JP5270958B2 - スキージ・ペースト離間方法およびスクリーン印刷装置 - Google Patents

スキージ・ペースト離間方法およびスクリーン印刷装置 Download PDF

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Description

本発明は、スクリーン印刷装置においてスキージとスクリーン上のペーストとを互いに離間させる方法およびその方法を実施可能なスクリーン印刷装置に関するものであり、特に、離間後におけるペースト形状の乱れの防止に関するものである。
スクリーン印刷装置においては、スクリーン上に載せられたペーストがスキージによりスクリーンに沿って移動させられ、スクリーンに形成された貫通穴を通して印刷対象材に印刷される。この印刷後に、スキージとペーストとを離間させることが必要な場合がある。例えば、スキージが2つ設けられ、交互にペーストの印刷に使用されて、往復印刷が行われる場合、スキージの交替のために、印刷を終えたスキージとペーストとが離間させられ、待機させられていたスキージがスクリーンに接触させられて、ペーストを移動させるようにされるのであるが、スキージとペーストとを離間させる際、従来、種々の問題が生じていた。例えば、スキージに付着して伸長させられたペーストの伸長部が、ペーストの本体部やスクリーン上に倒れる際に空気を抱き込み、ペーストの本体部内に気泡を生じさせて、これが印刷不良の一因となる。あるいは、ペーストの一部がスキージに付着したままペーストの本体部から離れ、その離れたペーストがスクリーン枠やスクリーン上に垂れ落ちて汚し、清掃作業を大変にする。また、スクリーン上に垂れ落ちたペーストが次の印刷時にスキージの背面に付着し、そのペーストがスキージの背後において再びスクリーンの貫通穴部に付着して印刷むら発生の一因となる。さらに、ペーストの本体部から離れたペーストが硬化したり、酸化したりし、それが後の印刷時に貫通穴に侵入して、印刷不良やはんだ付け不良発生の一因となる。
そのため、下記の特許文献1に記載のスクリーン印刷装置においては、スキージを上昇させ、ペーストから離間させる際の速度を制御することにより、スキージに付着するペーストの量を減少させるようにされている。スキージが上昇させられてスクリーンから離間させられても、その離間距離が短い間は、スキージに付着したペーストに、自重およびペーストのスクリーン上に載っている部分による引張力が作用し、離間距離が大きくなれば、引張力は減少する。そのため、自重と共に引張力が作用し、ペーストがスキージから離間し易い間はスキージの上昇速度を高くし、引張力が減少した状態では上昇速度を低くして、自重によるペーストのスキージからの離間を待つことができるようにし、スキージの上昇開始からペーストの離間までに要する時間を長くすることなく、ペーストの付着少なく、スキージをペーストから離間させるようにされているのである。
また、下記の特許文献2に記載のスクリーン印刷装置においては、スキージを上昇させる際に、スクリーン上のペーストにスキージを押し付けつつ上昇させるようにされている。それにより、スキージは、そのペースト側の角部が常にペーストに沿って、あるいはペーストをスクリーンに押し付けながら印刷方向へ移動させられることとなり、ペーストからスキージが離間する際に伸長部が発生し難くなり、あるいは伸長部が発生したとしてもペースト上に倒れることとなり、伸長部がスクリーン上へ倒れることを防止しつつ、スキージをペーストから離間させることができる。
特開2000−37848公報 特開2004−136622公報
しかしながら、特許文献1および2に記載のスクリーン印刷装置においては、ペーストの特性に関係なく、スキージとペーストとが同じ移動形態で互いに離間させられるため、離間が良好に行われない場合がある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、ペーストの特性に応じたスキージとペーストとの離間を行うことができる方法およびその離間方法を実施可能なスクリーン印刷装置を提供することを課題する。
上記の課題は、スクリーン上に載せたペーストをスキージによりスクリーンに沿って移動させ、そのスクリーンに形成した貫通穴を通して印刷対象材に印刷した後に、前記スキージと前記スクリーン上のペーストとを互いに離間させる方法を、前記スキージと前記ペーストとの相対移動形態が複数種類の相対移動軌跡を含み、その複数種類の相対移動軌跡が、少なくとも、(a)前記ペーストのチキソ比が設定値より小さい場合に、前記スキージと前記スクリーンとを離間させるスキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スキージとペーストとが少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して互いに接近する相対移動成分である接近成分を含む第1種相対移動軌跡と、(b)前記ペーストのチキソ比が設定値より大きい場合に、前記スキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スクリーンに平行な方向に関しても、スクリーンに直角な方向に関しても、互いに接近する相対移動成分を含まない第2種相対移動軌跡とを含み、かつ、前記第1種相対移動軌跡による前記スキージと前記ペーストとの相対移動が、スキージによりペーストから引き出されて外向きに伸びた伸長部がスキージから離れるまで行われるものとすることにより解決される。
上記課題はまた、スクリーン上に載せられたペーストをスキージによりスクリーンに沿って移動させ、そのスクリーンに形成された貫通穴を通して印刷対象材に印刷するスクリーン印刷装置を、(a)互いに接触している前記ペーストと前記スキージとを離間させるスキージ・ペースト離間装置と、(b)そのスキージ・ペースト離間装置を、前記スキージと前記ペーストとの相対移動形態が複数種類の相対移動軌跡を含む複数の制御形態により選択的に制御可能な離間装置制御装置とを含み、前記複数種類の相対移動軌跡が、少なくとも、(a)前記ペーストのチキソ比が設定値より小さい場合に、前記スキージと前記スクリーンとを離間させるスキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スキージとペーストとが少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して互いに接近する相対移動成分である接近成分を含む第1種相対移動軌跡と、(b)前記ペーストのチキソ比が設定値より大きい場合に、前記スキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スクリーンに平行な方向に関しても、スクリーンに直角な方向に関しても、互いに接近する相対移動成分を含まない第2種相対移動軌跡とを含み、かつ、前記第1種相対移動軌跡による前記スキージと前記ペーストとの相対移動を、スキージによりペーストから引き出されて外向きに伸びた伸長部がスキージから離れるまで行われるようにすることにより解決される。
スクリーン印刷においては、ペーストは、そのスクリーン上から貫通穴への転移性(充填性)と、印刷対象材に付着させられたペーストの貫通穴からの抜け性との両方を満たすことが要求される。そのため、スクリーン印刷に用いられるペーストには、チキソ剤が加えられ、チキソ性が高められ、変形速度が速いほど粘度が低くなり、変形しなくなれば急速に粘度が回復し、高くなるようにされている。
ペーストのチキソ特性は、ペーストの組成,貫通穴の形状,寸法,形成密度等に応じて印刷が良好に行われるように、複数種類に異ならされることがあるが、本発明に係るスキージ・ペースト離間方法によれば、ペーストのチキソ特性に応じた相対移動形態でスキージとペーストとが互いに離間させられるため、チキソ特性が異なる複数種類のペーストのいずれがスクリーン印刷に使用されても、スクリーン上におけるペーストの形状の乱れを抑制しつつペーストとスキージとを離間させることができ、前述した複数の問題の少なくとも1つを軽減することができる。特に、チキソ比が小さいペーストの場合には、スキージへの過剰な付着や、スクリーン上への倒れ込みによる空気の抱き込み等が発生し易いのであるが、これらの発生を良好に回避することができる。
本発明に係るスクリーン印刷装置によれば、本発明に係るスキージ・ペースト離間方法を実施することができる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である「本発明」の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)スクリーン上に載せたペーストをスキージによりスクリーンに沿って移動させ、そのスクリーンに形成した貫通穴を通して印刷対象材に印刷した後に、前記スキージと前記スクリーン上のペーストとを互いに離間させる方法であって、
前記ペーストのチキソ特性に応じて前記スキージと前記ペーストとの相対移動形態を複数種類に切り換えるスキージ・ペースト離間方法。
(2)前記スキージと前記ペーストとの前記複数種類の相対移動形態が複数種類の相対移動軌跡を含む(1)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
スキージとペーストとが互いに離間させられる際、ペーストの一部がスキージによって引き出され、ペーストは、ペースト本体部と、ペースト本体部から外向きに伸び出た伸長部とを含むものとなる。
チキソ特性が異なれば、ペーストの伸び易さ,スキージからの離間し易さ,ペーストの伸長部の生じ易さ,ペーストの伸長部のペースト本体部へのなじみ易さ等が異なる。そのため、スキージとペーストとを離間させる際の相対移動軌跡を異ならせれば、ペーストのチキソ特性が複数種類に異なる場合でも、スキージ離間後のペーストの形状の乱れを抑制することができる。
(3)前記チキソ特性がチキソ比で表され、そのチキソ比が設定比以下である場合には、前記スキージと前記ペーストとが互いに接近する過程を含む軌跡でそれらスキージとペーストとを相対移動させ、前記チキソ比が前記設定比より大きい場合には、前記スキージと前記ペーストとが互いに接近する過程を含まない軌跡でそれらスキージとペーストとを相対移動させる(2)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
上記「スキージとペーストとが互いに接近する過程」はスキージとペーストとが、少なくともスクリーンに平行な方向に関して互いに接近する過程を含むものであることが望ましい。そのようにすれば、伸長部をペースト本体部上に良好に倒れさせることができるからである。
(4)前記スキージと前記ペーストとの前記複数種類の相対移動軌跡が、少なくとも、(a)前記スキージと前記ペーストとが少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して互いに接近する相対移動成分である接近成分を含む第1種相対移動軌跡と、(b)前記スキージと前記ペーストとが、前記スクリーンに平行な方向に関しても、前記スクリーンに直角な方向に関しても、互いに接近する相対移動成分を含まない第2種相対移動軌跡とを含む(2)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
例えば、チキソ特性がチキソ比で表される場合には、チキソ比が小さい場合には第1種相対移動軌跡で、チキソ比が大きい場合は第2種相対移動軌跡で、それぞれ相対移動させるのである。
第1種相対移動軌跡は、スキージとペーストとの相対移動軌跡が、少なくとも一部においてスキージとペーストとをスクリーンに平行な方向に関して互いに接近させる過程を含み、第2種相対移動軌跡は、スクリーンに平行な方向に関しても、スクリーンに直角な方向に関しても、スクリーンとペーストとを互いに接近させる過程を含まない。スキージとペーストとを少なくともスクリーンに平行な方向に関して互いに接近させれば、一旦形成された伸長部をペースト本体部上に倒れさせて付着させ、なじませることができる。したがって、第1種相対移動軌跡は、チキソ比が小さく、伸長部が生じ易いペーストとスキージとの離間に適しており、第2種相対移動軌跡は、チキソ比が大きく、伸長部は比較的生じ難いが、一旦生じればペースト本体部になじみ難いペーストとスキージとの離間に適している。
(5)前記第1種相対移動軌跡が、前記スクリーンに平行な方向に関しても、前記スクリーンに直角な方向に関しても、前記スキージと前記ペーストとを互いに接近させる過程をを含まない相対移動によりスキージとペーストとを離間させる第1軌跡と、少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して前記スキージと前記ペーストとを互いに接近させる第2軌跡とを含む(4)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
第1軌跡には、スキージとペーストとをスクリーンに平行な方向において互いに離間させる軌跡と、スクリーンに直角な方向において互いに離間させる軌跡と、スクリーンに平行な方向および直角な方向の両方において互いに離間させる軌跡とが含まれる。
第2軌跡には、スキージとペーストとをスクリーンに平行な方向においてのみ互いに接近させる軌跡と、スクリーンに平行な方向に関しては接近させるが、スクリーンに直角な方向に関しては互いに離間させる軌跡と、スクリーンに平行な方向に関しても直角な方向に関しても互いに接近させる軌跡とが含まれる。
第1軌跡に従った相対移動によりスキージとペーストとを互いに離間させると、伸長部が生じる。その後、第2軌跡に従った相対移動によりスキージとペーストとを接近させると、伸長部がペースト本体部上に倒れて付着し、本体部になじむため、スキージ離間後におけるペーストの形状の乱れを抑制することができる。
スキージとペーストとは、スクリーンに平行な方向に関しては接近成分を含み、直角な方向に関しては離間成分を含む軌跡のみに従って相対移動させることによっても、互いに離間させることができるが、その場合には、スキージとペーストとが離間開始から終了まで同じ方向に相対移動させられるのに対し、本項に記載の第1種相対移動軌跡によれば、スキージとペーストとはまず離間方向に相対移動させるのであるため、離間させ易い。この離間効果は、次項に記載の第1軌跡のように、スキージとペーストとをスクリーンに直角な方向に離間させる場合に、特に得易い。
(6)前記第1軌跡が、前記スキージと前記ペーストとを前記スクリーンに直角な方向に離間させるものである(5)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
(7)前記第2軌跡が、前記スキージと前記ペーストとを前記スクリーンに平行な方向に接近させるものである(5)項または(6)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
(8)前記第1種相対移動軌跡が、前記第1軌跡によって前記スキージと前記ペーストとが離間させられるのに伴って前記ペーストの一部が前記スキージによって引き出されることにより形成された伸長部が切れる前に、前記第1軌跡から前記第2軌跡へ移行する相対移動軌跡である(5)項ないし(7)項のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法。
ペーストとスキージとの第2軌跡に従った相対移動時に、伸長部がスキージによってペースト本体部上に押し倒され、あるいは引き倒され、伸長部がスクリーンのペーストとは反対側の部分の上へ倒れることが確実に回避される。
(9)前記第2種相対移動軌跡が、少なくとも、前記スキージと前記スクリーンとを離間させる方向の成分を含むスキージ・スクリーン離間過程を含む(4)項ないし(8)項のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法。
スキージ・スクリーン離間過程は、スクリーンに直角な方向に離間させる軌跡でもよく、スクリーンに直角な方向と平行な方向との両方向の成分を含む方向に離間させる軌跡でもよい。
第2種相対移動軌跡は、スキージとスクリーンとを離間させる方向の成分のみを含む軌跡、スクリーンに平行な方向においてスキージとペーストとを離間させる方向の成分のみを含む軌跡、これら両成分を含む軌跡の少なくとも1つを含む軌跡とすることができるが、スキージ・スクリーン離間過程を含む場合、スキージとスクリーンとの接触を解消した上でスキージをペーストから離間させることができ、スクリーンとスキージとの摩擦力によってスキージの移動が妨げられることがなく、離間をスムーズに行い得る。
(10)前記第2種相対移動軌跡が、さらに、前記スキージと前記スクリーンとの離間後に前記スキージと前記ペーストとを前記スクリーンに平行な方向の成分を有する方向に相対移動させるスキージ・ペースト離間過程を含む(9)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
スキージ・ペースト離間過程は、スキージとスクリーンとを、スクリーンに平行な方向の成分のみを有する方向に相対移動させる過程でもよく、スクリーンに平行な方向と直角な方向との両方の成分を有する方向に相対移動させる過程でもよい。
(11)前記第2種相対移動軌跡が、さらに、前記スキージと前記スクリーンとの離間後に前記スキージと前記ペーストとを前記スクリーンに平行な方向に離間させるスキージ・ペースト離間過程を含む(9)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
(12)前記複数種類の相対移動形態が複数種類の相対移動速度を含む(1)項ないし(11)項のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法。
ペーストは、スキージとの相対移動速度が速いほど粘度が低くなり、変形し易くなる。そのため、複数種類の相対移動形態を複数種類の相対移動速度を含むものとすれば、スキージ離間後におけるペースト形状の乱れを回避することが容易となる。
(13)前記スキージと前記ペーストとの前記複数種類の相対移動形態の少なくとも1つが、前記第1軌跡における前記スキージと前記ペーストとの相対移動速度より、前記第2軌跡における前記スキージと前記ペーストとの相対移動速度が小さいものである(5)項ないし(8)項のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法。
第1軌跡におけるスキージとペーストとの相対移動により、ペーストのスキージによって引き出された伸長部は、第2軌跡ではスキージとペーストとが低速で相対移動させられることにより、ゆっくりとペースト本体部上へ押し倒され、あるいは引き倒される。伸長部が大きくなり易いペーストは、伸長部とペースト本体部とのなじみが良いのが普通であり、空気を抱き込むことなく、ペーストがロール形状に保たれる。
(14)前記スキージと前記ペーストとの相対移動が、前記スキージの移動により生じさせられる(1)項ないし(13)項のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法。
スキージとペーストとの相対移動を、ペーストが載せられたスクリーンを移動装置によって移動させることにより生じさせてもよい。しかし、スキージを移動させる方が移動装置の構成が簡単で済むことが多く、また、移動に要するスペースが少なくて済む。
(15)スクリーン上に載せたペーストをスキージによりスクリーンに沿って移動させ、そのスクリーンに形成した貫通穴を通して印刷対象材に印刷した後に、前記スキージと前記スクリーン上のペーストとを互いに離間させる方法であって、
前記スキージと前記ペーストとを、少なくとも前記スクリーンに直角な方向の成分を含む方向で互いに離間する向きに相対移動させる第1相対移動工程と、
その第1相対移動工程の後に、前記スキージと前記ペーストとを、第1相対移動工程における相対移動とは方向を異にする相対移動軌跡であって、少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して互いに接近する向きの相対移動成分である接近成分を含む相対移動軌跡で相対移動させる第2相対移動工程と
を少なくとも含む工程で前記スキージと前記ペーストとを互いに離間させるスキージ・ペースト離間方法。
第1相対移動は、スクリーンに直角な方向の成分のみを含む移動でもよく、スクリーンに直角な方向の成分およびスクリーンに平行な方向の成分を含む移動でもよい。そして、後者は、スクリーンに平行な方向に関してペーストに接近する向きの移動でもよく、ペーストから離間する向きの移動でもよい。
第2相対移動は、スクリーンに平行な方向における接近成分のみを含む移動でもよく、スクリーンに平行な方向および直角な方向に関して接近成分を含む移動でもよく、スクリーンに平行な方向に関して接近成分を含み、直角な方向に関して離間成分を含む移動でもよい。
前記特許文献1および2に記載されているように、スキージとペーストとは、種々の態様で互いに離間させられるが、本項に記載のスキージ・ペースト離間方法によれば、従来とは異なる態様でスキージとペーストとを離間させることができ、従来、スキージとの離間が良好に行われなかったペーストについて、スキージと良好に離間させることが可能になる。
(16)前記第1相対移動工程の実行により、前記ペーストが、ペースト本体部とそのペースト本体部から外向きに伸び出た伸長部とを含むものとされ、前記第2相対移動工程の実行時に、前記スキージと前記ペースト本体部とが互いに一旦接近した後に再び離間する軌跡で相対移動させられ、かつ、それらスキージとペースト本体部とが最も接近した状態においても互いに干渉しないことが保証される状態まで前記第1相対移動工程が実行される(15)項に記載のスキージ・ペースト離間方法。
第2相対移動工程において、スキージとペースト本体部とを、互いに一旦接近した後に再び離間する軌跡で相対移動させれば、スキージに伸長部を確実にペースト本体部上に押し倒させ、あるいは引き倒させ、ペースト本体部となじませることができる。この際、スキージとペースト本体部とが互いに干渉してはならないため、その干渉を確実に回避できる状態まで第1相対移動工程を実行させるのであり、例えば、第2相対移動工程が、スクリーンに平行な方向にスキージとペーストとを相対移動させるものである場合には、第1相対移動工程において、スキージの最もスクリーンに近い部分が、ペースト本体部のスクリーンから最も遠い部分より、スクリーンから離れるまで、第1相対移動工程を実行させるのである。
ただし、(15)項のスキージ・ペースト離間方法においては、本項の要件は不可欠ではない。例えば、スキージとペースト本体部とが最も接近する以前に第2相対移動工程を終了させることができる場合には、その終了時点までスキージとペースト本体部との干渉が生じないことを保証できる状態まで第1相対移動工程を実行させればよいのである。
なお、前記(5)項ないし(8)項,(12)項ないし(14)項のいずれかに記載の特徴は(15)項または(16)項のスキージ・ペースト離間方法にも適用可能であり、逆に、(15)項または(16)項に記載の特徴は前記(1)項ないし(14)項のいずれかに適用することも可能である。
(17)前記印刷対象材が、電子回路部品と共に電子回路を構成する回路基材であり、前記ペーストがその回路基材のパッドに電子回路部品の端子を仮止めするとともに、後に、それらパッドと端子とをはんだ付けするためのペースト状はんだである(1)項ないし(16)項のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法。
回路基材には、例えば、(a)未だ電子回路部品が装着されていないプリント配線板、(b)一方の面に電子回路部品が搭載されるとともに電気的に接合され、他方の面には電子回路部品が未装着であるプリント回路板、(c)ベアチップが搭載され、チップ付基板を構成する基材、(d)ボールグリッドアレイを備えた電子回路部品が搭載される基材等が含まれる。
回路基材において、パッドの形成密度が高く、形状,寸法が極く小さいものが増加しており、スクリーン印刷によるペースト状はんだの塗布は精度良く行われることが求められている。したがって、スキージとペーストとの離間が良好に行われ、スクリーン上におけるペースト状はんだの形状が適切な形状に維持される効果は、印刷対象材が回路基材であり、ペーストがペースト状はんだである場合に特に大きい。
(21)スクリーン上に載せられたペーストをスキージによりスクリーンに沿って移動させ、そのスクリーンに形成された貫通穴を通して印刷対象材に印刷するスクリーン印刷装置であって、
互いに接触している前記ペーストと前記スキージとを離間させるスキージ・ペースト離間装置と、
そのスキージ・ペースト離間装置を、前記スキージと前記ペーストとを複数の相対移動形態で離間させる複数の制御形態により選択的に制御可能な離間装置制御装置と
を含むスクリーン印刷装置。
(22)前記離間装置制御装置が、前記スキージ・ペースト離間装置を、前記ペーストのチキソ比に応じて前記複数の制御形態により選択的に制御可能なものである(21)項に記載のスクリーン印刷装置。
(23)前記スキージ・ペースト離間装置が、
前記スキージと前記スクリーンとをそのスクリーンに直角な方向に相対移動させ、スキージとスクリーンとを接触位置と離間位置とに相対移動させるスキージ・スクリーン接触離間装置と、
前記スキージと前記スクリーンとをそのスクリーンに平行な方向に相対移動させる平行方向相対移動装置と
を含む(21)項または(22)項に記載のスクリーン印刷装置。
スキージ・スクリーン接触離間装置は、スキージをスクリーンに対して移動させ、接触,離間させる装置でもよく、スクリーンをスキージに対して移動させ、接触,離間させる装置でもよく、スキージとスクリーンとをそれぞれ移動させ、接触,離間させる装置を含む装置でもよい。平行方向相対移動装置は、スキージをスクリーンに対して平行方向に移動させる装置でもよく、スクリーンをスキージに対して平行方向に移動させる装置でもよく、スキージとスクリーンとをそれぞれ平行方向に移動させる装置を含む装置でもよい。
本項に記載のスクリーン印刷装置においては、スキージとペーストとは、スクリーンに直角な方向の相対移動とスクリーンに平行な方向の相対移動との組み合わせによって前記スキージ・ペースト離間方法に関して前述した種々の形態で互いに離間させられ、前記種々の作用,効果を得ることができる。
(24)前記スキージを前記スクリーンに平行な方向に距離を隔てて互いに対向する状態で2つ含み、前記スキージ・スクリーン接触離間装置が、それら2つのスキージを選択的に前記接触位置へ移動させるスキージ選択装置を含む(23)項に記載のスクリーン印刷装置。
2つのスキージは、交互に印刷に使用される。スキージの交替時には、印刷を終えたスキージとスクリーンとが離間させられ、他方のスキージとスクリーンとが接触させられるため、上記スキージとスクリーンとの離間を利用してスキージとペーストとを離間させることができる。
(25)前記離間装置制御装置が、少なくとも前記スキージ選択装置を制御することにより前記スキージを前記ペーストから離間させる第1離間制御部を含む(24)項に記載のスクリーン印刷装置。
(26)前記スキージを前記スクリーンに平行な方向に距離を隔てて互いに対向する状態で2つ含み、それら2つのスキージを印刷に使用される使用位置と印刷に使用されない非使用位置とに選択的に移動させるスキージ選択装置と、そのスキージ選択装置を介して前記2つのスキージを保持するスキージ保持装置本体とを含み、前記スキージ・スクリーン接触離間装置が、前記スキージ保持装置本体と前記スクリーンとを前記スクリーンに直角な方向に接近,離間させるスキージ保持装置本体・スクリーン接近離間装置を含む(23)項に記載のスクリーン印刷装置。
スキージ保持装置本体とスクリーンとの接近,離間により、選択されたスキージとスクリーンとが接触位置と離間位置とに相対移動させられる。
(27)前記離間装置制御装置が、少なくとも前記スキージ保持装置本体・スクリーン接近離間装置を制御することにより前記スキージを前記ペーストから離間させる第1離間制御部を含む(26)項に記載のスクリーン印刷装置。
(28)前記離間装置制御装置が、少なくとも前記平行方向相対移動装置を制御することにより、前記スキージを前記ペーストから離間させる第2離間制御部を含む(23)項ないし(27)項のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の特徴は(21)項ないし(28)項のいずれかに記載のスクリーン印刷装置にも適用可能であり、逆に(21)項ないし(28)項のいずれかに記載の特徴は(1)項ないし(17)項のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法にも適用可能である。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に一実施例としてのスクリーン印刷装置であって、一実施例としてのスキージ・ペースト離間方法が実施されるスクリーン印刷装置を示す。本スクリーン印刷装置は、図1に示すように、印刷対象材たる回路基材としての回路基板10にペーストの一種であるペースト状はんだ(以後、はんだと略称する)を印刷する。回路基板10は、図示は省略するが、多数のパッドが設けられ、スクリーン印刷装置ではパッドにはんだが印刷され、印刷後、部品装着装置において電子回路部品が回路基板10に装着される。電子回路部品の端子ははんだによりパッドに仮止めされ、リフロー炉において回路基板10が加熱され、はんだが溶融されることにより、端子がパッドにはんだ付けされる。電子回路部品は、抵抗,コイル,コンデンサ等の他、リレー,スイッチ等も含み、電子回路を構成する。
本スクリーン印刷装置において回路基板10は、印刷対象材搬送装置としての基板搬送装置11(図3参照)により、図1において紙面に直角な方向に搬送され、スクリーン印刷装置に搬入,搬出される。基板搬送装置11による基板搬送経路の途中に印刷対象材保持装置としての基板保持装置12が設けられ、回路基板10を保持する。基板保持装置12は、印刷装置本体14に設けられ、例えば、支持部材により回路基板10を下方から支持する基板支持装置と、回路基板10を搬送方向に直角な両側から挟んでクランプするクランプ装置とを備え、基板保持装置昇降装置16により昇降させられ、保持した回路基板10をスクリーン保持装置18に保持されたスクリーン20に接近,離間させる。
スクリーン20には、図2に示すように、複数の貫通穴22が形成され、矩形のスクリーン枠24(図1参照)に取り付けられている。スクリーン保持装置18は、例えば、印刷装置本体14に設けられたスクリーン支持台26(図1参照)と、スクリーン20をスクリーン支持台26に固定する固定装置(図示省略)とを備え、スクリーン20を基板保持装置12の上方において水平な姿勢で保持する。回路基板10は、基板保持装置12の上昇によりスクリーン20に接近させられ、スクリーン20の下面に接触させられ、あるいは接触可能とされ、下降によりスクリーン20から離間させられる。基板保持装置昇降装置16は、基板保持装置12とスクリーン保持装置18とをスクリーン20に直角な方向に相対移動させ、回路基板10とスクリーン20とを接近,離間させる相対移動装置たる接近・離間装置を構成している。
印刷装置本体14にはまた、図1に示すように、スキージ装置38が設けられ、そのスキージユニット40により回路基板10にペースト状はんだが印刷される。スキージユニット40は一対設けられ、スキージ保持装置42により保持される。スキージ保持装置42は、平行方向相対移動装置たるスキージ保持装置移動装置44により、水平方向であって、基板保持装置12およびスクリーン保持装置18に対してスクリーン20に平行な方向に移動させられ、スキージ100をスクリーン20に対してスクリーン20に平行な方向に移動させる。
スキージ保持装置移動装置44は、図1に示すように、可動部材としてのスライダ50と、スライダ移動装置52とを含む。スライダ移動装置52は、駆動源たるスライダ移動用モータ54(図3参照)と、送りねじの一種であるボールねじ56およびナット58を含む送りねじ装置60(図1参照)とを含み、スライダ50を案内部材としてのガイドレール(図示省略)に案内させつつ、スクリーン20に平行な方向であって、水平面内において基板搬送方向と直交する方向において任意の位置に移動させる。スライダ移動用モータ54は、例えば、エンコーダ付サーボモータにより構成される。サーボモータは、回転角度の正確な制御が可能な電動モータである。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよく、リニアモータを用いてもよい。
本スキージ保持装置42は、図2に示すように、スライダ50に設けられ、スライダ50が移動させられることにより、スキージ保持装置42に保持されたスキージユニット40がスクリーン保持装置18に保持されたスクリーン20に沿って移動し、スクリーン20上に載せられたはんだを移動させ、スクリーン20に形成された貫通穴22から、基板保持装置12に保持された回路基板10に印刷する。基板保持装置12に保持された回路基板10の被印刷面たる上面に平行な平面である水平面内において基板搬送方向と直交する方向が印刷方向(図1および図2においては左右方向)である。
本スキージ保持装置42は、図2に示すように、一対の保持ヘッド70を含み、保持ヘッド昇降装置72により昇降させられ、スクリーン20に直角な方向に移動させられる。保持ヘッド昇降装置72は、流体圧アクチュエータの一種である流体圧シリンダとしてのエアシリンダ73により構成され、スライダ50に下向きに設けられている。このエアシリンダ73のピストンロッド74の延出端部である下端部に、一対のロードセル80を介して一対の保持ヘッド70が取り付けられている。一対のロードセル80の下側に取り付けられた連結部材82の下端部に支持部材としての支持板84が水平に取り付けられ、支持板84に一対の保持ヘッド70が印刷方向に平行な方向に並んで設けられており、保持ヘッド昇降装置72により一斉に昇降させられ、スクリーン20に直角な方向に移動させられる。一対の保持ヘッド70の昇降の案内は、支持板84に鉛直に立設された一対の被案内部材としてのガイドロッド(図示省略)がスライダ50に設けられた一対の案内部材としてのガイドブロック(図示省略)に鉛直方向に相対移動可能に嵌合されることにより行われる。本実施例では、連結部材82および支持板84がスキージ保持装置42の本体を構成している。
保持ヘッド昇降装置72を構成するエアシリンダ73は複動シリンダであり、2つのエア室はそれぞれ、電磁弁装置たる電磁方向切換弁86の切換えにより、正圧ポンプ等のエア源88に連通させられる状態と、大気に解放される状態と、いずれにも連通させられない状態とに制御される。また、エアシリンダ73の下側のエア室と電磁方向切換弁86との間には、流量制御弁たる比例電磁流量調整弁89が設けられ、下側のエア室に供給されるエアの流量が制御され、保持ヘッド70の上昇速度が制御される。
一対の保持ヘッド70はそれぞれ、図2に示すように、ユニット保持部材90と、ユニット交替装置ないしユニット選択装置92とを含む。ユニット交替装置ないしユニット選択装置は、スキージ交替装置ないしスキージ選択装置でもある。本ユニット選択装置92はエアシリンダにより構成され、上記支持板84に下向きに設けられている。このエアシリンダのシリンダハウジング94は支持板84に固定され、ピストンロッド96は支持板84から下方へ延び出させられ、その延出端部に設けられた取付部材98にユニット保持部材90が印刷方向に平行な軸線まわりに揺動可能に取り付けられている。ユニット保持部材90は長手形状を成し、印刷方向と直交する方向に平行に設けられている。
前記一対のスキージユニット40はそれぞれ、図2に示すように、スキージ100およびスキージ保持部材102を含む。スキージ100およびスキージ保持部材102はそれぞれ長手形状を成し、スキージ保持部材102はスキージ100を着脱可能に保持した状態でユニット保持部材90に着脱可能に取り付けられる。このスキージ100は金属製であり、薄い板状を成し、可撓性を有し、弾性変形可能である。一対のスキージユニット40の各スキージ100はそれぞれスキージ保持部材102により、長手方向が印刷方向と直交する方向に平行となるとともに、スクリーン20に直角な平面に対して下方ほど互いに離間する向きに傾斜し、対向した姿勢で保持される。なお、符号106は、スキージ100の長手方向の両側にそれぞれ配設され、スキージ保持部材102に取り付けられた掻取部材であり、スキージ100の側方のペースト状はんだを掻き取ってスキージ100側へ戻す。図2には、スキージ100の一方の側に設けられた掻取部材106が図示されている。
一対のスキージユニット40はそれぞれ、ユニット保持部材90がユニット選択装置92によって昇降させられることにより、ロードセル80に対する下降端位置であって、印刷に使用される使用位置と、ロードセル80に対する上昇端位置であって、印刷に使用されない非使用位置とに移動させられる。ユニット選択装置92を構成するエアシリンダのピストンロッド96の伸縮により、スキージユニット40が昇降させられる。このスキージユニット40の昇降の案内は、例えば、取付部材98に鉛直方向に立設された被案内部材たる一対のガイドロッド(図示省略)が、支持板84に設けられた案内部材たる一対のガイドブロック(図示省略)に相対移動可能に嵌合されることにより行われる。2つのエアシリンダが2つのスキージ100のうち、はんだの印刷に使用されるスキージ100を使用位置へ移動させ、選択するスキージ選択装置を構成していると考えることもできる。
一対のスキージユニット40は、それらのうちの一方が選択的に使用位置に位置させられ、はんだの印刷に使用される。一方のスキージユニット40が使用位置へ下降させられた状態では、他方のスキージユニット40は非使用位置に位置させられ、一対の保持ヘッド70が保持ヘッド昇降装置72によって昇降させられることにより、一対のスキージユニット40が一斉に昇降させられるが、使用位置に下降させられたスキージユニット40は、そのスキージ100がスクリーン20に接触する接触位置と、スキージ100がスクリーン20から離間した離間位置とに移動させられ、非使用位置に上昇させられたスキージユニット40はスクリーン20に接触しない状態に保たれる。一対の保持ヘッド70が保持ヘッド昇降装置72による昇降の上昇端位置に位置させられる状態では、一対のスキージユニット40はいずれもスクリーン20から離間した離間位置に位置させられると考えることができる。本スクリーン印刷装置においては、保持ヘッド昇降装置72がスキージ100とスクリーン20とをスクリーン20に直角な方向に相対移動させる相対移動装置の一種であり、スキージ保持装置本体とスクリーン20とを接近,離間させるスキージ保持装置本体・スクリーン接近離間装置を構成している。
前記ロードセル80は、例えば、特許第3343284号公報に記載の荷重センサと同様に構成され、弾性変形部を有する本体と、弾性変形部に貼り付けられた複数枚のストレンゲージとを備え、図2に示すように、保持ヘッド昇降装置72のピストンロッド74と連結部材82との間に、それらの上下方向の相対移動を許容し、上下方向に力が加えられたとき、弾性変形部が弾性変形し、ストレンゲージに歪が生じるように設けられている。ストレンゲージの歪は、ブリッジ回路により電気信号に変換されるとともに、図示しない信号処理回路を経て制御装置120(図3参照)に供給される。この歪はロードセル80に加えられる負荷に対応している。ロードセル80には、後述するように、はんだからスキージ100に加えられる負荷も加えられ、その負荷もロードセル80により検出される。ロードセル80が負荷検出装置を構成している。ロードセル80により検出される負荷に基づいて、スキージユニット40のスクリーン20に対する接触力が検出され、その接触力が常に適切な大きさとなるように保持ヘッド昇降装置72等が制御される。
制御装置120は、図3に示すように、CPU122,ROM124,RAM126およびそれらを接続するバスを含むコンピュータ130を主体とするものであり、入出力部132にはロードセル80の検出信号およびエンコーダ133の検出信号が入力されるとともに、入力装置136が接続されている。エンコーダ133は、スライダ移動用モータ54等、本スクリーン印刷装置の構成要素である各種装置の駆動源を構成するエンコーダ付サーボモータに設けられたものであり、1つを代表的に示す。入力装置136は、キーボード,タッチパネル等により構成され、入力装置136を用いて作業者によりコンピュータ130にデータ等が入力される。入出力部132にはまた、基板搬送装置11等、種々のアクチュエータ等が駆動回路134を介して接続されている。また、ROM124およびRAM126には、図示を省略するメインルーチン,回路基板10にはんだを印刷するための印刷プログラム,図10〜図13にそれぞれフローチャートで示すチキソ比判定ルーチン等、種々のプログラムおよびデータが記憶させられている。
一対のスキージユニット40がそれぞれ有するスキージ100は同じ種類のものであり、回路基板10へのはんだの印刷は、それらスキージ100により交互に行われる。一対のスキージユニット40のうち、印刷時におけるスライダ50の移動方向において上流側に位置するスキージユニット40が使用位置へ下降させられるとともに、保持ヘッド昇降装置72により接触位置へ下降させられ、スクリーン20に弾性変形させられた状態で接触させられる。スキージ100がスクリーン20に接触するまでの間は、一対ずつの保持ヘッド70およびスキージユニット40の重量の全部がロードセル80に下向きに加えられ、それらの総重量が検出されるが、スキージ100がスクリーン20に接触させられた後は、2組の保持ヘッド70およびスキージユニット40の重量がスクリーン20によって受けられる状態となり、それらに基づいてロードセル80に加えられる力が、スキージユニット40とスクリーン20との接触力分、小さくなる。
換言すれば、接触力は2組の保持ヘッド70およびスキージユニット40の総重量から実際にロードセル80に加えられる力を差し引いた大きさ、つまりスキージユニット40等の重量とロードセル80からスキージユニット40等に加えられる反力(ロードセル80に加えられる力とは逆向きの力)との和となる。本スクリーン印刷装置において制御装置120は、ロードセル80の検出信号に基づいて、ロードセル80に下向きに加えられる負荷を負の値で算出し、上向きに加えられる負荷を正の値で算出するように構成されている。したがって、ロードセル80により検出される負荷は、2組の保持ヘッド70およびスキージユニット40がロードセル80に下向きの力を加える状態では負の値となり、それらの重量の全部がスクリーン20によって受けられる状態では0となり、その状態から更にスキージユニット40が下降させられてスクリーン20を押し、ロードセル80に上向きの力が加えられる状態では正の値となって、スキージ100が上記総重量に加えてスクリーン20を押す押付力を表し、図4に示すように、2組の保持ヘッド70およびスキージユニット40の重量(正の値)に算出された押付力を加えることにより接触力が取得される。スキージ100がスクリーン20に接触しない状態では、2組のスキージユニット40および保持ヘッド70の重量の全部がロードセル80に加えられ、負荷は負の値で算出され、その絶対値は2組のスキージユニット40および保持ヘッド70の総重量と等しくなる。この総重量は、予め取得され、RAM126に記憶させられている。スキージユニット40が離間位置に位置させられている状態においてロードセル80に加えられる負荷を算出し、上記総重量としてRAM126に記憶させてもよい。
スキージ100のスクリーン20への接触力が適切な大きさに制御されれば、スキージユニット40がスクリーン20に沿って移動させられ、はんだを貫通穴22に押し込み、回路基板10に印刷する。スキージ100はスクリーン20に直角な平面に対して傾斜させられ、スクリーン20に対して移動方向へ前傾する姿勢で傾斜させられているため、スクリーン20に沿って移動させられるとき、図6(a)に示すように、スクリーン20との間にはんだ150を挟み、スクリーン20上に、スキージ100の移動方向と直交する方向に帯状に載せられたはんだ150をローリングさせつつ移動させ、ペースト状はんだはロール形状を成すようになる。このはんだロールの外周側の部分が貫通穴22に押し込まれ、回路基板10に塗布される。
スキージユニット40がスクリーン20に平行な方向において印刷終了位置へ移動させられ、はんだの印刷が終了したならば、スキージ100はスクリーン20およびはんだ150から離間させられ、他方のスキージ100と交替させられる。本スクリーン印刷装置では、印刷後、スキージ100をはんだから離間させるために、スキージ100のはんだに対する移動形態を2種類に切り換えることができるようにされている。
2種類の移動形態である第1相対移動形態および第2相対移動形態はそれぞれ、スキージ100の移動軌跡を互いに異にし、2種類の相対移動形態は、2種類の相対移動軌跡を含む。スキージ100が、第1相対移動形態の相対移動軌跡である第1種相対移動軌跡によって移動させられる場合と、第2相対移動形態の相対移動軌跡である第2種相対移動軌跡によって移動させられる場合とで、スキージ100の移動速度が異ならされることがあり、その場合には、第1,第2の各相対移動形態は相対移動速度も互いに異にし、2種類の相対移動形態は2種類の相対移動速度を含むこととなる。第1種,第2種の相対移動軌跡は、後述するように、はんだのチキソ特性、本実施例ではチキソ比の大きさによって使い分けられ、チキソ比が設定比以下であるはんだについてはスキージ100が第1種相対移動軌跡に従って移動させられてはんだから離間させられ、チキソ比が設定比より大きいはんだについてはスキージ100が第2種相対移動軌跡に従って移動させられてはんだから離間させられる。チキソ比の設定比および第1,第2の各移動形態における相対移動速度は、実験により決められる。
第1相対移動形態の移動軌跡である第1種相対移動軌跡は、図6(b)に示すように、印刷終了後、スキージ100をスクリーン20に対してスクリーン20に直角な方向に上昇させ、スクリーン20から離間させ、はんだ150から離間する方向に移動させる第1軌跡と、上昇後、図6(c)〜図6(f)に示すように、スキージ100をスクリーン20に平行な方向において、印刷時の移動方向と同じ方向であり、前進方向であって、はんだ150に接近する向き(図6(c)に矢印で示す方向)に移動させ、さらに、図6(f)に示すように、はんだ本体部152を越えてそれの前方に位置する前進位置まで前進させることにより、スキージ100をはんだ本体部152に一旦接近させた後に再び離間させる第2軌跡とを含む。この第1軌跡は、スクリーン20に平行な方向および直角な方向の両方に関して、スキージ100がはんだ150に接近する向きの相対移動成分を含まない相対移動によりスキージ100とはんだ150とを離間させる軌跡であり、第2軌跡は、スクリーン20に平行な方向に関してスキージ100とはんだ150とを互いに接近させる成分を含み、かつ、スクリーン20に平行な方向の成分のみを含む軌跡である。
スキージ100の上昇により、図6(b)に示すように、はんだ150の一部がその本体部であるはんだ本体部152からスキージ100によって引き出され、外向きに伸び出させられた伸長部154が形成される。第1軌跡におけるスキージ100の上昇位置(はんだ150に対する離間位置)は、スキージ100の最もスクリーン20に近い部分である下端部が、はんだ本体部152の最も高い部分(スクリーン20から最も遠い部分)より、スクリーン20から離れた状態となり、第2軌跡の移動時にスキージ100がはんだ本体部152に最も接近した状態においてもはんだ本体部152と干渉せず、はんだ本体部152を押し潰さないことが保証され、かつ、伸長部154が切れる前に、スキージ100がはんだ本体部152に接近する向きの移動を開始する位置に設定されている。スキージ100がはんだ本体部152に最も接近した状態は、本実施例においては、スキージ100の下端部が、はんだ本体部152の最も高い部分とスクリーン20に平行な方向において同じ位置に位置する状態である。スキージ100がスクリーン20に平行な方向においてのみはんだ本体部152に接近する方向に移動させられるに従って、図6(c)および図6(d)に示すように、伸長部154がスキージ100により押し倒され、あるいは引き倒されてはんだ本体部152に対して前進させられるが、その際、はんだ本体部152から伸長部154に作用する引張力および伸長部154の自重により、図6(c),(d)および(e)に示すように伸長部154は徐々にスキージ100から外れ、最終的に図6(f)に示すように、スキージ100から離れてはんだ本体152上に倒れ、重なってなじんだ状態となり、はんだ150は伸長部154のないロール形状に復帰する。
スキージ100の上昇位置および前進位置は、本実施例では、いずれも、スクリーン20上に現に載っているはんだ150の量(はんだ150の残量)に応じて決められる。上昇位置は、はんだ150の残量が多いほどスクリーン20から離れ、スキージ100がはんだ本体部152への接近時にはんだ本体部152との接触が回避されるとともに、伸長部154が切れる前に前進を開始することが保証される位置に設定される。前進位置は、はんだ150の残量が多いほど前進開始位置から離れ、スキージ100の移動距離が長く、はんだ本体部152を確実に越え、伸長部154がスキージ100から離れることが保証される位置とされる。上昇位置および前進位置の設定方法については、後述する。
また、第1相対移動形態の相対移動速度である第1種相対移動速度は、第1軌跡におけるスキージ100のはんだ150に対する移動速度より、第2軌跡におけるスキージ100のはんだ本体部152に対する移動速度が小さいものとされる。その理由については後述するが、上昇速度は、20mm/sec以上、50mm/sec以下の範囲で設定され、前進速度は、7.5mm/sec以上、20mm/sec未満の範囲で設定される。
一方、第2移動形態の移動軌跡である第2種相対移動軌跡は、図7(a)に示すように印刷終了後、図7(b)に示すようにスキージ100をスクリーン20に直角な方向に上昇させてスクリーン20から僅かに離間させるスキージ・スクリーン離間過程と、図7(c)に示すように、スキージ100をスクリーン20から離間した状態で停止させた後、スクリーン20に平行な方向においてはんだ150から離間する向き(図7(c)において矢印で示す方向)に後退させ、印刷時の移動方向とは逆向きに移動させて、スキージ100をはんだ150から離間させるスキージ・ペースト離間過程とを含む。
本スキージ・スクリーン離間過程は、スクリーン20に直角な方向においてスキージ100とスクリーン20とを離間させる方向の成分のみを含む過程であり、スキージ・ペースト離間過程は、スキージ100とはんだ150とをスクリーン20に平行な方向においてスキージ100をはんだ150から離間させる方向の成分のみを含む方向に相対移動させる過程であり、第2種相対移動軌跡は、スクリーン20に平行な方向に関しても、直角な方向に関してもはんだ150に接近する向きの成分を含まない。
スキージ100が上昇させられるとき、その速度は規制され、低速でスクリーン20から離間させられる。また、スキージ100のはんだ150からの離間速度(後退速度)は、スキージ100がはんだ150から離間し、その状態から更に設定距離後退させられるまで低く規制され、その後、加速されて高速で予め設定された後退端位置まで後退させられる。この後退端位置は、次に印刷に使用されるスキージ100が下降させられてスクリーン20に接触させられるとき、はんだ150に対して適切な相対位置となる位置である。
後退開始時には、図7(b)に示すように、はんだ150の一部がスキージ100に付着しており、スキージ100が後退させられるとき、はんだ150から引き出される。この引き出し量が多ければ、スキージ100が引出し部から離間した後、図7(c)に二点鎖線で示すように、引出し部(伸長部)が重力に基づいて倒れ、はんだ150との間に空気を封じ込める状態となる。
上記はんだ150の引出し量の多少は、スキージ100のはんだ150からの離間速度とチキソ比とによって変わる。はんだ150は、チキソ剤が加えられ、チキソ性が高められており、そのため、スキージ100のはんだ150からの離間速度であって、後退速度が速いほど、はんだ150の粘度が低くなってスキージ100に付いて来易く、はんだ150からの引出し量が多くなる。したがって、スキージ100のはんだ150からの後退速度を低く規制し、はんだの粘度の低下を抑制してスキージ100に付いて来難くし、はんだ150からの引出しを抑制する。つまり、後退速度は、はんだ150がスキージ100についてきて重力に基づいて倒れ、はんだ150との間に空気を封じ込める状態となることがない範囲の速度に規制される。
また、はんだは、変形速度が遅い状態では弾性領域に止まり、スキージ100が離間すれば、はんだから引き出された部分が元の状態に戻るのに対し、変形速度が速ければ粘性領域へ移行し、スキージ100が離間しても、はんだから引き出された部分が元に戻らない性質を有する。このように、はんだ150の変形を抑制する観点からは離間速度が低いのが良いのであるが、作業能率の点からは高いことが望ましく、そのため、スキージ100のはんだ150からの後退速度は、5mm/sec以上、20mm/sec未満の範囲で設定される。従来、スキージを上昇させてはんだから離間させる場合についてであるが、離間速度は90mm/sec程度とされ、はんだから引き出されたはんだの倒れによって空気の封じ込めが生じていたのに対し、後退速度の規制によりはんだの引き出しが抑制され、はんだとの間への空気の封じ込めが回避される。ただし、離間速度を低くすれば、はんだ150の変形量が少なくなり、スキージ100をはんだ150から低速で離間させるために必要なスキージ100の移動距離も小さくて済むようになるため、離間速度の低下がそのまま作業能率の低下につながるわけではない。また、スキージ100をスクリーン20から離間させるべく上昇させるとき、スキージ100ははんだから離間させられないが、上方へ引っ張り、はんだのロール形状を変形させることとなるため、スキージ100の上昇速度も離間速度と同様に規制され、はんだの粘度を低下させないようにされる。スキージ100の上昇速度は、20mm/sec以上、50mm/sec以下の範囲で設定される。
スキージ100を第1種相対移動軌跡と第2種相対移動軌跡とのいずれによってはんだ150から離間させるかは、はんだのチキソ特性、本実施例ではチキソ比の大きさによって決定され、スキージ100とはんだとの相対移動形態の第1相対移動形態と第2相対移動形態との間での切換えが行われる。
一例として、チキソ比が異なる5種類のはんだを使用し、各はんだについて第1種相対移動軌跡と第2種相対移動軌跡との両方によってスキージ100を離間させ、はんだの状態を調べた結果を図8および図9に示す。チキソ比は、チキソ性の程度の大きさを表す数値であり、計算によって求められる。JIS(Z3284)では、はんだを回転速度3rpmで攪拌した場合の粘度と回転速度30rpmで攪拌した場合の粘度との比からチキソ比が求められ、下記の式に従って算出される。
チキソ比=[log(η2/η1)] /[log(D1/D2) ]
D1=3rpm,D2=30rpm,η1:3rpm時の粘度,η2:30rpm時の粘度
はんだの粘度は、例えば、マルコムスパイラル粘度計を使用して測定される。測定時、はんだは常温25℃の状態とされ、回転速度10rpmでの攪拌が3分、回転速度3rpmでの攪拌が6分、回転速度4rpmでの攪拌が3分、回転速度5rpmでの攪拌が3分、回転速度10rpmでの攪拌が3分、回転速度20rpmでの攪拌が2分、回転速度30rpmでの攪拌が2分、回転速度10rpmでの攪拌が1分、この順序で行われ、各攪拌の設定時間の実行毎に粘度が測定される。これら回転時間は、はんだが設定された回転速度で攪拌されるとき、はんだが粘度がほぼ一定の定常状態となるのに要する時間である。そして、この順序での8種類の攪拌が少なくとも2回行われ、回転速度3rpmでの6分の攪拌実行により取得される複数の粘度の平均値および回転速度30rpmでの2分の攪拌実行時により取得される複数の粘度の平均値がそれぞれ算出され、それら平均値を使用し、上記式に従って算出された値がチキソ比である。
チキソ比が異なる5種類のはんだについてそれぞれ、スキージ100を第1種,第2種の各相対移動軌跡でそれぞれ離間させた場合におけるはんだの状態を調べた結果を図8および図9に示す。スキージ100が第1種相対移動軌跡に従って移動させられる場合、上昇速度は20mm/s、前進速度は7.5mm/sとされ、スキージ100が第2種相対移動軌跡に従って移動させられる場合、上昇速度は20mm/s、後退速度は10mm/sとされた。第1種相対移動軌跡に従った移動によりスキージ100を離間させた場合については、はんだ150を、その前側から、すなわちスキージ100の前進方向において下流側から見た状態を示し、第2種相対移動軌跡に従った移動によりスキージ100を離間させた場合については、はんだ150を、その後側から、すなわちスキージ100の後退方向において下流側から見た状態を示す。
図8に、チキソ比が0.67であり、かつ、粘度が高いはんだと、チキソ比が0.66であり、かつ、粘度が一般的な高さであるはんだとについてそれぞれ、スキージ100を設定された速度で第1種,第2種の各相対移動軌跡によって離間させた場合における状態を調べた結果を示す。粘度の一般的な高さは、スクリーン印刷に通常、用いられる高さであり、粘度が高いとは、一般的な高さより高いことである。
チキソ比が0.67であり、かつ、粘度が高いはんだ150については、スキージ100の第2種相対移動軌跡に従った移動によるはんだからの離間のみが調べられたが、スキージ100がはんだ150から離れた状態でも、はんだ150のスキージ100に接触させられていた側の部分に形状の崩れがなく、空気の抱き込みも少なく、安定したロール形状に保たれた。
また、チキソ比が0.66であり、かつ、粘度が一般的な高さであるはんだ150については、スキージ100の第2種相対移動軌跡に従った移動によるはんだ150からの離間の場合、形状の崩れがなく、ロール形状に保たれたが、スキージ100の第1種相対移動軌跡に従った移動によるはんだ150からの離間の場合、スキージ100の上昇によりはんだ本体部152から引き出された伸長部154がはんだ本体部152上に重ねられたものの、それらの間に隙間(図中、黒く塗って示される部分)があり、はんだ本体部152とのなじみが悪く、形状の崩れはないものの、はんだ150内に空気が抱き込まれて印刷に適した状態ではなくなった。
なお、図示は省略するが、チキソ比が0.66であり、かつ、粘度が一般的な高さであるはんだからスキージ100を離間させた場合におけるスキージ100へのはんだの付着は、第1種相対移動軌跡に従った離間時にはやや多かったが、第2種相対移動軌跡に従った離間時には殆ど見られなかった。
図9に、チキソ比が0.54であり、かつ、粘度が高いはんだと、チキソ比が0.56であり、かつ、粘度が一般的な高さであるはんだと、チキソ比が0.55であり、かつ、粘度が一般的な高さより低いはんだとについてそれぞれ、スキージ100を設定された速度で第1種,第2種の各相対移動軌跡によって離間させた場合における状態を調べた結果を示す。
チキソ比が0.54であり、かつ、粘度が高いはんだについては、スキージ100の第2種相対移動軌跡に従った移動では、スキージ100が後退させられ、はんだ150から離れた後、はんだ150が後方側へだれて広がり、ロール形状を維持することができず、空気の抱き込みが多かった。図中、手前の2本の横線は、はんだ150の後方側へだれて広がった部分の厚みを示す。それに対し、スキージ100の第1種相対移動軌跡に従った移動では、伸長部154がはんだ本体部152上に重なってなじみ、空気の抱き込みが少なく、はんだ150の形状がきれいなロール形状に維持された。
また、チキソ比が0.56であり、かつ、粘度が一般的な高さであるはんだについては、スキージ100の第2種相対移動軌跡に従った移動では、はんだ150のスキージ100に接触させられていた部分は、スキージ100が離れた後は、後方側へだれて広がるとともにちぎれたり、しわになったりして、はんだ150のロール形状が維持されなかった。それに対し、スキージ100の第1種相対移動軌跡に従った移動では、伸長部154がはんだ本体部152上にきれいに重なってなじみ、空気の抱き込みが少なく、はんだ150の形状がきれいなロール形状に維持された。
さらに、チキソ比が0.55であり、かつ、粘度が低いはんだについては、スキージ100の第2種相対移動軌跡に従った移動では、チキソ比が0.54であり、かつ、粘度が高いはんだの場合と同様に、スキージ100が離れたはんだ150は後方側へだれて広がり、ロール形状が維持されなかった。それに対し、スキージ100の第1種相対移動軌跡に従った移動では、伸長部154がはんだ本体部152上にきれいに重なってなじみ、空気の抱き込みが少なく、はんだ150の形状がきれいなロール形状に維持された。
また、チキソ比がそれぞれ0.54,0.56,0.55であるはんだについては、スキージ100へのはんだの付着は、第2種相対移動軌跡に従った離間時には、はんだがスキージ100につらら状に垂れ下がった状態で付着したのに対し、第1種相対移動軌跡に従った離間時には、第2種相対移動軌跡に従った離間時より少なくて済んだ。
実験の結果、以上のことが明らかとなったが、その理由は以下のように推測される。チキソ比が大きいということは、ペースト、ここでははんだの変形速度が大きい場合と小さい場合とではんだの変形性ないし流動性に大きな違いが生じるということである。換言すれば、チキソ比が大きい場合には、スキージとはんだとの離間速度を小さくすれば、はんだが変形し難くなって伸長部が生じ難くなるが、チキソ比が小さい場合には、スキージとはんだとの離間速度を小さくしてもはんだがそれほど変形し難くなることが期待できず、伸長部が生じ易い。そこで、チキソ比が大きい場合には、スキージとはんだとの離間速度を小さくして伸長部が生じること自体をできる限り回避する一方、チキソ比が小さい場合は、スキージとはんだとの離間に伴って伸長部が生じることを許容し、代わりに生じた伸長部をはんだ本体部上に倒れさせて、伸長部をはんだ本体部に密着させることが有効なのであると推測されるのである。なお、倒れた伸長部ははんだ本体部に密着させ、ペースト本体部と同化させることが空気の抱え込みを抑制するために望ましく、その観点からすれば、伸長部の変形性ないし流動性が高いことが望ましい。したがって、スキージとはんだとを離間させる過程では、むしろ両者の相対移動速度を大きくしてペーストの流動性を大きくしておくことが望ましいのであるが、形成された伸長部をはんだ本体部上に倒れさせる速度が過大であると、伸長部とはんだ本体部との間に空気が抱え込まれ易いため、伸長部を倒れさせる速度は比較的小さいことが望ましい。伸長部を倒れさせる速度は、空気の抱込みを回避する観点と、伸長部をはんだ本体と同化させる観点との両方の観点から決定されるべきなのであるが、チキソ比の小さいはんだは幸い低速においても流動性がそれほど低下しないため、伸長部をペースト本体部と同化させ易い。
上記推測が正しいか否かは、現時点では未だ明らかではないが、スキージ100を第1種,第2種いずれの相対移動軌跡によってはんだから離間させるのがよいかがチキソ比の大きさによって分かれることは実験により確かめられている。そのため、実験の結果を踏まえて、第1種,第2種いずれの相対移動軌跡によってスキージ100をはんだから離間させるかを選択するためのチキソ比の設定値は、0.57以上、0.65以下の範囲で選ばれるのがよい。本実施例のスクリーン印刷装置においては、設定値は0.6とされ、チキソ比が0.6以下の場合には第1種相対移動軌跡が選択され、チキソ比が0.6より大きい場合には第2種相対移動軌跡が選択されるようにされている。
以下、図10〜図12に示すフローチャートに基づいて、スキージ100のはんだ150からの離間を説明する。
回路基板10へのはんだ150の印刷作業開始に先立って図10に示すチキソ比判定ルーチンが実行され、ステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)において、今回、一連の印刷作業が行われる回路基板10に印刷されるはんだ150はチキソ比が小さいものであるか否か、すなわちスキージ100のはんだ150からの離間を第1種相対移動軌跡によって行うか否かの判定が行われる。チキソ比が小さいか否かを判定するためのしきい値は、実験に基づいて予め設定されている。はんだ150が印刷される回路基板10の種類や印刷されるはんだ150の種類等を規定する印刷データからはんだ150のチキソ比が得られ、S1では、チキソ比が設定値、本実施例では0.6以下であるか否かの判定が行われる。チキソ比が0.6以下であれば、S1の判定結果はYESになってS2が実行され、チキソ比小フラグがONにセットされる。それに対し、チキソ比が0.6より大きいのであれば、S1の判定結果がNOになってS3が実行され、チキソ比小フラグがOFFにリセットされる。
また、図11に示す第1種相対移動軌跡制御用上昇位置・前進位置設定ルーチンが実行され、第1種相対移動軌跡に従ってスキージ100をはんだ150から離間させる際のスキージ100の上昇位置および前進位置が設定される。本実施例では、上昇位置および前進位置は、スクリーン20上におけるはんだ150の残量に応じて設定され、上昇位置ははんだ150の残量が多いほど高い位置に設定され、前進位置ははんだ150の残量が多いほど、前進開始位置からの距離が長い位置に設定される。はんだ150の残量は、本実施例では、はんだ150が印刷された回路基板10の枚数をカウントすることにより推定される。そのため、作業者は、一連の印刷作業の開始に先立って必要なデータ、例えば、スクリーン20上に載せられたはんだ150の初期量(印刷が行われていない状態におけるはんだ150の量)および回路基板1枚あたりのはんだ150の印刷量をコンピュータ130に入力する。なお、設定された枚数の回路基板10へのはんだ150の印刷の途中ではんだ150が補給された場合には、入力装置136を用いて作業者により補給量が入力され、はんだ残量が更新される。
第1種相対移動軌跡制御用上昇位置・前進位置設定ルーチンは、回路基板10がスクリーン印刷装置に1枚、搬入される毎に実行され、回路基板10へのはんだ150の印刷が設定枚数行われる毎に上昇位置および前進位置が更新される。そのため、S11においてカウンタのカウント値Cが1増加させられて印刷枚数が数えられる。次いでS12が実行され、前回、位置設定が行われた後、設定枚数の回路基板10へのはんだの印刷が行われたか否かの判定が行われる。この判定は、S11においてカウントされる印刷枚数と、S13において記憶させられるはんだ残量推定時における印刷枚数との差が設定枚数以上であるか否かにより行われる。
印刷が設定枚数、行われていなければ、S12の判定結果がNOになってルーチンの実行は終了する。印刷が設定枚数行われれば、S12の判定結果がYESになってS13が実行され、はんだ150の残量が推定される。S11においてカウントされた回路基板10の印刷枚数、1枚当たりのはんだ150の印刷量およびはんだ150の初期量に基づいてはんだ150の残量が推定される。S13においてはまた、はんだ残量推定時における回路基板10のはんだ印刷枚数がRAM126に記憶させられる。続いてS14が実行され、上昇位置および前進位置がそれぞれ設定される。コンピュータ130のROM124には、はんだ150の残量とスキージ100の上昇位置とを対応付けるテーブルおよびはんだ150の残量とスキージ100の前進位置とを対応付けるテーブルが記憶させられており、そのテーブルを使用して上昇位置および前進位置が設定される。本実施例では、上昇位置は、エアシリンダ73へのエアの供給時間により設定され、前進位置は、スライダ移動用モータ54のエンコーダの値により設定される。上昇位置および前進位置は、1枚の回路基板10にはんだが印刷される毎に設定されてもよい。
第1種相対移動軌跡に従ったスキージ100のはんだからの離間が制御される第1相対移動制御あるいは第2種相対移動軌跡に従ったスキージ100のはんだからの離間が制御される第2相対移動制御によるスキージ100のはんだ150からの離間は、1枚の回路基板10へのはんだ150の印刷が終了する毎に行われ、基板保持装置12が下降させられ、回路基板10がスクリーン20から離間させられた後に実行される。印刷が終了した回路基板10のスクリーン印刷装置からの搬出および次にはんだ150が印刷される回路基板10のスクリーン印刷装置への搬入と並行して行われるのである。
図12に示すスキージ・はんだ離間制御ルーチンのS21においては、印刷に使用されているはんだ150のチキソ比が小さいか否かの判定が行われる。この判定は、チキソ比小フラグがONにセットされているか否かにより行われる。チキソ比が設定比以下であり、チキソ比小フラグがセットされていれば、S21の判定結果がYESになってS22以下のステップが実行され、第1種相対移動軌跡制御および第1種相対移動速度制御が行われる。S22においてはスキージ100が上昇を開始させられ、スクリーン20からの離間を開始させられる。スキージユニット40の上昇が開始させられ、スキージ100のスクリーン20からの離間ないしスキージ100のはんだ150からの離間が開始させられる。スキージユニット40の上昇時には、エアシリンダ73の下側のエア室にエアが供給され、上側のエア室は大気に解放されるのであるが、上昇速度を設定された速度とする指令が出力され、比例電磁流量調整弁89への供給電流の制御によりエアの流量が制御され、スキージ100の上昇速度が予め設定された速度とされる。スキージ100の上昇速度は、本実施例では、前記図8および図9に示す実験時と同じ大きさとされ、20mm/sとされる。
次いでS23が実行され、スキージ100が上昇位置へ上昇したか否かの判定が行われる。この判定は、エアシリンダ73へエアが設定時間、供給されたか否かにより行われる。先に上昇位置が設定される際、エアシリンダ73へのエアの供給時間によって設定され、S23ではスキージ100の上昇開始から設定時間が経過したか否かの判定が行われる。S23の判定結果はスキージ100が上昇位置へ上昇するまでNOであり、スキージ100が上昇位置へ上昇するまでS23が繰返し実行される。
スキージ100が上昇位置へ上昇すれば、S23の判定結果がYESになってS24が実行され、スキージ100が上昇を停止させられる。電磁方向切換弁86がエアシリンダ73の2つのエア室をエア源88および大気の両方から遮断する状態に切り換えられるのである。そして、S25が実行され、スキージユニット40が微小な速度でスクリーン20に平行な方向に前進させられ、はんだ本体部152に接近させられる。この前進速度は予め設定されており、その設定速度でのスライダ50の移動指令が出力され、スライダ移動用モータ54が制御される。前進速度は、本実施例では、7.5mm/sとされる。
次いでS26が実行され、スキージ100が前進位置へ到達したか否かの判定が行われる。前進位置は先に設定されているが、スライダ移動用モータ54のエンコーダの値により設定されており、スキージ100の前進開始後、スライダ移動用モータ54のエンコーダの検出値に基づいてS26の判定が行われる。前進距離がエンコーダの値により設定され、エンコーダの検出値が設定値分、変化したか否かによりS23の判定が行われるのである。スキージ100が設定距離前進させられれば、S26の判定結果がYESになってS27が実行され、スキージユニット40が停止させられる。
このようにスキージ100がスクリーン20から直角な方向に離間させられることにより、図6(b)に示すように、はんだ150のはんだ本体部152から伸長部154が引き出されるが、スキージ100の上昇位置は、伸長部154が切れる前に、スキージ100がスクリーン20に平行な方向においてのみはんだ本体部152に接近する向きの移動を開始するとともに、はんだ本体部152の最も高い部分に接近させられた状態でも、はんだ本体部152と干渉することのない位置に設定されており、図6(c)〜図6(e)に示すように、スキージ100がスクリーン20に平行な方向においてのみはんだ150に接近する向きに移動させられるとき、スキージ100がはんだ本体部152を押したり、押し潰したりすることがなく、伸長部154はスキージ100について前方へ移動しつつ、図6(f)に示すように、スキージ100から離間し、はんだ本体部152上に落ちる。スキージ100ははんだ本体部152に対して微小な速度で前進させられるため、伸長部154ははんだ本体部152上にゆっくり倒れ込まされ、密着させられる。スキージ100が第1種相対移動軌跡に従った移動により離間させられるはんだ150はチキソ比が小さいため、スキージ100によって低速で移動させられる際に流動性がそれほど低下せず、伸長部154ははんだ本体部152になじみ易く、はんだ150は、空気を抱え込むことなく、外側へ突出した角のない滑らかなロール形状に戻り、次の回路基板10への印刷に使用される。
スキージ100は前進位置へ移動させられた後、非使用位置へ上昇させられるとともに、他方のスキージ100を有するスキージユニット40が使用位置へ下降させられ、次の回路基板10へのはんだ150の印刷時にスクリーン20に接触させられ、はんだ150を逆向きに押送して回路基板10に印刷する。はんだ150から離間させられたスキージ100は、はんだの付着が少なく、スキージ100からスクリーン20にはんだが垂れ落ちてスクリーン20を汚すことがなく、スクリーン20の清掃が容易であり、また、印刷がむらなく、印刷不良を発生することなく行われる。また、はんだ150のロール形状の崩れがなく、はんだ150の貫通穴22への充填が良好に行われ、安定した印刷品質が得られる。他方のスキージユニット40のスキージ100も、印刷終了後、一方のスキージ100との交替時と同様に第1種相対移動軌跡に従って設定された速度で移動させられ、はんだ150から離間させられる。なお、スキージユニット40が前進位置へ前進させられた後、非使用位置へ上昇させるとともに、1対のスキージユニット40を離間位置へ上昇させ、その状態から、次に印刷に使用されるスキージユニット40を使用位置へ下降させるとともに、スクリーン20に接触させてもよい。
回路基板10に印刷されるはんだ150がチキソ比が設定値より大きいものであり、チキソ比小フラグがリセットされていれば、図12に示すスキージ・はんだ離間制御ルーチンのS21の判定結果がNOになってS28が実行され、第2相対移動制御が行われ、スキージ100が第2種相対移動軌跡によってはんだから離間させられる。第2相対移動制御を図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、S31が実行され、スキージユニット40の上昇が開始させられ、スキージ100がスクリーン20に直角な方向においてスクリーン20から離間する方向の成分のみを含む方向に移動させられて、スキージ100のスクリーン20からの離間が開始させられる。スキージユニット40の上昇時には、上昇速度を規制速度とし、低く制御する指令が出力され、比例電磁流量調整弁89への供給電流の制御により、エアシリンダ73の下側のエア室に供給されるエアの流量が制御され、スキージ100の上昇速度が予め設定された速度に規制される。スキージ100の上昇速度は、本実施例では、前記図8および図9に示す実験時と同じ大きさとされ、20mm/sとされる。
次いでS32が実行され、ロードセル80の検出信号が読み込まれ、ロードセル80に加えられる負荷が算出され、検出される。続いてS33が実行され、スキージ100が上昇位置へ上昇したか否かが判定される。この判定は、エアシリンダ73へエアが設定時間、供給されたか否かにより行われる。上昇位置は、スキージ100が、はんだ150に接触しつつスクリーン20から僅かに離れた状態となる位置であり、スキージユニット40が上昇位置へ上昇するために要するエアシリンダ73へのエアの供給時間は予め設定され、スキージユニット40は規制された低い速度で、スキージ100がはんだ150には接触しているが、スクリーン20から僅かに離れた状態となる位置へ上昇させられる。S33の判定結果は、スキージ100が上昇位置へ上昇するまでNOであり、S32,S33が繰返し実行される。
設定時間が経過すれば、S33の判定結果がYESになってS34が実行され、スキージユニット40の上昇が停止させられる。電磁方向切換弁86がエアシリンダ73の2つのエア室をエア源88および大気の両方から遮断する状態に切り換えられるのである。そして、S35が実行され、スキージユニット40が規制された速度で後退させられ、はんだ150から離間させられる。この後退速度は予め設定されており、その設定速度でのスライダ50の移動指令が出力され、スライダ移動用モータ54が制御される。後退速度は、本実施例では10mm/sとされる。次いでS36が実行され、ロードセル80の検出信号が読み込まれ、ロードセル80に加えられる負荷が算出され、負荷が検出された後、S37が実行され、スキージ100がはんだ150から離間したか否かが判定される。この判定は、S36において算出されたロードセル80に加えられる負荷の絶対値が2組の保持ヘッド70およびスキージユニット40の総重量と等しくなったか否かにより行われる。
スキージ100が後退させられ、スクリーン20に平行な方向においてはんだ150から離間する方向の成分のみを含む方向に移動させられて、はんだ150から離間させられるとき、はんだ150の一部がスキージ100に付着している間、はんだ150は、その粘度により、スキージ100に後退方向とは逆方向の力を加える。スキージ100は傾斜して設けられており、スキージ100の後退時にも、はんだ150がスキージ100に加える力に基づいて、ロードセル80に下向きの負荷が加えられ、ロードセル80には、図5のグラフに示すように、スキージ100がはんだ150から離間するまで、2組の保持ヘッド70およびスキージユニット40の総重量と、はんだ150による引張力とが加えられることとなる。
このはんだ150による負荷は、図5のグラフに示すように、スキージ100が後退させられ、はんだ150から離れるに従って小さくなり、離間が完了すれば、ロードセル80に作用しなくなるため、ロードセル80に加えられる負荷が上記総重量と等しくなれば、スキージ100がはんだ150から離間したことがわかる。
スキージ100がはんだ150から離間するまでS36,S37が繰り返し実行され、離間すれば、S37の判定結果がYESになってS38が実行され、スキージ100が更に小距離、はんだ150から離間する向きに予め設定された距離、後退させられたか否かの判定が行われる。この距離は予め設定され、スキージ100のはんだ150からの離間後、スライダ移動用モータ54のエンコーダの検出値に基づいてS5の判定が行われる。後退距離がエンコーダの値により設定され、エンコーダの検出値が設定値分、変化したか否かによりS38の判定が行われるのである。
スキージ100が設定距離後退させられれば、S38の判定結果がYESになってS39が実行され、スキージユニット40の高速での後退指令が出力される。この指令に基づいてスライダ移動用モータ54が制御されてスライダ50の移動速度が加速され、S40においてスキージ100が後退端位置へ到達したか否かの判定が行われる。この判定は、スライダ移動用モータ54のエンコーダの検出値に基づいて行われる。スキージ100が上記設定距離後退させられた位置から後退端位置までの距離は予め設定され、その距離に相当するエンコーダの値分、エンコーダの検出値が変化したか否かがS40において判定されるのであり、スキージ100が後退端位置へ到達すれば、S40の判定結果はYESになってS41が実行され、スキージユニット40が停止させられる。
このようにスキージ100が速度を規制されつつ上昇,後退させられてはんだ150から離間させられることにより、はんだがはんだ150から引き出され難く、引き出されても少量である。そのため、スキージ100がはんだ150から離間すれば、その弾性力により、図7(c)に実線で示すように崩れがなく、外側へ飛び出した角のない滑らかなロール形状に戻り、次の印刷が支障なく行われる。
スキージユニット40は後退端位置へ移動させられた後、非使用位置へ上昇させられるとともに、他方のスキージユニット40が使用位置へ下降させられ、次の回路基板10へのはんだ150の印刷時にスクリーン20に接触させられ、はんだ150を逆向きに押送して回路基板10に印刷する。この他方のスキージユニット40のスキージ100についても、印刷終了後、一方のスキージ100との交替時に同様に規制された速度で上昇,後退させられ、はんだ150からのはんだ150の引き出しを抑制しつつ離間させられる。なお、スキージユニット40が後退端位置へ後退させられた後、非使用位置へ上昇させるとともに、1対のスキージユニット40を離間位置へ上昇させ、その状態から、次に印刷に使用されるスキージユニット40を使用位置へ下降させるとともに、スクリーン20に接触させてもよい。スキージ100とはんだ150との離間が第2種相対移動軌跡に従って行われる場合にも、スキージ100に付着したはんだのスクリーン20への垂れ落ちがないことによるスクリーン20の清掃の容易化等の効果が得られ、はんだ150の安定したロール形状の維持による印刷品質の安定化の効果が得られる。
以上の説明から明らかなように、本スクリーン印刷装置においては、スキージ保持装置移動装置44および保持ヘッド昇降装置72がスキージ・ペースト離間装置を構成している。また、スキージ保持装置移動装置44は、スキージ100をはんだ150に接近する向きに前進させることにより、はんだ150から離間させる接近離間装置およびスキージ100をはんだ150から離間する向きに後退させることにより、はんだ150から離間させる後退離間装置を構成し、保持ヘッド昇降装置72が、スキージ100の接近前およびスキージ100の後退前にそれぞれスキージ100のスクリーン20への接触を解消する接触解消装置を構成している。
また、制御装置120は離間装置制御装置を構成し、そのS22〜S24を実行する部分が第1離間制御部を構成し、S25〜S27を実行する部分が第2離間制御部を構成している。さらに、制御装置120のS22を実行する部分が接触解消時速度制御部を構成し、S25を実行する部分が接近速度規制部を構成し、これらが第1種相対移動軌跡制御時スキージ・ペースト離間速度制御部を構成している。さらに、制御装置120の、S31,S33,S34を実行する部分がスキージ・スクリーン離間制御部を構成し、S35〜S37を実行する部分がスキージ・はんだ離間制御部を構成している。さらにまた、S31を実行する部分が接触解消時速度制御部たる接触解消時速度規制部を構成し、S35を実行する部分が後退速度規制部を構成し、これらが第2種相対移動軌跡制御時スキージ・ペースト相対移動速度規制部を構成している。制御装置120のS1〜S3を実行する部分がはんだのチキソ比に応じて実行される相対移動軌跡を選択する相対移動軌跡選択部を構成し、S21を実行する部分が相対移動形態切換部を構成し、S22〜S27を実行する部分が第1相対移動形態制御部を構成し、S31〜S37を事項する部分が第2相対移動形態制御部を構成している。また、比例電磁流量調整弁89がスキージ・ペースト離間装置の離間速度規制装置を構成している。なお、S32の負荷検出は省略してもよい。
なお、第1種相対移動軌跡は、図14にスキージ100の移動軌跡を矢印で示すように、スクリーン20に直角な方向に関してスクリーン20から離間する方向に移動させた後、スクリーン20に平行な方向に関してははんだ150に接近する向きの接近成分を含み、スクリーン20に直角な方向に関してははんだ150から離間する向きの離間成分を含む方向に移動させる軌跡でもよい。
あるいは図15に示すように、スキージ100を、スクリーン20に平行な方向に関しては接近成分を含み、スクリーン20に直角な方向に関しては離間成分を含む方向に移動させた後、スクリーン20に平行な方向に関してははんだ150に接近する向きの接近成分を含み、スクリーン20に直角な方向に関してははんだ150から離間する向きの離間成分を含む方向に移動させてもよい。
あるいは図16に示すように、スキージ100を、スクリーン20に平行な方向および直角な方向の両方に関して離間成分を含む方向に移動させた後、スクリーン20に平行な方向および直角な方向の両方に関して接近成分を含む方向に移動させてもよい。スキージ100をはんだ150に対して斜め後方に移動させることにより、はんだの一部をはんだ本体部から大きく引き出し、その後、はんだ150に向かって斜めに移動させることにより、引き出した伸長部をはんだ本体部上に重ねる。
あるいは図17に示すように、スキージ100を、スクリーン20に平行な方向に関しては接近成分を含み、スクリーン20に直角な方向に関しては離間成分を含む方向のみに移動させて、はんだ150から離間させるようにしてもよい。
また、第2種相対移動軌跡は、図18に示すように、スキージ100を、スクリーン20に直角な方向に関してスクリーン20から離間する方向に移動させた後、スクリーンに平行な方向および直角な方向に関して離間成分を含む方向に移動させる軌跡としてもよい。
あるいは図19に示すように、スキージ100を、スクリーン20に平行な方向および直角な方向に関してスクリーン20から離間する方向に移動させた後、それら離間成分を含むがスクリーン20に対する傾斜角度を小さくした方向にて移動させてもよい。
あるいは図20に示すように、スキージ100を、スクリーン20に平行な方向および直角な方向に関してスクリーン20から離間する方向であって、スクリーン20に対する傾斜角度が一定の方向に移動させてもよい。
あるいは図21に示すように、スキージ100を、スクリーン20に直角な方向において離間する方向のみに移動させてはんだ150から離間させてもよい。
また、スキージ・スクリーン接触離間装置は、エンコーダ付サーボモータ等の電動モータを駆動源とする装置としてもよい。例えば、電動モータの回転を、送りねじおよびナットを含む運動変換機構たる送りねじ装置により直線運動に変換し、スキージ保持装置本体を昇降させ、スクリーンに接近,離間する方向に移動させる。
さらに、スキージ・スクリーン接触離間装置を流体圧シリンダを駆動源とする装置とする場合、スキージのペーストからの離間速度は、流体圧シリンダへの供給流体の圧力を制御することにより規制するようにしてもよい。例えば、流体圧源と流体圧シリンダの下側の流体圧室との間に比例電磁圧力制御弁を設け、スキージのペーストからの離間時に流体圧シリンダに供給する流体の圧力を徐々に増大させ、スキージのスクリーンからの離間が検出されたならば、供給流体の圧力を離間開始時の圧力に保持する。スキージのスクリーンからの離間は、例えば、離間制御(上昇制御)の開始後、設定時間が経過したことにより検出され、あるいは離間制御開始後、前記実施例と同様のロードセル80により検出される負荷の絶対値の最大値が取得されたこと(例えば、負荷最大値が更新されなくなることによりわかる)により検出される。スキージは、スキージ総重量およびペーストがスキージに加える負荷に基づいて流体圧シリンダに下向きに作用する圧力と、スキージを上昇させる圧力との差圧により規制された速度で上昇させられる。
さらに、第2種相対移動軌跡によるスキージとペーストとの離間において、スキージのペーストからの離間検出後、設定距離、スキージをペーストから離間させる際に離間速度を低く規制することなく、加速して離間させてもよい。
また、スキージ昇降装置がエアシリンダ等の流体圧シリンダを駆動源とする装置とされるスクリーン印刷装置において、スキージを小距離上昇させてスクリーンから離間させた後、後退させてペーストから離間させる場合、上昇速度(スクリーンとスキージとの相対的な離間速度)を規制することは不可欠ではなく、その規制を行わない場合には、接触解消速度規制部を省略し、流体圧シリンダへの流体の供給流量を制御する制御弁装置を省略することができる。スキージとペーストとを、少なくとも、スクリーンに平行な方向に関して接近成分を含む方向に相対移動させて離間させる場合に、スキージとペーストとを離間方向に相対移動させる場合も同様である。
また、スキージはゴムあるいはその類似物製としてもよい。
さらに、スクリーン上におけるペーストの残量を推定するためのデータは、作業者による入力に限らず、スクリーン印刷装置を含む作業システム、例えば、部品装着装置を含む電子回路製造システム全体を制御するシステム制御装置のホストコンピュータから供給されるようにしてもよい。
また、第1種相対移動軌跡制御における前進位置は、ペーストの残量に関係なく、一定の位置とされてもよい。例えば、はんだ本体部152から引き出された伸長部154がスキージ100から離れてはんだ本体部152上に倒れ込むとともに、一対のスキージ100の他方のスキージ100が印刷を開始することができる位置に位置する位置を前進位置とする。
さらに、スクリーン上におけるペーストの残量は、残量検出装置を設けて検出するようにしてもよい。
また、本発明は、スキージを1つ有するスクリーン印刷装置、はんだ150以外のペーストであって、同様の性質を有するペースト、例えば、接着剤や銀ペーストを印刷対象材に印刷するスクリーン印刷装置およびスクリーン・ペースト離間方法に適用可能である。
請求可能発明の一実施例であるスクリーン印刷装置であって、請求可能発明に係るスクリーン印刷方法が実施されるスクリーン印刷装置を概略的に示す正面図である。 上記スクリーン印刷装置の保持ヘッドおよびスキージユニット等を示す正面図(一部断面)である。 上記スクリーン印刷装置を制御する制御装置を概念的に示すブロック図である。 上記スクリーン印刷装置においてスキージがスクリーンに接触させられる際の接触力の変化を示すグラフである。 上記スクリーン印刷装置においてスキージがスクリーンおよびはんだから離間させられる際にロードセルに作用する力の変化を示すグラフである。 上記スクリーン印刷装置におけるスキージの第1種相対移動軌跡に従った移動によるはんだからの離間を説明する図である。 上記スクリーン印刷装置におけるスキージの第2種相対移動軌跡に従った移動によるはんだからの離間を説明する図である。 上記スクリーン印刷装置において回路基板に印刷されるはんだのチキソ比と、上記第1,第2種相対移動軌跡に従った各移動によるスキージのはんだからの離間時におけるはんだの状態との関係をチキソ比を異にする2種類のはんだについて示す図表である。 上記スクリーン印刷装置において回路基板に印刷されるはんだのチキソ比と、上記第1,第2種相対移動軌跡に従った各移動によるスキージのはんだからの離間時におけるはんだの状態との関係を、図8に示す状態が得られるはんだとはチキソ比を異にする3種類のはんだについて示す図表である。 上記制御装置の主体を成すコンピュータのROMに記憶させられたチキソ比判定ルーチンを示すフローチャートである。 上記コンピュータのROMに記憶させられた第1種相対移動軌跡制御用上昇位置・前進位置設定ルーチンを示すフローチャートである。 上記コンピュータのROMに記憶させられたスキージ・はんだ離間制御ルーチンを示すフローチャートである。 上記コンピュータのROMに記憶させられた第2相対移動制御ルーチンを示すフローチャートである。 第1種相対移動軌跡の別の態様を概略的に示す図である。 第1種相対移動軌跡のさらに別の態様を概略的に示す図である。 第1種相対移動軌跡のさらに別の態様を概略的に示す図である。 第1種相対移動軌跡のさらに別の態様を概略的に示す図である。 第2種相対移動軌跡の別の態様を概略的に示す図である。 第2種相対移動軌跡のさらに別の態様を概略的に示す図である。 第2種相対移動軌跡のさらに別の態様を概略的に示す図である。 第2種相対移動軌跡のさらに別の態様を概略的に示す図である。
符号の説明
10:回路基板 20:スクリーン 22:貫通穴 44:スキージ保持装置移動装置 72:保持ヘッド昇降装置 100:スキージ 120:制御装置 150:はんだ 152:はんだ本体部 154:伸長部

Claims (5)

  1. スクリーン上に載せたペーストをスキージによりスクリーンに沿って移動させ、そのスクリーンに形成した貫通穴を通して印刷対象材に印刷した後に、前記スキージと前記スクリーン上のペーストとを互いに離間させる方法であって、
    前記スキージと前記ペーストとの相対移動形態が複数種類の相対移動軌跡を含み、その複数種類の相対移動軌跡が、少なくとも、(a)前記ペーストのチキソ比が設定値より小さい場合に、前記スキージと前記スクリーンとを離間させるスキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スキージとペーストとが少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して互いに接近する相対移動成分である接近成分を含む第1種相対移動軌跡と、(b)前記ペーストのチキソ比が設定値より大きい場合に、前記スキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スクリーンに平行な方向に関しても、スクリーンに直角な方向に関しても、互いに接近する相対移動成分を含まない第2種相対移動軌跡とを含み、かつ、前記第1種相対移動軌跡による前記スキージと前記ペーストとの相対移動が、スキージによりペーストから引き出されて外向きに伸びた伸長部がスキージから離れるまで行われることを特徴とするスキージ・ペースト離間方法。
  2. 前記第1種相対移動軌跡が、前記スクリーンに平行な方向に関しても、前記スクリーンに直角な方向に関しても、前記スキージと前記ペーストとを互いに接近させる過程をを含まない相対移動によりスキージとペーストとを離間させる第1軌跡と、少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して前記スキージと前記ペーストとを互いに接近させる第2軌跡とを含む請求項1に記載のスキージ・ペースト離間方法。
  3. 前記スキージと前記ペーストとの相対移動が、前記スキージの移動により生じさせられる請求項1または2に記載のスキージ・ペースト離間方法。
  4. 前記印刷対象材が、電子回路部品と共に電子回路を構成する回路基材であり、前記ペーストがその回路基材のパッドに電子回路部品の端子を仮止めするとともに、後に、それらパッドと端子とをはんだ付けするためのペースト状はんだである請求項1ないし3のいずれかに記載のスキージ・ペースト離間方法。
  5. スクリーン上に載せられたペーストをスキージによりスクリーンに沿って移動させ、そのスクリーンに形成された貫通穴を通して印刷対象材に印刷するスクリーン印刷装置であって、
    互いに接触している前記ペーストと前記スキージとを離間させるスキージ・ペースト離間装置と、
    そのスキージ・ペースト離間装置を、前記スキージと前記ペーストとの相対移動形態が複数種類の相対移動軌跡を含む複数の制御形態により選択的に制御可能な離間装置制御装置と
    を含み、前記複数種類の相対移動軌跡が、少なくとも、(a)前記ペーストのチキソ比が設定値より小さい場合に、前記スキージと前記スクリーンとを離間させるスキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スキージとペーストとが少なくとも前記スクリーンに平行な方向に関して互いに接近する相対移動成分である接近成分を含む第1種相対移動軌跡と、(b)前記ペーストのチキソ比が設定値より大きい場合に、前記スキージ・スクリーン離間過程を含むとともに、スクリーンに平行な方向に関しても、スクリーンに直角な方向に関しても、互いに接近する相対移動成分を含まない第2種相対移動軌跡とを含み、かつ、前記第1種相対移動軌跡による前記スキージと前記ペーストとの相対移動が、スキージによりペーストから引き出されて外向きに伸びた伸長部がスキージから離れるまで行われることを特徴とするスクリーン印刷装置。
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