JP5270591B2 - 釣用疑似餌及びそれに用いられる浮力体 - Google Patents

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本発明は、主としてイカ釣りに際して用いられる釣用疑似餌、および、それに用いられる浮力体に関する。
通常、主としてイカ釣用に用いられる釣用疑似餌は、海老や蝦蛄の形態を模した本体の後部に掛針を設けると共に、本体前方の下面側に落下を促がすための錘部を設けた構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録3074448号
ところで、前述した釣用疑似餌は、疑似餌本体の前側下部に錘部が存在するため、図13に示されるように、疑似餌本体102は、先端部を下方に向けた状態で水面100下に沈み始める。すなわち、疑似餌本体102の前側下部に錘部104が存在すると、キャストされた釣用疑似餌110は、着水時に、図13の(a)の状態から(b)の状態へと水中で直ちに傾いて沈み始める。
しかしながら、釣用疑似餌110を浅瀬で使用する場合には、疑似餌本体102の沈む姿勢を着水後にいち早く水平姿勢へと切り換えて、水中でゆっくりと沈ませることにより、釣り対象物(イカなど)を効果的に誘うことが求められる。
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、疑似餌本体の沈む姿勢を着水後にいち早く水平姿勢へと切り換えて水中でゆっくりと沈ませることができる釣用疑似餌及びそれに用いられる浮力体を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の釣用疑似餌は、餌の形態を模した疑似餌本体と、前記疑似餌本体の先端に突設される突出部と、前記疑似餌本体の先端部に着脱可能に取り付けられる筒状の浮力体とを備え、前記浮力体は、前記突出部が挿通できる貫通孔を有し、前記突出部を前記貫通孔に挿通させて該貫通孔から突出させた状態で前記疑似餌本体の先端部外周に嵌め付けられ、前記浮力体の前記貫通孔から突出される前記疑似餌本体の前記突出部に着脱自在に取り付けられることにより前記疑似餌本体からの前記浮力体の脱落を防止する脱落防止部材を更に備えることを特徴とする。
この請求項1に記載の釣用疑似餌によれば、浮力体が疑似餌本体の先端部に取り付けられるため、疑似餌本体の先端部を相対的に且つ効果的に浮かせることができ、それにより、疑似餌本体は、その沈む姿勢が着水後にいち早く水平姿勢へと切り換わり、水の抵抗を全体で十分に受けながら水中でゆっくりと沈むことができる。そのため、浅瀬での釣りに適する(浅瀬で使用する際の釣果を向上させることができる)。特に、疑似餌本体の前側下部に錘部が存在する一般的なケースでは、重心が先端部側に偏っていることから着水時に疑似餌本体の先端側が下向きに傾いた姿勢となるが、そのような場合でも、疑似餌本体の先端側を浮力体によって持ち上げることにより、疑似餌本体の沈む姿勢を水平姿勢へと速やかに変換することができる。更に、疑似餌本体の大きさまたは錘部の重さが異なる場合や、遠方にキャストしたいがために疑似餌本体に重量調整用の錘体を更に付加する場合であっても、疑似餌本体の先端部に浮力体を設けることにより、通常であれば錘体等によって水中での姿勢が下向きに大きく傾くべきところを、浮力体の作用により疑似餌本体の先端側が持ち上げられ、水中での沈む姿勢が水平状態へと迅速に切り替わる。
また、上記構成では、浮力体を疑似餌本体の突出部に挿通して疑似餌本体の先端部に嵌め付けるだけで、疑似餌本体に浮力を与えることができるため、疑似餌本体の浮力調整が容易である。更に、上記構成において、浮力体は、突出部に挿通されるとともに、疑似餌本体の先端部外周にわたって嵌め付けられるため、その内面形状を疑似餌本体の外面形状に適合させることができ、したがって、疑似餌本体から脱落し難い。
また、上記構成によれば、前記脱落防止部材によって疑似餌本体からの浮力体の脱落を有効に防止できる。この場合、脱落防止を確実に果たせるように、脱落防止部材の最大外形寸法を前記貫通孔の孔径よりも大きくすることが好ましい。また、脱落防止部材は、釣糸が係止される釣糸係止部として形成されていてもよい。
なお、上記構成では、浮力体がもたらす浮力は任意であり、異なる浮力のものが複数用意されることが好ましい。その場合には、浮力調整を段階的に行なうことができ有益である。また、上記構成において、突出部は、釣糸が係止される釣糸係止部として形成されていてもよい。
また、請求項2に記載の釣用疑似餌は、請求項1に記載の釣用疑似餌において、前記貫通孔は、前記突出部の形状に適合する形状を有することを特徴とする。
この請求項2に記載の釣用疑似餌によれば、請求項1に記載の釣用疑似餌と同様の作用効果が得られるとともに、貫通孔の孔形状が突出部の形状に対応しているため、突出部が貫通孔に嵌合した状態で浮力体が疑似餌本体に取り付けられ、疑似餌本体の長手方向に対して直交する方向での浮力体のガタつきを抑制できる。
また、請求項3に記載の釣用疑似餌は、請求項1または請求項2に記載の釣用疑似餌において、前記浮力体の内面には、前記疑似餌本体の外周に密着する軟質部材が配設されることを特徴とする。
この請求項3に記載の釣用疑似餌によれば、請求項1または請求項2に記載の釣用疑似餌と同様の作用効果が得られるとともに、前記軟質部材の存在により、浮力体を疑似餌本体に対して密着して取り付けることができ、浮力体と疑似餌本体とを一体化できる。ここで、「軟質」とは、疑似餌本体もしくは浮力体と比較して軟質であることを意味する。
お、本発明は、前述した特徴を有する浮力体も開示する。
本発明によれば、疑似餌本体の沈む姿勢を着水後にいち早く水平姿勢へと切り換えて水中でゆっくりと沈ませることができる釣用疑似餌及びそれに用いられる浮力体を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る釣用疑似餌の側面図である。 図1の釣用疑似餌の平面図である。 疑似餌本体と浮力体と脱落防止部材とが分離された図1の釣用疑似餌の要部分解図である。 (a)は浮力体の正面図、(b)は浮力体の側断面図である。 図4の浮力体を疑似餌本体の先端部に取り付けた状態を示す一部断面を含む要部側面図である。 図1の釣用疑似餌の作用説明図である。 浮力体の第1の変形例を示し、(a)は浮力体の正面図、(b)は疑似餌本体の先端部の側面図である。 浮力体の第2の変形例を示し、(a)は浮力体の正面図、(b)は浮力体の側断面図、(c)は浮力体の背面図、(d)は疑似餌本体の先端の突出部の平面図、(e)は疑似餌本体の先端の突出部の側面図、(f)は浮力体の平面図である。 図8(a)(b)(c)の浮力体を図8(d)(e)の疑似餌本体の先端部に取り付けた状態を示す先端側拡大図である。 浮力体の第3の変形例の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る釣用疑似餌の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る釣用疑似餌を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。 従来の釣用疑似餌の作用説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る釣用疑似餌の実施形態について説明する。
図1〜図6は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示されるように、本実施形態に係る釣用疑似餌1は、イカ釣りに適した形状として構成された疑似餌本体2を有している。疑似餌本体2は、海老や蝦蛄等の餌の形態を模しており、必要に応じて、目、髭等を取付け、色柄模様を付して構成される。
疑似餌本体2の後部には、イカを引っ掛ける掛針6が設けられているとともに、その前部(先端)には、魚釣用リールから繰り出される釣糸が連結係止される釣糸係止部として機能することも可能な突出部(“アイ”とも称する)9(図3等参照)が突設されている。この突出部9は、垂直面(釣用疑似餌1の泳動姿勢においてその長手軸方向および鉛直方向に延びる面)内でU字形に延在している(図3および図5参照)。また、疑似餌本体2の前方の下面側には、落下を促がすための錘部4が設けられている。なお、この錘部4には、随意的に通孔13が形成されても良い。
また、本実施形態では、疑似餌本体2の先端部に筒状の浮力体8を着脱可能に取り付けることができるようになっている。この浮力体8は、例えば合成樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、独立発泡剤、発泡スチロール、ウレタンスポンジ、木材等によって形成されており、疑似餌本体2に対して所定の浮力を与えることができる。
また、浮力体8は、図3〜図5に明確に示されるように、その先端側に向かって先細る傾斜状の内面および外面を含んでおり、特に疑似餌本体2の先端側の外形(先細り形状)に適合する内面形状を有している。
また、浮力体8は、疑似餌本体2の突出部9が挿通できる貫通孔8aを先端面8bに有しており、基端開口8c側から突出部9を貫通孔8aに挿通させて該貫通孔8aから突出させた状態で疑似餌本体2の先端部外周に嵌め付けられるようになっている(特に図5参照)。なお、浮力体8の貫通孔8aは、突出部9の形状とは無関係に円形を成している。また、貫通孔8aから突出される疑似餌本体2の突出部9に直接に釣糸を接続することができる。
なお、本実施形態の釣用疑似餌1は、疑似餌本体2からの浮力体8の脱落を防止するための脱落防止部材10を更に備えていても良い。この脱落防止部材10は、例えばフックまたは係止リングの形態を成しており、図5に示されるように浮力体8の貫通孔8aから突出される疑似餌本体2の突出部9に着脱自在に取り付けられるようになっている。この場合、脱落防止を確実に果たせるように、脱落防止部材10の最大外形寸法を貫通孔8aの開口寸法(直径R・・・図4参照)よりも大きくすることが好ましい。また、このように突出部9に対して取り付けられる脱落防止部材10は、魚釣用リールから繰り出される釣糸15が連結係止される釣糸係止部として機能することも可能である(図6参照)。
以上のように、本実施形態の釣用疑似餌1によれば、浮力体8が疑似餌本体2の先端部に取り付けられるため、疑似餌本体2の先端部を相対的に且つ効果的に浮かせることができ、それにより、疑似餌本体2は、図6に示されるように、その沈む姿勢が着水後(図6の(a)参照)にいち早く水平姿勢(図6の(b)参照)へと切り換わり、水の抵抗を全体で十分に受けながら水中でゆっくりと沈むことができる。そのため、浅瀬での釣りに適する(浅瀬で使用する際の釣果を向上させることができる)。特に、疑似餌本体2の前側下部に錘部4が存在する一般的なケースでは、重心が先端部側に偏っていることから着水時に疑似餌本体2の先端側が下向きに傾いた姿勢(図6の(a)参照)となるが、そのような場合でも、疑似餌本体2の先端側を浮力体8によって持ち上げることにより、疑似餌本体2の沈む姿勢を水平姿勢へと速やかに変換することができる。更に、疑似餌本体2の大きさまたは錘部4の重さが異なる場合や、遠方にキャストしたいがために疑似餌本体2に重量調整用の錘体(図示せず)を更に付加する場合であっても、疑似餌本体2の先端部に浮力体8を設けることにより、通常であれば前記錘体等によって水中での姿勢が下向きに大きく傾くべきところを、浮力体8の作用により疑似餌本体2の先端側が持ち上げられ、水中での沈む姿勢が水平状態へと迅速に切り替わる。また、本実施形態の構成では、浮力体8を疑似餌本体2の突出部9に挿通して疑似餌本体2の先端部に嵌め付けるだけで、疑似餌本体2に浮力を与えることができるため、疑似餌本体2の浮力調整が容易である。更に、本実施形態の構成において、浮力体8は、突出部9に挿通されるとともに、疑似餌本体2の先端部外周にわたって嵌め付けられるため、その内面形状を疑似餌本体2の外面形状に適合させることができ、したがって、疑似餌本体2から脱落し難い。
また、本実施形態の釣用疑似餌1は、浮力体8が疑似餌本体2の先端側の外形に適合する先細りの内面形状を有しているため、前述したように浮力体8の内面形状が疑似餌本体2の外面形状に適合して疑似餌本体2からの浮力体8の脱落を効果的に防止できるとともに、疑似餌本体2の先端部外周に対する浮力体8の取り付け及び取り外しをスムーズに行なうことができる。
また、本実施形態の釣用疑似餌1は、浮力体8の貫通孔8aから突出される疑似餌本体2の突出部9に脱落防止部材10を着脱自在に取り付けることができるようになっているため、脱落防止部材10によって疑似餌本体2からの浮力体8の脱落を有効に防止できる。
なお、本実施形態において、浮力体8がもたらす浮力は任意であり、異なる浮力のものが複数用意されることが好ましい。その場合には、浮力調整を段階的に行なうことができ有益である。
図7は浮力体8の第1の変形例を示している。図示のように、本変形例の浮力体8Aの貫通孔8a’は、垂直面内でU字形に延在する疑似餌本体2の突出部9(図7の(b)参照)の向きに合わせて突出部9の形状に適合(ほぼ一致)する形状、すなわち、垂直に延びる略矩形の形状を成している。このように、通孔8a’の孔形状が突出部9の形状に対応していると、突出部9が貫通孔8a’に嵌合した状態で浮力体8が疑似餌本体2に取り付けられるため、疑似餌本体2の長手方向に対して直交する方向での浮力体8のガタつきを抑制できる。なお、本変形例においても、疑似餌本体2からの浮力体8の脱落を防止するために、前述した実施形態と同様の脱落防止部材10を設けることができるが、その場合も、脱落防止部材10の最大外形寸法は図7の(a)に示される貫通孔8a’の水平方向寸法r1よりも大きく設定される。
図8および図9は浮力体8の第2の変形例を示している。図示のように、本変形例の浮力体8Bの貫通孔8a”は、水平面内でU字形に延在する疑似餌本体2の突出部9A(図8の(d)(e)参照)の向きに合わせて突出部9Aの形状に適合(ほぼ一致)する形状、すなわち、水平方向に延びる略矩形の形状を成している(図8の(a)〜(c)参照)。したがって、第1の変形例と同様、疑似餌本体2の長手方向に対して直交する方向での浮力体8Bのガタつきを抑制できる。なお、本変形例においても、疑似餌本体2からの浮力体8Bの脱落を防止するために、前述した実施形態と同様の脱落防止部材10を設けることができる(図9参照)が、その場合も、脱落防止部材10の最大外形寸法は図8の(a)に示される貫通孔8a”の垂直方向寸法r2よりも大きく設定される。
図10は浮力体8(8A,8B)の第3の変形例を示している。図示のように、本変形例では、浮力体8(8A,8B)の内面に、疑似餌本体2の先端部外周に密着する軟質部材40が配設されている。軟質部材40は、例えば合成ゴム、発泡剤(EVA、ウレタン)等によって形成される。このような軟質部材40の存在により、浮力体8を疑似餌本体2に対して密着して取り付けることができ、浮力体8と疑似餌本体2とを一体化できる。なお、図10の浮力体は前述した第2の変形例に対応する貫通孔8”を有しているが、これは一例として図示したものであり、本変形例の軟質部材40が前述した実施形態および第1および第2の変形例の全てに適用できることは言うまでもない。
図11は本発明の第2の実施形態を示している。図示のように本実施形態に係る釣用疑似餌1は、浮力体8(8A,8B)を疑似餌本体2に対して連結するための連結体50を有している。この連結体50は、浮力体8(8A,8B)に取り付け固定された収縮性のあるゴムバンドから成り、疑似餌本体2の錘部4に引っ掛けられることにより浮力体8(8A,8B)を疑似餌本体2に対して連結する。このような連結体50を設けると、浮力体8(8A,8B)と疑似餌本体2とを一体化することができ、浮力体8(8A,8B)のガタつきを防止できる。
図12は本発明の第3の実施形態を示している。図示のように本実施形態に係る釣用疑似餌1も、第2の実施形態と同様、浮力体8(8A,8B)を疑似餌本体2に対して連結するための連結体60を有している。この連結体60は、浮力体8(8A,8B)に取り付け固定された弾力性のある略U字形のアームから成り、その互いに向き合う係止片60a,60a同士を近接させる方向に付勢力が付与されている。そして、これらの係止片60a,60aを錘部4の前述した通孔13に挿入して弾力的に係止させることにより浮力体8が疑似餌本体2に対して連結される。このような連結体60を設けても、浮力体8と疑似餌本体2とを一体化することができ、浮力体8(8A,8B)のガタつきを防止できる。
1 釣用疑似餌
2 疑似餌本体
8,8A,8B 浮力体
8a,8a’,8a” 貫通孔
9,9A 突出部
10 脱落防止部材
40 軟質部材

Claims (5)

  1. 餌の形態を模した疑似餌本体と、
    前記疑似餌本体の先端に突設される突出部と、
    前記疑似餌本体の先端部に着脱可能に取り付けられる筒状の浮力体と、
    を備え、
    前記浮力体は、前記突出部が挿通できる貫通孔を有し、前記突出部を前記貫通孔に挿通させて該貫通孔から突出させた状態で前記疑似餌本体の先端部外周に嵌め付けられ
    前記浮力体の前記貫通孔から突出される前記疑似餌本体の前記突出部に着脱自在に取り付けられることにより前記疑似餌本体からの前記浮力体の脱落を防止する脱落防止部材を更に備えることを特徴とする釣用疑似餌。
  2. 前記貫通孔は、前記突出部の形状に適合する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の釣用疑似餌。
  3. 前記浮力体の内面には、前記疑似餌本体の外周に密着する軟質部材が配設されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の釣用疑似餌。
  4. 餌の形態を模した疑似餌本体の先端部に着脱可能に取り付けられる筒状の浮力体であって、
    前記疑似餌本体の先端に突設される突出部が挿通できる貫通孔を有し、前記突出部を前記貫通孔に挿通させて該貫通孔から突出させた状態で前記疑似餌本体の先端部外周に嵌め付けられ
    前記疑似餌本体の外周に密着する軟質部材が内面に配設されることを特徴とする浮力体。
  5. 前記貫通孔は、前記突出部の形状に適合する形状を有することを特徴とする請求項に記載の浮力体。
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