JP6255784B2 - パッチ濃度検出装置、画像形成装置、パッチ濃度検出方法およびプログラム - Google Patents

パッチ濃度検出装置、画像形成装置、パッチ濃度検出方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、パッチ濃度検出装置、画像形成装置、パッチ濃度検出方法およびプログラムに関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、画像品質の安定化を目的として、所定のタイミングで画像形成プロセスにおけるパラメータの調整が行われている。例えば、中間転写ベルトなどの像担持体にパッチを形成してその濃度をセンサで検出し、検出したパッチ濃度をもとに、現像バイアスや帯電バイアスなどのパラメータを調整する。
パッチ濃度の検出に用いるセンサは、例えば、パッチが形成された像担持体に光を照射し、その反射光の受光量に応じた検出値(電圧値)を出力する。センサがパッチからの反射光を受光しているときの検出値から、パッチの濃度を算出することができる。
画像形成プロセスにおけるパラメータを調整するためのパッチは、濃度が異なる複数のパッチが一定間隔で並んだパッチパターンとして形成される。そして、像担持体の移動に伴い、パッチパターンに含まれる各パッチがセンサの位置を通過することで、各パッチに対応する検出値が得られる。つまり、像担持体の移動に伴いセンサから出力される検出値の時系列データの中から、センサが各パッチの反射光を受光している位置であるパッチ位置を特定し、特定したパッチ位置の検出値から、各パッチの濃度を求めることができる。センサから出力される検出値の時系列データの中からパッチ位置を特定する方法としては、例えば、時系列データを所定の閾値と比較してパッチ位置を特定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、閾値を用いてセンサ検出値の時系列データからパッチ位置を特定する方法では、濃度の薄いパッチに対応するパッチ位置を特定できない場合がある。これに対し、パッチパターンに含まれる複数のパッチのうち、濃度の高いパッチに対応するパッチ位置からパッチパターンの位置ずれ量を求め、この位置ずれ量を用いて濃度検出の対象となるセンサ検出値を選択する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この技術を利用すれば、センサ検出値の時系列データに対する閾値判定によりパッチ位置を特定する際に、パッチパターンに含まれる複数のパッチのうち、少なくとも濃度が最も高いパッチに対応するパッチ位置を特定できれば、その他の濃度の薄いパッチの位置も特定することができる。
しかし、パッチパターンに含まれる複数のパッチのすべてが濃度の低いパッチである場合には、特許文献2に記載の技術を利用しても、センサ検出値の時系列データからパッチ位置を特定することができない。具体的には、現像バイアスを変化させながらパッチパターンを形成して現像バイアスの調整値を求めるベタ濃度調整と、帯電バイアスを変化させながらパッチパターンを形成して帯電バイアスの調整値を求めるハーフトーン濃度調整とをこの順で実施する場合、ハーフトーン濃度調整時に形成されるパッチパターンはすべてのパッチの濃度が全体的に低いため、センサ検出値の時系列データからパッチ位置を特定することができない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、パッチパターンに含まれるすべてのパッチの濃度が低い場合であっても、センサ検出値の時系列データからパッチ位置を特定してパッチの濃度を検出することができるパッチ濃度検出装置、画像形成装置、パッチ濃度検出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るパッチ濃度検出装置は、像担持体上に形成された第1のパッチの濃度と、前記第1のパッチよりも後に前記像担持体上に形成された、前記第1のパッチより濃度が低い同色の第2のパッチの濃度とを検出するパッチ濃度検出装置において、前記第1のパッチまたは前記第2のパッチが形成された前記像担持体に光を照射し、その反射光の受光量に応じた検出値を出力するセンサと、前記像担持体の移動に伴って変化する前記検出値の時系列データを所定の閾値と比較して、前記時系列データの中で前記センサが前記第1のパッチからの反射光を受光している位置である第1のパッチ位置、または、前記第2のパッチからの反射光を受光している位置である第2のパッチ位置を特定する特定部と、前記時系列データの中で特定された前記第1のパッチ位置における前記検出値に基づいて前記第1のパッチの濃度を算出し、前記時系列データの中で特定された前記第2のパッチ位置における前記検出値に基づいて前記第2のパッチの濃度を算出する濃度算出部と、前記特定部により特定された前記第1のパッチ位置と、前記第1のパッチ形成時から前記第1のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第1の推定パッチ位置との差分を算出する差分算出部と、を備え、前記特定部は、前記閾値を用いて前記第2のパッチ位置を特定できない場合に、前記第2のパッチの形成時から前記第2のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第2の推定パッチ位置と前記差分とを用いて前記第2のパッチ位置を特定することを特徴とする。
本発明によれば、パッチパターンに含まれるすべてのパッチの濃度が低い場合であっても、センサ検出値の時系列データからパッチ位置を特定してパッチの濃度を検出することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、濃度調整制御を行う際に中間転写ベルト上に形成されるパッチパターンの一例を示す図である。 図3は、実施形態のパッチ濃度検出装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図4は、演算装置の機能的な構成を示すブロック図である。 図5は、ベタ濃度調整の際に濃度センサから出力される検出値の時系列データからパッチ位置を特定する様子を示す図である。 図6は、ハーフトーン濃度調整の際に濃度センサから出力される検出値の時系列データからパッチ位置を特定する様子を示す図である。 図7は、演算装置により実行される一連の処理を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るパッチ濃度検出装置、画像形成装置、パッチ濃度検出方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。
(画像形成装置)
まず、パッチ濃度検出装置を備える画像形成装置の概要について説明する。以下で説明する画像形成装置は、電子写真方式でフルカラーの画像形成を行うものであり、いわゆるタンデムタイプと呼ばれる構成のものである。ただし、画像形成装置の構成は以下の例に限定されるものではない。本発明は、所定のタイミングで画像形成プロセスにおけるパラメータの調整が行われる画像形成装置に対して広く適用可能である。
図1は、本実施形態の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。本実施形態の画像形成装置は、図1に示すように、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびBk(ブラック)の各色に対応する4つの画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkを備える。これら4つの画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkは、像担持体である中間転写ベルト5に沿って配置されている。
中間転写ベルト5は、回転駆動される駆動ローラ7と従動ローラ8とに亘って巻回されたエンドレスのベルトである。駆動ローラ7は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられる。駆動ローラ7が回転すると、この駆動ローラ7と従動ローラ8との間で中間転写ベルト5が周回移動する。4つの画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkは、中間転写ベルト5の移動方向の上流側から下流側に向かって、画像形成ステーション6Y、画像形成ステーション6M、画像形成ステーション6C、画像形成ステーション6Bkの順に配置されている。
これら4つの画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成ステーション6Yはイエローのトナー画像を形成する。画像形成ステーション6Mはマゼンタのトナー画像を形成する。画像形成ステーション6Cはシアンのトナー画像を形成する。画像形成ステーション6Bkはブラックのトナー画像を形成する。以下では、画像形成ステーション6Yの各構成要素について具体的に説明する。他の画像形成ステーション6M,6C,6Bkは、画像形成ステーション6Yと同様の構成であるので、各構成要素について画像形成ステーション6Yの各構成要素に付したYに替えて、M,C,Bkによって区別した符号を図示するにとどめ、重複した説明を省略する。
画像形成ステーション6Yは、感光体としての感光体ドラム9Yと、感光体ドラム9Yの周囲に配置された帯電器10Y、光書込ヘッド11Y、現像器12Y、感光体クリーナ(図示せず)および除電器13Yとを備える。光書込ヘッド11Yは、画像データに応じて駆動されるLED(発光ダイオード)などの発光部を備え、画像データに応じた書込光を発生させて感光体ドラム9Yを露光するように構成されている。
画像形成に際し、感光体ドラム9Yの外周面は、暗中にて帯電器10Yにより一様に帯電された後、光書込ヘッド11Yからのイエロー画像に対応した書込光により露光される。これにより、感光体ドラム9Yに静電潜像が形成される。現像器12Yは、この静電潜像をイエロートナーにより可視像化する。これにより、感光体ドラム9Y上にイエローのトナー画像が形成される。イエローのトナー画像は、感光体ドラム9Yと中間転写ベルト5とが接する位置(1次転写位置)で、転写器15Yの働きにより中間転写ベルト5上に転写される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム9Yは、外周面に残留した不要なトナーが感光体クリーナにより払拭された後、除電器13Yにより除電され、次の画像形成のために待機する。以上のようにして、画像形成ステーション6Yで形成したイエローのトナー画像は、中間転写ベルト5によって次の画像形成ステーション6Mと対向する位置に搬送される。
画像形成ステーション6Mでは、画像形成ステーション6Yでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム9M上にマゼンタのトナー画像を形成する。感光体ドラム9M上に形成されたトナー画像は、中間転写ベルト5上に形成されたイエローの画像に重畳されて転写される。
中間転写ベルト5上のトナー画像は、さらに次の画像形成ステーション6Cと対向する位置と、画像形成ステーション6Bkと対向する位置とに順次搬送され、同様の動作により、感光体ドラム9C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム9Bk上に形成されたブラックのトナー画像とが、中間転写ベルト5上に重畳されて転写される。こうして、中間転写ベルト5上にフルカラーのトナー画像が形成される。
一方、給紙トレイ1に収容された用紙4は、最も上のものから順に、給紙ローラ2と分離ローラ3とにより分離給紙されて、中間転写ベルト5と接する位置(2次転写位置)に搬送される。用紙4は、中間転写ベルト5上に形成されたトナー画像が2次転写位置に到達するタイミングと合わせて、2次転写位置に搬送される。そして、中間転写ベルト5上のフルカラーのトナー画像が用紙4上に転写される。2次転写位置には2次転写ローラ21が配置されており、用紙4を中間転写ベルト5に押し当てることで転写効率を高めている。中間転写ベルト5上に残存する不要なトナーは、ベルトクリーナ19により払拭され、清掃される。
フルカラーのトナー画像が転写された用紙4は、中間転写ベルト5から剥離されて定着器16に搬送される。そして、定着器16の加熱および加圧動作によりトナー画像が用紙4に定着され、フルカラー画像が形成された印刷物として、画像形成装置の外部に排紙される。
以上のように構成される画像形成装置では、画像品質の安定化を目的として、所定のタイミングで画像形成プロセスにおけるパラメータの調整が行われる。調整の対象となるパラメータは、例えば、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkそれぞれの現像バイアスや帯電バイアスなど、トナー画像の濃度に関係するパラメータである。以下、このようなパラメータを調整する動作を、濃度調整制御という。
本実施形態の画像形成装置では、濃度調整制御として、ベタ濃度調整とハーフトーン濃度調整とをこの順で順次行う。ベタ濃度調整では、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkそれぞれの現像バイアスを調整する。ハーフトーン濃度調整では、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkそれぞれの帯電バイアスを調整する。
具体的には、ベタ濃度調整では、現像バイアスを変化させながら、中間転写ベルト5上に濃度の異なる複数のパッチを一定間隔で並べたパッチパターンを形成する。ベタ濃度調整用のパッチパターンに含まれる各パッチは、当該パッチ形成時の現像バイアスに応じたトナー付着量のパッチとなっている。このベタ濃度調整用のパッチパターンに含まれる各パッチの濃度(トナー付着量)を検出し、現像バイアスとそれに対応するトナー付着量の関係を直線近似して、目標のトナー付着量に対応する現像バイアスを調整値として求めるのがベタ濃度調整である。ベタ濃度調整は、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkごとに行われ、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkごとに現像バイアスの調整値が求められる。
一方、ハーフトーン濃度調整では、帯電バイアスを変化させながら、中間転写ベルト5上に濃度の異なる複数のパッチを一定間隔で並べたパッチパターンを形成する。ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンに含まれる各パッチは、当該パッチ形成時の帯電バイアスに応じたトナー付着量のパッチとなっている。このハーフトーン濃度調整用のパッチパターンに含まれる各パッチの濃度(トナー付着量)を検出し、帯電バイアスとそれに対応するトナー付着量の関係を直線近似して、目標のトナー付着量に対応する帯電バイアスを調整値として求めるのがハーフトーン濃度調整である。ハーフトーン濃度調整は、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkごとに行われ、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkごとに帯電バイアスの調整値が求められる。
ハーフトーン濃度調整は、ベタ濃度調整によって求めた調整値により各画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkの現像バイアスを調整した状態で行われる。ベタ濃度調整を行った後、ハーフトーン濃度調整を行うまでの間に時間が経過すると、ハーフトーンの濃度がずれる虞がある。このため、ハーフトーン濃度調整は、ベタ濃度調整を行った直後に実施する。
図2は、濃度調整制御を行う際に中間転写ベルト5上に形成されるパッチパターンの一例を示す図である。パッチパターンは、例えば図2に示すように、通常の画像形成に用いない中間転写ベルト5の両端部の領域に形成される。図2に示す例では、中間転写ベルト10の図中右側端部に、イエローのパッチパターンPYおよびブラックのパッチパターンPBkが形成され、中間転写ベルト5の図中左側端部に、マゼンタのパッチパターンPMおよびシアンのパッチパターンPCが形成されている。
イエローのパッチパターンPYは、例えば、イエローのトナーの付着量(濃度)が異なる7つのパッチY1〜Y7を、中間転写ベルト5の移動方向Xに沿って一定間隔で並べたものである。パッチパターンPYがベタ濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチY1〜Y7は、画像形成ステーション6Yの現像バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の現像バイアスに応じた濃度を持つ。パッチパターンPYがハーフトーン濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチY1〜Y7は、画像形成ステーション6Yの帯電バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の帯電バイアスに応じた濃度を持つ。
マゼンタのパッチパターンPMは、例えば、マゼンタのトナーの付着量(濃度)が異なる7つのパッチM1〜M7を、中間転写ベルト5の移動方向Xに沿って一定間隔で並べたものである。パッチパターンPMがベタ濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチM1〜M7は、画像形成ステーション6Mの現像バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の現像バイアスに応じた濃度を持つ。パッチパターンPMがハーフトーン濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチM1〜M7は、画像形成ステーション6Mの帯電バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の帯電バイアスに応じた濃度を持つ。
シアンのパッチパターンPCは、例えば、シアンのトナーの付着量(濃度)が異なる7つのパッチC1〜C7を、中間転写ベルト5の移動方向Xに沿って一定間隔で並べたものである。パッチパターンPCがベタ濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチC1〜C7は、画像形成ステーション6Cの現像バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の現像バイアスに応じた濃度を持つ。パッチパターンPCがハーフトーン濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチC1〜C7は、画像形成ステーション6Cの帯電バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の帯電バイアスに応じた濃度を持つ。
ブラックのパッチパターンPBkは、例えば、ブラックのトナーの付着量(濃度)が異なる7つのパッチBk1〜Bk7を、中間転写ベルト5の移動方向Xに沿って一定間隔で並べたものである。パッチパターンPBkがベタ濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチBk1〜Bk7は、画像形成ステーション6Bkの現像バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の現像バイアスに応じた濃度を持つ。パッチパターンPBkがハーフトーン濃度調整用のパッチパターンであれば、7つのパッチBk1〜Bk7は、画像形成ステーション6Bkの帯電バイアスを変化させながら形成されたパッチであり、各パッチがそれぞれのパッチ形成時の帯電バイアスに応じた濃度を持つ。
中間転写ベルト5上に形成されたパッチパターンの各パッチの濃度を検出するために、中間転写ベルト5の移動方向Xの前方(画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkから中間転写ベルト5にパッチが転写される位置よりも前方)には、濃度センサ50が配設されている(図1および図2参照)。図2に示す例では、パッチパターンが中間転写ベルト5の両端部に形成されるため、中間転写ベルト5の両端部と対向する位置に、2つの濃度センサ50がそれぞれ配置されている。なお、濃度センサ50は、中間転写ベルト10の移動に伴ってパッチパターンに含まれる各パッチが通過する位置に設けられていればよい。例えば、パッチパターンが中間転写ベルト5の一方の端部のみに形成される場合は、中間転写ベルト5の一方の端部と対向する位置に1つの濃度センサ50を配置すればよい。
なお、中間転写ベルト5の移動に伴って濃度センサ50の位置を通過したパッチは、上述したベルトクリーナ19により払拭され、清掃される。ベタ濃度調整とハーフトーン濃度調整とを順次行う濃度調整制御では、まず、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkによりベタ濃度調整用のパッチパターンPY,PM,PC,PBkが中間転写ベルト5上に形成される。そして、各パッチパターンPY,PM,PC,PBkに含まれるすべてのパッチが濃度センサ50の位置を通過した後、これらのパッチがベルトクリーナ19により清掃される。その後、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkによりハーフトーン濃度調整用のパッチパターンPY,PM,PC,PBkが中間転写ベルト5上に形成される。そして、各パッチパターンPY,PM,PC,PBkに含まれるすべてのパッチが濃度センサ50の位置を通過した後、これらのパッチがベルトクリーナ19により清掃される。
(パッチ濃度検出装置)
次に、上述した画像形成装置において濃度調整制御を実施する際に用いられる本実施形態のパッチ濃度検出装置について説明する。
図3は、本実施形態のパッチ濃度検出装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施形態のパッチ濃度検出装置は、上述した濃度センサ50と、中間転写ベルト5の移動に伴って濃度センサ50から出力される検出値の時系列データをもとに、パッチパターンに含まれる各パッチの濃度を算出する演算装置100と、を備える。なお、図3では濃度センサ50を1つのみ図示しているが、複数の濃度センサ50を備える構成の場合は、各濃度センサ50から演算装置100に対して、検出値の時系列データがそれぞれ入力される。
濃度センサ50は、パッチが形成された中間転写ベルト5に光を照射し、その反射光の受光量に応じた検出値を出力する。例えば、濃度センサ50は、パッチが形成された中間転写ベルト5からの正反射光を受光し、その受光量に応じた電圧値(正反射電圧)を検出値として出力する。パッチが形成された中間転写ベルト5が移動すると、この移動に伴って濃度センサ50の検出値が変化するため、検出値の時系列データが濃度センサ50から出力される。濃度センサ50から出力される検出値の時系列データは、演算装置100に入力される。
演算装置100は、中間転写ベルト5の移動に伴って濃度センサ50から出力される検出値の時系列データをもとに、パッチパターンに含まれる各パッチの濃度を算出する。演算装置100は、例えば図3に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、不揮発性メモリ104、および入出力I/F(インターフェース)105を備え、これら各部がバス106で接続されたワンチップマイコンとして構成される。そして、演算装置100は、CPU101がRAM103をワークエリアとして利用して、ROM102に格納された所定のプログラムを実行することで、濃度センサ50から出力される検出値の時系列データを処理してパッチの濃度を算出するための各種機能を実現する。
図4は、演算装置100の機能的な構成を示すブロック図である。演算装置100は、濃度センサ50から出力される検出値の時系列データを処理してパッチの濃度を算出するための機能的な構成要素として、入力部110と、バッファメモリ120と、特定部130と、差分算出部140と、差分記憶部150と、濃度算出部160と、出力部170と、を備える。なお、演算装置100は、これらの構成要素の一部または全部を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現する構成であってもよい。
入力部110は、中間転写ベルト5の移動に伴って濃度センサ50から出力される検出値の時系列データを入力する。濃度センサ50は、中間転写ベルト5上に形成されたパッチパターンの先頭のパッチが当該濃度センサ50の位置を通過するタイミングよりも所定時間前のタイミングから検出値の出力を開始する。そして、パッチパターンの最後尾のパッチが当該濃度センサ50の位置を通過すると、検出値の出力を終了する。入力部110は、濃度センサ50が出力を開始してから終了するまでの間の検出値の時系列データを入力する。入力部110は、図3に示した入出力I/F105の一機能として実現することができる。
バッファメモリ120は、入力部110が入力した時系列データを所定単位で保持する。バッファメモリ120は、例えば図3に示したRAM103などを用いて実現することができる。
特定部130は、バッファメモリ120に保持された時系列データをバッファメモリ120から読み出し、この時系列データの中で、濃度センサ50がパッチからの反射光を受光している位置であるパッチ位置を特定する。
バッファメモリ120に保持された時系列データは、濃度センサ50が中間転写ベルト5の地肌部からの反射光を受光している部分とパッチからの反射光を受光している部分とを含んでいる。このため、時系列データの中で、地肌部からの反射光を受光している部分とパッチからの反射光を受光している部分とを分離して、パッチの濃度の算出に用いるパッチ位置を特定する必要がある。濃度センサ50から出力された検出値の時系列データは、例えば上述したように、正反射光の受光量に応じた正反射電圧の波形である。正反射電圧の値はパッチの濃度が高いほど小さくなり、中間転写ベルト5の地肌部の正反射電圧との差が大きくなる。このため、特定部130は、正反射電圧の波形を所定の閾値と比較し、正反射電圧の値が閾値以下となっている部分の中心位置をパッチ位置と特定することができる。
時系列データの中で濃度の高いパッチに対応するパッチ位置を特定することができれば、そのパッチを含むパッチパターンの他のパッチに対応するパッチ位置も特定することができる。すなわち、パッチパターンに含まれる各パッチは一定間隔(以下、パッチ間隔という。)で並んでいるため、時系列データの中で特定した濃度の高いパッチに対応するパッチ位置から、パッチ間隔に対応する時間分ずらした位置を順次辿ることにより、他のパッチに対応するパッチ位置を特定することができる。例えば、ベタ濃度調整用のパッチパターンは最後尾のパッチの濃度が最も高いので、時系列データの中で最後尾のパッチに対応するパッチ位置を閾値比較により特定し、特定したパッチ位置からパッチ間隔に対応する時間分だけ時間軸上で遡った位置を順次辿ることにより、ベタ濃度調整用のパッチに含まれる他のパッチに対応するパッチ位置を特定することができる。
しかし、濃度パターンに含まれるすべてのパッチの濃度が低い場合、閾値比較によりパッチ位置を特定できない場合がある。例えば、ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンは先頭のパッチの濃度が最も高いが、すべてのパッチの濃度が全体的に低いため、時系列データを閾値比較する方法では、いずれのパッチ位置も特定できない場合がある。そこで、特定部130は、時系列データの閾値比較でパッチ位置を特定できない場合には、パッチ形成時からパッチが濃度センサ50の位置を通過するまでの推定経過時間から求まる推定パッチ位置と、後述の差分記憶部150が記憶する差分とを用いて、時系列データの中のパッチ位置を特定する。
推定経過時間は、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkがパッチの形成を開始してからパッチが中間転写ベルト5上に転写されるまでの時間と、中間転写ベルト5上に転写されたパッチが濃度センサ50の位置を通過するまでの時間とを足し合わせた時間である。前者の時間は、感光体ドラム9Y,9M,9C,9Bk上の露光位置から1次転写位置までの距離と感光体ドラム9Y,9M,9C,9Bkの回転速度から求めることができる。後者の時間は、中間転写ベルト5上の1次転写位置から濃度センサ50の位置までの距離と中間転写ベルト5の移動速度から求めることができる。そして、これらの時間を足し合わせることで、推定経過時間を求めることができる。
時系列データの中の推定パッチ位置は、例えば以下のように求めることができる。まず、上記のように求めた推定経過時間から、濃度センサ50が検出値の出力を開始するまでの時間を除いて、濃度センサ50が検出値の出力を開始してからパッチが濃度センサ50の位置を通過するまでの時間を求める。そして、時系列データの先頭から、上記のように求めた時間分だけ時間軸上で後方の位置を、推定パッチ位置とする。
差分記憶部150が記憶する差分は、特定部130が閾値比較により特定することができたパッチ位置と、パッチ位置が特定されたパッチについての上述した推定パッチ位置との差分である。この差分は様々な要因で生じるパッチパターンの位置ずれ量に相当し、位置ずれ条件が変化しなければ、ほぼ一定となる。そこで、特定部130は、時系列データの閾値比較によりパッチ位置を特定できない場合は、パッチ位置を特定する対象となるパッチについての上述した推定パッチ位置と、差分記憶部150が記憶する差分とを用いて、当該パッチに対応するパッチ位置を特定する。これにより、パッチパターンに含まれるすべてのパッチの濃度が低い場合であっても、時系列データの中のパッチ位置を適切に特定することが可能となる。
差分算出部140は、上述したように、特定部130が閾値比較によって時系列データの中のパッチ位置を特定できた場合に、特定されたパッチ位置と、パッチ位置が特定されたパッチについての上述した推定パッチ位置との差分を算出して、差分記憶部150に記憶させる。差分算出部140は、このような差分の算出および差分記憶部150への記憶を、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkごとに行う。つまり、特定部130がイエローのパッチについてのパッチ位置を特定した場合、そのパッチ位置と推定パッチ位置との差分を求めて、画像形成ステーション6Yに対応する差分として差分記憶部150に記憶させる。同様に、特定部130がマゼンタのパッチについてのパッチ位置を特定した場合には、そのパッチ位置と推定パッチ位置との差分を求めて、画像形成ステーション6Mに対応する差分として差分記憶部150に記憶させる。同様に、特定部130がシアンのパッチについてのパッチ位置を特定した場合には、そのパッチ位置と推定パッチ位置との差分を求めて、画像形成ステーション6Cに対応する差分として差分記憶部150に記憶させる。同様に、特定部130がブラックのパッチについてのパッチ位置を特定した場合には、そのパッチ位置と推定パッチ位置との差分を求めて、画像形成ステーション6Bkに対応する差分として差分記憶部150に記憶させる。
また、差分算出部140は、予め定めた位置ずれ条件が発生した場合には、差分記憶部150に記憶した差分を消去する。ここで、位置ずれ条件としては、例えば、画像形成装置が設置された環境の温度または湿度が所定値以上変化したこと、または、パッチを形成する画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkに位置ずれが生じたこと、または、最後にパッチを形成してから所定時間以上経過したこと、または、最後にパッチを形成してからの印刷枚数が所定枚数以上になったこと、などが挙げられる。これらの位置ずれ条件が発生した場合には、パッチパターンの位置ずれ量が変化していることが想定される。そこで、差分算出部140は、上記の位置ずれ条件が発生した場合には、差分記憶部150に記憶した差分を消去する。これにより、特定部130が差分記憶部150に記憶した差分を用いて誤ったパッチ位置を特定してしまう不都合を有効に抑制することができる。
なお、特定部130が閾値比較によりパッチ位置を特定することができず、かつ、差分記憶部150に差分が記憶されていない場合には、その時点で濃度調整制御を終了することが望ましい。これにより、現像バイアスや帯電バイアスなどのパラメータが誤って調整される不都合を有効に抑制することができる。また、その場合、濃度調整制御が正しく実施できなかった旨をユーザに通知するようにしてもよい。
差分記憶部150は、上述したように、差分算出部140により算出された差分を記憶する。差分記憶部150は、例えば図3に示した不揮発性メモリ104などを用いて実現することができる。
濃度算出部160は、バッファメモリ120に保持された時系列データをバッファメモリ120から読み出し、この時系列データの中で、特定部130によって特定されたパッチ位置における検出値に基づいて、パッチの濃度を算出する。例えば、濃度算出部160は、検出値である正反射電圧の値とトナー付着量との関係を定めた関数もしくはテーブルを用いて、パッチ位置における正反射電圧の値から、パッチの濃度を算出する。
出力部170は、濃度算出部160が算出したパッチ濃度を出力する。画像形成装置は、この出力部170から出力されるパッチ濃度を用いて、上述したベタ濃度調整やハーフトーン濃度調整を行い、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkにおける現像バイアスや帯電バイアスなどのパラメータを調整することができる。
次に、図5および図6を参照して、本実施形態のパッチ濃度検出装置の動作の具体例について説明する。
図5は、ベタ濃度調整の際に濃度センサ50から出力される検出値の時系列データからパッチ位置を特定する様子を示す図である。図の横軸は時間を表し、縦軸は検出値(正反射電圧の値)を示している。検出値の時系列データは、図5に示すように、時間とともに変化する正反射電圧の波形として表される。
ベタ濃度調整用のパッチパターンは、上述したように、最後尾のパッチの濃度が最も高い。そこで、特定部130は、正反射電圧の波形として表される時系列データを時間軸の後方から走査し、正反射電圧の値が閾値Th以下になった点と、その点よりも走査方向の前方で正反射電圧の値が閾値Th以上になった点とを検知する。そして、これら2つの点の中間点に相当する時間軸上の位置を、最後尾のパッチに対応するパッチ位置Pa1として特定する。また、特定部130は、以上のように特定したパッチ位置Pa1から走査方向の前方に、上述したパッチ間隔に対応する時間間隔Tp分シフトした位置を順次辿ることにより、ベタ濃度調整用のパッチパターンに含まれる他のパッチに対応するパッチ位置Pa2,Pa3,・・・,Panを順次特定する。このようにして、濃度センサ50から出力される検出値の時系列データの中で、ベタ濃度調整用のパッチパターンに含まれるすべてのパッチに対応するパッチ位置を特定することができる。
また、特定部130が以上のようにパッチ位置を特定した場合、差分算出部140が、最後尾のパッチに対応する推定パッチ位置Pa1_eを上述した方法で求め、パッチ位置Pa1と推定パッチ位置Pa1_eとの差分Dを算出して、差分記憶部150に記憶させる。
図6は、ベタ濃度調整の後に実施されるハーフトーン濃度調整の際に濃度センサ50から出力される検出値の時系列データからパッチ位置を特定する様子を示す図である。図5と同様に、図の横軸は時間を表し、縦軸は検出値(正反射電圧の値)を示している。検出値の時系列データは、図6に示すように、時間とともに変化する正反射電圧の波形として表される。
ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンは、上述したように、先頭のパッチの濃度が最も高い。そこで、特定部130は、正反射電圧の波形として表される時系列データを時間軸の前方から走査し、正反射電圧の値が閾値Th以下になる点を探す。しかし、ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンでは、すべてのパッチの濃度が全体的に低いため、図6に示す例のように、正反射電圧の値が閾値Th以下になる点を検出できない場合がある。
このような場合には、特定部130は、先頭のパッチに対応する推定パッチ位置Pb1_eを上述した方法で求める。そして、特定部130は、差分記憶部150に記憶されている差分Dを読み出し、推定パッチ位置Pb1_eを差分Dだけ時間軸上でシフトさせた位置を、先頭のパッチに対応するパッチ位置Pb1として特定する。また、特定部130は、以上のように特定したパッチ位置Pb1から走査方向の前方に、上述したパッチ間隔に対応する時間間隔Tp分シフトした位置を順次辿ることにより、ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンに含まれる他のパッチに対応するパッチ位置Pb2,Pb3,・・・,Pbnを順次特定する。このようにして、濃度センサ50から出力される検出値の時系列データの中で、ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンに含まれるすべてのパッチに対応するパッチ位置を特定することができる。
図7は、本実施形態のパッチ濃度検出装置の演算装置100により実行される一連の処理を示すフローチャートである。演算装置100は、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkにより中間転写ベルト5上にパッチパターンが形成されるたびに、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkごとに、図7のフローチャートで示す一連の処理を実行する。
図7のフローチャートで示す一連の処理が開始されると、まず入力部110が、濃度センサ50が出力する検出値の時系列データを入力して、バッファメモリ120に格納する(ステップS101)。
次に、パッチパターンのすべてのパッチに対応する検出値の時系列データがバッファメモリ120に格納されると、特定部130がバッファメモリ120から時系列データを読み出し、この時系列データから閾値を用いてパッチ位置を特定する処理を行う(ステップS102)。
ステップS102の処理の結果、時系列データの中で濃度が最も高いパッチに対応するパッチ位置が特定できた場合は(ステップS103:Yes)、特定部130は、特定したパッチ位置を基準とし、そのパッチ位置からパッチ間隔に対応する時間間隔分だけ時系列データを順次辿ることにより、パッチパターンに含まれる他のパッチに対応するパッチ位置を順次特定する(ステップS104)。また、差分算出部140が、濃度が最も高いパッチに対応するパッチ位置と、そのパッチに対応する推定パッチ位置との差分を算出し、差分記憶部150に記憶させる(ステップS105)。
一方、ステップS102の処理の結果、時系列データの中で濃度が最も高いパッチに対応するパッチ位置が特定できなかった場合は(ステップS103:No)、特定部130は、差分記憶部150に差分が記憶されているか否かを判定する(ステップS106)。そして、差分記憶部150に差分が記憶されていれば(ステップS106:Yes)、特定部130は、濃度が最も高いパッチに対応する推定パッチ位置と、差分記憶部150から読み出した差分とを用いて、時系列データの中で濃度が最も高いパッチに対応するパッチ位置を特定する(ステップS107)。そして、特定部130は、特定したパッチ位置を基準とし、そのパッチ位置からパッチ間隔に対応する時間間隔分だけ時系列データを順次辿ることにより、パッチパターンに含まれる他のパッチに対応するパッチ位置を順次特定する(ステップS108)。
一方、差分記憶部150に差分が記憶されていなければ(ステップS106:No)、パッチ位置の特定およびパッチ濃度の算出を行わずに、一連の処理を終了する。
濃度センサ50が出力する検出値の時系列データの中で、パッチパターンに含まれるすべてのパッチに対応するパッチ位置が特定されると、濃度算出部160が各パッチ位置の検出値からパッチ濃度を算出し、出力部170が算出されたパッチ濃度を出力して(ステップS109)、一連の処理を終了する。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態のパッチ濃度検出装置は、特定部130が、濃度センサ50が出力する検出値の時系列データを閾値比較することでパッチ位置を特定できた場合は、差分算出部140が、特定されたパッチ位置と推定パッチ位置との差分を算出して差分記憶部150に記憶させる。そして、特定部130が、時系列データを閾値比較することでパッチ位置を特定できない場合には、推定パッチ位置と、差分記憶部150が記憶する差分とを用いて、パッチ位置を特定する。したがって、本実施形態のパッチ濃度検出装置によれば、パッチパターンに含まれるすべてのパッチの濃度が低い場合であっても、濃度センサ50が出力する検出値の時系列データからパッチ位置を適切に特定して、パッチの濃度を検出することができる。
また、本実施形態の画像形成装置は、本実施形態のパッチ濃度検出装置を備え、濃度調整制御を行う際には、パッチ濃度検出装置が出力するパッチ濃度に基づいて画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkの現像バイアスや帯電バイアスなどのパラメータを調整するので、濃度調整制御を適切に行って画像品質の安定化を図ることができる。
なお、本実施形態のパッチ濃度検出装置が備える演算装置100の各機能は、上述したように、例えば演算装置100のCPU101がプログラムを実行することによって実現される。演算装置100のCPU101が実行するプログラムは、例えば、演算装置100のROM102などに予め組み込まれて提供される。また、演算装置100のCPU101が実行するプログラムを、例えば、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するようにしてもよい。また、演算装置100のCPU101が実行するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、演算装置100のCPU101が実行するプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
演算装置100のCPU101が実行するプログラムは、上述した特定部130、差分算出部140、濃度算出部160などを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU101(プロセッサ)がROM102などからプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM103などの主記憶装置上にロードされ、上述した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えて具体化することができる。例えば、上述した実施形態では、パッチパターンに含まれるパッチのうち、濃度が最も高いパッチに対応するパッチ位置が特定されると、特定されたパッチ位置を基準としてパッチ間隔に対応する時間間隔分だけ時系列データを辿ることで、残りのパッチに対応するパッチ位置を特定するようにしている。しかし、パッチパターンに含まれるすべてのパッチに対して、まず時系列データに対する閾値比較によってパッチ位置の特定を試みて、閾値比較によりパッチ位置が特定されない場合に、推定パッチ位置と差分記憶部150が記憶する差分とを用いてパッチ位置を特定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、ハーフトーン濃度調整を実施する場合でも、濃度センサ50が出力する検出値の時系列データを閾値比較して、ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンの先頭のパッチに対応するパッチ位置を特定できない場合に、そのパッチに対応する推定パッチ位置と、差分記憶部150が記憶する差分とを用いてパッチ位置を特定するようにしている。しかし、ハーフトーン濃度調整を実施する場合には、濃度センサ50が出力する検出値の時系列データの閾値比較は行わず、ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンの先頭のパッチに対応する推定パッチ位置と、差分記憶部150が記憶する差分とを用いてパッチ位置を特定するようにしてもよい。
ハーフトーン濃度調整では、上述したように、画像形成ステーション6Y,6M,6C,6Bkの帯電バイアスを変化させながらパッチパターンを形成するが、帯電バイアスが適正値から大きくずれた場合は、地汚れが発生しやすい。ハーフトーン濃度調整用のパッチパターンの先頭のパッチ(最も濃度が高いパッチ)は、帯電バイアスを最も小さくして形成されるパッチであるため、地汚れが発生する可能性が高い。このため、濃度センサ50が出力する検出値の時系列データに対する閾値比較によりこのパッチに対応するパッチ位置を特定しようとした場合、地汚れが発生している位置をパッチ位置として誤って特定してしまう虞がある。これに対して、ハーフトーン濃度調整を実施する場合には、濃度センサ50が出力する検出値の時系列データの閾値比較は行わず、推定パッチ位置と差分とを用いてパッチ位置を特定するようにすれば、上記のような不都合を有効に抑制することができる。
50 濃度センサ
100 演算装置
110 入力部
120 バッファメモリ
130 特定部
140 差分算出部
150 差分記憶部
160 濃度算出部
170 出力部
特開2012−003001号公報 特許第4820067号公報

Claims (8)

  1. 像担持体上に形成された第1のパッチの濃度と、前記第1のパッチよりも後に前記像担持体上に形成された、前記第1のパッチより濃度が低い同色の第2のパッチの濃度とを検出するパッチ濃度検出装置において、
    前記第1のパッチまたは前記第2のパッチが形成された前記像担持体に光を照射し、その反射光の受光量に応じた検出値を出力するセンサと、
    前記像担持体の移動に伴って変化する前記検出値の時系列データを所定の閾値と比較して、前記時系列データの中で前記センサが前記第1のパッチからの反射光を受光している位置である第1のパッチ位置、または、前記第2のパッチからの反射光を受光している位置である第2のパッチ位置を特定する特定部と、
    前記時系列データの中で特定された前記第1のパッチ位置における前記検出値に基づいて前記第1のパッチの濃度を算出し、前記時系列データの中で特定された前記第2のパッチ位置における前記検出値に基づいて前記第2のパッチの濃度を算出する濃度算出部と、
    前記特定部により特定された前記第1のパッチ位置と、前記第1のパッチの形成時から前記第1のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第1の推定パッチ位置との差分を算出する差分算出部と、を備え、
    前記特定部は、前記閾値を用いて前記第2のパッチ位置を特定できない場合に、前記第2のパッチの形成時から前記第2のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第2の推定パッチ位置と前記差分とを用いて前記第2のパッチ位置を特定する
    ことを特徴とするパッチ濃度検出装置。
  2. 前記差分算出部は、前記第1のパッチおよび前記第2のパッチを形成した画像形成部ごとに前記差分を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のパッチ濃度検出装置。
  3. 記憶部をさらに備え、
    前記差分算出部は、算出した前記差分を前記記憶部に記憶させ、
    前記特定部は、前記閾値を用いて前記第2のパッチ位置を特定できない場合に、前記記憶部に記憶された前記差分を用いて前記第2のパッチ位置を特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のパッチ濃度検出装置。
  4. 前記差分算出部は、予め定められた位置ずれ条件が発生した場合に、前記記憶部に記憶した前記差分を消去する
    ことを特徴とする請求項3に記載のパッチ濃度検出装置。
  5. 前記位置ずれ条件は、温度または湿度が所定値以上変化したこと、または、前記第1のパッチおよび前記第2のパッチを形成する前記画像形成部に位置ずれが生じたこと、または、最後に前記第1のパッチまたは前記第2のパッチを形成してから所定時間以上経過したこと、または、最後に前記第1のパッチまたは前記第2のパッチを形成してからの印刷枚数が所定枚数以上になったこと、の少なくとも一つである
    ことを特徴とする請求項4に記載のパッチ濃度検出装置。
  6. 請求項乃至5のいずれか一項に記載のパッチ濃度検出装置と、
    前記像担持体と、
    前記第1のパッチおよび前記第2のパッチを形成する複数の前記画像形成部と、を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 像担持体上に形成された第1のパッチの濃度と、前記第1のパッチよりも後に前記像担持体上に形成された、前記第1のパッチより濃度が低い同色の第2のパッチの濃度とを検出するパッチ濃度検出装置において実行されるパッチ濃度検出方法であって、
    前記パッチ濃度検出装置は、前記第1のパッチまたは前記第2のパッチが形成された前記像担持体に光を照射し、その反射光の受光量に応じた検出値を出力するセンサを備え、
    前記第1のパッチが形成された前記像担持体の移動に伴って変化する前記検出値の時系列データを所定の閾値と比較して、前記時系列データの中で前記センサが前記第1のパッチからの反射光を受光している位置である第1のパッチ位置を特定するステップと、
    特定された前記第1のパッチ位置と、前記第1のパッチの形成時から前記第1のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第1の推定パッチ位置との差分を算出するステップと、
    前記時系列データの中で特定された前記第1のパッチ位置における前記検出値に基づいて、前記第1のパッチの濃度を算出するステップと、
    前記第2のパッチが形成された前記像担持体の移動に伴って変化する前記検出値の時系列データを所定の閾値と比較することにより前記時系列データの中で前記センサが前記第2のパッチからの反射光を受光している位置である第2のパッチ位置を特定できない場合に、前記第2のパッチの形成時から前記第2のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第2の推定パッチ位置と前記差分とを用いて前記第2のパッチ位置を特定するステップと、
    前記時系列データの中で特定された前記第2のパッチ位置における前記検出値に基づいて、前記第2のパッチの濃度を算出するステップと、
    を含むことを特徴とするパッチ濃度検出方法。
  8. 像担持体上に形成された第1のパッチの濃度と、前記第1のパッチよりも後に前記像担持体上に形成された、前記第1のパッチより濃度が低い同色の第2のパッチの濃度とを検出するパッチ濃度検出装置であって、前記第1のパッチまたは前記第2のパッチが形成された前記像担持体に光を照射し、その反射光の受光量に応じた検出値を出力するセンサを備えた前記パッチ濃度検出装置に、
    前記第1のパッチが形成された前記像担持体の移動に伴って変化する前記検出値の時系列データを所定の閾値と比較して、前記時系列データの中で前記センサが前記第1のパッチからの反射光を受光している位置である第1のパッチ位置を特定する機能と、
    特定された前記第1のパッチ位置と、前記第1のパッチの形成時から前記第1のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第1の推定パッチ位置との差分を算出する機能と、
    前記時系列データの中で特定された前記第1のパッチ位置における前記検出値に基づいて、前記第1のパッチの濃度を算出する機能と、
    前記第2のパッチが形成された前記像担持体の移動に伴って変化する前記検出値の時系列データを所定の閾値と比較することにより前記時系列データの中で前記センサが前記第2のパッチからの反射光を受光している位置である第2のパッチ位置を特定できない場合に、前記第2のパッチの形成時から前記第2のパッチが前記センサの位置を通過するまでの推定経過時間に基づいて算出される第2の推定パッチ位置と前記差分とを用いて前記第2のパッチ位置を特定する機能と、
    前記時系列データの中で特定された前記第2のパッチ位置における前記検出値に基づいて、前記第2のパッチの濃度を算出する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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