JP3998350B2 - スクリーン印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路形成において基板表面に所定形状の印刷膜を形成するスクリーン印刷に関するものであり、特に、プリント回路基板のランド上に電子部品を実装するためのクリームはんだを塗布するスクリーン印刷に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン印刷法の一例として、プリント回路基板のランド上にクリームはんだを印刷する方法を図1を用いて説明する。
図1の(a)に示すように、所定パターンに配置された貫通孔1aを有するスクリーンマスク(メタルマスク)1を、印刷しようとする基板2上の所定位置に配置する。このとき、スクリーンマスク1は、その貫通孔1aが基板2のランド2aの上方に位置するように配される。ついで、スクリーンマスク1の上面の端部にクリームはんだ4を供給する。次に、(b)に示すように、スキージ3をスクリーンマスク1の上面で下方に押さえつけるようにして摺動させる。これにより、クリームはんだ4は、スクリーンマスク1の貫通孔1aに充填されるとともに、ランド2aに塗着される。このステップを以下、ペースト充填工程とする。
【0003】
その後、(c)に示すように基板2を下方に移動させるか、またはスクリーンマスク1を上方に移動させて、スクリーンマスク1と基板2を分離すると、スクリーンマスク1の貫通孔1aに充填されたクリームはんだ4は、基板2のランド2a上に転写されて、(d)に示すように貫通孔1aのパターンに応じた印刷膜5が形成される。このステップを以下、版離れ工程とする。
このようなスクリーン印刷は、銅張積層板に回路を形成するためのエッチングレジストを印刷する工程や回路基板のランドにクリームはんだを印刷する工程に広く用いられている。
【0004】
スクリーン印刷によると、印刷条件によっては、得られた印刷膜の形状が安定しない。たとえば、粘度が異なるペーストを用いると、ペースト充填工程におけるスキージの移動速度や版離れ工程におけるスクリーンマスクが被印刷体から離れる速度(以下、版離れ速度とする)が等しくても、形成される印刷膜の形状は安定しない。
ペースト充填工程においては、充填時のペーストの粘度を適性に保つ必要がある。ペーストはチクソ性を有することから、スキージの移動速度により充填時の粘度が変化する。充填時のペーストの粘度が高いと、スクリーンマスクの貫通孔に十分にペーストが充填されず、形成された印刷膜の一部が欠けたりする。
版離れ工程においても、スクリーンマスクを基板から離すときに、基板に塗着したペーストの周縁部がスクリーンマスクに引っ張られることから、いわゆるつの立ちやブリッジを防ぐためには、ペーストの物性(特に粘性特性)に応じた版離れ速度を設定する必要がある。
【0005】
したがって、スクリーン印刷においては、用いるペーストの物性を考慮して、印刷に用いるスクリーンマスクの張力、スキージの移動速度、版離れ速度等の印刷条件を決定する必要がある。
しかしながら、従来、あらかじめ設定された条件にしたがって印刷を行い、印刷不良が多発する場合には経験則にしたがって印刷条件を微調整していた。このような印刷不良は、同一のペーストを用いて連続して印刷する場合にも、たとえば温度の変化や溶媒(または分散媒)の揮発によるペーストの粘度の変化によって生じることがあるため、安定して印刷膜を形成することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、用いるペーストの物性が変化しても安定して印刷膜を形成することができるスクリーン印刷装置および印刷方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、印刷しようとするペーストの物性をリアルタイムで測定し、印刷条件を逐次得られた物性に最も適したものに変更しながら印刷するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のスクリーン印刷装置は、形成しようとする印刷膜の形状と一致したパターンの貫通孔を有するスクリーンマスク、スクリーンマスクの上面を摺動するスキージ、スクリーンマスク上に供給されたペーストの物性を検出するペースト物性検出手段、得られたペーストの物性に応じてスキージの摺動条件を決定する演算手段、および演算手段が決定した摺動条件にしたがってスキージを駆動する駆動手段を具備する。
本発明の好ましい態様において、ペーストの物性が、加えられたせん断力に対してペーストが及ぼす抗力である。
本発明において、ペースト物性検出手段、圧力センサである。圧力センサは、たとえばスキージの表面に配され、ペースト充填時にペーストよりスキージに加わる圧力を検出する。このスキージに加わる圧力は、ペーストの粘性特性に関係する。したがって、スキージに加わる圧力を検出しながら、スキージの移動速度を調整することにより、ペースト充填工程におけるペーストの粘度を適正な値に調整することができる。また、スキージを互いに異なる複数の速度で摺動させ、それぞれペーストの物性を検出すると、ペーストの降伏値等の有用な情報を得ることができる。
【0009】
クリーン印刷装置は、印刷しようとする基板を保持する基板保持手段、基板に印刷しようとする形状と一致したパターンの貫通孔を有するスクリーンマスク、スクリーンマスクの上面を摺動するスキージ、スキージを駆動する駆動手段、前記スクリーンマスクの変位を検出する変位検出手段、スクリーンマスクと基板の間隔を変化させる昇降手段、変位検出手段が検出したスクリーンマスクの変位よりスクリーンマスクの変位の速度を算出する演算手段、および演算手段により得られた変位の速度に応じて昇降手段の駆動速度を制御する制御手段を具備してもよい
【0010】
本発明によれば、印刷ペーストの物性に応じて、最も適した状態で版離れを制御することができる。これにより、印刷ペーストが基板上に安定して供給され、印刷不良を減少させることができる。
【0011】
【実施例】
スクリーン印刷は、ペースト充填工程と版離れ工程に大別することができる。
以下、ペースト充填工程と版離れ工程のそれぞれについて、クリームはんだを用いたスクリーン印刷を例に、本発明の好ましい実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
《実施例1》
本実施例では、ペースト充填工程の最適化について説明する。
ペースト充填工程においては、充填するペーストの粘度が得られる印刷膜の状態に大きな影響を及ぼす。一般に、クリームはんだ等のペーストはチクソ性を有することから、スキージの移動速度を適正値に設定し、スクリーンマスクへ充填しているときのペーストの粘度を最適に保つことが重要になる。そこで、本発明では、印刷しようとするペーストの粘度をリアルタイムで測定し、スキージの移動速度を調整しながら印刷する。
【0013】
本実施例の印刷装置を図2に示す。(a)に示すように、スキージ3はスキージ保持部6に保持される。スキージ保持部6は、コントローラ9からの指令信号によりガイドレール7上を図中矢印方向に移動する。基板サポートテーブル8は、その上面に印刷しようとする基板2を保持する。スキージ3の移動方向に対して前方側の表面には、(b)に示すように、圧力センサ10が取り付けられている。圧力センサ10は、スクリーンマスク1の表面にクリームはんだ4を供給してスキージ3を移動させる際に、その測定面が供給されたクリームはんだ4と当接するように配されている。
図3に示すように、スクリーンマスク1上のクリームはんだ4を押し出しながら、スキージ3を矢印の方向に速度vで移動させるとき、圧力センサ10により検出されるスキージ3の表面に加わる圧力(すなわちクリームはんだ4が及ぼす抗力)Pとペーストの粘度ηの関係は、以下の式(1)で表される。
【0014】
【数1】
Figure 0003998350
【0015】
したがって、圧力Pを測定することにより、ペーストの粘度を求めることができる。
【0016】
圧力センサ10は、検出した圧力Pに関する信号をコントローラ9の演算部9bに出力する。演算部9bは圧力Pよりペーストの粘度を算出し、さらにメモリ部9aに記録されたデータベースに基づいてペースト充填時に最適な粘度を得ることができるスキージ移動速度を算出する。制御部9cは、演算部9bの出力信号に基づいてスキージ保持部6を駆動させる。
【0017】
このスキージ3を用いて、プリント回路板の表面に形成されたランド上にクリームはんだをスクリーン印刷した。このとき圧力センサ10により検出された圧力Pの挙動を、図4に示す。このように、スキージの表面に圧力センサを取り付けることにより、ペースト充填工程においてスキージの表面に加わる圧力を安定して測定できることがわかる。
つぎに、粘度が異なる複数のクリームはんだを、それぞれ同様にプリント回路板の表面にスクリーン印刷した。これらの測定で得られたスキージ3の表面に加わる圧力Pと、ペーストの粘度ηの関係を図5に示す。このときの相関係数は0.98と高く、両者は高い直線関係にあることがわかる。このように、スキージの表面に取り付けた圧力センサにより、クリームはんだの粘度を的確に測定することができる。
【0018】
実際に、スキージ3の移動速度を40、100および200mm/sとして、それぞれスクリーン印刷を行い、そのときにスキージ3の表面に加わる圧力を測定した。このときのスキージ移動速度vと得られた圧力Pの関係を図6に示す。
このようにスキージ移動速度(すなわち剪断速度)vに応じて検出される圧力Pが変化する。ここで、両者がほぼ比例関係にあることから、ペーストに加わる剪断応力が圧力センサによって正確に検出されていることがわかる。なお、スキージ移動速度vに対する圧力Pの挙動が若干上に凸な曲線をとるのは、クリームはんだがチクソ性を有することによる。
この圧力Pをスキージ移動速度vで割ることでクリームはんだの粘度ηが得られる。クリームはんだは、上記のようにチクソ性を有し、剪断速度が小さいときは粘度ηは大きくなる。したがって、ペースト充填工程において、圧力Pを検出しながら、ペーストの充填に適した粘度が得られるようにスキージ移動速度vを調整することにより、クリームはんだの過充填や充填不足を防ぐことができる。したがって、良質の印刷膜を形成することが可能になる。
【0019】
スキージ移動速度の制御方法の一例を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。まず、用いるペーストの種類等に応じてスキージ移動速度V0を初期設定する(ステップ101)。ついで、スクリーンマスク1の上にクリームはんだを供給し(ステップ102)、さらにスキージ3の移動を開始して、その表面に配された圧力センサ10により圧力Pの測定を開始する(ステップ103)。印刷装置の演算部9bは、得られた圧力Pよりクリームはんだの粘度ηを算出し(ステップ104)、この値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する(ステップ105)。ここで、粘度ηがその範囲より外れていれば、スキージ移動速度V0が変更される(ステップ106)。一方、粘度ηが範囲内にあれば、そのままスキージ3が摺動して、スクリーンマスク1の貫通孔1aにクリームはんだが充填される(ステップ107)。
【0020】
参考
参考例では、版離れ工程の最適化について説明する。
版離れ工程は、静止状態から動き出す工程であり、ペーストの物性の中でも特に静的な粘性特性たとえば降伏値(剪断速度がゼロのときの応力値)の影響を大きく受ける。図8に示すように、ペーストを用いたスクリーン印刷によると、その降伏値は、印刷不良の発生率と高い相関がある。
版離れ工程において、スクリーンマスクは、図9に示すような挙動をとる。ペースト充填工程において、スクリーンマスクは、印刷しようとする基板に押圧されていて、基板と当接しない状態でのその位置z2よりも、上方の位置z0にある。スキージをスクリーンマスク上で摺動させる充填工程が終了すると、時点t0において基板を保持する保持台を所定の速度で降下させる。これにより、スクリーンマスクは、その貫通孔に充填されたペーストとともに基板に引きずられて降下し、時点t1において基板と引き離される。基板から引き離されたスクリーンマスクは、基板から受ける力から開放され、時点t2において元の状態(位置z2)に回復する。
【0021】
実際にクリームはんだを用いたスクリーン印刷の版離れ工程でのスクリーンマスクの挙動を図10に示す。(a)および(b)は、それぞれ降伏値が300Paおよび600Paのクリームはんだを用いて、版離れ速度すなわち保持台を降下させる速度を0.5mm/秒としたときのスクリーンマスクの挙動を、スクリーンマスク上の2点(XおよびY)で測定したもので、(b)では正常な印刷膜が得られたのに対し、(a)では、同じ版離れ速度に設定したにもかかわらず、点Yの周囲において印刷膜に不良(つの立ち)が発生した。図10に示すスクリーンマスクの変位の挙動より、スクリーンマスクと基板が切り離される瞬間(時点t1)まで、スクリーンマスクの変位が基板の変位に追随することが重要であると考えられる。したがって、降伏値に応じて適正な版離れ速度を設定することで良好な印刷膜を安定して形成することができる。
【0022】
そこで、印刷工程において用いるペーストの降伏値を測定し、その測定値に基づいて版離れをコントロールする。
ペーストの降伏値は、実施例1の印刷装置を用いても得ることができる。たとえば図6に示す曲線を外挿することにより得られる。
実際に、実施例1の印刷装置を用いて粘度の異なるクリームはんだの降伏値をそれぞれ求めた。なお、この降伏値(以下、疑似降伏値とする)は、スキージ3の移動速度を40、100および200mm/sとしたときにそれぞれスキージ3に加わる圧力から図6と同様の曲線を求め、これを外挿して得られたものである。
一方、同様にこれらのクリームはんだの降伏値を、精密測定器を用いて求めた。
以上のようにして得られた疑似降伏値と精密測定器により求めた降伏値の関係を図11に示す。図中直線で近似した両者の相関係数は0.98であり、両者は高い直線関係にあることがわかる。すなわち、実施例1の印刷装置を用いて求めたスキージに加わる圧力より、ペーストの降伏値を的確に測定できる。
【0023】
以下、クリームはんだをプリント回路板のランドに印刷する場合を例にとって説明する。本参考例で用いた印刷装置の構成を図12に示す。
印刷しようとする基板2は、基板サポートテーブル14の上に固定される。さらにその上方にはスクリーンマスク1が配される。
スクリーンマスク1の上方には、印刷中のスクリーンマスク1の上下の変位を測定するスクリーン変位測定手段11が配される。スクリーン変位測定手段11は、スクリーンマスク1からの距離を随時測定し、そのデータをコントローラ12に出力する。なお、スクリーン変位測定手段11には、渦電流式変位計、レーザ変位計等の非接触で変位を測定できる変位計を用いることが望ましい。このうち、渦巻き電流式変位計は、測定可能距離が約10〜30mm程度と短く、使用の際にはスクリーンマスク1上面の近傍に配する必要がある。一方、レーザ式変位計は、その焦点距離が長いことから使いやすい。
コントローラ12は、スクリーン変位測定手段11の出力データに基づいて、スクリーンマスク1の変位およびその速度を算出する。コントローラ12には、クリームはんだの降伏値と版離れ速度の印刷性に関する相関データベースがあらかじめ記憶されていて、算出されたスクリーンマスク1の変位速度をこのデータベースと比較し、最適な版離れ速度すなわち基板サポートテーブル14の下降速度を算出する。
昇降機13は、コントローラ12の指令により、基板サポートテーブル14を上下に移動させる。
【0024】
参考例における版離れ工程のフローを図13に示す。
まず、クリームはんだの特性値、特に版離れ工程で大きく影響する降伏値を測定する(ステップ201)。たとえば、実施例1と同様のペースト充填工程において、スキージをスクリーンマスクの貫通孔を有さない箇所で摺動させる際に、その移動速度を変化させて測定した値を用いることができる。もちろん、予め測定器で測定して得られた値を用いてもよい。
ついで、得られた降伏値の値に基づいて最適な版離れ速度Vsoを選択し、その値を、コントローラ12に設定する(ステップ202)。基板の上に配されたスクリーンマスク1の上面にクリームはんだを供給し、スクリーンマスク1表面でスキージ3を摺動させる(ステップ203)。ついで、スクリーン変位測定手段11により、スクリーンの変位の測定を開始し(ステップ204)、設定された速度Vsoで基板サポートテーブル14を降下させる(ステップ205)。スクリーン変位測定手段11は、スクリーンマスク1の変位の測定を開始し、得られたデータを随時、コントローラ12に送る。
【0025】
コントローラ12は、スクリーン変位測定手段11からの測定データに基づいて実際の版離れ速度Vを算出し(ステップ206)、この値を設定値Vsoと比較する(ステップ207)。ここで、版離れ速度の実測値Vが設定値Vsoより小さければ、その測定点においてはすでにスクリーンマスク1が基板2より分離されているものの、他の箇所においてはスクリーンマスク1と基板2が切り離されていないことを示す。このような状態では、基板2に塗着したクリームはんだのうちスクリーンマスク1とつながったままの箇所に負荷がかかり、形成される印刷膜に形状不良が発生することになる。そこでコントローラ12は、設定値Vsoと版離れ速度Vの差が所定の値よりも大きければ、時間当たりの両者の差dv(t)=dVso−dV(t)がゼロになるように新たな版離れ速度Vsoを設定する(ステップ208)。dv(t)が所定値以下であれば、そのまま基板サポートテーブル14を降下させ、スクリーン印刷が終了する(ステップ209)。
【0026】
実際に、同装置において版離れ速度Vsoすなわち基板サポートテーブル14の降下速度を設定したときの版離れ速度の実測値Vを図14に示す。図14より明らかなように、基板サポートテーブル14の降下速度を制御することにより、所望の版離れ速度を設定することができる。
このように、版離れ速度を検出しながら常に最適値に保つことで、基板上に所定形状の印刷膜を安定して形成することができる。
なお、版離れ工程は、時間的に非常に短い工程であるから、測定及び演算は高速で処理することが要求される。具体的には、版離れ工程に要する時間(プロセスタイム)は、最短で0.1秒程度であるため、測定系の応答時間および演算時間は、ともにせいぜい1〜2ミリ秒程度である必要がある。このような処理時間の短い測定系は、公知の技術により容易に達成できる。
【0027】
ここで、スクリーンマスク上の複数の箇所においてスクリーンの変位を測定する必要はなく、スクリーンマスク上の任意の1点、例えば微細なパターンを有する箇所においてその変位を測定し、その変位に基づいて基板サポートテーブルの下降速度を制御しても良い。また、スクリーンマスクの中央部において変位を測定すると、その箇所が最下点であるという仮定の下でスクリーンマスクのたわみを予測することができる。
スクリーンマスク上の複数の点において変位を測定する場合には、各点での測定値の平均値を演算し、これに基づいて基板サポートテーブルの降下速度を制御しても良い。
なお、スクリーン変位測定手段11は、スキージ駆動手段と一体化して配することができる。また、たとえば印刷装置の架台フレームにアームを介して配置してもよい。
【0028】
この版離れ速度制御方式を用いると、様々な版離れ制御パターンを実現することができる。例えば版離れ開始後0.1mmのストロークを0.1mm/sの速度で行い、その後版離れ完了まで1.0mm/sの速度で版離れを行うなど、予めコントローラに条件を設定しておけば、自動的に設定値通りの動作をすることが可能である。
【0029】
また、この変位測定手段を設けることにより、ペースト充填時の基板とスクリーンマスクの間のギャップの最小化も容易になる。
実際の印刷工程においては、基板の印刷面とスクリーンマスクの下面を接触さようとすると、図15の(a)および(b)に示すように、両者の間にギャップδ2が生じる。図16に示すように、ギャップ量が大きくなると印刷不良が発生しやすいため、ギャップは極力小さくする必要がある。そこで、ギャップδ2は、基板2を保持した基板サポートテーブル14を上下に移動させて調整する。このギャップは、以下のように簡単な計算式で決定することができる。
【0030】
図17に示す原点からのスクリーン変位測定手段11の高さHは、以下の式(3)で表される。ここで、スクリーン変位測定手段11の測定データδ1、スクリーンマスク1の厚さh、および基板サポートテーブルの上昇ストロークz1
を用いて以下のように表される。
H=z1+δ2+h+δ1 (3)
したがって、サポートテーブルの上昇ストロークz1を以下の式(4)のようにすれば、ギャップδ2を最小にすることができる。
1=(H−h)−δ1 (4)
【0031】
以上のように、スクリーンマスクの貫通孔に充填されたペーストを、基板等の被印刷体に転写する版離れ工程において、ペーストをその物性に適した条件で安定して引きちぎることができるため、品質の高い印刷膜を安定して形成することができる。したがって、ブリッジを引き起こすこともなく、また、クリームはんだがスクリーンマスク側に残って印刷にじみの原因となることもない。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、用いるペーストの物性に最適な条件で印刷することができる印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクリーン印刷法の各段階の状態を示す図であって、(a)はスクリーンマスク上にペーストを供給した状態、(b)は、スキージをスクリーンマスク上で摺動させている状態、(c)はスクリーンマスクの開口部にペーストを充填された状態、(d)は、スクリーンマスクを基板より切り離した状態をそれぞれ示す。
【図2】本発明の一実施例の印刷装置を示す図であって、(a)は全体の概略図であり、(b)は要部の縦断面図である。
【図3】同印刷装置のスキージにかかる圧力と印刷条件との関係を示すモデル図である。
【図4】同ペースト充填工程においてスキージにかかる圧力の時間変化を示した特性図である。
【図5】同ペーストの粘度とスキージにかかる圧力との関係を示す特性図である。
【図6】同スキージの移動速度とスキージにかかる圧力との関係を示す図である。
【図7】同ペースト充填工程の流れを示すフローチャートである。
【図8】クリームはんだの降伏値とそれを用いたスクリーン印刷の不良発生率の関係を示す相関図である。
【図9】版離れ工程におけるスクリーンマスクの挙動を示すモデル図である。
【図10】同実測したチャートであって、(a)は印刷不良が発生したときのスクリーンマスクの挙動をを示し、(b)は印刷不良が発生したときのスクリーンマスクの挙動を状態を示す。
【図11】同実施例におけるスキージにかかる圧力から求めたペーストの降伏値と精密測定器を用いて求めた同ペーストの降伏値との相関図である。
【図12】参考例の印刷装置の構成を示す概略図である。
【図13】同版離れ工程の流れを示すフローチャートである。
【図14】同版離れ速度の設定値と実測値の相関図である。
【図15】スクリーンマスクと基板とのギャップを示すモデル図である。
【図16】同ギャップ量と印刷不良の発生率との関係を示す相関図である。
【図17】同印刷装置においてギャップを調整する手段を示したモデル図である。
【符号の説明】
1 スクリーンマスク
1a 貫通孔
2 基板
2a ランド
3 スキージ
4 クリームはんだ
5 印刷膜
6 スキージ保持部
7 ガイドレール
8、14 基板サポートテーブル
9 コントローラ
9a メモリ部
9b 演算部
9c 制御部
10 圧力センサ
11 スクリーン変位測定手段
12 コントローラ
13 昇降機

Claims (6)

  1. 形成しようとする印刷膜の形状と一致したパターンの貫通孔を有するスクリーンマスク、前記スクリーンマスクの上面を摺動するスキージ、前記スクリーンマスク上に供給されたペーストの物性を検出するペースト物性検出手段、得られた前記ペーストの物性に応じて前記スキージの摺動条件を決定する演算手段、および前記演算手段が決定した摺動条件にしたがって前記スキージを駆動する駆動手段を具備し、
    前記ペースト物性検出手段が、前記スキージに配された圧力センサであり、
    前記圧力センサが、前記スキージの駆動中に前記ペーストと当接して、加えられたせん断力に対して前記ペーストが及ぼす抗力を検出するスクリーン印刷装置。
  2. 前記圧力センサが、前記スキージの表面に配された請求項1記載のスクリーン印刷装置。
  3. 更に、前記印刷膜を印刷しようとする基板を保持する基板保持手段を有する請求項1記載のスクリーン印刷装置。
  4. 形成しようとする印刷膜の形状と一致したパターンの貫通孔を有するスクリーンマスクを被印刷体の上方に配置する工程と、ペーストを前記スクリーンマスク上に供給する工程と、スキージに配された圧力センサを前記ペーストと当接させながら前記スキージを駆動して、加えられたせん断力に対して前記ペーストが及ぼす抗力を検出しながら、前記抗力に応じた速度で前記スキージを前記スクリーンマスクの上面で摺動させる工程を具備する印刷方法。
  5. 前記スキージを複数の速度で摺動させたときの前記抗力をそれぞれ検出する請求項記載の印刷方法。
  6. 前記圧力センサが、前記スキージの表面に配された請求項4記載の印刷方法。
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