射光量が多すぎて、サチレートが発生してしまう。これでは、正確な色測定ができない。一方、適切な蓄積時間が蓄積設定1から2蓄積設定へ変化したり、蓄積設定2から蓄積設定3へ変化したりすることもある。これは、テストパターンの濃度が濃くなる方向へ変化することを意味する。この場合に元の蓄積設定でテストパターンを読み取ると、ダイナミックレンジが不足し、ノイズの影響を受けやすくなる。ここで、適切な蓄積設定で色測定した場合とそうでない場合とについて、図4に示した13番のテストパターンと81番のテストパターンを一例として用いて、色測定精度の変化について説明する。
図10(A)は、適切な蓄積時間が蓄積設定1である13番のテストパターン(明部パターン)について、蓄積時間と色差ΔEとの関係を示している。13番のテストパターンは、蓄積設定1、2、3のそれぞれで色測定されている。色差ΔEは、適切な蓄積設定1の色測定結果と蓄積設定1、2、3の色測定結果との差分である。図10(A)を見てわかるように、蓄積設定2ではΔEが6.6となり、蓄積設定3ではΔEが32.3となってしまっている。これは、色測定結果が理想的な結果から大きく異なっていることを示している。上述したように、カラーセンサ200の出力値がサチレート(飽和)してしまうと、正確な色を検出できなくなる。よって、大きな誤差が発生してしまう。このように明部パターンについては、蓄積設定が適切な蓄積設定から1段階でも異なってしまうとサチレートが発生してしまうことがある。ただし、サチレートの発生を防ぐには、蓄積時間を短縮するだけで済み、テストパターンのサイズを小さくする必要はない。
図10(B)は、適切な蓄積時間が蓄積設定3である81番のテストパターン(暗部パターン)について、蓄積時間と色差ΔEとの関係を示している。図10(B)を見てわかるように、蓄積設定2ではΔEが0.06となり、蓄積設定1ではΔEが0.14程度である。これは、サチレートは発生していないものの、反射光の光量が少なすぎるため、ノイズの影響が出ていることを意味している。暗部パターンに関しては、蓄積設定が1段階だけ異なったとしても、ΔEは0.1未満となる。つまり、大きな精度の低下は見られない。一方で、蓄積設定が2段階も異なると、ΔEが0.1を超えてしまう。これは、カラーマッチングや色の安定性について必要となるカラーセンサ200の検出精度を満たさないおそれがあることを意味する。よって、蓄積時間を動的に増加する必要がある。
よって、メインスキャンにおいてカラーセンサ200が使用する蓄積時間をプレスキャンの結果に基づき動的に調整することは重要であろう。なお、メインスキャンでは、次のようルールにしたがって蓄積時間を調整することが必要となる。
[i] カラーセンサ200がサチレートを起こさないこと
[ii]サチレートを起こさない蓄積設定であっても、工場出荷時に決定された基本蓄積設定との差が2段階以上にならないこと(つまり、1段階の変化は許容する。)
(プレスキャンとメインスキャン)
図11および図12を用いて、プレスキャンおよびメインスキャンについて説明する。図11に示した各ステップは基本的にプリンタコントローラCPU313の処理またはその制御下で実行される処理である。また、各ステップは、テストパターンごとに実行される。
プリンタコントローラCPU313は、プリンタ部1201のエンジン制御部102にテストパターンをシートに形成するよう指示する。エンジン制御部102は、テストパターン生成部143にテストパターンの画像データの出力を指示する。テストパターン生成部143は、蓄積設定格納部172などのメモリに保持されているテーブルから蓄積時間t、平均化処理回数N、搬送速度PSを読み出して各テストパターンのサイズSを決定し、各テストパターンの画像信号を出力する。なお、テーブルに保持されている蓄積時間を基本蓄積設定(基本蓄積時間)と呼ぶことにする。基本蓄積時間は、予め工場出荷時に決定される。画像信号は各ステーションの露光部に入力され、潜像が形成される。潜像はトナー像に現像され、シートに転写され、定着処理される。
図12は、テストパターンの一例を示している。図12では、説明の便宜上、テストパターン220は、プレスキャン領域1200A、1200B、1200Cとメインスキャン領域1210とに分かれているが、実際には均一な濃度のトナー画像である。第1のプレスキャン領域1200Aは蓄積設定1によって測定される領域である。第2のプレスキャン領域1200Bは蓄積設定2によって測定される領域である。第3のプレスキャン領域1200Cは蓄積設定3によって測定される領域である。なお、これらの並び順は入れ替わってもよい。
S1101で、プリンタコントローラCPU313は、センサ制御部1123にプレスキャンを指示する。センサ制御部1123は、カラーセンサ200に蓄積設定1、2、3を順次設定することで、テストパターン220の先端にある3つのプレスキャン領域をカラーセンサ200に読み取らせる。カラーセンサ200は、設定された蓄積設定に応じた蓄積時間にわたりラインセンサ203の読取値を蓄積する。また、カラーセンサ200の演算部204は、ラインセンサ203の読取値を平均化処理する。演算部204は、各テストパターンについての演算結果(測定結果)を蓄積設定格納部172へ出力する。
S1102で、プリンタコントローラCPU313は、センサ設定部170に適切な蓄積設定を決定するよう指示する。センサ設定部170の蓄積設定決定部171は、蓄積設定1、2、3に対応した測定結果と閾値とを比較し、サチレートしない範囲で測定結果が最大となる蓄積設定を判別する。このプレスキャンによって決定された蓄積設定は、画像形成エンジンの状態を反映して調整された調整蓄積設定(調整蓄積時間)と呼べるものである。
プレスキャンは、各テストパターンの色を厳密に測定するものではなく、各テストパターンの適切な蓄積設定を確認するためのスキャンである。そのため、プレスキャンにおける平均化処理回数(サンプル数)はメインスキャンの平均化処理回数よりも少なくてよい。ここでは、プレスキャンにおける平均化処理回数を1回とする。なお、適切な蓄積設定をさらに正確に決定する場合は、平均化処理回数を2回以上に増やしてもよい。
なお、プレスキャンに用いる平均化処理回数を1回とし、搬送速度を250mm/s仮定したときに必要となるプレスキャン領域の長さについて説明する。また、各蓄積設定における蓄積時間は以下のとおりである:
蓄積設定1 : 3ms
蓄積設定2 : 6ms
蓄積設定3 : 12ms
(プレスキャン領域)
= 250*(3+6+12)/1000
=5.25(mm)
つまり、実施形態1で説明したテストパターンの長さ(メインスキャン領域の長さ)に5.25(mm)を加算することで、実施形態2の各テストパターンの長さを求めることができる。
S1103で、プリンタコントローラCPU313は、プレスキャンによって得られた調整蓄積設定Xと、テーブルに登録されている基本蓄積設定Yとを蓄積設定決定部171に比較させる。調整蓄積設定Xが基本蓄積設定Y未満であれば、サチレートを防ぐために、S1104に進む。S1104で、プリンタコントローラCPU313の指示にしたがって蓄積設定決定部171は、メインスキャンに使用される蓄積設定を調整蓄積設定Xに設定する。これは、基本蓄積設定Yではサチレートが発生しうるようなテストパターンでは有効であろう。一方で、調整蓄積設定Xが基本蓄積設定Y以上であれば、S1105に進む。S1105で、プリンタコントローラCPU313の指示にしたがって蓄積設定決定部171は、メインスキャンに使用される蓄積設定を基本蓄積設定Yに設定する。これにより、基本蓄積設定Yにしたがって決定されたメインスキャン領域をはみ出して搬送方向で隣のテストパターンを読み取ることを抑制できる。
S1106で、プリンタコントローラCPU313は、センサ制御部1123にメインスキャンを指示する。センサ制御部1123は、蓄積設定格納部172に格納されているメインスキャン用の蓄積設定をカラーセンサ200に設定し、カラーセンサ200にメインスキャンを実行させる。カラーセンサ200は、設定された蓄積設定に応じた蓄積時間にわたりラインセンサ203の読取値を蓄積する。また、カラーセンサ200の演算部204は、ラインセンサ203の読取値を平均化処理する。演算部204は、各テストパターンについての演算結果(測定結果)をLab演算部1120や濃度変換部1130などへ出力する。
このように、プレスキャンによって決定された調整蓄積時間Xが基本蓄積時間Yよりも小さい場合、調整蓄積時間Xを用いてメインスキャンが実行される。さらに、調整蓄積時間Xが基本蓄積時間Yと同じかそれを超える場合、基本蓄積時間Yを用いてメインスキャンが実行される。これにより、サチレートを防ぎつつ隣のテストパターンを読み取ることも抑制できる。
(基本蓄積設定について)
実施形態1では図4を用いて入力信号値に対する各テストパターンの適切な蓄積設定について説明した。この適切な蓄積設定は、入力信号値に対して決められた中心濃度で画像形成エンジンが画像を出力できている状態での蓄積設定である。よって、画像形成エンジンの状態が変化すると、適切な蓄積設定も変化する。
上述したように、調整蓄積設定が、テストパターンを決定するために使用された基本蓄積設定から2段階以上異ならないようにする工夫が必要となる。画像形成エンジンが形成する画像の濃度が薄くなる方へ変化したときは蓄積時間を短くすることで対処できる。一方で、画像形成エンジンが形成する画像の濃度が濃くなる方へ変化したときは、テストパターンのサイズを予め大きくすることで対処できる。なお、複数のテストパターンのすべてについて予め長めにサイズを決定してもよいが、この場合は、テストチャートの全長も大幅に伸びてしまう。また、複数のテストパターンのうちには、画像形成エンジンの状態の変動によってデフォルトの蓄積設定から次の蓄積設定に変化しやすいテストパターンもある。そこで、本実施形態では、蓄積設定が移行しやすいテストパターンに限って予め長めの蓄積設定を基本蓄積設定とする。デフォルトの蓄積設定から次の蓄積設定に変化しにくしテストパターンについては、工場出荷時に決定された適切な蓄積設定をそのまま基本蓄積設定とする。これにより、複数のテストパターンの全長の増加を抑制しやすくなる。なお、なお、よってデフォルトの蓄積設定から次の蓄積設定に変化しやすいテストパターンについては、よってデフォルトの蓄積設定よりも1段階上の蓄積設定を基本蓄積設定とすることで、2段階以上の蓄積設定のずれを抑制可能になろう。
図13は、これらの条件を加味して決定された基本蓄積設定の一例を示している。図13によれば、各テストパターンのパラメータ数は以下のとおりである:
・蓄積設定1 平均化処理回数16回(パターン種A) : 23個
・蓄積設定2 平均化処理回数16回(パターン種B) : 38個
・蓄積設定3 平均化処理回数16回(パターン種C) : 20個
図4と図13と比較してみると、パターン種Aは34個から23個に減少している。図4に示したパターン種Aのテストパターンには、蓄積設定1から蓄積設定2に変化しやすい11個のテストパターンが存在する(9番のテストパターンなど)。そこで、11個のテストパターンについては基本蓄積設定を本来よりも1レベル上の蓄積設定2に設定している。同様に、図4に示したパターン種Bのテストパターンのうち2個の基本蓄積設定を蓄積設定3に変更している。このように基本蓄積設定を決定しておくことにより、画像形成エンジンの画像濃度が濃い方に変動してもメインスキャンの蓄積設定をより適切な蓄積設定に調整して、テストパターンを読み取れるようになる。
次に各パターン種のサイズについて説明する。図12に示したように、実施形態2では、テストパターンの先端領域(カラーセンサ200によって先に読まれる領域)を利用してプレスキャンが実行される。プレスキャンにおいて使用される領域の長さは5.25mmである。なお、プレスキャンの結果を判定してメインスキャンの蓄積時間を決定するにはある程度の作業時間が必要となる。この作業時間の間にもテストチャートは搬送され続ける。そこで、作業時間に相当するマージンを5.25mmに加算して、最終的に、プレスキャンの全体領域を8mmとする。すなわち、パター種ごとのサイズ(搬送方向の長さ)は以下のようになる:
パターン種A:20mm
パターン種B:32mm
パターン種C:54mm
よって、81個のテストパターンの全長は以下のとおりである:
(実施形態2におけるパターン必要領域全長)
=20*23+32*38+54*20
=2756(mm)
本実施形態の効果を説明するために比較例を用いる。比較例では、すべてのテストパターンを最長の蓄積時間に基づき作成されるものとする。各テストパターンの長さは54mmである:
(比較例におけるパターン必要領域全長)
=54*81
=4374(mm)
したがって、実施形態2ではテストパターンのサイズを比較例よりも約35%程度削減できる。これにより、トナーの消費量も削減できる。シートをA3サイズとすると、実施形態2では8枚のA3シートで済むが、比較例では12枚のA3シートが必要になる。よって、実施形態2では記憶媒体の枚数も削減できる。シートの枚数を削減できれば、テストチャートの印刷時間も削減できる。なお、実施形態2でも、実施形態1の変形例で説明したように、複数のカラーセンサ200を採用してもよい。一例として、カラーセンサ200を4個用いてA3シートにテストパターンを形成する例について説明する。
図14が示すように実施形態2では2枚のA3シートP1、P2によりテストチャートを作成できる。図14における空白部分も実施形態1で説明したような用途に用いてもよい。図15が示すように比較例では、3枚のA3シートP1,P2,P3が必要になる。よって、複数のカラーセンサ200を採用しても、実施形態2は、比較例よりもシートの枚数を削減できるといえる。
以上説明したように、本実施形態によれば、カラーセンサ200が各テストパターンのプレスキャンを実行し、プレスキャンの結果によって調整された調整蓄積時間を用いて各テストパターンのメインスキャンを実行する。このように、プレスキャンを実行してメインスキャン用の蓄積設定を調整することで、画像形成エンジンの状態が変化に追従してテストパターンの測定を精度よく実行できる。なお、テストパターン生成部143は、実施形態1で説明したサイズに対して、さらにプレスキャンを実行するために必要となる長さを加算して各テストパターンの長さを決定し、各テストパターンの画像信号を生成してもよい。各テストパターンの長さは、工場出荷時に予め決定されてもよい。
複数のテストパターンのうちには、画像形成エンジンの状態の変動によってデフォルトの蓄積設定から次の蓄積設定に変化しやすいテストパターンもある。そこで、複数のテストパターンのうちいくつかのテストパターンの蓄積時間は、画像形成手段が形成する画像の濃度が規定濃度よりも濃い方へ変動することを想定して決定された時間が加算された蓄積時間であってもよい。画像形成手段が形成する画像の濃度が規定濃度よりもどの程度濃い方へ変動するかは、工場出荷時に想定可能である。つまり、濃度変動に伴う蓄積時間の延長時間も予め工場出荷時に求めることができる。あるいは、プリンタコントローラCPU313やエンジン状態確認部1102が、規定濃度よりもどの程度濃度が濃い方へ変動したかを求め、その結果を延長時間に変換し、基本蓄積時間に加算してもよい。このように、画像形成エンジンの画像濃度が濃い方へ変動することを想定して基本蓄積時間を設定しておくことで、テストパターンのサイズの増加を軽微にとどめつつ、テストパターンの測定を精度よく実行できる。
図11を用いて説明したように、プレスキャンによって決定された調整蓄積時間Xが基本蓄積時間Yよりも小さい場合、調整蓄積時間Xを用いてメインスキャンが実行される。さらに、調整蓄積時間Xが基本蓄積時間Yと同じかそれを超える場合、基本蓄積時間Yを用いてメインスキャンが実行される。これにより、サチレートを防ぎつつ隣のテストパターンを読み取ることも抑制できる。
<実施形態3>
本実施形態では、測定の順番が遅い方のテストパターンのサイズを測定の順番が早い方のテストパターンのサイズよりも大きくすることで、シートの搬送速度のバラつきの影響を削減する。たとえば、複数のテストパターンのうち、カラーセンサ200での蓄積時間を等しく設定された第1のテストパターンと第2のテストパターンを考えてみる。この場合、テストパターン生成部143は、搬送方向において後方に配置される第1のテストパターンの長さが、搬送方向において前方に配置される第2のテストパターンの長さよりも長くなるように複数のテストパターンの画像信号を生成する。
(パターンサイズの色測定領域と色測定マージン)
テストチャートの搬送速度が、画像形成装置の機差や環境変化によってバラつくことがある。また、テストパターンがシート上に定着するときに、シート自体が伸びてしまうこともある。これらは、色測定される領域の変化をもたらす。たとえば、実施形態1で説明したテストパターンについては、搬送速度が250mm/sで、シートの伸びが発生しない場合には、高精度に色測定可能である。一方で、搬送速度がバラついたり、シートの伸びが発生したりすると、色測定領域や色測定位置が変化する。その結果、目的のテストパターンとは異なる別のテストパターンが測定され、正確な色や濃度の算出が困難となる。実施形態3では、搬送速度などのバラつきを考慮してテストパターンのサイズにマージンを付加する。なお、バラつきを考慮しない場合の各テストパターンのサイズは図7に例示したとおりである。
各テストパターンのサイズにマージンを付加する方法として、本実施形態では以下のような工夫を行った。すなわち、同じ蓄積設定が適用される複数のテストパターンであっても、シートの搬送方向でより後端側に配置されるテストパターンのマージンを大きくする。これは、搬送速度のバラつきやシートの伸びが発生した場合と、発生しない場合とでの画像位置のずれはシートの後端側で大きくなるためである。つまりシートの先端位置からテストパターンの中央位置までのずれ量は、シートの後端へ行くほど大きくなる。
図16は、実施形態3で用いたテストチャートP1,P2を示している。図16では、パターン種A−1、A−2、B−1、B−2、Cに分類されたテストパターンが示されている。図17は、パターン種A−1、A−2、B−1、B−2、Cのパラメータが示されている。図17において測色領域サイズは、蓄積時間と平均化処理回数と搬送速度とに基づき決定されたテストパターンのサイズ(搬送方向の長さ)である。パターンサイズは、測色領域サイズにマージンを加算することで得られたサイズである。
パターン種A−1、A−2ではともに同一の蓄積設定1が設定されているが、パターン種A−2のテストパターンは、パターン種A−1のテストパターンよりも搬送方向で後方に配置されている。よって、パターン種A−2のテストパターンに付加されるマージンは、パターン種A−1のテストパターンに付加されるマージンよりも長くなっている。同様に、パターン種B−1、B−2では同一の蓄積設定2が設定されているが、パターン種B−2のテストパターンは、パターン種B−1のテストパターンよりも搬送方向で後方に配置されている。よって、パターン種B−2のテストパターンに付加されるマージンは、パターン種B−1のテストパターンに付加されるマージンよりも長くなっている。
図16に示した空白部分についても上述したように、テストパターンの増加のために使用したり、紙白部分(下地)の色を測定したりするために利用されてもよい。実施形態3において、パターン種Cに分類されるすべてのテストパターンのサイズは同じサイズにしているが、パターン種A、Bと同様に後端側のテストパターンのサイズをおり大きくしてもよい。
以上説明したように、画像形成装置100は、第1の測定用画像(A−2;B−2)の長さが第2の測定用画像(A−1;B−1)の長さよりも長くなるように複数のテストパターンを形成する。ここで、第1の測定用画像(A−2;B−2)と第2の測定用画像(A−1;B−1)は、カラーセンサ200での蓄積時間を等しく設定された複数のテストパターンである。また、第1の測定用画像(A−2;B−2)は搬送方向において相対的に後方に配置されており、第2の測定用画像(A−1;B−1)は搬送方向において相対的に前方に配置されている。このようなテストパターンの画像信号もテストパターン生成部143が生成する。このように、測定の順番が遅い方のテストパターンのサイズを測定の順番が早い方のテストパターンのサイズよりも大きくすることで、シートの搬送速度のバラつきの影響を削減することができる。実施形態3のその他の効果については、実施形態1、2で説明したとおりである。

Claims (12)

  1. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像が形成された前記シートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送されるシートに形成された測定用画像からの反射光を蓄積時間に基づいて測定する測定手段と、
    前記画像形成手段を制御して測定用画像をシートに形成、前記搬送手段を制御して前記シートを前記測定手段へ搬送、前記測定手段を制御して当該測定手段が前記定用画像測定する第1スキャンを実行、前記搬送手段を制御して前記シートを前記測定手段へ再度搬送させ、前記測定手段を制御して当該測定手段が前記定用画像測定する第2スキャンを実行させる制御手段と、
    第2スキャンにおいて前記測定手段が前記定用画像からの反射光を測定するための積時間を前記第1スキャンにおいて前記測定手段が前記定用画像からの反射光を本蓄積時間に基づいて測定した結果に基づいて決定する決定手段と、を有し、
    前記決定手段は、前記基本蓄積時間を前記第2スキャンの前記蓄積時間として決定するか否かを、前記第1スキャンにおける前記測定手段測定結果に基づいて判定し、
    前記決定手段は、前記基本蓄積時間を前記第2スキャンの前記蓄積時間として決定しない場合、前記基本蓄積時間より短い他の蓄積時間を前記第2スキャンの前記蓄積時間として決定とを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記決定手段は、前記基本蓄積時間を前記第2スキャン前記蓄積時間として決定しない場合、複数の蓄積時間の中から積時間を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記決定手段は、前記スキャン前記測定結果と閾値と比較し、前記本蓄積時間前記スキャン前記蓄積時間として決定するか否か前記比較の結果に基づいて判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記閾値は、前記測定手段による前記定用画像の測定結果が飽和か否かを判定するための値であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記搬送手段は、前記定用画像が形成された前記シートの搬送方向を反転する反転部を含み、
    前記制御手段は、前記第1スキャンが実行された後に、前記搬送手段に前記シートを前記反転部においてスイッチバックさせることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記測定用画像に対応する色に関するデータを、前記第2スキャンにおける前記測定手段の測定結果に基づいて取得する取得手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記測定用画像に対応する色に関するデータは、前記測定用画像の分光反射率を含むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記測定用画像に対応する色に関するデータは、前記測定用画像のL*、a*、b*に関する値を含むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 変換条件に基づいて画像データを変換する変換手段と、
    前記第2スキャンにおける前記測定手段の測定結果に基づいて前記変換条件を生成する生成手段と、を更に有し、
    前記画像形成手段は、前記変換手段により変換された前記画像データに基づいて、前記シートに画像を形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記変換条件は、前記画像形成手段により形成される画像の色を調整するためのプロファイルであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記測定手段は、光を発する発光部と、前記測定用画像からの反射光を回折する回折格子と、前記回折格子により回折された光を受光するラインセンサとを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記画像形成手段は、シアントナーを用いて第1画像を形成する第1画像形成部と、マゼンタトナーを用いて第2画像を形成する第2画像形成部と、イエロートナーを用いて第3画像を形成する第3画像形成部とを有し、
    前記定用画像は、前記シアントナー、前記マゼンタトナー、及び前記イエロートナーを用いて形成されことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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